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JP2006238300A - 無線通信装置およびそれを用いる無線通信システム - Google Patents

無線通信装置およびそれを用いる無線通信システム Download PDF

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JP2006238300A JP2005053126A JP2005053126A JP2006238300A JP 2006238300 A JP2006238300 A JP 2006238300A JP 2005053126 A JP2005053126 A JP 2005053126A JP 2005053126 A JP2005053126 A JP 2005053126A JP 2006238300 A JP2006238300 A JP 2006238300A
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Toshiaki Koizumi
豪章 小泉
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Abstract

【課題】 ワイヤレスセンサシステムなどの無線通信システムにおける中継端末として実現される無線通信装置において、端末の増設や通信経路の変更などに伴う端末のアドレス設定を親端末が自動で行うにあたって、親端末へのトラヒックを最小限にする。
【解決手段】 端末T11〜T1m;T21〜T2n;T3(Tという)が、中継端末T10,T20(T0という)を介してマルチホップ通信方式で、または直接的に、親端末1と通信を行う無線通信システムにおいて、端末Tがステップ1で仮アドレスを発生し、ステップ2で、その仮アドレスを送信元アドレスとしたアドレス要求信号を作成し、ブロードキャストまたはマルチキャストで送信する。中継端末T0は、親端末1の代理でそれに応答し、親端末1から正式アドレスを取得して端末Tへ転送し、応答確認信号が得られなかったら再送信する。したがって、親端末へのトラヒックを最小限にすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、中継端末として使用される無線通信装置およびそれに親端末と複数の端末とを備えて構成される無線通信システムに関し、特に親端末が端末のアドレスを自動的に付与するアドレス設定の方法に関する。
前記親端末と複数の端末とを備えて構成される通信システムは、たとえばビル内の監視装置などで実現される。その場合、温度や湿度などのセンサを搭載した多くの端末が分散して設置され、それらの端末からのデータを親端末が集約したり、該親端末を介して監視装置などの他の機器へその集約したデータを転送したり、該親端末や前記他の機器からの制御信号によって各端末を制御したりすることが、前記通信システムによって行われる。このような用途に用いられる通信システムには、テナントの入れ替わりやオフィスの模様替えなどに容易に対応することができ、また設置工事も容易な無線通信が好ましい。
そして、その多くの端末の設置時や、新たな端末の増設時には、各端末にアドレスを設定する必要がある。この作業は非常に面倒であり、また端末に直接アドレスを入力するディップスイッチのような入力手段を設けると部品点数も多くなるので、従来から、アドレスを自動設定することが行われている。
そのようなアドレス自動付与の技術は、たとえば本件出願人が、先に特許文献1で提案している。その未公開の技術によれば、端末は、予め定められる仮アドレスを送信元アドレスとして、親端末へアドレス要求信号を送信する。それを受信すると、親端末は、既に割当てたアドレスを記憶しているデータベースを検索し、未割当てのアドレスを抽出して、仮アドレスの端末に、正式アドレスを含むアドレス応答信号を返信する。こうして、重複のないアドレスが自動的に付与されている。
特願2004−276681号
上述の未公開の技術は、親端末と多くの端末から成る1:Nの通信システムである。したがって、各端末は直接親端末と通信して、その親端末でアドレス設定が正しく行われたかを判断しており、判断は容易で、またトラヒックは必要最小限のものとなる。
しかしながら、前述のように中継端末を順に介してパケットが送信されてゆく、いわゆるマルチホップ方式の通信システムでは、親端末で、中継端末と端末との間の通信がうまくいっているかを判断することは難しく、またどこかで通信エラーが生じると、総ての経路で通信をやり直さなければならず、アドレス設定のトラヒックが増大してしまう。
本発明の目的は、親端末と端末とが中継端末を介して通信を行うマルチホップ方式の無線通信システムにおいて、端末に自動的にアドレス付与を行うにあたって、親端末へのトラヒックを削減することができる無線通信装置およびそれを用いる無線通信システムを提供することである。
本発明の無線通信装置によれば、ワイヤレスセンサシステムなどの無線通信システムにおける中継端末として実現される無線通信装置において、端末の増設や通信経路の変更などに伴う端末のアドレス設定を自動で行うにあたって、端末が予め定められるまたは任意に発生した仮アドレスで、親端末に正式なアドレスの付与を求めるアドレス要求信号を送信すると、中継端末となる本発明の無線通信装置における信号処理部は、それを親端末に転送し、また親端末から受信した正式アドレスを含むアドレス応答信号を端末に転送するように、通常の転送と同様に、送信先アドレスや送信元アドレスの書換えを行う代理アドレス要求機能および代理アドレス応答機能を備える。
一方、親端末が端末に直接アドレス付与を行う場合、通常、親端末は、正式アドレスの付与による端末からの応答確認信号を受信するまで前記アドレス応答信号を再送信することになるが、本発明の無線通信装置における信号処理部は、代理応答確認機能によって、先ず付与された正式アドレスを含むアドレス応答転送信号を端末に転送すると、親端末に代理応答確認信号を送信して前記正式アドレスを決定させ、親端末との間で、それ以降の通信が発生しないようにする。次に、端末との間では、前記アドレス応答転送信号を転送してから、正式アドレスの付与によって端末から送信される応答確認信号を受信するまで、前記アドレス応答転送信号を再送信する。
したがって、端末で正式アドレスを含むアドレス応答転送信号が正しく受信できなかったり、端末からの応答確認信号を中継端末が正しく受信できなかったりしても、再送信は中継端末となる該無線通信装置と端末との間で行われるので、親端末へのトラヒックを最小限にすることができる。
また、本発明の無線通信装置によれば、端末から正式アドレスを付与したことに対する応答確認信号を受信する前に、代理応答確認機能が親端末に代理応答確認信号を送信して正式アドレスを決定させているので、前記アドレス応答転送信号の予め定める回数の再送信によっても端末からの応答確認信号を受信できず、実際に正式アドレスを設定できているかどうか分からない場合に、要求取消し機能が、親端末に取消し信号を送信し、付与した正式アドレスを開放させる。したがって、アドレス資源を有効に使用することができる。
さらにまた、本発明の無線通信システムによれば、前記の無線通信装置を中継端末として備えるとともに、親端末および複数の端末を備えて成るマルチホップ通信方式の無線通信システムを構築する。したがって、アドレス自動設定時の親端末へのトラヒックを最小限にすることができるマルチホップ通信方式の無線通信システムを実現することができる。
また、本発明の無線通信システムによれば、前記のマルチホップ通信方式の無線通信システムにおいて、中継端末の代理アドレス要求機能は、アドレス要求転送信号に添付すべき仮アドレスの代りに、前記仮アドレスよりもデータ長の短い任意の管理番号を添付し、親端末は、アドレス要求にその管理番号を受信すると正式アドレスを付与するように構成されており、中継端末の代理アドレス要求機能は、親端末から付与された正式アドレスを含むアドレス応答信号を受信すると、送信先アドレスを前記管理番号に対応した仮アドレスに書換えて前記アドレス応答転送信号を作成する。
したがって、親端末との間で、前記管理番号に対して正式アドレスを付与することを予め定めておくことで、親端末と中継端末との間のアドレス要求転送信号およびアドレス応答信号のデータ長を短くして、一層トラヒックを削減することができる。
さらにまた、本発明の無線通信システムによれば、中継端末は、アドレス要求異常通知機能を備え、仮アドレスが同一の複数のアドレス要求信号を受信したときに、当該アドレス要求信号が受け入れなかったことを示すアドレス設定エラー信号をブロードキャストまたはマルチキャストの同報通信で送信する。
したがって、端末がアドレス要求信号を送信した後、前記アドレス設定エラー信号を受信すれば、先のアドレス要求が受け入れなかったことを認識することができ、直ちに再要求の処理に移り、確実に正式アドレスを取得することができる。
また、本発明の無線通信システムによれば、端末の信号処理部は、起動からの時間を計測し、前記アドレス要求信号に、その計測した経過時間データを添付して送信しており、中継端末の代理アドレス応答機能は、複数のアドレス要求信号を衝突せずに受信したときに、親端末から受信したアドレス応答信号を、前記経過時間データに対応した時間だけずらして、前記アドレス応答転送信号を送信する。
したがって、複数のアドレス要求信号をほぼ同時に受信しても、それぞれの端末へのアドレス応答転送信号が衝突する可能性は低くなり、正式アドレスを確実に設定することができる。
本発明の無線通信装置および無線通信システムによれば、ワイヤレスセンサシステムなどの無線通信システムにおける中継端末として実現される無線通信装置において、端末の増設や通信経路の変更などに伴う端末のアドレス設定を自動で行うにあたって、端末からのアドレス要求信号および親端末からのアドレス応答信号を通常の転送と同様にそれぞれ転送するとともに、アドレス応答転送信号を端末に転送すると、親端末に代理応答確認信号を送信して正式アドレスを決定させて親端末との間でそれ以降の通信が発生しないようにし、また前記アドレス応答転送信号を転送してから、正式アドレスの付与によって端末から送信される応答確認信号を受信するまで、端末へは前記アドレス応答転送信号を再送信する。
それゆえ、端末で正式アドレスを含むアドレス応答転送信号が正しく受信できなかったり、端末からの応答確認信号を正しく受信できなかったりしても、再送信は中継端末となる該無線通信装置と端末との間で行われるので、親端末へのトラヒックを最小限にすることができる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の第1の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。この図1の例では、3つのグループの端末T11,T12,・・・,T1m;T21,・・・,T2n;T3(総称するときは、以下参照符号Tで示す)が、中継端末T10,T20(総称するときは、以下参照符号T0で示す)を介してマルチホップ通信方式で、または直接的に、親端末1と通信を行う。本発明では、システムが新規に設置、あるいは端末Tの増設や変更時に、各端末Tは親端末1にアドレス要求信号を送信し、自動的に正式アドレスを割当ててもらうようになっている。以下に、図2も参照して、その設定手順を説明する。図1において、○内の数字は、ステップ番号を表す。
親端末1は、既に割当てたアドレスを記憶しているデータベース1aを備えており、新たなアドレスを割当てるにあたって、このデータベース1aを参照することで、アドレスの重複がないように管理している。アドレス設定は、初回の電源投入時や、予め定める設定スイッチなどの操作によって端末Tが設定モードとなって開始され、端末Tは、ステップ1で、予め定める仮アドレスを発生する。前記仮アドレスには、最大アドレスなどの予め定められるアドレス、または乱数によって発生された任意のアドレスの内、何れが用いられてもよい。
端末Tは、ステップ2で、その仮アドレスを送信元アドレスとし、予め記憶している親端末1のアドレスを送信先アドレスとして、図3(a)で示すようなパケットフォーマットのアドレス要求信号を作成し、親端末1または中継端末T0へ(以下、図2の中継端末T0を介する例で説明する)、ブロードキャストまたはマルチキャストで送信する。
前記アドレス要求信号を受信した中継端末T0は、ステップ3で、親端末1のアドレスを送信先アドレスとし、送信元アドレスを自機のアドレスに書換え、内容データに前記仮アドレスを格納した図3(b)で示すようなパケットフォーマットのアドレス要求転送信号を作成し、親端末1へ送信する。
これに応答して、親端末1は、ステップ4で、データベース1aを参照して、空きアドレスの中から新たに付与すべき正式アドレスを決定する処理を行い、ステップ5で、送信先アドレスを中継端末T0のアドレスとし、送信元アドレスを自機のアドレスとし、内容データに前記仮アドレスと正式アドレスとを格納した図3(c)で示すようなパケットフォーマットのアドレス応答信号を作成し、要求のあった中継端末T0へ送信する。
前記アドレス応答信号を受信した中継端末T0は、ステップ6で、送信先アドレスを仮アドレスに書換え、送信元アドレスを自機のアドレスに書換え、内容データに前記正式アドレスを格納した図3(d)で示すようなパケットフォーマットのアドレス応答転送信号を作成し、端末Tへ送信する。またこのとき、中継端末T0は、ステップ5’で、送信先アドレスを親端末1のアドレスとし、送信元アドレスを自機のアドレスとする図3(e)で示すようなパケットフォーマットの代理応答確認信号を作成し、親端末1へ送信する。
ステップ6で前記アドレス応答転送信号を受信した端末Tは、ステップ7で正式アドレスの受信処理を行い、ステップ8で受信したアドレスを正式アドレスに決定した後、ステップ9で、送信先アドレスを親端末1のアドレスとし、送信元アドレスを仮アドレスとする図3(f)で示すようなパケットフォーマットの応答確認信号を作成し、中継端末T0へ返信する。この応答確認信号が中継端末T0で所定期間W1内で受信されれば、設定動作を終了する。以降は、その正式アドレスを用いて、端末Tは、中継端末T0を介して、親端末1へ制御要求を発生したり、センサ検知結果を送信したり、親端末1からの呼出し要求に応じたりする。なお、前記応答確認信号は、送信先アドレスを中継端末T0のアドレスとし、送信元アドレスを正式アドレスとしてもよい。
所定期間W1内で応答確認信号が受信されないとき、図2において仮想線で示すように、中継端末T0は、ステップ6’で前記アドレス応答転送信号を再送信し、ステップ9’で応答確認信号が受信されるのを待機する。同様の再送信を繰返し行って所定期間W2内で応答確認信号が受信されないとき、中継端末T0は、ステップ10で、図3(g)で示すようなパケットフォーマットの取消し信号を作成して親端末1へ送信し、割当てられた正式アドレスを開放させる。
図4は、親端末1の機能的構成を示すブロック図である。親端末1は、無線通信部11と、信号処理部12と、アドレス処理部13と、アドレス記憶部14とを備えて構成される。この親端末1は、監視装置などの他の機器に接続され、或いは前記他の機器に内蔵されており、端末T,T0からのデータを集約して前記他の機器へ転送したり、前記他の機器からの制御信号によって各端末T,T0を制御したりする。
無線通信部11は、端末T,T0と無線通信可能であり、信号処理部12からのベースバンド信号を無線信号に変換し、また受信された無線信号を前記ベースバンド信号に変換して信号処理部12へ出力する無線信号処理部15と、端末T,T0との間で、前記無線信号を送受信するアンテナ16とを備えて構成される。信号処理部12は、アドレス処理部13で処理されたデータ情報を通信パケット形式に組立てを行って無線信号処理部15へ出力するとともに、無線信号処理部15で受信された通信パケットからデータ情報を再生する。アドレス処理部13は、アドレス記憶部14のアドレス情報を元に適切な処理を行い、前記正式アドレスの生成処理を行う。アドレス記憶部14は、データベース1aから成り、既に各端末T,T0に割当てている正式アドレスを記憶している。
図5は、端末T,T0の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態では、端末Tと中継端末T0とを同一の構成として、コストの低減だけでなく、たとえば当初は端末Tとして設置され、後にその下流側にさらに他の端末Tが設置されて、中継端末T0として機能するような場合にも対応可能としている。端末T,T0は、無線通信部21と、信号処理部22と、仮アドレス発生部23と、アドレス記憶部24と、通信経路記憶部25と、通信経路処理部26とを備えて構成される。この端末T,T0には、特に末端の端末Tの場合に、図示しない温度や湿度などのセンサ、或いは図示しない各種の負荷機器が接続されており、該端末T,T0は、前記センサに予め定める周期でセンシングを行わせ、そのセンシング結果を親端末1に、予め定める周期で、または親端末1からのポーリングに応答して送信したり、親端末1からの制御信号に応答して、前記負荷機器の制御などを行う。
無線通信部21は、親端末1または中継端末T0と通信可能であり、信号処理部22からのベースバンド信号を無線信号に変換し、また受信された無線信号を前記ベースバンド信号に変換して信号処理部22へ出力する無線信号処理部27と、親端末1または中継端末T0との間で、前記無線信号を送受信するアンテナ28とを備えて構成される。
信号処理部22は、前記センサのセンシング結果、仮アドレス発生部23で処理されたデータ情報、或いは無線信号処理部27で受信されたデータ情報などを、たとえば前述の図3で示すような通信パケット形式に組立てを行って無線信号処理部27へ出力し、また無線信号処理部27で受信された通信パケットからデータ情報を再生し、必要に応じて前記センサや負荷機器を制御するとともに、アドレス記憶部24のアドレス情報を元に適切な処理を行い、アドレス処理する。
仮アドレス発生部23は、アドレス要求時の仮アドレスを発生するものであり、前述のように予め定める最大アドレスなどを記憶していたり、乱数によって任意のアドレスを発生する回路などから成る。アドレス記憶部24は、予め定められる親端末1のアドレスおよび自機の正式アドレスを少なくとも記憶している。通信経路処理部26は、受信した通信パケットの送信先アドレスおよび/または送信元アドレスから、通信経路記憶部25に記憶されている経路選択情報に基づいて、適切な通信経路を選択する経路情報処理を行い、信号処理された(適宜アドレスが書換えられた)パケットを作成する。
上述のように構成される端末T,T0において、以下に、先ず端末Tとして機能し、親端末1と直接の通信によって(図1では端末T3に対応)正式アドレスが付与される場合の動作について説明する。
図示しないスイッチの操作や電源投入などに応答して、信号処理部22は、アドレス記憶部24を確認し、自機に正式なアドレスが割振られていないかどうかを確認し、正式なアドレスが割振られていなければ、アドレス要求送信処理を開始する。正式なアドレスが割振られていても、故意にアドレスを変更したい場合は、アドレス要求送信処理を行うようにしてもよい。
アドレス要求送信処理では、信号処理部22は、先ず仮アドレス発生部23に仮アドレスを生成させ、その仮アドレスとアドレス記憶部24に記憶されている親端末1のアドレスとを通信パケットに組立てて、アドレス要求信号として無線通信部21へ与える。ここで、組立てられる通信パケットは、図3(a)で示すとおりである。図5の例では、アドレス記憶部24に親端末1のアドレスが既知であり、そのアドレスが送信先アドレスとして格納され、前記仮アドレスが送信元アドレスとして格納され、内容データにアドレス要求信号であることが示され(フラグなど)、その既知のアドレスの親端末1へユニキャスト送信される。これに対して、親端末1のアドレスが未知の場合、前記送信先アドレスに総ての装置を指定するブロードキャストパケットまたはマルチキャストパケットで送信が行われる。
アドレス要求信号を受信した親端末1は、無線通信部11を介して信号処理部12で受信信号を受け、アドレス要求受信処理によって、アドレス要求信号であることを認識すると、アドレス処理部13が正式アドレス生成処理によって、アドレス記憶部14のデータベースを検索し、未割当てのアドレスを信号処理部12に返信する。これに応答して信号処理部12は、アドレス応答送信処理によって、アドレス応答であることを表す情報(フラグなど)に、その未割当てのアドレス情報を図3(c)で示すように通信パケットに組込み、アドレス応答信号として、無線通信部11から、要求のあった端末Tへ送信する。
アドレス応答信号を受けた端末Tでは、信号処理部22は、アドレス応答受信処理によって、通信パケットに組込まれているアドレス情報を、自機の正式アドレスとしてアドレス記憶部24に一時格納する。その格納したことを親端末1に知らせるために、信号処理部22は、応答確認送信処理によって、図3(f)で示すように、応答確認情報(フラグなど)を組込んだ通信パケットを組立て、応答確認信号として親端末1に返信する。その後、端末Tは一定時間待機し、同一のアドレスでの応答がなければ、正式アドレス決定処理によって、そのアドレスを正式に確定する。アドレス応答があれば、再度アドレス要求を送出する。
前記応答確認信号を受けた親端末1は、応答確認処理によって、先に送信したアドレスを割当て済みアドレスとしてデータベースの変更を行う。ただし、応答確認信号の通信パケットが届かなかった場合、親端末1は、一定の時間後、アドレス応答を再度試みる。同じアドレス応答を受けた端末Tは、再度応答確認を行う。このような動作を繰返すことによって、無線通信の品質が不安定な状態でも、各端末Tに個別の正式アドレスを正しく割当てることが可能となる。親端末1は、上述のように正式アドレスを確定すると、さらに端末Tへ応答信号を返信する確認処理を行ってもよい。
なお、前記仮アドレスは任意に発生されたものである場合、既に他の端末で正式アドレスとして使用されている可能性もあるが、その仮アドレスを正式アドレスとしている端末があっても、自機が親端末1へアドレス要求信号を発生していない場合は、信号処理部12は、親端末1からの正式アドレスの返信を無視して取込まず、問題はない。
これに対して、中継端末T0として機能している状態で、他の端末Tからのアドレス要求信号を受信した場合の動作を説明する。親端末1および端末Tの動作は、上述と変化はないが、前述のように、端末Tでは、受信するアドレス応答信号がアドレス応答転送信号に変化し、親端末1では、受信するアドレス要求信号および応答確認信号がそれぞれアドレス要求転送信号および代理応答確認信号に変化するだけである。
中継端末T0では、無線通信部21で他の端末Tからのアドレス要求信号を受信すると、通信経路処理部26が通信経路を判断し、信号処理部22は、代理アドレス要求受信処理によって、その通信経路に対応して、図3(a)で示すパケットから図3(b)で示すパケットを組立て、アドレス要求転送信号として無線通信部21から親端末1へ通常のユニキャスト通信で送信する。
そのアドレス要求転送信号を受信した親端末1から、無線通信部21で図3(c)で示すアドレス応答信号を受信すると、信号処理部22は、代理アドレス応答送信処理によって、図3(d)で示すパケットを組立て、アドレス応答転送信号として無線通信部21へ与える。また、信号処理部22は、代理応答確認送信処理によって、図3(e)で示すパケットを組立て、代理応答確認信号として無線通信部21へ与える。そして、端末Tから所定期間W2内で応答確認信号が受信されないとき、信号処理部22は、取消し送信処理によって、図3(g)で示すような取消し信号を作成して無線通信部21へ与える。
図6は端末1,T,T0の通常送信時の基本動作を説明するためのフローチャートであり、図7は端末1,T,T0の通常受信時の基本動作を説明するためのフローチャートである。端末1,T,T0は、定常状態では図7の受信動作を繰返しており、送信すべきパケットが発生して図6の送信動作を終了すると、或いは送信したパケットに対する応答を受信すべきときは図7の受信動作に移り、図7の受信動作によって送信すべきパケットが発生したときには図6で示す送信動作に移る。
図6では、ステップP1で送信モードとなると、ステップP2で送信タイマをスタートさせ、ステップP3ではそのカウント値が予め定められた送信期間以内であるか否かが判断され、送信期間を経過していないときにはステップP4に移ってキャリアセンスを行い、他の端末からのキャリアが検出されているときにはステップP3に戻る。したがって、ステップP3において送信期間を経過したときには、前記送信期間内で通信可能にならず、ステップP5で送信失敗として処理を終了する。ステップP4で他の端末からのキャリアが検出されていないときにはステップP6に移り、送信すべきパケットの送信処理を行い、ステップP7で完了すると、ステップP1に戻る。
図7では、ステップP11で受信モードとなり、ステップP12でタイマをクリアして受信タイマとしてスタートさせ、ステップP13ではそのカウント値が予め定められた受信期間以内であるか否かが判断され、受信期間を経過していないときにはステップP14に移る。ステップP14ではキャリアセンスを行い、他の端末からのキャリアが検出されていないときには、ステップP15でさらにビット同期を行い、同期が取れるとステップP16で自機宛のパケットであるか否かが判断され、自機宛であるときにはステップP17で受信は正常に終了したと判断して、ステップP18で完了すると、ステップP11に戻る。
これに対して、ステップP14で他の端末からのキャリアが検出されなかったとき、ステップP15でビット同期が取れなかったとき、またはステップP16で自機宛のパケットでなかったときはステップP11に戻って受信モードを継続し、ステップP13で規定の受信期間を経過したときにはステップP19に移り、受信は行えなかったと判断する。なお、ステップP12,P13は、データリンクレベルでの受信が必要なパケットが有る場合に処理が行われ、無い場合はステップP11からステップP14に移る。
図8は、端末Tのアドレス要求時の信号処理部22の動作を説明するためのフローチャートである。前記設定スイッチの操作などによってステップS1でアドレス要求の割込みが発生すると、ステップS2で仮アドレス発生部23に乱数を発生させ、その乱数を用いてステップS3で、図3(a)で示すようなアドレス要求信号のパケットが組立てられる。
前記アドレス要求信号が作成されると、ステップS4で前記送信モードとなり、ステップS5で前記所定の送信期間内にキャリアセンスによって送信可能となり、送信できたか否かが判断され、送信できなかった場合はステップS6でアドレス要求は失敗と判断して、ステップS1に戻る。これに対して、ステップS5で送信できるとステップS7で送信完了と判断し、ステップS8で受信モードに切換わる。
そして、ステップS9で、図3(c)で示すアドレス応答信号または図3(d)で示すアドレス応答転送信号が受信できたか否かが判断され、受信できなかったときはステップS10で予め定める受信期間が経過していないかが判断され、経過していないときにはステップS9に戻り、経過しているときにはステップS11で、それらの信号の受信は失敗と判断して、ステップS1に戻る。
一方、ステップS9でアドレス応答信号またはアドレス応答転送信号が受信できたときにはステップS12に移り、それらの信号の受信は成功と判断して、ステップS13で送信モードに切換わり、図3(f)で示す応答確認信号の送信処理を開始する。ステップS14では、所定の送信期間内にキャリアセンスによって送信可能となり、送信できたか否かが判断され、送信できなかった場合はステップS15で予め定める送信期間が経過していないかが判断され、経過していないときにはステップS14に戻り、経過しているときにはステップS16で、応答確認信号の送信は失敗と判断して処理を終了する。
また、ステップS14で応答確認信号が送信できた場合は、ステップS17で送信成功と判断し、ステップS18で正式アドレス決定処理を開始して、アドレス記憶部24に記憶されている自機のアドレスを仮アドレスから受信した正式アドレスに書換え、ステップS19で正式アドレス決定処理を完了と判断して処理を終了する。
図9は、親端末1のアドレス要求の受信時における信号処理部12の動作を説明するためのフローチャートである。受信モードにおいて、アドレス要求信号またはアドレス要求転送を受信すると、ステップS31で割込みが発生してアドレス要求受信処理を開始し、ステップS32で正しく受信されたか否かが判断され、受信できなかった場合はステップS33でアドレス要求信号の受信は失敗と判断して処理を終了する。
一方、ステップS32でアドレス要求信号が正しく受信されると、ステップS34で受信成功と判断し、ステップS35でアドレス応答送信処理を開始し、アドレス処理部13がアドレス記憶部14を参照し、空きアドレスを検索する。図3(c)で示すようなアドレス応答信号のパケットの組立てが終了すると、ステップS37で送信モードに切換わる。ステップS38では、所定の送信期間内にキャリアセンスによって送信可能となり、送信できたか否かが判断され、送信できなかった場合はステップS39でアドレス応答信号の送信は失敗と判断して処理を終了する。ステップS38でアドレス応答信号が送信できた場合は、ステップS40で送信成功と判断し、ステップS41で応答確認受信処理を開始して、受信モードとなる。
ステップS42では、応答確認信号または代理応答確認信号が正しく受信されたか否かが判断され、受信できなかった場合はステップS43で受信は失敗と判断して処理を終了し、正しく受信されるとステップS44で受信成功と判断し、さらにステップS45で受信モードを継続して取消し信号の受信処理を開始する。
ステップS46では、前記取消し信号が受信されたか否かが判断され、受信できなかった場合はステップS47で予め定める受信期間が経過していないかが判断され、経過していないときにはステップS46に戻り、経過しているときにはステップS48で正式アドレスを決定して処理を終了する。これに対して、ステップS46で取消し信号が受信されるとステップS49に移り、一旦割当てた正式アドレスを開放する取消し処理を行って、処理を終了する。
図10は、中継端末T0のアドレス要求時の信号処理部22の動作を説明するためのフローチャートである。受信モードにおいて、アドレス要求信号を受信すると、ステップQ1で割込みが発生して代理アドレス要求受信処理を開始し、ステップQ2で正しく受信されたか否かが判断され、受信できなかった場合はステップQ3でアドレス要求信号の受信は失敗と判断して処理を終了する。ステップQ2でアドレス要求信号が受信されると、ステップQ4で受信は成功と判断し、ステップQ6で送信モードに切換わり、重複が生じない状態で図3(b)で示すようなアドレス応答転送信号のパケットの組立てが終了すると、ステップQ7で所定の送信期間内に送信できたか否かが判断され、送信できなかった場合はステップQ8でアドレス要求転送信号の送信は失敗と判断して処理を終了する。ステップQ7でアドレス要求転送信号が送信できた場合は、ステップQ9で送信成功と判断し、ステップQ10で代理アドレス応答送信処理を開始して、受信モードとなる。
ステップQ11ではアドレス応答信号が受信できたか否かが判断され、受信できなかったときはステップQ12でアドレス応答信号の受信は失敗と判断して、処理を終了する。ステップQ11でアドレス応答信号が受信できたときにはステップQ13に移り、それらの信号の受信は成功と判断して、ステップQ14で代理応答確認送信処理も開始して、送信モードに切換わり、図3(e)で示す代理応答確認信号の送信処理を開始する。
ステップQ15では、所定の送信期間内に送信できたか否かが判断され、送信できなかった場合はステップQ16で、代理応答確認信号の送信は失敗と判断して処理を終了する。一方、ステップQ15で代理応答確認信号が送信できた場合には、送信モードを継続してステップQ17に移り、図3(d)で示すアドレス応答転送信号の送信処理を開始する。ステップQ18では、所定の送信期間内に送信できたか否かが判断され、送信できなかった場合はステップQ19でアドレス応答転送信号の送信は失敗と判断して処理を終了する。
これに対して、ステップQ18でアドレス応答転送信号が送信できた場合は、ステップQ20で送信成功と判断し、ステップQ21で前記代理応答確認送信処理によって、応答確認信号の受信モードとなる。ステップQ22では、所定期間W1内で受信できたか否かが判断され、受信できたときにはステップQ23で受信は成功と判断して、処理を終了する。一方、ステップQ22で応答確認信号が受信できなかったときはステップQ24に移り、所定期間W2の受信期間が経過したか否かが判断され、経過していないときにはステップQ22に戻って応答確認信号が再送信されるのを待機し、経過するとステップQ25に移って、前記応答確認信号の受信は失敗と判断する。
続いて、ステップQ26では取消し処理を開始して送信モードとなり、ステップQ27では所定の送信期間内に送信できたか否かが判断され、送信できなかった場合はステップQ26に戻って処理を繰返し、送信できた場合はステップQ28で送信は成功と判断して処理を終了する。
このように構成することで、マルチホップ通信方式の無線通信システムにおいて、中継端末T0が親端末1に代わって一部の応答代行処理を行うことで、端末Tで正式アドレスを含むアドレス応答転送信号が正しく受信できなかったり、端末Tからの応答確認信号を中継端末T0が正しく受信できなかったりしても、再送信は中継端末T0と端末Tとの間で行われるので、親端末1へのトラヒックを最小限にすることができる。また、通信が不安定になる可能性のある前記マルチホップ通信方式の無線通信システムにおいて、中継端末T0は端末Tとの間でアドレス応答転送および応答確認を繰返し行うことで、端末Tに、速やかに、かつ確実にアドレス設定を行うことができる。
さらにまた、中継端末T0は、端末Tから正式アドレスを付与したことに対する応答確認信号を受信する前に、親端末1に代理応答確認信号を送信して正式アドレスを決定させているので、前記アドレス応答転送信号の予め定める回数の再送信によっても端末からの応答確認信号を受信できず、実際に正式アドレスを設定できているかどうか分からない場合に、親端末1に取消し信号を送信し、付与した正式アドレスを開放させるので、アドレス資源を有効に使用することができる。
[実施の形態2]
図11は、本発明の実施の第2の形態に係る無線通信システムにおける通信パケットのデータ形式を示す図である。本実施の形態で使用する無線通信装置には、前述の図4や図5で示す構成を用いることができ、信号処理部12,22が管理する仮アドレスのデータ形式が異なるだけである。この図11(a)〜(g)で示す各信号は、前述の図3(a)〜(g)で示す信号にそれぞれ対応しており、各信号の機能に対する説明は省略する。
注目すべきは、本実施の形態では、図11(a)で示すアドレス要求信号において、仮アドレスの格納先が図3(a)と異なり、内容データに格納されることである。具体的には、端末Tの信号処理部22のアドレス要求送信処理では、送信元アドレスには仮アドレス設定中を示す仮アドレス設定コードを格納し、代りに仮アドレス発生部23で発生された仮アドレスを、内容データ部において、アドレス要求信号であることを表すコード(フラグなど)に続いて格納する。同様に、端末Tの応答確認送信処理では、図11(f)で示すように、送信元アドレスには前記仮アドレス設定コードを格納し、内容データ部には、応答確認信号であることを表すコードに続いて、仮アドレスが格納される。
また、アドレスが確定している中継端末T0から親端末1へのアドレス要求転送信号には、図11(b)で示すように、その仮アドレスを中継端末T0で読替え、仮アドレスよりもデータ長の短い任意の管理番号が送信される。このため、中継端末T0の信号処理部22の代理アドレス要求受信処理では、仮アドレスと自身の生成した管理番号との対応表を持つ。
そして、親端末1のアドレス応答送信処理では、図11(c)で示すように、管理番号に正式アドレスを添付したアドレス応答信号が返信される。中継端末T0は、代理アドレス応答送信処理で、このアドレス応答信号の管理番号を読替えて、図11(d)で示すアドレス応答転送信号を端末Tへ送信する。
また、中継端末T0の信号処理部22の代理応答確認送信処理および取消し送信処理では、それぞれ図11(e)および図11(g)で示す代理応答確認信号および取消し信号を作成し、送信する。
このように構成することで、端末Tと中継端末T0との間のアドレス要求信号およびアドレス応答転送信号のデータ長を短くして、乱数によって発生される仮アドレスが複数の端末間で重複することを防止することができる。また、中継端末T0と親端末1との間では、仮アドレスよりも短いデータ長の管理番号で仮アドレスを管理するので、一層トラヒックを削減することができる。
[実施の形態3]
図12は、本発明の実施の第3の形態に係る無線通信システムにおける端末T’,T0’の機能的構成を示すブロック図である。これらの端末T’,T0’は、前述の図5で示す端末T,T0に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、これらの端末T’,T0’では、信号処理部22aは、アドレス要求異常通知処理によって、アドレス要求信号がうまく受信できなかったときに、当該アドレス要求信号が受け入れなかったことを示すアドレス設定エラー信号をブロードキャストまたはマルチキャストで送信することである。このため、端末T’,T0’は、通信経路処理部26で仮アドレスと判定されると、それを一時格納する仮アドレス管理テーブル29を備えている。
図13および図14は、本実施の形態のアドレス付与動作を説明するための図である。これらの動作は、前述の図2の動作に類似しており、異なる点について説明する。図13では、複数の端末Tが同じ中継端末T0に対してほぼ同時にアドレス要求を発生してアドレス要求パケットが衝突している例である。中継端末T0’が、応答処理が終わるまでに複数の仮アドレスを受けたり、アドレス要求部まで正しく受信し、その後のデータが壊れていても同様である。親端末1および端末T,T0;T’,T0’は、前述のようにキャリアセンスによって、他の端末からのキャリアが検出されないときに送信を開始するようになっているが、図13で示す状況は、互いの発振したキャリアを検出できない隠れ端末の関係にあるときに、それらの端末の両方と通信可能な端末で生じる。
一方、図14の例は、衝突はしていないけれども複数の端末Tで同一の仮アドレスが使用されている例である。このような状況は、仮アドレス管理テーブル29に記憶されている先に受信された仮アドレスと、後に受信された仮アドレスとを比較することで判定することができる。
このような状況になると、信号処理部22aは、アドレス要求異常通知処理によって、アドレス要求信号がうまく受け入れられなかったことを示す前記アドレス設定エラー信号を、たとえば前述の仮アドレスコード宛にマルチキャスト送信することで他の中継端末へ中継されなくすることができる。前述のアドレス設定エラー信号を受信した端末T0’は、新たな仮アドレスを発生し、再送信する。
そして、その再送信にあたって、端末T0’の信号処理部のアドレス要求送信処理では、タイマによって起動からの時間を計測しており、前記アドレス要求信号の内容データの部分に、その計測した経過時間データを添付して、その経過時間に対応した時間T11,T21だけずれて再送信する。これを受信した中継端末T0’の代理アドレス応答処理で親端末1から受信したアドレス応答信号を、前記経過時間データに対応した時間T12,T22だけずらして、前記アドレス応答転送信号を送信する。
図15は、アドレス要求の重複判定処理を詳しく説明するためのフローチャートである。この動作は、中継端末T0’において、前述の図9のステップS35〜S37間で行われる。先ずステップS51で、アドレス要求信号中の送信元アドレスである仮アドレスが仮アドレス管理テーブル29に格納され、ステップS52ではアドレス応答信号のパケットの組立てが終了して、アドレス応答の準備ができたか否かが判断され、準備ができているとステップS37に移ってアドレス応答信号が送信される。
一方、ステップS52でアドレス応答の準備ができていないときにはステップS53に移り、新たなアドレス要求が発生しているか否かが判断され、発生していないときにはステップS52に戻り、発生しているときにはステップS54に移る。ステップS54では、その新たに発生したアドレス要求の仮アドレスが仮アドレス管理テーブル29に格納されている、すなわち先に受信したアドレス要求信号と同じ仮アドレスであるか否かが判断され、同じ仮アドレスでないときにはステップS52に戻る。
これに対して、ステップS54で同じ仮アドレスであるときにはステップS55で不正要求と判断し、ステップS56でアドレス設定エラー送信処理を開始して送信モードとなる。ステップS57では、所定の送信期間内にキャリアセンスによって送信可能となり、送信できたか否かが判断され、送信できなかった場合はステップS58でアドレス設定エラー信号の送信は失敗と判断して処理を終了する。ステップS58でアドレス設定エラー信号が送信できた場合は、ステップS59で送信成功と判断し、ステップS60で仮アドレス管理テーブル29に格納されていた仮アドレスを破棄し、ステップS61でアドレス応答送信処理を中止する。
このように構成することで、端末T’がアドレス要求信号を送信した後、前記アドレス設定エラー信号を受信すれば、先のアドレス要求が受け入れなかったことを認識することができ、直ちに再要求の処理に移り、確実に正式アドレスを取得することができる。また、中継端末T0’が複数のアドレス要求信号をほぼ同時に受信しても、アドレス応答転送信号の送信タイミングを端末T’の起動からの経過時間に対応した時間T12,T22だけずらすことで、それらが衝突する可能性は低くなり、正式アドレスを確実に設定することができる。
本発明の実施の第1の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。 本発明の実施の第1の形態によるアドレス付与動作の通信フローを示す図である。 本発明の実施の第1の形態での通信パケットのパケットフォーマットを示す図である。 親端末の機能的構成を示すブロック図である。 端末および中継端末の機能的構成を示すブロック図である。 各端末の通常送信時の基本動作を説明するためのフローチャートである。 各端末の通常受信時の基本動作を説明するためのフローチャートである。 端末のアドレス要求時の動作を説明するためのフローチャートである。 親端末のアドレス要求の受信時の動作を説明するためのフローチャートである。 中継端末のアドレス要求時の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の第2の形態に係る無線通信システムにおける通信パケットのデータ形式を示す図である。 本発明の実施の第3の形態に係る無線通信システムにおける端末および中継端末の機能的構成を示すブロック図である。 本発明の実施の第3の形態のアドレス付与動作を説明するための図である。 本発明の実施の第3の形態のアドレス付与動作を説明するための図である。 本発明の実施の第3の形態によるアドレス要求の重複判定処理を詳しく説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 親端末
1a データベース
11 無線通信部
12 信号処理部
13 アドレス処理部
14 アドレス記憶部
15 無線信号処理部
16 アンテナ
21 無線通信部
22,22a 信号処理部
23 仮アドレス発生部
24 アドレス記憶部
25 通信経路記憶部
26 通信経路処理部
27 無線信号処理部
28 アンテナ
29 仮アドレス管理テーブル
T;T’;T11,T12,・・・,T1m;T21,・・・,T2n;T3 端末
T0;T0’T10,T20 中継端末

Claims (6)

  1. 端末と親端末との間に中継端末として介在される無線通信装置において、
    前記親端末のアドレスを記憶しているアドレス記憶部と、
    無線通信可能な無線通信部と、
    前記無線通信部で送受信される信号を処理する信号処理部とを含み、
    前記信号処理部は、
    前記無線通信部で端末からのアドレス要求信号を受信すると、前記アドレス記憶部を参照して、送信先アドレスを親端末のアドレスに設定するとともに、送信元アドレスを前記端末の仮アドレスから自機のアドレスに書換えたアドレス要求転送信号を前記無線通信部から親端末へ転送する代理アドレス要求機能と、
    前記親端末から付与された正式アドレスを含むアドレス応答信号を受信すると、送信先アドレスを自機のアドレスから前記端末の仮アドレスに書換えるとともに、送信元アドレスを親端末のアドレスから自機のアドレスに書換えたアドレス応答転送信号を端末へ転送する代理アドレス応答機能と、
    前記アドレス応答転送信号を転送すると前記親端末に代理応答確認信号を送信して前記正式アドレスを決定させるとともに、前記アドレス応答転送信号を転送してから、正式アドレスの付与による端末からの応答確認信号を受信するまで前記アドレス応答転送信号を再送信する代理応答確認機能とを備えて成ることを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記信号処理部は、前記アドレス応答転送信号の予め定める回数の再送信によっても、端末からの応答確認信号を受信できない場合は、前記親端末に、付与した正式アドレスを開放させる取消し信号を送信する要求取消し機能をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記請求項1または2記載の無線通信装置を中継端末として備えるとともに、親端末および複数の端末を備えて成り、通信パケットが中継端末を経由して転送されることを特徴とするマルチホップ通信方式の無線通信システム。
  4. 前記中継端末の代理アドレス要求機能は、前記仮アドレスに代えて、前記仮アドレスよりもデータ長の短い任意の管理番号を前記アドレス要求転送信号に添付して送信するとともに、前記仮アドレスと管理番号との対応関係を記憶しており、
    前記親端末は、前記管理番号に対して正式アドレスを付与し、
    前記中継端末の代理アドレス要求機能は、前記親端末から付与された正式アドレスを含むアドレス応答信号を受信すると、送信先アドレスを前記管理番号に対応した仮アドレスに書換えて前記アドレス応答転送信号を作成することを特徴とする請求項3記載の無線通信システム。
  5. 前記中継端末は、仮アドレスが同一の複数のアドレス要求信号を受信したときに、当該アドレス要求信号が受け入れなかったことを示すアドレス設定エラー信号をブロードキャストまたはマルチキャストで送信するアドレス要求異常通知機能を有することを特徴とする請求項3または4記載の無線通信システム。
  6. 前記端末の信号処理部は、起動からの時間を計測し、前記アドレス要求信号に、その計測した経過時間データを添付して送信するアドレス要求機能を有し、
    前記中継端末の代理アドレス応答機能は、複数のアドレス要求信号を受信したときに、前記アドレス応答転送信号を前記経過時間データに対応した時間だけずらして送信することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の無線通信システム。
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