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JP2007049004A - プリント配線板とその製造方法 - Google Patents

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浩一 高橋
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Abstract

【課題】 外層表面に凹みが発生することがなく、反りの発生を抑制することができる部品内蔵プリント配線板及びその製造方法の提供。
【解決手段】 内層にチップ部品が内蔵されたプリント配線板であって、少なくとも当該チップ部品の上部に位置する絶縁層が、補強基材と絶縁樹脂からなるリジッドな絶縁基板、又はローフロープリプレグを積層したものからなるプリント配線板;内層にチップ部品が内蔵されたプリント配線板の製造方法において、少なくとも、絶縁基板の内層側に内層配線パターンを形成する工程と、当該内層配線パターンの所望の位置にチップ部品を実装する工程と、当該チップ部品に対応する開口部が形成された絶縁接着シートを介して内層配線パターン形成面に絶縁層と金属箔を順次積層する工程とを含み、且つ、当該絶縁層として補強基材と絶縁樹脂からなるリジッドな絶縁基板、又はローフロープリプレグを用いるプリント配線板の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明はチップ部品を内蔵する部品内蔵プリント配線板に関し、特に、反りや外層の凹みを抑制した薄型の部品内蔵プリント配線板に関する。
近年、機器の高機能化によるプリント配線板への部品実装点数の増加と、機器の小型化の両立を図るために、多層プリント配線板の内層に部品を内蔵する、所謂「部品内蔵基板」の形態が主流になってきている。
このような部品内蔵基板の例として、図3に示した如き構成の多層プリント配線板が既に知られている(特許文献1参照)。
図3は、ビルドアップ多層プリント配線板のコア基板として用いられる4層プリント配線板Paの製造工程を示したもので、まず、図2(a)に示したように、絶縁基板1の表裏にサブトラクティブ法(例えば、銅箔などの金属箔にエッチング処理を行って配線パターンを形成する方法)やアディティブ法(めっきの析出により配線パターンを形成する方法)などの手法により内層配線パターン4を形成することによって、両面コア基板1aを得、次いで、はんだ7を用いて、所望の内層配線パターン4上にチップ部品6を実装した後、当該チップ部品6に耐薬品性樹脂12を塗布形成する(図3(a)参照)。
次に、図3(b)に示したように、両面コア基板1aのチップ部品6実装面側に、当該チップ部品6に対応した開口部8bを有するプリプレグ8と金属箔2(例えば銅箔)を配置するとともに、他方の面側にもプリプレグ8と金属箔2を配置し、次いで、積層プレスすることによって、図3(c)の状態の4層板を得る。
ここで「プリプレグ」とは、プリント配線板の製造工程で一般的に用いられるガラス繊維基材に樹脂を含浸させた半硬化状態(所謂Bステージ状態)の絶縁接着シートのことである。
次に、外層配線パターン9の形成及び表裏の外層配線パターン9間を接続するスルーホール11aを形成することによって、図3(d)に示した4層プリント配線板Paを得る。
このように、チップ部品6の実装面側に積層するプリプレグ8に、当該チップ部品6に対応した開口部8bを設けるようにしたため、当該プリプレグ8の積層圧によって、当該チップ部品6が破損するなどの不具合を防止できるというものである。
ところで、当該プリプレグ8に形成される開口部8bは、当該チップ部品6の高さと略同じ高さに形成するようにしているが、一般的には、当該チップ部品6よりも若干高めに形成するのが通例である。
従って、上記従来技術のように、チップ部品6の上部に位置する絶縁層8aとして、通常使用されている柔軟性及び樹脂フロー性の高いプリプレグ8を使用した場合、当該チップ部品6の実装密度が高いエリアに位置する外層表面に、当該開口部8bに対応した凹み13(図4参照)が発生するという不具合があった(この原因は、チップ部品6の実装密度が高いエリアでは、当該チップ部品6と当該チップ部品6の上部に位置するプリプレグ8(絶縁層8a)との間にできる隙間エリアも大きくなり、当該チップ部品6の上部に積層する絶縁層8aとして柔軟性、樹脂フロー性の高い通常のプリプレグ8を用いた場合には、当該隙間エリアに対する撓み量が大きくなるからである)。
また、これとは別に、配線パターン形成層として、実際には3層で間に合うところ、図5に示したように、チップ部品6が実装された両面コア基板1aの片面(即ち、チップ部品6の実装面側)のみに、通常のプリプレグ8を介して金属箔2を積層した場合、当該プリプレグ8の硬化収縮によって反りが発生するので、当該反りを抑制する目的でリジッドな両面コア基板1aの表裏に半硬化状態(Bステージ)のプリプレグ8を介して金属箔2を積層し、4層構造とする手段をとる場合がある(例えば、図3の構造)が、当該手段においてはプリント配線板の厚みが増してしまい、近年の機器の小型化に対して好ましくない手段であった。
特開2004−311736号公報
本発明は、上記不具合を解消するためになされたもので、内層にチップ部品を内蔵した場合においても、外層表面に凹みが発生することがないプリント配線板、特に両面コア基板の片側のみにビルドアップする3層構造とした場合においても反りの発生を抑制することのできる部品内蔵プリント配線板とその製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る本発明は、内層にチップ部品が内蔵されたプリント配線板であって、少なくとも当該チップ部品の上部に位置する絶縁層が、補強基材と絶縁樹脂からなるリジッドな絶縁基板、又はローフロープリプレグを積層したものからなることを特徴とするプリント配線板により上記課題を解決したものである。
すなわち、斯かる構成とすることにより、内層にチップ部品を内蔵したプリント配線板の構成とした場合においても、外層表面の凹みをなくす、あるいは抑制することができる。
また、請求項2に係る本発明は、前記請求項1に係る発明において、特に当該プリント配線板が3層構造からなると共に、当該チップ部品を実装した絶縁基板と、当該チップ部品の上部に位置する絶縁層とが同じ材質で、且つ同じ厚さとなっていることを特徴とする。
すなわち、斯かる構成とすることにより、プリント配線板を3層構造とした場合においても、チップ部品を実装する配線パターン形成層の上下に位置する絶縁層が対称構造となるため、反りを抑制することができる。
また、請求項3に係る本発明は、内層にチップ部品が内蔵されたプリント配線板の製造方法において、少なくとも、絶縁基板に内層配線パターンを形成する工程と、当該内層配線パターンの所望の位置にチップ部品を実装する工程と、当該チップ部品に対応する開口部が形成された絶縁接着シートを介して内層配線パターン形成面に絶縁層と金属箔を順次積層する工程とを含み、且つ当該絶縁層として、補強基材と絶縁樹脂からなるリジッドな絶縁基板、又はローフロープリプレグを用いることを特徴とするプリント配線板の製造方法により上記課題を解決したものである。
すなわち、斯かる構成とすることにより、外層表面の凹みのない、あるいは抑制したチップ部品内蔵プリント配線板を容易に得ることができる。
また、請求項4に係る本発明は、前記請求項3に係る発明において、特に当該プリント配線板が3層構造からなると共に、内層配線パターンを形成する工程に用いる絶縁基板と、絶縁接着シート上に積層する工程に用いる絶縁層とが同じ材質で、且つ同じ厚さのものであることを特徴とする。
すなわち、斯かる構成とすることにより、チップ部品を実装する配線パターン形成層の上下に位置する絶縁層が対称構造となるため、反りを抑制した3層構造のプリント配線板を容易に得ることができる。
プリント配線板を本発明の構成とすることによって、内層にチップ部品を内蔵した場合であっても反りや外層表面の凹みがない、あるいは抑制されたプリント配線板とすることができ、また、本発明の製造方法によれば、当該反りや凹みのないプリント配線板を容易に得ることができる。
本発明の実施の形態を、図1に示した4層プリント配線板の概略断面製造工程図を用いて説明する。尚、従来技術と同じ部位には、同じ符号を付すようにした。
まず、図1(a)に示したような、絶縁基板1の表裏に銅箔等の金属箔2が積層された両面金属箔張り積層板3を用意する。
ここで、当該絶縁基板1としては、例えばガラス繊維基材などの補強基材にエポキシ樹脂などの絶縁樹脂を含浸したものを硬化させたリジッドな絶縁基板が好適に用いられる。
次に、図1(b)に示したように、当該両面金属箔張り積層板3に対して回路形成(一般的なサブトラクティブ法)を行なうことによって、両面に所望の内層配線パターン4を形成し、次いで、内層配線パターン4の形成面に、後に実装されるチップ部品6の実装ラウンドとなる内層配線パターン4の一部を除いてソルダーレジスト5を形成し、両面コア基板1aを得る。
次に、図1(c)に示したように、はんだ7を介してチップ部品6を実装した後、図1(d)に示したように、当該チップ部品6に対応した開口部8bを有する絶縁接着シート(例えばプリプレグ8)と、絶縁基板1の片面に金属箔2が積層された片面金属箔張り積層板3aとを順次配置し、次いで、積層プレス加工を行なうことによって、図1(e)に示したように一体化形成する。
ここで、チップ部品6は、導電性接着剤や異方性導電接着剤(ACA、ACF)等を用いて実装することもできる。
また、当該片面金属箔張り積層板3aの絶縁基板1としては、チップ部品6を実装する両面コア基板1aに使用される絶縁基板1と同じ材質(例えば、ガラス繊維基材等の補強基材にエポキシ樹脂などの絶縁樹脂を含浸したものを硬化させたリジッドな絶縁基板)のものを用いることが、チップ部品6の実装密度の高いエリアの外層表面に凹みが発生するのをなくす上で好ましい。
次に、周知の方法により、外層配線パターン9を形成するとともに、配線パターン形成層間を接続するスルーホール11を形成することによって、内層にチップ部品6を内蔵した図1(f)に示される4層構造のプリント配線板Pを得る。
本実施の形態において最も注目すべき点は、チップ部品6の上面に積層される絶縁層8a(図1(d)参照)として、両面コア基板1aに使用される絶縁基板1と同じ材質からなるリジッドなものを積層した点である。
これにより、チップ部品6の実装密度の高いエリアの外層表面に発生する凹みをなくすことができる。
続いて、本発明のプリント配線板を3層構造とした場合について、図2を用いて説明する。尚、図1と同様の部位に関しては同じ符号を付すようにした。
まず、図2(a)に示したように、図1(a)と同じ両面金属箔張り積層板3に対して回路形成(一般的なサブトラクティブ法)を行なうことによって、内層側に所望の内層配線パターン4を形成し、次いで、内層配線パターン4の形成面に、後に実装されるチップ部品6の実装ラウンドとなる内層配線パターン4の一部を除いてソルダーレジスト5を形成して図2(b)に示したような両面コア基板1aを得る。
次に、図2(c)に示したように、はんだ7を介してチップ部品6を実装した後、図2(d)に示したように、当該チップ部品6に対応した開口部8bを有する絶縁接着シート(例えばプリプレグ8)と、絶縁基板1の片面に金属箔2が積層された片面金属箔張り積層板3aとを順次配置し、次いで、積層ブレス加工を行なうことによって、図2(e)に示したように一体化形成する。
ここで、当該片面金属張り積層板3aの絶縁基板1としては、チップ部品6を実装する両面コア基板1aに使用される絶縁基板1と同じ材質(例えば、ガラス繊維基材等の補強基材にエポキシ樹脂などの絶縁樹脂を含浸したものを硬化させたリジッドな絶縁基板)のものを用いることが、チップ部品6の実装密度の高いエリアの外層表面に凹みが発生するのをなくす上で好ましく、また、当該両面コア基板1aに使用される絶縁基板1と同じ厚さのものを用いることが反りを抑制する上で好ましい(内層配線パターン4の表裏に積層される絶縁層が対称構造となるため)。
更に、両面コア基板1aに使用される絶縁基板1と、片面金属箔張り積層板3aに使用される絶縁基板1は、なるべく薄いもの(例えば、0.1mm以下)を用いることが、後工程(例えば、後に得られる3層プリント配線板をコア基板としてビルドアップする場合等)において、反りの影響を受けにくくする上で好ましい。
次に、周知の方法により、外層配線パターン9を形成するとともに、配線パターン形成層間を接続するブラインドバイアホール10及びスルーホール11を形成することによって、内層にチップ部品6を内蔵した図2(f)に示される3層構造のプリント配線板Pを得る。
本発明を説明するにあたって、チップ部品6の上部に積層される絶縁層として、リジッドな絶縁基板1を積層する例を用いて説明したが、外層表面の平坦性の要求が、リジッドな絶縁基板1を積層するほど厳しくない場合には、Bステージ状態のプリプレグよりも柔軟性、樹脂フロー性の少ないローフロープリプレグ(「ローフロープリプレグ」とは、JIS規格C6521の試験方法による樹脂フローが1%以下のものをいい、通常のプリプレグ(従来技術や本発明の実施の形態におけるプリプレグ8に該当)の樹脂フローは、同試験において20〜40%程度である)を用いて、ある程度凹みや反りを抑制したプリント配線板とすることも可能である。
また、4層及び3層構造のプリント配線板を例にして説明したが、前述したように、当該プリント配線板をコア基板としたビルドアップ基板とするなど、必要に応じて構成を変更することももちろん可能である。
本発明のチップ部品を内蔵した4層構造のプリント配線板の製造方法を示す概略断面製造工程図。 本発明のチップ部品を内蔵した3層構造のプリント配線板の製造方法を示す概略断面工程説明図。 従来のチップ部品を内蔵した4層構造のプリント配線板の製造方法を示す概略断面工程説明図。 従来のチップ部品を内蔵したプリント配線板に生じる凹みを示す概略断面説明図。 従来のチップ部品を内蔵した3層構造のプリント配線板に生じる反りを示す概略断面説明図。
符号の説明
1:絶縁基板
1a:両面コア基板
2:金属箔
3:両面金属箔張り積層板
3a:片面金属箔張り積層板
4:内層配線パターン
5:ソルダーレジスト
6:チップ部品
7:はんだ
8:プリプレグ
8a:絶縁層
8b:開口部
9:外層配線パターン
10:ブラインドバイアホール
11,11a:スルーホール
12:耐薬品性樹脂
13:凹み
P、Pa:プリント配線板

Claims (4)

  1. 内層にチップ部品が内蔵されたプリント配線板であって、少なくとも当該チップ部品の上部に位置する絶縁層が、補強基材と絶縁樹脂からなるリジッドな絶縁基板、又はローフロープリプレグを積層したものからなることを特徴とするプリント配線板。
  2. 当該プリント配線板が3層構造からなり、当該チップ部品を実装した絶縁基板と、当該チップ部品の上部に位置する絶縁層とが同じ材質で、且つ同じ厚さとなっていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 内層にチップ部品が内蔵されたプリント配線板の製造方法において、少なくとも、絶縁基板に内層配線パターンを形成する工程と、当該内層配線パターンの所望の位置にチップ部品を実装する工程と、当該チップ部品に対応する開口部が形成された絶縁接着シートを介して内層配線パターン形成面に絶縁層と金属箔を順次積層する工程とを含み、且つ当該絶縁層として補強基材と絶縁樹脂からなるリジッドな絶縁基板、又はローフロープリプレグを用いることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  4. 当該プリント配線板が3層構造からなり、内層配線パターンを形成する工程に用いる絶縁基板と、当該絶縁接着シート上に積層する工程に用いる絶縁層とが同じ材質で、且つ同じ厚さのものであることを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板の製造方法。
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