JP2006267990A - 再剥離可能な紙ラベル並びに再剥離可能な紙ラベル付き容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱で活性化させて貼り付ける感熱ラベルにおいて、手で剥離した際に、紙粉や糊が容器に全く残らない再剥離可能な紙ラベル並びにラベル付き容器を提供する。
【解決手段】紙基材1の表面に印刷層2が設けられ、裏面に紙層と感熱性糊層4との間に熱可塑性樹脂のめどめ層3が設けられている。めどめ層は感熱性の糊が活性化する温度付近で溶融し温度が下がると直ちに固化造膜する熱可塑性樹脂が好ましく、ホットメルト糊がより好ましい。また、感熱性糊は粘着性が持続するディレードタック糊が好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】紙基材1の表面に印刷層2が設けられ、裏面に紙層と感熱性糊層4との間に熱可塑性樹脂のめどめ層3が設けられている。めどめ層は感熱性の糊が活性化する温度付近で溶融し温度が下がると直ちに固化造膜する熱可塑性樹脂が好ましく、ホットメルト糊がより好ましい。また、感熱性糊は粘着性が持続するディレードタック糊が好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、商品名や各種情報等の表示を主な目的として、商品やその容器に貼り付けて使用されるラベルに関するものである。また、ラベルが貼り付けられた容器に関するものである。
PET等のプラスチックボトルやガラス瓶へのラベルの装着には、筒状の熱収縮するフィルムラベルを装填後熱収縮する方式や、筒状の伸縮性のフィルムラベルを引き伸ばして装填する方式がある。いずれの場合も、ラベルを筒状に加工する工程を必要とし、作業工程が増え、装着装置も大掛りなものとなり、コスト面で問題がある。また、フィルム素材しか使用できず、醤油、日本酒、和菓子等紙素材が好まれる商品へはデザイン上の制約があった。更に筒状に加工する際に有機溶剤が用いられるため、環境面での問題もあった。
紙ラベルを装着する方法として、被着体に貼り付ける直前にラベル裏面に糊を塗布し、その後圧をかけて貼り付ける方法(グルー糊方式と今後呼ぶ)、粘着性を有する糊があらかじめラベル製造時にラベルの裏面に塗布されており、圧をかけて貼り付ける方法(タック糊方式と今後呼ぶ)、加熱されると粘着性が発現する感熱性糊があらかじめラベルの裏面に塗布されており、貼り付け直前に熱風等でラベルを加熱して糊を粘着性にし、その後圧をかけて貼り付ける方法(ヒート糊方式と今後呼ぶ)等がある。
グルー糊方式は糊の塗布量の設定、糊の追加・交換、使用後の糊の清掃等人手を要する方式である。また、糊量の調整、粘度管理等、オペレーターの熟練を要していた。
タック糊方式はあらかじめタック糊が塗られているため、ラベルが貼り付けられる直前までは他に付着しない様に特殊な処理をした合紙(離型紙と呼ばれる)を必要とする。この離型紙はラベル使用後ゴミとして廃棄されるため、ゴミが増加し資源の無駄使いである。また、離型紙が高価であり、コストUPの要因ともなっている。さらに、ラベルを貼るスピードが遅く、大量に貼り付けられるラベルには不向きである。
グルー糊方式、タック糊方式に代わってヒート糊方式は、あらかじめラベルの裏面に加熱前はまったく粘着性が無く、加熱により粘着性が発現する感熱性糊が塗布されている。そのためオペレーターはヒーターのスイッチを押すだけでよく、熟練もあまり要らず、作業終了後の清掃も簡単に済むようになる。また、タック糊方式の様に離型紙を必要としないので、資源の無駄使いにならず、また、貼り付けのスピードも上げることができる。このような利便性のため、ヒート糊方式は近年広がっている。
昨今、ゴミの減量と分別回収によるリサイクルの必要性により、被着体から容易に剥せる再剥離ラベルの必要性が高まってきている。ガラス瓶の回収においても、消費者がラベルを剥した後に回収するように指導する自治体が増えている。特にPET等のプラスチックボトルでは、内容物を消費した後、消費者が手でラベルを剥す時や、ボトルのリサイクルセンターでのボトル破砕時に容易に剥れる必要がある。また、インキや糊がボトルに残らないようにする必要がある。
このようなニーズに応えるために、ラベルを貼り付けた後にラベルと被着体との接着強度が経時であまり上昇せず、ラベルが容易に剥せ、糊が容器に残らない感熱性糊が開発されてきた。このような感熱性糊は、加熱処理により粘着性が発現した後は粘着性が持続する必要がある。というのは、このような糊は、ラベルの被着体への接着強度が経時であまり上昇せず、容器のリサイクル時にラベルを容易に剥せるようになるからである。また、容器がPET、PP等のプラスチック容器の場合、感熱性糊の粘着性がなくなると容器が外力により変形した時にラベルが脱落する危険があった。
このように粘着性が持続する感熱性糊の開発により、容器のリサイクル時にラベルを容易に剥せるヒート糊方式のラベルはフィルム基材では既に実用化している。紙ラベルの場合は完全に紙粉や糊が残らず剥せるようにするのは困難であった。ラベルはほぼ剥せるが、点状に糊や紙粉が容器に付着する場合があった。それは以下の理由による。フィルム基材の場合は、基材の破壊強度が強く、比較的被着体との接着強度を強くできる。また、感熱性糊の基材へのしみ込みもないため、被着体との接着強度が安定している。そのため、流通過程や消費過程においてラベルが脱落する危険性がなく、再剥離タイプのラベルは比較的容易である。しかしながら、紙ラベルの場合、基材の強度がフィルムに比べて弱いため、被着体との接着力をあまり強くできない。また、感熱性糊がしみ込むため、部分的に接着強度の強弱ができてしまう。そのため、被着体との接着力を弱くすると、流通過程や消費過程においてラベルが脱落する危険性があり、再剥離タイプの紙ラベルは困難であった。
このように、紙基材で完全に糊や紙粉が容器に残らずに再剥離可能なヒート糊方式でのラベルの提供は困難であった。本発明の課題は、紙基材を用いたヒート糊方式のラベルで、紙粉や糊が残らないラベルを提供することである。
そこで、本発明者は鋭意に研究を重ね、紙基材と感熱性糊との間にめどめ層を設ければ、感熱性糊が紙機材に浸透しないために被着体との接着強度が安定すると共に、めどめ層で紙基材の強度保持もできるとの発想を得、本発明を完成するに至った。
本発明の請求項1に係る再剥離可能な紙ラベルは、紙の表面に印刷層が設けられており、裏面に常温では粘着性はないが熱で活性化し粘着性が発現する感熱性糊が塗布されているラベルにおいて、紙基材と感熱性糊層との間にめどめ層を形成して成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る再剥離可能な紙ラベルは、請求項1の再剥離可能な紙ラベルにおいて、めどめ層は感熱性糊層の活性化する温度付近で溶融し、温度が下がると直ちに固化造膜する熱可塑性樹脂で、感熱性糊層は活性化後も粘着性が持続する糊で成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る再剥離可能な紙ラベルは、請求項2の再剥離可能な紙ラベルにおいて、めどめ層はホットメルト糊で感熱性糊層は粘着性の持続するディレードタック糊で成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係るガラスまたはプラスチック容器は、請求項1から3の再剥離可能な紙ラベルが貼られて成ることを特徴とするものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施の形態を示すもので、再剥離可能な紙ラベルの断面図である。1は紙基材、2は印刷層、3はめどめ層、4は感熱性糊層を示す。
紙基材は、片アート紙、蒸着紙、上質紙、特殊紙、和紙等デザイン、用途に合わせて種々の紙が使用できる。表面の印刷はオフセット印刷機、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、凸輪印刷機、スクリーン印刷機等、目的に応じて種々の印刷方式が使用できる。
めどめ層は、アクリル系、ポリオレフィン系、エチレン酢ビ系、ポリスチレン系、ポリエステル系等の熱可塑性の樹脂であれば使用可能ある。その塗布は、グラビアコーター、フレキソコーター、スクリーンコーター、ロールコーター、リバースコーター等の方式が用いられる。めどめ層の塗布量は0.1から10g/m2望ましくは0.5から5g/m2である。
めどめ層に用いられる樹脂の溶融温度は、感熱性糊が粘着性を発現する温度付近であり、温度が下がると直ちに固化造膜する熱可塑性樹脂であることが望ましい。というのは、めどめ層の樹脂の溶融温度が低いと、感熱性糊を熱で活性化するときに、感熱性糊が粘着性を発現する前にめどめ層が溶融し紙基材にしみ込んでしまう。逆に、溶融温度が高いと、めどめ層が膜を形成せず、めどめの効果が発揮できない。また、溶融後温度が低下してもなかなか固化造膜しない樹脂であれば、同様にめどめ層は紙基材にしみ込む。このような樹脂では、感熱性糊が粘着性を発現した時には、めどめ効果がなくなり、感熱性糊が紙基材にしみ込み、接着性の部分的なバラツキが生じてしまう。
めどめ層の効果は、感熱性の糊が紙基材にしみ込むのを防ぐだけでなく、紙の部分的に強度の弱い部分が剥れて容器に付着することを防止する効果もある。というのは、めどめ層が感熱性の糊を活性化するときの熱で溶融し、温度が下がると直ちに固化造膜するので、部分的に紙基材に強度の弱い部分があっても、皮膜が保護してくれるからである。
めどめ層は、ホットメルト糊のように、熱で溶融したときに接着性を有する素材がより好ましい。感熱性の糊層が粘着性を発現した時に、めどめ層が溶融し紙基材と感熱性の糊層との接着をより強くし、ラベルを剥離する際に部分的に感熱性の糊層が容器に残ることを防げるためである。
このように、めどめ層がない場合よりも被着体との接着強度が強くても完全に再剥離性を有することとなり、流通段階、消費段階でラベルが脱落する危険性をより少なくすることができる。
感熱性の糊は、常温で粘着性がなく、加熱されると粘着性が発現する糊であれば使用可能である。特に活性化後も粘着性が持続する糊が好ましい。活性化後も粘着性が持続すれば、被着体とより安定した接着性が得られる。特にPETボトルのように樹脂容器に貼り付ける場合は、外圧による容器の変形によるラベル脱落を防止するために、粘着性が持続するタイプの糊が良い。
粘着性の持続する感熱性糊として、ディレードタック糊が最も好ましい。ディレードタック糊は、固体可塑剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂の3成分から成り、熱で固体可塑剤が溶融し、粘着付与剤と熱可塑性樹脂を柔らかくして粘着性が発現する。通常のディレードタック糊は、常温に温度が下がってもすぐには粘着性は消失しないが、数週間から数ヶ月経つと粘着性は消失する。近年、固体可塑剤の改良、熱可塑性樹脂の選定により、粘着性の持続するディレードタック糊が開発されてきた。そのようなディレードタック糊を使用するのがもっとも好ましい。
感熱性糊の塗布は、グラビアコーター、フレキソコーター、スクリーンコーター、ロールコーター、リバースコーター等の方式が用いられる。塗布量は1から20g/m2、望ましくは3g/m2から10g/m2である。
次に、実施例で本発明を説明する。
紙基材は、三菱製紙株式会社製ラベル用片アート紙(商品名SLK)並びに王子製紙株式会社製蒸着紙(商品名アルミック)を用いた。印刷は、グラビア輪転機を用い、大日本インキ化学工業株式会社製の水性インキ(商品名GFインキ)を用いた。
めどめ層は、溶融温度が感熱性糊とほぼ同じの日栄化工株式会社製のホットメルト糊(商品名HC−17)並びに溶融温度が低い大日本インキ化学工業株式会社製水性ニス(商品名AC−2)をグラビアコーターで塗布した。塗布量は2g/m2である。
感熱性糊として、ダイセル化学工業株式会社製の粘着性が持続するタイプのディレードタック糊(KM−358)を用いた。塗布は、リバースコーターを用い、塗布量は5g/m2と8g/m2である。
再剥離性の確認は、各ラベルを光洋自動機株式会社製ヒートラベラーで容器に貼り付け確認した。貼り付けのライスター温度は300℃で、スピードは100BPMである。容器は、日本山村硝子株式会社製のガラス瓶と、株式会社吉野工業所製の丸型PETボトルを用いた。貼り付け1ヶ月経過後、手で剥し紙の破れ、容器への糊の付着を確認した。
また、瓶に貼り付けたラベルの流通販売段階での安定性を確認するために、上記条件で各ラベルを貼り付け、中に水をいれ5℃に冷却後、40℃、90%の条件下で結露させ、ラベルの端浮きを確認した。
以上のように、紙基材と感熱性糊層との間にめどめ層を設けることにより、糊が基材にしみ込むことを抑えられ接着性が安定し、紙基材でも完全に紙粉や糊が残らずに再剥離が可能となる。また、被着体との接着性を上げることが可能となり、流通段階でラベルの端浮きが生じることもなく、安心して使用可能となる。
ガラス瓶においてラベルを剥して回収するよう求める自治体が多く、またPETボトルのリサイクルに際しては必ずラベルを剥す必要があり、このような再剥離可能な紙ラベルは、資源のリサイクルにとって有効であるとともに、フィルム基材と異なる表現の紙基材を用いることが可能となり、デザイン的な効果も大きく、産業上の利用の可能性は大きい。
1 紙基材
2 印刷層
3 めどめ層
4 感熱性糊層
2 印刷層
3 めどめ層
4 感熱性糊層
Claims (4)
- 紙の表面に印刷層が設けられており、裏面に常温では粘着性はないが熱で活性化し粘着性が発現する感熱性糊が塗布されているラベルにおいて、紙基材と感熱性糊層との間にめどめ層を形成して成ることを特徴とする再剥離可能な紙ラベル
- めどめ層は感熱性糊層の活性化する温度付近で溶融し、温度が下がると直ちに固化造膜する熱可塑性樹脂で、感熱性糊層は活性化後も粘着性が持続する糊で成ることを特徴とする請求項1の再剥離可能な紙ラベル
- めどめ層はホットメルト糊で感熱性糊層は粘着性の持続するディレードタック糊で成ることを特徴とする請求項2の再剥離可能な紙ラベル
- 請求項1から3の再剥離可能な紙ラベルが貼られて成ることを特徴とするガラスまたはプラスチックの再剥離可能な紙ラベル付き容器
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JP2005122918A JP2006267990A (ja) | 2005-03-24 | 2005-03-24 | 再剥離可能な紙ラベル並びに再剥離可能な紙ラベル付き容器 |
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- 2005-03-24 JP JP2005122918A patent/JP2006267990A/ja active Pending
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