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JP2007176627A - エレベータ - Google Patents

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JP2007176627A JP2005374971A JP2005374971A JP2007176627A JP 2007176627 A JP2007176627 A JP 2007176627A JP 2005374971 A JP2005374971 A JP 2005374971A JP 2005374971 A JP2005374971 A JP 2005374971A JP 2007176627 A JP2007176627 A JP 2007176627A
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JP2005374971A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kimura
村 弘 之 木
Yoshiaki Fujita
田 善 昭 藤
Shin Murakami
上 伸 村
Masaaki Hirai
井 正 昭 平
Yoshihiko Nakada
田 好 彦 中
Akimasa Kamimura
村 晃 正 上
Masaki Sakurai
井 正 樹 櫻
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Toshiba Elevator and Building Systems Corp
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Toshiba Elevator Co Ltd
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Abstract

【課題】強風や地震等により巻上機が非常停止した際に、各種ロープの引っ掛かりの有無を自動的に検出し、ロープの引っ掛かりが検出されない場合には通常運転を再開させることによって、エレベータの復旧に要する時間の短いエレベータを提供する。
【解決手段】エレベータは、メインロープ11が巻き掛けられた巻上機10と、メインロープ11の一端に設けられた乗りかご12と、メインロープ11の他端に設けられた釣り合い錘13と、を備えている。さらに、メインロープ11の異常状態を検出するメインロープ異常状態検出部20が設けられている。強風や地震で巻上機10が一旦非常停止した場合であっても、メインロープ11に異常が検出されない場合には、運転制御ユニット30は、再び通常運転時の駆動を行うよう巻上機10を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、強風や地震等によりエレベータが非常停止した場合であっても、各種ロープに引っ掛かりや絡まり等の異常がない場合には、通常運転を再開させることができるエレベータに関する。
従来より、鉛直方向に延びる昇降路内を上下移動する乗りかごを備えたエレベータが知られている。
具体的には、このようなエレベータは、巻上機に巻き掛けられたメインロープによりつるべ式に吊り下げられた乗りかごおよび釣り合い錘と、乗りかごおよび釣り合い錘の底面に両端がそれぞれ接続されたコンペンロープとを備えている。コンペンロープには、鉛直方向に移動自在となっており自重によりこのコンペンロープにテンションを与えるコンペンシーブが掛けられている。一方、昇降路の天井付近または昇降路の上方にある機械室内には調速器プーリ(ガバナプーリ)が設置されている。この調速器プーリにはループ形状のガバナロープが巻き掛けられており、このガバナロープの一部が乗りかごのかご枠に接続している。ガバナロープには、鉛直方向に移動自在となっており自重によりこのガバナロープにテンションを与えるガバナシーブが掛けられている。
一方、近年では建屋の高層化にともない、建屋自体の固有振動数が低下している。メインロープ、コンペンロープ、ガバナロープ等の各種ロープの固有振動数は、主にロープの単位長さ当たりの質量と長さとテンションによって決まるため、乗りかごの走行中においてこれらのロープの固有振動数が建屋の固有振動数と一致する場合がある。強風または地震によって建屋が揺れている状態において、建屋の固有振動数と各ロープの固有振動数とが接近した場合にはこれらのロープの揺れが大きくなり、昇降路内の機器や壁等にこのロープが衝突したり絡まったりするおそれがある。その結果、乗りかごが停止し、乗客が乗りかごに閉じこめられるという問題が発生する。
このため、例えば地震発生時において外部に設置された地震計によって所定の値を超える加速度が計測された場合には、乗客を乗りかごから建屋のフロアに降ろすために乗りかごが建屋の最寄り階に係るレベルまで移動してその後乗りかごが停止するよう、巻上機の制御を行う方法が用いられている。また、さらに大きな加速度が地震計により計測された場合には、エレベータ保守員が点検を行った後に巻上機を再駆動するようになっている。したがって、大地震時において多数のエレベータの巻上機が非常停止した場合には、復旧まで多くの時間がかかる。
ここで、少なくともメインロープ、コンペンロープ、ガバナロープ等の各ロープの引っ掛かりや絡まりの有無を自動的に検出することができれば、巻上機の再駆動までの時間を短縮することが可能である。而して、これらのロープが昇降路内の機器や壁等に引っ掛かった場合には、ロープのテンションが増加する。このロープのテンションの測定方法としては、ロープ内を伝播する孤立波(進行波)を計測する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3188833号
しかしながら、上述の特許文献1に示すようなロープのテンションの測定方法は、エレベータの据付工事時あるいはメンテナンス時にメインロープ等のテンションを調整するためのものであり、作業員が1本ずつロープのテンションを計測するようになっているため、この測定方法を地震等による巻上機の非常停止後におけるエレベータの自動復旧に使用することは困難である。また、昇降路内の機器や壁等に対するメインロープ等のロープの引っ掛かりや絡まり自体を自動的に検出する方法は未だ確立されていない。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであって、強風や地震等により巻上機が非常停止した際に、各種ロープの引っ掛かりの有無を自動的に検出し、ロープの引っ掛かりが検出されない場合には通常運転を再開させることができるエレベータを提供することを目的とする。
本発明は、メインロープが巻き掛けられた巻上機と、前記メインロープの一端に設けられ、かご枠を有する乗りかごと、前記メインロープの他端に設けられた釣り合い錘と、前記メインロープの異常状態を検出するメインロープ異常状態検出部と、前記メインロープ異常状態検出部により前記メインロープの異常状態が検出された際に、前記乗りかごを建屋の最寄り階に停止するよう前記巻上機を制御する運転制御部と、を備えたことを特徴とするエレベータである。
このようなエレベータによれば、強風や地震等により巻上機が非常停止した際に、メインロープ異常状態検出部によって昇降路内の機器や壁等に対するメインロープの引っ掛かりの有無を自動的に検出し、メインロープの引っ掛かりが検出された場合には運転制御部により乗りかごを建屋の最寄り階に停止させることによって、メインロープに異常が発生した場合であっても乗りかごを安全に停止させることができる。
このようなエレベータにおいては、前記運転制御部は、前記巻上機が非常停止した後において前記メインロープ異常状態検出部により前記メインロープの異常状態が検出されなかった際には、当該巻上機が通常時の駆動を行うよう前記巻上機を制御することが好ましい。
このようなエレベータによれば、地震等により巻上機が非常停止した場合であっても、メインロープに引っ掛かりや絡まりが生じていない場合は速やかに巻上機を再駆動させることができ、エレベータの復旧に要する時間を短縮することができる。
このようなエレベータにおいては、前記メインロープは複数設けられているとともに、前記メインロープ異常状態検出部は各メインロープにそれぞれ設けられており、前記運転制御部は、前記各メインロープ異常状態検出部により検出された各メインロープの状態間のばらつき、またはこれらの検出された各メインロープの状態と予め設定された各メインロープの設定状態との比較結果に基づいて、前記巻上機の制御を行うことが好ましい。
このようなエレベータにおいては、前記メインロープ異常状態検出部は、前記メインロープの乗りかご側の端部と前記乗りかごのかご枠とを接続するコイルばねに取り付けられこのメインロープのテンションを測定する荷重センサからなり、この測定されたテンションに基づいてメインロープの異常状態を検出することが好ましい。
あるいは、前記メインロープ異常状態検出部は、前記メインロープの乗りかご側の端部と前記乗りかごのかご枠とを接続するコイルばねの近傍に設けられこのコイルばねの変位を測定する変位センサからなり、この測定された変位に基づいてメインロープの異常状態を検出することが好ましい。
あるいは、前記メインロープ異常状態検出部は、前記メインロープの乗りかご側の端部と前記乗りかごのかご枠とを接続するコイルばねの近傍に設けられこのコイルばねの変位によりオン/オフが切り替えられるリミットスイッチからなり、このリミットスイッチのオン/オフの切り替えに基づいてメインロープの異常状態を検出することが好ましい。
あるいは、前記メインロープ異常状態検出部は、前記メインロープに取り付けられた、当該メインロープに孤立した進行波を与えるロープ変位付与手段およびこの進行波が前記メインロープの一部分を一往復する時間を測定するロープ振動計測手段からなり、この測定された時間に基づいてメインロープの異常状態を検出することが好ましい。
本発明は、メインロープが巻き掛けられた巻上機と、前記メインロープの一端に設けられ、かご枠を有する乗りかごと、前記メインロープの他端に設けられた釣り合い錘と、前記乗りかごおよび前記釣り合い錘に両端が連結されたコンペンロープと、前記コンペンロープが巻き掛けられ、鉛直方向に移動自在となっており自重により当該コンペンロープにテンションを与えるコンペンシーブと、前記コンペンロープの異常状態を検出するコンペンロープ異常状態検出部と、前記コンペンロープ異常状態検出部により前記コンペンロープの異常状態が検出された際に、前記乗りかごを建屋の最寄り階に停止するよう前記巻上機を制御する運転制御部と、を備えたことを特徴とするエレベータである。
このようなエレベータによれば、強風や地震等により巻上機が非常停止した際に、コンペンロープ異常状態検出部によって昇降路内の機器や壁等に対するコンペンロープの引っ掛かりの有無を自動的に検出し、コンペンロープの引っ掛かりが検出された場合には運転制御部により乗りかごを建屋の最寄り階に停止させることによって、コンペンロープに異常が発生した場合であっても乗りかごを安全に停止させることができる。
このようなエレベータにおいては、前記運転制御部は、前記巻上機が非常停止した後において前記コンペンロープ異常状態検出部により前記コンペンロープの異常状態が検出されなかった際には、当該巻上機が通常時の駆動を行うよう前記巻上機を制御することが好ましい。
このようなエレベータによれば、地震等により巻上機が非常停止した場合であっても、コンペンロープに引っ掛かりや絡まりが生じていない場合は速やかに巻上機を再駆動させることができ、エレベータの復旧に要する時間を短縮することができる。
このようなエレベータにおいては、前記コンペンロープは複数設けられているとともに、前記コンペンロープ異常状態検出部は各コンペンロープにそれぞれ設けられており、前記運転制御部は、前記各コンペンロープ異常状態検出部により検出された各コンペンロープの状態間のばらつき、またはこれらの検出された各コンペンロープの状態と予め設定された各コンペンロープの設定状態との比較結果に基づいて、前記巻上機の制御を行うことが好ましい。
このようなエレベータにおいては、前記コンペンロープ異常状態検出部は、前記コンペンロープの乗りかご側の端部と前記乗りかごのかご枠とを接続するコイルばねに取り付けられこのコンペンロープのテンションを測定する荷重センサからなり、この測定されたテンションに基づいてコンペンロープの異常状態を検出することが好ましい。
あるいは、前記コンペンロープ異常状態検出部は、前記コンペンロープの乗りかご側の端部と前記乗りかごのかご枠とを接続するコイルばねの近傍に設けられこのコイルばねの変位を測定する変位センサからなり、この測定された変位に基づいてコンペンロープの異常状態を検出することが好ましい。
あるいは、前記コンペンロープ異常状態検出部は、前記コンペンロープの乗りかご側の端部と前記乗りかごのかご枠とを接続するコイルばねの近傍に設けられこのコイルばねの変位によりオン/オフが切り替えられるリミットスイッチからなり、このリミットスイッチのオン/オフの切り替えに基づいてコンペンロープの異常状態を検出することが好ましい。
あるいは、前記コンペンロープ異常状態検出部は、前記コンペンロープにそれぞれ取り付けられた、当該コンペンロープに孤立した進行波を与えるロープ変位付与手段およびこの進行波が前記コンペンロープの一部分を一往復する時間を測定するロープ振動計測手段からなり、この測定された時間に基づいてコンペンロープの異常状態を検出することが好ましい。
本発明は、メインロープが巻き掛けられた巻上機と、前記メインロープの一端に設けられ、かご枠を有する乗りかごと、前記メインロープの他端に設けられた釣り合い錘と、位置固定された調速器プーリと、前記調速器プーリに巻き掛けられ、前記乗りかごのかご枠に一部が接続されたループ状のガバナロープと、前記ガバナロープの異常状態を検出するガバナロープ異常状態検出部と、前記ガバナロープ異常状態検出部により前記ガバナロープの異常状態が検出された際に、前記乗りかごを建屋の最寄り階に停止するよう前記巻上機を制御する運転制御部と、を備えたことを特徴とするエレベータである。
このようなエレベータによれば、強風や地震等により巻上機が非常停止した際に、ガバナロープ異常状態検出部によって昇降路内の機器や壁等に対するガバナロープの引っ掛かりの有無を自動的に検出し、ガバナロープの引っ掛かりが検出された場合には運転制御部により乗りかごを建屋の最寄り階に停止させることによって、ガバナロープに異常が発生した場合であっても乗りかごを安全に停止させることができる。
このようなエレベータにおいては、前記運転制御部は、前記巻上機が非常停止した後において前記ガバナロープ異常状態検出部により前記ガバナロープの異常状態が検出されなかった際には、当該巻上機が通常時の駆動を行うよう前記巻上機を制御することが好ましい。
このようなエレベータによれば、地震等により巻上機が非常停止した場合であっても、ガバナロープに引っ掛かりや絡まりが生じていない場合は速やかに巻上機を再駆動させることができ、エレベータの復旧に要する時間を短縮することができる。
本発明は、導電性のメインロープが巻き掛けられた巻上機と、前記メインロープの一端に設けられ、かご枠を有する乗りかごと、前記メインロープの他端に設けられた釣り合い錘と、前記乗りかごおよび前記釣り合い錘に両端が連結された導電性のコンペンロープと、前記コンペンロープが巻き掛けられ、鉛直方向に移動自在となっており自重により当該コンペンロープにテンションを与えるコンペンシーブと、前記メインロープの乗りかご側の一端と前記コンペンロープの乗りかご側の一端とを接続する第1の導線および前記メインロープの他端と前記コンペンロープの他端とを接続する第2の導線と、前記メインロープ、前記コンペンロープ、前記第1の導線および前記第2の導線から形成される環状導線回路に設けられた電源および抵抗計からなり、この電源により環状導線回路に電力が印加された際に前記抵抗計により測定される抵抗値に基づいて前記メインロープまたはコンペンロープの異常状態を検出する異常状態検出部と、前記異常状態検出部により前記メインロープまたはコンペンロープの異常状態が検出された際に、前記乗りかごを建屋の最寄り階に停止するよう前記巻上機の駆動を制御する運転制御部と、を備えたことを特徴とするエレベータである。
このようなエレベータによれば、強風や地震等により巻上機が非常停止した際に、異常状態検出部によって昇降路内の機器や壁等に対するメインロープまたはコンペンロープの引っ掛かりの有無を自動的に検出し、これらのロープの引っ掛かりが検出された場合には運転制御部により乗りかごを建屋の最寄り階に停止させることによって、メインロープまたはコンペンロープに異常が発生した場合であっても乗りかごを安全に停止させることができる。
本発明のエレベータによれば、強風や地震等により巻上機が非常停止した際に、各種ロープの引っ掛かりの有無を自動的に検出し、ロープの引っ掛かりが検出されない場合には通常運転を再開させることができ、エレベータ復旧に要する時間を短縮することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図3は、本発明によるエレベータの実施の形態を示す図である。
このうち、図1は、本実施の形態のエレベータの全体構成を示す概略構成図であり、図2は、図1のエレベータの乗りかごの詳細を示す縦断面図であり、図3は、図1のエレベータのメインロープ異常状態検出部の詳細を示す説明図である。
図1に示すように、本実施の形態のエレベータは、巻上機10に巻き掛けられたメインロープ11によりつるべ式に吊り下げられた乗りかご12および釣り合い錘13と、乗りかご12および釣り合い錘13の底面に両端がそれぞれ接続されたコンペンロープ14とを備えている。コンペンロープ14には、鉛直方向に移動自在となっており自重によりこのコンペンロープ14にテンションを与えるコンペンシーブ15が掛けられている。一方、位置固定された調速器プーリ(ガバナプーリ)16にはループ形状のガバナロープ17が巻き掛けられており、このガバナロープ17の一部が乗りかご12に接続機器17aを介して接続している。ガバナロープ17には、鉛直方向に移動自在となっており自重によりこのガバナロープ17にテンションを与えるガバナシーブ18が掛けられている。
また、メインロープ11にはこのメインロープ11の異常状態を検出するメインロープ異常状態検出部20が設けられており、一方、コンペンロープ14にはこのコンペンロープ14の異常状態を検出するコンペンロープ異常状態検出部21が設けられている。さらに、ガバナロープ17にはこのガバナロープ17の異常状態を検出するガバナロープ異常状態検出部22が設けられている。メインロープ異常状態検出部20、コンペンロープ異常状態検出部21およびガバナロープ異常状態検出部22には、巻上機10を制御する運転制御ユニット30がそれぞれ接続されている。
以下、このようなエレベータの各構成要素の詳細について説明する。
図1に示すように、建屋には鉛直方向に延びる昇降路1が設けられており、この昇降路1の上方には機械室2が設置されている。機械室2の内部には、メインロープ11が掛けられるメインシーブ10aおよびこのメインシーブ10aを駆動する駆動モータ(図示せず)を有する巻上機10が設けられている。ここで、図2に示すようにメインロープ11は並列に複数、例えば6本配設されている。
乗りかご12および釣り合い錘13は昇降路1内に設けられ、巻上機10に掛けられたメインロープ11によりつるべ式に吊り下げられている。乗りかご12は複数の乗客を収容する直方体形状のものであり、この乗りかご12および釣り合い錘13は、昇降路1内を鉛直方向に自在に移動することができるようになっている。また、乗りかご12は、乗客を収容するスペースの外部に設けられたかご枠12aを有している。
コンペンロープ14はその両端が乗りかご12の下面および釣り合い錘13の下面にそれぞれ取り付けられており、昇降路1内においてメインロープ11に対して下方に配置されている。図1に示すように、メインロープ11およびコンペンロープ14により昇降路1内でループ形状のロープ組合せ体が形成されている。また、図2に示すようにコンペンロープ14は並列に複数、例えば6本配設されている。
コンペンシーブ15はコンペンロープ14が巻き掛けられるとともに、錘15aを有している。当該コンペンシーブ15は、この錘15aの自重によりコンペンロープ14にテンションを与えるとともに案内レール(図示せず)により鉛直方向に案内されるようになっている。
昇降路1の上部領域(天井近傍)または機械室2内には調速器プーリ16が位置固定で設置されている。この調速器プーリ16にはループ状のガバナロープ17が巻き掛けられており、さらに鉛直方向に移動自在となっているガバナシーブ18にこのガバナロープ17が巻き掛けられている。ガバナシーブ18は錘18aを有しており、この錘18aの自重によりガバナロープ17にテンションを与えている。
ガバナロープ17は接続アーム等の接続器具17aを介して乗りかご12のかご枠12aに接続されている。
前述のように、メインロープ11にはこのメインロープ11の異常状態を検出するメインロープ異常状態検出部20が設けられており、一方、コンペンロープ14にはこのコンペンロープの異常状態を検出するコンペンロープ異常状態検出部21が設けられている。さらに、ガバナロープ17にはこのガバナロープの異常状態を検出するガバナロープ異常状態検出部22が設けられている。
ここで、メインロープ異常状態検出部20およびコンペンロープ異常状態検出部21の詳細の構成について図2および図3を用いて説明する。
図2に示すように、各メインロープ11の先端および各コンペンロープ14の先端は、それぞれ乗りかご12のかご枠12aから内方へ突出している。そして、それぞれのメインロープ11の先端およびコンペンロープ14の先端と、かご枠12aの内部上面および内部下面との間に、各々コイルばね25が設けられている。
図3により、コイルばね25の構成について更に詳細に説明する。図3に示すように、各メインロープ11は先端にロープ保持具11aを有しており、このロープ保持具11aの先端には支持板11bがナット11cにより取り付けられている。そして、コイルばね25の下端がこの支持板11bに取り付けられている。一方、乗りかご12のかご枠12aの内部上面には各メインロープ11に対応して複数の荷重センサ20aが取り付けられており、コイルばね25の上端はこの荷重センサ20aに取り付けられている。
図3に示すように、荷重センサ20aは、乗りかご12のかご枠12aの内部上面に取り付けられた固定板20bと、この固定板20bに取り付けられた荷重センサ本体20cと、荷重センサ本体20cに取り付けられるとともにコイルばね25の上端が取り付けられた押さえ板20dとを有している。荷重センサ本体20cは、コイルばね25を介してメインロープ11のテンションを測定するようになっている。
前述のメインロープ異常状態検出部20は、このような荷重センサ20aから構成されている。具体的には、各荷重センサ20aにより検出された各メインロープ11のテンションにばらつきがある場合、または各荷重センサ20aにより検出された各メインロープ11のテンションのうちいずれかのテンションが予め設定された設定テンションと大きく異なる場合、メインロープ異常状態検出部20においてメインロープ11に異常状態が発生したことが検出される。
図3においてはメインロープ異常状態検出部20について説明したが、コンペンロープ異常状態検出部21もメインロープ異常状態検出部20と略同一の構成を有している。すなわち、図2に示すように、テンション測定の対象がメインロープ11ではなくコンペンロープ14となっている以外は、コンペンロープ異常状態検出部21はメインロープ異常状態検出部20と同様の荷重センサから構成されている。また、ガバナロープ異常状態検出部22も、ガバナロープ17のテンションを図示しない荷重センサにより測定するようになっている。
運転制御ユニット30は、前述のように巻上機10を制御するためのものであり、メインロープ異常状態検出部20、コンペンロープ異常状態検出部21およびガバナロープ異常状態検出部22からそれぞれ検出信号が送られるようになっている。
そして、この運転制御ユニット30は、メインロープ11、コンペンロープ14またはガバナロープ17の異常状態が検出された際に、乗りかご12が建屋の最寄り階で停止するよう巻上機10を制御するよう構成されている。
具体的には、強風や地震により建屋や各ロープ11、14、17が揺れ、これらのロープが昇降路1内の機器や壁等に引っ掛かったり絡まったりした場合には、このロープが引っ張られることにより引っ掛かったり絡まったりしたロープのテンションが大きくなる。そして、メインロープ11、コンペンロープ14またはガバナロープ17のテンションが通常時よりも大きくなることにより異常状態が検出された際には、運転制御ユニット30が巻上機10を制御し、乗りかご12の開閉扉(図示せず)を開けると乗りかご12内の乗客が建屋の最寄り階のフロアに脱出することができるような高さまで乗りかご12を緊急停止させる。
また、強風や地震により建屋が大きく揺れた場合、巻上機10自体が非常停止する場合がある。このときに、運転制御ユニット30は、巻上機10自体が非常停止した後において各異常状態検出部20、21、22により各ロープ11、14、17の異常状態が検出されなかった際には、巻上機10が再び通常時の駆動を行うよう当該巻上機10を制御するようになっている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、通常時の運転においては巻上機10が乗りかご12側のメインロープ11を巻き上げまたは巻き下ろすことにより、乗りかご12が昇降路1内を昇降する。この乗りかご12の昇降に連動して、釣り合い錘13は当該乗りかご12とのバランスを取りながら昇降路1内を昇降する。このときに、メインロープ11において乗りかご12側と釣り合い錘13側との間に重量の不釣り合いが生じる場合があるが、コンペンロープ14がメインロープ11とともにループ形状のロープ組合せ体を形成しておりコンペンシーブ15がコンペンロープ14にテンションを与えているので、このメインロープ11における重量の不釣り合いによりトラブルが発生することはない。
また、コンペンシーブ15が案内レール(図示せず)に沿って鉛直方向上方または下方に自在に移動することができるようになっているので、メインロープ11やコンペンロープ14の揺れ等は当該コンペンシーブ15の案内レールに沿った移動により吸収され、コンペンロープ14に大きなテンションが作用することを防止することができる。
また、乗りかご12が昇降する際に、この乗りかご12に接続されたループ形状のガバナロープ17も同時に移動し、調速器プーリ16が回転する。ここでメインロープ11が切断される等、エレベータにトラブルが発生して乗りかご12が急落下した場合には調速器プーリ16の回転速度が所定値よりも大幅に増加し、この調速器プーリ16の回転速度の増加に基づいて図示しない非常停止手段が乗りかご12を非常停止させるようになっている。
ここで、強風や地震等が発生した場合は、巻上機10が一旦非常停止する。この際に、メインロープ11、コンペンロープ14またはガバナロープ17が昇降路1内の機器や壁等に引っ掛かったり絡まったりする場合がある。本実施の形態においては、例えばメインロープ11が引っ掛かったり絡まったりした場合にはこのメインロープ11のテンションが増大する。
この場合、各メインロープ11にそれぞれ取り付けられたメインロープ異常状態検出部20の荷重センサ20aが、対応するメインロープ11のテンションを測定する。そして、検出された各メインロープ11のテンションにばらつきがある場合(具体的には、例えばあるメインロープ11のテンションについて各テンションの平均値に対して±5%より大きなばらつきが生じた場合)、または検出された各メインロープ11のテンションのうちいずれかのテンションが予め設定された設定テンションと大きく異なる場合(具体的には、例えばあるメインロープ11のテンションについて設定テンションに対して±5%より大きなばらつきが生じた場合)、メインロープ11に異常状態が発生したことが検出される。このメインロープ11の異常状態の検出信号は運転制御ユニット30に送られる。
運転制御ユニット30がメインロープ異常状態検出部20からメインロープ11の異常状態に係る検出信号を受け取ると、この運転制御ユニット30は乗りかご12が建屋の最寄り階で停止するよう巻上機10を制御する。具体的には、運転制御ユニット30が巻上機10を制御して、乗りかご12の開閉扉(図示せず)を開けると乗りかご12内の乗客が建屋の最寄り階のフロアに脱出することができるような高さまで乗りかご12を緊急停止させる。
一方、強風や地震等が発生して巻上機10が一旦非常停止した場合であっても、メインロープ11が昇降路1内の機器や壁等に引っ掛かったり絡まったりしていない場合がある。この場合には、メインロープ異常状態検出部20によりメインロープ11の異常状態が検出されず、運転制御ユニット30は巻上機10が再び通常時の駆動を行うようこの巻上機10を制御する。
以上においてはメインロープ11が昇降路1内の機器や壁等に引っ掛かったり絡まったりした場合について説明したが、コンペンロープ14やガバナロープ17が引っ掛かったり絡まったりした場合であってもコンペンロープ異常状態検出部21またはガバナロープ異常状態検出部22がメインロープ異常状態検出部20と同様の動作を行い、運転制御ユニット30は巻上機10に対して上述のメインロープ11が引っ掛かった場合と同様の制御を行う。
以上のように本実施の形態のエレベータによれば、強風や地震等により巻上機10が非常停止した際に、メインロープ異常状態検出部20、コンペンロープ異常状態検出部21またはガバナロープ異常状態検出部22によって昇降路1内の機器や壁等に対する各種ロープ11、14、17の引っ掛かりの有無を自動的に検出し、これらのロープ11、14、17の引っ掛かりが検出された場合には運転制御ユニット30により乗りかご12を建屋の最寄り階で自動的に停止させることによって、各種ロープ11、14、17に異常が発生した場合であっても乗りかご12を安全に停止させることができる。
また、運転制御ユニット30は、巻上機10が非常停止した後においてメインロープ異常状態検出部20、コンペンロープ異常状態検出部21またはガバナロープ異常状態検出部22により各種ロープ11、14、17の異常状態が検出されなかった際には、この巻上機10が通常時の駆動を行うよう当該巻上機10を制御するようになっている。このことにより、地震等により巻上機10が非常停止した場合であっても、各種ロープ11、14、17に引っ掛かりや絡まりが生じていない場合は速やかに巻上機10を再駆動させることができ、エレベータの復旧に要する時間を短縮することができる。
本発明によるエレベータは、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。
次に本発明によるエレベータの変形例につき、図4により説明する。図4において、図1および2に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
本変形例に係るエレベータは、メインロープ異常状態検出部20として荷重センサ20aを用いる代わりに変位センサ20fを用いた点が異なるのみであり、他は実質的に図1および2に示す実施の形態と同様のものとなっている。
図4に示すようにメインロープ異常状態検出部20は、乗りかご12のかご枠12aの内部上面に取り付けられた変位センサ20fを有している。この変位センサ20fは、当該変位センサ20fから支持板11bまでの距離を測定する機能を備えている。このことにより、変位センサ20fはコイルばね25の変位を測定することができるようになっている。
変位センサ20fにより測定された各メインロープ11のコイルばね25の変位にばらつきがある場合(具体的には、例えばあるメインロープ11の変位について各変位の平均値に対して±5%より大きなばらつきが生じた場合)、または各メインロープ11のコイルばね25の変位のうちいずれかの変位が予め設定された設定変位と大きく異なる場合(具体的には、例えばあるメインロープ11の変位について設定変位に対して±5%より大きなばらつきが生じた場合)、メインロープ11に異常状態が発生したことが検出される。
図4において、メインロープ異常状態検出部20として荷重センサ20aを用いる代わりに変位センサ20fを用いた例について説明したが、コンペンロープ異常状態検出部21についても同様の変更を行うことができる。すなわち。コンペンロープ異常状態検出部21として荷重センサを用いる代わりに上述の変位センサ20fと同様の構成を有する変位センサを用いるようになっていてもよい。
本発明によるエレベータの他の変形例につき、図5により説明する。図5において、図1および2に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
本変形例に係るエレベータは、メインロープ異常状態検出部20として荷重センサ20aを用いる代わりにリミットスイッチ20gを用いた点が異なるのみであり、他は実質的に図1および2に示す実施の形態と同様のものとなっている。
図5に示すようにメインロープ異常状態検出部20は、乗りかご12のかご枠12aの内部上面に取り付けられたリミットスイッチ20gを有している。このリミットスイッチgは、コイルばね25が予め設定された所定の収縮度合いよりも大きく収縮した場合に当該コイルばね25の一端に取り付けられた支持板11bと接触してオフ状態からオン状態に切り替えられるようになっている。このことにより、リミットスイッチ20gはコイルばね25が通常時よりも大きく収縮した場合にこのことを検出することができるようになっている。
地震や強風等により、メインロープ11が昇降路1内の機器や壁等に引っ掛かったり絡まったりした場合には、メインロープ11が引っ張られることによってコイルばね25が通常時よりも大きく収縮する。この場合、支持板11bが通常時よりも図4の上方へ移動し、この支持板11bがリミットスイッチ20gと接触する。このことにより、リミットスイッチ20gがオフ状態からオン状態となり、メインロープ11に異常状態が発生したことが検出される。
図4において、メインロープ異常状態検出部20として荷重センサ20aを用いる代わりにリミットスイッチ20gを用いた例について説明したが、コンペンロープ異常状態検出部21についても同様の変更を行うことができる。すなわち、コンペンロープ異常状態検出部21として荷重センサを用いる代わりに上述のリミットスイッチ20gと同様の構成を有するリミットスイッチを用いるようになっていてもよい。
本発明によるエレベータの更に他の変形例につき、図6乃至図8により説明する。図6乃至図8において、図1および2に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
本変形例に係るエレベータは、メインロープ異常状態検出部20として荷重センサ20aを用いる代わりにロープ変位付与手段20hおよびロープ振動計測手段20iを用いた点が異なるのみであり、他は実質的に図1および2に示す実施の形態と同様のものとなっている。
図6に示すように、各々のメインロープ11には、ロープ変位付与手段20hおよびロープ振動計測手段20iが直列に取り付けられている。ロープ変位付与手段20hは、メインロープに対して孤立した進行波を与えるハンマー20jから構成されている(図7参照)。また、ロープ振動計測手段20iは、この進行波がメインロープ11の一部分を一往復する時間を測定する加速度センサ20kから構成されている。ここで、メインロープ11の一部分とは、通常時はメインロープ11におけるロープ変位付与手段20hの取り付け位置から巻上機10のメインシーブ10aまでの部分のことをいう。
メインロープ異常状態検出部20は、この測定された時間に基づいてメインロープ11の異常状態を検出するようになっている。
ロープ変位付与手段20hの構成について図7および図8を用いて更に詳述する。図7は、ロープ変位付与手段20hのハンマー20jがメインロープ11を叩く前の状態を示す図であり、図8は、ロープ変位付与手段20hのハンマー20jがメインロープ11を叩いた瞬間の状態を示す図である。図7に示すように、ロープ変位付与手段20hは、円筒状の電磁石20l、この電磁石20lの中空部分に設けられた円筒状の絶縁体20m、絶縁体20mの中空部分に設けられたハンマー20j、ならびにハンマー20jの頭部と電磁石20lとの間に接続されたコイルばね20nを有している。電磁石20lに電圧が印加されていない状態においては、図7に示すようにハンマー20jの先端とメインロープ11は離間している。
一方、電磁石20lに電圧が印加されると、図8に示すように電磁石20lがハンマー20jを図8の右方向に移動させてこのハンマー20jの先端がメインロープ11を叩くようになる。その後、再び電磁石20lに電圧が印加されなくなり、メインロープ11を叩いたハンマー20jはコイルばね20nにより再びメインロープ11から離間して図7の状態に戻る。ハンマー20jがメインロープ11を叩くことによりこのメインロープ11に孤立した進行波が発生し、当該進行波はメインロープ11を伝播してメインシーブ10aに到達する。その後、この進行波はメインシーブ10aで折り返して再びメインロープ異常状態検出部20まで戻ってくる。
ロープ振動計測手段20iの加速度センサ20kは前述の進行波を検出する機能を有しており、具体的にはロープ変位付与手段20hによりメインロープ11に発生しその直接ロープ振動計測手段20iに伝播された進行波と、一旦メインシーブ10aに到達して折り返してロープ振動計測手段20iに伝播された進行波との両方を検出する。そして、これらの2つの進行波の到達時刻の差に係る時間、すなわち進行波がメインロープ11のうちメインシーブ10aからロープ変位付与手段20hまでの一部分を往復する時間を測定する。
一方、強風や地震等によりメインロープ11が昇降路1内の機器や壁等に引っ掛かったり絡まったりした場合は、進行波はメインシーブ10aに到達する前に、この引っ掛かったり絡まったりした部分で折り返すようになる。このため、ロープ振動計測手段20iにより検出される時間が通常時よりも短くなる。
各メインロープ11についてロープ振動計測手段20iの加速度センサ20kにより測定された進行波の往復時間にばらつきがある場合(具体的には、例えばあるメインシーブ11に係る進行波の往復時間について各往復時間の平均値に対して±10%より大きなばらつきが生じた場合)、または各メインロープ11に係る進行波の往復時間のうちいずれかの往復時間が予め設定された設定往復時間と大きく異なる場合(具体的には、例えばあるメインシーブ11に係る進行波の往復時間について設定往復時間に対して±10%より大きなばらつきが生じた場合)、メインロープ11に異常状態が発生したことが検出される。
図6乃至図8において、メインロープ異常状態検出部20として荷重センサ20aを用いる代わりにロープ変位付与手段20hおよびロープ振動計測手段20iを用いた例について説明したが、コンペンロープ異常状態検出部21についても同様の変更を行うことができる。すなわち。コンペンロープ異常状態検出部21として荷重センサ20aを用いる代わりに上述のロープ変位付与手段20hおよびロープ振動計測手段20iと同様の構成を有するロープ変位付与手段およびロープ振動計測手段を用いるようになっていてもよい。
本発明によるエレベータの更に他の変形例につき、図9により説明する。図9において、図1および2に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
本変形例に係るエレベータにおいては、メインロープ11の乗りかご側の一端11pとコンペンロープ14の乗りかご側の一端14pとを第1の導線40で接続するとともに、メインロープ11の他端11qとコンペンロープ14の他端14qとを第2の導線41で接続し、メインロープ11、コンペンロープ14、第1の導線40および第2の導線41により環状導線回路を形成している。また、メインロープ11およびコンペンロープ14は非導電性の被覆材に覆われている。そして、この環状導線回路に電源45および抵抗計46を設置している。ここで、電源45および抵抗計46により異常状態検出部50が構成されている。
電源45は環状導線回路に常時電源を供給するようになっている。そして、抵抗計46も経時的に環状導線回路における抵抗値を測定するようになっている。ここで、強風や地震等によりメインロープ11またはコンペンロープ14が昇降路1内の機器や壁等に引っ掛かったり絡まったりした場合には、環状導線回路における抵抗値が変化することとなる。このように、異常状態検出部50において、抵抗計46により測定される抵抗値が変化するとメインロープ11またはコンペンロープ14が異常状態となったことが検出される。
運転制御ユニット30が異常状態検出部50からメインロープ11またはコンペンロープ14の異常状態に係る検出信号を受け取ると、この運転制御ユニット30は乗りかご12が建屋の最寄り階に係る高さレベルまで移動するよう巻上機10を制御する。
一方、強風や地震等が発生して巻上機10が一旦非常停止した場合であっても、メインロープ11またはコンペンロープ14が昇降路1内の機器や壁等に引っ掛かったり絡まったりしない場合がある。この場合には、異常状態検出部50によりメインロープ11またはコンペンロープ14の異常状態が検出されず、運転制御ユニット30は巻上機10が再び通常時の駆動を行うようこの巻上機10を制御する。
このような異常状態検出部50を用いた場合には、計測すべき抵抗値はエレベータ全体に対して抵抗計46による一点のみでよいという利点が得られる。
本実施の形態のエレベータの全体構成を示す概略構成図である。 図1のエレベータの乗りかごの詳細を示す縦断面図である。 図1のエレベータのメインロープ異常状態検出部の詳細を示す説明図である。 メインロープ異常状態検出部の他の構成の詳細を示す説明図である。 メインロープ異常状態検出部の更に他の構成の詳細を示す説明図である。 メインロープ異常状態検出部の更に他の構成の詳細を示す説明図である。 図6のメインロープ異常状態検出部のうちロープ変位付与手段の一の状態を示す説明図である。 図6のメインロープ異常状態検出部のうちロープ変位付与手段の他の状態を示す説明図である。 エレベータの変形例に係る全体構成を示す概略構成図である。
符号の説明
1 昇降路
2 機械室
10 巻上機
10a メインシーブ
11 メインロープ
11a ロープ保持具
11b 支持板
11c ナット
11p 一端
11q 他端
12 乗りかご
12a かご枠
13 釣り合い錘
14 コンペンロープ
14p 一端
14q 他端
15 コンペンシーブ
15a 錘
16 調速器プーリ
17 ガバナロープ
17a 接続器具
18 ガバナシーブ
18a 錘
20 メインロープ異常状態検出部
20a 荷重センサ
20b 固定板
20c 荷重センサ本体
20d 押さえ板
20f 変位センサ
20g リミットスイッチ
20h ロープ変位付与手段
20i ロープ振動計測手段
20j ハンマー
20k 加速度センサ
20l 電磁石
20m 絶縁体
20n コイルばね
21 コンペンロープ異常状態検出部
22 ガバナロープ異常状態検出部
25 コイルばね
30 運転制御ユニット
40 第1の導線
41 第2の導線
45 電源
46 抵抗計
50 異常状態検出部

Claims (18)

  1. メインロープが巻き掛けられた巻上機と、
    前記メインロープの一端に設けられ、かご枠を有する乗りかごと、
    前記メインロープの他端に設けられた釣り合い錘と、
    前記メインロープの異常状態を検出するメインロープ異常状態検出部と、
    前記メインロープ異常状態検出部により前記メインロープの異常状態が検出された際に、前記乗りかごを建屋の最寄り階に停止するよう前記巻上機を制御する運転制御部と、
    を備えたことを特徴とするエレベータ。
  2. 前記運転制御部は、前記巻上機が非常停止した後において前記メインロープ異常状態検出部により前記メインロープの異常状態が検出されなかった際には、当該巻上機が通常時の駆動を行うよう前記巻上機を制御することを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
  3. 前記メインロープは複数設けられているとともに、前記メインロープ異常状態検出部は各メインロープにそれぞれ設けられており、
    前記運転制御部は、前記各メインロープ異常状態検出部により検出された各メインロープの状態間のばらつき、またはこれらの検出された各メインロープの状態と予め設定された各メインロープの設定状態との比較結果に基づいて、前記巻上機の制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載のエレベータ。
  4. メインロープが巻き掛けられた巻上機と、
    前記メインロープの一端に設けられ、かご枠を有する乗りかごと、
    前記メインロープの他端に設けられた釣り合い錘と、
    前記乗りかごおよび前記釣り合い錘に両端が連結されたコンペンロープと、
    前記コンペンロープが巻き掛けられ、鉛直方向に移動自在となっており自重により当該コンペンロープにテンションを与えるコンペンシーブと、
    前記コンペンロープの異常状態を検出するコンペンロープ異常状態検出部と、
    前記コンペンロープ異常状態検出部により前記コンペンロープの異常状態が検出された際に、前記乗りかごを建屋の最寄り階に停止するよう前記巻上機を制御する運転制御部と、
    を備えたことを特徴とするエレベータ。
  5. 前記運転制御部は、前記巻上機が非常停止した後において前記コンペンロープ異常状態検出部により前記コンペンロープの異常状態が検出されなかった際には、当該巻上機が通常時の駆動を行うよう前記巻上機を制御することを特徴とする請求項4記載のエレベータ。
  6. 前記コンペンロープは複数設けられているとともに、前記コンペンロープ異常状態検出部は各コンペンロープにそれぞれ設けられており、
    前記運転制御部は、前記各コンペンロープ異常状態検出部により検出された各コンペンロープの状態間のばらつき、またはこれらの検出された各コンペンロープの状態と予め設定された各コンペンロープの設定状態との比較結果に基づいて、前記巻上機の制御を行うことを特徴とする請求項4または5記載のエレベータ。
  7. メインロープが巻き掛けられた巻上機と、
    前記メインロープの一端に設けられ、かご枠を有する乗りかごと、
    前記メインロープの他端に設けられた釣り合い錘と、
    位置固定された調速器プーリと、
    前記調速器プーリに巻き掛けられ、前記乗りかごのかご枠に一部が接続されたループ状のガバナロープと、
    前記ガバナロープの異常状態を検出するガバナロープ異常状態検出部と、
    前記ガバナロープ異常状態検出部により前記ガバナロープの異常状態が検出された際に、前記乗りかごを建屋の最寄り階に停止するよう前記巻上機を制御する運転制御部と、
    を備えたことを特徴とするエレベータ。
  8. 前記運転制御部は、前記巻上機が非常停止した後において前記ガバナロープ異常状態検出部により前記ガバナロープの異常状態が検出されなかった際には、当該巻上機が通常時の駆動を行うよう前記巻上機を制御することを特徴とする請求項7記載のエレベータ。
  9. 前記メインロープ異常状態検出部は、前記メインロープの乗りかご側の端部と前記乗りかごのかご枠とを接続するコイルばねに取り付けられこのメインロープのテンションを測定する荷重センサからなり、この測定されたテンションに基づいてメインロープの異常状態を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエレベータ。
  10. 前記メインロープ異常状態検出部は、前記メインロープの乗りかご側の端部と前記乗りかごのかご枠とを接続するコイルばねの近傍に設けられこのコイルばねの変位を測定する変位センサからなり、この測定された変位に基づいてメインロープの異常状態を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエレベータ。
  11. 前記メインロープ異常状態検出部は、前記メインロープの乗りかご側の端部と前記乗りかごのかご枠とを接続するコイルばねの近傍に設けられこのコイルばねの変位によりオン/オフが切り替えられるリミットスイッチからなり、このリミットスイッチのオン/オフの切り替えに基づいてメインロープの異常状態を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエレベータ。
  12. 前記メインロープ異常状態検出部は、前記メインロープに取り付けられた、当該メインロープに孤立した進行波を与えるロープ変位付与手段およびこの進行波が前記メインロープの一部分を一往復する時間を測定するロープ振動計測手段からなり、この測定された時間に基づいてメインロープの異常状態を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエレベータ。
  13. 前記コンペンロープ異常状態検出部は、前記コンペンロープの乗りかご側の端部と前記乗りかごのかご枠とを接続するコイルばねに取り付けられこのコンペンロープのテンションを測定する荷重センサからなり、この測定されたテンションに基づいてコンペンロープの異常状態を検出することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のエレベータ。
  14. 前記コンペンロープ異常状態検出部は、前記コンペンロープの乗りかご側の端部と前記乗りかごのかご枠とを接続するコイルばねの近傍に設けられこのコイルばねの変位を測定する変位センサからなり、この測定された変位に基づいてコンペンロープの異常状態を検出することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のエレベータ。
  15. 前記コンペンロープ異常状態検出部は、前記コンペンロープの乗りかご側の端部と前記乗りかごのかご枠とを接続するコイルばねの近傍に設けられこのコイルばねの変位によりオン/オフが切り替えられるリミットスイッチからなり、このリミットスイッチのオン/オフの切り替えに基づいてコンペンロープの異常状態を検出することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のエレベータ。
  16. 前記コンペンロープ異常状態検出部は、前記コンペンロープにそれぞれ取り付けられた、当該コンペンロープに孤立した進行波を与えるロープ変位付与手段およびこの進行波が前記コンペンロープの一部分を一往復する時間を測定するロープ振動計測手段からなり、この測定された時間に基づいてコンペンロープの異常状態を検出することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のエレベータ。
  17. 導電性のメインロープが巻き掛けられた巻上機と、
    前記メインロープの一端に設けられ、かご枠を有する乗りかごと、
    前記メインロープの他端に設けられた釣り合い錘と、
    前記乗りかごおよび前記釣り合い錘に両端が連結された導電性のコンペンロープと、
    前記コンペンロープが巻き掛けられ、鉛直方向に移動自在となっており自重により当該コンペンロープにテンションを与えるコンペンシーブと、
    前記メインロープの乗りかご側の一端と前記コンペンロープの乗りかご側の一端とを接続する第1の導線および前記メインロープの他端と前記コンペンロープの他端とを接続する第2の導線と、
    前記メインロープ、前記コンペンロープ、前記第1の導線および前記第2の導線から形成される環状導線回路に設けられた電源および抵抗計からなり、この電源により環状導線回路に電力が印加された際に前記抵抗計により測定される抵抗値に基づいて前記メインロープまたはコンペンロープの異常状態を検出する異常状態検出部と、
    前記異常状態検出部により前記メインロープまたはコンペンロープの異常状態が検出された際に、前記乗りかごを建屋の最寄り階に停止するよう前記巻上機の駆動を制御する運転制御部と、
    を備えたことを特徴とするエレベータ。
  18. 前記運転制御部は、前記巻上機が非常停止した後において前記異常状態検出部により前記ガバナロープ又はコンペンロープの異常状態が検出されなかった際には、当該巻上機が通常時の駆動を行うよう前記巻上機を制御することを特徴とする請求項17記載のエレベータ。
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