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JP2007118922A - 車両後退運転支援装置 - Google Patents

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JP2007118922A
JP2007118922A JP2006049064A JP2006049064A JP2007118922A JP 2007118922 A JP2007118922 A JP 2007118922A JP 2006049064 A JP2006049064 A JP 2006049064A JP 2006049064 A JP2006049064 A JP 2006049064A JP 2007118922 A JP2007118922 A JP 2007118922A
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control unit
trajectory
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Hisahiro Kamimura
尚弘 上村
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Faurecia Clarion Electronics Co Ltd
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Clarion Co Ltd
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Abstract

【課題】車両の後退方向に加えて、後退動作に伴う車両の状態を運転者が容易に把握することが可能な車両後退運転支援装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る車両後退運転支援装置1は、車両後方を撮像する撮像手段2と、撮像手段により撮像された映像を表示する表示手段4と、ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段6と、検出された操舵角に基づいて車両の左右後端点における後退予測軌跡を算出する後退軌跡算出手段5と、車両が所定距離後方に後退したときの車両の輪郭情報を、後退軌跡算出手段により算出された後退予測軌跡の接線方向と車両の全長データとに基づいて算出する車両状態算出手段5と、撮像手段2により撮像された映像に対して算出された後退予測軌跡と車両の輪郭とを重畳描画させて表示手段4に表示させる表示制御手段3とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、運転者がディスプレイに表示された車両後方映像を参考にして車両を後退させることを支援する車両後退運転支援装置に関する。
一般に、運転者が自動車(車両)を後退させる操作(運転)は、車両を前進させる場合に比べて困難であることが多い。特に、駐車スペースに自動車を後退させて停車させる場合には、停車スペース用の停車枠を運転席から視認しづらいこと、ハンドル(ステアリング)を操作してもハンドルの操作に応じて変化する車両状態を直感的に判断することが難しいこと等が原因となり、後退運転操作が困難なものとなっていた。
一方で今日では、車両後方を撮影するカメラを車両に設置し、運転席周辺に設置されるディスプレイに車両後方の映像を表示することによって、車両後方の視認性を高める後方視認用カメラ装置が多く車両に設置されている。さらに、ディスプレイに表示される車両後方の映像に対して、車両後退時の車両後輪予測軌跡を重畳表示させることによって、車両の後退方向を把握しやすくした装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような装置を用いることによって、運転者は車両の後退方向を把握しやすくなるため、従来に比べて後退運転操作を容易に行うことができる。
特開2004−203365号公報(第4−8頁、第6図、第7図)
しかしながら、車両後方の映像に対して車両後退時の車両後輪予測軌跡を重畳表示させる方法は、車両の後退方向を把握することは容易であるが、後退時の車両の位置・姿勢がどのような状態となるかが分かり難く、結果的に駐車スペースの停車枠に対して平行に車両を駐車することが困難であるという問題があった。
一方で、車両後退時の車両状態を把握しやすいように、車両後方の撮影画像を俯瞰画像に変換し、自車両と周囲の様子とをディスプレイに表示する技術(俯瞰画像技術、例えば特開平3−99952号公報、特開平9−171348号公報、特開2001−114048号公報、特開2001−116567号公報参照)も考えられているが、俯瞰画像の性質から車両の遠い部分を表示することが困難であり、また、技術的に立体物の俯瞰画像処理や俯瞰画像端部等における画像の継ぎ目処理等、表示方法・表示技術にまだ課題が残されていて、必ずしも最良の方法とはいい難い点があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、車両後退運転操作において、車両の後退方向に加えて、後退動作に伴う車両の状態を運転者が容易に把握することが可能な車両後退運転支援装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両後退運転支援装置は、車両後方を撮像する撮像手段と、該撮像手段により撮像された映像を表示する表示手段と、ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、該操舵角検出手段により検出された操舵角に基づいて車両の左右後端点における後退予測軌跡を算出する後退軌跡算出手段と、前記車両が所定距離後方に後退したときの車両の輪郭情報を、前記後退軌跡算出手段により算出された前記後退予測軌跡の接線方向と前記車両の全長データとに基づいて算出する車両状態算出手段と、前記撮像手段により撮像された映像に対して、前記後退軌跡算出手段により算出された後退予測軌跡と前記車両状態算出手段により算出された車両の輪郭とを重畳描画させて、前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする。
また、車両後退運転支援装置は、前記車両の走行距離を検出する走行距離検出手段を備え、前記後退軌跡算出手段は、前記走行距離検出手段により検出された走行距離に応じて前記後退予測軌跡を算出し、前記車両状態算出手段は、前記走行距離検出手段により検出された走行距離に応じて前記所定距離を変更して前記輪郭情報を算出し、前記表示制御手段は、前記走行距離に応じて算出された前記後退予測軌跡と前記車両の輪郭とを前記撮像手段により撮像された映像に対して重畳描画するものであってもよい。
さらに、前記後退軌跡算出手段は、前記後退予測軌跡が破線又は鎖線として前記表示手段に表示され、前記破線又は前記鎖線の実線部が前記走行距離検出手段により検出された走行距離に応じて前記後退予測軌跡の長さ方向へ移動表示されるように前記後退予測軌跡を算出するものであってもよい。
また、前記表示制御手段は、前記車両が前記所定距離だけ後退するまで、前記ハンドルの操舵角を維持し続ける旨の表示を前記表示手段に表示させるものであってもよい。
さらに、前記表示制御手段は、前記車両が前記所定距離だけ後退した場合に、前記ハンドルを中立位置に戻す旨の表示を前記表示手段に表示させるものであってもよい。
また、運転者に対して出力音を出力することにより注意を促す音声出力手段を備え、該音声出力手段が、前記車両が前記所定距離だけ後退するまで、前記ハンドルの操舵角を維持し続ける旨の出力音を出力するものでもよい。さらに、音声出力手段が、前記車両が前記所定距離だけ後退した場合に、前記ハンドルを中立位置に戻す旨の出力音を出力するものであってもよい。
上記発明によれば、後退軌跡算出手段により算出された後退予測軌跡と車両状態算出手段により算出された車両の輪郭とを、撮像手段により撮像された映像に重畳描画させて表示手段に表示させるため、現実に撮像された車両後方の映像に対して車両の状態、具体的には車両の位置・姿勢(方向)を照らし合わせることができる。このため、現実に存在する視点に基づいて、車両状態を判断することができ、俯瞰画像技術を用いて現実に存在しない視点に基づいて車両状態を判断するよりもより現実に近い状況で運転者が後退運転を行うことができる。
また、車両を停車させたい位置に車両の輪郭を合わせ、そのときのハンドルの操舵角を維持したまま後退すれば所定の停車位置に車両を停車させることができる。
さらに、予め車両の輪郭によって停車位置に停車される車両状態を把握することができるため、停車位置における車両の大きさを把握しやすくなり、車両の大きさから停車可能なスペースが確保されているか否かの判断を容易に行うことが可能となる。
また、走行距離検出手段により検出された走行距離に応じて後退予測軌跡と輪郭情報とを算出して撮像手段により撮像された映像に重畳描画するため、車両の走行距離に応じてリアルタイムに後退予測軌跡と車両輪郭とを車両後方映像に表示させることができる。このため運転者は、ハンドル操作により変化する車両状態を容易に把握できるようになり、後退運転の困難性を緩和することが可能となる。
ハンドルの変化による後退予測軌跡の動きに対応する車両状態の変化を視覚的に運転者に認識させることによって、車両全体の状態を視認した上で対応するハンドル操作を行うことができるようになるため、俯瞰画像を用いた後方運転支援技術のような高度な技術を用いることなく、同様の操作感覚を運転者に与えることが可能となる。
さらに、後退予測軌跡を示す破線又は鎖線は、実線部が前記走行距離検出手段により検出された走行距離に応じて前記後退予測軌跡の長さ方向へ移動表示されるようにして算出されるため、車両の後退により変化する車両後方映像に対して実線部の表示位置が車両後方画像の所定場所に貼り付けられたようして表示される。このため、運転者は、車両の後退映像と破線の表示状態とに違和感を感じることなく後退運転を行うことができる。
また、車両が所定距離だけ後退するまで、表示制御手段によってハンドルの操舵角を維持し続ける旨の表示が表示手段に表示されたり、音声出力手段によって出力音が出力されたりするので、運転者は車両が所定距離だけ後退したか否かを画面表示および音声案内によって簡単に判断することができる。
さらに、車両が所定距離だけ後退するまで、ハンドルの操舵角を維持し続ける旨の表示または出力音により案内がなされるため、運転者はハンドル操作を行うことなく車両後退操作のみに集中して後退運転を行うことができる。
また、車両が所定距離だけ後退した場合、つまり車両が停車枠に水平な状態となるまで後退した場合には、表示制御手段によってハンドルを中立位置に戻す旨の表示が表示手段に表示されたり、音声出力手段によって出力音が出力されたりするので、運転者は車両が所定距離だけ後退し終わったことを容易に判断することができる。さらに、運転者は、その後、車両の後退操作を行うことなくハンドルを中立位置に戻すことだけに専念すればよいことを容易に知ることができる。
以下、本発明に係る車両後退運転支援装置を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、実施例1に係る車両後退運転支援装置の概略構成を示したブロック図である。車両後退運転支援装置1は、カメラ(撮像手段)2と、表示制御部(表示制御手段)3と、ディスプレイ(表示手段)4と、制御部(後退軌跡算出手段、車両状態算出手段)5と、ハンドル操舵角検出部(操舵角検出手段)6と、走行距離検出部(走行距離検出手段)7と、リバース検出部8と、操作ボタン9とを備えている。
カメラ1は、車両後部であって車両後方(特に車両下部)を撮像することが可能な位置に設置されている。カメラ2は、広角レンズを備えたカメラ本体部2aと、カメラ本体部2aの駆動制御を行うカメラ駆動部2bとを備えている。カメラ本体部2aは、広角レンズを用いることによって車両後方を一定の視野角度で撮像することが可能となっている。カメラ本体2aにより撮像された車両後方の映像は、カメラ駆動部2bを介して表示制御部3に伝達される。
表示制御部3、制御部5により描画処理が行われた後退予測軌跡と車両の輪郭との描画データを、カメラ2により撮像された車両後方映像に重畳表示してディスプレイ4に出力する。なお、制御部5による描画処理に関しては後述する。
ディスプレイ4は、車両のインストルメントパネル上部に載置されたり、インストルメントパネルのカーオーディオ設置スペースにビルトインされたりすることによって、運転者が視認しやすい場所に設置される。なお、ディスプレイ4は、車両後方の映像を表示するためだけに設置してもよいし、カーナビゲーションシステムの地図情報表示用のディスプレイと兼用するものであってもよい。
ハンドル操舵角検出部6は、ハンドル(ステアリング)が所定角度回転するたびに出力されるパルス信号を検出することによってハンドルの操舵角を検出し、検出された操舵角情報を制御部5に出力する。
走行距離検出部7は、車輪の回転に応じて出力されるパルス信号を検出することによって車両の走行距離を検出し、検出された走行距離情報を制御部5に出力する。
リバース検出部8は、シフトレバーがリバース位置に操作されたか否かの検出を行い、リバース位置に操作された場合には、制御部5に対してリバース操作情報を出力する。
操作ボタン9は、運転者が後退運転操作時に押下(ON)しやすい場所に設置されており、例えばハンドル、非常点滅表示灯(ハザード)用スイッチ近傍、オーディオ操作パネル等に設置される。また、必ずしも物理的なスイッチでなくてもよく、ディスプレイ4がタッチパネル等の場合には、ディスプレイ4のタッチパネルを操作ボタンとして使用してもよい。
運転者は、ディスプレイ4に表示された車両後方映像の停車枠内に、後述する車両の輪郭LAが車両の停車に適した状態となって重畳表示されたときに操作ボタンをONにする。
制御部5は、後退軌跡算出手段として車両の左右後端点における後退予測軌跡を算出する機能と、車両状態算出手段として後退時の車両の輪郭情報を算出する機能とを備えている。
制御部5は、ハンドル操舵角検出部6により検出されたハンドルの操舵角に応じて、車両の左右後端部における後退予測軌跡(曲線状態)を算出する。後退予測軌跡の算出方法は、ハンドルの操舵角を維持した状態で車両を後退させた場合に車両後端点が通過するポイントを経時的に算出して軌跡として求める一般的な方法を用いるものとする。ただし、後退予測軌跡を算出する方法は、他にも様々な方法が提案されており、他の方法を用いて算出を行ってもよい。
制御部5は、この後退予測軌跡を一定の間隔で算出し直すことによって、ハンドル操作および車両の後退状態に応じて変化する後退予測軌跡をリアルタイムに出力できるようにする。また、制御部5は、後退予測軌跡が破線としてディスプレイ4に表示されるように、後退予測軌跡の軌跡位置を算出すると共に、破線の実線部の表示位置をカメラ2により撮像された車両後方映像の所定場所に貼り付けられたように表示させるため、破線の実線部が走行距離検出部7により検出された走行距離に応じて後退予測軌跡の長さ方向へ移動表示されるように後退予測軌跡(破線表示状態)を算出する。なお、後退予測軌跡は必ずしも破線である必要はなく、鎖線であってもよい。
なお、後退予測軌跡は、制御部5がハンドルの操舵角に基づき直接演算処理を行って算出してもよく、また予めハンドルの操舵角とその操舵角に対応する後退予測軌跡を記憶しておくことにより、対応する後退予測軌跡を記憶手段等から読み出して求めることによって算出してもよい。
また、制御部5は、車両が所定距離後退したときの車両状態を運転者が把握しやすくするため、算出された後退予測軌跡に基づいて所定の距離だけ後方に車両を後退させときに車両がどのような状態となっているかを算出する。具体的には、図2、図3に示すように、後退予測軌跡la、lbにおいて所定距離だけ離れた地点、例えば4メートル後方の地点P1、P2において、後退予測軌跡la、lbの接線方向に沿って車両の全長に対応する長さの車両側部輪郭線L1、L2を求め、この車両側部輪郭線L1、L2の二辺に基づいて車両前後部輪郭線L3、L4を求めることによって車両輪郭(予測車両状態)LAを求める。この車両輪郭LAは、運転者が視認しやすいように実線で示すものとするが、必ずしも実線に限定されるものではなく、破線、鎖線等であってもよい。
さらに制御部5は、操作ボタンがONされたときを基準として、車両位置と算出されたP1、P2点の位置との関係を記憶し、走行距離検出部7の走行距離に応じて車両がP1,P2点に近接・離反したことを判断する。そして、制御部5は、一定の間隔で車両輪郭LAを算出し直すことによって、ハンドル操作および車両の後退状態に応じて変化する車両輪郭LAをリアルタイムに出力できるようにする。
制御部5は、求められた後退予測軌跡la、lbと車両輪郭LAとに基づいてカメラ2により撮像された映像に重畳するための描画データを作成する。この場合制御部5は、カメラ2の視点とレンズの歪みを考慮して描画データを作成する。制御部5は、作成された描画データを表示制御部3に送出し、送出された描画データは、カメラ2により撮像された映像に重畳されてディスプレイ4に表示される。
次に、制御部5による車両後退運転支援処理を、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、制御部5は、リバース検出部8よりシフトレバーがリバース位置に操作されているか否かの判断を行う(ステップS1)。リバース位置に操作されていないと判断した場合、制御部5は、再度シフトレバーの操作位置検出を行う。リバース位置に操作されていると判断した場合、制御部5は、ハンドル操舵角検出部6よりハンドルの操舵角情報を取得し、走行距離検出部7より走行距離情報を取得する(ステップS2)。
制御部5は、ハンドルの操舵角情報に基づいて後退予測軌跡la、lbの湾曲状態を求めるとともに共に、走行距離情報に応じて後退予測軌跡la、lbの破線の表示状態を求めることによって、後退予測軌跡の算出を行う。さらに制御部5は、後退予測軌跡la、lbにおける所定距離後方、本実施形態においては4m後方に位置するP1点、P2点を算出し、このP1点、P2点を起点として後退予測軌跡が描画されるように後退予測軌跡の算出を行う(ステップS3)。さらに、制御部5は、このP1点、P2点における車両輪郭LAの算出を行う(ステップS4)。
制御部5は、算出された後退予測軌跡la、lbおよび車両輪郭LAに基づいて描画データを作成し(ステップS5)、表示制御部3に描画データを送出する(ステップS6)。表示制御部3では、制御部5より受け取った描画データをカメラ2により撮像された画像に重畳表示させて、図2に示すようにディスプレイ4に表示させる。図2では、画面右上部分、現実の車両位置より4m以上遠方に停車枠10が示されている。
その後、制御部5は、操作ボタン9がONされたか否かの判断を行う(ステップS7)。操作ボタン9がONされていない場合、制御部5は、再度ステップS1〜S6の処理を繰り返す。この処理の繰り返しにより、ハンドル操作および車両の後退状態に応じて後退予測軌跡la、lbと車両の輪郭LAとがリアルタイムにディスプレイ4に表示される。特に、後退予測軌跡が破線として表示され、破線の実線部の表示位置が車両後方映像に貼り付けられるようにして重畳表示される。
操作ボタンがONされた場合、制御部5は、車両位置に対するP1点、P2点を記憶する(ステップS8、図3)。図3は、駐車枠10内に車両の輪郭LAが車両の停車に適した状態となって表示された様子を示しており、運転者は、このような状態となったときに操作ボタン9をONする。
ステップS8におけるP1点、P2点の記憶により、操作ボタンがONされた直後の車両位置を基準として後述する後退予測軌跡la、lbおよび車両輪郭LAの算出処理(ステップS9〜ステップS15)を行う。
具体的に、制御部5は、ハンドル操舵角検出部6よりハンドルの操舵角情報を取得すると共に、走行距離検出部7より車両の走行距離情報を取得する。さらに制御部5は記録されたP1点、P2点の読み出しを行う(ステップS9)。
制御部5は、ハンドルの操舵角情報に基づいて後退予測軌跡の算出を行う(ステップS10)。このとき制御部5は、読み出されたP1点、P2点と車両位置との関係から、走行距離情報により車両が移動した距離を考慮して車両位置の変化を判断し、その車両位置に好適な後退予測軌跡の算出を行う。
具体的にステップS10における処理とステップS3における処理とを比較すると、ステップS3における後退予測軌跡演算処理においては、後退予測軌跡la、lbに従って実際の車両位置から4m離れた位置にP1点、P2点が位置し、車両が後退してもP1点、P2点は4m離れた位置として算出される。これに対して、ステップS10における後退予測軌跡演算では、読み出されたP1点、P2点と車両位置との関係(操作ボタンがONされた直後においてはP1、P2点と車両位置までの距離が4m)から、走行距離情報により求められた走行距離Xmを除いた位置(4m−Xmの位置)をP1点、P2点として判断し、このP1点、P2点から現実の車両の左右後端点までの後退予測軌跡を算出する(ステップS10)。
その後、制御部5は、走行距離に応じて車両が移動した位置を考慮して算出されたP1点、P2点に基づいて車両輪郭LAの算出を行う(ステップS11)。
このように、ステップS10およびステップS11において、自車両と車両の走行距離を考慮して求められるP1点、P2点との位置関係に基づいて後退予測軌跡la、lbと車両輪郭LAとを算出するため、ステップ9〜ステップ15に示す処理を繰り返すことによって、後退予測軌跡la、lbのP1点、P2点と車両輪郭LAとが徐々に自車両に近づくようにして、後退予測軌跡および車両輪郭をディスプレイ4に表示させることが可能となる。
図4は、車両が所定距離後退して停車スペースに近づいた状態において算出された後退予測軌跡la、lbと車両輪郭LAとを示している。車両が後退(走行)することによって、P1点、P2点は操作スイッチがONされた直後(図3参照)よりも車両に近づいている。このため制御部5は、記憶した車両とP1点、P2点との距離から後退予測軌跡la、lbに沿って走行距離情報の走行距離情報だけ後退した車両位置を基準として後退予測軌跡la、lbおよび車両輪郭LAを算出する(図4参照)。
その後、制御部5は算出された後退予測軌跡la,lbおよび車両輪郭LAに基づいて描画データを作成し(ステップS12)、表示制御部3に描画データを送出する(ステップS13)。表示制御部3では、制御部5より受け取った描画データをカメラ2により撮像された画像に重畳表示させて、図4に示すようにディスプレイ4に表示させる。
そして、制御部5は、新たに算出されたP1点、P2点を記憶する(ステップS14)。
その後、制御部5はシフトレバーがリバース位置に操作されたか否かの判断を行う(ステップS15)。シフトレバーがリバース位置以外のポジションに操作されたと判断した場合、制御部5は、車両後退運転支援処理を終了し、リバース位置に操作されたままであると判断した場合には、ステップS14で記憶されたP1点、P2点が基準となって、再度上述した処理(ステップS9〜S14)が繰り返し実行される。
このように制御部5が、車両の走行距離に応じてリアルタイムに後退予測軌跡la、lbと車両の輪郭(車両状態)LAとを車両後方映像に重畳表示させるため、運転者がハンドル操作により変化する車両状態を容易に把握できるようになり、後退運転の困難性を緩和することが可能となる。後退予測軌跡の動きに対応する車両状態の変化を視覚的に運転者に認識させることによって、車両全体の状態を視認した上で対応するハンドル操作を行うことできるようになるため、俯瞰画像を用いた後方運転支援技術のような高度な技術を用いることなく、同様の操作感覚を運転者に与えることが可能となる。
さらに、現実に撮像された車両後方の映像に対して車両の状態、具体的には車両の位置・姿勢(方向)を照らし合わせることができるので、現実に存在する視点に基づいて、車両状態を判断することができ、俯瞰画像技術を用いて現実に存在しない視点に基づいて車両状態を判断する場合に比べてより現実に近い状況で運転者が後退運転を行うことができる。
また、実施例1に係る車両後退運転支援装置を用いることによって、運転者は、車両を停車させたい位置に車両の輪郭を合わせた後に操作ボタン9をONにし、そのときのハンドルの操舵角を維持したまま後退すれば車両を停車させたい位置に確実に停車させることができる。
さらに、予め車両の輪郭によって停車位置に停車される車両状態を把握することができるため、停車位置における車両の大きさを把握しやすくなり、車両を停車することが可能なスペースが確保されているか否かの判断を容易に行うことが可能となる。
また、後退予測軌跡を示す破線は、実線部の表示位置が車両後方画像の所定場所に貼り付けられたようして表示されるため、車両の後退映像と破線の表示状態とに違和感を感じることなく後退運転を行うことができる。
さらに、従来より一般的に用いられている後退運転支援装置の後退予測軌跡のように、車両が停車希望位置にきちんと移動された後であっても後退予測線がディスプレイ4に表示され続けてしまうことを回避することができる。このため、例えば車両を停車させた位置の後方が壁等の立体物であっても、その立体物の映像に後退予測軌跡が重畳表示されるという滑稽な画像がディスプレイ表示に表示されなくなり、運転者が車両後退操作において画面表示に違和感を感じることなく後退運転を行うことが可能となる。
次に実施例2に係る車両後退運転支援装置について説明する。なお、実施例2において実施例1で既に説明した構成と同一の構成部分については同一符号を附すものとし、実施例2における詳細な説明は省略する。
図7は、実施例2に係る車両後退運転支援装置20の概略構成を示したブロック図である。車両後退運転支援装置1は、カメラ(撮像手段)2と、表示制御部(表示制御手段)3と、ディスプレイ(表示手段)4と、制御部(後退軌跡算出手段、車両状態算出手段)5と、ハンドル操舵角検出部(操舵角検出手段)6と、走行距離検出部(走行距離検出手段)7と、リバース検出部8と、操作ボタン9と、音声制御部(音声出力手段)21と、スピーカー(音声出力手段)22とを備えている。
音声制御部21は、予め数種類の音声情報を記憶している。本実施例においては、少なくもと、ハンドルの操舵角を維持し続ける旨を運転者に知らせるための音声情報として、「ハンドルをそのままにして下さい」という女性の声の情報が記憶されており、また、ハンドルの操舵を戻して、ハンドルを中立位置にする旨を運転者に知らせるための音声情報として、「ハンドルを中立位置にして下さい」という女性の声の情報が記憶されている。
なお、記憶される音声情報は、女性の声だけに限定されるものではなく、男性の声であってもよく、さらに、音声ではなく、メロディー音や、ブザー音やBEEP音のように運転者が音の違いによりその状態を判断可能な電子音等であってもよい。
スピーカー22は、音声制御部21により出力される音声情報に基づいて、音声(出力音)を出力する。スピーカー22は、運転者が運転操作時にその音声を聴取可能な位置に設置される。なお、スピーカー22は、音声出力専用のスピーカーを車室内に設置してもよいし、カーナビゲーションシステムの音声ガイダンスに利用されるスピーカーや、音楽を出力するため車室内に配設される音響用スピーカーを利用してもよい。
表示制御部3は、必要とされる情報を運転者が容易に理解できるように、複数のアイコン情報(画像情報)を記憶している。本実施例においては、少なくとも、ハンドルの操舵角を維持し続けるようにとの情報を運転者に知らせるためのアイコン情報と、ハンドルを中立位置に戻すようにとの情報を運転者に知らせるためのアイコン情報とが記憶されている。表示制御部3は、制御部5からの制御信号に応じてアイコン情報をカメラに撮影された映像に重畳させてディスプレイ4に表示させる。
制御部5は、走行距離検出部7により求められた走行距離Xに基づいて、車両が所定距離、本実施例では4mだけ車両後方に後退したかを判断する。制御部5は、後退中であるが車両がまだ4m後退していないと判断した場合に、ハンドルの操舵角を維持し続ける旨の音声情報を出力させる制御信号を、音声制御部21に送出する。さらに、制御部5は、ハンドルの操舵角を維持し続ける旨のアイコン情報を重畳させる制御信号を、表示制御部3に送出する。
また、制御部5は、車両が4m後退し終わったものと判断した場合に、ハンドルを中立位置に戻す旨の音声情報を出力させる制御信号を、音声制御部21に送出するとともに、ハンドルを中立位置に戻す旨のアイコン情報を重畳させる制御信号を、表示制御部3に送出する。
さらに、制御部5は、ハンドル操舵角検出部6により求められるハンドルの操舵角に基づいてハンドルが正位置に戻されているか否かの判断を行い、ハンドルが正位置に戻った場合には、スピーカーへの音声情報出力を停止させる旨の制御信号を音声制御部21に送出するとともに、アイコン情報の重畳を終了する旨の制御信号を表示制御部3に送出する。
次に、制御部5による車両後退運転支援処理を、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、制御部5は、リバース検出部8よりシフトレバーがリバース位置に操作されているか否かの判断を行う(ステップS20)。リバース位置に操作されていないと判断した場合、制御部5は、再度シフトレバーの操作位置検出を行う。
リバース位置に操作されていると判断した場合(ステップS20でYesの場合)、制御部5は、ハンドル操舵角検出部6よりハンドルの操舵角情報を取得し、走行距離検出部7より走行距離情報を取得する(ステップS21)。
そして、制御部5は、ハンドルの操舵角情報に基づいて後退予測軌跡la、lbの湾曲状態を求めるとともに共に、走行距離情報に応じて後退予測軌跡la、lbの破線の表示状態を求めることによって、後退予測軌跡の算出を行う。さらに制御部5は、後退予測軌跡la、lbにおける所定距離後方、本実施形態においては4m後方に位置するP1点、P2点を算出し、このP1点、P2点を起点として後退予測軌跡が描画されるように後退予測軌跡の算出を行う(ステップS22)。さらに、制御部5は、このP1点、P2点における車両輪郭LAの算出を行う(ステップS23)。
制御部5は、算出された後退予測軌跡la、lbおよび車両輪郭LAに基づいて描画データを作成し(ステップS24)、表示制御部3に描画データを送出する(ステップS25)。表示制御部3では、制御部5より受け取った描画データをカメラ2により撮像された画像に重畳表示させて、図2に示すようにディスプレイ4に表示させる。図2では、画面右上部分、現実の車両位置より4m以上遠方に停車枠10が示されている。
その後、制御部5は、操作ボタン9がONされたか否かの判断を行う(ステップS26)。操作ボタン9がONされていない場合(ステップS26でNOの場合)、制御部5は、再度ステップS20〜S25の処理を繰り返す。この処理の繰り返しにより、ハンドル操作および車両の後退状態に応じて後退予測軌跡la、lbと車両の輪郭LAとがリアルタイムにディスプレイ4に表示される。特に、後退予測軌跡が破線として表示され、破線の実線部の表示位置が車両後方映像に貼り付けられるようにして重畳表示される。
なお、実施例2においては、後述するように音声またはアイコン表示によってハンドルを中立位置に戻す旨の支持がなされるので、車両を停車枠10に対して平行となるように誘導することができる。このため運転者は、図3に示すように車両輪郭LAが停車枠10に完全に収まるように表示された場合に操作ボタン9をONする必要はなく、図9に示すように、車両側部輪郭線L1、L2と停車枠10の側部ラインとが平行となる状態で操作ボタン9をONにすれば足りる。
操作ボタンがONされた場合、制御部5は、車両位置に対するP1点、P2点を記憶する(ステップS27)。
ステップS8におけるP1点、P2点の記憶により、操作ボタンがONされた直後の車両位置を基準として後述する後退予測軌跡la、lbおよび車両輪郭LAの算出処理(ステップS28〜ステップS42)を行う。
具体的に、制御部5は、ハンドル操舵角検出部6よりハンドルの操舵角情報を取得すると共に、走行距離検出部7より車両の走行距離情報を取得する。さらに制御部5は記録されたP1点、P2点の読み出しを行う(ステップS28)。
制御部5は、ハンドルの操舵角情報に基づいて後退予測軌跡の算出を行う(ステップS29)。このとき制御部5は、読み出されたP1点、P2点と車両位置との関係から、走行距離情報により車両が移動した距離を考慮して車両位置の変化を判断し、その車両位置に好適な後退予測軌跡の算出を行う。
その後、制御部5は、走行距離に応じて車両が移動した位置を考慮して算出されたP1点、P2点に基づいて、車両輪郭LAの算出を行う(ステップS30)。
その後、制御部5は算出された後退予測軌跡la,lbおよび車両輪郭LAに基づいて描画データを作成し(ステップS31)、表示制御部3に描画データを送出する(ステップS32)。
さらに、制御部5は、走行距離検出部7より取得した車両の走行距離情報に基づいて、車両がどれだけ後退したかを判断する(ステップS33)。車両の後退距離がまだ4m未満であると判断した場合(ステップS33でYESの場合)、制御部5は、ハンドルの操舵角を維持し続ける旨の音声情報を出力させる制御信号を、音声制御部21に送出し(ステップS34)、ハンドルの操舵角を維持し続ける旨のアイコン情報を重畳させる制御信号を表示制御部3に送出する(ステップS35)。
表示制御部3では、図9に示すように、ステップS35において制御部5より送出された制御信号に基づくアイコン情報27と、ステップ32において制御部5より送出された描画データとを、カメラ2により撮像された画像に重畳表示させて、ディスプレイ4に表示させる。
車両の後退距離が4mに達したと判断した場合(ステップS33でNOの場合)、制御部5は、ハンドル操舵角検出部6より取得したハンドルの操舵角情報に基づいて、ハンドルが中立位置に戻っているか否かの判断を行う(ステップS36)。
ハンドルが中立位置に戻っていないと判断した場合(ステップS36でNOの場合)、制御部5は、ハンドルを中立位置に戻す旨の音声情報を出力させる制御信号を、音声制御部21に送出する(ステップS37)。さらに制御部5は、ハンドルを中立位置に戻す旨のアイコン情報を重畳させる制御信号を表示制御部3に送出する(ステップS38)。
表示制御部3では、図10に示すようにステップS28において制御部5より送出された制御信号に基づくアイコン情報28と、ステップ32において制御部5より送出された描画データとを、カメラ2により撮像された画像に重畳表示させて、ディスプレイ4に表示させる。
一方で、ハンドルが中立位置に戻っていると判断した場合(ステップS36でYESの場合)、制御部5は、スピーカー22への音声情報出力を停止させる制御信号を音声制御部21に送出するとともに(ステップS39)、アイコン情報の重畳を終了する旨の制御信号を表示制御部3に送出する(ステップS40)。
表示制御部3では、ステップ32において制御部5より送出された描画データのみをカメラ2により撮像された画像に重畳表示させてディスプレイ4に表示させる。
そして、制御部5は、新たに算出されたP1点、P2点を記憶する(ステップS41)。
その後、制御部5はシフトレバーがリバース位置に操作されたか否かの判断を行う(ステップS42)。シフトレバーがリバース位置以外のポジションに操作されたと判断した場合、制御部5は、車両後退運転支援処理を終了し、リバース位置に操作されたままであると判断した場合には、ステップS41で記憶されたP1点、P2点が基準となって、再度上述した処理(ステップS28〜S41)が繰り返し実行される。
このように、実施例2に係る車両後退運転支援装置20では、車両を停車させたい位置に車両輪郭LAを合わせた後に運転者が操作ボタン9をONにし、そのときのハンドルの操舵角を維持したまま後退すれば車両を停車させたい位置に確実に停車させることができる。
この運転操作において、車両後退時であって4mの後退が完了していない場合、つまり車両が停車枠10に水平な状態となるまで後退動作が完了していない場合には、ディスプレイ4に対して図9に示すように「ハンドルそのまま」を示すアイコン画像27が表示され、さらにスピーカー22より「ハンドルをそのままにして下さい」という女性の音声が出力されるので、運転者は車両が4m後退したか否かを画面表示および音声案内によって簡単に判断することができる。
さらに、車両が4m後退し終わるまで、ハンドルをそのままにする旨の画面表示と音声案内がなされるため、運転者はハンドル操作を行うことなく車両後退操作のみに集中して運転を行うことができる。
また、車両が4m後退し終わった場合、つまり車両が停車枠10に水平な状態となるまで後退した場合には、ディスプレイ4に対して図10に示すように「中立に」と示されたアイコン画像28が表示され、さらにスピーカー22より「ハンドルを中立位置にして下さい」という女性の音声が出力されるので、運転者は車両が4メートル後退し終わったことを容易に判断することができ、さらに、その後に車両の後退操作を行うことなくハンドルを中立位置に戻せばよいことを容易に知ることができる。
さらに、ハンドルが中立位置に戻された場合には、スピーカー22からの音声案内が終了するとともに、「中立に」と示されたアイコン画像28がディスプレイ4の画面より消えることとなるので、運転者はハンドルが中立位置に戻ったことを容易に知ることができる。このため、運転者は、ディスプレイ4に表示される車両後方画像を参考にしてそのまま車両を後退させれば車両を停車枠10に平行に後退させることができることとなり、簡単に車両を停車枠10内に停車させることが可能となる。
また、実施例2に係る車両後退運転支援装置20を用いることによって、実施例1において説明したことと同様に、制御部5が、車両の走行距離に応じてリアルタイムに後退予測軌跡la、lbと車両の輪郭(車両状態)LAとを車両後方映像に重畳表示させるため、運転者がハンドル操作により変化する車両状態を容易に把握できるようになり、後退運転の困難性を緩和することが可能となる。後退予測軌跡の動きに対応する車両状態の変化を視覚的に運転者に認識させることによって、車両全体の状態を視認した上で対応するハンドル操作を行うことできるようになるため、俯瞰画像を用いた後方運転支援技術のような高度な技術を用いることなく、同様の操作感覚を運転者に与えることが可能となる。
さらに、現実に撮像された車両後方の映像に対して車両の状態、具体的には車両の位置・姿勢(方向)を照らし合わせることができるので、現実に存在する視点に基づいて、車両状態を判断することができ、俯瞰画像技術を用いて現実に存在しない視点に基づいて車両状態を判断する場合に比べてより現実に近い状況で運転者が後退運転を行うことができる。
さらに、予め車両の輪郭によって停車位置に停車される車両状態を把握することができるため、停車位置における車両の大きさを把握しやすくなり、車両を停車することが可能なスペースが確保されているか否かの判断を容易に行うことが可能となる。
また、後退予測軌跡を示す破線は、実線部の表示位置が車両後方画像の所定場所に貼り付けられたようして表示されるため、車両の後退映像と破線の表示状態とに違和感を感じることなく後退運転を行うことができる。
さらに、従来より一般的に用いられている後退運転支援装置の後退予測軌跡のように、車両が停車枠10にきちんと移動された後であっても後退予測線がディスプレイ4に表示され続けてしまうことを回避することができる。このため、例えば車両を停車させた位置の後方が壁等の立体物であっても、その立体物の映像に後退予測軌跡が重畳表示されるという滑稽な画像がディスプレイ表示に表示されてしまうことを防止することができ、運転者が車両後退操作において画面表示に違和感を感じることなく後退運転を行うことが可能となる。
以上、本発明に係る車両後退運転支援装置について図面を用いて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、操作ボタンがONされたときを基準として、制御部5が車両位置と算出された前記P1、P2点の位置との関係を記憶することとしたが、操作ボタン以外のアクション、例えば、運転者がシフトレバーをリバースに操作したときを基準としてP1点、P2点を記憶し、記憶されたP1点、P2点に基づいて、走行距離に応じた後退予測軌跡la、lbと車両輪郭LAとの算出を繰り返し実行するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、操作ボタン9をONにした後にP1点およびP2点を記憶し、P1点およびP2点と自車両との位置を車両の走行距離より求めて後退予測軌跡la、lbと車両の輪郭LAとを算出し直す構成とした。しかしながら、車両を停車させたい位置に一度車両の輪郭LAを合わせ、そのときのハンドルの操舵角を維持したまま後退すれば所定の停車位置に車両を停車させることができるため、必ずしもP1点およびP2点を毎回記憶し、P1点およびP2点と自車両との位置変化を車両の走行距離によって求めて後退予測軌跡la、lbと車両の輪郭LAとを算出し直す必要はない。
そこで、図6に示すフローチャートのように、制御部5が、シフトレバーがリバース位置に操作されたか否かの判断を行った後(ステップS1)、ハンドルの操舵角情報と走行距離情報とを取得して(ステップS2)、後退予測軌跡la、lbと車両軌跡LAとを算出(ステップS3、S4)し、描画データを作成し(ステップS5)、表示制御部3に描画データを送出する(ステップS6)処理を、シフトレバーがリバース位置以外のポジションに操作されるまで(ステップS15)繰り返し行うようにしてもよい。このように処理を行うことによってP1点およびP2点の記憶を行う必要がなくなると共に、制御部5が後退予測軌跡を算出する場合に自車両とP1点、P2点との距離を計算する必要がなくなるため、装置構成の簡略化と制御部5による処理負担の軽減を図ることが可能となる。
また、操作ボタン9をONにした後に、運転者がハンドルを操作してしまった場合、ディスプレイ4に対して車両輪郭LAは、ハンドルを操作する前の操舵角情報に基づく輪郭を表示させ、後退予測軌跡1a、1bは、ハンドルを操作した後の操舵角状態に基づく軌跡を表示させるようにしてもよい。このように、後退予測軌跡1a、1bのみハンドルの操舵状態に応じて描画し直すことによって、後退予測軌跡のみ左右にずれることとなるので、運転者はハンドルが動いてしまったことを容易に判断することができる。
さらに、実施例2においては、車両が4m後退した場合に、ディスプレイ4に対して「中立に」と示されたアイコン画像28を表示させ、スピーカー22より「ハンドルを中立位置にして下さい」という音声案内を行うこととしたが、4m後退したと同時に、車両が4m停車して車両輪郭LAと実際の車両の停車位置とが一致したことを示すアイコン画像(例えば、「一致しました」との表示画像)や音声案内を行うようにしてもよい。このようなアイコン表示および音声案内を行うことのよって、運転者に現在の車両の状態がディスプレイ4に表示されていた車両輪郭LAの位置と一致したことを容易に認識させることが可能となる。
また、実施例2において車両後退時に音声案内を行う場合について説明を行ったが、後退運転操作に慣れた運転者にとっては、音声案内を行わない方が好ましい場合もあり得る。このため、必要に応じて、音声案内の音量および音声案内回数等を低減させる構成としてもよく、さらに運転者によって、音声案内やアイコン表示の有無を設定できるようにしてもよい。また、ディスプレイ4に表示されるアイコンのデザイン表示も図9、図10に示すものに限定されるものではなく、他のデザインであってもよい。
さらに、実施例2においてアイコン情報を表示制御部3が記憶することとしたが、アイコン情報は必ずしも表示制御部3が記憶しておく必要はなく、制御部5がアイコン情報を記憶し、必要に応じてアイコン情報を表示制御部3に送出する構成としてもよい。また、実施例2において音声情報を音声制御部21が記憶することとしたが、音声情報は必ずしも音声制御手段21が記憶しておく必要はなく、制御部5が音声情報を記憶し、必要に応じて音声情報を音声制御部21に送出する構成としてもよい。
また、本発明に係る車両後退運転支援装置は、車庫入れ駐車を行う場合のみでなく、縦列駐車を行う場合においても使用することが可能である。
実施例1に係る車両後退運転支援装置の概略構成を示したブロック図である。 実施例1において、シフトレバーをリバース位置に操作したときにディスプレイに表示される画像を示した図である。 実施例1において、操作ボタンをONしたときにディスプレイに表示される画像を示した図である。 実施例1において、操作ボタンをONした後であって車両を後退させたときにディスプレイに表示される画像を示した図である。 実施例1における制御部による車両後退運転支援処理を示したフローチャートである。 制御部による車両後退運転支援処理を示した他のフローチャートである。 実施例2に係る車両後退運転支援装置の概略構成を示したブロック図である。 実施例2における制御部による車両後退運転支援処理を示したフローチャートである。 実施例2において、操作ボタンをONしたときにディスプレイに表示される画像を示した図である。 実施例2において、操作ボタンをONした後であって車両が4m後退したときにディスプレイに表示される画像を示した図である。
符号の説明
1、20 …車両後退運転支援装置
2 …カメラ(撮像手段)
2a …カメラ本体部
2b …カメラ駆動部
3 …表示制御部(表示制御手段)
4 …ディスプレイ(表示手段)
5 …制御部(後退軌跡算出手段、車両状態算出手段)
6 …ハンドル操舵角検出部(操舵角検出手段)
7 …走行距離検出部(走行距離検出手段)
8 …リバース検出部
9 …操作ボタン
10 …停車枠
21 …音声制御部(音声出力手段)
22 …スピーカー(音声出力手段)
27、28 …アイコン画像
LA …車両輪郭
la、lb …後退予測軌跡

Claims (7)

  1. 車両後方を撮像する撮像手段と、
    該撮像手段により撮像された映像を表示する表示手段と、
    ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    該操舵角検出手段により検出された操舵角に基づいて車両の左右後端点における後退予測軌跡を算出する後退軌跡算出手段と、
    前記車両が所定距離後方に後退したときの車両の輪郭情報を、前記後退軌跡算出手段により算出された前記後退予測軌跡の接線方向と前記車両の全長データとに基づいて算出する車両状態算出手段と、
    前記撮像手段により撮像された映像に対して、前記後退軌跡算出手段により算出された後退予測軌跡と前記車両状態算出手段により算出された車両の輪郭とを重畳描画させて、前記表示手段に表示させる表示制御手段と
    を備えることを特徴とする車両後退運転支援装置。
  2. 前記車両の走行距離を検出する走行距離検出手段を備え、
    前記後退軌跡算出手段は、前記走行距離検出手段により検出された走行距離に応じて前記後退予測軌跡を算出し、
    前記車両状態算出手段は、前記走行距離検出手段により検出された走行距離に応じて前記所定距離を変更して前記輪郭情報を算出し、
    前記表示制御手段は、前記走行距離に応じて算出された前記後退予測軌跡と前記車両の輪郭とを前記撮像手段により撮像された映像に対して重畳描画する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両後退運転支援装置。
  3. 前記後退軌跡算出手段は、前記後退予測軌跡が破線又は鎖線として前記表示手段に表示され、前記破線又は前記鎖線の実線部が前記走行距離検出手段により検出された走行距離に応じて前記後退予測軌跡の長さ方向へ移動表示されるように前記後退予測軌跡を算出することを特徴とする請求項2に記載の車両後退運転支援装置。
  4. 前記表示制御手段は、前記車両が前記所定距離だけ後退するまで、前記ハンドルの操舵角を維持し続ける旨の表示を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の車両後退運転支援装置。
  5. 前記表示制御手段は、前記車両が前記所定距離だけ後退した場合に、前記ハンドルを中立位置に戻す旨の表示を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両後退運転支援装置。
  6. 運転者に対して出力音を出力することにより注意を促す音声出力手段を備え、
    該音声出力手段は、前記車両が前記所定距離だけ後退するまで、前記ハンドルの操舵角を維持し続ける旨の出力音を出力すること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両後退運転支援装置。
  7. 運転者に対して出力音を出力することにより注意を促す音声出力手段を備え、
    該音声出力手段は、前記車両が前記所定距離だけ後退した場合に、前記ハンドルを中立位置に戻す旨の出力音を出力すること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両後退運転支援装置。
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