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JP2007113304A - 油圧駆動装置 - Google Patents

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JP2007113304A JP2005306877A JP2005306877A JP2007113304A JP 2007113304 A JP2007113304 A JP 2007113304A JP 2005306877 A JP2005306877 A JP 2005306877A JP 2005306877 A JP2005306877 A JP 2005306877A JP 2007113304 A JP2007113304 A JP 2007113304A
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Abstract

【課題】ユーザーのニーズに合わせ、それぞれの稼働現場に適した作業性を提供することができると共に燃費を向上させることができる油圧駆動装置を提供する。
【解決手段】油圧駆動装置は、エンジン17と、油圧ポンプ18と、油圧アクチュエータ20と、エンジン17での燃費がそれぞれ異なるパワーモードと通常エコノミーモードと第1エコノミーモードとを含む複数の作業モードの中からオペレータが所望の作業モードを選択するためのモニタパネル39と、エンジン・油圧ポンプ制御装置40とを備える。エンジン・油圧ポンプ制御装置40は、モニタパネル39で選択された作業モードに応じてエンジン17と油圧ポンプ18とを制御し、通常エコノミーモードにおいて所定の作業条件が満たされた場合にはパワーモードでの運転に切り換え、第1エコノミーモードにおいては作業条件が満たされても第1エコノミーモードでの運転を維持する。
【選択図】図2

Description

本発明は、油圧駆動装置に関する。
従来の油圧駆動装置として、特許文献1,2にて提案されているものが知られている。特許文献1に係る油圧駆動装置では、オペレータが選択した作業モードに適合するエンジン出力トルク特性およびポンプ吸収トルク特性をそれぞれ設定するようにされている。一方、特許文献2に係る油圧駆動装置では、操作レバーの特定の操作状態を検知することで作業機等が特定の操作状態にあることを検知し、作業機等が特定の操作状態にあるときに油圧ポンプの吸収トルクの最大値をその操作状態に合わせて所定値に設定するようにされている。
特許文献1に係る油圧駆動装置においては、オペレータが重掘削モードを選択した場合には、エンジンは全負荷運転とされ、図15において記号ELa’のラインで示されるエンジン出力トルク特性が設定される。このエンジン出力トルクラインELa’においては、設定エンジン回転数NA’に向けてレギュレーションラインRa’が設定されるとともに、エンジン回転数Na’においてエンジンの出力(馬力)が最大となるように設定され、このエンジン回転数Na’においてエンジンの出力トルクはTa’とされる(以下、エンジン回転数Na’とエンジンの出力トルクTa’とにより特定される出力トルク点を「出力トルク点Ma’」と呼ぶ)。また、可変容量型油圧ポンプ(以下、単に「油圧ポンプ」という。)の吐出油量調整により、図15において記号PLa’のラインで示されるポンプ吸収トルク特性が設定される。ここで、このポンプ吸収トルクラインPLa’は、エンジン回転数を変数とする単調増加関数になるようにされる。そして、出力トルク点Ma’においてエンジンの出力トルクと油圧ポンプの吸収トルクとが一致(以下、このような状態を「マッチング」と称する。)され、出力トルク点Ma’におけるエンジン馬力、つまりエンジンの最大馬力を油圧ポンプが吸収することで、重掘削作業を高効率で行えるようにされている。このように、例えば、出力トルク点Ma’におけるエンジン回転数Na’を目標値とし、エンジンの目標回転数と実回転数との偏差を演算しながら油圧ポンプの吸収トルクを増減させて、出力トルク点Ma’においてエンジンの出力トルクと油圧ポンプの吸収トルクとをマッチングさせる制御方式を「エンジン回転数センシング制御」と称し、既に公知の技術である。
特開平2−38630号公報 特開2002−295408号公報
一方、上記のような油圧駆動装置において、複数の作業モードの中からある作業モードが選択された場合において、所定の作業条件が満たされた場合には他の作業モードでの運転に自動的に切り替わるようにされたものがある。例えば、オペレータの操作によって、作業性を重視したパワーモードと、燃費を重視したエコノミーモードとが選択可能とされ、エコノミーモードが選択されている場合であっても所定の作業条件が満たされた場合には、自動的にパワーモードに切り替わるようにされたものがある。より詳細に説明すると、この油圧駆動装置において、パワーモードが選択された場合には、図16に示すように出力トルク点Ma’ においてエンジンの出力トルクと油圧ポンプの吸収トルクとがマッチングされる。なお、出力トルク点Ma’ 以下、「マッチング点Ma’」と呼ぶ)は、上記の特許文献1に係る油圧駆動装置と同様の手法で設定される。また、エコノミーモードが選択された場合には、記号ELb’のラインで示されるエンジン出力トルク特性が設定される。また、油圧ポンプの吐出油量調整により、記号PLb’のラインで示されるポンプ吸収トルク特性が設定される。そして、エンジン回転数Nb’とそのエンジン回転数Nb’に対応するエンジンの出力トルクTb’とにより特定される出力トルク点Mbにおいてエンジンの出力トルクと油圧ポンプの吸収トルクとがマッチングされる(以下、出力トルク点Mb’を「マッチング点Mb’」と呼ぶ)。このように、エコノミーモードでは、パワーモードでのマッチング点Ma’よりも燃料消費率(g/kw・h)が低いマッチング点Mb’においてエンジンの出力トルクと油圧ポンプの吸収トルクとをマッチングさせることができるため、燃料効率の良い領域でエンジンを使用することができ、燃費を向上させることができる。
また、この油圧駆動装置においては、エコノミーモードが選択されていても所定の作業条件が満たされた場合には、マッチング点Ma’においてエンジンの出力トルクと油圧ポンプの吸収トルクとがマッチングされる。例えば、油圧ショベルにおいて、エコノミーモードが選択されている状態で、上部旋回体の旋回操作が行われ、且つ、ブームの上げ操作が行われている場合には、パワーモードでのマッチング点Ma’においてエンジンの出力トルクと油圧ポンプの吸収トルクとがマッチングされる。これにより、エンジンの最大馬力を有効に油圧ポンプが吸収することができ、土砂の掘削動作および旋回・ブーム上げ動作を高効率で行うことができる。そして、旋回・ブーム上げ動作から旋回・ブーム下げ動作に変化した場合には、マッチング点Mb’においてエンジンの出力トルクと油圧ポンプの吸収トルクとがマッチングされる。これにより、エンジンの出力および油圧ポンプの出力がそれぞれ抑制されることで、総量として無駄な燃料消費を低減することができる。
以上のように、上記のような油圧駆動装置では、エコノミーモードを選択することによって燃費を向上させることができると共に、必要な場合には自動的にパワーモードでの運転に切り替わることによって作業性を向上させることができる。
しかし、このような油圧駆動装置では、所定の作業条件が満たされる場合には、常にパワーモードに切り替わってしまうが、稼働現場の状況は場所によって或いは時によって異なるため、パワーモードに切り替わる必要がない場合もある。例えば、通常より採石する必要が少なく作業量が少ない現場においては、パワーモードに切り替わらずに低燃費での運転を続ける方が、燃費の向上にとって望ましい。また、このような状況では、作業性の低下も問題にならない。
本発明の課題は、ユーザーのニーズに合わせ、それぞれの稼働現場に適した作業性を提供することができると共に燃費を向上させることができる油圧駆動装置を提供することにある。
第1発明に係る油圧駆動装置は、エンジンと、油圧ポンプと、油圧アクチュエータと、選択装置と、制御部とを備える。油圧ポンプは、エンジンにより駆動される。油圧アクチュエータは、油圧ポンプから吐出される圧油により作動する。選択装置は、エンジンでの燃費がそれぞれ異なる第1作業モードと第2作業モードと第3作業モードとを含む複数の作業モードの中からオペレータが所望の作業モードを選択するための装置である。制御部は、選択装置で選択された作業モードに応じてエンジンと油圧ポンプとを制御し、第2作業モードにおいて所定の作業条件が満たされた場合には第1作業モードでの運転に切り換え、第3作業モードにおいては作業条件が満たされても第3作業モードでの運転を維持する。
この油圧駆動装置では、第2作業モードが選択されている場合には、所定の作業条件が満たされた場合に自動的に第1作業モードに切り替わる。このため、作業条件に適した作業モードで作業を行うことができる。また、ユーザーが、第2作業モードから第1作業モードに自動的に切り替わることを望まない場合には、第3作業モードを選択することにより、作業条件に関わらず第3作業モードでの運転を続けることができる。これにより、この油圧駆動装置では、ユーザーのニーズに合わせ、それぞれの稼働現場に適した作業性を提供することができると共に燃費を向上させることができる。
第2発明に係る油圧駆動装置は、第1発明の油圧駆動装置であって、第1作業モードは、第2作業モードおよび第3作業モードよりも油圧ポンプでの吸収馬力が大きい作業モードである。また、第2作業モードおよび第3作業モードは、第1作業モードよりもエンジンでの燃費がよい作業モードである。
この油圧駆動装置では、作業性を重視する場合には第1作業モードを選択することにより、作業性を向上させることができる。また、作業性よりも燃費を重視する場合には、第2作業モードまたは第3作業モードを選択することにより、燃費を向上させることができる。特に、一連の作業を通して作業性を向上させる必要が少ない場合には、第3作業モードを選択することにより、第1作業モードへの移行を禁止して、燃費をより向上させることができる。
第3発明に係る油圧駆動装置は、第2発明の油圧駆動装置であって、第3作業モードは、第2作業モードよりも油圧ポンプでの吸収馬力が小さく且つエンジンでの燃費のよい作業モードである。
この油圧駆動装置では、第3作業モードを選択することにより、第2作業モードよりもさらに低燃費での運転を行うことができる。
第4発明に係る油圧駆動装置は、第2発明または第3発明の油圧駆動装置であって、エンジンにより駆動される走行装置をさらに備え、作業条件とは、走行装置が駆動されることである。
この油圧駆動装置では、第1作業モードよりも燃費がよい、すなわち、第1作業モードよりも作業性が低い第2作業モードが選択されている場合であっても、走行装置が駆動される場合には第1作業モードにてエンジン及び油圧ポンプが制御される。このため、走行時の出力不足を抑えることができる。特に、走行装置の駆動には、他の作業よりも多くの燃料が必要であるため、走行装置が駆動される場合に第1作業モードに切り替わることが作業性の向上に有効である。
第5発明に係る油圧駆動装置は、第2発明から第4発明のいずれかの油圧駆動装置であって、制御部は、第1作業モードを含まず且つ第2作業モードおよび第3作業モードを含む複数の作業モードの中から選択装置によって選択された作業モードを記憶する第1記憶部を有する。また、選択装置では非省エネルギー作業モードと省エネルギー作業モードとの選択が可能である。そして、制御部は、非省エネルギー作業モードが選択された場合には第1作業モードでの運転を行い、省エネルギー作業モードが選択された場合には第1記憶部に記憶された作業モードにて運転を行う。
この油圧駆動装置では、第2作業モードおよび第3作業モードを含む複数の作業モードの中から選択された一の作業モードが記憶され、次回からは省エネルギー作業モードを選択することによって、前回記憶された作業モードでエンジン及び油圧ポンプが制御される。このため、作業モードの選択操作を簡略化することができる。
第6発明に係る油圧駆動装置は、第1発明から第5発明のいずれかの油圧駆動装置であって、制御部は、第2記憶部と第3記憶部とを有する。第2記憶部には、第1作業モードに対応した第1エンジン出力トルク特性と、第2作業モードに対応し全負荷領域の最大出力トルクが第1エンジン出力トルク特性と異なる第2エンジン出力トルク特性とが記憶されている。第3記憶部には、第1作業モードに対応した第1ポンプ吸収トルク特性と、第2作業モードに対応した第2ポンプ吸収トルク特性と、第3作業モードに対応した第3ポンプ吸収トルク特性とが記憶されている。そして、制御部は、第1エンジン出力トルク特性と第1ポンプ吸収トルク特性とが一致する第1マッチング点と、第2エンジン出力トルク特性と第2ポンプ吸収トルク特性とが一致する第2マッチング点と、第2エンジン出力トルク特性のレギュレーションラインより低回転側に位置する第3レギュレーションラインと第3ポンプ吸収トルク特性とが一致する第3マッチング点とを設定し、第1作業モードにおいては第1マッチング点においてエンジンの出力トルクと油圧ポンプの吸収トルクとが一致するようにエンジンと油圧ポンプを制御し、第2作業モードにおいては第2マッチング点においてエンジンの出力トルクと油圧ポンプの吸収トルクとが一致するようにエンジンと油圧ポンプを制御し、第3作業モードにおいては第3マッチング点においてエンジンの出力トルクと油圧ポンプの吸収トルクとが一致するようにエンジンと油圧ポンプを制御する。
従来の油圧駆動装置では、複数の作業モードに対応した複数のマッチング点が設定される場合、同種の設定手法によって各マッチング点が設定されていた。例えば、エンジン出力トルクラインのレギュレーションラインが切り換えられることによって各マッチング点が設定されていた。或いは、ポンプ吸収トルクラインが切り換えられることによって各マッチング点が設定されていた。
しかし、この油圧駆動装置では、第2マッチング点は、全負荷領域の最大出力トルクが異なるエンジン出力トルク特性の切り換えと、ポンプ吸収トルク特性の切り換えとによって設定される。また、第3マッチング点は、エンジン出力トルク特性のレギュレーションラインの切り換えと、ポンプ吸収トルク特性の切り換えとによって設定される。このように、この油圧駆動装置では、複数のマッチング点の設定において、別種の設定手法が用いられる。これにより、各作業モードにより適したマッチング点を設定することができる。
第7発明に係る油圧駆動装置は、エンジンと、油圧ポンプと、油圧アクチュエータと、選択装置と、制御部とを備える。油圧ポンプは、エンジンにより駆動される。油圧アクチュエータは、油圧ポンプから吐出される圧油により作動する。選択装置は、第1作業モードと、第1作業モードよりも燃費がよい第2作業モードと、第2作業モードよりも燃費がよい第3作業モードとを含む複数の作業モードの中からオペレータが所望の作業モードを選択するための装置である。制御部は、選択装置で選択された作業モードに応じてエンジンと油圧ポンプとを制御し、第2作業モードにおいて所定の作業条件が満たされた場合には第2作業モードよりも出力が高い作業モードでの運転に切り換え、第3作業モードにおいては作業条件が満たされても第3作業モードでの運転を維持する。
この油圧駆動装置では、第2作業モードが選択されている場合には、所定の作業条件が満たされた場合に第2作業モードよりも出力が高い作業モードに切り替わる。このため、作業条件に適した作業モードで作業を行うことができ、作業性を向上さえることができる。また、ユーザーが、第2作業モードよりも出力が高い作業モードに自動的に切り替わることを望まない場合には、第3作業モードを選択することにより、作業条件に関わらず第3作業モードでの運転を続けることができ、燃費を向上させることができる。これにより、この油圧駆動装置では、ユーザーのニーズに合わせ、それぞれの稼働現場に適した作業性を提供することができると共に燃費を向上させることができる
この油圧駆動装置では、第2作業モードが選択されている場合には、所定の作業条件が満たされた場合に自動的に第1作業モードに切り替わる。このため、作業条件に適した作業モードで作業を行うことができる。また、ユーザーが、第2作業モードから第1作業モードに自動的に切り替わることを望まない場合には、第3作業モードを選択することにより、作業条件に関わらず第3作業モードでの運転を続けることができる。これにより、この油圧駆動装置では、ユーザーのニーズに合わせ、それぞれの稼働現場に適した作業性を提供することができると共に燃費を向上させることができる
<構成>
〈全体構成〉
本発明に係る油圧駆動装置の一実施形態である油圧ショベル1を図1に示す。この油圧ショベル1は、走行用油圧モータ2aにより駆動される走行装置2bを備えてなる下部走行体2と、旋回用油圧モータ3aにより駆動される旋回装置3と、この旋回装置3を介して下部走行体2上に配される上部旋回体4と、この上部旋回体4の前部中央位置に取着される作業機5と、その上部旋回体4の前部左方位置に設けられる運転室6を備えて構成されている。
ここで、作業機5は、上部旋回体4側から順にブーム7、アーム8およびバケット9がそれぞれ回動可能に連結されてなり、これらブーム7、アーム8およびバケット9のそれぞれに対応するように油圧シリンダ(ブームシリンダ10、アームシリンダ11およびバケットシリンダ12)が配置されている。また、運転室6における運転席(図示省略)の両側には、上部旋回体4の旋回動作および作業機5の屈曲起伏動作を操作する作業機操作レバー13,14(図2参照)が配置されるとともに、運転席の前方には、下部走行体2の走行動作を操作する一対の走行操作レバー15,15(図2参照)およびモニタパネル39(図2および図3参照)が配置されている。
また、この油圧ショベル1には、図2に示すような油圧回路16が設けられている。この油圧回路16は、エンジン17により駆動される油圧ポンプ18から吐出される作動圧油を操作弁19を介して油圧アクチュエータ20(ブームシリンダ10、アームシリンダ11、バケットシリンダ12、走行用油圧モータ2a、旋回用油圧モータ3a)に供給および排出するように構成されている。そして、この油圧回路16の作動により、作業機5の屈曲起伏動作、上部旋回体4の旋回動作、および下部走行体2の走行動作がそれぞれ行われる。
〈エンジン〉
エンジン17は、ディーゼル式のエンジンであり、このエンジン17には、蓄圧(コモンレール)式の燃料噴射装置21が付設されている。この燃料噴射装置21は、それ自体公知のものであって、図示による詳細説明は省略するが、燃料圧送ポンプによりコモンレール室に燃料を蓄圧し、電磁弁の開閉によりインジェクタから燃料を噴射する方式のものであり、エンジンコントローラ22から電磁弁への駆動信号により燃料噴射特性が決定され、エンジン17の低速域から高速域まで任意の噴射特性を得ることができるようにされている。この油圧ショベル1では、燃料噴射装置21、エンジンコントローラ22および各種センサ類を含む機器にて、いわゆる電子制御噴射システムが構築されており、かかる電子制御噴射システムでは、目標噴射特性をデジタル値でマップ化することにより、図9に示すようなエンジン出力トルク特性を得ることができる。ここで、エンジン17のスロットル量を設定するために燃料ダイヤル23が設けられ、この燃料ダイヤル23に付設されるポテンショメータ23aからのスロットル信号(以下、「第1スロットル信号」という。)がポンプコントローラ24に入力される。また、エンジン17の実回転数は回転数センサ25にて検出され、その検出信号はエンジンコントローラ22およびポンプコントローラ24にそれぞれ入力される。
〈油圧ポンプ〉
油圧ポンプ18はエンジン17によって駆動される可変容量型の油圧ポンプであり、この油圧ポンプ18には、電気・油圧サーボ機構26が付設されている。この電気・油圧サーボ機構26は、油圧ポンプ18から吐出される圧油を利用してその油圧ポンプ18の斜板18aの傾転角を調整するレギュレータ27と、ポンプコントローラ24からの制御電流に基づいてレギュレータ27を制御する電磁比例制御弁28とを有している。ここで、ポンプコントローラ24では、前述の燃料ダイヤル23に付設のポテンショメータ23aからの第1スロットル信号および後述するモニタパネル39からの作業モード指令信号により設定された設定エンジン回転数を読み取り、さらに回転数センサ25からの実エンジン回転数信号により実エンジン回転数を読み取り、この両エンジン回転数の偏差に応じて油圧ポンプ18の吸収トルクを増減するため、油圧ポンプ18の斜板18aの傾転角を制御する制御電流値を電磁比例制御弁28に出力する。また、油圧ポンプ18の吐出圧力を検出する圧力センサ29が設けられ、この圧力センサ29からのポンプ吐出圧信号はポンプコントローラ24に入力される。
〈操作弁〉
操作弁19は、油圧アクチュエータ20に対応して設けられる油圧パイロット操作式の方向制御弁30,・・,30の集合体であり、後述する各減圧弁33,34,36から出力されるパイロット圧油の各方向制御弁30への供給により所定の油路切換動作が行われる。
〈操作レバー〉
作業機操作レバー13,14には、各種レバー操作に対応する各種操作指令を出力する操作部31,32を介して減圧弁33,34が付設されている。
一方、走行操作レバー15,15にも同様に、各種レバー操作に対応する各種操作指令を出力する操作部35を介して減圧弁36が付設されている。
各減圧弁33,34,36には、図示省略されるパイロットポンプからのパイロット圧油が供給されるようになっており、各減圧弁33,34,36は、供給されたパイロット圧油を各種操作指令に基づいて調圧しその調圧されたパイロット圧油を操作弁19に向けて出力する。そして、各減圧弁33,34,36から出力されたパイロット圧油は、操作弁19における所定のパイロット圧油入力ポートに入力され、これによって所定の油路切換動作が行われる。
こうして、作業機操作レバー13,14の所定の操作にて上部旋回体4の旋回動作と作業機5の屈曲起伏動作とが行われるようにされるとともに、走行操作レバー15,15の所定の操作にて下部走行体2の走行動作が行われる。
また、作業機操作レバー13,14および走行操作レバー15,15のそれぞれの操作状態を示す操作信号は、各減圧弁33,34,36に付設される油圧スイッチ37,・・・,37を介してポンプコントローラ24に入力されるようになっている。本実施形態においては、それら操作レバー13,14,15,15の所定の操作にてポンプコントローラ24に入力される操作信号は、以下に述べる計12種類である。
(1)上部旋回体4の右旋回動作に対応する右旋回操作信号
(2)上部旋回体4の左旋回動作に対応する左旋回操作信号
(3)ブーム7の上げ動作に対応するブーム上げ操作信号
(4)ブーム7の下げ動作に対応するブーム下げ操作信号
(5)アーム8を前方に送り出す動作に対応するアームダンプ操作信号
(6)アーム8を手前に引き込む動作に対応するアーム掘削操作信号
(7)バケット9を前方に送り出す動作に対応するバケットダンプ操作信号
(8)バケット9を手前に引き込む動作に対応するバケット掘削操作信号
(9)下部走行体2の右前進走行動作に対応する右前進走行操作信号
(10)下部走行体2の右後進走行動作に対応する右後進走行操作信号
(11)下部走行体2の左前進走行動作に対応する左前進走行操作信号
(12)下部走行体2の左後進走行動作に対応する左後進走行操作信号
操作部31には、作業機操作レバー13の各種レバー操作のうちアームダンプ操作、アーム掘削操作、バケットダンプ操作およびバケット掘削操作のそれぞれの操作量を電気信号に置き換えてアームダンプ操作量信号、アーム掘削操作量信号、バケットダンプ操作量信号およびバケット掘削操作量信号として出力するポテンショメータ38が付設され、このポテンショメータ38からの各種操作量信号がポンプコントローラ24に入力されるようになっている。
〈モニタパネル〉
モニタパネル39(選択装置)は、運転室6内に配置されており、複数の作業モードの中からオペレータが所望の作業モードの選択等を行うための設定器として機能する装置である。モニタパネル39は、図3に示すように、情報を表示する画面部50と、操作を入力するための操作ボタン部51とを有している。操作ボタン部51は、各種の操作を選択するためのボタン、画面上のカーソルを移動させる矢印ボタン、入力を決定するための決定ボタン、全画面に戻るためのリターンボタン等を有している。また、操作ボタン部51の複数のボタンには、0から9までの数字がそれぞれ割り当てられており、数字の入力を行うことができる。
画面部50において、基本画面では、燃料計や水温計等と共に現在選択されている作業モードが表示される。ここで、操作ボタン部51には、作業性を重視したパワーモード(第1作業モード、非省エネルギー作業モード)を選択するためのPボタン52と、燃費を重視したエコノミーモード(省エネルギー作業モード)を選択するためのEボタン53とが含まれている。オペレータがPボタン52を押すと、パワーモードが選択され、基本画面の隅に「P」の文字が表示される。また、オペレータがEボタン53を押すと、エコノミーモードとして現在設定されている作業モードが選択され、基本画面の隅に「E」の文字が表示される。
また、操作ボタン部51にはセレクトスイッチボタン54が含まれており、セレクトスイッチボタン54が押されると、基本画面から図4に示すユーザーメニュー画面に切り替わる。ユーザーメニュー画面では、「Eモード調整」を含む複数のユーザーメニューが表示される。ここで「Eモード調整」が選択されると、図5に示すEモード調整画面に切り替わる。
Eモード調整画面では、通常エコノミーモード(第2作業モード)、第1エコノミーモード(第3作業モード)、第2エコノミーモード、第3エコノミーモードから一の作業モードを選択可能となっている。上述したように、このモニタパネル39では、オペレータがEボタン53を押すことによってエコノミーモードを選択することができるが、このエコノミーモードには、上記の4つの作業モードがあり、エコノミーモードとして実行される作業モードをEモード調整画面において設定することができる。このEモード調整画面には、通常エコノミーモードを示す「E0」、第1エコノミーモードを示す「E1」、第2エコノミーモードを示す「E2」、第3エコノミーモードを示す「E3」が表示され、カーソル55を移動させて決定キーを押すことによって選択可能となっている。そして、ここで選択された作業モードがEボタン53によって選択されるエコノミーモードとして設定され記憶される。エコノミーモードとして選択されるこれらの4つの作業モードの中では、通常エコノミーモードが最も出力が大きい代わりに最も燃費が悪い。第1エコノミーモードは通常エコノミーモードよりも燃費がよく、第2エコノミーモードは第1エコノミーモードよりも燃費がよく、第3エコノミーモードは第2エコノミーモードよりも燃費がよい。なお、これらの作業モードでは、燃費が良いほど出力が小さく、出力が高いほど燃費が悪い。
〈エンジン・油圧ポンプ制御装置〉
この油圧ショベル1には、図2に示すように、上記の油圧回路の動作を制御するためのエンジン・油圧ポンプ制御装置40(制御部)が設けられている。このエンジン・油圧ポンプ制御装置40は、主に、エンジンコントローラ22(第2記憶部)、ポンプコントローラ24(第1記憶部、第3記憶部)、各種センサおよび各種設定器を有している。
〔ポンプコントローラ〕
ポンプコントローラ24は、図6に示すように、作業条件判別部41と、ポンプ吸収トルク指令制御部42と、制御電流指令制御部43と、スロットル指令制御部44とを備えて構成されている。
作業条件判別部41には、燃料ダイヤル23に付設のポテンショメータ23aからの第1スロットル信号およびモニタパネル39からの作業モード指令信号が後述するスロットル指令制御部44を介してそれぞれ入力される。さらに、この作業条件判別部41には、各油圧スイッチ37からの各種操作信号と、操作部31に付設のポテンショメータ38からの各種操作量信号と、圧力センサ29からのポンプ吐出圧信号とが入力される。この作業条件判別部41においては、それら入力信号に基づいて現在の作業条件を判別しその判別結果を作業条件信号(「a」/「b」)としてポンプ吸収トルク指令制御部42および後述するスロットル指令制御部44に向けてそれぞれ出力するようにされている。なお、この作業条件判別部41による作業条件の判別に至るまでの処理手順については後に詳述する。
ポンプ吸収トルク指令制御部42には、回転数センサ25からの実エンジン回転数信号と、前記作業条件判別部41からの作業条件信号とが入力される。また、このポンプ吸収トルク指令制御部42には、作業条件や作業モードに基づいて設定される複数のポンプ吸収トルク特性(図7参照)がマップ化されて記憶されている。各ポンプ吸収トルク特性は、油圧ポンプ18がエンジン17から吸収するトルク(以下、単に「吸収トルク」という。)と、エンジン回転数とを関係付けてなるものである。ここでは、第1ポンプ吸収トルク特性から第5ポンプ吸収トルク特性までの5つのポンプ吸収トルク特性が設定されている。第1ポンプ吸収トルク特性は、パワーモードおよび作業条件「a」に対応しており、図中記号PLaのラインで示されている。第2ポンプ吸収トルク特性は、作業条件「b」および通常エコノミーモードに対応しており、図中記号PLbのラインで示されている。第3ポンプ吸収トルク特性は、第1エコノミーモードに対応しており、図中記号PLcのラインで示されている。第4ポンプ吸収トルク特性は、第2エコノミーモードに対応しており、図中記号PLdのラインで示されている。第5ポンプ吸収トルク特性は、第3エコノミーモードに対応しており、図中記号PLeのラインで示されている。これらのポンプ吸収トルクラインPLa−PLeは、最大トルクが同じであり、且つ、最小トルクも同じであるが、最小トルクと最大トルクとの間の単調増加領域が異なっており、第1ポンプ吸収トルクラインPLaが最も高回転側に位置し、第5ポンプ吸収トルクラインPLeは最も低回転側に位置している。
このポンプ吸収トルク指令制御部42においては、作業条件信号や作業モード指令信号に基づいて選択されるポンプ吸収トルクラインと、回転数センサ25からの実エンジン回転数信号とに基づいて決定されるポンプ吸収トルク指令値を出力するようにされている。今、例えば、パワーモードが選択されており、作業条件判別部41により判別される作業条件が作業条件「a」で、実エンジン回転数がNaであるときには、第1ポンプ吸収トルクラインPLaが選択されるとともに、エンジン回転数Naに対応するポンプ吸収トルク値Taがポンプ吸収トルク指令値として出力される。また、通常エコノミーモードが選択されており、作業条件判別部41により判別される作業条件が作業条件「b」で、実エンジン回転数がNbであるときには、第2ポンプ吸収トルクラインPLbが選択されるとともに、エンジン回転数Nbに対応するポンプ吸収トルク値Tbがポンプ吸収トルク指令値として出力される。第1エコノミーモードが選択されており、実エンジン回転数がNcであるときには、第3ポンプ吸収トルクラインPLcが選択されるとともに、エンジン回転数Ncに対応するポンプ吸収トルク値Tcがポンプ吸収トルク指令値として出力される。第2エコノミーモードが選択されており、実エンジン回転数がNdであるときには、第4ポンプ吸収トルクラインPLdが選択されるとともに、エンジン回転数Ndに対応するポンプ吸収トルク値Tdがポンプ吸収トルク指令値として出力される。また、第3エコノミーモードが選択されており、実エンジン回転数がNeであるときには、第5ポンプ吸収トルクラインPLeが選択されるとともに、エンジン回転数Neに対応するポンプ吸収トルク値Teがポンプ吸収トルク指令値として出力される。
制御電流指令制御部43には、ポンプ吸収トルク指令制御部42からのポンプ吸収トルク指令値が入力されるようになっている。また、この制御電流指令制御部43には、ポンプ吸収トルク指令値に対応する電磁比例制御弁28への制御電流値が記憶されている。そして、この制御電流指令制御部43においては、ポンプ吸収トルク指令制御部42からのポンプ吸収トルク指令値に基づいて決定される制御電流値を電磁比例制御弁28へ向けて出力するようにされている。今、例えば、図8に示すように、ポンプ吸収トルク指令制御部42からのポンプ吸収トルク指令値がTaであるときには、そのポンプ吸収トルク指令値Taに対応する制御電流値Iaが電磁比例制御弁28へ向けて出力される。また、ポンプ吸収トルク指令制御部42からのポンプ吸収トルク指令値がTbであるときには、そのポンプ吸収トルク指令値Tbに対応する制御電流値Ibが電磁比例制御弁28へ向けて出力される。同様にして、ポンプ吸収トルク指令値Tcに対して制御電流値Ic、ポンプ吸収トルク指令値Tdに対して制御電流値Id、ポンプ吸収トルク指令値Teに対して制御電流値Ieが出力される。
スロットル指令制御部44には、モニタパネル39からの作業モード指令信号と、燃料ダイヤル23に付設のポテンショメータ23aからの第1スロットル信号と、作業条件判別部41からの作業条件信号が入力されるようになっている。このスロットル指令制御部44においては、それら入力信号に基づいて第2スロットル信号を決定し、決定された第2スロットル信号をエンジンコントローラ22に向けて出力するようにされている。今、例えば、燃料ダイヤルが最大位置(FULL位置)にセットされているとすると、設定エンジン回転数としてNAを示す大きさの第1スロットル信号「FULL」がスロットル指令制御部44に入力される。この状態において、スロットル指令制御部44に入力される作業モード指令信号がパワーモード指令信号「A」である場合には、設定エンジン回転数としてNAを示す大きさの第2スロットル信号「NA」がスロットル指令制御部44からエンジンコントローラ22に向けて出力される。燃料ダイヤル23のセット位置が同様の状態において、スロットル指令制御部44に入力される作業モード指令信号が通常エコノミーモード指令信号「B」である場合には、設定エンジン回転数としてNB(NB<NA)を示す大きさの第2スロットル信号「NB」がスロットル指令制御部44からエンジンコントローラ22に向けて出力される。スロットル指令制御部44に入力される作業モード指令信号が第1エコノミーモード指令信号「C」である場合には、設定エンジン回転数としてNC(NC<NB)を示す大きさの第2スロットル信号「NC」がスロットル指令制御部44からエンジンコントローラ22に向けて出力される。同様にして、第2エコノミーモード指令信号「D」に対して、設定エンジン回転数としてND(ND<NC)を示す大きさの第2スロットル信号「ND」、第3エコノミーモード指令信号「E」に対して、設定エンジン回転数としてNE(NE<ND)を示す大きさの第2スロットル信号「NE」が出力される。
さらに、例えば、スロットル指令制御部44に対して第1スロットル信号「FULL」、パワーモード指令信号「A」および作業条件信号「a」がそれぞれ入力された場合には、第2スロットル信号「NA」がスロットル指令制御部44からエンジンコントローラ22に向けて出力される。また、スロットル指令制御部44に対して第1スロットル信号「FULL」、パワーモード指令信号「A」および作業条件信号「b」がそれぞれ入力された場合には、第2スロットル信号「NA」がスロットル指令制御部44からエンジンコントローラ22に向けて出力される。また、スロットル指令制御部44に対して第1スロットル信号「FULL」、通常エコノミーモード指令信号「B」および作業条件信号「a」がそれぞれ入力された場合には、第2スロットル信号「NA」がスロットル指令制御部44からエンジンコントローラ22に向けて出力される。スロットル指令制御部44に対して第1スロットル信号「FULL」、通常エコノミーモード指令信号「B」および作業条件信号(b)がそれぞれ入力された場合には、第2スロットル信号「NB」がスロットル指令制御部44からエンジンコントローラ22に向けて出力される。
〔エンジンコントローラ〕
エンジンコントローラ22には、スロットル指令制御部44からの第2スロットル指令信号が入力されるようになっている。このエンジンコントローラ22には、図9に示すように、全負荷領域の最大出力トルクが異なる複数のエンジン出力トルク特性がマップ化されて記憶されている。本実施形態においては、第2スロットル指令信号「NA」に対応して、第1レギュレーションラインRaを有する図中記号ELaのラインで示される第1エンジン出力トルク特性が設定され、第2スロットル指令信号「NB」に対応して、第2レギュレーションラインRbを有する図中記号ELbのラインで示される第2エンジン出力トルク特性が設定される。また、第2スロットル指令信号「NC」に対応して、第2エンジン出力トルクラインELbにおいて第3レギュレーションラインRcが設定される。第2スロットル指令信号「ND」に対応して、第2エンジン出力トルク特性ELbにおいて第4レギュレーションラインRdが設定される。第2スロットル指令信号「NE」に対応して、エンジン出力トルクラインELbにおいてレギュレーションラインReが設定される。なお、レギュレーションラインRa,Rb,Rc,Rd,Reの中では、レギュレーションラインRaが最も高回転側に位置しており、レギュレーションラインRb,Rc,Rd,Reは順にレギュレーションラインRaよりも低回転側に並んでいる。そして、このエンジンコントローラ22においては、これらのエンジン出力トルクラインELa、ELb、Ra−Reに基づき実エンジン回転数信号と燃料噴射特性マップ(図示省略)とを参照することで燃料噴射量を求め、求められた燃料噴射量を満足するような駆動信号「FF」を燃料噴射装置21に向けて出力するようにされている。
<制御フロー>
次に、エンジン・油圧ポンプ制御装置で行われる油圧ショベル1の制御フローについて説明する。
〈作業モードの選択の処理手順〉
上述したように、オペレータは、モニタパネル39を操作することによって作業モードの選択が可能である。この作業モードの選択の処理手順について、図10に基づいて説明する。なお、図中記号「S」はステップを表わす。
S1〜S4:モニタパネル39にEモード調整画面が表示されている状態において、「E0」から「E3」のいずれかの選択が受け付けられる(S1)。ここで、「E1」から「E3」のいずれかが選択された場合は、選択された「E1」から「E3」のいずれかの作業モードがポンプコントローラ24に記憶され(S2)、選択された作業モード(E1−E3)に対応したポンプ吸収トルクラインPLc−PLeとエンジン出力トルク特性のレギュレーションラインRc−Reが設定され(S3)、S5に進む。S1において「E0」が選択された場合には、「E0」がポンプコントローラ24に記憶され(S4)、図11に示す作業条件判別のフローチャートに進む。なお、油圧ショベル1の出荷時の初期状態においては、ポンプコントローラ24には「E0」が記憶されている。
S5〜S7:パネルモニターに基本画面が表示されている状態で、パワーモードかエコノミーモードかの選択が受け付けられる(S5)。オペレータがEボタン53を押してエコノミーモードを選択すると、ポンプコントローラ24に記憶された「E1」〜「E3」のいずれかの作業モードで運転が行われる(S6)。S5において、オペレータがPボタン52を押してパワーモードを選択した場合、図11に示す作業条件判別のフローチャートに進む。
〈作業条件判別の処理手順〉
次に、作業条件の判別の処理手順について図11に基づいて説明する。この作業条件の判別は、通常エコノミーモードまたはパワーモードが選択された場合に実行される。
S21〜S26:作業機操作レバー13,14および走行操作レバー15,15が中立状態であるか否かを判断する(S21)。作業機操作レバー13,14および走行操作レバー15,15が中立状態である場合には、作業条件「b」であると判定する(S22)。作業機操作レバー13,14および走行操作レバー15,15が中立状態でないと判断した場合には、走行操作が行われているか否かを判断する(S23)。走行操作が行われていると判断した場合には、作業条件「a」であると判定する(S24)。走行操作が行われていないと判断した場合には、作業モードがパワーモードであるか否かを判断する(S25)。作業モードがパワーモードである場合には、作業条件(a)であると判定する(S24)。作業モードがパワーモードでない場合、つまり作業モードが通常エコノミーモードである場合には、上部旋回体4の旋回操作が行われているか否かを判断する(S26)。
S27〜S28:ステップS26において、上部旋回体4の旋回操作が行われていないと判断した場合には、アーム8およびバケット9が操作されているか否かを判断する(S27)。アーム8およびバケット9が操作されていないと判断した場合には、作業条件「b」であると判定する(S22)。アーム8およびバケット9が操作されている場合には、油圧ポンプ18の吐出圧力(負荷圧力)Pが所定圧力Pr以上で、かつアーム8およびバケット9の操作に関わるレバー操作の操作量Sが所定量Sr以上であるか否かを判断する(S28)。P≧Prで、かつS≧Srである場合には、作業条件「a」であると判定する(S24)。P<Prで、かつS<Srの場合には、作業条件「b」であると判定する(S22)。
S29〜S30:ステップS26において、上部旋回体4の旋回操作が行われている判断した場合には、ブーム7の下げ操作が行われているか否かを判断する(S29)。ブーム7の下げ操作が行われている場合には、作業条件「b」であると判定する(S22)。ブーム7の下げ操作が行われていない場合には、ブーム7の上げ操作が行われているか否かを判断する(S30)。ブーム7の上げ操作が行われていない場合には、作業条件「b」であると判定する(S22)。ブーム7の上げ操作が行われている場合には、作業条件「a」であると判定する(S24)。
<作業モード選択時の動作>
次に、油圧ショベル1の作業モード選択時の動作について図12から図14を参照しつつ以下に説明する。ここで、図12には、エンジンの出力トルクと油圧ポンプの吸収トルクとの関係を表わす特性線図が示されており、図13は、図12においてマッチング点のみを抜き出した図である。また、図14には、一作業例における各種指令値のタイムチャートがそれぞれ示されている。
本作業例においては、土砂を掘削しその掘削された土砂をバケット9に掬い込み、ブーム7を上げながら上部旋回体4を旋回させてそのバケット9内の土砂をダンプトラックに積み込み、その後ブーム7を下げつつ旋回して初期状態に戻り1作業サイクルが終了するものとする。なお、この作業例では、燃料ダイヤル23はFULL位置にセットされている。
〈通常エコノミーモード選択時の動作〉
通常エコノミーモードが選択されると、作業条件に応じてマッチング点が変更される制御が行われる。以下、この場合の動作について主に図12と図14に基づいて説明する。
時刻t1において作業が開始され、土砂の掘削動作が開始される。ここで、作業開始前および作業開始直後において、作業条件判別部41は作業条件が作業条件「b」であると判定する。したがって、エンジン17は第2エンジン出力トルクラインELbに基づいて運転されるとともに、油圧ポンプ18の吸収トルク特性として第2ポンプ吸収トルクラインPLbが選択され、第2エンジン出力トルクラインELbと、第2ポンプ吸収トルクラインPLbとにより特定される出力トルク点Mb(第2マッチング点Mb)において、エンジン17の出力トルクと油圧ポンプ18の吸収トルクとが一致され、エンジン17の出力および油圧ポンプ18の出力がそれぞれ抑制される。これにより、総量として無駄な燃料消費が低減される。
時刻t2においてアーム8およびバケット9の操作に関わるレバー操作の操作量が所定量Sr以上であることが検知され、その後時刻t3において油圧ポンプ18の吐出圧力(負荷圧力)が所定圧力Pr以上であることが検知されると、時刻t3において作業条件判別部41は作業条件が作業条件「a」であると判定する。そして、この判定結果を受けてスロットル指令制御部44は時刻t3からt4の間に第2スロットル信号をNBからNAに漸増させるとともに、同判定結果を受けて制御電流指令制御部43は時刻t3からt4の間に制御電流をIbからIaに漸減させる。これにより、作業条件「b」に対応する第2エンジン出力トルクラインELbから作業条件「a」に対応する第1エンジン出力トルクラインELaに切り換えられるとともに、作業条件「b」に対応する第2ポンプ吸収トルクラインPLbから作業条件「a」に対応する第1ポンプ吸収トルクラインPLaに切り換えられる。この切換動作により、第1エンジン出力トルクラインELaが設定された際におけるエンジン17の出力(馬力)が最大となるエンジン回転数Na(図13参照)と、このエンジン回転数Naに対応するエンジン17の出力トルクTaとにより特定される出力トルク点Ma(第1マッチング点Ma)において、エンジン17の出力トルクと油圧ポンプ18の吸収トルクとがマッチングされる。これにより、エンジン17の最大馬力を有効に油圧ポンプ18が吸収することができ、土砂の掘削動作および旋回・ブーム上げ動作を高効率で行うことができる。
時刻t5において旋回・ブーム上げ動作から旋回・ブーム下げ動作に変化された瞬間に作業条件判別部41は作業条件が作業条件「b」であると判定する。そして、この判定結果を受けてスロットル指令制御部44は時刻t5からt6の間に第2スロットル信号をNAからNBに漸減させるとともに、同判定結果を受けて制御電流指令制御部43は時刻t5からt6の間に制御電流をIaからIbに漸増させる。これにより、作業条件「a」に対応する第1エンジン出力トルクラインELaから作業条件「b」に対応する第2エンジン出力トルクラインELbに切り換えられるとともに、作業条件「a」に対応する第1ポンプ吸収トルクラインPLaから作業条件「b」に対応する第2ポンプ吸収トルクラインPLbに切り換えられる。この切換動作により、第2マッチング点Mbにおいてエンジン17の出力トルクと油圧ポンプ18の吸収トルクとがマッチングされ、エンジン17の出力および油圧ポンプ18の出力がそれぞれ抑制される。これにより、総量として無駄な燃料消費が低減される。
ここで、時間(t4〜t5)においては、油圧ポンプ制御装置40により、ポンプ吸収トルクラインPLaが、エンジン回転数の増加/減少に伴い油圧ポンプ18の吸収トルクを増加/減少させる特性ラインとなるように油圧ポンプ18の吸収トルクが制御されるとともに、時間(t1〜t3)および時間(t6〜t7)においては、油圧ポンプ制御装置40により、ポンプ吸収トルクラインPLbが、エンジン回転数の増加/減少に伴い油圧ポンプ18の吸収トルクを増加/減少させる特性ラインとなるように油圧ポンプ18の吸収トルクが制御される。
なお、本実施形態において、エンジン17の出力トルクと油圧ポンプ18の吸収トルクとのマッチングの限界は、各エンジン出力トルクラインELa,ELbにおける出力トルク点Ma,Mbの近傍とするが、好ましくは、各出力トルク点Ma,Mbに対応する各エンジン回転数Na,Nbの低速側においてエンジン17の出力トルクと油圧ポンプ18の吸収トルクとをマッチングさせるのが良い。
〈第1エコノミーモードから第3エコノミーモード選択時の動作〉
第1エコノミーモードから第3エコノミーモードのいずれかの作業モードが選択されると、通常エコノミーモードとは異なり各エコノミーモードでは作業条件に関わらず一定のマッチング点が設定されてエンジンおよび油圧ポンプの制御が行われる。以下、この場合の動作について主に図12に基づいて説明する。
第1エコノミーモードでは、通常エコノミーモードの作業条件「b」に対応する第2エンジン出力トルクラインELbの第2レギュレーションラインRbが第1エコノミーモードに対応する第3レギュレーションラインRcに切り換えられると共に、通常エコノミーモードの作業条件「b」に対応する第2ポンプ吸収トルクラインPLbから第1エコノミーモードに対応する第3ポンプ吸収トルクラインPLcに切り換えられる。これにより、エンジン回転数Nc(図13参照)と、このエンジン回転数Ncに対応するエンジン17の出力トルクTcとにより特定される出力トルク点Mc(第3マッチング点Mc)において、エンジン17の出力トルクと油圧ポンプ18の吸収トルクとがマッチングされる。
また、第2エコノミーモードにおいても同様にして、エンジン回転数Nd(図13参照)と、このエンジン回転数Ndに対応するエンジン17の出力トルクTdとにより特定される出力トルク点Md(第4マッチング点Md)においてマッチングされる。第3エコノミーモードにおいても同様にして、エンジン回転数Ne(図13参照)と、このエンジン回転数Neに対応するエンジン17の出力トルクTeとにより特定される出力トルク点Me(第5マッチング点Me)においてマッチングされる。
なお、第3レギュレーションラインRcは第2レギュレーションラインRbよりも低回転側に位置しており、第4レギュレーションラインRdは第3レギュレーションラインRcよりも低回転側に位置しており、第5レギュレーションラインReは第4レギュレーションラインRdよりも低回転側に位置している。また、ポンプ吸収トルクラインPLb−PLeも同様である。このため、図13に示すように、Na>Nb>Nc>Nd>Neであり、且つ、Ta>Tb>Tc>Td>Teである。従って、マッチング点Ma〜Meの中では、第1マッチング点Maが最も高出力であり、油圧ポンプでの吸収馬力が大きい。そして、Ma〜Meの順に出力が小さくなり、且つ、燃料消費量が小さくなっている。
これにより、第1エコノミーモードから第3エコノミーモードでは、低出力の運転が維持され、燃料消費が低減される。
<特長>
(1)
この油圧ショベル1では、パワーモード、通常エコノミーモード、第1エコノミーモード、第2エコノミーモード、第3エコノミーモードの中から、オペレータが所望の操作モードを選択することができる。そして、パワーモードが選択された場合には、高出力の第1マッチング点Maが設定されることにより、作業性を向上させることができる。通常エコノミーモードが選択された場合には、作業条件の変化に応じて、マッチング点が第1マッチング点Maと第2マッチング点Mbとのいずれかに変更されるので、作業条件の変化に応じて出力を最適に制御することができ、これによって総量として無駄な燃料消費をなくして燃費を向上させることができる。また、出力の変更が不要で低出力の運転を維持したい場合には、第1エコノミーモードを選択することにより、低出力の第3マッチング点Mcが設定され、燃費をより向上させることができる。また、さらに低出力の運転を維持したい場合には、第2エコノミーモードや第3エコノミーモードを選択することにより、燃費をさらに向上させることができる。
このように、この油圧ショベル1では、エコノミーモードの中に、通常エコノミーモードだけではなく、第1エコノミーモード、第2エコノミーモード、第3エコノミーモードというマッチング点の異なる複数の作業モードが用意されており、ユーザーの好みによって選択することができる。このため、ユーザーのニーズに合わせて、それぞれの稼働現場に適した作業性を有する作業モードを選択することができる。これにより、燃料消費を抑えて燃費を向上させることができる。
また、従来の油圧ショベルでは、通常エコノミーモードよりも出力を抑えたい場合には、スロットルダイヤルにてエンジン回転数を落とすことで燃料消費量を調整していたが、本発明に係る油圧ショベル1では、そのようなスロットルダイヤルによる調整を行う必要がなく、モニタパネル39上で作業モードを変更するだけでよい。このため、簡易な操作で燃費を向上させることができる。
(2)
この油圧ショベル1では、通常エコノミーモード、第1エコノミーモード、第2エコノミーモードおよび第3エコノミーモードの中から選択された一の作業モードがエコノミーモードとして記憶され、次回からはEボタン53を押してエコノミーモードを選択するだけで、前回選択された作業モードでエンジン及び油圧ポンプが制御される。例えば、第1エコノミーモードが選択されると、次回からは、Eモード調整画面において作業モードの選択が再度行われない限り、Eボタン53が押されると第1エコノミーモードにて運転が行われる。これにより、作業モードの選択操作を簡略化することができる。
(3)
この油圧ショベル1では、第1マッチング点Maと第2マッチング点Mbとの切り換えは、エンジン出力トルクラインELa,ELbの切り換えと、ポンプ吸収トルク特性PLa,PLbの切り換えとによって設定される。これに対して、第2マッチング点Mbから第5マッチング点Meまでのマッチング点Mb−Me間の切り換えは、エンジン出力トルクラインPLbのレギュレーションラインRb−Reの切り換えと、ポンプ吸収トルク特性PLb−PLeの切り換えとによって設定される。このように、この油圧駆動装置では、第1マッチング点Maおよび第2マッチング点Mbと、第3マッチング点Mc〜第5マッチング点Meとでは、異なる設定手法によって設定が行われる。これにより、各作業モードにより適したマッチング点を設定することができる。
<他の実施形態>
(a)
上記の実施形態では、エコノミーモードとして4つの作業モードが備えられているが、作業モードの数はこれに限られるものではなく、増減してもよい。
また、上記の実施形態では、エコノミーモード以外の作業モードはパワーモードだけであるが、他の作業モードが備えられてもよい。
(b)
上記の実施形態では、作業条件の判別は、走行操作の有無、旋回操作の有無、アーム8およびバケット9の操作の有無、レバー操作の操作量S、ブーム7の下げ操作か上げ操作かの区別などが複合的に判断されることによって行われているが、これと異なる条件によって判断されてもよい。例えば、油圧アクチュエータ20が交換可能とされ、取り付けられる油圧アクチュエータの種類が作業条件の判別に用いられてもよい。
(c)
上記の実施形態では、通常エコノミーモードが選択された場合に作業条件の判別によるマッチング点の自動切換が行われているが、通常エコノミーモードではなく、他のエコノミーモード(例えば、第1エコノミーモード)が選択された場合にマッチング点の自動切り替えが行われてもよい。例えば、第1エコノミーモードが選択された場合には、マッチング点Mcとマッチング点Maとの間で自動切換が行われるようにされてもよい。
また、通常エコノミーモードだけではなく、他のエコノミーモード(例えば、第1エコノミーモード)が選択された場合にもマッチング点の自動切換が行われてもよい。例えば、通常エコノミーモードが選択された場合には、第2マッチング点Mbと第1マッチング点Maとの間で自動切換が行われ、第1エコノミーモードが選択された場合には、第3マッチング点Mcと第2マッチング点Mbとの間で自動切換が行われるようにされてもよい。
(d)
上記の実施形態では、通常エコノミーモードでは、所定の作業条件が満たされた場合に、低出力の運転から高出力の運転に切り換えられているが、所定の作業条件が満たされた場合に、高出力の運転から低出力の運転に切り換えられてもよい。さらに、パワーモードに複数の作業モードが用意され、作業条件に応じて高出力の運転から低出力の運転に切り換えられるモードと、作業条件に関わらずに高出力の運転を維持するモードとが選択可能とされてもよい。
(e)
上記の実施形態では、通常エコノミーモードにおいて作業条件「a」が満たされた場合には、パワーモードと同じマッチング点Maが設定されるが、作業性を向上させるという観点からは、必ずしもマッチング点Maが設定される必要はなく、通常エコノミーモードの作業条件「b」でのマッチング点Mbよりも出力が高くなるマッチング点が設定されればよい。
本発明は、ユーザーのニーズに合わせ、それぞれの稼働現場に適した作業性を提供することができると共に燃費を向上させることができる効果を有し、油圧駆動装置として有用である。
油圧ショベルの外観図。 油圧回路の構成図 モニタパネルの正面図。 ユーザーメニュー画面を示す図。 Eモード調整画面を示す図。 エンジン・油圧ポンプ制御装置の制御ブロック図。 ポンプ吸収トルク特性を表すグラフ。 ポンプ吸収トルク指令値に対応する制御電流値を示すグラフ。 エンジン出力トルク特性を表わすグラフ。 作業モードの選択の処理手順を示すフローチャート。 作業条件判別の処理手順を示すフローチャート。 マッチング点の設定手法を示すグラフ。 図12において設定されたマッチング点を示す図。 一作業例における各種指令値のタイムチャート 従来技術の説明図。 従来技術の説明図。
符号の説明
1 油圧ショベル(油圧駆動装置)
2b 走行装置
17 エンジン
18 油圧ポンプ
20 油圧アクチュエータ
22 エンジンコントローラ(第2記憶部)
24 ポンプコントローラ(第1記憶部、第3記憶部)
39 モニタパネル(選択装置)
40 エンジン・油圧ポンプ制御装置(制御部)

Claims (7)

  1. エンジンと、
    前記エンジンにより駆動される油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプから吐出される圧油により作動する油圧アクチュエータと、
    前記エンジンでの燃費がそれぞれ異なる第1作業モードと第2作業モードと第3作業モードとを含む複数の作業モードの中からオペレータが所望の作業モードを選択するための選択装置と、
    前記選択装置で選択された前記作業モードに応じて前記エンジンと前記油圧ポンプとを制御し、前記第2作業モードにおいて所定の作業条件が満たされた場合には前記第1作業モードでの運転に切り換え、前記第3作業モードにおいては前記作業条件が満たされても前記第3作業モードでの運転を維持する制御部と、
    を備える油圧駆動装置。
  2. 前記1作業モードは、前記第2作業モードおよび前記第3作業モードよりも前記油圧ポンプでの吸収馬力が大きい作業モードであり、
    前記第2作業モードおよび前記第3作業モードは、前記第1作業モードよりも前記エンジンでの燃費がよい作業モードである、
    請求項1に記載の油圧駆動装置。
  3. 前記第3作業モードは、前記第2作業モードよりも前記油圧ポンプでの吸収馬力が小さく且つ前記エンジンでの燃費のよい作業モードである、
    請求項2に記載の油圧駆動装置。
  4. 前記エンジンにより駆動される走行装置をさらに備え、
    前記作業条件とは、前記走行装置が駆動されることである、
    請求項2または3に記載の油圧駆動装置。
  5. 前記制御部は、前記第1作業モードを含まず且つ前記第2作業モードおよび前記第3作業モードを含む複数の作業モードの中から前記選択装置によって選択された作業モードを記憶する第1記憶部を有し、
    前記選択装置では非省エネルギー作業モードと省エネルギー作業モードとの選択が可能であり、
    前記制御部は、前記非省エネルギー作業モードが選択された場合には前記第1作業モードでの運転を行い、前記省エネルギー作業モードが選択された場合には前記第1記憶部に記憶された前記作業モードにて運転を行う、
    請求項2から4のいずれかに記載の油圧駆動装置。
  6. 前記制御部は、
    前記第1作業モードに対応した第1エンジン出力トルク特性と、前記第2作業モードに対応し全負荷領域の最大出力トルクが前記第1エンジン出力トルク特性と異なる第2エンジン出力トルク特性とが記憶された第2記憶部と、
    前記第1作業モードに対応した第1ポンプ吸収トルク特性と、前記第2作業モードに対応した第2ポンプ吸収トルク特性と、前記第3作業モードに対応した第3ポンプ吸収トルク特性とが記憶された第3記憶部と、
    を有し、
    前記第1エンジン出力トルク特性と第1ポンプ吸収トルク特性とが一致する第1マッチング点と、前記第2エンジン出力トルク特性と第2ポンプ吸収トルク特性とが一致する第2マッチング点と、前記第2エンジン出力トルク特性のレギュレーションラインよりも低回転側に位置する第3レギュレーションラインと前記第3ポンプ吸収トルク特性とが一致する第3マッチング点とを設定し、前記第1作業モードにおいては前記第1マッチング点において前記エンジンの出力トルクと前記油圧ポンプの吸収トルクとが一致するように前記エンジンと前記油圧ポンプを制御し、前記第2作業モードにおいては前記第2マッチング点において前記エンジンの出力トルクと前記油圧ポンプの吸収トルクとが一致するように前記エンジンと前記油圧ポンプを制御し、前記第3作業モードにおいては前記第3マッチング点において前記エンジンの出力トルクと前記油圧ポンプの吸収トルクとが一致するように前記エンジンと前記油圧ポンプを制御する、
    請求項1から5のいずれかに記載の油圧駆動装置。
  7. エンジンと、
    前記エンジンにより駆動される油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプから吐出される圧油により作動する油圧アクチュエータと、
    第1作業モードと、前記第1作業モードよりも燃費がよい第2作業モードと、前記第2作業モードよりも燃費がよい第3作業モードとを含む複数の作業モードの中からオペレータが所望の作業モードを選択するための選択装置と、
    前記選択装置で選択された前記作業モードに応じて前記エンジンと前記油圧ポンプとを制御し、前記第2作業モードにおいて所定の作業条件が満たされた場合には前記第2作業モードよりも出力が高い作業モードでの運転に切り換え、前記第3作業モードにおいては前記作業条件が満たされても前記第3作業モードでの運転を維持する制御部と、
    を備える油圧駆動装置。
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