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JP2009097014A - 封止用液状樹脂組成物、電子部品装置及びウエハーレベルチップサイズパッケージ - Google Patents

封止用液状樹脂組成物、電子部品装置及びウエハーレベルチップサイズパッケージ Download PDF

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JP2009097014A
JP2009097014A JP2008250280A JP2008250280A JP2009097014A JP 2009097014 A JP2009097014 A JP 2009097014A JP 2008250280 A JP2008250280 A JP 2008250280A JP 2008250280 A JP2008250280 A JP 2008250280A JP 2009097014 A JP2009097014 A JP 2009097014A
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resin composition
sealing
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liquid
epoxy resin
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Application number
JP2008250280A
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Michitoshi Arata
道俊 荒田
Atsushi Kuwano
敦司 桑野
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Resonac Corp
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】ウエハーレベルチップサイズパッケージ等の低反り性が要求される電子部品装置に適用しても反りが小さく抑えられ、且つ強度、耐熱衝撃性、耐湿性等の信頼性並びに加工性等に優れた封止用液状樹脂組成物、及びこの封止用液状樹脂組成物で封止した素子を備えてなる電子部品装置及びウエハーレベルチップサイズパッケージを提供する。
【解決手段】 表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子を含む無機充填剤(A)を含有してなる封止用液状樹脂組成物であって、前記封止用液状樹脂組成物の硬化物の25℃における弾性率が、6〜15GPaである封止用液状樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、封止用液状樹脂組成物、及びこの封止用液状樹脂組成物で封止した素子を備えてなる電子部品装置及びウエハーレベルチップサイズパッケージに関する。
従来から、トランジスタ、IC等の電子部品装置の素子封止の分野では、生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸特性にバランスがとれているためである。
一方、近年、電子部品装置の低コスト化、高集積化、高性能・高機能化を図るために素子の配線の微細化、多層化、多ピン化、パッケージの小型薄型化による高密度化が進んでいる。これに伴い、ICの素子とほぼ同じサイズの電子部品装置、すなわち、CSP(Chip Size Package)が広く用いられるようになってきている。
このような状況の中、ウエハーの状態で樹脂封止を行うウエハーレベルチップサイズパッケージが高密度実装に有効なパッケージとして注目されている。このウエハーレベルチップサイズパッケージは、半導体素子として微細配線が施され、且つ、その表面に外部接続端子引出し用の再配線及び電極が形成され、該電極上にバンプが形成もしくはリードが接続されたシリコンウエハーの表面をエポキシ樹脂組成物で封止し、バンプもしくはリードにはんだ付けを行った後、該シリコンウエハーを個々の素子に切断、製品とするものである。この方式は、ウエハーの状態で、固形のエポキシ樹脂組成物を用いたトランスファーモールド成形や、液状エポキシ樹脂組成物を用いた印刷成形により多数の素子を一度に封止した後、個片化するため、素子を個片化してから封止する方法に比べ大幅な生産合理化が可能となる。しかしながら、ウエハーレベルチップサイズパッケージにおいては、封止したウエハーが反りやすく、この反りがその後の搬送、研削、検査、個片化等の各工程で問題となっており、更にデバイスによっては素子特性に変動が生じる問題がある。半導体分野においては、より一層のコストダウンを図るため、ウエハー径が益々大きくなる傾向にあり、封止後のウエハーの反りを低減することがウエハーレベルチップサイズパッケージを普及させる上で重要な課題となっている。
ウエハーの反りは、封止に用いられるエポキシ樹脂組成物の成形収縮や、シリコンウエハーとエポキシ樹脂組成物の熱膨張係数のミスマッチによって発生する応力が影響するものであり、パッケージの信頼性も低下させる恐れがある。そのため、このような用途に用いるエポキシ樹脂組成物には低応力化が必要となり、一般には、エポキシ樹脂組成物の成形収縮を下げたり、無機充填剤を高充填し熱膨張係数を小さくしたり、可撓化剤や可撓性樹脂を用い弾性率を小さくすることが有効とされている。
しかしながら、無機充填剤を高充填することにより熱膨張係数をウエハーに近づける手法だけでは、硬化物自体の弾性率が高くなるために応力低減が不十分となり反りを低減するには限界がある。
そこで、例えば、シリコーン変性エポキシ樹脂を主成分とする、硬化物の常温での弾性率が5GPa以下である液状樹脂組成物が、特許文献1及び特許文献2に開示されている。一方、耐熱性及び保存安定性に優れ、高強度且つ可撓性に優れるジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物が、特許文献3に開示されている。
特開2003−238651号公報 特開2003−238652号公報 特許第3900317号公報
上記特許文献1及び特許文献2には、シリコーン樹脂をベース樹脂に用いることにより、硬化物の弾性率が低下し応力緩和により反りを小さくする手法が提案されている。しかしながら、樹脂組成物の主成分が低弾性体の柔らかい樹脂骨格から成るため、機械的強度が低下し、封止樹脂を均一に研削することが困難になったり、ウエハーダイシング時に封止樹脂がかけたりする等の問題が生じ易くなることに加え、これらの加工に用いるグラインドホイールやダイシングブレードが加工中に目詰まりし易く、摩耗が著しく速くなるという問題がある。更に、ガラス転移温度や強度の低下により耐湿信頼性が低下するという欠点がある。
一方、上記特許文献3記載のジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を用いる手法では、機械特性や低吸水性、保存安定性に優れる封止用樹脂組成物が得られる。また、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂は、開環重合の際の硬化収縮が小さいという特徴がある。しかしながら、上記特許文献3には印刷法によるウエハーレベルチップサイズパッケージの製造に使用可能な液状樹脂組成物に関する記載は無い。
このようにウエハーレベルチップサイズパッケージに使用される封止用液状樹脂組成物には、高強度、高信頼性並びに良好な加工性を発現させながら低応力化を図り、ウエハーの反りを抑えることが望まれているが、有効な解決策は見出されていない。
本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、ウエハーレベルチップサイズパッケージ等の低反り性が要求される電子部品装置に適用しても反りが小さく抑えられ、且つ強度、耐熱衝撃性、耐湿性並びに加工性等の信頼性に優れた封止用液状樹脂組成物、及びこの封止用液状樹脂組成物で封止した素子を備えてなる電子部品装置及びウエハーレベルチップサイズパッケージを提供することを目的とする。
本発明は、(1)表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子を含む無機充填剤(A)を含有してなる封止用液状樹脂組成物であって、前記封止用液状樹脂組成物の硬化物の25℃における弾性率が、6〜15GPaである封止用液状樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(2)前記表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子の比表面積が、0.5〜10.0m/gである前記(1)に記載の封止用液状樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(3)前記表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子の圧縮強度が、30〜1500MPaである前記(1)又は(2)に記載の封止用液状樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(4)さらに、液状エポキシ樹脂(B)、フェノール樹脂(C)、エラストマー(D)及び有機溶剤(E)を含有し、前記液状エポキシ樹脂(B)がシリコーン変性エポキシ樹脂を30質量%以上含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(5)さらに、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物(F)を含有することを特徴とする前記(4)に記載の封止用液状樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(6)前記シリコーン変性エポキシ樹脂が、下記一般式(I)で示されるシロキサン構造を有するエポキシ樹脂である前記(4)又は(5)に記載の封止用液状樹脂組成物に関する。
Figure 2009097014
(一般式(I)中のR及びRはアルキル基又はアリール基を表し、同一であっても異なっていてもよく、nは1以上の整数である。)
また、本発明は、(7)(B)成分、(C)成分及び(F)成分の合計量に対して、液状エポキシ樹脂(B)の配合割合が30〜83質量%、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物(F)の配合割合が8.5〜63質量%、フェノール樹脂(C)の配合割合が2〜35質量%であり、且つ、(C)成分及び(F)成分の合計量に対して、フェノール樹脂(C)の配合割合が、10〜50質量%である前記(5)又は(6)に記載の封止用液状樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(8)前記エラストマー(D)が、液状エポキシ樹脂中でアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとSiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル化反応により架橋生成させたシリコーンゴム粒子である前記(4)〜(7)のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(9)前記シリコーンゴム粒子の平均粒径が、0.1〜2μmである前記(8)に記載の封止用液状樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(10)前記エラストマー(D)が、固形シリコーン重合体からなるコア層と有機重合体からなるシェル層とを含有するコア/シェル型シリコーン重合体粒子である前記(4)〜(7)のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(11)前記コア/シェル型シリコーン重合体粒子が、[RSiO3/2]及び/又は[SiO4/2]からなる単位を有する、[RR’SiO2/2]単位(ここで、Rは炭素数6以下のアルキル基、アリール基、又は末端に炭素二重結合を有する置換基であり、R’は炭素数6以下のアルキル基又はアリール基を表す。)を含むシリコーン重合体からなるコア層と、ビニル重合により得られる有機重合体からなるシェル層とを含有するものである前記(10)に記載の封止用液状樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(12)前記有機重合体が、アクリル系重合体である前記(10)又は(11)に記載の封止用液状樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(13)前記エラストマー(D)の配合量が、(B)成分、(C)成分及び(F)成分の合計100質量部に対し、1〜50質量部である前記(4)〜(12)のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(14)前記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物により封止された素子を備えてなる電子部品装置に関する。
また、本発明は、(15)ウエハーレベルチップサイズパッケージの封止に用いられる前記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(16)前記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物により封止された素子を備えてなるウエハーレベルチップサイズパッケージに関する。
本発明によれば、ウエハーレベルチップサイズパッケージ等の低反り性が要求される電子部品装置に適用しても反りが小さく抑えられ、且つ強度、耐熱衝撃性、耐湿性等の信頼性並びに加工性等に優れた封止用液状樹脂組成物、及びこの封止用液状樹脂組成物で封止した素子を備えてなる電子部品装置及びウエハーレベルチップサイズパッケージを提供することができる。
本発明の封止用液状樹脂組成物は、表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子を含む無機充填剤(A)を含有してなる封止用液状樹脂組成物であって、前記封止用液状樹脂組成物の硬化物の25℃における弾性率が、6〜15GPaであることを特徴とする。
本発明では、封止用液状樹脂組成物を硬化させた硬化物の25℃における弾性率を6〜15GPaの範囲にすることが重要であり、それによって、硬化物の反りを低減でき、封止用液状樹脂組成物の加工性を良好なものとすることができる。前記弾性率は、6〜14GPaであることが好ましく、6〜12GPaであることがより好ましい。封止用液状樹脂組成物をウエハーに印刷塗布し、加熱硬化した際のウエハーの反りを低減するためには、硬化物の弾性率を低くして低応力化を図ることが有効である。しかし、硬化物の25℃における弾性率が6GPa未満の場合、反りは低減できるものの、加工性が悪くなってしまう。特に、樹脂研削工程やダイシング工程において、グラインドホイールやダイシングブレードの摩耗が著しい。一方、25℃における弾性率が15GPaを超えると反りが大きくなり、特に、薄型のウエハーレベルチップサイズパッケージでは、加熱硬化後の反りもさることながら、樹脂面及び裏面(ウエハー面)の研削後、並びにはんだボール搭載工程等におけるリフロー後の反りが顕著となる。このように、本発明においては、封止用液状樹脂組成物の硬化物の25℃における弾性率を上記範囲に設定することが重要であり、その範囲を外れると本発明の目的を達成することができないのである。
封止用液状樹脂組成物の硬化物の25℃における弾性率が6〜15GPaの範囲になるようにするには、例えば、無機充填剤の配合量、エラストマーの配合量、シリコーン変性エポキシ樹脂の配合量を調整すること、多官能のエポキシ樹脂または硬化剤を用いること等によって調整することができる。具体的には、無機充填剤の配合量を増やすと弾性率は高くなり、エラストマーおよびシリコーン変性エポキシ樹脂の配合量を増やすと弾性率は低くなる。また、より多官能のエポキシ樹脂または硬化剤を用いることにより、封止用液状樹脂組成物の硬化物の架橋密度を高くすることによっても弾性率を高くすることが出来る。これらの手法を単独または併用することによって、封止用液状樹脂組成物の硬化物の25℃における弾性率を適正な範囲に調整することが可能である。
ここで硬化物の弾性率は、動的粘弾性測定装置(周波数10Hz)を用いて測定した時の貯蔵弾性率であり、封止用液状樹脂組成物を約290μm厚のシート状に加熱硬化し、このシートを4mm×34mmに切断して試験片を作製し、動的粘弾性測定装置DVE型(株式会社レオロジ製)を用いて、チャック間距離25mm、周波数10Hzの正弦波で連続加振、歪み量5μm、自動静荷重、昇温速度3℃/分、温度範囲20〜250℃の条件で測定し、25℃の時の貯蔵弾性率を読み取ることにより測定できる。
(A)成分:無機充填剤
(A−1)表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子
本発明の封止用液状樹脂組成物が含有する無機充填剤(A)は、表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子(A−1)を含むことが重要であり、それによって封止用液状樹脂組成物の粘度上昇を抑え、又、グラインドホイールやダイシングブレードの摩耗を抑え加工性を良好なものとすることができる。表面が被覆されていない多孔質シリカ粒子を用いた場合、比表面積が大きいため封止用液状樹脂組成物の粘度が著しく上昇し、ウエハー上への塗布が困難になり、加工性に劣る。また、粘度を低減するために溶剤を添加する場合においても、溶剤の添加量が多くなるため、加熱硬化後にボイドや著しい膜減りが発生し、硬化物の信頼性に劣る。
表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子の比表面積は、特に限定されないが、0.5〜10.0m/gが好ましく、0.5〜8.0m/gがより好ましく、0.6〜6.0m/gが更に好ましい。前記比表面積が0.5m/g以上の場合、多孔質シリカ粒子の表面の凹凸が少ないため、樹脂との接着性が低くなり、10.0m/g以下の場合、封止用液状樹脂組成物の粘度の上昇を抑える効果がある。ここで、多孔質シリカ粒子の比表面積は窒素を用いたBET法により測定したものである。
表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子の圧縮強度は、特に限定されないが、30〜1500MPaが好ましく、70〜1200MPaがより好ましく、100〜1000MPaが更に好ましい。前記圧縮強度が30MPa未満の場合、封止用液状樹脂組成物の製造過程で多孔質シリカ粒子が崩壊する可能性があり、1500MPaを超える場合、グラインドホイールやダイシングブレードの摩耗が著しくなる可能性がある。ここで、圧縮強度は微小圧縮試験機(株式会社島津製作所製、MCMT−200)によって、負荷速度定数1、負荷速度0.029〜0.27gf/sで測定した際の、粒子が破壊するときの圧縮強度である。
表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子の平均粒径は、特に限定されないが、充填量を高めるという観点から、平均粒径の異なる複数種類の多孔質シリカ粒子を用いることが好ましい。
表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子の形状は、特に限定されず、例えば、球形、角状、不定形などが挙げられるが、球形が好ましい。
表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子は、多孔質シリカ粒子の表面を公知の方法、例えば、特開2006−176343号公報に記載の方法により無機化合物で被覆することにより得られるものである。
多孔質シリカ粒子を被覆する無機化合物は、無機酸化物であることが好ましく、珪素を含有する無機酸化物であることが更に好ましい。かかる無機酸化物の具体例としては、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化チタンなどが挙げられ、これらの中でも珪素を含有する無機酸化物が好ましく、例えば、二酸化珪素などが好ましい。多孔質シリカ粒子を被覆する化合物が有機物である場合、封止用液状樹脂組成物に有機溶剤を添加した際に被膜層が膨潤又は溶解する懸念があり、更に、硬化物の吸水率が高くなり、信頼性が低下する恐れがある。表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子は特に制限はないが、例えば、特開2006−176343号公報により公開されているような、公知の方法により製造される。一例として、多孔質シリカ粒子を分散させた懸濁液に、無機化合物を溶解又は分散させた溶液を添加し、多孔質シリカ粒子の表面を無機化合物で被覆する方法が挙げられる。
(A−2)その他の無機充填剤
本発明の封止用液状樹脂組成物には、(A)無機充填剤として上記表面を無機化合物で被覆された多孔質シリカ粒子(A−1)以外のその他の無機充填剤(A−2)を配合することができる。
前述したように、充填量を高めるという観点から、平均粒径の異なる粒子を複数種類用いることが好ましいが、その場合、多孔質シリカ粒子(A−1)を複数種用いても良いし、多孔質シリカ粒子(A−1)とその他の無機充填剤(A−2)を併用しても良い。
その他の無機充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ、炭酸カルシウム、クレー、酸化アルミナ等のアルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化ホウ素、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム、窒化アルミ、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等が挙げられる。これらの中でも線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。その他の無機充填剤の形状は高充填化及び封止用液状樹脂組成物の微細間隙への流動性・浸透性の観点から球形が好ましい。また、シリカは、封止用液状樹脂組成物の流動性や保存安定性の観点から、予めカップリング剤で処理されたものが好ましい。これらその他の無機充填剤は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の無機充填剤(A−2)の平均粒径は、充填量を高めるという観点から粒度分布を持たせるために、多孔質シリカ粒子(A−1)と異なる範囲の粒径が好ましい。
また、表面を無機化合物で被覆された多孔質シリカ粒子(A−1)と、その他の無機充填剤(A−2)とを併用する場合、表面を無機化合物で被覆された多孔質シリカ粒子(A−1)とその他の無機充填剤(A−2)の合計量に対して、表面が無機化合物で被覆された多孔質シリカ粒子(A−1)の配合割合が、50質量%以上であることが好ましく、55質量%であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましい。前記配合割合が50質量%未満の場合、グラインドホイールやダイシングブレードの摩耗が増大する恐れがある。
無機充填剤(A)の配合割合は、特に限定されるものではないが、無機充填剤(A)と後述する成分(B)から成分(E)の合計量に対して、70〜94質量%が好ましく、80〜93質量%がより好ましく、80〜90質量%が特に好ましい。無機充填剤(A)の配合量が70質量%未満の場合、熱膨張係数の低減効果が減少することから反りが大きくなる傾向がある。一方、94質量%を超える場合、封止用液状樹脂組成物の粘度が上昇するため印刷塗布作業性が低下する傾向があり、粘度を下げるために添加する有機溶剤の量を増やすとボイドの発生や著しい膜減り等の不具合を招き、硬化物の信頼性が損なわれる可能性がある。
本発明の封止用液状樹脂組成物は、さらに液状エポキシ樹脂(B)、フェノール樹脂(C)、エラストマー(D)、有機溶剤(E)及びジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物(F)を含有することができる。
(B)成分:液状エポキシ樹脂
本発明の封止用液状樹脂組成物に用いる液状エポキシ樹脂(B)は、室温(5〜30℃)において液状であれば、特に限定されないが、弾性率を低下させる等の観点から、シリコーン変性エポキシ樹脂(B−1)を30質量%以上含有することが好ましく、35質量%以上含有することがより好ましく、40質量%以上含有することが更により好ましく、50質量%以上含有することが特に好ましい。
(B−1)シリコーン変性エポキシ樹脂
液状エポキシ樹脂(B)に含有されるシリコーン変性エポキシ樹脂(B−1)は、どのようなものでも構わないが、下記一般式(I)で示されるシロキサン構造を有することが好ましい。
Figure 2009097014
上記一般式(I)中、R及びRはアルキル基又はアリール基であり、同一であっても異なっていてもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などのアルキル基;フェニル基、キシリル基、トリル基などのアリール基;等が挙げられるが、これらのなかでもメチル基又はフェニル基が好ましく、メチル基がより好ましい。一般式(I)中、nは1以上の整数である。一般式(I)で示されるシロキサン構造を有するシリコーン変性エポキシ樹脂として、工業的に入手可能な市販品としては、ALBIFLEX296、ALBIFLEX348、XP544(Hanse Chemie社製商品名)等がある。
また、その他のシリコーン変性エポキシ樹脂としては、式(I)で示されるシロキサン構造を有するエポキシ樹脂と、フェノール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基等のエポキシ基と反応することができる置換基を有し、かつシロキサン構造を有さない化合物と反応して得られるもの;また、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂のようなシロキサン構造を有さないエポキシ樹脂と、フェノール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基等のエポキシ基と反応することができる置換基を有し、且つ式(I)で示されるシロキサン構造を有する化合物と反応して得られるもの;等が挙げられる。
これらのなかでも、下記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂と2官能フェノール類とを反応したものが好ましい。
Figure 2009097014
上記一般式(II)中、R及びRはアルキル基又はアリール基であり、同一でも異なっていても良く、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などのアルキル基;フェニル基、キシリル基、トリル基などのアリール基;等が挙げられるが、これらのなかでもメチル基が好ましい。一般式(II)中、nは1以上の整数であり、25以下が好ましく、15以下がより好ましい。一般式(II)で示されるエポキシ樹脂として工業的に入手可能な市販品としては、KF−105、X−22−163、X22−163A(信越化学工業株式会社製商品名)、TSL9906(GE東芝シリコーン株式会社製商品名)等があり、エポキシ当量は1000g/eq.以下が好ましく、600g/eq.以下がより好ましい。これらエポキシ樹脂は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応に用いられる2官能フェノール類としては、一分子中にフェノール性水酸基を2個有するものであれば特に制限はなく、例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、カテコール、テルペンジフェノール等の単環二官能フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等のビスフェノール類、4,4´−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のジヒドロキシフェニルエーテル類及びこれらのフェノール骨格の芳香環に直鎖アルキル基、分岐アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、アリル基、環状脂肪族基等を導入したもの、これらのビスフェノール骨格の中央にある炭素原子に直鎖アルキル基、分岐アルキル基、アリル基、置換基のついたアリル基、環状脂肪族基、アルコキシカルボニル基等を導入した多環二官能フェノール類などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリコーン変性エポキシ樹脂は、例えば、一般式(II)で示されるエポキシ樹脂と2官能フェノール類を混合し、必要に応じて、触媒を添加し、更に必要に応じて有機溶剤を添加し加熱反応させることにより得られる。触媒としては、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物、その誘導体、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等がある。これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。反応する際のエポキシ樹脂と2官能フェノール類との当量比は、エポキシ当量/水酸基当量の比が1〜5であることが好ましい。
また、一般式(II)で示されるエポキシ樹脂中のシロキサン構造の繰り返し単位であるnが1〜3程度の、短鎖シロキサンを有するシリコーン変性エポキシ樹脂と2官能フェノール類の反応から得られるシリコーン変性エポキシ樹脂は、界面活性作用が弱く破泡性に劣る傾向にあるため単独で用いるよりも、長鎖シロキサンを有するシリコーン変性エポキシ樹脂と併用することが好ましい。
この場合は、短鎖シロキサンを有するシリコーン変性エポキシ樹脂を長鎖シロキサンを有するシリコーン変性エポキシ樹脂と混合したり、短鎖シロキサンを有するシリコーン変性エポキシ樹脂を2官能フェノール類と反応させる時に、長鎖シロキサンを有するエポキシ樹脂と一緒に反応させたりする。反応時の長鎖シロキサンを有するエポキシ樹脂の当量Aと短鎖シロキサンを有するエポキシ樹脂の当量Bとの当量比A/Bは0.2〜5であることが好ましく、0.3〜3であることがより好ましい。前記当量比が0.2未満では破泡性、脱泡性が不十分となる傾向があり、5を超えると得られたシリコーン変性エポキシ樹脂の反応性が低下する傾向がある。
これらシリコーン変性エポキシ樹脂(B−1)は、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
その他の液状エポキシ樹脂(B−2)
液状エポキシ樹脂(B)として、上記シリコーン変性エポキシ樹脂(B−1)以外のその他の液状エポキシ樹脂(B−2)を併用することができる。その他の液状エポキシ樹脂(B−2)は、常温(5〜30℃)において液状であれば特に限定されないが、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものが好ましい。その具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、及び脂環族エポキシ樹脂、またはフェノール、クレゾール、アルキルフェノール、アリルフェノール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等のフェノール類のグリシジルエーテル化物、その他、フェノール類のグリシジルエーテル化物、アルコール類のグリシジルエーテル化物、及びそれらの水素添加物等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
シリコーン変性エポキシ樹脂(B−1)と他の液状エポキシ樹脂(B−2)とを併用する場合、シリコーン変性エポキシ樹脂(B−1)の配合割合は、液状エポキシ樹脂(B)の全量に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。前記配合割合が30質量%未満の場合、硬化物の弾性率の低減効果が不十分であり、反りが増大する傾向にある。
液状エポキシ樹脂(B)の配合割合は、特に限定されるものではないが、(B)成分、(C)成分及び(F)成分の合計量に対して、30〜83質量%が好ましく、30〜75質量%がより好ましい。前記液状エポキシ樹脂(B)の配合量が30質量%未満では架橋密度が低く、成型後に十分な強度が得られない可能性があり、83質量%を超えると硬化収縮の増加に伴いウエハーの反りが増加し、更に吸水率が増化する傾向がある。
(C)成分:フェノール樹脂
本発明では、フェノール樹脂(C)を配合することにより、機械特性を低下させずに封止用液状樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。本発明の封止用液状樹脂組成物に用いるフェノール樹脂(C)は1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に限定されず、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂などのアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、多環芳香環変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、チオジフェノール、ナフタレンジオールなどが挙げられる。さらに、上記したフェノール樹脂はアリル化物として用いることができる。これらのフェノール樹脂は液状であっても固形であってもよいが、樹脂組成物の低粘度化の観点から液状であることが好ましく、アリル化フェノールノボラック樹脂であることが更に好ましい。また、これらのフェノール樹脂は単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。フェノール樹脂の工業的に入手可能な市販品は、MEH−8000H(明和化成株式会社製商品名)等がある。固形のフェノール樹脂を用いる場合は、後述の有機溶剤(F)に予め溶解して使用することが好ましい。
フェノール樹脂(C)の配合量は、特に限定されるものではないが、(B)成分、(C)成分及び(F)成分の合計量に対して、好ましくは2〜35質量%、より好ましくは7〜30質量%であり、且つ、フェノール樹脂(C)の配合割合は、(C)成分及び(F)成分の合計量に対して、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜40質量%である。前記フェノール樹脂(C)の配合量が前記範囲に満たない場合、十分な硬化性が得られない可能性があり、前記範囲を超える場合、硬化性は向上するが吸水率が増加し、機械特性が低下することがある。
(D)成分:エラストマー
本発明の封止用液状樹脂組成物に用いるエラストマー(D)は、特に限定されないが、例えば、シリコーン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、これらエラストマーの共重合体、これらエラストマーから選ばれる1種類からなるコア層と他の1種類以上からなるシェル層とを含有するコア/シェル型重合体等が挙げられるが、シリコーンゴム粒子、又は固形シリコーン重合体からなるコア層と有機重合体からなるシェル層とを含有するコア/シェル型シリコーン重合体粒子が好ましい。
前記シリコーンゴム粒子は、液状エポキシ樹脂中でアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとSiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル化反応により架橋生成させたシリコーンゴム粒子がより好ましい。これにより、シリコーンゴム粒子の粒径が微細となるため、硬化物中で分散性の良いシリコーンゴム粒子を得ることができる。液状エポキシ樹脂として液状ビスフェノール型エポキシ樹脂中で前記反応をさせることが、最終的に得られる封止用液状樹脂組成物の粘度、その硬化物のガラス転移温度、接着性、強度及び成形後のウエハー反り等のバランスの点から好ましい。また、オルガノポリシロキサン内のアルケニル基をビニル基とすることが、より好ましい。更に、シリコーンゴム粒子はフェノール性水酸基又はエポキシ基と反応することができる官能基を有するものがより好ましく、官能基としては、例えばカルボキシル基、水酸基、イソシアネート基、チオール基、エポキシ基、アミノ基等が挙げられ、なかでも、エポキシ基が好ましい。
液状エポキシ樹脂中でエポキシ基を付与させたシリコーンゴム微粒子を調製する具体的な例としては、例えば米国特許第4853434号公報に開示されているような、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂中で、ビニル基含有オルガノポリシロキサンとSiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン、エチレンオキシド鎖を有するエポキシ化アリルアルコール、及びアリルグリシジルエーテルを、ヘキサクロロ白金酸等の白金系触媒の存在下、混合後、分散装置で分散させ、次いで110℃で2時間攪拌してヒドロシリル化反応により架橋させ、エポキシ基を有するシリコーンゴム粒子を生成したものが挙げられる。このようなシリコーンゴム粒子の、工業的に入手可能な市販品としては、ALBIDUR EP2240(Hanse Chemie社製商品名、シリコーンゴム粒子分散ビスフェノールA型エポキシ樹脂)等がある。このように本発明では、シリコーンゴム粒子を液状エポキシ樹脂(B)との混合物として配合するのが好ましい。
シリコーンゴム粒子は球状であることが好ましく、粒径は0.1μm以上2μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.1μm以上1μm以下である。このようなシリコーンゴム粒子を用いることにより、本発明の封止用液状樹脂組成物中でのシリコーンゴム粒子の平均粒径を小さくし、分散性を向上させ、更にシリコーンゴム粒子の含有量を増やすことが可能となる。
また、コア/シェル型シリコーン重合体粒子は、固形シリコーン重合体からなるコア層と有機重合体からなるシェル層とを含有するものである。コア層となる固形シリコーン重合体は、[RR’SiO2/2]単位を有するオルガノポリシロキサンであり、架橋成分として3官能性シロキサン単位[RSiO3/2]及び/又は4官能性シロキサン単位[SiO4/2]を有することが好ましい。ここで、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数6以下のアルキル基、フェニル基、キシリル基、トリル基等のアリール基、又は、ビニル基、アリル基、メタクリル基、メタクリロキシ基、またはこれらを末端に有するアルキル基等の末端に炭素二重結合を有する置換基である。R’は、Rと同様の炭素数6以下のアルキル基又はアリール基を表す。
前記3官能または4官能シロキサン成分は0.5〜20モル%使用することが好ましく、さらには3官能シロキサン成分を2〜10モル%使用することが好ましい。3官能または4官能シロキサン成分が多くなるとコア層となるシリコーン重合体の硬度、弾性率が高くなり、目的とする封止用液状樹脂組成物の硬化物の弾性率低減、発生応力の低減効果が小さくなってしまう可能性がある。また、3官能または4官能シロキサン成分が少なくなると、弾性率の低い重合体を得ることができるが、架橋密度が低くなるため、未反応シロキサン成分が多くなる傾向にある。
また、シェル層となる有機重合体は、ビニル重合により得られる有機重合体であることが好ましく、例えば、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、アクリル系重合体などが挙げられ、これらのなかでも、アクリル系重合体がより好ましい。アクリル系重合体としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリルなどのアクリル系単量体の重合物、及びスチレン、ビニルトルエンなどの前記アクリル系単量体と共重合可能なビニル系単量体との共重合体等が挙げられる。これらのなかでも、ポリメタクリル酸エステルが好ましい。コア/シェル型シリコーン重合体粒子が、上記のようなコア/シェル構造を有することにより、有機重合体の樹脂に対する優れた分散性と固形シリコーン重合体の優れた応力緩和能を両立することが可能となる。
コア/シェル型シリコーン重合体粒子を得る方法としては、乳化重合によりコア層となるシリコーン重合体を合成し、次にアクリル系単量体と開始剤を添加して2段目の重合を行うことでシェル層を形成する方法などがある。この場合、1段目の重合に用いるオルガノシロキサンモノマーまたはオリゴマー成分に二重結合を有するシロキサン化合物を適度に配合することで、二重結合を介してアクリル系重合体がグラフト化し、コア層とシェル層の界面が強固になる。
コア/シェル型シリコーン重合体粒子の粒径は、封止用液状樹脂組成物を均一に変性するためには細かい方が良好であり、平均1次粒子径が0.05〜1.0μmの範囲であることが好ましく、0.05〜0.5μmの範囲であることがより好ましい。前記粒子径が1.0μmを超える場合は、低反りの効果が低減する傾向がある。また、このコア/シェル型シリコーン重合体粒子は、予め(A)液状エポキシ樹脂との混合物として配合することが好ましい。混合物を得る方法としては、80〜120℃程度に加熱した(A)液状エポキシ樹脂中に、コア/シェル型シリコーン重合体粒子を攪拌下に添加し、高速せん断攪拌したり、プラネタリーミキサー、ホモミキサー、三本ロール等の混練機で混合、分散することにより得ることができる。
エラストマー(D)の配合量は、特に限定されるものではないが、(B)成分、(C)成分及び(F)成分の合計100質量部に対し、好ましくは1〜50質量部、好ましくは5〜40質量部である。前記エラストマー(D)の配合量が前記範囲に満たない場合、低応力化が不十分となるため反りが大きくなり易く、前記範囲を超える場合、硬化物の強度や耐湿性が低下する傾向がある。
(E)成分:有機溶剤
本発明の封止用液状樹脂組成物に用いられる有機溶剤(E)は、特に限定されないが、(B−1)成分であるシリコーン変性エポキシ樹脂の配合量の増大による硬化物の機械的強度の低下を生じさせずに、封止用液状樹脂組成物の印刷成形性に最適な粘度及び揺変指数を付与させると共に、(F)成分として固形のジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を用いる場合や、(C)成分として固形のフェノール樹脂を用いる場合に、それらを溶解するための成分である。
有機溶剤(E)としては、加熱硬化時の急激な揮発によるボイド形成を避けたり、印刷作業中での溶剤揮発を抑えたりする点からは沸点が170℃以上のものが好ましく、沸点が200℃以上のものがより好ましい。また、真空印刷により塗膜を形成する場合には、封止用液状樹脂組成物が常時真空下で扱われるため溶剤が徐々に揮発し粘度変化が生じる懸念がある。この場合には、有機溶剤の沸点は240℃〜300℃の範囲のものが好ましい。具体的には、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニールエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
有機溶剤(E)の配合量は、特に限定されるものではないが、(A)〜(F)成分の合計量に対して、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは3〜8質量%である。前記有機溶剤(E)の配合量が1質量%未満の場合、粘度低減効果が不十分であり、印刷塗布作業性の低下や未充填が生じ易くなり、10質量%を超える場合、粘度が下がりすぎて流動性が高くなる恐れがあるため、印刷後、樹脂組成物がウエハー裏面へ流れる裏回りや、硬化後にボイドや著しい膜減りが発生するなどの不具合を招く懸念がある。
(F)成分:ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物
本発明の封止用液状樹脂組成物に用いるジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物(F)としては、以下の式(a)で表されるジヒドロベンゾオキサジン環を分子内に1つ以上含有するものであれば特に限定されない。
Figure 2009097014
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物(F)の具体例としては、下記一般式(III)から(IX)で示されるジヒドロベンゾオキサジン環を1つ含有する単官能化合物、一般式(X)から(XVI)で示されるジヒドロベンゾオキサジン環を複数含有する多官能化合物等が挙げられる。
Figure 2009097014
Figure 2009097014
Figure 2009097014
Figure 2009097014
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物の工業的に入手可能な市販品としては、RLV100(エア・ウォーター・ケミカル株式会社製商品名)がある。
これらジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物(F)は、フェノール性水酸基を1分子中に1個以上有し、水酸基に対してオルト位の少なくとも1つが置換されていない単環又は縮合多環フェノール類、ホルムアルデヒド及びアミノ基を1分子中に1個有する1級アミン類から公知の方法で合成することができる。たとえば、ジオキサン、トルエン、メタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、メチルエチルケトンなどの溶媒にフェノール類を溶解させ、1級アミン類とホルムアルデヒドをその中に添加する方法が使用できる。通常は無触媒で反応を進行させるが、触媒としてアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、3級アミンなどを用いることもできる。原料の仕込み比は通常、フェノール性水酸基/アミノ基/アルデヒド基=1/1/2(モル比)とし、反応温度60〜120℃で2〜24時間反応させる。所定時間経過後、反応生成物である有機層と反応で生成した縮合水とを蒸留等で系外へ除去することで目的とするジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を得ることができる。
上記反応で得られるジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物(F)には、原料中のフェノール性水酸基がオキサジン化せずに残存した未反応フェノール類が不純物として含まれる。ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物の純度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるピーク面積比により容易に算出可能である。ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物の純度は、50%以上が好ましく、55%以上がより好ましく、60%以上が特に好ましい。ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物の純度が50%未満では、封止用液状樹脂組成物の保存安定性が低下すると共に、成型後のウエハーの反りが大きくなる傾向がある。
また、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物(F)は、液状であっても固形であってもよいが、固形のジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を用いる場合は、後述の有機溶剤(E)に予め溶解して使用することが好ましい。また、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物は、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物(F)の配合量は、特に限定されるものではないが、(B)成分、(C)成分及び(F)成分の合計量に対して、8.5〜63質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。前記ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物(F)の配合量が8.5質量%未満ではガラス転移温度及び耐温度サイクル性の低下が顕著となり易く、63質量%を超えると架橋密度が低く、成型後の強度が低下する傾向がある。
本発明の封止用液状樹脂組成物は、上記(A)〜(F)成分を含有するものである。(A)〜(F)成分の合計量に対して、(A)成分の配合割合は、好ましくは64〜87質量%、より好ましくは73〜86質量%であり、(B)成分の配合割合は、好ましくは1.5〜10質量%、より好ましくは2〜9質量%であり、(C)成分の配合割合は、好ましくは0.1〜4質量%、より好ましくは0.15〜3質量%であり、(D)成分の配合割合は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.9〜5質量%であり、(E)成分の配合割合は、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは3〜8質量%であり、(F)成分の配合割合は、好ましくは0.5〜8質量%、より好ましくは0.7〜6質量%である。前記(A)成分の配合割合が64〜87質量%の範囲であることにより低反り化し易くなる。前記(B)成分の配合割合が1.5〜10質量%の範囲であることにより十分な強度とガラス転移温度を得易くなる。前記(C)成分の配合割合が0.1〜4質量%の範囲であることにより硬化が十分となり,硬化物を低吸湿にし易くなる。前記(D)成分の配合割合が0.1〜40質量%の範囲であることにより硬化後に低反りとし易くなる。前記(E)成分の配合割合が1〜10質量%の範囲であることにより液状封止材の粘度を適正な範囲に保ち易くなる。前記(F)成分の配合割合が0.5〜8質量%の範囲であることにより十分な強度とガラス転移温度を得易くなる。
(硬化促進剤)
また、本発明の封止用液状樹脂組成物には、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の反応を促進するために硬化促進剤を添加することができる。硬化促進剤としてはエポキシ基とフェノール性水酸基の反応を促進するものであればどのようなものでもよく、例えば、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物、前記シクロアミジン化合物の誘導体、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等がある。これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。硬化促進剤の配合量は特に限定されないが、液状エポキシ樹脂(B)100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。前記硬化促進剤の配合量が0.1質量部未満では反応の促進効果が低くなり易く、10質量部を超えると保存安定性が低下する傾向にある。
(カップリング剤)
本発明の封止用液状樹脂組成物は、樹脂成分と表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカを含有する無機充填剤(A−1)との親和性を高めて分散性を向上するために、必要に応じてカップリング剤を使用することができる。このカップリング剤としては、たとえば、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を添加することが好ましい。これらを例示すると、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β‐メトキシエトキシ)シラン、γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ‐アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、γ‐アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ‐アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐[ビス(β‐ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐β‐(アミノエチル)‐γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、γ‐(β‐アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N‐(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N‐(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N‐β‐(N‐ビニルベンジルアミノエチル)‐γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、γ‐クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ‐メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N‐アミノエチル‐アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2‐ジアリルオキシメチル‐1‐ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤などが挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記カップリング剤の配合割合は、無機充填剤(A)に対して、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜2.5質量%である。前記カップリング剤の配合割合が0.05質量%未満では充填剤の分散性向上効果が得られない傾向があり、5質量%を超えると硬化物中にボイドが発生し易い傾向がある。
(イオントラップ剤)
さらに、本発明の封止用液状樹脂組成物には、IC等の半導体素子の耐湿性及び耐熱性を向上させる観点から、必要に応じてイオントラップ剤を使用することができる。イオントラップ剤としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、例えば、ハイドロタルサイト類や、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス等の元素の含水酸化物等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イオントラップ剤の配合割合は、ハロゲンイオン等の陰イオンやナトリウム等の陽イオンを補足できる十分量であれば特に制限はないが、液状エポキシ樹脂(B)に対して、好ましくは1〜10質量%である。
(その他の添加剤)
さらに、本発明の封止用液状樹脂組成物には、染料;顔料;カーボンブラック等の着色剤;リン酸エステル、メラミン、メラミン誘導体、トリアジン環を有する化合物、シアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸誘導体等の窒素含有化合物、シクロホスファゼン等の燐窒素含有化合物、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化モリブデン、フェロセン等の金属化合物、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン、ブロム化エポキシ樹脂などの従来公知の難燃剤;などを必要に応じて配合することができる。
(封止用液状樹脂組成物の調製)
本発明の封止用液状樹脂組成物は、上記各種成分を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できる。一般的な手法として、所定の配合量の成分を秤量し、三本ロール、擂潰機、プラネタリーミキサー、ホモミキサー等によって分散混練を行う方法を挙げることができる。また、適当量の液状エポキシ樹脂、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物、フェノール樹脂、シリコーンゴム粒子、無機充填剤、カップリング剤、有機溶剤等の配合成分を予備分散及び予備加熱させたマスターバッチを用いる手法が、均一分散性や流動性の点から好ましい。
本発明の封止用液状樹脂組成物は、25℃での粘度が、10Pa・s〜100Pa・sであることが好ましく、20Pa・s〜70Pa・sであることがより好ましい。前記粘度が10Pa・s未満では、印刷後に樹脂組成物がウエハー端部や裏面へ流れてしまう傾向があり、100Pa・sを超えると広がり性や充填性が低下する傾向がある。
封止用液状樹脂組成物の粘度が10Pa・s〜100Pa・sとなるようにするには、有機溶剤の配合割合などによって調整すればよい。
本発明の封止用液状樹脂組成物は、揺変指数が1.5以下であることが好ましく、1.3以下であることがより好ましい。前記揺変指数が1.5を超えると封止用液状樹脂組成物の広がり性や脱泡性が低下する傾向がある。
封止用液状樹脂組成物の揺変指数が1.5以下となるようにするには、分散剤,レオロジーコントロール剤などによって調整すればよい。
ここで粘度はE型粘度計(3°コーン使用)を用い、25℃における回転数5rpmで測定を行い、5rpmでの値を用いて数式(1)から求めることができる。
粘度(Pa・s)=5rpmでの値×f1・・・(1)
(数式(1)中、f1は5rpmの補正係数である。)
また、揺変指数は、回転数1rpmでの粘度/回転数5rpmでの粘度の比として求めることができる。
本発明の封止用液状樹脂組成物は、硬化物の動的粘弾性測定によるガラス転移温度は50℃以上であることが好ましく、60〜165であることがより好ましく、100℃以上であることが更に好ましい。前記ガラス転移温度が50℃未満であると、機械的強度や耐湿信頼性の低下を招く傾向がある。硬化物のガラス転移温度が50℃以上となるようにするには、ジヒロヘンゾオキサジン環を有する化合物の配合量やエポキシ樹脂、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物およびフェノール樹脂の選択などによって調整すればよい。
ここでガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置(周波数10Hz)を用いて測定した時の損失正接の極大値を示す温度である。
本発明の封止用液状樹脂組成物は、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、抵抗アレイ、コイル、スイッチ等の受動素子などの各種素子の封止に好適に用いることができるが、低反り性や高信頼性を要求されるウエハーレベルチップサイズパッケージの素子の封止に特に有効に用いることができる。
(電子部品装置)
本発明の電子部品装置は、本発明の封止用液状樹脂組成物で封止された素子を備えてなるものである。電子部品装置としては、例えば、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハー等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、抵抗アレイ、コイル、スイッチ等の受動素子などの素子を搭載し、必要な部分を本発明の封止用液状樹脂組成物で封止して得られる電子部品装置などが挙げられる。なかでも、本発明の封止用液状樹脂組成物は低反り性、高信頼性を要求される電子部品装置に有効であり、特にウエハーレベルチップサイズパッケージに好適である。
本発明の封止用液状樹脂組成物を用いて素子を封止する方法としては、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等が挙げられるが、特に印刷方式が好適である。
本発明の封止用液状樹脂組成物を用いてウエハー上に形成された素子を封止する方法としても、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等が挙げられるが、特に印刷方式が好適である。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(製造例1:シリコーン変性エポキシ樹脂)
窒素導入管、温度計、冷却管及びメカニカルスターラーを取り付けた1リットルのフラスコに、シロキサン構造を有するエポキシ樹脂として「KF−105」(信越化学工業株式会社製商品名)200g、シロキサン構造を有するエポキシ樹脂として「TSL9906」(GE東芝シリコーン株式会社製商品名)74.8g、テルペンジフェノール「YP−90」(ヤスハラケミカル株式会社製商品名)67g、触媒として1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(サンアプロ株式会社製商品名「DBU」)2.8gをそれぞれ入れ、窒素雰囲気下、150℃で5時間反応させ、エポキシ当量830g/eq.の液状のシリコーン変性エポキシ樹脂1を得た。
(製造例2:ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物1の製造)
ビスフェノールF1.0kg(5mol相当)、アニリン0.93kg(10mol相当)をメチルエチルケトン0.5kg中で混合し、80℃で5時間撹拌し、均一な混合溶液を調整した。5リットルフラスコ中に、ホルマリン1.62kgを仕込み90℃に加熱し、ここへビスフェノールF/アニリン/メチルエチルケトン混合溶液を30分間かけて少しずつ添加した。添加終了後30分間、還流温度に保ち、然る後に100℃で2時間、6666.1Pa以下に減圧して縮合水を除去し、反応し得るフェノール性水酸基の75%がオキサジン化された、下記一般式(X)で表されるジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物1を得た。反応率は、反応し得るフェノール性水酸基のモル数に対する除去した縮合水のモル数の割合から算出した。
Figure 2009097014
[封止用液状樹脂組成物の作製]
(実施例1〜8及び比較例1〜7)
以下の成分をそれぞれ表1〜表4に示す質量部で配合し、ロール圧10〜30kgfの条件で三本ロールで混練し、次いで、混練温度25℃、混練時間30分の条件で擂潰機にて混練分散した後、真空脱泡して、実施例1〜8及び比較例1〜7の封止用液状樹脂組成物を作製した。
表1〜表4における割合とは、質量%であり、配合部数とは質量部である。
表1〜4において、(E)エラストマーとして液状エポキシ樹脂2/シリコーンゴム混合物を用いた実施例1、2、7、比較例1〜5は、液状エポキシ樹脂2の配合部数を液状エポキシ樹脂2/シリコーンゴム混合物の欄に含めて記す。前記液状エポキシ樹脂2/シリコーンゴム混合物は、液状エポキシ樹脂2を60質量%及びシリコーンゴム微粒子40質量%からなる混合物であるので、実施例1、2、7、比較例1〜5で用いた液状エポキシ樹脂2/シリコーンゴム混合物の液状エポキシ樹脂2及びシリコーンゴム微粒子の配合部数は表4に示すとおりである。例えば、実施例1で用いた液状エポキシ樹脂2/シリコーンゴム混合物は、液状エポキシ樹脂2を30質量部及びシリコーンゴム微粒子20質量部の混合物であり、実施例2で用いた液状エポキシ樹脂2/シリコーンゴム混合物は、液状エポキシ樹脂2を21質量部及びシリコーンゴム微粒子41質量部の混合物である。
(A)無機充填剤
溶融シリカ1:平均粒径0.5μmの球状溶融シリカ
溶融シリカ2:平均粒径4μmの球状溶融シリカ
多孔質シリカ1:平均粒径10μm、比表面積1.1m/g、圧縮強度519.8MPaの表面が二酸化珪素により被覆された多孔質シリカ(触媒化成工業株式会社製品名「HOLLOWY N−15」)
多孔質シリカ2:平均粒径5μm、比表面積838m/g、圧縮強度40MPaの多孔質シリカ(旭硝子エスアイテック株式会社製品名「サンスフェアH−51」)
(B)液状エポキシ樹脂
液状エポキシ樹脂1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製商品名「YDF8170C」)
シリコーン変性ポキシ樹脂1:製造例1で得た液状のシリコーン変性ポキシ樹脂1
シリコーン変性ポキシ樹脂2:エポキシ当量804g/eqの液状シリコーン変性エポキシ樹脂(Hanse Chemie社製商品名「ALBIFLEX296」)
(C)フェノール樹脂
フェノール樹脂1:水酸基当量140、粘度1.7Pa・s(25℃)のアリル化フェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製商品名「MEH−8000H」)
(C’)酸無水物系硬化剤
酸無水物系硬化剤:日立化成工業株式会社製商品名「MHAC−HR」
(D)エラストマー
液状エポキシ樹脂2/シリコーンゴム混合物:アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとSiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル化反応により架橋した、エポキシ基を有するシリコーンゴム微粒子が、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂(液状エポキシ樹脂2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三井化学株式会社製商品名「エポミックR140P」)に分散されている、シリコーンゴム微粒子含有液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(シリコーンゴム微粒子含有量40質量%、シリコーンゴム微粒子粒径0.1〜1.0μm、Hanse Chemie社製商品名「ALBIDUR EP2240」)
コアシェルシリコーン重合体粒子:コア層が3官能シロキサン成分としてメチルトリメトキシシラン3モル%及びメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2モル%含むジメチル型固形シリコーン重合体で、シェル層がポリメチルメタクリレートで構成され、コア層/シェル層の質量比率が2/1、平均1次粒子径0.12μmのコア/シェル型シリコーン重合体粒子
(E)有機溶剤
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
(F)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物1:製造例2で得たジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物1
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:トリフェニルホスフィン(和光純薬工業株式会社製試薬)
硬化促進剤2:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製品名「キュアゾール2E4MZ」)
(カップリング剤)
カップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製商品名「KBM403」)
(着色剤)
カーボンブラック
(イオントラップ剤)
イオントラップ剤:ビスマス系陰イオントラップ剤(東亞合成株式会社商品名「IXE500」)
[封止用液状樹脂組成物の特性評価]
実施例1〜8及び比較例1〜7で作製した封止用液状樹脂組成物の特性を、以下(1)〜(7)に示す各試験により評価した。評価結果を表1〜4に示した。
なお、各種試における封止用液状樹脂組成物の加熱硬化は、実施例1〜8及び比較例1〜6は130℃で1時間、次いで180℃で3時間行い、比較例7は100℃で1時間、次いで150℃で2時間行なった。
(1)粘度、揺変指数
封止用液状樹脂組成物の25℃における粘度をE型粘度計(株式会社東京計器製、コーン角度3°、回転数5rpm)を用いて測定した。揺変指数は、回転数1rpmで測定した粘度と5rpmで測定した粘度の比(1rpmでの粘度/5rpmでの粘度)として算出した。
(2)反り
8インチシリコンウエハー(厚み約730μm)上に、開口197mmφ、厚さ300μmのメタルマスクを用い、印刷成形法により封止用液状樹脂組成物を塗布し、加熱硬化して樹脂厚約200μmの樹脂付きウエハーを作製した。この樹脂付きウエハーの両面を研削し、樹脂厚70μm、ウエハー厚230μmとした。この研削済みウエハーを260℃のリフロー処理を行った。ウエハーの反りは、硬化から15時間経過後、研削後及びリフロー後に、定盤上にウエハー端部の一箇所を固定し浮上った最大高さを測定した。
(3)ガラス転移温度及び弾性率
封止用液状樹脂組成物を約290μm厚のシート状に加熱硬化し、このシートを4mm×34mmに切断して試験片を作製した。そして、動的粘弾性測定装置DVE型(株式会社レオロジ製)を用いて、チャック間距離25mm、周波数10Hzの正弦波で連続加振、歪み量5μm、自動静荷重、昇温速度3℃/分、温度範囲20〜250℃の条件で測定し、損失正接の極大値を示す温度をガラス転移温度とした。また、25℃の貯蔵弾性率を読み取った。
(4)ダイシングブレード摩耗性
上記(2)と同様にして、樹脂厚約200μmの樹脂付きウエハーを作製した。この樹脂付きウエハーを、オートマッチックダイシングソーDAD341(ディスコ社製)により1mm角にダイシングし、ダイシング後のブレード摩耗量を測定した。ダイシングブレードはディスコ社製NBC−ZH−2050−SE27HEDGを使用し、回転数35000rpm、送り速度50mm/sでブレード摩耗量を測定した。
(5)耐リフロー性
ポリイミドを塗布した8インチシリコンウエハー(厚み約730μm)上に、開口197mmφ、厚さ250μmのメタルマスクを用い、減圧下で印刷成形法により封止用液状樹脂組成物を塗布し、加熱硬化して樹脂厚約160μmの樹脂付きウエハーを作製した。樹脂付きウエハーを、オートマッチックダイシングソーDAD341(ディスコ社製)により5mm角にダイシングし、試験片を作製した。試験片を85℃/85%RHの条件で飽和吸湿後、260℃リフロー処理を20回行った。そして、試験片の外観及びウエハー断面を観察し、外観不良(かけ、クラック等)又は剥離が生じている試験片の数/測定試験片の数(30個)で評価した。
(6)耐温度サイクル性
上記(5)と同様にして5mm角の試験片を作製した。この試験片を−50℃で15分、次いで150℃で15分を1サイクルとするヒートサイクルで1000サイクル繰り返し、試験片の外観及びウエハー断面を観察し、外観不良(かけ、クラック等)又は剥離が生じている試験片の数/測定試験片の数(30個)で評価した。
(7)耐湿信頼性
ポリイミドを塗布したシリコンウエハー上に、ライン/スペースが15μm/25μm、厚さ5μmで電解めっきCu膜を櫛歯電極状に形成させたテストエレメントグループ(TEG)を作製した。次いで、櫛歯電極部を封止用液状樹脂組成物で約90μmの厚さに加熱硬化し、封止したTEGを、135℃、85%RH環境下、7.5V印加で300時間導通試験を行い、不良パッケージ数/測定パッケージ数(10個)で評価した。
Figure 2009097014
Figure 2009097014
Figure 2009097014
Figure 2009097014
Figure 2009097014
実施例1〜8で得られた封止用液状樹脂組成物は、いずれの評価において良好な特性を示した。
これに対して、実施例1の多孔質シリカ1に替えて溶融シリカ2を使用した比較例1及び実施例2の多孔質シリカ1に替えて溶融シリカ2を使用した比較例5は、共にダイシングブレード摩耗量が多かった。多孔質シリカ1を含まない比較例2は硬化物の弾性率が5GPaと低く、ダイシングブレード摩耗量が多かった。また、比較例3は、比較例2の溶融シリカ2に替えて多孔質シリカ1を使用したが、硬化物弾性率が5GPaと低く、ダイシングブレード摩耗量は多く、改善できなかった。実施例1の多孔質シリカ1に替えて、表面が被覆されておらず比表面積の大きい多孔質シリカ2を使用した比較例4は、有機溶剤の配合割合10質量%に増やしたが粘度が著しく高く、サンプルを作製することができなかった。エラストマーを配合しなかった比較例6は反りが大きく、耐温度サイクル性も低かった。また、硬化剤としてフェノール樹脂の替わりに酸無水物系硬化剤を用いた比較例7は反りが大きく、耐リフロー性及び耐湿信頼性が不十分であった。
本発明の封止用液状樹脂組成物によれば、ウエハーレベルチップサイズパッケージ等の低反り性が要求される電子部品装置に適用しても反りが小さく抑えられ、且つ強度、耐熱衝撃性、耐湿性等の信頼性並びに加工性等に優れた封止用液状樹脂組成物、及びこの封止用液状樹脂組成物で封止した素子を備えてなる電子部品装置及びウエハーレベルチップサイズパッケージを提供することができる。

Claims (16)

  1. 表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子を含む無機充填剤(A)を含有してなる封止用液状樹脂組成物であって、前記封止用液状樹脂組成物の硬化物の25℃における弾性率が、6〜15GPaである封止用液状樹脂組成物。
  2. 前記表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子の比表面積が、0.5〜10.0m/gである請求項1に記載の封止用液状樹脂組成物。
  3. 前記表面が無機化合物により被覆された多孔質シリカ粒子の圧縮強度が、30〜1500MPaである請求項1又は2に記載の封止用液状樹脂組成物。
  4. さらに、液状エポキシ樹脂(B)、フェノール樹脂(C)、エラストマー(D)及び有機溶剤(E)を含有し、前記液状エポキシ樹脂(B)がシリコーン変性エポキシ樹脂を30質量%以上含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物。
  5. さらに、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物(F)を含有することを特徴とする請求項4に記載の封止用液状樹脂組成物。
  6. 前記シリコーン変性エポキシ樹脂が、下記一般式(I)で示されるシロキサン構造を有するエポキシ樹脂である請求項4又は5に記載の封止用液状樹脂組成物。
    Figure 2009097014
    (一般式(I)中のR及びRはアルキル基又はアリール基を表し、同一であっても異なっていてもよく、nは1以上の整数である。)
  7. (B)成分、(C)成分及び(F)成分の合計量に対して、液状エポキシ樹脂(B)の配合割合が30〜83質量%、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物(F)の配合割合が8.5〜63質量%、フェノール樹脂(C)の配合割合が2〜35質量%であり、且つ、(C)成分及び(F)成分の合計量に対して、フェノール樹脂(C)の配合割合が、10〜50質量%である請求項5又は6に記載の封止用液状樹脂組成物。
  8. 前記エラストマー(D)が、液状エポキシ樹脂中でアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとSiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル化反応により架橋生成させたシリコーンゴム粒子である請求項4〜7のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物。
  9. 前記シリコーンゴム粒子の平均粒径が、0.1〜2μmである請求項8に記載の封止用液状樹脂組成物。
  10. 前記エラストマー(D)が、固形シリコーン重合体からなるコア層と有機重合体からなるシェル層とを含有するコア/シェル型シリコーン重合体粒子である請求項4〜7のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物。
  11. 前記コア/シェル型シリコーン重合体粒子が、[RSiO3/2]及び/又は[SiO4/2]からなる単位を有する、[RR’SiO2/2]単位(ここで、Rは炭素数6以下のアルキル基、アリール基、又は末端に炭素二重結合を有する置換基であり、R’は炭素数6以下のアルキル基又はアリール基を表す。)を含むシリコーン重合体からなるコア層と、ビニル重合により得られる有機重合体からなるシェル層とを含有するものである請求項10に記載の封止用液状樹脂組成物。
  12. 前記有機重合体が、アクリル系重合体である請求項10又は11に記載の封止用液状樹脂組成物。
  13. 前記エラストマー(D)の配合量が、(B)成分、(C)成分及び(F)成分の合計100質量部に対し、1〜50質量部である請求項4〜12のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物により封止された素子を備えてなる電子部品装置。
  15. ウエハーレベルチップサイズパッケージの封止に用いられる請求項1〜13のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物。
  16. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の封止用液状樹脂組成物により封止された素子を備えてなるウエハーレベルチップサイズパッケージ。
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