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JP2006222826A - 通話機能付き携帯情報端末 - Google Patents

通話機能付き携帯情報端末 Download PDF

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JP2006222826A
JP2006222826A JP2005035492A JP2005035492A JP2006222826A JP 2006222826 A JP2006222826 A JP 2006222826A JP 2005035492 A JP2005035492 A JP 2005035492A JP 2005035492 A JP2005035492 A JP 2005035492A JP 2006222826 A JP2006222826 A JP 2006222826A
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motor drive
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JP2005035492A
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Kazuhiro Futamura
和広 二村
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】従来の通話機能付き携帯情報端末にユニバーサルデザインとしての機能を実装するのは難しかった。
【解決手段】着信時のユーザへの通知手段としてバイブレーション発生機能を有し、そのためにバイブレーション発生用のモータ(偏芯分銅モータ7)を具備する通話機能付き携帯情報端末において、偏芯分銅モータ7の駆動を通話相手の音声に連動させて開始及び停止の組み合わせにより行うと共にモータ駆動の開始及び停止の組み合わせを、音声振幅の音節的な短時間平均値と、動的な閾値にて決定するモータ駆動制御手段(音声信号処理部3、モータ制御信号作成部4、音節対数圧縮部5、モータ駆動制御部6等を含む手段)を備えている。
【選択図】 図1

Description


本発明は、携帯電話機、通話機能付きPDA等の通話機能付き携帯情報端末に関するものであり、特に、ユニバーサルデザインとしての機能を実装した通話機能付き携帯情報端末に関する。

(1) :従来例1の説明
(a) :従来例1の概要
従来例1の携帯電話機は、使用マナーの観点から、着信音やアラームを鳴らすのにそぐわない環境にいる場合、使用者への通知の代替方法としてバイブレーション機能を持つ。バイブレーションを起こす方法として、小型の直流モータと、その回転軸に偏芯分銅を固着させた、いわゆるバイブレータモータが用いられている。現在の携帯電話機はこのモータを標準装備しているといって良い。
音声の聴取やコミュニケーションにおいて、内容がほぼ想定できる場合は、その音声や語感は単音の強弱、そのリズムや振動だけでも伝えることができる。例えば、ベースなど楽器だけでしゃべりを物真似するなど。
音声の強弱を検出し、強弱をある閾値でもって判定し、モータをON/OFFさせ、音声と連動してモータを駆動する分野の技術者により容易に着想あるいは実現されているかもしれない。
(b) :モータの振動による本来の音声へのマスキングの説明
モータの回転数は、およそ8000rpmである。従って、133回転/秒であり、これはそのまま133HZ の振動となる。図13に良く知られているラウドネス曲線−等感度曲線を示す。図13によると、1KHZ に比べ133HZ ではおよそ4dBの差がある。つまり、133HZ は1KHZ に比べ4dB聞こえにくい。
133HZ はモータによる端末の振動数である。この振動はブーンという比較的大きな音であり、この振動は聞こえてしまうと本来の音声をマスキング効果により阻害するのに十分である。従って、音声と連動したモータによる振動は音声を聞こえにくくする。
(c) :音声(スピーチ)波形に連動するモータON/OFF制御の困難さの説明
図14に音声(スピーチ)波形の一例を示す。モータのON/OFFは、音声波形を包絡線検波し、ある閾値を用いてON/OFFする、ということが考えられる。しかし、リニアな波形を用いてのON/OFF判定は、まれな機会に比較的短い時間しかONする時間がない。またはONしている時間が長すぎて先述のマスキング効果を引き起こす。
(d) :十分な振動を得ることの困難さの説明
例えば、携帯電話のバイブレーション機能を持つモータには回転軸におよそ120mgの偏芯分銅が固着されている。これを定常状態でおよそ8000rpmで回転させることにより、携帯電話はマナーモードのためのバイブレーションを得ている。
(2) :従来例2の説明
以下、特許文献1を従来例2として説明する。従来例2の概要は、振動による情報伝達装置に関するものであり、体に触れる振動体の振動の振動数や振幅を変えることにより、種々のメッセージを伝達することができるというものである。
すなわち、音声の周波数や振幅を分析し、得られた周波数や振幅を所定の変換処理により変換し、変換処理後の周波数と振幅により振動体を振動する。これにより、振動体の振動を感じた者は、振動パターンからメッセージを理解することができ、振動により、情報を伝達することができるというものである。更に詳しくは、次の通りである。
情報の伝達手段として、聴覚、視覚、触覚のいずれかを利用して行われる方法が知られている。聴覚を利用する方法としては、電話の着信音、電話での会話、ポケットベルの着信音などがある。視覚を利用する方法としては、ポケットベルのメッセージ表示などがある。触覚を利用する方法としては、携帯電話や、ポケットベルの着信音の変わりに利用される振動がある。
振動を利用する場合は、単一のリズムの振動が利用されている。すなわち、携帯電話や、ポケットベルを会議中や、映画館で利用する場合、着信音は、他人の迷惑になるので、着信音の変わりに、振動体が単一のリズムで振動する。利用者は、振動があれば、他人に気づかれることなく、着信があったことを知ることができる。
従来においては、触覚を利用した振動による情報伝達は、もっぱら有り無しの確認のためにのみ用いられており、振動自身に、有り無し以上の情報を持たせていなかった。そこで、本発明は、触覚を利用した振動による情報伝達であっても、有り無し以上の固有の意味を持たせて情報を伝達することができる、振動による情報伝達装置を提供することを目的としている。
本発明は、音声情報を入力する手段と、入力された音声情報を音節ごとに分解すると共に、各音節における音に関する一次分析データを抽出し、それを記憶する手段と、記憶手段から読み出された一次分析データを修正された二次分析データに変換する手段と、周波数と振幅の少なくともいずれか一方が調整可能な振動発生手段を有し、該二次分析データを用いて振動発生手段を振動するようにしたことを特徴とする振動による情報伝達装置である。
これにより、振動発生手段を保持している者は、振動の強弱または、振動の周波数を肌で感じ、振動の有無だけでなく、固有の意味を受けることが可能となる。
特開平11−196497号公報

(1) :前記従来例1では次のように課題がある。
(a) :モータの振動による本来の音声へのマスキングの説明
バイブレーション発生用のモータの回転数は、およそ8000rpmである。従って、133回転/秒であり、これはそのまま133HZ の振動となる。図13に良く知られているラウドネス曲線−等感度曲線を示す。図13によると、1KHZ に比べ133HZ ではおよそ4dBの差がある。つまり133HZ は1KHZ に比べ4dB聞こえにくい。
133HZ はモータによる携帯電話機の振動数である。この振動はブーンという比較的大きな音であり、この振動は聞こえてしまうと本来の音声をマスキング効果により阻害するのに十分である。従って、音声と連動したバイブレーション発生用のモータによる振動は音声を聞こえにくくするといった課題がある。
(b) :音声(スピーチ)波形に連動するモータON/OFF制御の困難さの説明
図14に音声(スピーチ)波形の一例を示す。バイブレーション発生用のモータのON/OFFは、音声波形を包絡線検波し、ある閾値を用いてON/OFFする、ということが考えられる。しかし、リニアな波形を用いてのON/OFF判定は、まれな機会に比較的短い時間しかONする時間がないといった課題がある。またはONしている時間が長すぎて先述のマスキング効果を引き起こすと言った課題がある。このように閾値の設定が困難であるという課題がある。
(c) :十分な振動を得ることの困難さの説明
例えば、携帯電話のバイブレーション機能を持つモータには回転軸におよそ120mgの偏芯分銅が固着されている。これを定常状態でおよそ8000rpmで回転させることにより、携帯電話はマナーモードのためのバイブレーションを得ている。
しかし、定常状態に達するまでの起動時間が必要であるといった問題がある。従って、500msだけ、0.1sだけモータONにしても、この期間で振動あるいは衝撃を得ることが困難であるといった課題がある。
(2) :前記従来例2では次のように課題がある。
前記従来例2は、音声の振動を伝えるために、別途、圧電素子の使用が提案されている。または良質な復元音声(周波数と振幅、およびそれらの変化)を伝えるためのモータ機構を提案している。しかしながら、偏芯分銅モータによるバイブレーションは携帯電話ではほぼ標準装備といってよく、新たにそのための素子を準備しなければならないといった課題、すなわち、コスト、重さ、面積、体積の点でデメリットがある。
本発明は前記の課題を解決し、着信時に相手側の音声に連動した振動を人体に伝えると共に、聴覚だけでなく、感覚を伝えることでヒヤリングエイドとして機能させ、通話機能付き携帯情報端末にユニバーサルデザインとしての機能を実装可能にすることを目的とする。

本発明は前記の目的を達成するため、次のように構成した。
(1) :着信時のユーザへの通知手段としてバイブレーション発生機能を有し、そのためにバイブレーション発生用のモータ(偏芯分銅モータ)を具備する通話機能付き携帯情報端末において、前記モータの駆動を、通話相手の音声に連動させて開始及び停止の組み合わせにより行うと共に、前記モータ駆動の開始及び停止の組み合わせを、音声振幅の音節的な短時間平均値と、動的な閾値にて決定するモータ駆動制御手段を備えていることを特徴とする。
(2) :前記(1) の通話機能付き携帯情報端末において、前記モータ駆動制御手段は、前記モータを駆動制御する場合、モータの回転と該モータの回転軸に取り付けられた偏芯分銅によるものでなく、モータに印加する電圧又は注入する電流の反転とその繰り返しにより駆動する機能を備えていることを特徴とする。
(3) :前記(2) の通話機能付き携帯情報端末において、前記モータ駆動制御手段は、モータを駆動制御する場合、印加する電圧又は注入する電流の繰り返しの切り替え瞬時において、モータの回転を急制動するために、一旦、モータの両端を短絡する機能を備えていることを特徴とする。
(4) :前記(2) の通話機能付き携帯情報端末において、前記モータ駆動制御手段は、モータを駆動制御する場合、電圧印加又は電流注入の期間をモータが定常状態に達する状態の比較的長い時間とし、回転、逆回転のモータ駆動の繰り返しの周波数は数十HZ 程度とし、人間の感度の鈍い可聴周波数帯の超低域、或いは帯域下限外とする機能を備えていることを特徴とする。
(5) :前記(2) の通話機能付き携帯情報端末において、前記モータ駆動制御手段は、モータを駆動制御する場合、モータを駆動させない期間については、電圧の印加又は電流の注入を絶つのではなく、瞬時に駆動させるべく、起動開始電圧付近の電圧又は電流をモータに与えておく機能と、前記起動開始電圧付近の電圧又は電流は、直前の電圧印加の反転であるため、直前の電圧印加の反対の電圧を与える機能を備えていることを特徴とする。
(作用)
図1は本発明の原理説明図である。以下、図1を参照しながら本発明の作用を説明する。
(a) :前記(1) では、モータ駆動制御手段(音声信号処理部3、モータ制御信号作成部4、音節対数圧縮部5、モータ駆動制御部6を含む手段)は、モータ(既存の偏芯分銅モータ7)の駆動を、通話相手の音声に連動させて開始及び停止の組み合わせにより行う。また、前記モータ駆動の開始及び停止の組み合わせを、音声振幅の音節的な短時間平均値と、動的な閾値にて決定する。
(b) :前記(2) では、モータ駆動制御手段は、前記モータを駆動制御する場合、モータの回転と該モータの回転軸に取り付けられた偏芯分銅によるものでなく、モータに印加する電圧又は注入する電流の反転とその繰り返しにより駆動する。
(c) :前記(3) では、モータ駆動制御手段は、モータを駆動制御する場合、印加する電圧又は注入する電流の繰り返しの切り替え瞬時において、モータの回転を急制動するために、一旦、モータの両端を短絡する。
(d) :前記(4) では、モータ駆動制御手段は、モータを駆動制御する場合、電圧印加又は電流注入の期間をモータが定常状態に達する状態の比較的長い時間とし、回転、逆回転のモータ駆動の繰り返しの周波数は数十HZ 程度とし、人間の感度の鈍い可聴周波数帯の超低域、或いは帯域下限外とする。
(e) :前記(5) では、モータ駆動制御手段は、モータを駆動制御する場合、モータを駆動させない期間については、電圧の印加又は電流の注入を絶つのではなく、瞬時に駆動させるべく、起動開始電圧付近の電圧又は電流をモータに与えておく。また、前記起動開始電圧付近の電圧又は電流は、直前の電圧印加の反転であるため、直前の電圧印加の反対の電圧を与える。
(f) :以上のようにして、本発明の通話機能付き携帯情報端末では、着信時に相手側の音声に連動した振動を人体に伝えると共に、聴覚だけでなく、感覚を伝えることでヒヤリングエイドとして機能させ、通話機能付き携帯情報端末にユニバーサルデザインとしての機能を実装できる。

前記本発明の構成により、次のような効果がある。
(1) :音声(スピーチ等も含む)に連動した振動を伝えることができる。
(2) :聴覚だけでなく、感覚を伝えることができる。すなわち、音声信号の音節を振動で伝えることで、音声の内容がより一層分かり易くなる。
(3) :ヒヤリングエイドとして機能させることができる。
(4) :新たなデバイス(特に、モータ)の追加は必要ない。
(5) :携帯電話機を含む各種の通話機能付き携帯情報端末に、ユニバーサルデザインとして機能を実装させることができる。
以下の説明では、本発明を携帯電話機に適用した例について説明する。
§1:携帯電話機の構成の説明
(1) :携帯電話機全体の説明
図2は携帯電話機のブロック図である。この携帯電話機は図2に示したように、携帯電話機本体1と、該携帯電話機本体1に接続されたアンテナ21、ディスプレイ22、キー操作部23、スピーカ/マイクロホン(SP/MIC)24等で構成されている。
そして前記携帯電話機本体1には、プロセッサ2と、音声信号処理部3と、モータ制御信号作成部4と、音節対数圧縮部5と、モータ駆動制御部6と、該モータ駆動制御部6の制御により駆動された偏芯分銅モータ7と、無線部8と、入出力部(GPIO)9と、I/O制御部(入出力制御部)10と、メモリ11等を備えている。
前記プロセッサ2は携帯電話機の各種制御や処理等を行うものであり、CPU、MPU、DSP等を含んでいる。音声信号処理部3は着信が有り、通話が開始された際の相手側音声信号を入出力部9を介して抽出し、モータ駆動制御のために必要な音声信号の処理(予め、必要な処理内容を設定しておく)を行うものである。
モータ制御信号作成部4はモータを駆動制御する際に必要なモータ制御信号(例えば、モータ駆動回路のスイッチ切り換え信号、スイッチオン/オフ信号、モータを短絡するための制御信号、モータ制御のために必要なクロック、又はクロックパルスの抽出等を含む)を作成するものである。なお、ここで作成されたモータ制御信号はモータ駆動制御部6へ送られ、偏芯分銅モータ7の制御に使われる。
音節対数圧縮部5は前記音声信号に対する音節圧縮処理(この音節圧縮処理自体は周知の技術である)を行うものである。モータ駆動制御部6はプロセッサ2の指示に基づき、音声信号処理部3、モータ制御信号作成部4、音節対数圧縮部5等からの信号等を取り込んで、偏芯分銅モータ7に対する駆動制御を行うものである。偏芯分銅モータ7は、モータ駆動制御部6の制御により駆動されるものであり、既存のもの(バイブレーション発生用のモータ)である。
無線部8はアンテナ21に接続され、無線周波数信号の送受信を行うものである。入出力部(GPIO)9は音声信号を含む汎用の各種入出力制御を行うものである。I/O制御部(入出力制御部)10は携帯電話機本体1とディスプレイ22、キー操作部23、SP/MIC24との間の入出力制御を行うものである。メモリ11は前記プロセッサ2、音声信号処理部3、モータ制御信号作成部4、音節対数圧縮部5等がワーク用として利用するものである。
(2) :モータ駆動制御部の詳細な説明
図3はモータ駆動制御部のブロック図である。前記モータ駆動制御部6には、例えば、図3に示したようなスライス回路31と、波形整形回路32と、AND回路(又は、ANDゲート回路)33と、低周波パルス作成部34等を備えている。
このモータ駆動制御部6には、音声信号処理部3から送られた音声信号と、モータ制御信号作成部4から送られたクロック(携帯電話機内のクロックパルスをモータ制御信号作成部4が抽出したもの)が入力し、出力信号は偏芯分銅モータ7へ駆動信号として供給されるようになっている。
この場合、入力された音声信号はスライス回路31により予め設定された閾値(VH1、VH2)でスライスされ、その後、波形整形回路32により波形整形が行われてモータ駆動用ゲート信号を作成し、該モータ駆動用ゲート信号をAND回路33の一方の入力端子へ入力する。また、入力したクロックは低周波パルス作成部34により分周及び信号の振幅やパルス幅等が調整された後、周波数=10HZ のパルスとなりAND回路33の他方の入力端子へ入力する。
このような構成の回路により、前記波形整形回路32で波形整形された音声信号によりAND回路33のゲートが開かれると、前記低周波パルス作成部34から出力された周波数=10HZ のパルスがAND回路33を通過し、偏芯分銅モータ7へモータ駆動パルスとして供給されるようになっている。なお、動作の詳細は後述する。
§2:モータ駆動制御時の説明
(1) :モータの低周波パルス駆動例1の説明
図4にモータの低周波パルス駆動例1の説明図を示す。図4において、A図は音声波形(例)、B図はモータ駆動用ゲート信号、C図はパルス駆動用クロック(例えば、10HZ )、D図はモータ制御を示す図である。また、VH1は上限の閾値、VH2は下限の閾値を示し、VH1>VH2の関係がある。以下、図2乃至図4を参照しながらモータの低周波パルス駆動例1を説明する。
先ず、着信により通話が開始されると、音声信号処理部3は入出力部9から相手側の音声信号を抽出し、抽出した音声信号をモータ駆動制御部6へ送る。モータ駆動制御部6は音声信号を取り込み、図3に示したスライス回路31において、VH1、VH2の2つの閾値(VH1>VH2)を用いて波形のスライスを行い(図4のA図参照)、その後、波形整形回路32により波形整形が行われてモータ駆動用ゲート信号を作成し(図4のB図参照)、AND回路33の一方の入力端子へ入力する。
このモータ駆動用ゲート信号により、時刻T1からT2の間のみAND回路33のゲートが開かれ、その他の時間帯ではAND回路33のゲートは閉じているように制御される。
一方、低周波パルス作成部34では、入力したクロックを分周及び信号の振幅やパルス幅等が調整された後、例えば、周波数が10HZ の低周波パルスを作成し(図4のC図参照)、その低周波パルスをAND回路33の他方の入力端子へ送る。従って、この例では、VH1を越えるか、VH2を下回る音声波形が存在する区間である時刻T1〜T2の間のみ、低周波のパルス駆動用クロックを偏芯分銅モータ7へ供給して、該偏芯分銅モータ7を駆動する(図4のD図参照)。
このように、相手側音声の波形振幅の大きい期間を検出し、この期間のみパルス駆動用クロックを通過させるためのモータ駆動用ゲート信号を生成する。また、低い周波数、例えば、10HZ のクロック信号を用意しておく。そして、ゲート信号とクロック信号の論理積により、モータを低い周期でパルス駆動する。この場合の駆動周期は、可聴周波数帯域外なので、マスキング効果を回避できる。
(2) :モータのヒステリシス特性と待機時バイアス電圧の印加の説明
図5にモータのヒステリシス特性を示す。モータ(例えば、前記偏芯分銅モータ7)は起動開始電圧を有する。0Vから徐々に正電圧を印加しても、低い電圧では回転を始めない。およそ0.7Vから回転起動する。その後、電圧に比例した回転数上昇の定常状態に移行する。起動電圧の2倍強のおよそ1.6Vの定格電圧でモータは駆動される。
逆に定常状態から徐々に電圧を下げていくと、起動電圧以下になってもモータは回転を維持し、およそ0.3Vで停止する。負電圧においても同様である。また、大抵のバイブレータ用モータは極性はなく、回転数が異なるだけで正逆で同様に振る舞う。
このことから、無音または小音時の回転させないでおく待機時は、起動電圧よりわずかに小さいバイアス電圧、例えば、0.5Vを印加し、モータを起動の臨界状態にさせておく。電圧のON/OFF駆動に比べ、バイアス電圧→定格電圧印加でより大きな起動インパクトを得ることができる。
(3) :モータのフリーランと電極短絡による自己制動の説明
図6にモータのフリーランの説明図を示す。従来は殆どの場合、モータのON/OFFは電圧印加をトランジスタ等の電子スイッチにより行う。モータのOFFはスイッチが開放(High-Z:ハイインピーダンス状態)となり、モータおよび付随する回路に電流は流れない。電圧印加がなくなると、モータは慣性により回転を続ける。
この回転は、慣性エネルギーが機械的な摩擦により消耗されることで徐々に低下し、摩擦を打ち負かす限度以下になって回転は停止する。つまり、フリーランによる停止である。従って、スイッチ開放によるモータのOFFは殆どインパクトを発生しない。
なお、図6において、モータM、電子スイッチ等からなる回路は、図2に示したモータ駆動制御部6内に設けるものである。そして、電子スイッチのON/OFF制御信号は、図2のモータ制御信号作成部4が作成し、図6の回路へ供給する。
(4) :モータ端子短絡による自己制動の説明
図7はモータ端子短絡による自己制動の説明図である。この場合、図7に示したように、モータON/OFF用の電子スイッチESW1と、電子スイッチESW1のON/OFF制御線と、短絡用の電子スイッチESW2と、電子スイッチESW2の短絡制御線と、を設ける。モータ(図7のM)をOFFする場合、短絡用に設けた電子スイッチESW2を閉じ、モータMを短絡する。
短絡による逆起電流でモータMは自己制動し静止する。自動車のエンジンブレーキや電車の停車から体感している様に、この自己制動は効果的である。この短絡によるモータMのOFFで停止インパクトを得ることができる。
なお、この場合にも、図7において、モータM、2つの電子スイッチESW1、ESW2、制御線等からなる回路は、図2に示したモータ駆動制御部6内に設けるものである。そして、電子スイッチESW1、ESW2のON/OFF制御信号や、短絡制御信号は、図2のモータ制御信号作成部4が作成し、図7の回路へ供給する。
(5) :モータの低周波パルス駆動例2の説明
図8はモータの低周波パルス駆動例2の説明図である。モータ駆動は先に述べてきた、低周波パルス駆動、OFF時バイアス電圧印加(起動加速)、OFF時モータ短絡に加え、逆電圧駆動を行う。
無音または小音時のモータOFF時はモータにバイアス電圧を与えておく。音量が閾値を超える時間区間に達した場合、定格電圧を与える。パルス周期のクロック(例えば、10HZ の場合50ms)を印加の後、印加回路側のスイッチを開放し、ほぼ同時にモータを短絡し自己制動によるブレーキを得る。
そのすぐ後、極性が逆の定格電圧を与えモータを逆回転起動する。音量が閾値を超える時間区間についてこのパルス制御を繰り返す。音量が閾値を超える時間区間の終了の時はモータ短絡による回転停止の後、バイアス電圧を印加し次のパルス駆動の時間区間を待機する。このようにして、大抵の携帯電話機等が首しているバイブレータ機能用モータをそのまま利用して、音声の強弱に沿った低周波の振動を得る。
図9はモータ駆動電流切り換え回路例の説明図である。図9において、SW1aとSW1bは連動するスイッチである。SW2aとSW2bは連動するスイッチである。SW3はモータを短絡するスイッチである。
パルス駆動中は、(SW1aとSW1bの組)と(SW2aとSW2bの組)は制御論理は反対であるが、SW3を閉じている瞬間は供給側とモータを切り離すため独立するか、短い間2つとも開(High-Z:ハイインピーダンス状態)の瞬間を持たせるのが良い。
このような回路は100mAクラスの、携帯電話機としては比較的大きな電流の制御であるが、素子数や規模として大きなものではないので、充電機能などを持つパワーマネジメントLSIチップにこの機能を組み込むことは困難ではない。
なお、この場合にも、図9に示したモータM、5つのスイッチ(SW1aとSW1b、SW2aとSW2b、SW3)等からなる回路は、図2に示したモータ駆動制御部6内に設けるものである。そして、前記5つのスイッチのON/OFF制御信号や、短絡制御信号は、図2のモータ制御信号作成部4が作成し、図9の回路へ供給する。
(6) :音声の有無や大小の判定の説明
従来例で示した図14に示すように、また、発明の課題で説明した通り、音声の波形はリニアな振幅ではその変化が激しく、音声の強弱に連動したモータのON/OFFゲート制御は難しい。これを解決するために、振幅の音節対数圧縮を行う。
図10は、音声のリニアな振幅包絡線説明図である。音声信号を全波整流して平滑化したもの、あるいは瞬時値の絶対値を繋いだものである。図10に示したように、リニアな波形でのON/OFF判定はその閾値設定は難しいし、また人間の感覚は対数スケールに比例すると言われており、実際にはそぐわない。
図11は音節対数圧縮した音声の振幅包絡線の説明図である。図11に示したように、閾値を多少上下してもモータ駆動のON/OFF判定は少ない。また、ON区間の判定とその間隔、比較的大きな区間の緩やかな変動に対しても寛容である。音節対数圧縮は、シラビック・コンプレッサと言われるアナログ集積回路(ICチップとして一般に市販されていて周知のものである。)を用いて実現出来る。また、DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)を用いても実現できることが知られている。このように、音節対数圧縮は、公知、又は周知の技術を用いて用意に実現可能なものであり、これ以上の詳細な説明は省略する。
(7) :フローチャートによる携帯電話機の制御の説明
図12は携帯電話機の制御フローチャートである。以下、図12に基づいて、携帯電話機の制御について説明する。なお、図12において、S1〜S7は各制御ステップを示す。
プロセッサ2は、携帯電話機で着信時に通話開始になるのを待ち、通話開始になると(S1)、各部へ必要な指示を出す。この指示により、音声信号処理部3は入出力部9から通話相手の音声信号を抽出し、必要な音声信号の処理を開始する(S2)。
また、モータ制御信号作成部4は、プロセッサ2からの指示により、必要なモータ制御信号の作成を開始する(S3)。続いて、音節対数圧縮部5は、音声信号に対して、音節対数圧縮処理を開始する(S4)。なお、前記作成した各信号はモータ駆動制御部6へ送られる。
次に、モータ駆動制御部6は、前記音声信号処理部3やモータ制御信号作成部4や音節対数圧縮部5から信号を受け取った後、音声信号に連動させて偏芯分銅モータ7の制御(駆動制御)を開始する(S5)。そして、モータ駆動制御部6は偏芯分銅モータ7に対して、駆動電流を変化させながら音声信号に連動させた振動を発生させる制御を行う(S6)。その後、音声信号は終了したかを判断し(S7)、音声信号が終了したら、この制御を終了する。
(8) :携帯電話機のまとめ
以上説明した携帯電話機をまとめると次のようになる。
A:機能の説明
携帯電話機の機能は次の通りである。
(a) :モータの駆動を、通話相手の音声に連動させて開始及び停止の組み合わせにより行うと共に、前記モータ駆動の開始及び停止の組み合わせを、音声振幅の音節的な短時間平均値と、動的な閾値にて決定する機能を備えている。
(b) :モータを駆動制御する場合、モータの回転と該モータの回転軸に取り付けられた偏芯分銅によるものでなく、モータに印加する電圧又は注入する電流の反転とその繰り返しにより駆動する機能を備えている。
(c) :モータを駆動制御する場合、印加する電圧又は注入する電流の繰り返しの切り替え瞬時において、モータの回転を急制動するために、一旦、モータの両端を短絡する。
(d) :モータを駆動制御する場合、電圧印加又は電流注入の期間をモータが定常状態に達する状態の比較的長い時間とし、回転、逆回転のモータ駆動の繰り返しの周波数は数十HZ 程度とし、人間の感度の鈍い可聴周波数帯の超低域、或いは帯域下限外とする機能を備えている。
(e) :モータを駆動制御する場合、モータを駆動させない期間については、電圧の印加又は電流の注入を絶つのではなく、瞬時に駆動させるべく、起動開始電圧付近の電圧又は電流をモータに与えておく機能と、前記起動開始電圧付近の電圧又は電流は、直前の電圧印加の反転であるため、直前の電圧印加の反対の電圧を与える機能を備えている。
B:使用時の説明
携帯電話機を使用した場合は次のようになる。
(a) :携帯電話機のユーザが着信時に通話開始にすると、携帯電話機のスピーカから相手側の通話内容が音声で出力される。その後、ユーザは携帯電話機のマイクロホンとスピーカを利用して通話を行い、通話が終了すると、ユーザは通話を終了させる。
(b) :前記のような通話を行なっている途中において、携帯電話機内の偏芯分銅モータ7は、モータ駆動制御部6により、通話相手の音声に応じて駆動制御される。この場合、偏芯分銅モータ7は、通話相手の音声信号に応じて、前記説明したような振動を行い、その振動により携帯電話機のボディ(ケース等)も振動する。
そのため、ユーザは前記携帯電話機のボディ(ケース等)の振動を感知し、通話内容に前記振動が加わることになる。すなわち、ユーザは前記振動を感知しながら通話を行うことになる。
(c) :前記振動は、通話内容に応じて振動であり、ユーザは、通話内容が簡単なものであれば、この振動だけでも通話内容の概要を知ることができる。従って、このように通話内容の概要が分かる振動を体で感知しながら通話を行うため、通話内容の理解も、より一層容易になる。また、新たなデバイス(特に、モータ)の追加は必要ない。
(d) :前記携帯電話機を使用すれば、音声(スピーチ等も含む)に連動した振動を伝えることができるし、聴覚だけでなく、感覚を伝えることができる。すなわち、音声信号の音節を振動で伝えることで、音声の内容がより一層分かり易くなり、ヒヤリングエイドとして機能させることができる。
この場合、例えば、前記(a) 乃至(d) で説明したような内容(又は機能)を付加した携帯電話機の設計のことを「ユニバーサルデザイン」と呼んでいる。従って、前記説明した携帯電話機の例によれば、携帯電話機に、ユニバーサルデザインの機能を実装できる。
◎:その他の説明
(a) :本発明は前記のような携帯電話機に限らず、通話機能を有するPDA等の種々の携帯情報端末に適用可能である。従って、各種の通話機能付き携帯情報端末にユニバーサルデザインの機能を実装できる。
(b) :図2に示した音声信号処理部3、モータ制御信号作成部4、音節対数圧縮部5等は、例えば、DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)により処理を高速に行うことも可能である。また、これらを半導体集積回路装置として小型のチップとして製造し、携帯情報端末に搭載すれば、より一層の小型化が可能になる。

本発明の原理説明図である。 実施の形態における携帯電話機のブロック図である。 実施の形態におけるモータ駆動制御部の1例である。 実施の形態におけるモータの低周波パルス駆動例1の説明図である。 実施の形態におけるモータのヒステリシス特性の説明図である。 実施の形態におけるモータのフリーランの説明図である。 実施の形態におけるモータの短絡による自己制動の説明図である。 実施の形態におけるモータの低周波パルス駆動例2の説明図である。 実施の形態におけるモータ駆動電流切り換え回路例の説明図である。 実施の形態における音声のリニアな振幅包絡線説明図である。 実施の形態における音節対数圧縮した音声の振幅包絡線の説明図である。

実施の形態における携帯電話機の制御フローチャートである。 従来例におけるラウドネス曲線−等感度曲線である。 従来例における音声信号波形の1例である。
符号の説明

1 携帯電話機本体
1A 通話機能付き携帯情報端末
2 プロセッサ
3 音声信号処理部
4 モータ制御信号作成部
5 音節対数圧縮部
6 モータ駆動制御部
7 偏芯分銅モータ
8 無線部
9 入出力部
21 アンテナ
22 ディスプレイ
23 キー操作部
24 スピーカ/マイクロホン(SP/MIC)
31 スライス回路
32 波形整形回路
33 AND回路(ANDゲート回路)
34 低周波パルス作成部

Claims (5)

  1. 着信時のユーザへの通知手段としてバイブレーション発生機能を有し、そのためにバイブレーション発生用のモータを具備する通話機能付き携帯情報端末において、
    前記モータの駆動を、通話相手の音声に連動させて開始及び停止の組み合わせにより行うと共に、前記モータ駆動の開始及び停止の組み合わせを、音声振幅の音節的な短時間平均値と、動的な閾値にて決定するモータ駆動制御手段を備えていることを特徴とする通話機能付き携帯情報端末。
  2. 前記モータ駆動制御手段は、前記モータを駆動制御する場合、モータの回転と該モータの回転軸に取り付けられた偏芯分銅によるものでなく、モータに印加する電圧又は注入する電流の反転とその繰り返しにより駆動する機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の通話機能付き携帯情報端末。
  3. 前記モータ駆動制御手段は、モータを駆動制御する場合、印加する電圧又は注入する電流の繰り返しの切り替え瞬時において、モータの回転を急制動するために、一旦、モータの両端を短絡する機能を備えていることを特徴とする請求項2に記載の通話機能付き携帯情報端末。
  4. 前記モータ駆動制御手段は、モータを駆動制御する場合、電圧印加又は電流注入の期間をモータが定常状態に達する状態の比較的長い時間とし、回転、逆回転のモータ駆動の繰り返しの周波数は数十HZ 程度とし、人間の感度の鈍い可聴周波数帯の超低域、或いは帯域下限外とする機能を備えていることを特徴とする請求項2に記載の通話機能付き携帯情報端末。
  5. 前記モータ駆動制御手段は、モータを駆動制御する場合、モータを駆動させない期間については、電圧の印加又は電流の注入を絶つのではなく、瞬時に駆動させるべく、起動開始電圧付近の電圧又は電流をモータに与えておく機能と、
    前記起動開始電圧付近の電圧又は電流は、直前の電圧印加の反転であるため、直前の電圧印加の反対の電圧を与える機能を備えていることを特徴とする請求項2に記載の通話機能付き携帯情報端末。
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