JP2007076321A - 射出成形用加飾シート - Google Patents
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Abstract
射出成形時の加飾層の耐熱保護性に優れ、ポリエステル樹脂成形物に密着良く成形と同時に加飾を施すことが可能な射出成形用加飾シートを提供する。
【解決手段】
ポリエステルフィルム1、加飾層およびポリエステルフィルム2をこの順に積層してなる射出成形用加飾シートであって、ポリエステルフィルム2としては、厚みが50〜300μmの範囲の無延伸ポリエステルフィルムが好ましく用いられる。
【選択図】図1
Description
射出成形用加飾シートの成形性の評価は、成形型への追従性の不足、厚みの変動、外観不良などが無い場合を「○」、いずれかがわずかに生じた場合を「△」、いずれかが大きく生じた場合を「×」とした。
射出成形同時加飾方法により射出成形用加飾シートと樹脂成形物とを一体化させた後に、加飾層の色および模様の変化などが無い場合を「○」、加飾層の色および模様に変化がある場合を「△」、完全に加飾層の色および模様が無くなるおよび抜けが生じた場合を「×」とした。
加飾樹脂成形物の表面に積層された射出成形用加飾シートの表面を、碁盤目上に樹脂成形物に達する刻みを入れた。次いで、刻みの上に、セロハン粘着テープ(ニチバン株式会社製、「セロテープ」(登録商標)24mm巾、産業用)を粘着させ、手で剥離するテストを行い、射出成形用加飾シートが剥離しない場合を「○」、完全に剥離しないものの一部が剥離したり浮いたりした場合を「△」、完全に剥離した場合を「×」とした。
スチールウール#0000(日本スチールウール株式会社製)に500gの荷重をかけて100往復させ、傷の状態を肉眼にて判断した。傷が無く加飾性が損なわれない場合を「○」、多少の傷が発生するものの加飾性が損なわれない場合を「△」、全面に傷が付き加飾性を損なう場合を「×」とした。
トマトケチャップ(カゴメ株式会社製)を加飾樹脂成形物表面に載せ、50℃で24時間放置した後水で洗い流し、その際の着色状態を肉眼にて判断した。着色が全くない場合を「○」、わずかに着色があるものの加飾層の色および模様が外観上損なわれない場合を「△」、着色があり加飾層の色および模様が外観上損なわれる場合を「×」とした。
ポリエステルフィルム1として、ポリエチレンテレフタレート99質量%およびカルナウバワックス1質量%からなる、長手方向に3倍、幅方向に3倍延伸した、厚み25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。その二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にコロナ処理を施した後、加飾層として、グラビア印刷法によりバインダー樹脂素材としてポリウレタン系樹脂を使用した印刷層を設けた。さらに、その加飾層の上に、ポリエステルフィルム2として、ポリエチレンテレフタレート95質量%およびポリブチレンテレフタレート5質量%からなる、厚み50μmの無延伸フィルムを、ドライラミネート方法により積層し、本発明の射出成形用加飾シートを得た。得られた射出成形用加飾シートをオフライン予備成形により成形し、射出樹脂としてポリエチレンテレフタレート30質量%とポリブチレンテレフタレート70質量%からなるポリエステル樹脂を用い、射出成形同時加飾方法により、本発明の射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は表1に示すとおりであり、優れた特性を示した。
ポリエステルフィルム2として、ポリエチレンテレフタレート95質量%およびポリブチレンテレフタレート5質量%からなる、厚み300μmの無延伸フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の射出成形用加飾シートを得た後、さらには射出成形同時加飾方法を経て、本発明の射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は表1に示すとおりであり、優れた特性を示した。
ポリエステルフィルム1として、ポリエチレンテレフタレート95質量%およびポリブチレンテレフタレート5質量%からなる、厚み25μmの無延伸フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の射出成形用加飾シートを得た。さらに、射出成形同時加飾方法を経て、本発明の射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよびよび加飾成形物の特性は表1に示すとおりであり、耐擦傷性はわずかに劣るものの、その他は優れた特性を示した。
ポリエステルフィルム2として、ポリエチレンテレフタレート5質量%およびポリブチレンテレフタレート95質量%からなる、厚み50μmの無延伸フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の射出成形用加飾シートを得た。さらに、射出成形同時加飾方法を経て、本発明の射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は表1に示すとおりであり、優れた特性を示した。
ポリエステルフィルム2として、ポリエチレンテレフタレート95質量%およびポリブチレンテレフタレート5質量%からなる、厚み25μmのポリエステル無延伸フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、射出成形用加飾シートを得た。さらに、射出成形同時加飾方法を経て、射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は表1に示すように、射出成形時の加飾層の耐熱保護性がわずかに劣るものの、その他は優れた特性を示した。
ポリエステルフィルム2として、ポリエチレンテレフタレート95質量%およびポリブチレンテレフタレート5質量%からなる、厚み400μmのポリエステル無延伸フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、射出成形用加飾シートを得た。さらに、射出成形同時加飾方法を経て、射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は、表1に示すように、射出成形用加飾シートの成形性がわずかに劣るものの、その他は優れた特性を示した。
ポリエステルフィルム2として、厚み100μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、射出成形用加飾シートを得た。さらに、射出成形同時加飾方法を経て、射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は、表1に示すように、射出成形用加飾シートの成形性および射出成形用加飾シートと樹脂成形物との接着性がわずかに劣るものの、その他は優れた特性を示した。
ポリエステルフィルム1として、ポリエチレンテレフタレート99質量%およびカルナウバワックス1質量%からなる、長手方向に3倍、幅方向に3倍延伸した、厚み3μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、射出成形用加飾シートを得た。さらに、射出成形同時加飾方法を経て、射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は、表1に示すように、成形性がわずかに劣るものの、その他は優れた特性を示した。
ポリエステルフィルム1として、ポリエチレンテレフタレート99質量%およびカルナウバワックス1質量%からなる、長手方向に3倍、幅方向に3倍延伸した、厚み125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、射出成形用加飾シートを得た。さらに、射出成形同時加飾方法を経て、射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は、表1に示すように、成形性がわずかに劣るものの、その他は優れた特性を示した。
ポリエステルフィルム1として、ポリエチレンテレフタレート100質量%からなる、長手方向に3倍、幅方向に3倍延伸した、厚み25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、射出成形用加飾シートを得た。さらに、射出成形同時加飾方法を経て、射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は、表2に示すように、加飾樹脂成形物表面の耐汚染性がわずかに劣るものの、その他は優れた特性を示した。
ポリエステルフィルム1として、ポリエチレンテレフタレート96質量%、カルナウバワックス1質量%およびカーボンブラック3質量%からなる、長手方向に3倍、幅方向に3倍延伸した、厚み25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。その上に、ポリエステルフィルム2として、ポリエチレンテレフタレート95質量%およびポリブチレンテレフタレート5質量%からなる、厚み50μmの無延伸フィルムを、ドライラミネート方法により積層し、本発明の射出成形用加飾シートを得た。さらに、射出成形同時加飾方法を経て、射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は表2に示すとおりであり、優れた特性を示した。
ポリエステルフィルム1として、ポリエチレンテレフタレート99質量%およびカルナウバワックス1質量%からなる、長手方向に3倍、幅方向に3倍延伸した、厚み25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。その上に、ポリエステルフィルム2として、ポリエチレンテレフタレート92質量%、ポリブチレンテレフタレート5質量%およびカーボンブラック3質量%からなる、厚み50μmのポリエステル無延伸フィルムを、ドライラミネート方法により積層し、本発明の射出成形用加飾シートを得た。さらに、射出成形同時加飾方法を経て、射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は表2に示すとおりであり、優れた特性を示した。
ポリエステルフィルム1の代わりに、厚み25μmのポリプロピレン二軸延伸フィルムを用いたことと、ポリエステルフィルム2の代わりに、厚み50μmのポリプロピレン無延伸フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、射出成形用加飾シートを得た。さらに、射出成形同時加飾方法を経て、射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は表3に示すように、劣るものであった。
ポリエステルフィルム1の代わりに、厚み25μmのポリプロピレン二軸延伸フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、射出成形用加飾シートを得た。さらに、射出成形同時加飾方法を経て、射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は表3に示すように、劣るものであった。
ポリエステルフィルム2の代わりに、厚み50μmのポリプロピレン無延伸フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、射出成形用加飾シートを得た。さらに、射出成形同時加飾方法を経て、射出成形用加飾シートが樹脂成形物に積層された加飾成形物を得た。得られた射出成形用加飾シートおよび加飾成形物の特性は表3に示すように、劣るものであった。
2. 加飾層
3. ポリエステルフィルム2
11. 吸引口
12. ヒーター
13. 14. シートクランプ
21. 樹脂成形物
Ma. 射出成形型
Mb. 射出成形型
Mv. 予備真空成形型
S. 射出成形用加飾シート
P. 加飾成型物
Claims (9)
- 最表面層からポリエステルフィルム1、加飾層およびポリエステルフィルム2をこの順に積層してなる射出成形用加飾シート。
- ポリエステルフィルム1とポリエステルフィルム2を積層してなり、ポリエステルフィルム1及び/又はポリエステルフィルム2に加飾が施されている射出成型用加飾シート。
- 前記ポリエステルフィルム2が無延伸ポリエステルフィルムである請求項1または2記載の射出成形用加飾シート。
- 前記ポリエステルフィルム2の厚みが50〜300μmの範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形用加飾シート。
- 前記ポリエステルフィルム1が二軸延伸ポリエステルフィルムである請求項1〜4のいずれかに記載の射出成形用加飾シート。
- 前記ポリエステルフィルム1の厚みが5〜100μmの範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の射出成形用加飾シート。
- 前記ポリエステルフィルム1中に、ワックス及び/又はシリコーン化合物成分を0.001〜2質量%含有する請求項1〜6のいずれかに記載の射出成形用加飾シート。
- 前記ワックスがカルナウバワックスである請求項7記載の射出成形用加飾シート。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の射出成形用加飾シートを貼り付けてなるポリエステル樹脂成形物。
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