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JP2007073858A - 基板処理装置 - Google Patents

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JP2007073858A JP2005261599A JP2005261599A JP2007073858A JP 2007073858 A JP2007073858 A JP 2007073858A JP 2005261599 A JP2005261599 A JP 2005261599A JP 2005261599 A JP2005261599 A JP 2005261599A JP 2007073858 A JP2007073858 A JP 2007073858A
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稔 中野
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Abstract

【課題】 一時的な通信障害などで基板処理装置の稼働率がいたずらに低下するのを防止することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】 設定されたレシピに基づいてサブコントローラに指令を与えると共に、該指令に基づく前記サブコントローラの制御状況を監視するメインコントローラを備えた基板処理装置であって、前記メインコントローラによる前記サブコントローラの制御状況の監視が一時的に不能となった後に可能となった場合、前記メインコントローラは監視が不能となった時間にわたって前記サブコントローラで記憶されていた制御履歴を取得し、該制御履歴に基づいて前記サブコントローラによる制御を継続させるか否かを判断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、設定されたレシピに基づいてサブコントローラに指令を与えると共に、該指令に基づく前記サブコントローラの制御状況を監視するメインコントローラを備えた半導体製造装置などの基板処理装置に関するものである。
近年の半導体製造装置などの基板処理装置は、その高機能化・高性能化に対応するために、その制御システムに用いられるコントローラを複数に分割し、複数のコントローラによる分散コントローラシステムによって制御の複合化を実現している。このような分散コントローラシステムは複数のコントローラが通信回線によってネットワーク接続され、情報(データ)を相互に交信しながら高機能な制御を行っている。
このような分散コントローラシステムでは、レシピに基づいて各種の指令を行うメインコントローラを備え、該メインコントローラに通信回線を介して接続された複数のサブコントローラ、例えば温度制御サブコントローラ、圧力制御サブコントローラ、機械制御サブコントローラがメインコントローラからの指令に基づき制御対象を制御する(例えば、特許文献1参照)。
この技術によれば、メインコントローラが各サブコントローラの制御状態を常時監視し、異常が検知されたときにはメインコントローラが該当するサブコントローラを停止させることにより、他の要素への故障の波及を未然に防止することができる。これによって、基板処理装置の平均故障間隔(MTBF)を長くすることができると共に成膜処理のスループットを向上させることができる。
特開2001−077033号公報
しかしながら、上記のような基板処理装置に用いられる分散コントローラシステムにおいては、基板を処理するためのレシピ実行中にメインコントローラとサブコントローラの間に通信障害などが生じ、メインコントローラによるサブコントローラの監視が一時的に中断される事態が生じたような場合においては、サブコントローラがその間正常に制御を続行できる場合でも、該サブコントローラの動作は直ちに停止されてしまう。そのため、サブコントローラによる制御の実体に影響のない通信傷害であって迅速な回復が可能な通信障害であっても、サブコントローラはその都度停止してしまう。その結果、現在実行中のレシピも一時的に停止されることとなって基板処理装置の稼働率の低下を招くこことなる。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、メインコントローラによるサブコントローラの監視が一時的に不能となる障害が発生しても、その制御実体に障害による影響がないと判断された場合には、制御を停止させることなく制御を継続し、もって、基板処理装置の稼働率がいたずらに低下するのを防止することができる基板処理装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明に係る半導体基板処理装置は、設定されたレシピに基づいてサブコントローラに指令を与えると共に、該指令に基づく前記サブコントローラの制御状況を監視するメインコントローラを備えた基板処理装置であって、前記メインコントローラによる前記サブコントローラの制御状況の監視が一時的に不能となった場合、前記メインコントローラは監視が不能となった時間にわたって前記サブコントローラで記憶されていた制御履歴を前記サブコントローラの制御状況の監視が可能となった時点で取得し、該制御履歴に基づいて前記サブコントローラによる制御を継続させるか否かを判断することを特徴とする。
なお、本実施の形態によれば、メインコントローラにより、設定されたレシピに基づいてサブコントローラに指令指示を与えると共に、該指令に基づく前記サブコントローラの制御状況を監視する一方、前記メインコントローラによる前記サブコントローラの制御状況の監視が、一時的に不能となった場合には、監視が可能となった場合に、前記メインコントローラは監視が不能となった時間にわたって前記サブコントローラで記憶されていた制御履歴を取得し、該制御履歴に基づいて前記サブコントローラによる制御を継続させるか否かを判断するようにした基板処理方法を提供することもできる。
本発明によれば、メインコントローラによるサブコントローラの監視が一時的に不能となる障害が発生しても、その制御実体に障害による影響がないと判断された場合には、制御を停止させることなく制御を継続し、もって、基板処理装置の稼働率がいたずらに低下するのを防止することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら本発明に係る基板処理装置の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、加熱炉を備えたCVD装置等の半導体製造装置における分散コントローラシステムの電気炉コントローラに関して説明を行う。
以下に述べる実施の形態では、加熱炉内に処理対象の半導体基板を収納して、ヒータによって加熱炉内を所定の温度に加熱しながら加熱炉内に所定のガスを流し、必要に応じて加熱炉内の圧力を調整しながら半導体基板を保持するポートを回転させることにより、基板の拡散処理、アニール処理、及びCVD処理などを行う半導体製造装置に用いられる分散コントローラシステムを例に挙げて説明する。さらに、詳しく述べると、設定温度、設定ガス流量、設定圧力、処理時間等の条件を指定するステップをシーケンシャルに実行させるためのプログラム(レシピ)に基づいて動作する分散コントローラシステムの電気炉コントローラの構成において、通信回線等が故障(ダウン)してから復旧するときのコントローラの信頼性を向上させる方法について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る半導体製造装置に用いられる分散コントローラシステムの構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、分散コントローラシステムは、マスフローコントローラ3、圧力コントローラ4、温度コントローラ5、及びその他のコントローラ6など、レシピにかかる各種制御対象を制御するサブコントローラと、通信回線P2を介してこれらのサブコントローラにレシピに基づく指令を出してこれらを制御すると共に、それらの制御状態の監視を行うレシピ実行コントローラ2と、通信回線P1を介してレシピ実行コントローラ2の操作による指令及び状態表示を実行するデータ表示用コントローラ1とによって構成されている。なお、ここでデータ表示用コントローラ1とレシピ実行コントローラ2とを合わせてメインコントローラということにする。
なお、サブコントローラは制御履歴を保持するためのメモリを備えており、該メモリには後述する障害の発生の有無にかかわらずメインコントローラからの指示またはサブコントローラに予め設定されている制御内容に基づき所定時間にわたり、自己の制御履歴を保持する構成となっている。
このような構成において、レシピ実行コントローラ2がレシピを実行中に通信回線P1や通信回線P2がダウンするなど、メインコントローラ(データ表示用コントローラ1及びレシピ実行コントローラ2)に監視機能に関する障害が発生し、メインコントローラによるサブコントローラの監視が一時的に不能となった場合、サブコントローラが制御を継続できる状態においては、そのサブコントローラは、上述したように少なくともその間における制御履歴を保持しておき、障害が回復した時点でサブコントローラが保持した制御履歴をメインコントローラに報告する。そして、メインコントローラはサブコントローラから報告された制御履歴に基づいて基板処理にかかる制御を継続させるか否かを判断する。
本実施の形態による半導体製造装置は、例えば、CVD装置にあっては加熱炉にシリコンウェーハ等の半導体基板を収容し、加熱炉内を所定の温度に加熱しつつ反応ガスを供給して基板上に薄膜を形成する。このとき、レシピ実行コントローラ2により、シーケンス制御によって温度コントローラ5などが制御され、半導体基板を処理するためのレシピが実行される。
このとき、分散型コントローラシステムの動作を実現させるために、データ表示用コントローラ1にはデータ表示に適したオペレーティングシステムが使用され、かつ、レシピ実行コントローラ2、マスフローコントローラ3、圧力コントローラ4、温度コントローラ5、及びその他のコントローラ8にはリアルタイム制御に適したオペレーティングシステムが使用される。
また、データ表示用コントローラ1とレシピ実行コントローラ2を接続する通信回線P1はデータ量が多いのでLANを使用する。一方、レシピ実行コントローラ2とサブコントローラ(マスフローコントローラ3、圧力コントローラ4、温度コントローラ5、及びその他のコントローラ6)を接続する通信回線P2はデータ量が少ないので、シリアル接続、センサーバス接続、またはLANなどを使用する。
本発明の半導体製造装置は図1に示すような分散コントローラシステムを用いているので、各コントローラ(データ表示用コントローラ1、レシピ実行コントローラ2、マスフローコントローラ3、圧力コントローラ4、温度コントローラ5、その他のコントローラ6)は、自コントローラ以外の他のコントローラがダウンしたとき、通信回線に異常が発生して他のコントローラとの間で通信不能となることに備えて、あらかじめ、その時にどのような動作をすればよいかを決定づけるためのパラメータを設定し、例えば、縮退運用をしたり、制御を継続したり、制御を止めて安全に装置を停止させる動作を行ったりする。
尚、上記パラメータは通信障害の重度や頻度によって設定されるのが好ましい。
本実施の形態では、通信障害などによりレシピ実行コントローラによるサブコントローラの監視が一時的に不能となって回復した場合に、その後の制御を継続するか否かを判断するようにしたものであるが、ここではまず、どのような場合に制御を継続し、どのような場合に制御を停止するかについての概説を行う。
図2は、図1に示す分散コントローラシステムにおいて、レシピ実行コントローラに一時的な通信障害が発生しても温度コントローラがレシピ実行コントローラからの所定の指示に基づき制御を正常終了した場合のシーケンスを示す図であり、通信障害から復旧後のレシピ実行コントローラが制御を継続すると判断する場合のシーケンスの一例を示す図である。
図2に示すように、例えば、時刻t1において温度コントローラ5がレシピ実行コントローラ2の指示にしたがって目標温度800℃、ランプレート10℃/分で温度制御を開始し(ステップS1)、時刻t2においてレシピ実行コントローラ2に通信不良などの障害が発生するまでは(ステップS2)、温度コントローラ5はレシピ実行コントローラ2の指示にしたがって温度制御を行う(時刻t1〜時刻t2)。ここでは、温度コントローラ5は温度実測値をある周期(例えば、1秒)でレシピ実行コントローラ2に送信する。レシピ実行コントローラ2は、この送信される温度実測値を監視することで、温度コントローラ5の制御状態を確認している。
そして、時刻t2において、温度コントローラ5がレシピ実行コントローラ2との通信が不能(メインコントローラによる監視不能)であることを認識すると(ステップS3)、その時刻t2において温度コントローラ5は、パラメータを参照し、例えばここでは所定の設定に基づいて温度制御を継続するというモードに入る(ステップS4)。
そして、時刻t3において何らかの理由で通信障害からシステムが回復したとき(例えば、通信障害からの自動復旧がなされたとき、あるいはユーザが通信障害に気が付き、その障害を回復させたとき)(ステップS5:時刻t3)、温度コントローラ5はレシピ実行コントローラ2との通信が可能となったことを認識すると(ステップS6)、通信障害の間に記憶した制御履歴(温度制御履歴)をレシピ実行コントローラ2に報告する。この報告を受けたレシピ実行コントローラ2は該制御履歴に基づいて制御が正常に行われていた(ステップS1における指示に基づく制御が維持されていた)と判断し、次に温度コントローラ5に温度制御を継続させるための指示(目標温度500℃、ランプレート10℃/分という指示)を与える(ステップS7:時刻t4)。
図2においては、通信障害の間、温度コントローラ5では、レシピ実行コントローラ2からの指示に基づく制御が正常に実行されていたことを示しており、そのような温度コントローラ5からの報告に基づいてレシピ実行コントローラ2は制御の継続を決定判断する。
図3は、図1に示す分散コントローラシステムにおいて、温度コントローラがレシピ実行コントローラからの所定の指示に基づく一つの制御を正常終了できなかった場合のシーケンスを示す図であり、レシピ実行コントローラが制御を継続しないと判断する場合のシーケンスの一例を示す図である。
図3に示すように、時刻t1において温度コントローラ5がレシピ実行コントローラ2の指示にしたがって目標温度800℃、ランプレート10℃/分で温度制御を開始し(ステップS11)、時刻t2においてレシピ実行コントローラ2に通信不良などの障害が発生するまでは(ステップS12)、温度コントローラ5はレシピ実行コントローラ2の指示にしたがって温度制御を行う(時刻t1〜時刻t2)。
そして、時刻t2において、温度コントローラ5がレシピ実行コントローラ2との通信が不能であることを認識すると(ステップS13)、その時刻t2において温度コントローラ5は、回線ダウン時の動作選択モードに入り、例えばここでは所定の設定に基づいて温度制御を継続するというモードに入る(ステップS14)。ここまでは、前述の図2のステップS1からステップS4までの処理内容と同じである。
そして、時刻t3において温度コントローラ5に障害が発生してヒータパワーがOFFすると(ステップS15)、温度コントローラ5は無制御の状態となって炉内温度は徐々に低下する。そして、時刻t4で温度コントローラ5の障害が回復すると(ステップS16)、温度コントローラ5による温度制御が再開・継続される。
その後、時刻t5において通信障害からシステムが回復したとき(ステップS17:時刻t5)、温度コントローラ5はレシピ実行コントローラ2との通信が可能となったことを認識すると(ステップS18)、通信障害の間に記憶した制御履歴(温度制御履歴)をレシピ実行コントローラ2に報告する。この報告を受けたレシピ実行コントローラ2は該制御履歴に基づいて制御が正常に行われていなかったと判断し、温度コントローラ5に温度制御を継続しない(例えば中止させるための)指示を与える。(ステップS19:時刻t6)。
図4は、上述した分散コントローラシステムにおける機能ブロック図を示している。図4において、データ表示用コントローラ1の機能は次のとおりである。
(1)レシピ実行コントローラ2の障害復旧によりオンライン接続状態となる。(2)レシピ実行コントローラ2より、温度コントローラ5から温度制御を継続できたか否かの情報(制御履歴)を受信すると共に、その結果によって次に実行しようとするステップ指示(例えば、目標温度500℃、ランプレート10℃/分という指示)に係る制御の実行を許可したか、許可しなかった(例えば制御の中断)かの情報を受信する。
(3)上記(2)の情報をユーザ(オペレータ、顧客ホストコンピュータ)に通知する。
また、レシピ実行コントローラ2の機能は次のとおりである。
(1)レシピ実行コントローラ2の障害復旧を行う。
(2)温度コントローラ5より温度制御を継続できたか否かの報告(制御履歴報告)を受ける。
(3)温度制御を正常に継続できたと判断した場合は次に実行しようとするステップ指示の実行を許可するが、温度制御を正常に継続できなかったと判断した場合は許可しない(例えば制御を中断する)。
(4)レシピ実行コントローラ2は、データ表示用コントローラ1に対して、温度コントローラ5より温度制御を正常に継続できたか否かの情報を送信すると共に、その結果によって次に実行しようとするステップ指示の実行を許可したか、許可しなかった(例えば制御の中断した)かについての情報を送信する。
また、温度コントローラ5の機能は次のとおりである。
(1)レシピ実行コントローラ2との通信が不能と認識すると、予め設定されているパラメータに基づく制御動作に入り、温度制御を継続する場合は該温度制御を継続する。
(2)レシピ実行コントローラ2との通信が可能となったと認識した時点で、温度制御を継続できたか否かの報告(制御履歴報告)を行う。
図5は、本発明の実施の形態における温度コントローラの復旧動作の流れを示すフローチャートである。以下、図5を用いて温度コントローラの復旧動作の流れを説明する。まず、温度コントローラ5はレシピ実行コントローラ2との通信が不能になったか否かの判定を行う(ステップS21)。ここで、レシピ実行コントローラ2との通信が不能になっていなければ(ステップS21、NO)、温度コントローラ5は、オンライン復旧したか否か、つまり、復旧後の最初の処理であるか否かを判定する(ステップS22)。
ここで、オンライン復旧していなければ、つまり復旧後の最初の処理でない場合(ステップS22、NO)は、温度コントローラ5は、レシピ実行コントローラ2の指示にしたがって温度制御を行う(ステップS23)。一方、オンライン復旧直後の処理であれば(ステップS22、YES)、温度コントローラ5は、レシピ実行コントローラ2との通信障害中に温度制御を行った結果(制御履歴)をレシピ実行コントローラ2へ報告する(ステップS24)。なお、制御履歴の内容は、制御結果は正常か異常かを示すデータ、及びアラーム発生回復履歴データや温度制御トレースデータである。そして、温度コントローラ5は、制御履歴を報告した後にレシピ実行コントローラ2の指示にしたがって温度制御を行う(ステップS23)。
また、ステップS21で、レシピ実行コントローラ2との通信が不能になっていれば(ステップS21、YES)、温度コントローラ5は、変更可能なパラメータに基づく動作に入り、通信が不能となる前に受けたレシピ実行コントローラからの指示に従って温度制御を実行する(ステップS25)。そして、レシピ実行コントローラ2との通信障害中に温度制御を行った結果(つまり、制御履歴)を内部メモリへ蓄積する(ステップS26)。
図6は、レシピ実行コントローラの動作の流れを示すフローチャートである。以下、図6を用いてレシピ実行コントローラの動作の流れを説明する。まず、レシピ実行コントローラ2は温度コントローラ5との通信が回復したか否かの判定を行う(ステップS31)。温度コントローラ5との通信が回復しなければ(ステップS31、NO)、通信が回復するまで待つが、温度コントローラ5との通信が回復した場合は(ステップS31、YES)、レシピ実行コントローラ2は、温度コントローラ5との通信障害中に温度コントローラ5が温度制御を行った結果(つまり、制御履歴)を受信する(ステップS32)。
そして、レシピ実行コントローラ2は、受信した制御履歴が正常であるか否かを判定し(ステップS33)、制御履歴が正常であれば(ステップS33、YES)、オンライン正常時制御(つまり、レシピに係る制御動作)を行う(ステップS34)。
一方、ステップS33で、受信した制御履歴が正常でなければ(ステップS33、NO)、変更可能なアラームパラメータの設定(つまり、異常発生時の動作を定義するパラメータ)に基づいて動作を行う(ステップS35)。このとき、変更可能なアラームパラメータは、温度制御異常発生時の動作選択として、次レシピ非実行、ブザー鳴動と警告、ブザー非鳴動と警告、及びアラームレシピ実行のいずれかを有する。
そして、アラームパラメータの設定に基づいて動作を行った後に、レシピ実行コントローラ2は、データ表示用コントローラ1に対して、温度コントローラ5より温度制御を継続できたか否かの情報を送信すると共に、その結果によって、次に実行しようとするステップ指示に係る制御の実行を温度コントローラ5に許可したか、否かの情報を送信する(ステップS36)。
図7は、データ表示用コントローラ1の動作の流れを示すフローチャートである。以下、図7を用いてデータ表示用コントローラ1の動作の流れを説明する。まず、データ表示用コントローラ1は、レシピ実行コントローラ2との通信が回復したか否かの判定を行う(ステップS41)。ここで、レシピ実行コントローラ2との通信が回復しなければ(ステップS41、NO)、通信が回復するまで待つが、レシピ実行コントローラ2との通信が回復した場合は(ステップS41、YES)、レシピ実行コントローラ2より、温度コントローラ5の温度制御を継続できたか否かの情報を送信すると共に、その結果によって、次に実行しようとするステップ指示に係る制御動作の実行を温度コントローラに許可したか、否かの情報を受信する(ステップS42)。
そして、データ表示用コントローラ1は、制御動作の実行を許可したか否かの情報をユーザ(顧客ホストコンピュータ)へ通知する(ステップS43)。さらに、データ表示用コントローラ1は、制御動作の実行を許可したか否かの情報を別のユーザ(オペレータ)へ通知する(ステップS44)。ここで、オペレータに通知されてディスプレイに表示される画面は、温度コントローラ制御履歴として、制御結果が正常か異常かを示すデータ、アラーム発生回復履歴データや温度制御トレースデータ、及びレシピ実行コントローラ制御履歴として、異常時、次レシピ非実行を示すデータなどが表示される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、通信障害時の制御履歴報告を行ってその結果を判断し、次に実行しようとするステップ指示の実行に係る制御を許可するか否か(続行するか否か)について判断する仕組みを持たせることで、従来行われていたような、制御の実体に異常がない一時的な通信障害が生じた場合でも一律に基板処理を中断するなどの無駄がなくなり、稼動効率がいたずらに低下することを防止することができる。
上記の実施の形態では、監視機能が一時的に中断される一例として通信障害が生じた場合を例に挙げて説明したが、メインコントローラによるサブコントローラの監視が一時的にできなくなるような他の障害にも適用されることは言うまでもない。
また、従来はレシピ実行コントローラ2がレシピの実行をユーザ指示により実行し、その結果がでてからその処理が良くなかった(例えば、目標膜厚より薄い膜ができたとか、パーテイクル(ごみ)の発生が目標値より多かったなど)と判断されるケースでは、バッチ炉で行われる処理はウェハが50枚から150枚の一括処理であるので、1枚あたりの損失コストが10万円と計算しても、バッチ炉では500万円〜1500万円の大きな損失になる。本発明では、このような損失を未然に防止できる仕組みを持たせることで、失敗コスト発生防止という大きな経済的効果を期待することができる。
なお、本発明の分散コントローラシステムは、半導体製造装置だけでなくLCD装置のようなガラス基板を処理する装置にも適用することができる。また、縦型装置だけでなく枚葉装置でも模型装置にも適用することができる。要するに、オペレータが何等かの入力手段(例えば、キーボード、マウス、タッチペン等)を用いて操作画面上でレシピなどを作成して基板(半導体基板、ガラス基板等)処理を行う装置であれば何でも当てはまる。
さらに、本発明の分散コントローラシステムは、炉内の処理には何等関係なく、例えば、酸化、拡散、アニール等にも適用することができる。また、サブコントローラは、上記の実施の形態では温度コントローラを例としたが、本発明では温度コントローラに限られることなく、圧力コントローラ、流量コントローラ、及び機械コントローラにも適用可能である。
次に、本発明に適用される半導体基板処理装置の具体的な構成例について図面を用いて説明する。尚、以下の説明では、半導体基板処理装置として半導体基板に拡散処理やCVD処理などを行う縦型の装置(以下、単に処理装置という)を適用した場合について述べる。図8は、本発明に適用される処理装置の外観斜視図である。尚、この図は透視図として描かれている。また、図9は図8に示す処理装置の側面図である。
本発明に適用される処理装置は、シリコン等からなるウエハ(基板)200を収納したポッド(基板収納容器)100を、外部から筐体101内へ挿入するため、及びその逆に筐体101内から外部へ払出すためのI/Oステージ(保持具授受部材)105が筐体101の前面に付設され、筐体101内には挿入されたポッド100を保管するためのカセット棚(載置手段)109が敷設されている。また、ウエハ200の搬送エリアであり、後述のボート(基板保持手段)217のローディング、アンローディング空間となるN2パージ室(気密室)102が設けられている。ウエハ200に処理を行うときのN2パージ室102の内部は、ウエハ200の自然酸化膜を防止するためにN2ガスなどの不活性ガスが充満されるように、N2パージ室102は密閉容器となっている。
上述したポッド100としては、現在FOUPというタイプが主流で使用されており、ポッド100の一側面に設けられた開口部を蓋体(図示せず)で塞ぐことで大気からウエハ200を隔離して搬送でき、蓋体を取り去ることでポッド100内へウエハ200を入出させることができる。このポッド100の蓋体を取外し、ポッド内の雰囲気とN2パージ室102の雰囲気とを連通させるために、N2パージ室102の前面側には、ポッドオープナ(開閉手段)108が設けられている。ポッドオープナ108、カセット棚109、およびI/Oステージ105間のポッド100の搬送は、カセット移載機114によって行われる。このカセット移載機114によるポッド100の搬送空間には、筐体101に設けられたクリーンユニット(図示せず)によって清浄化した空気をフローさせるようにしている。
2パージ室102の内部には、複数のウエハ200を多段に積載するボート217と、ウエハ200のノッチ(又はオリエンテーションフラット)の位置を任意の位置に合わせる基板位置合わせ装置106と、ポッドオープナ108上のポッド100と基板位置合わせ装置106とボート217との間でウエハ200の搬送を行うウエハ移載機(搬送手段)112とが設けられている。また、N2パージ室102の上部にはウエハ200を処理するための処理炉202が設けられており、ボート217はボートエレベータ(昇降手段)115によって処理炉202へローディング、又は処理炉202からアンローディングすることができる。
次に、本発明に適用される処理装置の動作について説明する。まず、AGVやOHTなどにより筐体101の外部から搬送されてきたポッド100は、I/Oステージ105に載置される。I/Oステージ105に載置されたポッド100は、カセット移載機114によって、直接ポッドオープナ108上に搬送されるか、または、一旦カセット棚109にストックされた後にポッドオープナ108上に搬送される。ポッドオープナ108上に搬送されたポッド100は、ポッドオープナ108によってポッド100の蓋体を取外され、ポッド100の内部雰囲気がN2パージ室102の雰囲気と連通される。
次に、ウエハ搬送機112によって、N2パージ室102の雰囲気と連通した状態のポッド100内からウエハ200を取出す。取出されたウエハ200は、基板位置合わせ装置106によって任意の位置にノッチが定まる様に位置合わせが行なわれ、位置合わせ後にボート217へ搬送される。
ボート217へのウエハ200の搬送が完了したならば、処理室201の炉口シャッタ116を開けて、ボートエレベータ115によりウエハ200を搭載したボート217をローディングする。ローディング後は、処理炉202にてウエハ200に任意の処理が実施され、処理後は上述の逆の手順で、ウエハ200およびポッド100は筐体101の外部へ払出される。
本発明の実施の形態に係る半導体製造装置に用いられる分散コントローラシステムの構成を示すブロック図である。 図1に示す分散コントローラシステムにおいて、温度コントローラが温度制御を正常終了した場合のシーケンスを示す図である。 図1に示す分散コントローラシステムにおいて温度コントローラが温度制御を正常に終了できなかった場合のシーケンスを示す図である。 本発明による実施の形態の分散コントローラシステムにおける温度コントローラの機能ブロック図である。 本発明の実施の形態における温度コントローラの動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるレシピ実行コントローラの動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるデータ表示用コントローラの動作の流れを示すフローチャートである。 本発明に適用される処理装置の外観斜視図である。 図8に示す処理装置の側面図である。
符号の説明
1 データ表示用コントローラ、2 レシピ実行コントローラ、3 マスフローコントローラ、4 圧力コントローラ、5 温度コントローラ、6 その他のコントローラ、P1,P2 通信回線。

Claims (1)

  1. 設定されたレシピに基づいてサブコントローラに指令を与えると共に、該指令に基づく前記サブコントローラの制御状況を監視するメインコントローラを備えた基板処理装置であって、
    前記メインコントローラによる前記サブコントローラの制御状況の監視が一時的に不能となった場合、前記メインコントローラは監視が不能となった時間にわたって前記サブコントローラで記憶されていた制御履歴を前記サブコントローラの制御状況の監視が可能となった時点で取得し、該制御履歴に基づいて前記サブコントローラによる制御を継続させるか否かを判断することを特徴とする基板処理装置。
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JP2012093222A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Yamatake Corp 鏡面冷却式センサ

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JP2012093222A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Yamatake Corp 鏡面冷却式センサ

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