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JP2009256604A - 光半導体素子封止用エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物及びそれからなるトランスファー成型用タブレット - Google Patents

光半導体素子封止用エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物及びそれからなるトランスファー成型用タブレット Download PDF

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JP2009256604A JP2009033148A JP2009033148A JP2009256604A JP 2009256604 A JP2009256604 A JP 2009256604A JP 2009033148 A JP2009033148 A JP 2009033148A JP 2009033148 A JP2009033148 A JP 2009033148A JP 2009256604 A JP2009256604 A JP 2009256604A
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Abstract

【課題】適度な硬さと優れた耐クラック性・耐光性とを有する硬化物を与える光半導体素子封止用エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物及びそれからなるトランスファー成型用タブレットを提供する。
【解決手段】(A)少なくとも2個のエポキシ基を有し、式:(RSiO)(式中、Rは独立に水素原子または非置換もしくは置換の一価炭化水素基を表し、nは0以上の整数であり、その平均値が3〜10である。)で表される連続した構造を有するオルガノポリシロキサン、(B)少なくとも2個のエポキシ基を有し、シロキサン結合を有さないエポキシ樹脂、(C)硬化剤、および(D)硬化触媒、を含有する光半導体素子封止用エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物;ならびにBステージ化した上記組成物からなるトランスファー成型用タブレット。
【選択図】なし

Description

本発明は、光半導体素子を封止するために好適に用いられるエポキシ・シリコーン混成樹脂組成物及びそれからなるトランスファー成型用タブレットに関する。
従来、光半導体素子を封止するために用いられる光半導体素子封止樹脂としては、エポキシ樹脂組成物が広く用いられている(特許文献1参照)。このような光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、通常、脂環式エポキシ樹脂、硬化剤および硬化触媒を含有している。該組成物を、キャスティング、トランスファー成形などの成形法にて、光半導体素子が配置された金型に流しこみ、硬化させることにより、光半導体素子を封止することができる。
しかし、発光ダイオード(LED)の輝度およびパワーの上昇に伴い、エポキシ樹脂で変色劣化の問題が起こっている。また、封止に使用されてきた透明エポキシ樹脂は、青色光や紫外線により経時に黄変するため素子の寿命が短いという問題がある。
そこで、耐熱性・耐光性に優れたシリコーンが光半導体素子の封止に使われている。
しかし、このようなシリコーンの硬化物は強度が低くPKG構造においては使用できない問題がある。
そこで、高硬度シリコーン樹脂を光半導体素子の封止に使用することが提案されている(特許文献2および3参照)。
しかし、これらの高硬度シリコーン樹脂は依然として接着性が乏しい。また、セラミック及び/又はプラスチック筐体内に発光素子を配置し、その筐体内部にこれら高硬度シリコーン樹脂を充填したケース型の発光半導体装置では、−40〜120℃での熱衝撃試験でシリコーン樹脂が筐体のセラミックやプラスチックから剥離してしまう問題点が生じている。
これらの問題を解決する手段として、エポキシ環を少なくとも2つ有するシルセスキオキサン、エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤および硬化触媒からなりBステージ化されてなる光半導体封止用樹脂組成物が開示されているが(特許文献4参照)、その硬化物の耐クラック性は、何ら開示も示唆もされていない。
また、特許文献5には、エポキシ樹脂とシリコーン樹脂との混合物からなる光半導体素子封止用材料が開示されているが、該シリコーン樹脂が少なくとも2個のエポキシ基を有することも、三官能性シロキサン単位及びSiO単位のいずれか一方又は両方からなる分岐状構造を有することも一切記載も示唆もされていない。
加えて、特許文献6には、樹脂成分としてエポキシアルキルシロキサンおよびエポキシ樹脂を含有するエポキシアルキルシロキサン含有注型樹脂組成物が記載されているが、該エポキシアルキルシロキサンが、シロキサン単位からなる直鎖状の連続した構造を有することも、更に三官能性シロキサン単位及びSiO単位のいずれか一方又は両方からなる分岐状構造を有することも何ら具体的には記載も示唆もされていない。
特開2002−179807号公報 特開2002−314139号公報 特開2002−314143号公報 特開2005−263869号公報 特開2007−103935号公報 特許第3399652号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、適度な硬さと優れた耐クラック性・耐光性とを有する硬化物を与える光半導体素子封止用エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物及びそれからなるトランスファー成型用タブレットを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定のエポキシ変性シリコーン、特定のエポキシ樹脂、硬化剤、および硬化触媒を含有する光半導体素子封止用エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物により上記課題を解決し得ることを見出した。
即ち、本発明は第一に、
(A)少なくとも2個のエポキシ基を有し、式:(RSiO)(式中、Rは独立に水素原子または非置換もしくは置換の一価炭化水素基を表し、nは0以上の整数であり、その平均値が3〜10である。)で表される連続した構造を有するオルガノポリシロキサン、
(B)少なくとも2個のエポキシ基を有し、シロキサン結合を有さないエポキシ樹脂、
(C)硬化剤、および
(D)硬化触媒
を含有する光半導体素子封止用エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物を提供する。
本発明は第二に、Bステージ化した上記組成物からなるトランスファー成型用タブレットを提供する。
本発明の光半導体素子封止用エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物は、シロキサン単位からなる直鎖状の連続した構造を有することから、その硬化物は高硬度でありながら耐クラック性能に優れ、耐光性が良好である。よって、該硬化物で光半導体素子を封止することにより、高い硬度、優れた耐クラック性能および良好な耐光性を有する光半導体装置を作成することができ、産業上のメリットは多大である。
本発明組成物は、上記(A)〜(D)成分を含有する。本発明組成物においては、ガラス転移点未満の温度における線膨張率αと、ガラス転移点を超える温度における線膨張率αとの比:α/αが0.5以上であることが、得られるパッケージのストレス(応力)緩和性の点から好ましい。比:α/αは、より好ましくは0.5以上1.0未満、更に好ましくは0.6〜0.99である。なお、ガラス転移点(Tg)は示差走査熱量分析装置(DSC)により、線膨張率αおよびαは熱機械分析装置(TMA)により測定することができる。
[(A)成分]
(A)成分は、少なくとも2個のエポキシ基を有し、式:(RSiO)(式中、Rは独立に水素原子または非置換もしくは置換の一価炭化水素基を表し、nは3〜10の整数を表す。)で表される連続した構造を有するオルガノポリシロキサンであり、好ましくは、上記の連続した構造を有すると共に、三官能性シロキサン単位(即ち、オルガノシルセスキオキサン単位)及びSiOで示される四官能性シロキサン単位のいずれか一方又は両方からなる分岐状構造を有するオルガノポリシロキサンである。(A)成分は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(A)成分は、上記のオルガノポリシロキサンである限り、特に限定されないが、(A)成分としては、例えば、式:R'SiX3(式中、R'はエポキシ基含有基を表し、Xは加水分解性基を表す。)で表される3官能性有機ケイ素化合物と、式:Y−(R)SiO−((R)SiO)−Si(R)−Y(式中、Rおよびnは前記のとおりであり、Yは加水分解性基を表す。)で表されるオルガノポリシロキサンならびに任意に、RSiX(R、Xは前記に同じ)で示される三官能性シラン化合物及びSiX(Xは前記に同じ)で示される四官能性シラン化合物のいずれか一方又は両方との加水分解、縮合により合成され、式:R'SiO1.5(式中、R'は前記のとおりである。)で表される単位と式:(RSiO)(式中、Rおよびnは前記のとおりである。)で表される連続した構造とを有し、任意にRSiO1.5(式中、Rは前記と同じ)単位及びSiO単位のいずれか一方又は両方を含有し得るオルガノポリシロキサンが挙げられる。
Rが非置換又は置換の一価炭化水素基である場合、その例としてはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基の水素原子がハロゲン原子、シアノ基等で置換された基が挙げられる。
上記のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6のアルキル基が挙げられる。
上記のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基等の炭素原子数5〜12、好ましくは6〜8のシクロアルキル基が挙げられる。
上記のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素原子数2〜6、好ましくは2〜4のアルケニル基が挙げられる。
上記のアリール基としては、フェニル基、トリル基等の炭素原子数6〜12、好ましくは6〜8のアリール基が挙げられる。
上記のアラルキル基としては、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等の炭素原子数7〜20、好ましくは7〜12のアラルキル基が挙げられる。
R'の具体例としては、エポキシ基、グリシジル基、グリシドキシ基、γ―グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、2―(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等が挙げられる。
XおよびYの具体例としては、ヒドロキシ基;塩素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等の炭素原子数1〜4、好ましくは1〜2のアルコキシ基等が挙げられる。XおよびYの組み合わせとしては、ヒドロキシ基どうしの組み合わせ、ハロゲン原子どうしの組み合わせ、アルコキシ基どうしの組み合わせ、ヒドロキシ基とアルコキシ基との組み合わせ等が挙げられる。
[(B)成分]
(B)成分は、少なくとも2個のエポキシ基を有し、分子中にシロキサン結合を有さないエポキシ樹脂である。(B)成分は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分は上記のエポキシ樹脂である限り、特に限定されないが、(B)成分としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、前記各種エポキシ樹脂の芳香環に対して水素添加を行って得られる水添型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどを挙げることができる。中でも、本発明組成物およびその硬化物が光により劣化するのを防止するため、水添型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂やトリグリシジルイソシアヌレートが好適に使用される。
(B)成分の配合量は、(A)成分および(B)成分の合計に対して、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜60質量%である。該配合量が上記範囲内にあると、得られる組成物の硬化物は強度が十分であり、該硬化物で光半導体素子を封止した場合に、温度サイクルなどによる熱衝撃が加わってもクラックや接着不良が発生しにくい。また、得られる組成物中のエポキシ樹脂含有量が多くなりすぎないので、該組成物の硬化物で光半導体素子を封止した場合に、該素子が紫外線等を発光するものであっても、該硬化物が紫外線等により劣化しにくい。
[(C)成分]
(C)成分は、本発明組成物中のエポキシ基と反応して架橋を形成し、該組成物を硬化させるための硬化剤である。このような硬化剤としては、エポキシ樹脂に使用される通常の硬化剤を使用することができる。(C)成分は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分としては、例えば、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、またはこれらの組み合わせが挙げられ、酸無水物系硬化剤が好適に使用される。
酸無水物系硬化剤の具体例としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸と4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物などを挙げることができる。
アミン系硬化剤の具体例としては、ヒドラジド化合物、4,4−ジアミノジフェニルメタン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4−ジアミノジフェニルプロパンが挙げられる。
フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA,ビスフェノールF、ビスフェノールAF等のビスフェノール型樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック型樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型樹脂、ビフェニル型樹脂、ビフェニルアラルキル型樹脂、脂環式フェノール樹脂等の各種のフェノール樹脂などが挙げられる。
(C)成分の配合量は、(A)および(B)成分の合計に含まれるエポキシ基1モルに対して、(C)成分中における、酸無水物基、アミノ基、フェノール性水酸基等の、エポキシ基と反応する官能性基の比率が好ましくは0.2〜1.5モル、より好ましくは0.3〜1.0、更に好ましくは0.4〜0.8モルとなる量である。
[(D)成分]
(D)成分は硬化触媒であり、エポキシ樹脂に使用される通常の硬化触媒を使用することができる。(D)成分は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(D)成分の具体例としては、テトラブチルホスホニウムo,o―ジエチルホスホロジチオエート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどの第四級ホスホニウム塩;トリフェニルフォスフィン、ジフェニルフォスフィン等の有機フォスフィン系硬化触媒;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン系硬化触媒;2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などを挙げることができる。
(D)成分の配合量は0.05〜3phr(per hundred resin、全組成物100gに対する(D)成分の配合量(g)を示す単位)であることが好ましい。該配合量がこの範囲内にあると、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進させる効果を十分に得ることが容易である。また、得られる組成物を硬化させるときや、該組成物の硬化物で封止した光半導体素子に対してリフローを行うときに、硬化物が変色するのを防ぎやすい。
[その他の成分]
本発明組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲で必要に応じて、その他の成分を添加することもできる。その他の成分としては、例えば、該組成物の硬化物により封止される光半導体素子が発する光の波長を変更するための蛍光体や酸化チタン微粉末などの光散乱剤などが挙げられる。更に、その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、変色防止剤、劣化防止剤、シリカなどの無機充填剤、シラン系カップリング剤、変性剤、可塑剤、希釈剤などが挙げられる。
[トランスファー成型用タブレット]
本発明のトランスファー成型用タブレットは、Bステージ化した(即ち、半硬化状態の)本発明組成物からなる。本発明において、Bステージ化の条件は、上記した(A)〜(D)成分および必要に応じて添加されるその他の成分を80〜120℃、好ましくは80〜100℃にて1〜20時間、好ましくは5〜15時間熟成させることにより達成される。かかるBステージとは、半硬化状態の組成物の150℃におけるゲル化時間が好ましくは10〜70秒、より好ましくは10〜40秒となる状態をいう。
本発明のトランスファー成型用タブレットは、例えば、溶融させた本発明組成物を所望のタブレットの形状に合わせた鋳型中で熟成させてBステージ化することにより得ることができる。
溶融させた本発明組成物は、上記(A)〜(D)成分および必要によりその他の成分を溶融混合することにより得ることができる。溶融混合は公知の方法で行えばよく、例えば、上記の成分を一括してリアクターに仕込み、バッチ式にて溶融混合してもよいし、また上記の成分を一括してニーダーや熱三本ロールなどの混練機に投入して、連続的に溶融混合してもよい。
また、溶融させた本発明組成物は、まず、(A)および(B)成分ならびに必要によりその他の成分を均一に溶融混合した後に、得られた溶融混合物に(C)成分の硬化剤を添加して均一に溶融混合し、次いで、この溶融混合物に(D)成分の硬化触媒を配合して均一に溶融混合することにより得るのが好ましい。このような溶融混合によると、すでに(A)〜(C)成分が十分かつ均一に混合されている溶融混合物に、(D)成分の硬化触媒が混合されるので、(A)〜(C)成分が十分に混合される前に局所的に硬化反応が進行することを防止することができる。
本発明のトランスファー成型用タブレットは、原料を粉砕または打錠することなく得ることができるため、内部に気泡を巻き込むおそれが低く、品質が良好である。
[用途]
本発明のトランスファー成型用タブレットを使用してトランスファー成型を行うことができる。トランスファー成型は、一般的な手法としては、該トランスファー成型用タブレットを予熱室で予熱軟化させてからプランジャーによって小さな穴を通して封止用金型のキャビティに送り、そこで硬化させることにより行うことができる。成型機としては、補助ラム式成型機、スライド式成型機、二重ラム式成型機、低圧封入用成型機のいずれをも用いることができる。
本発明の組成物およびトランスファー成型用タブレットは光半導体素子を封止するのに好適に用いることができる。光半導体素子は、該組成物または軟化させた該タブレットを該光半導体素子上に塗布し、該組成物または該タブレットを硬化させることにより、封止することができる。光半導体素子としては、例えば、発光ダイオード、フォトダイオード、フォトトランジスタ、レーザーダイオード等が挙げられる。
以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
・(A)成分
(A)成分のオルガノポリシロキサンは次に示す方法で製造した。
[合成例1]
イソプロピルアルコール900g、水酸化テトラメチルアンモニウムの25%水溶液24g、水216gを反応器に仕込んだ後、エポキシ基含有の三官能性シロキサン単位源として2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM303)490g(2.0モル)、式:(R2SiO)nで示される連続構造源としてMeO(Me)2Si-O-(Me2SiO)Si(Me)2OMe(nの平均値=5)で表されるオルガノポリシロキサン565.2g(1.0モル)を添加し、室温で20時間攪拌して反応を進行させた。
反応終了後、反応系内にトルエン1200gを添加し、減圧下でイソプロピルアルコール等を除去した。分液漏斗を用いて、残渣を熱水にて洗浄した。水層が中性になるまで水で洗浄を行った後、トルエン層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。無水硫酸ナトリウムをろ別した後、減圧下でトルエンを除去して目的の樹脂(樹脂1)を得た。エポキシ当量は432g/molであった。
[合成例2]
合成例1において、MeO(Me)2Si-O-(Me2SiO)Si(Me)2OMe(nの平均値=5)で表されるオルガノポリシロキサン565.2g(1.0モル)の代わりにMeO(Me)2Si-O-(Me2SiO)Si(Me)2OMe(nの平均値=7)で表されるオルガノポリシロキサン712g(1.0モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、目的の樹脂(樹脂2)を得た。エポキシ当量は540g/molであった。
[合成例3]
合成例1において、MeO(Me)2Si-O-(Me2SiO)Si(Me)2OMe(nの平均値=5)で表されるオルガノポリシロキサン565.2g(1.0モル)の代わりにMeO(Me)2Si-O-(Me2SiO)Si(Me)2OMe(nの平均値=15)で表されるオルガノポリシロキサン1304g(1.0モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、目的の樹脂(樹脂3)を得た。エポキシ当量は740g/molであった。
・(B)成分
(B)成分のエポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂であるダイセル化学工業社製「セロキサイド2021P」(商品名)を用いた。
・(C)成分
(C)成分の硬化剤として、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸である新日本理化社製「MH」(商品名)を用いた。
・(D)成分
(D)成分の硬化触媒として、有機ホスホニウム塩であるUCAT-5003(商品名、サンアポロ社製)を用いた。
[実施例1]
各成分を下記に示す質量部で以下の手順で配合し、光半導体素子封止用エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物およびそれからなるトランスファー成型用タブレットを作製した。
まず、樹脂1 87質量部、セロキサイド2021P 34質量部、MH 26質量部およびUCAT5003 0.6質量部を80℃で溶融混合し、エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物を得た。この溶融した組成物を鋳型に流し込み、該鋳型中で90℃にて10時間熟成させてBステージ化することにより、この組成物のトランスファー成型用タブレットを作製した。
[実施例2]
実施例1において、樹脂1の代わりに樹脂2を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物およびそれからなるトランスファー成型用タブレットを作製した。
[比較例1]
実施例1において、樹脂1の代わりに樹脂3を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物およびそれからなるトランスファー成型用タブレットを作製した。
[比較例2]
実施例1において、樹脂1を用いなかった以外は実施例1と同様にして、エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物およびそれからなるトランスファー成型用タブレットを作製した。
[評価]
実施例1および2ならびに比較例1および2で得られたトランスファー成型用タブレットを用いて、トランスファー成型を行い(150℃、5分間)、さらにポストキュアを150℃にて4時間行って、5mm×10mmの断面を有し、長さが100mmである棒状硬化物を得た。この棒状硬化物を用いて、外観および260℃におけるIRリフロー試験後の変色の観察、ならびに、JIS K 6911に準拠して曲げ弾性率および曲げ強度の測定を行った。その結果を表1に示す。
また、光半導体素子を搭載し、該光半導体素子とボンディングワイヤーで接続されたリードフレームをインサートしたコンプレッションモールドを用いて、上記組成物を圧縮成型し(圧力:6MPa、150℃、5分間)、さらにポストキュアを150℃にて4時間行うことにより、光半導体素子を封止して光半導体装置を作成した。この光半導体装置に対し低温側−40℃、高温側120℃の熱衝撃試験を200サイクルおこなった。50個の光半導体装置について熱衝撃試験を行い、クラックの発生したものの割合を測定した。その結果を表1に示す。
更に、実施例1および2ならびに比較例1および2で得られた各タブレットについて、セイコー電子社製示差走査熱量分析装置DSC−6220(測定条件:−100℃〜200℃で昇温速度:10℃/min)によりガラス転移点Tgを測定し、セイコー電子社製熱機械分析装置TMA SS−6100(測定条件:−100℃〜200℃で昇温速度:10℃/min)によりガラス転移点未満における線膨張率αと、ガラス転移点を超える温度における線膨張率αとを測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2009256604

※1:硬化物が軟らかすぎるため。

Claims (4)

  1. (A)少なくとも2個のエポキシ基を有し、式:(RSiO)(式中、Rは独立に水素原子または非置換もしくは置換の一価炭化水素基を表し、nは0以上の整数であり、その平均値が3〜10である。)で表される連続した構造を有するオルガノポリシロキサン、
    (B)少なくとも2個のエポキシ基を有し、シロキサン結合を有さないエポキシ樹脂、
    (C)硬化剤、および
    (D)硬化触媒
    を含有する光半導体素子封止用エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物。
  2. (A)成分が式:(RSiO)(式中、Rおよびnは前記のとおりである。)で表される連続した構造を有すると共に、三官能性シロキサン単位及びSiO単位のいずれか一方又は両方からなる分岐状構造を有するものである請求項1に係る組成物。
  3. ガラス転移点未満の温度における線膨張率αと、ガラス転移点を超える温度における線膨張率αとの比:α/αが0.5以上であることを特徴とする請求項1に係る組成物。
  4. Bステージ化した請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物からなるトランスファー成型用タブレット。
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