JP2007242144A - 2層光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】光の入射側から、第1基板、第1情報層、中間層、第2情報層、及び第2基板をこの順に有してなり、高記録感度と高反射率とを両立することができる2層光記録媒体の提供。
【解決手段】光の入射側から、第1基板、第1情報層、中間層、第2情報層、及び第2基板をこの順に有してなり、前記第2情報層は、光の入射側から第2下部保護層、第2記録層、第2上部保護層、反射率向上層、及び第2反射層をこの順に有してなり、前記反射率向上層の消衰係数kが2<k≦6である2層光記録媒体である。該反射率向上層がAl、Cr、Pd、Pt、Mo、及びCuから選択される少なくとも1種を含有する態様、反射率向上層の厚みが3〜15nmである態様などが好ましい。
【選択図】図2
【解決手段】光の入射側から、第1基板、第1情報層、中間層、第2情報層、及び第2基板をこの順に有してなり、前記第2情報層は、光の入射側から第2下部保護層、第2記録層、第2上部保護層、反射率向上層、及び第2反射層をこの順に有してなり、前記反射率向上層の消衰係数kが2<k≦6である2層光記録媒体である。該反射率向上層がAl、Cr、Pd、Pt、Mo、及びCuから選択される少なくとも1種を含有する態様、反射率向上層の厚みが3〜15nmである態様などが好ましい。
【選択図】図2
Description
本発明は、レーザー光の照射により情報の記録及び再生などを行うことができる2層光記録媒体(以下、「2層相変化型光記録媒体」、「2層情報記録媒体」、「2層光ディスク」と称することもある)に関する。
CD−RW等の相変化型光ディスク(相変化型光記録媒体)は、一般にプラスチック基板の上に相変化型材料からなる記録層を設け、その上に記録層の光吸収率を向上させかつ熱拡散効果を有する反射層を形成したものを基本構成とし、基板面側からレーザー光を入射して、情報の記録及び再生を行う。
相変化型材料は、レーザー光照射による加熱とその後の冷却によって、結晶状態と非晶質状態の間で相変化し、急速加熱後急冷すると非晶質となり、徐冷すると結晶化するものであり、相変化型光記録媒体は、この性質を情報の記録再生に応用したものである。
また、光照射による加熱によって起る記録層の酸化、蒸散或いは変形を阻止する目的で、通常、基板と記録層との間に下部保護層(「下部誘電体層」と称することもある)、及び記録層と反射層との間に上部保護層(「上部誘電体層」と称することもある)を設けことがある。これらの保護層は、その厚みを調節することによって、光記録媒体の光学特性の調節機能を有する。更に、下部保護層は、記録層への記録時の熱によって基板が軟化するのを防止する機能を併せ持つものである。
相変化型材料は、レーザー光照射による加熱とその後の冷却によって、結晶状態と非晶質状態の間で相変化し、急速加熱後急冷すると非晶質となり、徐冷すると結晶化するものであり、相変化型光記録媒体は、この性質を情報の記録再生に応用したものである。
また、光照射による加熱によって起る記録層の酸化、蒸散或いは変形を阻止する目的で、通常、基板と記録層との間に下部保護層(「下部誘電体層」と称することもある)、及び記録層と反射層との間に上部保護層(「上部誘電体層」と称することもある)を設けことがある。これらの保護層は、その厚みを調節することによって、光記録媒体の光学特性の調節機能を有する。更に、下部保護層は、記録層への記録時の熱によって基板が軟化するのを防止する機能を併せ持つものである。
近年、コンピュータ等で扱う情報量が増加したことによって、DVD+RW、DVD−RWのような、光ディスクの信号記録容量が増大し、信号情報の高密度化が進んでいる。現在のCDの記録容量は650MB程度であり、DVDは4.7GB程度であるが、今後、更に高記録密度化の要求が高まることが予想される。
このような相変化型光記録媒体を高記録密度化する方法として、例えば使用するレーザー波長を青色光領域まで短波長化すること、或いは記録再生を行うピックアップに用いられる対物レンズの開口数NAを大きくして、光記録媒体に照射されるレーザー光のスポットサイズを小さくすることが提案されている。
このような相変化型光記録媒体を高記録密度化する方法として、例えば使用するレーザー波長を青色光領域まで短波長化すること、或いは記録再生を行うピックアップに用いられる対物レンズの開口数NAを大きくして、光記録媒体に照射されるレーザー光のスポットサイズを小さくすることが提案されている。
また、光記録媒体自体を改良して記録容量を高める方法としては、基板の片面側に少なくとも記録層及び反射層を有する情報層を2つ重ね、これら情報層間を紫外線硬化樹脂等で接着した構造の2層光記録媒体が提案されている(特許文献1〜4等参照)。
この情報層間の接着部分である分離層(「中間層」と称することもある)は、2つの情報層を光学的に分離する機能を有するものであり、記録再生用レーザー光がなるべく多く奥側の情報層に到達する必要があるため、レーザー光をなるべく吸収しないような材料から構成されている。
この情報層間の接着部分である分離層(「中間層」と称することもある)は、2つの情報層を光学的に分離する機能を有するものであり、記録再生用レーザー光がなるべく多く奥側の情報層に到達する必要があるため、レーザー光をなるべく吸収しないような材料から構成されている。
このような2層光記録媒体については、例えば非特許文献1にも開示されているように、未だ多くの課題が存在している。例えばレーザー光照射側から見て手前側にある情報層(第1情報層)をレーザー光が十分に透過しなければ、奥側にある情報層(第2情報層)の記録層に情報を記録し再生することができないため、第1情報層を構成する反射層を無くすか、又は極薄にするか、或いは第1情報層を構成する記録層を極薄にすることが考えられる。
相変化型光記録媒体における記録は、記録層の相変化型材料にレーザー光を照射して急冷し、結晶を非晶質に変化させてマークを形成することにより行われるので、反射層を無くすか、又は厚み10nm程度と非常に薄くすると、熱拡散効果が小さくなって非晶質マークを形成することが困難になってしまう。そのための対策として、反射層の上に熱拡散層を設けることが知られている(特許文献5参照)。
一方、第2情報層を記録及び再生する場合は、レーザー光が第1情報層においてある程度吸収されてしまうため、第2情報層は、反射率及び記録感度が高くなければならない。これらの特性を上げるためには、第1情報層の透過率を高めればよいのだが、第1情報層の特性を維持しなければならないので、高透過率化には限度がある。そのために、第2情報層自身で反射率及び記録感度の改善をする必要がある。記録感度を上げる方法として一番効果的な方法は、上部保護層の厚みを厚くすることである。DVD+RWやBD−RE(書き換え型Blu−ray Disk)では、通常、反射層にAg合金が用いられており、高熱伝導率のAg合金からなる反射層によって、急冷構造となり、記録層に非晶質マークが形成される。記録層と反射層の間に設けられている上部保護層の厚みを厚くすれば、記録層を融点以上に加熱するレーザーパワーが小さくて済み、記録感度が向上することが知られている。
一方、第2情報層を記録及び再生する場合は、レーザー光が第1情報層においてある程度吸収されてしまうため、第2情報層は、反射率及び記録感度が高くなければならない。これらの特性を上げるためには、第1情報層の透過率を高めればよいのだが、第1情報層の特性を維持しなければならないので、高透過率化には限度がある。そのために、第2情報層自身で反射率及び記録感度の改善をする必要がある。記録感度を上げる方法として一番効果的な方法は、上部保護層の厚みを厚くすることである。DVD+RWやBD−RE(書き換え型Blu−ray Disk)では、通常、反射層にAg合金が用いられており、高熱伝導率のAg合金からなる反射層によって、急冷構造となり、記録層に非晶質マークが形成される。記録層と反射層の間に設けられている上部保護層の厚みを厚くすれば、記録層を融点以上に加熱するレーザーパワーが小さくて済み、記録感度が向上することが知られている。
しかし、上部保護層の厚みを厚くしていくと、反射率が低下するという問題がある。上部保護層には、通常、ZnSとSiO2の混合物が用いられるが、この材料の405nm波長付近の屈折率n=2.3、消衰係数k=0.01程度である。基板(n=1.58)、下部保護層(n=2.3、k=0.01、厚み60nm)、記録層(n=1.72、k=2.85、厚み14nm)、上部保護層(n=2.3、k=0.01)、反射層(n=0.11、k=2.16、厚み140nm)、基板(n=1.58)の構成としたとき、波長405nmのレーザー光を入射したときの反射率のシミュレーション結果を図1に示す。なお、横軸は上部保護層の厚みである。図1の結果から、上部保護層が40nmの厚みまでは、厚くなるに従って反射率は低下してしまう。一方、上部保護層の厚みが40nmを超えてくると急激に反射率が上昇するが、記録層と反射層との距離が40nmを超えてくると、反射層による冷却効果が得られなくなり、非晶質マークを形成するのが困難となる。
このように、今まで知られている層構成では、第2情報層の高反射率と高記録感度とを両立させることが困難である。このような課題に対し、上部保護層と反射層との間に、特定の光学定数をもった層を挿入することで、上部保護層を厚くしても、反射率を上げられることがわかった。上部保護層と反射層の間に別の層を設ける構成として、例えば、特許文献6では、Alを10〜40原子%を含有するSiAl又はGeAlよりなる光吸収補正層を設けている。また、特許文献7では、屈折率nが3以上6以下、消衰係数kが1以上4以下である光吸収補正層を設けている。これら光吸収補正層は、記録層が結晶状態であるときの光吸収率Acと、非晶質状態であるときの光吸収率Aaとの比(Ac/Aa)を調整して、書き換え時にマーク形状が歪まないようにする働きを有しており、該光吸収補正層の厚みは20〜60nmが好ましいとされているが、反射率に対する効果については何ら記載されていない。
また、特許文献8では、反射層と上部保護層との間に、反射層よりも熱伝導率の低い界面層を設けることが提案されている。しかし、この提案では、界面層の光学特性については開示も示唆もなく、反射率向上に対する効果についても何ら記載されていない。
また、特許文献8では、反射層と上部保護層との間に、反射層よりも熱伝導率の低い界面層を設けることが提案されている。しかし、この提案では、界面層の光学特性については開示も示唆もなく、反射率向上に対する効果についても何ら記載されていない。
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、光の入射側から、第1基板、第1情報層、中間層、第2情報層、及び第2基板をこの順に有してなり、高記録感度と高反射率とを両立することができる2層光記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 光の入射側から、第1基板、第1情報層、中間層、第2情報層、及び第2基板をこの順に有する2層光記録媒体において、
前記第2情報層は、光の入射側から、第2下部保護層、第2記録層、第2上部保護層、反射率向上層、及び第2反射層をこの順に有してなり、
前記反射率向上層は、情報の記録及び再生に用いる光の波長における消衰係数kが2<k≦6であることを特徴とする2層光記録媒体である。
<2> 反射率向上層がAl、Cr、Pd、Pt、Mo、及びCuから選択される少なくとも1種を含有する前記<1>に記載の2層光記録媒体である。
前記<1>及び<2>のいずれかに記載の2層光記録媒体においては、反射率及び記録感度が高い第2情報層を備える2層光記録媒体が得られ、特に、この2層光記録媒体は、青紫色レーザーを用いた高密度記録に好適なものである。
<3> 反射率向上層の厚みが3〜15nmである前記<1>から<2>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。該<3>に記載の2層光記録媒体においては、反射率向上層の厚みを3nm以上とすることによって、反射率を高くすることができる。また、反射率向上層の厚みを20nm以下とすることによって、記録層へレーザー照射時の急冷構造が保たれるため、記録特性の低下を防止できる。
<4> 第1情報層が、光の入射側から、第1下部保護層、第1記録層、第1上部保護層、及び第1反射層をこの順に有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。
<5> 第1反射層及び第2反射層の少なくともいずれかが、Ag及びAg合金のいずれかを含有する前記<4>に記載の2層光記録媒体である。該<5>に記載の2層光記録媒体においては、第1反射層及び第2反射層の少なくともいずれかが、Ag及びAg合金のいずれかを含有するので、第2情報層の冷却速度を速め、容易にアモルファス化が可能となり、記録特性の優れた光記録媒体が得られる。
<6> 第1記録層及び第2記録層の少なくともいずれかが、Sb−Te共晶系材料を含有する前記<4>から<5>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。
<7> 第1記録層及び第2記録層の少なくともいずれかが、Ge−Sb−Te系合金を含有する前記<4>から<5>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。
前記<6>及び<7>のいずれかに記載の2層光記録媒体においては、第1記録層及び第2記録層の少なくともいずれかがSb−Te共晶系材料又はGe−Sb−Te系合金を含有するので、良好に繰り返し記録可能な光記録媒体が得られる。
<8> 第1記録層及び第2記録層の少なくともいずれかが、Ge−Sb−Sn系合金を含有する前記<4>から<5>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。該<8>に記載の2層光記録媒体においては、第2の記録層の融点が低く、かつ結晶相と非晶質相との屈折率差が大きいため、記録感度が高くかつ結晶相と非晶質相との反射率差が大きい第2情報層が得られる。
<9> 第2記録層の厚みが3〜20nmである前記<1>から<8>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。該<9>に記載の2層光記録媒体においては、第2記録層の厚みを3nm以上とすることによって、該第2記録層での光吸収量を多くすることができる。また、第2記録層の厚みを20nm以下とすることによって、記録マークを形成する際に溶融させる部分の体積を小さくできるため、記録感度の低下を防止できる。
<10> 第1基板と第1情報層との間に透明層を有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。該<10>に記載の2層光記録媒体においては、第1基板の厚みが薄い場合でも容易に製造可能な2層光記録媒体が得られる。
<11> 第1基板の厚みが10〜600μmである前記<1>から<10>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。該<11>に記載の2層光記録媒体においては、対物レンズの開口数NAが変化した場合でも良好に記録再生を行うことができる。
<1> 光の入射側から、第1基板、第1情報層、中間層、第2情報層、及び第2基板をこの順に有する2層光記録媒体において、
前記第2情報層は、光の入射側から、第2下部保護層、第2記録層、第2上部保護層、反射率向上層、及び第2反射層をこの順に有してなり、
前記反射率向上層は、情報の記録及び再生に用いる光の波長における消衰係数kが2<k≦6であることを特徴とする2層光記録媒体である。
<2> 反射率向上層がAl、Cr、Pd、Pt、Mo、及びCuから選択される少なくとも1種を含有する前記<1>に記載の2層光記録媒体である。
前記<1>及び<2>のいずれかに記載の2層光記録媒体においては、反射率及び記録感度が高い第2情報層を備える2層光記録媒体が得られ、特に、この2層光記録媒体は、青紫色レーザーを用いた高密度記録に好適なものである。
<3> 反射率向上層の厚みが3〜15nmである前記<1>から<2>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。該<3>に記載の2層光記録媒体においては、反射率向上層の厚みを3nm以上とすることによって、反射率を高くすることができる。また、反射率向上層の厚みを20nm以下とすることによって、記録層へレーザー照射時の急冷構造が保たれるため、記録特性の低下を防止できる。
<4> 第1情報層が、光の入射側から、第1下部保護層、第1記録層、第1上部保護層、及び第1反射層をこの順に有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。
<5> 第1反射層及び第2反射層の少なくともいずれかが、Ag及びAg合金のいずれかを含有する前記<4>に記載の2層光記録媒体である。該<5>に記載の2層光記録媒体においては、第1反射層及び第2反射層の少なくともいずれかが、Ag及びAg合金のいずれかを含有するので、第2情報層の冷却速度を速め、容易にアモルファス化が可能となり、記録特性の優れた光記録媒体が得られる。
<6> 第1記録層及び第2記録層の少なくともいずれかが、Sb−Te共晶系材料を含有する前記<4>から<5>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。
<7> 第1記録層及び第2記録層の少なくともいずれかが、Ge−Sb−Te系合金を含有する前記<4>から<5>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。
前記<6>及び<7>のいずれかに記載の2層光記録媒体においては、第1記録層及び第2記録層の少なくともいずれかがSb−Te共晶系材料又はGe−Sb−Te系合金を含有するので、良好に繰り返し記録可能な光記録媒体が得られる。
<8> 第1記録層及び第2記録層の少なくともいずれかが、Ge−Sb−Sn系合金を含有する前記<4>から<5>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。該<8>に記載の2層光記録媒体においては、第2の記録層の融点が低く、かつ結晶相と非晶質相との屈折率差が大きいため、記録感度が高くかつ結晶相と非晶質相との反射率差が大きい第2情報層が得られる。
<9> 第2記録層の厚みが3〜20nmである前記<1>から<8>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。該<9>に記載の2層光記録媒体においては、第2記録層の厚みを3nm以上とすることによって、該第2記録層での光吸収量を多くすることができる。また、第2記録層の厚みを20nm以下とすることによって、記録マークを形成する際に溶融させる部分の体積を小さくできるため、記録感度の低下を防止できる。
<10> 第1基板と第1情報層との間に透明層を有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。該<10>に記載の2層光記録媒体においては、第1基板の厚みが薄い場合でも容易に製造可能な2層光記録媒体が得られる。
<11> 第1基板の厚みが10〜600μmである前記<1>から<10>のいずれかに記載の2層光記録媒体である。該<11>に記載の2層光記録媒体においては、対物レンズの開口数NAが変化した場合でも良好に記録再生を行うことができる。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、光の入射側から、第1基板、第1情報層、中間層、第2情報層、及び第2基板をこの順に有してなり、高記録感度と高反射率とを両立することができる2層光記録媒体を提供することができる。
本発明の2層光記録媒体は、光の入射側から、第1基板、第1情報層、中間層、第2情報層、及び第2基板をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記第1情報層は、光の入射側から、第1下部保護層、第1記録層、第1上部保護層、及び第1反射層をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記第2情報層は、光の入射側から、第2下部保護層、第2記録層、第2上部保護層、反射率向上層、及び第2反射層をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記第2情報層は、光の入射側から、第2下部保護層、第2記録層、第2上部保護層、反射率向上層、及び第2反射層をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
−反射率向上層−
本発明の2層光記録媒体は、第2上部保護層と第2反射層との間に反射率向上層を設ける。第2情報層の反射率向上の効果を得るためには、前記反射率向上層は、情報の記録及び再生に用いる光の波長における消衰係数kが2<k≦6であり、2≦k≦4が好ましい。前記消衰係数kが2以下であると、反射率向上の効果が得られなくなることがあり、6を超えると、吸収が大きくなりすぎて反射率が低下することがある。
ここで、前記消衰係数kは、例えば、基板上に成膜した反射率向上層と同じ組成の膜をエリプソメータにより測定することができる。
本発明の2層光記録媒体は、第2上部保護層と第2反射層との間に反射率向上層を設ける。第2情報層の反射率向上の効果を得るためには、前記反射率向上層は、情報の記録及び再生に用いる光の波長における消衰係数kが2<k≦6であり、2≦k≦4が好ましい。前記消衰係数kが2以下であると、反射率向上の効果が得られなくなることがあり、6を超えると、吸収が大きくなりすぎて反射率が低下することがある。
ここで、前記消衰係数kは、例えば、基板上に成膜した反射率向上層と同じ組成の膜をエリプソメータにより測定することができる。
また、前記反射率向上層は、融点が第2記録層よりも高いことが好ましい。
前記反射率向上層は、Al、Cr、Pd、Pt、Mo、Cu、又はこれらの合金を含有することが好ましい。合金化する際の添加元素としては、例えばBi、In、Cr、Ti、Si、Cu、Ag、Pd、Taなどが挙げられ、Si、Tiが特に好ましい。該添加元素の添加量は、0〜30原子%が好ましい。
前記反射率向上層の厚みは3〜15nmが好ましく、5〜10nmがより好ましい。前記厚みが15nmを超えると、それ以上反射率は向上せず、冷却効果低減といった記録特性を劣化させる要因が生じてくる可能性がある。一方、厚みが3nm未満であると、充分な反射率向上効果が得られないことがある。
このような反射率向上層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記反射率向上層は、Al、Cr、Pd、Pt、Mo、Cu、又はこれらの合金を含有することが好ましい。合金化する際の添加元素としては、例えばBi、In、Cr、Ti、Si、Cu、Ag、Pd、Taなどが挙げられ、Si、Tiが特に好ましい。該添加元素の添加量は、0〜30原子%が好ましい。
前記反射率向上層の厚みは3〜15nmが好ましく、5〜10nmがより好ましい。前記厚みが15nmを超えると、それ以上反射率は向上せず、冷却効果低減といった記録特性を劣化させる要因が生じてくる可能性がある。一方、厚みが3nm未満であると、充分な反射率向上効果が得られないことがある。
このような反射率向上層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
ここで、図2は、本発明の2層光記録媒体の一例を示す概略断面図であり、第1基板3の上に、光の入射側から、第1情報層1、中間層4、第2情報層2、及び第2基板5を順次積層した構造を有するものである。
前記第1情報層1は、光の入射側から、第1下部保護層11、第1記録層12、第1上部保護層13、第1反射層14、及び第1熱拡散層15からなる。
前記第2情報層2は、光の入射側から、第2下部護層21、第2記録層22、第2上部保護層23、反射率向上層24、及び第2反射層25からなる。なお、前記第1上部保護層13と第1反射層14との間にバリア層(不図示)を設けても構わない。なお、本発明の第1情報層及び第2情報層は、上記層構成に限定されるものではない。
また、図3は、本発明の2層光記録媒体の他の一例を示す概略断面図であり、図2の構成に、更に第1記録層12に隣接するように第1下部界面層16と第1上部界面層17を設けたものである。
また、図4は、本発明の2層光記録媒体の更に他の一例を示す概略断面図であり、第1基板3と第1下部保護層11との間に透明層6を設けたものである。このような透明層は、第1基板に厚みの薄いシート状物を用い、製造方法が図2の光記録媒体と相違する場合に設けられる。
前記第1情報層1は、光の入射側から、第1下部保護層11、第1記録層12、第1上部保護層13、第1反射層14、及び第1熱拡散層15からなる。
前記第2情報層2は、光の入射側から、第2下部護層21、第2記録層22、第2上部保護層23、反射率向上層24、及び第2反射層25からなる。なお、前記第1上部保護層13と第1反射層14との間にバリア層(不図示)を設けても構わない。なお、本発明の第1情報層及び第2情報層は、上記層構成に限定されるものではない。
また、図3は、本発明の2層光記録媒体の他の一例を示す概略断面図であり、図2の構成に、更に第1記録層12に隣接するように第1下部界面層16と第1上部界面層17を設けたものである。
また、図4は、本発明の2層光記録媒体の更に他の一例を示す概略断面図であり、第1基板3と第1下部保護層11との間に透明層6を設けたものである。このような透明層は、第1基板に厚みの薄いシート状物を用い、製造方法が図2の光記録媒体と相違する場合に設けられる。
−第1基板−
前記第1基板は、記録再生光が十分透過できる材質とする必要があるが、当該技術分野において従来から知られているものを用いればよい。前記第1基板の材料としては、通常、ガラス、セラミックス、樹脂等が用いられるが、特に樹脂が成形性、コストの点で好適である。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂が好ましい。
前記第1基板の情報層を形成する面には、必要に応じて、レーザー光のトラッキング用のスパイラル状又は同心円状の溝などであって、通常グルーブ部及びランド部と称される凹凸パターンが形成されていてもよく、これは通常、射出成形法又はフォトポリマー法などによって成形される。
前記第1基板の厚みは、10〜600μmが好ましく、70〜120μm又は550〜600μmの範囲である。前記厚みがこの範囲外であると、良好な記録再生ができないことがある。
前記第1基板は、記録再生光が十分透過できる材質とする必要があるが、当該技術分野において従来から知られているものを用いればよい。前記第1基板の材料としては、通常、ガラス、セラミックス、樹脂等が用いられるが、特に樹脂が成形性、コストの点で好適である。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂が好ましい。
前記第1基板の情報層を形成する面には、必要に応じて、レーザー光のトラッキング用のスパイラル状又は同心円状の溝などであって、通常グルーブ部及びランド部と称される凹凸パターンが形成されていてもよく、これは通常、射出成形法又はフォトポリマー法などによって成形される。
前記第1基板の厚みは、10〜600μmが好ましく、70〜120μm又は550〜600μmの範囲である。前記厚みがこの範囲外であると、良好な記録再生ができないことがある。
−第2基板−
前記第2基板には、第1基板と同じ材料を用いることができるが、記録再生光に対して不透明な材料を用いてもよく、第1基板とは、材質、溝形状が異なってもよい。
第2基板の厚みは特に限定されないが、第1基板との合計の厚みが1.2mmになるように第2基板の厚みを選択することが好ましい。
第2基板は、第1基板と同様に、射出成形又はフォトポリマー法などによって成形される、グルーブや案内溝などの凹凸パターンが形成されていてもよい。
前記第2基板には、第1基板と同じ材料を用いることができるが、記録再生光に対して不透明な材料を用いてもよく、第1基板とは、材質、溝形状が異なってもよい。
第2基板の厚みは特に限定されないが、第1基板との合計の厚みが1.2mmになるように第2基板の厚みを選択することが好ましい。
第2基板は、第1基板と同様に、射出成形又はフォトポリマー法などによって成形される、グルーブや案内溝などの凹凸パターンが形成されていてもよい。
−中間層、透明層−
前記中間層、又は透明層は、記録再生光の波長における光吸収が小さい方が好ましく、材料としては、樹脂が成形性、コストの点で好適であり、紫外線硬化性樹脂、遅効性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。また、光ディスク貼り合わせ用の両面粘着テープ(例えば日東電工株式会社製の粘着シートDA−8320)なども用いることができる。
前記中間層には、第1基板と同様に、射出成形又はフォトポリマー法などによって成形される、グルーブや案内溝などの凹凸パターンが形成されていてもよい。
前記中間層は、記録再生を行う際に、ピックアップが第1情報層と第2情報層とを識別して光学的に分離可能とするものであり、該中間層の厚みは10〜70μmが好ましい。前記厚みが10μm未満であると、層間クロストークが生じることがあり、70μmを超えると、第2記録層を記録再生する際に球面収差が発生し、記録再生が困難になることがある。
前記透明層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、図2に示すような透明層を設けない製法により作製した光記録媒体の最適な第1基板の厚みと、図4に示すような製法の異なる光記録媒体の第1基板と透明層の厚みの合計が同程度となるように、第1基板と透明層の厚みを調整する必要がある。例えば、NA=0.85の場合であって、図2に示す光記録媒体の第1基板の厚みが75μmで良好な記録、消去性能が得られたとすると、図4に示す光記録媒体の第1基板の厚みが50μmならば、透明層の厚みを25μmとすることが好ましい。
前記中間層、又は透明層は、記録再生光の波長における光吸収が小さい方が好ましく、材料としては、樹脂が成形性、コストの点で好適であり、紫外線硬化性樹脂、遅効性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。また、光ディスク貼り合わせ用の両面粘着テープ(例えば日東電工株式会社製の粘着シートDA−8320)なども用いることができる。
前記中間層には、第1基板と同様に、射出成形又はフォトポリマー法などによって成形される、グルーブや案内溝などの凹凸パターンが形成されていてもよい。
前記中間層は、記録再生を行う際に、ピックアップが第1情報層と第2情報層とを識別して光学的に分離可能とするものであり、該中間層の厚みは10〜70μmが好ましい。前記厚みが10μm未満であると、層間クロストークが生じることがあり、70μmを超えると、第2記録層を記録再生する際に球面収差が発生し、記録再生が困難になることがある。
前記透明層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、図2に示すような透明層を設けない製法により作製した光記録媒体の最適な第1基板の厚みと、図4に示すような製法の異なる光記録媒体の第1基板と透明層の厚みの合計が同程度となるように、第1基板と透明層の厚みを調整する必要がある。例えば、NA=0.85の場合であって、図2に示す光記録媒体の第1基板の厚みが75μmで良好な記録、消去性能が得られたとすると、図4に示す光記録媒体の第1基板の厚みが50μmならば、透明層の厚みを25μmとすることが好ましい。
−第1記録層及び第2記録層−
前記第1記録層、及び第2記録層は、レーザービームの照射によって結晶相と非晶質相との間で可逆的な相変化を起こす材料からなることが好ましい。
このような材料としては、例えば、Ge−Sb−Te系合金;Sb−Te共晶系材料;Ge−Sb−Sn系合金を主成分とする材料が挙げられる。ここで、主成分とは薄膜材料全体の90原子%以上を占めることを意味する。
前記Ge−Sb−Te系合金は、具体的には、組成式GeaSbbTe3+aで表される材料で形成できる。この材料は、a=0の場合には、結晶相が非常に安定であり非晶質相の安定性に欠ける。一方、10<aの場合には、信号振幅は大きくなるが、融点が上がるとともに結晶化速度が低下する。そのため、aは、0<a≦10の関係を満たすことが好ましく、1≦a≦9の関係を満たすことがより好ましい。また、この材料は、b<1.5の場合には、結晶相が非常に安定であり非晶質相の安定性に欠ける。一方、4<bの場合には、信号振幅は大きくなるが、結晶化速度が低下する。そのため、bは、1.5≦b≦4を満たすことが好ましく、1.5≦b≦3を満たすことがより好ましい。
また、前記記録層は、組成式(Ge−M1)aSbbTe3+a(ただし、M1は、Sn及びPbから選ばれる少なくとも1つの元素)で表される材料で形成してもよい。この組成式は、Geと元素M1とが合計で100・a/(3+2a+b)原子%だけ含まれることを意味している。この材料の組成は、組成式GeaSbbTe3+aで表される材料のGeの一部を元素M1で置換した組成である。この材料を用いた場合、Geを置換した元素M1が結晶化能を向上させるため、記録層が極めて薄い場合でも十分な消去率が得られる。元素M1としては、毒性がない点でSnがより好ましい。この材料を用いる場合も、0<a≦10(より好ましくは、1≦a≦9)、かつ1.5≦b≦4(より好ましくは、1.5≦b≦3)であることが好ましい。
記録(アモルファス化)感度の点で好ましい材料としては、Sb−Te共晶系材料が挙げられる。該Sb−Te共晶系材料には、更なる性能向上、信頼性向上などを目的としてAg、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pなどの他の元素や不純物を添加することができ、これらの中でも、Ag−In−Sb−Te、Ag−In−Ge−Sb−Teなどの合金が特に好ましい。
また、高速記録に好ましい材料として、Ge−Sb−Sn系合金が挙げられる。該Ge−Sb−Sn系合金には、更なる性能向上、信頼性向上などを目的として、Mn、Ag、In、Te、Bi、Ga等の他の元素や不純物を添加することができる。
前記第1記録層、及び第2記録層は、レーザービームの照射によって結晶相と非晶質相との間で可逆的な相変化を起こす材料からなることが好ましい。
このような材料としては、例えば、Ge−Sb−Te系合金;Sb−Te共晶系材料;Ge−Sb−Sn系合金を主成分とする材料が挙げられる。ここで、主成分とは薄膜材料全体の90原子%以上を占めることを意味する。
前記Ge−Sb−Te系合金は、具体的には、組成式GeaSbbTe3+aで表される材料で形成できる。この材料は、a=0の場合には、結晶相が非常に安定であり非晶質相の安定性に欠ける。一方、10<aの場合には、信号振幅は大きくなるが、融点が上がるとともに結晶化速度が低下する。そのため、aは、0<a≦10の関係を満たすことが好ましく、1≦a≦9の関係を満たすことがより好ましい。また、この材料は、b<1.5の場合には、結晶相が非常に安定であり非晶質相の安定性に欠ける。一方、4<bの場合には、信号振幅は大きくなるが、結晶化速度が低下する。そのため、bは、1.5≦b≦4を満たすことが好ましく、1.5≦b≦3を満たすことがより好ましい。
また、前記記録層は、組成式(Ge−M1)aSbbTe3+a(ただし、M1は、Sn及びPbから選ばれる少なくとも1つの元素)で表される材料で形成してもよい。この組成式は、Geと元素M1とが合計で100・a/(3+2a+b)原子%だけ含まれることを意味している。この材料の組成は、組成式GeaSbbTe3+aで表される材料のGeの一部を元素M1で置換した組成である。この材料を用いた場合、Geを置換した元素M1が結晶化能を向上させるため、記録層が極めて薄い場合でも十分な消去率が得られる。元素M1としては、毒性がない点でSnがより好ましい。この材料を用いる場合も、0<a≦10(より好ましくは、1≦a≦9)、かつ1.5≦b≦4(より好ましくは、1.5≦b≦3)であることが好ましい。
記録(アモルファス化)感度の点で好ましい材料としては、Sb−Te共晶系材料が挙げられる。該Sb−Te共晶系材料には、更なる性能向上、信頼性向上などを目的としてAg、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Bi、Si、Dy、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pなどの他の元素や不純物を添加することができ、これらの中でも、Ag−In−Sb−Te、Ag−In−Ge−Sb−Teなどの合金が特に好ましい。
また、高速記録に好ましい材料として、Ge−Sb−Sn系合金が挙げられる。該Ge−Sb−Sn系合金には、更なる性能向上、信頼性向上などを目的として、Mn、Ag、In、Te、Bi、Ga等の他の元素や不純物を添加することができる。
これらの記録層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できるが、中でもスパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記第1記録層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3〜15nmが好ましく、3〜8nmがより好ましい。前記厚みが3nm未満であると、均一な膜にするのが困難となることがあり、15nmを超えると透過率が低下してしまうことがある。
前記第2記録層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3〜20nmが好ましく、3〜15nmがより好ましく、8〜15nmが更に好ましい。前記厚みが3nm未満であると、均一な膜にするのが困難となることがあり、20nmを超えると、記録感度が低下してしまうことがある。
前記第1記録層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3〜15nmが好ましく、3〜8nmがより好ましい。前記厚みが3nm未満であると、均一な膜にするのが困難となることがあり、15nmを超えると透過率が低下してしまうことがある。
前記第2記録層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3〜20nmが好ましく、3〜15nmがより好ましく、8〜15nmが更に好ましい。前記厚みが3nm未満であると、均一な膜にするのが困難となることがあり、20nmを超えると、記録感度が低下してしまうことがある。
−界面層−
第1上部界面層、第1下部界面層は、それぞれ第1上部保護層と第1記録層との間、第1下部保護層と第1記録層との間で物質が移動するのを防止するために設ける。これらの界面層は、繰り返し記録によって生じる物質移動を防止したり、記録層の結晶化を促進させたりする効果があるため、界面層を設けることで繰り返し記録特性が極めて良好となる。これらの界面層は、例えばSi−N、Al−N、Ti−N、Ta−N、Zr−N、Ge−N等の窒化物、これらを含む窒化酸化物、又はSiC等の炭化物によって形成できる。これらの中でも、Ge−Nが特に好ましい。Ge−Nは、反応性スパッタリングで形成しやすく、機械的特性及び耐湿性に優れる。前記界面層が厚いと、情報層の反射率や吸収率が大きく変化して記録及び消去性能に影響を与える。前記界面層の厚みは、1〜10nmが好ましく、2〜5nmがより好ましい。
また、第2上部保護層と第2記録層との界面及び/又は第2記録層と第2下部保護層との界面に、上記と同様の材料からなる界面層を設けても構わない。
第1上部界面層、第1下部界面層は、それぞれ第1上部保護層と第1記録層との間、第1下部保護層と第1記録層との間で物質が移動するのを防止するために設ける。これらの界面層は、繰り返し記録によって生じる物質移動を防止したり、記録層の結晶化を促進させたりする効果があるため、界面層を設けることで繰り返し記録特性が極めて良好となる。これらの界面層は、例えばSi−N、Al−N、Ti−N、Ta−N、Zr−N、Ge−N等の窒化物、これらを含む窒化酸化物、又はSiC等の炭化物によって形成できる。これらの中でも、Ge−Nが特に好ましい。Ge−Nは、反応性スパッタリングで形成しやすく、機械的特性及び耐湿性に優れる。前記界面層が厚いと、情報層の反射率や吸収率が大きく変化して記録及び消去性能に影響を与える。前記界面層の厚みは、1〜10nmが好ましく、2〜5nmがより好ましい。
また、第2上部保護層と第2記録層との界面及び/又は第2記録層と第2下部保護層との界面に、上記と同様の材料からなる界面層を設けても構わない。
−反射層−
前記第1反射層及び第2反射層は、入射光を効率よく使い、冷却速度を向上させて非晶質化し易くするなどの機能を有するものであり、そのために、通常、熱伝導率の高い金属が用いられる。前記第1反射層及び第2反射層の少なくともいずれかは、Au、Ag、Cu、W、Al、Ta又はそれらの合金などを含有する。また、これらの元素の少なくとも1種を主成分とし、Cr、Ti、Si、Pd、Ta、Nd、Znなどから選ばれた少なくとも1種の元素を添加した材料を用いてもよい。ここで主成分とは、反射層材料全体の90原子%以上、好ましくは95原子%以上を占めることを意味する。
これらの中でも、Ag系材料は、とりわけ熱伝導率が大きいため、第1反射層、第2反射層に用いる材料として好ましい。
このような反射層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記第1反射層及び第2反射層は、入射光を効率よく使い、冷却速度を向上させて非晶質化し易くするなどの機能を有するものであり、そのために、通常、熱伝導率の高い金属が用いられる。前記第1反射層及び第2反射層の少なくともいずれかは、Au、Ag、Cu、W、Al、Ta又はそれらの合金などを含有する。また、これらの元素の少なくとも1種を主成分とし、Cr、Ti、Si、Pd、Ta、Nd、Znなどから選ばれた少なくとも1種の元素を添加した材料を用いてもよい。ここで主成分とは、反射層材料全体の90原子%以上、好ましくは95原子%以上を占めることを意味する。
これらの中でも、Ag系材料は、とりわけ熱伝導率が大きいため、第1反射層、第2反射層に用いる材料として好ましい。
このような反射層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記第1反射層の厚みは、3〜20nmが好ましく、5〜10nmがより好ましい。前記厚みが3nm未満であると、厚みが均一で緻密な膜を形成することが困難になることがあり、20nmを超えると、透過率が減少して第2情報層の記録再生が困難になることがある。
前記第2情報層を構成する第2反射層の厚みは、50〜200nmが好ましく、80〜150nmがより好ましい。前記厚みが50nm未満であると、繰り返し記録特性が低下することがあり、200nmを超えると、感度の低下を生じる傾向がある。
前記第2情報層を構成する第2反射層の厚みは、50〜200nmが好ましく、80〜150nmがより好ましい。前記厚みが50nm未満であると、繰り返し記録特性が低下することがあり、200nmを超えると、感度の低下を生じる傾向がある。
−保護層−
第1及び第2下部保護層並びに第1及び第2上部保護層の機能と材質は、単層相変化型光記録媒体の場合と同様であり、第1記録層と第2記録層の劣化変質を防ぎ、接着強度を高め、かつ記録特性を高めるなどの作用を有し、従来公知の材料が適用可能である。
前記保護層材料としては、例えばSiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、In2O3、MgO、ZrO2等の金属酸化物;Si3N4、AlN、TiN、ZrN等の窒化物;ZnS、In2S3、TaS4等の硫化物;SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrC等の炭化物;ダイアモンドライクカーボン;或いはそれらの混合物が挙げられる。
これらの材料は、単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に応じて不純物を含んでもよい。また、保護層の融点は記録層よりも高いことが必要である。最も好ましいのは、ZnSとSiO2の混合物である。
このような保護層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記第1及び第2下部保護層の厚みは、30〜200nmが好ましく、30〜100nmがより好ましい。前記厚みが30nm未満であると、記録時の熱によって第1基板又は中間層が変形してしまうことがあり、200nmより厚いと、量産性に問題が生じることがある。従って、上記の範囲で、最適な反射率になるように厚みの設計を行う。
また、前記第1及び第2上部保護層の厚みは、3〜40nmが好ましく、6〜30nmがより好ましい。前記厚みが3nm未満であると、記録感度が低下することがあり、40nmより厚くなると記録層と反射層との距離が大きくなり、放熱効果が得られなくなり非晶質マークを形成するのが困難となることがある。
第1及び第2下部保護層並びに第1及び第2上部保護層の機能と材質は、単層相変化型光記録媒体の場合と同様であり、第1記録層と第2記録層の劣化変質を防ぎ、接着強度を高め、かつ記録特性を高めるなどの作用を有し、従来公知の材料が適用可能である。
前記保護層材料としては、例えばSiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、In2O3、MgO、ZrO2等の金属酸化物;Si3N4、AlN、TiN、ZrN等の窒化物;ZnS、In2S3、TaS4等の硫化物;SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrC等の炭化物;ダイアモンドライクカーボン;或いはそれらの混合物が挙げられる。
これらの材料は、単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に応じて不純物を含んでもよい。また、保護層の融点は記録層よりも高いことが必要である。最も好ましいのは、ZnSとSiO2の混合物である。
このような保護層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記第1及び第2下部保護層の厚みは、30〜200nmが好ましく、30〜100nmがより好ましい。前記厚みが30nm未満であると、記録時の熱によって第1基板又は中間層が変形してしまうことがあり、200nmより厚いと、量産性に問題が生じることがある。従って、上記の範囲で、最適な反射率になるように厚みの設計を行う。
また、前記第1及び第2上部保護層の厚みは、3〜40nmが好ましく、6〜30nmがより好ましい。前記厚みが3nm未満であると、記録感度が低下することがあり、40nmより厚くなると記録層と反射層との距離が大きくなり、放熱効果が得られなくなり非晶質マークを形成するのが困難となることがある。
−第1熱拡散層−
第1熱拡散層としては、レーザー照射された記録層を急冷させるために、熱伝導率が大きいことが望まれる。また、奥側の情報層を記録再生できるように、記録再生用レーザー波長での吸収率が小さいことが望まれる。情報の記録再生に用いるレーザー光の波長において、消衰係数は0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。前記消衰係数が0.5より大きいと第1情報層での吸収率が増大し、第2情報層の記録再生が困難になる。また、情報の記録再生に用いるレーザー光の波長において、屈折率は1.6以上であることが好ましい。これより小さいと、第1情報層の透過率を大きくするのが困難になる。
第1熱拡散層としては、レーザー照射された記録層を急冷させるために、熱伝導率が大きいことが望まれる。また、奥側の情報層を記録再生できるように、記録再生用レーザー波長での吸収率が小さいことが望まれる。情報の記録再生に用いるレーザー光の波長において、消衰係数は0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。前記消衰係数が0.5より大きいと第1情報層での吸収率が増大し、第2情報層の記録再生が困難になる。また、情報の記録再生に用いるレーザー光の波長において、屈折率は1.6以上であることが好ましい。これより小さいと、第1情報層の透過率を大きくするのが困難になる。
以上のことから、窒化物、酸化物、硫化物、窒酸化物、炭化物、弗化物の少なくとも1種を含むことが好ましい。例えば、AlN、Al2O3、SiC、SiN、TiO2、SnO2、In2O3、ZnO、ITO(酸化インジウム−酸化スズ)、IZO(酸化インジウム−酸化亜鉛)、ATO(酸化スズ−アンチモン)、DLC(ダイアモンドライクカーボン)、BNなどが挙げられる。これらの中でも、In2O3(酸化インジウム)を主成分とする材料が好ましく、ITO又はIZOが特に好ましい。ここで、主成分とは材料全体の50モル%以上を占めることを意味する。
前記第1熱拡散層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記第1熱拡散層の厚みは10〜200nmが好ましく、20〜100nmがより好ましい。前記厚みが10nm未満であると、放熱効果が得られなくなることがあり、200nmを超えると、応力が大きくなり、繰り返し記録特性が低下するばかりでなく量産性にも問題が生じることがある。
なお、前記熱拡散層を第1下部保護層と第1基板との間にも設けて、熱拡散効果の更なる向上を図っても何ら問題はない。
前記第1熱拡散層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記第1熱拡散層の厚みは10〜200nmが好ましく、20〜100nmがより好ましい。前記厚みが10nm未満であると、放熱効果が得られなくなることがあり、200nmを超えると、応力が大きくなり、繰り返し記録特性が低下するばかりでなく量産性にも問題が生じることがある。
なお、前記熱拡散層を第1下部保護層と第1基板との間にも設けて、熱拡散効果の更なる向上を図っても何ら問題はない。
また、前記第1情報層は、記録再生用レーザー光波長350〜700nmでの光透過率が、40〜70%が好ましく、40〜60%がより好ましい。
初期化後に記録を行った2層光記録媒体では、記録層がアモルファス状態である面積が結晶状態である面積よりも小さいので、アモルファス状態での光透過率は結晶状態での光透過率より小さくても構わない。
初期化後に記録を行った2層光記録媒体では、記録層がアモルファス状態である面積が結晶状態である面積よりも小さいので、アモルファス状態での光透過率は結晶状態での光透過率より小さくても構わない。
<2層光記録媒体の製造方法>
本発明の2層光記録媒体の製造方法の一つは、成膜工程、初期化工程、及び密着工程を含んでなり、基本的にはこの順に各工程を行う。図5には、この方法により製造した2層光記録媒体の概略断面図であり、第1基板3、第2基板5に案内溝(グルーブ)が形成されている。図5中、1は第1情報層、4は中間層、2は第2情報層を表す。
本発明の2層光記録媒体の製造方法の一つは、成膜工程、初期化工程、及び密着工程を含んでなり、基本的にはこの順に各工程を行う。図5には、この方法により製造した2層光記録媒体の概略断面図であり、第1基板3、第2基板5に案内溝(グルーブ)が形成されている。図5中、1は第1情報層、4は中間層、2は第2情報層を表す。
前記成膜工程としては、第1基板のグルーブが設けられた面に第1情報層を形成したものと、第2基板のグルーブが設けられた面に第2情報層を形成したものを別途作製する。
第1情報層、第2情報層のそれぞれを構成する各層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成される。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。スパッタリング法は、一般にアルゴンなどの不活性ガスを流しながら成膜を行うが、その際、酸素、窒素等を混入させながら、反応性スパッタリングさせてもよい。
第1情報層、第2情報層のそれぞれを構成する各層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成される。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。スパッタリング法は、一般にアルゴンなどの不活性ガスを流しながら成膜を行うが、その際、酸素、窒素等を混入させながら、反応性スパッタリングさせてもよい。
前記初期化工程としては、第1情報層、第2情報層に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより記録層全面を初期化(結晶化)する。
前記初期化工程の際にレーザー光エネルギーにより膜が浮いてしまう恐れがある場合には、初期化工程の前に、第1情報層及び第2情報層の上にUV樹脂などをスピンコートし、紫外線を照射して硬化させオーバーコートを施してもよい。また、次の密着工程を先に行った後に、第1基板側から、第1情報層、第2情報層を初期化しても構わない。
前記初期化工程の際にレーザー光エネルギーにより膜が浮いてしまう恐れがある場合には、初期化工程の前に、第1情報層及び第2情報層の上にUV樹脂などをスピンコートし、紫外線を照射して硬化させオーバーコートを施してもよい。また、次の密着工程を先に行った後に、第1基板側から、第1情報層、第2情報層を初期化しても構わない。
次に、以上のようにして初期化した、第1基板面上に第1情報層を形成したものと、第2基板面上に第2情報層を形成したものとを、第1情報層と第2情報層を向かい合わせながら、中間層を介して貼り合わせる。
例えば、何れか一方の膜面に中間層となる紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、膜面同士を向かい合わせて両基板を加圧、密着させた上で紫外線を照射して樹脂を硬化させる。
例えば、何れか一方の膜面に中間層となる紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、膜面同士を向かい合わせて両基板を加圧、密着させた上で紫外線を照射して樹脂を硬化させる。
また、図4に示すような本発明の2層光記録媒体を製造するための他の方法について説明する。この方法は、第一成膜工程、中間層形成工程、第二成膜工程、基板貼り合わせ工程、及び初期化工程からなり、基本的にこの順に各工程を行う。図6に示すのが、この方法により製造した2層光記録媒体の概略断面図であり、中間層4、第2基板5に案内溝(グルーブ)が形成されている。図6中、3は第1基板、1は第1情報層、2は第2情報層を表す。
前記第一成膜工程としては、第2基板上の案内溝の設けられた面に第2情報層を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
前記中間層形成工程としては、第2情報層上に案内溝を有する中間層を形成する。例えば、第2情報層上に紫外線硬化性樹脂を全面に塗布し、紫外線を透過することのできる材料で作られたスタンパを押し当てたまま紫外線を照射して硬化させ、溝を形成することができる。
前記第二成膜工程としては、中間層上に第1情報層を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
前記基板貼り合わせ工程としては、第1情報層と第1基板を、透明層を介して貼り合わせる。例えば、第1情報層上又は第1基板上に、透明層の材料である紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、第1情報層と第1基板とを貼り合わせてから、紫外線を照射して硬化させる。また、透明層を形成せずに、第1基板の材料である樹脂を第1情報層上に塗布し、硬化させることによって、第1基板を形成してもよい。
前記初期化工程として、第1基板側から、第1情報層、第2情報層に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより記録層全面を初期化(結晶化)する。第2情報層に対しては、中間層形成工程直後に初期化を行っても何ら問題はない。
前記第一成膜工程としては、第2基板上の案内溝の設けられた面に第2情報層を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
前記中間層形成工程としては、第2情報層上に案内溝を有する中間層を形成する。例えば、第2情報層上に紫外線硬化性樹脂を全面に塗布し、紫外線を透過することのできる材料で作られたスタンパを押し当てたまま紫外線を照射して硬化させ、溝を形成することができる。
前記第二成膜工程としては、中間層上に第1情報層を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
前記基板貼り合わせ工程としては、第1情報層と第1基板を、透明層を介して貼り合わせる。例えば、第1情報層上又は第1基板上に、透明層の材料である紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、第1情報層と第1基板とを貼り合わせてから、紫外線を照射して硬化させる。また、透明層を形成せずに、第1基板の材料である樹脂を第1情報層上に塗布し、硬化させることによって、第1基板を形成してもよい。
前記初期化工程として、第1基板側から、第1情報層、第2情報層に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより記録層全面を初期化(結晶化)する。第2情報層に対しては、中間層形成工程直後に初期化を行っても何ら問題はない。
<光記録再生方法>
本発明の2層型光記録媒体の記録再生方法は、本発明の前記2層型光記録媒体の各情報層に対し、第1基板側から波長350〜700nmのレーザー光線を入射させて情報の記録及び再生の少なくともいずれかを行う。
具体的には、光記録媒体を所定の線速度、又は、所定の定角速度にて回転させながら、第1基板側から対物レンズを介して半導体レーザ(例えば、405nmの発振波長)等の記録用の光を照射する。この照射光により、第1記録層及び第2記録層がその光を吸収して局所的に相変化して、アモルファス相が生成してその光学特性の変化により情報が記録される。上記のように記録された情報の再生は、光記録媒体を所定の線速度で回転させながらレーザー光線を第1基板側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
情報を記録する際の光記録媒体の線速度は、3〜30m/秒が好ましく、4〜21m/秒がより好ましい。
なお、記録再生の対象となる光記録媒体の第1基板、中間層及び第2基板いずれかが溝(グルーブ)を備える場合には、情報は、溝に記録しても、ランドに記録してもよい。また、溝及びランドの両方に情報を記録してもよい。第1情報層と第2情報層とは、ともに同一の部分(溝、ランド、あるいは、溝及びランド)に情報を記録してもよいし、異なる部分に情報を記録してもよい。
本発明の2層型光記録媒体の記録再生方法は、本発明の前記2層型光記録媒体の各情報層に対し、第1基板側から波長350〜700nmのレーザー光線を入射させて情報の記録及び再生の少なくともいずれかを行う。
具体的には、光記録媒体を所定の線速度、又は、所定の定角速度にて回転させながら、第1基板側から対物レンズを介して半導体レーザ(例えば、405nmの発振波長)等の記録用の光を照射する。この照射光により、第1記録層及び第2記録層がその光を吸収して局所的に相変化して、アモルファス相が生成してその光学特性の変化により情報が記録される。上記のように記録された情報の再生は、光記録媒体を所定の線速度で回転させながらレーザー光線を第1基板側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
情報を記録する際の光記録媒体の線速度は、3〜30m/秒が好ましく、4〜21m/秒がより好ましい。
なお、記録再生の対象となる光記録媒体の第1基板、中間層及び第2基板いずれかが溝(グルーブ)を備える場合には、情報は、溝に記録しても、ランドに記録してもよい。また、溝及びランドの両方に情報を記録してもよい。第1情報層と第2情報層とは、ともに同一の部分(溝、ランド、あるいは、溝及びランド)に情報を記録してもよいし、異なる部分に情報を記録してもよい。
<光記録再生装置>
本発明の光記録再生装置は、光記録媒体に光源から光を照射して該光記録媒体に情報を記録及び再生する光記録再生装置において、光記録媒体として本発明の前記2層型光記録媒体を用いたものである。
本発明の光記録再生装置は、光記録媒体に光源から光を照射して該光記録媒体に情報を記録及び再生する光記録再生装置において、光記録媒体として本発明の前記2層型光記録媒体を用いたものである。
前記光記録再生装置は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、レーザー光線を出射する半導体レーザー等の光源であるレーザー光源と、レーザー光源から出射されたレーザー光線をスピンドルに装着された光記録媒体に集光する対物レンズ、レーザー光源から出射されたレーザー光線の一部を検出するレーザー光検出器、レーザー光源から出射されたレーザー光線を対物レンズとレーザー光検出器とに導く光学素子を備えてなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
対物レンズの開口数NAは、0.5以上1.1以下が好ましく、0.6以上1.0以下がより好ましい。前記半導体レーザーの波長は、350nm以上700nm以下が好ましく、390nm以上430nm以下がより好ましい。
前記光記録再生装置は、レーザー光源から出射されたレーザー光線を光学素子により対物レンズに導き、該対物レンズによりレーザー光線を光記録媒体に集光照射して光記録媒体に記録及び再生を行う。このとき、光記録再生装置は、レーザー光源から出射されたレーザー光線の一部をレーザー光検出器に導き、レーザー光検出器のレーザー光線の検出量に基づきレーザー光源の光量を制御する。
前記レーザー光検出器は、検出したレーザー光線の検出量を電圧又は電流に変換し検出量信号として出力する。
前記その他の手段としては、制御手段等が挙げられる。前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の光記録再生装置は、良好な記録信号特性が得られる本発明の前記2層相変化型光記録媒体を搭載しているため、高感度で、高変調度の記録が可能となる。
対物レンズの開口数NAは、0.5以上1.1以下が好ましく、0.6以上1.0以下がより好ましい。前記半導体レーザーの波長は、350nm以上700nm以下が好ましく、390nm以上430nm以下がより好ましい。
前記光記録再生装置は、レーザー光源から出射されたレーザー光線を光学素子により対物レンズに導き、該対物レンズによりレーザー光線を光記録媒体に集光照射して光記録媒体に記録及び再生を行う。このとき、光記録再生装置は、レーザー光源から出射されたレーザー光線の一部をレーザー光検出器に導き、レーザー光検出器のレーザー光線の検出量に基づきレーザー光源の光量を制御する。
前記レーザー光検出器は、検出したレーザー光線の検出量を電圧又は電流に変換し検出量信号として出力する。
前記その他の手段としては、制御手段等が挙げられる。前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の光記録再生装置は、良好な記録信号特性が得られる本発明の前記2層相変化型光記録媒体を搭載しているため、高感度で、高変調度の記録が可能となる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1〜8及び比較例1〜3)
−光記録媒体の作製−
直径12cm、厚み0.6mmで表面にピッチ0.4μm、溝深さ20nmの凹凸の案内溝を持つポリカーボネート樹脂からなる第1基板上に(ZnS)70・(SiO2)30からなる第1下部保護層(厚み120nm)、Ge5Sb74Te21からなる第1記録層(厚み6nm)、(Zr2O3)80・(TiO2)20からなる第1上部保護層(厚み15nm)、Agからなる第1反射層(厚み10nm)、IZO((In2O3)90・(ZnO)10)からなる第1熱拡散層(厚み20nm)の順に枚葉スパッタ装置(Balzers社製)を用いてArガス雰囲気中のスパッタ法で成膜した。
次に、第1基板と同じ構成の第2基板上にAgからなる第2反射層(厚み140nm)、表1に示す反射率向上層、(ZnS)80・(SiO2)20からなる第2上部保護層(厚み25nm)、組成式Ag1In2Ge5Sb72Te20からなる第2記録層(厚み11nm)、(ZnS)70・(SiO2)30からなる第2下部保護層(厚み60nm)の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で成膜した。
−光記録媒体の作製−
直径12cm、厚み0.6mmで表面にピッチ0.4μm、溝深さ20nmの凹凸の案内溝を持つポリカーボネート樹脂からなる第1基板上に(ZnS)70・(SiO2)30からなる第1下部保護層(厚み120nm)、Ge5Sb74Te21からなる第1記録層(厚み6nm)、(Zr2O3)80・(TiO2)20からなる第1上部保護層(厚み15nm)、Agからなる第1反射層(厚み10nm)、IZO((In2O3)90・(ZnO)10)からなる第1熱拡散層(厚み20nm)の順に枚葉スパッタ装置(Balzers社製)を用いてArガス雰囲気中のスパッタ法で成膜した。
次に、第1基板と同じ構成の第2基板上にAgからなる第2反射層(厚み140nm)、表1に示す反射率向上層、(ZnS)80・(SiO2)20からなる第2上部保護層(厚み25nm)、組成式Ag1In2Ge5Sb72Te20からなる第2記録層(厚み11nm)、(ZnS)70・(SiO2)30からなる第2下部保護層(厚み60nm)の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で成膜した。
次に、得られた第1情報層及び第2情報層に対して、それぞれ第1基板側、第2情報層膜面側から初期化装置(日立コンピュータ株式会社製)用いて、線速3m/sec、パワー350mW、ヘッド送り36μmの条件で記録層を結晶化させた。
次に、第1情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂(日本化薬株式会社製、DVD−576M)をスピンコートにより塗布し、第2基板の第2情報層面側と貼り合わせ、第1基板側から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて中間層とし、2つの情報層を有する2層光記録媒体を作製した。なお、中間層の厚みは25μmとした。
次に、第1情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂(日本化薬株式会社製、DVD−576M)をスピンコートにより塗布し、第2基板の第2情報層面側と貼り合わせ、第1基板側から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて中間層とし、2つの情報層を有する2層光記録媒体を作製した。なお、中間層の厚みは25μmとした。
また、比較例1として、実施例1において、反射率向上層を設けない以外は、実施例1と同様にして、比較例1の2層光記録媒体を作製した。
以上のようにして作製した各2層光記録媒体について、下記の条件で記録を行った。
〔記録条件〕
・レーザー波長:406nm
・NA=0.65
・線速:6.61m/s
〔記録条件〕
・レーザー波長:406nm
・NA=0.65
・線速:6.61m/s
次に、Data Bit Length=0.153μmでETM信号を10回オーバーライト記録したときの第2情報層のPRSNR(Partial Response Signal to Noise Ratio)をディスク評価装置(パルステック株式会社製、ODU−1000)で測定した。また、各2層光記録媒体について、以下のようにして、反射率及び記録感度を測定した。それぞれの測定結果を表1に示す。
<反射率>
反射率向上層を設けていない比較例1を基準として、第2情報層の反射率が高いものを○、変化のないものを△、反射率が逆に小さいものを×とした。
反射率向上層を設けていない比較例1を基準として、第2情報層の反射率が高いものを○、変化のないものを△、反射率が逆に小さいものを×とした。
<記録感度>
記録感度については、PRSNRが最大となる記録パワーを最適パワーPoとし、Po≦13mWを○、Po>13mWを×とした。
記録感度については、PRSNRが最大となる記録パワーを最適パワーPoとし、Po≦13mWを○、Po>13mWを×とした。
表1の結果から、消衰係数kが2よりも大きい材料からなる反射率向上層を設けた実施例1〜8の各光記録媒体は、いずれも反射率が高くなり、記録感度は13mW以下となり良好であった。
これに対し、比較例2の光記録媒体は、反射率が逆に低下してしまった。また、比較例3の記録媒体は、反射率向上効果が得られなかった。
これらの結果を確認するため、光学シミュレーション(光学シミュレーションソフト、MM Research社製、MULTILAYER)により反射率の計算を行った。基板(n=1.58)、下部保護層(n=2.3、k=0.01、厚み60nm)、記録層(n=1.72、k=2.85、厚み14nm)、上部保護層(n=2.3、k=0.01、厚み30nm)、反射率向上層(厚み5nm)、反射層(n=0.11、k=2.16、厚み140nm)、基板(n=1.58)の構成とし、反射率向上層の屈折率(n)、消衰係数(k)を変えたときの、波長405nmでの反射率の計算結果を表2に示す。
(実施例9)
実施例1において、反射率向上層の材料をAl80Si20とし、該反射率向上層の厚みを変えた以外のディスク構成は実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。反射率向上層の厚みと反射率とPRSNRとの関係を図7に示す。
図7の結果から、反射率向上層の厚みが30nmまでの範囲では厚くなるにつれて、反射率が高くなり、厚みが30nmを超えるとそれ以上は上がらなかった。記録特性を比較すると、反射率向上層が厚くなるにつれてPRSNRが小さくなり、厚さが15nmを超えてくると、最大となるPRSNRの値が15以下となった。
以上の結果から、反射率向上層の厚みは、3〜15nmが好ましいことがわかった。また、反射率向上効果と、記録特性とのバランスを考えると、5〜10nmがより好ましい範囲であることがわかった。
実施例1において、反射率向上層の材料をAl80Si20とし、該反射率向上層の厚みを変えた以外のディスク構成は実施例1と同様にして、光記録媒体を作製した。反射率向上層の厚みと反射率とPRSNRとの関係を図7に示す。
図7の結果から、反射率向上層の厚みが30nmまでの範囲では厚くなるにつれて、反射率が高くなり、厚みが30nmを超えるとそれ以上は上がらなかった。記録特性を比較すると、反射率向上層が厚くなるにつれてPRSNRが小さくなり、厚さが15nmを超えてくると、最大となるPRSNRの値が15以下となった。
以上の結果から、反射率向上層の厚みは、3〜15nmが好ましいことがわかった。また、反射率向上効果と、記録特性とのバランスを考えると、5〜10nmがより好ましい範囲であることがわかった。
(実施例10)
第2基板としてポリカーボネート基板(直径120mm、厚み1.1mm)を準備した。このポリカーボネート基板上に、第2反射層としてAg層(厚み140nm)、反射率向上層としてAl80Si20層(厚み8nm)、第2上部保護層としてZnS−SiO2層(厚み10nm、SiO2:20mol%)、第2記録層としてGe12Sb60Sn20Mn8層(厚み11nm)、第2下部界面層としてSiO2層(厚み3nm)、及び第2下部保護層としてZnS−SiO2層(厚み60nm、SiO2:30mol%)を、順次スパッタリング法によって積層した。
次いで、第2記録層の全面を結晶化させる初期化工程を行った。
その後、第2下部保護層上に紫外線硬化性樹脂(日本化薬株式会社製、DVD−576M)をスピンコートし、その上に案内溝を形成した基板を被せて、樹脂を硬化させた後に基板を剥がした。この工程によって、レーザービームを導く案内溝が第1情報層側に形成された中間層を形成した。
第2基板としてポリカーボネート基板(直径120mm、厚み1.1mm)を準備した。このポリカーボネート基板上に、第2反射層としてAg層(厚み140nm)、反射率向上層としてAl80Si20層(厚み8nm)、第2上部保護層としてZnS−SiO2層(厚み10nm、SiO2:20mol%)、第2記録層としてGe12Sb60Sn20Mn8層(厚み11nm)、第2下部界面層としてSiO2層(厚み3nm)、及び第2下部保護層としてZnS−SiO2層(厚み60nm、SiO2:30mol%)を、順次スパッタリング法によって積層した。
次いで、第2記録層の全面を結晶化させる初期化工程を行った。
その後、第2下部保護層上に紫外線硬化性樹脂(日本化薬株式会社製、DVD−576M)をスピンコートし、その上に案内溝を形成した基板を被せて、樹脂を硬化させた後に基板を剥がした。この工程によって、レーザービームを導く案内溝が第1情報層側に形成された中間層を形成した。
次に、中間層の上に、第1熱拡散層としてIn2O3層(厚み40nm)、第1反射層としてAg−Bi(厚み10nm、Bi:2質量%)、第1上部界面層としてGeN層(厚み4nm)、第1上側保護層としてZnS−SiO2層(厚み5nm、SiO2:20mol%)、第1上部界面層としてGeN層(厚み5nm)、第1記録層として(Ge0.74Sn0.26)8Sb2Te11層(厚み6nm)、第1下部界面層としてGeN層(厚み5nm)、及び第1下部保護層としてZnS−SiO2層(厚み40nm、SiO2:20mol%)を、順次スパッタリング法により積層した。
次いで、第1記録層の全面を結晶化させる初期化工程を行った。
次に、第1基板としてポリカーボネート基板(直径120mm、厚み0.06mm)を準備した。透明層の材料である紫外線硬化性樹脂を、第1の基板1上にスピンコートした。その後、紫外線硬化性樹脂膜上に第1下部保護層を密着させ、紫外線を照射して樹脂を硬化させた。以上により、実施例10の2層光記録媒体を作製した。
次いで、第1記録層の全面を結晶化させる初期化工程を行った。
次に、第1基板としてポリカーボネート基板(直径120mm、厚み0.06mm)を準備した。透明層の材料である紫外線硬化性樹脂を、第1の基板1上にスピンコートした。その後、紫外線硬化性樹脂膜上に第1下部保護層を密着させ、紫外線を照射して樹脂を硬化させた。以上により、実施例10の2層光記録媒体を作製した。
得られた2層光記録媒体について、第1情報層及び第2情報層のCNR(Carrier to Noise Ratio;振幅対雑音比)及び消去率をアドバンテスト社製のスペクトラムアナライザーにより測定した。このとき、レーザービームの波長は405nm、対物レンズのNAは0.85、測定時の光記録媒体の線速度は5.0m/s、最短マーク長は0.206μmとした。情報は、グルーブに記録した。その結果、第1情報層及び第2情報層は共に、CNRが50dB以上で消去率が30dB以上という良好な結果が得られた。
本発明の2層光記録媒体は、例えば、DVD+RW、DVD−RW、BD−RE、HD DVD RW等の相変化記録層を有する光記録媒体などに好適に用いられる。
1 第1情報層
2 第2情報層
3 第1基板
4 中間層
5 第2基板
6 透明層
11 第1下部保護層
12 第1記録層
13 第1上部保護層
14 第1反射層
15 第1熱拡散層
16 第1下部界面層
17 第1上部界面層
21 第2下部保護層
22 第2記録層
23 第2上部保護層
24 反射率向上層
25 第2反射層
2 第2情報層
3 第1基板
4 中間層
5 第2基板
6 透明層
11 第1下部保護層
12 第1記録層
13 第1上部保護層
14 第1反射層
15 第1熱拡散層
16 第1下部界面層
17 第1上部界面層
21 第2下部保護層
22 第2記録層
23 第2上部保護層
24 反射率向上層
25 第2反射層
Claims (11)
- 光の入射側から、第1基板、第1情報層、中間層、第2情報層、及び第2基板をこの順に有する2層光記録媒体において、
前記第2情報層は、光の入射側から、第2下部保護層、第2記録層、第2上部保護層、反射率向上層、及び第2反射層をこの順に有してなり、
前記反射率向上層は、情報の記録及び再生に用いる光の波長における消衰係数kが2<k≦6であることを特徴とする2層光記録媒体。 - 反射率向上層がAl、Cr、Pd、Pt、Mo、Cu及びこれらの合金から選択される少なくとも1種を含有する請求項1に記載の2層光記録媒体。
- 反射率向上層の厚みが3〜15nmである請求項1から2のいずれかに記載の2層光記録媒体。
- 第1情報層が、光の入射側から、第1下部保護層、第1記録層、第1上部保護層、及び第1反射層をこの順に有する請求項1から3のいずれかに記載の2層光記録媒体。
- 第1反射層及び第2反射層の少なくともいずれかが、Ag及びAg合金のいずれかを含有する請求項4に記載の2層光記録媒体。
- 第1記録層及び第2記録層の少なくともいずれかが、Sb−Te共晶系材料を含有する請求項4から5のいずれかに記載の2層光記録媒体。
- 第1記録層及び第2記録層の少なくともいずれかが、Ge−Sb−Te系合金を含有する請求項4から5のいずれかに記載の2層光記録媒体。
- 第1記録層及び第2記録層の少なくともいずれかが、Ge−Sb−Sn系合金を含有する請求項4から5のいずれかに記載の2層光記録媒体。
- 第2記録層の厚みが3〜20nmである請求項1から8のいずれかに記載の2層光記録媒体。
- 第1基板と第1情報層との間に透明層を有する請求項1から9のいずれかに記載の2層光記録媒体。
- 第1基板の厚みが10〜600μmである請求項1から10のいずれかに記載の2層光記録媒体。
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