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JP2006282988A - 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物 Download PDF

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JP2006282988A
JP2006282988A JP2005286556A JP2005286556A JP2006282988A JP 2006282988 A JP2006282988 A JP 2006282988A JP 2005286556 A JP2005286556 A JP 2005286556A JP 2005286556 A JP2005286556 A JP 2005286556A JP 2006282988 A JP2006282988 A JP 2006282988A
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epoxy resin
epoxy
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optical semiconductor
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JP2005286556A
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Yoko Sakurai
陽子 櫻井
Yosuke Matsui
洋輔 松井
Hironobu Tokunaga
浩信 徳永
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

【課題】耐熱性、曲げ強度および光透過性などに優れた光半導体素子封止用硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】エポキシ樹脂、特定のエポキシ変性オルガノポリシロキサンおよび硬化剤からなる光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂が脂環式エポキシ樹脂であり、エポキシ変性オルガノポリシロキサンの含有量がエポキシ樹脂100重量部に対して1〜90重量部であり、さらに、両末端にのみエポキシ基を有するエポキシ変性オルガノポリシロキサンを含有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物に関し、詳しくはオルガノポリシロキサン骨格を有する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物に関するものである。
一般に、光半導体装置においては、発光ダイオードまたはフォトダイオード等の光半導体素子がエポキシ樹脂組成物によって樹脂封止されている。しかし、エポキシ樹脂は脆いため、クラックが発生する等の課題があった。また、十分な耐湿性を保持していないといった課題があった。
そこで、たとえば、シリコーン樹脂を配合して内部応力を低下する検討が試みられている。しかし、シリコーン樹脂はエポキシ樹脂との相溶性が悪いため、十分に内部応力を低減させることができない。
これらの課題を解決するために、エポキシ樹脂と、該エポキシ樹脂中のエポキシ基と反応する官能基を持ったシリコーン樹脂とを反応させることが提案されている。
例えば、アルコール性水酸基含有オルガノポリシロキサンを酸無水物でハーフエステル化して得られるカルボキシル基と、エポキシ樹脂のエポキシ基との反応生成物を利用する方法が提案されている(特許文献1)。また、脂環式炭化水素を分子内にもつエポキシ変性オルガノポリシロキサンについての検討がなされている(特許文献2)。
しかし特許文献1の方法では、エポキシ樹脂組成物が経時的に不安定でポットライフが短く、しかも硬化物の耐熱性は十分ではない。また、特許文献2の方法では、エポキシ変性オルガノポリシロキサン以外のエポキシ樹脂を併用する場合、耐熱性が十分ではなく、クラック発生や、硬化樹脂が不透明になる等の問題があった。
特開平6−100762号公報 特開2004−155865号公報
本発明の課題は、耐熱衝撃性、はんだ耐熱性、曲げ弾性率、曲げ強度、光透過性、UV照射後の光透過性、および加熱処理後の光透過性に優れた光半導体素子封止用硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を提供することである。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討し、本発明に到達した。すなわち本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、一般式(1)で示されるエポキシ変性オルガノポリシロキサン(B)および硬化剤(C)からなるエポキシ樹脂組成物であることを要旨とする。
Figure 2006282988
式中、R1は水素原子または炭素数が1〜6の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基、Xは一般式(2)または(3)で表される置換基、YはR1またはX、aおよびbは1〜300の整数であって、a/bは0.1〜300であり、複数のR1、XおよびYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〔 〕内はランダム結合、ブロック結合またはそれらの併用を表す。
Figure 2006282988
式中、R2は炭素数が1〜10および酸素数が0〜5の2価の脂肪族基である。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、耐熱衝撃性、はんだ耐熱性、曲げ弾性率、曲げ強度、光透過性、UV照射後の光透過性、および加熱処理後の光透過性に優れているので、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物として適している。
本発明におけるエポキシ樹脂(A)としては、芳香族系エポキシ樹脂、複素環系エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂または脂肪族系エポキシ樹脂が使用でき、特に制限されない。
芳香族系エポキシ樹脂としては、多価フェノールのグリシジルエーテル体、グリシジル芳香族ポリアミンおよびその他の芳香族エポキシ樹脂が挙げられる。
多価フェノールのグリシジルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4'−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂もしくはクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル体、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒドもしくはホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体、およびレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体が挙げられる。
グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリンおよびN,N,N',N'−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミンが挙げられる。
その他の芳香族系エポキシ樹脂としては、トリレンジイソシアネートもしくはジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、グリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマー、およびビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)付加物のジグリシジルエーテル体が挙げられる。
複素環系エポキシ樹脂としては、トリスグリシジルメラミンが挙げられる。
脂環族系エポキシ樹脂としては、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエール、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシ−6'−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、および3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3'、4'−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートが挙げられる。また、脂環族系としては、前記芳香族系エポキシ樹脂の核水添化物も含まれ、例えば多価フェノールの核水添化物のグリシジルエーテル体(水添ビスフェノールAのグリシジルエーテル体など)が挙げられる。
脂肪族系エポキシ樹脂としては、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル体、脂肪酸多価のポリグリシジルエステル体、およびグリシジル脂肪族アミンが挙げられる。
脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、およびソルビトールポリグリシジルエーテルが挙げられる。
脂肪酸多価のポリグリシジルエステル体としては、ジグリシジルアジペートが挙げられる。
グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N',N'−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。
また、本発明において脂肪族系エポキシ樹脂としては、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含む。
これらのうち、好ましいのは芳香族系エポキシ樹脂および脂環族系エポキシ樹脂である。
芳香族系エポキシ樹脂のうち、さらに好ましいのは、多価フェノールのグリシジルエーテル体である。
脂環族系エポキシ樹脂のうち、さらに好ましいのは、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエール、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシ−6'−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3'、4'−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、および多価フェノールの核水添化物のグリシジルエーテル体である。なお、核水添化物は、水添率が90%以上であることが好ましい。
本発明におけるエポキシ樹脂(A)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば、いずれも用いることができるが、好ましいのは、分子中に2〜5個有するものである。エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、通常80〜1,000g/eqであり、好ましいのは100〜500g/eqである。
エポキシ樹脂(A)は単独で、もしくは2種類以上を併用して使用してもよい。
本発明におけるエポキシ変性オルガノポリシロキサン(B)は、一般式(1)で示される。
Figure 2006282988
式中、R1は水素原子または炭素数が1〜6の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基である。R1が脂環式炭化水素基であると、エポキシ樹脂硬化物の弾性率が高くなり、クラック発生率が高くなる。
炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基としては、直鎖もしくは分岐のアルキル基およびアルケニル基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、3−メチルブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基および2−エチルブチル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、イソペンテニル基およびヘキセニル基等が挙げられる。
これらのうち、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性の観点から、アルキル基が好ましい。さらに、炭素数1〜3のアルキルが好ましい。R1は、すべて同じであってもよいし、異なっていてもよい。
一般式(1)におけるXは、一般式(2)または(3)で表される置換基である。
Figure 2006282988
一般式(2)および(3)中、R2は炭素数が1〜10および酸素数が0〜5の2価の脂肪族基である。R2が芳香族環を含む基であると、得られるエポキシ樹脂硬化物は弾性率が高くてクラックが発生しやすい。
2としては、一般式(1)におけるSi原子との結合原子が酸素である脂肪族基と炭素である脂肪族基が挙げられる。
Si原子との結合原子が酸素である脂肪族基としては、オキシアルキレン基、オキシアルケニレン基および(ポリ)オキシアルキレン−オキシ基[例えば、式−(OR)n−O−で表される基;但し、Rはアルキレン基、nは1〜10の整数。]などが挙げられる。
オキシアルキレン基としては、アルキレン基の炭素数1〜10の基、例えばオキシメチレン基、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基などが挙げられる。
(ポリ)オキシアルキレン−オキシ基としては、アルキレン基の総炭素数が1〜10の基、例えばオキシメチレン−オキシ基、ジオキシメチレン−オキシ基およびトリオキシメチレン−オキシ基等が挙げられる。
Si原子との結合原子が炭素である脂肪族基としては、脂肪族炭化水素基およびアルキレン(ポリ)オキシアルキレン基[例えば、式−R’−(OR”)m−で表される基;但し、R’およびR”はアルキレン基、mは1〜10の整数。]が挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、ブチレン基およびヘキシレン基などが挙げられる。
アルキレン(ポリ)オキシアルキレン基としては、メチレンオキシメチレン基、メチレンオキシプロピレン基およびメチレン(テトラ)オキシメチレン基等が挙げられる。
2のうち、好ましいのは炭素数が1〜7の2価の脂肪族炭化水素基、オキシアルキレン基および(ポリ)オキシアルキレン−オキシ基であり、さらに好ましいのは炭素数が2〜5の2価の脂肪族炭化水素基およびオキシアルキレン基である。
一般式(1)におけるYは、上記のR1またはXで挙げた基のうちのいずれかの基である。なお、一般式(1)における複数のR1、XおよびYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)におけるaおよびbは、それぞれ1〜300である。aが1〜300であるということは、(B)が、一般式(2)または(3)で示されるエポキシ基含有基を、少なくとも分子のペンダント位置に1〜300個有することを示しており、YがXである場合には、さらにエポキシ基を分子の末端にも有していることを示している。
aが0である場合、即ちエポキシ基を有しないか、または末端にのみエポキシ基を有する場合は、それを使用したエポキシ樹脂組成物の硬化物は、耐熱性およびクラック発生率の点で劣り、かつ、耐湿性が低くなる。
aおよびbは、耐熱性、クラック発生率、耐湿性および相溶性の観点から好ましくは5〜200の整数であり、さらに好ましくはaは10〜100、bは20〜150である。aおよびbが300以下の場合、(B)の粘度が高すぎず、取り扱いやすい。
さらに、a/bは0.1〜300、好ましくは0.2〜280、さらに好ましくは0.3〜250である。この範囲であると、(A)と(B)が相溶しやすくなる。
一般式(1)における〔 〕内はランダム結合、ブロック結合またはそれらの併用を表す。弾性率の観点から、好ましいのはランダム結合である。
本発明におけるエポキシ変性オルガノポリシロキサン(B)は公知の方法で製造でき、特に限定されない。例えば、オレフィン基含有シロキサンを過酸化物で酸化反応させる方法、予め臭化マグネシウム等でグリニャード化したシロキサンをエピクロルヒドリンと共にアルカリ処理する方法、クロロシラン又はアセトキシシラン化合物をグリシドールと反応させてグリシジルシリコーンエーテルを生成する方法(例えば、米国特許2,730,532パンフレット)、エチレン性不飽和基含有エポキシドとオルガノ水素ポリシロキサンを反応させる方法(例えば、特開平7−133351号公報)等が挙げられる。
(B)の数平均分子量は、好ましくは2,000〜30,000、さらに好ましくは3,000〜20,000である。本発明における数平均分子量は、ポリスチレンを標準としたゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物における(B)の含有量は、(A)100重量部に対して好ましくは1〜90重量部であり、さらに好ましくは10〜80重量部である。(B)の添加量を1重量部以上とすることで強靱化でき、90重量部以下であると、耐熱性の観点から好ましく、かつ、クラック発生率をさらに低くすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、一般式(4)で表される両末端にのみエポキシ基を有するエポキシ変性オルガノポリシロキサン(D)を添加してもよい。(D)は両末端にのみエポキシ基を有している点において(B)とは異なる。
Figure 2006282988
式中、R3は炭素数が1〜10および酸素数が0〜5の2価の脂肪族基、R4は炭素数が1〜6の直鎖もしくは分岐の2価の脂肪族炭化水素基、R5は炭素数が1〜6の直鎖もしくは分岐の1価の脂肪族炭化水素基、cは1〜10の整数であり、複数のR5は同一でも異なっていてもよい。
3としては、Si原子との結合原子が酸素である脂肪族基と炭素である脂肪族基が挙げられる。
結合原子が酸素である基としては、オキシアルキレン基、オキシアルケニレン基および(ポリ)オキシアルキレン−オキシ基が挙げられ、具体的には、前述のR2で挙げたのと同様の基が挙げられる。
結合原子が炭素である脂肪族基としては、脂肪族炭化水素基もしくはアルキレン(ポリ)オキシアルキレン基が挙げられ、具体的には、前述のR2で挙げたのと同様の基が挙げられる。
3のうち、好ましいのは炭素数が1〜3であって酸素数が1の有機基であり、さらに好ましいのはオキシアルキレン基である。
4は、炭素数が1〜6の直鎖もしくは分岐の2価の脂肪族炭化水素基であり、具体的には、前述のR2で挙げた2価の脂肪族炭化水素基と同様の基が挙げられる。
4のうち、好ましいのは炭素数が1〜6のアルキル基であり、さらに好ましいのは炭素数が1〜3のアルキル基である。
5は、炭素数が1〜6の直鎖もしくは分岐の1価の脂肪族炭化水素基であり、前述のR1で挙げた基と同様の基が挙げられる。R5のうち好ましいのは炭素数が1〜2のアルキル基である。
(D)の含有量は、(B)100重量部に対して、(D)が通常100重量部以下、好ましくは5〜50重量部である。(D)を含有することにより、耐熱性がさらに向上しやすく、100重量部以下であればブリードアウトしにくい。
本発明の光半導体の封止材用エポキシ樹脂組成物は、硬化剤(C)を必須成分とする。(C)としては、通常、エポキシ樹脂用の硬化剤として使用されているアミン系硬化剤(C1)、酸(無水物)系硬化剤(C2)、フェノール系硬化剤(C3)、メルカプタン系硬化剤(C4)、イミダゾール類(C5)、有機ホスフィン系(C6)、カチオン硬化剤(C7)等が使用でき、特に制限されない。
アミン系硬化剤(C1)としては、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ダイマー酸変性エチレンジアミン、4,4‘−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェノールエーテル、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等が挙げられる。
酸(無水物)系硬化剤(C2)としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、ナジック酸無水物、ハイミック酸無水物、メチルナジック酸無水物、メチルジシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸等が挙げられる。
フェノール樹脂系硬化剤(C3)としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA,テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ジヒドロキシナフタレン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック等が挙げられる。
メルカプタン系硬化剤(C4)としては、メルカプトプロピオン酸エステル、エポキシ樹脂末端メルカプト化合物等が挙げられる。
イミダゾール類(C5)等としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
有機ホスフィン系硬化剤(C6)としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニルナフチルホスフィン、ジフェニルエチルホスフィン等が挙げられる。
カチオン系硬化剤(C7)としては、芳香族ホスホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族セレニウム塩等が挙げられる。
これらのうち、好ましいのは、硬化物の透明性と耐熱性の観点から、アミン系硬化剤(C1)、酸無水物系硬化剤(C2)であり、さらに好ましいのは、(C2)であり、特に好ましくは、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルジシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物またはメチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸が好ましい。また2種類以上のエポキシ硬化剤を併用することもできる。硬化剤の官能基数と樹脂組成物中のエポキシ官能基数の比は、硬化物の耐熱性と耐湿性の観点から1:0.8〜1:1.2が好ましく、より好ましくは1:0.9〜1:1.1である
本発明において、エポキシ樹脂の硬化反応を促進するために、硬化促進剤(E)を配合することが好ましい。(E)としては、3級アミン系(E1)、イミダゾール系(E2)、有機ホスフィン系(E3)、ホスホニウム系(E4)、テトラフェニルボロン塩系(E5)、脂肪酸金属塩(E6)等の硬化促進剤等が使用でき、特に制限されない。
3級アミン系硬化促進剤(E1)としては、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレントリアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤(E2)としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等が挙げられる。
有機ホスフィン系硬化促進剤(E3)としては、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等が挙げられる。
ホスホニウム系硬化促進剤(E4)としては、テトラブチルホスフォニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムジエチルホスフォロジチオレート等が挙げられる。
テトラフェニルボロン塩系硬化促進剤(E5)としては、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−メチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等が挙げられる。
脂肪族酸金属塩(E6)としては、酢酸鉛、オクチル酸錫、ヘキサン酸コバルト等が挙げられる。
これらのうち、硬化促進剤(E)としては2種類以上の硬化促進剤を使用しても良い。硬化促進剤の中でも、第4級ホスホニウム塩、イミダゾール化合物、ジアザビシクロアルケン化合物およびそのフェノール塩、オクチル酸塩、ギ酸、トルエンスルホン酸、フタル酸等との酸塩が透明性の観点から好ましい。
硬化促進剤の配合量(重量部)は、エポキシ樹脂の100重量部に対し、0.1~5重
量部の割合で使用するのが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、さらに溶剤を含有していてもよい。
溶剤としては、芳香族系溶剤(トルエンおよびキシレンなど)、ケトン系溶剤(メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンなど)、およびアミド系溶剤(ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドなど)などが使用できる。
溶剤の含有割合は、エポキシ樹脂組成物の重量に基づいて好ましくは90重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下である。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、充填剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、粘度調整剤、可塑剤、防黴剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、着色防止剤、酸化防止剤、安定剤、カップリング剤等を配合してもよい。
これらの添加剤[(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および溶剤を除いたもの]の含有割合は、エポキシ樹脂組成物中の溶剤以外の成分の重量に基づいて、それぞれ80重量%以下、好ましくは0.1〜70重量%である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物を紫外線または電子線で硬化させる場合は、光カチオン系硬化剤を添加してもよい。光カチオン系硬化剤としては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム、芳香族ヨードニウム塩および芳香族セレニウム塩などが用いられる。(例えば6フッ化アンチモン酸ベンジルメチル−P−ヒドロキシフェニルスルホニウム等)。光カチオン系硬化剤の含有量はエポキシ樹脂(A)の重量に基づいて0.01〜5重量%である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、(A)、(B)、(C)および必要によりその他の成分を加えて撹拌・混合することにより得ることができる。なお、溶剤を使用した場合は、各成分を混合した後、必要により溶剤を除去してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、耐熱衝撃性に優れているのでクラックの発生率が低く、はんだ耐熱性、曲げ弾性率および曲げ強度にも優れ、さらに光透過性と、UV照射後の光透過性および加熱処理後の光透過性にも優れているので、本発明のエポキシ樹脂組成物は光半導体素子の封止材として有用である。さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記のような優れた特性を生かせる用途、例えば、光半導体素子の封止材以外の電気・電子部品材料、接着剤、塗料および土木建築用材料等にも使用できる。
本発明の光半導体装置は、上記の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を光半導体素子の封止材として用いてなる光半導体装置である。
本発明のエポキシ樹脂組成物で封止できる光半導体素子としては、LED、受光素子、フォトトランジスタ、フォトダイオードおよびCCD等が挙げられる。
光半導体装置の製造法としては、例えば、リード線などの電極を取り付けた光半導体素子に、本発明のエポキシ樹脂組成物でトランスファー成形または注型などのモールド方法によって目的とする形状に封止し、硬化する方法や、予め光半導体素子を回路基板に実装し、それを本発明のエポキシ樹脂組成物で封止し、硬化する方法等が挙げられる。
硬化のエネルギーとしては、熱、紫外線および電子線などから選ばれる1種以上が使用できる。
熱硬化の場合は、硬化温度は特に限定されず、0℃〜250℃の範囲で行うことができる。耐熱性および吸湿性の観点から、30℃〜200℃の範囲が好ましい。
硬化させる場合は、1段階昇温で行っても、2段階以上で行ってもよい。なかでも硬化収縮の抑制および耐湿性向上の観点から、2段階で行うことが好ましい。
紫外線または電子線硬化の場合は、エポキシ樹脂組成物中に前述の光カチオン系硬化剤を含有させた組成物を紫外線照射により硬化させる。
照射条件としては、例えば、高圧水銀ランプなどで360nm以下の波長の紫外光を、10〜30mW/cm2の照度で5〜20分程度の照射が挙げられる。
上記のようにして得られた光半導体装置は、その封止材部分が、耐熱衝撃性に優れているのでクラックの発生率が低く、はんだ耐熱性、曲げ弾性率および曲げ強度にも優れ、さらに光透過性と、UV照射後の光透過性および加熱処理後の光透過性にも優れている。従って、封止材部分のクラックが少なく、長期間に渡って輝度の低下も少なく、長期間に渡り使用することができる。
以下、製造例、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[製造例1]
1リットルの撹拌機付き反応器に、アリルグリシジルエーテル130g、トルエン60g、 エタノール3g、塩化白金酸の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体を0.05g投入し、60〜70℃に加熱した後、下記式(5)で表されるメチル水素ポリシロキサン220gを滴下して付加反応を行った。
80℃で減圧ストリッピングにより溶剤を留去したところ、透明なエポキシ変性オルガノポリシロキサン(B−1)が得られた。
得られた(B−1)の数平均分子量は14,050であり、エポキシ当量は162g/eqであった。
Figure 2006282988
但し、〔 〕内はランダム結合。
[製造例2]
式(5)で表される化合物を式(6)で表されるメトキシ水素ポリシロキサンに代え、アリルグリシジルエーテル100g、トルエン60g、エタノール4g、塩化白金酸の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体を0.05g投入し、60〜70℃に加熱した後、式(6)で表されるメトキシ水素ポリシロキサンを滴下したこと以外は、製造例1と同じようにして淡黄色透明なエポキシ変性オルガノポリシロキサンを得た。これに水20gを添加し、さらにオクチル酸スズ0.1gを添加して、70℃×3時間加熱撹拌後、80℃で減圧ストリッピングにより、溶剤および水を留去したところ、透明なエポキシ変性オルガノポリシロキサン(B−2)を得た。
得られた(B−2)の数平均分子量は18,710であり、エポキシ当量は204g/eqであった。
Figure 2006282988
[比較製造例1]
製造例1と同様の反応器に、メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー(旭化成ワッカーシリコーン社製:V58)100g、ジオキサン100gを入れ、攪拌下60℃に加熱した。これにジシクロペンタジエニル白金ジクロライドの0.5重量%ジオキサン溶液を0.45g添加した後、ノルボルネン(和光純薬株式会社製:試薬特級)の20重量%ジオキサン溶液165gを120分かけて滴下し、さらに60℃で1時間攪拌を続けた。これにジシクロペンタジエニル白金ジクロライドの0.5重量%ジオキサン溶液を0.2g追加添加した後、続けてビニルシクロヘキセンオキシド(ダイセル化学工業株式会社製:セロキサイド2000)の20重量%ジオキサン溶液217gを120分かけて滴下し、さらに60℃で1時間攪拌を続けた。この反応液を加熱減圧下、溶媒等を留去することによりエポキシ変性オルガノポリシロキサン(B’−1)168gを得た。
得られた(B’−1)の数平均分子量は3,140であり、エポキシ当量は201g/eqであった。
[比較製造例2]
製造例1と同様の反応器に、2−アリルフェニルグリシジルエーテル50gとメチルイソブチルケトン100ccを入れ、攪拌下加熱溶解する。この溶液に2重量%の塩化白金酸の2−エチルヘキサノール溶液0.05gを加えた。その後、120℃で溶剤を還流させながら、約1時間かけて水が留去しないことを確認後、100℃に冷却し、式(7)で表されるシロキサン化合物85gを、1時間かけて滴下した。さらに3時間反応後、室温まで冷却後3回水洗し、触媒を除去後、溶剤を留去してエポキシ変性オルガノポリシロキサン(B’−2)130gを得た。
得られた(B’−2)の数平均分子量は2,560であり、エポキシ当量は364g/eqであった。
Figure 2006282988
実施例1〜5および比較例1〜6
表1記載の配合成分を常温で配合し、撹拌下に十分に混合してエポキシ樹脂組成物を得た。
それぞれのエポキシ樹脂組成物を、下記の評価試験に必要な大きさの試験片が得られるような大きさの金型(ガラス板とスペーサーから構成される金型)に注型し、120℃×3時間、さらに150℃×3時間かけて加熱硬化させ、エポキシ樹脂硬化物からなる試験片を得た。
エポキシ樹脂硬化物の評価;
<耐光性評価(透過率で評価)>
実施例1〜5および比較例1〜6のエポキシ樹脂組成物のそれぞれを上記のように硬化させて、長さ40mm×巾15mm×厚さ1mmの試験片を作製した。
それぞれの試験片を、促進耐光試験機(ピーク波長が340nmの紫外蛍光ランプを光源とする岩崎電気■製のもの)にセットし、試験機内の温度を55℃にセットして試験片に
紫外線を300時間照射した。
照射後、分光光度計(島津製作所製の「UV−2400」)をもちいて、380nmから780nmまでの波長領域の試験片の透過率の測定を行い、400nmでの透過率を試験前の透過率を基準とする百分率で表すことで耐光性の評価を行った。
<耐熱性評価(透過率で評価)>
上記の耐光性評価と同様の厚さ1mmの試験片を作製した。
それぞれの試験片を150℃の順風乾燥器中で72時間静置した後、上記の耐光性評価と同様に400nmでの透過率を試験前の透過率を基準とする百分率で表すことで耐熱性の評価を行った。
<曲げ弾性率、曲げ強度およびクラック発生率>
光半導体装置を構成するエポキシ樹脂硬化物部分のクラック発生率の目安となる曲げ弾性率および曲げ強度を、JIS−K6911に準じ、10mm×4mm×100mmの試験片を作成し、測定した。
また、クラック発生率は下記の熱衝撃試験で評価した。
30±0.5mm直径のシリコーン容器に、内径3mm、外径10mm、厚さ1mmの真鍮製のワッシャーを入れ、エポキシ樹脂組成物を厚さ3mmになるように流し入れ、120℃×3時間加熱し、さらに150℃×3時間加熱して硬化させた。
シリコーン容器から取り出した硬化サンプルを、熱衝撃試験機(エタック社製)で−20℃×15分と150℃×15分を50サイクル繰り返し、50サンプル中、クラックが発生したサンプルの発生率(%)を求めた。
<煮沸吸水率>
煮沸吸水率の測定方法は、JIS−6911に準じ、直径50±1mm、厚さ3±0.2mmの円形に成形した試験片を用い測定した。
<はんだ耐熱試験>
30±0.5mm直径のシリコーン容器に、内径3mm、外径10mm、厚さ1mmの真鍮製のワッシャーを入れ、エポキシ樹脂組成物を厚さ3mmになるように流し入れ、120℃×3時間加熱し、さらに150℃×3時間加熱して硬化させた。
シリコーン容器から取り出した硬化サンプルを、30℃、70%RHで168時間放置後、100℃に予熱しておいたはんだリフロー試験機に入れ、50℃/分で230℃まで昇温し、230℃で1分加熱する。これを2回繰り返す。50サンプル中、クラックが発生したサンプルの発生率(%)を求めた。
以上の評価結果を表1に示す。表1中の商品名または略号は以下の通りである。
なお、表1中の(B’)は、本発明における(B)および(C)以外のエポキシ変性オルガノポリシロキサンである。
<エポキシ樹脂(A)>
EPICLON EXA−7015:水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ株式会社製:エポキシ当量201g/eq)
セロキサイド2021:脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業株式会社製:エポキシ当量130g/eq)
エピコート828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂:(油化シェルエポキシ社製:エポキシ当量=200g/eq)
<両末端にのみエポキシ基を有するエポキシ変性オルガノポリシロキサンであって本発明における(C)に相当するもの>
KF−105:両末端エポキシ変性オルガノポリシロキサン(信越化学工業株式会社製:エポキシ当量490g/eq)
BY16−855D:両末端エポキシ変性オルガノポリシロキサン(東レダウシリコーン社製:エポキシ当量180g/eq)
<硬化剤>
EPICLON B−650:無水メチルヘキサヒドロフタル酸(大日本インキ株式会社製:酸無水物当量168g/eq)
ESCN001:クレゾールノボラック樹脂:(住友化学工業株式会社製)
<硬化促進剤>
U−CAT 18X:アミン系硬化促進剤(サンアプロ社製)
キュアゾール2PZ−CN:1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製)
Figure 2006282988
実施例1〜5は、いずれも(B)を含有しており、(B)を含有していない比較例1〜6に比べて、その硬化物はクラックが発生しない、または発生しにくい。
実施例2と比較例4を比べると、エポキシ変性オルガノポリシロキサンの置換基として脂環基を有しない実施例2の硬化物は、脂環基を有する比較例4の硬化物に比べて弾性率が低くクラックが発生しない。
実施例3と比較例5を比べると、エポキシ変性オルガノポリシロキサンの置換基としてフェニル基を有しない実施例3の硬化物は、フェニル基を有する比較例5の硬化物に比べて弾性率が低くクラックが発生しない。また、吸湿性も低い。
実施例2と比較例3を比べると、末端のみがエポキシ変性されたオルガノポリシロキサンを使用した比較例3の硬化物に比べて、分子鎖のペンダントがエポキシ変性されたオルガノポリシロキサンを使用した実施例2の硬化物は、透明性及び耐熱性が高く、クラックが発生しない。さらに吸湿性も低い。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物として利用できる。また、得られた光半導体装置は、各種の電気・電子製品の部品として有用である。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物は、光半導体素子の封止材以外の電気・電子部品材料、接着剤、塗料および土木建築用材料等にも使用できる。

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂(A)、一般式(1)で示されるエポキシ変性オルガノポリシロキサン(B)および硬化剤(C)からなる光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2006282988
    (式中、R1は水素原子または炭素数が1〜6の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基、Xは一般式(2)または(3)で表される置換基、YはR1またはX、aおよびbは1〜300の整数であって、a/bは0.1〜300であり、複数のR1、XおよびYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〔 〕内はランダム結合、ブロック結合またはそれらの併用を表す。)
    Figure 2006282988
  2. 前記(B)の含有量が、前記(A)100重量部に対して1〜90重量部である請求項1記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. さらに、一般式(4)で表される両末端にのみエポキシ基を有するエポキシ変性オルガノポリシロキサン(D)を含有する請求項1または2記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2006282988
    (式中、R3は炭素数が1〜5および酸素数が1〜3の2価の有機基、R4は炭素数が1〜6の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基、R5は炭素数が1〜6の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基、cは1〜10の整数であり、複数のR3、R4およびR5はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
  4. 前記(A)が脂環式エポキシ樹脂である請求項1〜3のいずれか記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を封止材として用いてなる光半導体装置。
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