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JP2010106143A - 易剥離性感熱ニス及び易剥離性感熱ラベル - Google Patents

易剥離性感熱ニス及び易剥離性感熱ラベル Download PDF

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JP2010106143A JP2008279364A JP2008279364A JP2010106143A JP 2010106143 A JP2010106143 A JP 2010106143A JP 2008279364 A JP2008279364 A JP 2008279364A JP 2008279364 A JP2008279364 A JP 2008279364A JP 2010106143 A JP2010106143 A JP 2010106143A
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Atsushi Araki
淳 荒木
Minoru Kawasaki
実 川▲崎▼
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Abstract

【課題】常温では粘着性がなく、特に、加熱により粘着性が発現しガラス瓶に接着可能で、しかもラベルを剥がした後、剥離痕が残らない易剥離性感熱ニス及び易剥離性感熱ラベルを安定した安価な方法で提供すること。
【解決手段】アクリル樹脂系粘着剤83〜92質量%と、アクリル系樹脂8〜17質量%とを混合し、その質量比の1〜4%の粉状ポリエチレンワックスを添加してなることを特徴とする易剥離性感熱ニス及びそれを用いた易剥離性感熱ラベル。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス瓶の表面に貼られる感熱接着性のラベルに関し、常温では粘着性がなく、加熱により粘着性が発現しガラス瓶に接着可能で、しかもラベルを剥がした後、剥離痕が残らない易剥離性感熱ラベルとそれに用いる易剥離性感熱ニスに関するものである。
現在流通しているガラス瓶用の感熱ラベルは、感熱剤の凝集力が強いため一度ガラスびんの表面に貼られたものは、剥離しようとピッキングを行うと紙基材層の層間破壊が起こり、紙基材の上層部のみが剥がれてしまう紙むけ現象が起き易い。さらにこれを浸水して剥がそうとしても接着剤層が強固にガラスびんの表面に密着しているため、紙残りしてしまう。使用済のガラスびんをリサイクルさせて再利用させようとする最近の動きの中においては、流通時あるいは使用時は、剥がすことができず、使用後には、手で容易にガラスびんの表面から剥がせるラベルが必要になる。さらに、剥がした後に瓶の表面にニスが残らないことも重要である。
従来の感熱ラベルは、ディレードタックと呼ばれるものが多かった。例えば、貼着面として基材の一方の面に非水溶性高分子材料、粘着付与剤、固体可塑剤を水等に分散又は乳化させた薬剤を塗工したものが代表的である(特許文献1)。
上に述べた非水溶性高分子材料としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
、ポリ酢酸ビニル(PVA)、天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系、ポリウレタン系等の非水溶性高分子化合物を少なくとも1種または複数組み合わせたものが用いられている。
また、粘着付与剤は加熱により活性化された際に、粘着剤を増強させるための成分で、例えば、ロジン誘導体、テルペン樹脂系、石油樹脂系、フエノール樹脂系、キシレン樹脂系等の樹脂が用いられている。
さらに、固体可塑剤は、常温では固体であって、融点以上に加熱されると溶融して、上述の非水溶性高分子材料や粘着付与剤を膨潤・溶解させて粘着性、接着性を発現させる。そして、一旦溶解した後はなかなか結晶化しないので、活性化後の粘着保持時間を長くとることができるもので、例えば、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジヒドロアビエチル、イソフタル酸ジメチル、安息香酸スクロース、ジ安息香酸エチレングリコール、トリ安息香酸トリメチロールエタン、トリ安息香酸グリセリド、テトラ安息香酸ペンタエリエット、オクタ酢酸スクロース、クエン酸トリシクロヘキシルN−シクロヘキシル−P−トルエンスルホンアミド等の常温で固体の有機化合物が使用されている。
しかしながら、これらのディレードタックは、60℃程度の温度で活性化が一部始まってしまうので、夏場日中の輸送などでブロッキング等の問題や、保管などの倉庫での温度管理は必要条件であった。また、粘着性がある程度持続するため、剥離の程度をコントロールすることが難しく、剥離できたとしても容器に剥離痕が残ってしまう等の問題がある。さらに、固体可塑剤として使用されるフタル酸エステルは環境ホルモン様物質になっており、生物への影響も懸念されているという問題もあった。
常温では粘着性がなく、特に、加熱により粘着性が発現しペットボトルやガラス瓶等に接着可能で、しかもラベルを剥がした後、剥離痕が全く残らないという易剥離性感熱ラベ
ルも提案されている(特許文献2)。
感熱粘着性を有する層がエチレン−酢酸ビニル共重合体の樹脂をベースとした層で構成されていて、エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニルの含有量が、5%〜30%の範囲であることによって剥離痕が全く残らない易剥離性感熱ラベルを実現できる。さらに、界面活性剤や球状ポリエチレンワックスの添加によって剥離力を調整することも可能である(特許文献3、特許文献4)。
しかしながら、この方法では接着性を発現するために塗布量の下限が約10g/m2と大きく、塗工工程で塗布量を確保するためには塗工及び乾燥を2回以上繰り返すことが必要であり工程の効率が低い。また、乾燥熱量が多く必要であり、乾燥不足でのブロッキング等々のトラブルも起こし易い。さらに、材料費の面でも不利である。
特開2002−6750号公報 特開2006−106234号公報 特開2006−53454号公報 特開2006−243315号公報
常温では粘着性がなく、特に、加熱により粘着性が発現しガラス瓶に接着可能で、しかもラベルを剥がした後、剥離痕が残らない易剥離性感熱ラベルを安定した安価な方法で提供することが課題である。
請求項1の発明は、アクリル樹脂系粘着剤83〜92質量%と、アクリル系樹脂8〜17質量%とを混合し、その質量比の1〜4%の粉状ポリエチレンワックスを添加してなることを特徴とする易剥離性感熱ニスである。
請求項2の発明は、基材の片面に印刷による絵柄層、または加飾用アルミニウム蒸着層或いはホログラム層からなる表示層を有し、前記基材の他面にアクリル樹脂系粘着剤83〜92質量%と、アクリル系樹脂8〜17質量%とを混合し、その質量比の1〜4%の粉状ポリエチレンワックスを添加した易剥離性感熱ニスを0.5〜3.0g/m2塗布してなることを特徴とする易剥離性感熱ラベルである。
基材の裏面に設ける感熱ニスとして、アクリル樹脂系粘着剤にアクリル樹脂と粉状ポリエチレンワックスを添加した組成を用いることにより、常温では粘着性がなく、特に、加熱により粘着性が発現しガラス瓶に接着可能で、しかもラベルを剥がした後、剥離痕が残らない易剥離性感熱ラベルを作成することが出来る。特に、低塗布量の感熱ニスでラベルを作成出来るので従来より安価かつ安定した方法で易剥離性感熱ラベルを提供することが出来るようになった。具体的には、感熱ニスが低塗布量で必要な性能を発現出来ることで、塗工工程の短縮及び乾燥工程の負荷軽減と安定化が達成された。
また、このラベルは常温で粘着性がないことから剥離紙を使わないですむので、ラベルの巻取り装着において同一径での巻取りの長さが多く出来ることや廃棄物の量を減らすことが出来る等の効果も挙げられる。
本発明の実施形態の一例を図に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一例の易剥離性感熱ラベルの層構成を示す断面説明図である。
本発明の易剥離性感熱ラベルは、図1に示すように、基材3の片面に表示層2と、基材の他面に易剥離性感熱ニス層9が設けられている易剥離性感熱ラベル1であって、この易剥離性感熱ニス層9がアクリル樹脂系粘着剤にアクリル樹脂と粉状ポリエチレンワックスを添加した組成からなり、かつ、塗布量が0.5〜3.0g/m2である易剥離性感熱ラベルである。
本発明の易剥離性感熱ラベルの代表的な製造工程の一例を示すと、アルミ蒸着紙7とPETフィルム4をドライラミネート接着剤8で貼り合せて、印刷機でアルミ蒸着面に絵柄層6及びOPニス層5を印刷して、塗工機でPET面へ感熱ニス9を塗工するというものである。
表示層2はガラス瓶にラベルを貼付した時に外面になる層であり、基材3の上に設けられた絵柄層6やOPニス層5を示す。絵柄層としては、インキによる模様の他に、アルミ箔やアルミ蒸着による加飾、ホログラム加工等が含まれる。OPニス層は表面耐性の向上や艶調整のために必要に応じて設けられる透明層である。
基材3は、表示層2と感熱ニス層9が積層可能で、引張強度が容器とラベルの接着強度より大きければ特に制約はない。
基材3を構成するフィルム4としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂などを素材とするフィルムやポリアミドフィルム等が挙げられる。
巻き付けにより装着又は加圧により貼着するラベルのフィルム4としては、無延伸フィルム又は二軸延伸フィルム、特に二軸延伸されたポリプロピレンフィルム(OPP)及びPETフィルム等が用いられる。
このフィルムの厚みとしては、機械的強度、ラベルの取扱性などを損なわない範囲で適宜選択できるが、9μm〜100μm程度が望ましい。これらのフィルムの厚みが上記に述べた数値未満であると、引張り強度が小さいために、ラベル剥離の際にラベルが切れてしまうということが起こる。また逆に厚みが上記の数値を超えると、フィルムに「コシ」が出すぎて、ラヘリングがしにくくなったり、ラベリング時の加熱ドラムからの熱が伝わり難くなりラベリング速度が低下する等の問題が起こる。さらに、厚みが不必要に大きいことは材料費と加熱熱量の点から見ても経済的ではない。
基材3を構成する紙7としては、例えば上質紙、クラフト紙、片面アート紙、両面アート紙、アルミ蒸着紙等が使用可能で、紙の坪量としては、50g/m2 〜200g/m2 が望ましい。絵柄層6は、商品名やイラスト、取扱い注意事項等を公知の方法により印刷した層である。この絵柄層6の形成に用いられる印刷インキとしては、接着剤層9を活性化する際の熱によって損傷を受けないように、例えばアクリル樹脂若しくはポリウレタン樹脂又はこれらの混合物を主成分とするインキ等の耐熱性が考慮されたインキを用いるのが好ましい。
なお、絵柄層6のアルミ蒸着紙7に対する接着性を高めるため、前記2層の間に公知のプライマー、例えば、アクリル系プライマー、ポリエステル系プライマー、イソシアネート系プライマー(二液混合型プライマー等)などによるプライマーコート層を設けてもよ
い。
基材3を構成する紙7とフィルム4を貼り合せるには、周知の貼り合わせ方法、例えば、ドライラミネーション方法、ホットメルトラミネーション方法、ウエットラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法による。
前記ドライラミネーション方法は、一方の基材層上に接着剤を塗布し、他方の基材とを貼り合せる方法で、コーティング部、乾燥装置、ニップローラー部の3つのセクションと、巻き出し、巻き取り及びテンションコントロールシステムから構成されている。
コーティング部は、塗布量の安定性を確保する必要から、グラビアロールコーティング方式が一般的であり、高塗布量や塗工面の平滑性が要求される場合にはグラビアリバースロールコーティング方式を採用している。
ドライラミネーション方法に使用する接着剤は、一般的に、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他のラミネート用接着剤を使用することができる。
ラミネーション用接着剤は、溶剤型接着剤、或いは無溶剤型接着剤が使用されるが、無溶剤型接着剤を使用する場合は、乾燥装置は不要であり、特に、ノンソルベントドライラミネーション方法と呼んでいる。
ホットメルトラミネーション方法は、加熱溶融したエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ワックス、粘着付与剤などからなるホットメルト接着剤を一方の基材層上に塗工し、直ちに、他方の基材を貼り合せる方法である。
ウエットラミネーション方法は、一方の基材層上に水溶性の接着剤を塗工し、接着剤が湿潤の状態で他方の基材と積層し、しかる後に乾燥装置で水分を蒸発乾燥させて接着させる方式である。
これらの貼り合せ用接着剤及び貼り合せ方法は、貼り合せる基材によって適宜選択できる。
次に、感熱ニス9としては、アクリル樹脂系粘着剤にアクリル樹脂と粉状ポリエチレンワックスを添加した組成を用いる。
感熱ニス9の主成分としては、アクリル樹脂系粘着剤(例えば東亞合成製アロンタックTT1214)を用いるが、単独であるとラベルの感熱ニス面のすべりが悪く、ラベリング適性が悪くなるため、すべり性改善のためさらにアクリル樹脂を添加し、剥離性改善のためにポリエチレンワックスを添加する。
アクリル樹脂を構成する単量体成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物などが挙げられる。さらに、必要に応じて、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アミド誘導体、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類などの官能基含有(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレンなどのオレフィン類やジエン類などの重合性不飽和化合物を単量体成分として用いることもできる。
感熱ニスの好ましい成分組成としては、アクリル樹脂系粘着剤とアクリル樹脂の比率が質量比で83/17から92/8の範囲であり、さらにアクリル樹脂系粘着剤とアクリル樹脂の混合物に対して加える粉状ポリエチレンワックスの比率は質量比で1%から4%であることが望ましい。
すべり性の改善のための成分としてのアクリル樹脂の量が、アクリル樹脂系粘着剤とアクリル樹脂の量の合計の8%未満であるとすべり性の改善が不十分であり、17%より多くなると過度になってしまう。
剥離性の改善のための成分としての粉状ポリエチレンワックスの量が上記のアクリル樹脂系粘着剤とアクリル樹脂の量の合計に対して1%未満であるとガラス瓶からの剥離の際に剥離痕が残り、4%以上であるとガラス瓶への接着強度が弱くなり、ラベルの使用中の剥がれや脱落の危険が大きくなる。
本発明の易剥離性感熱ラベルに使用する感熱ニスの基本組成は上記の通りであるが、さらに特性改善の必要に応じて公知の以下のような添加剤を併用することも可能である。
ブロッキング防止を目的としてスリップ剤を添加する方法があるが、過度に添加すると逆に接着強度を低下させることになるので、添加量としては、おおむね2%以下であることが望ましい。また、スリップ剤としては一般的に知られている炭化水素系滑剤、脂肪酸系・アルコール系滑剤、脂肪酸アマイド系滑剤、金属石鹸系滑剤、エステル系滑剤が用いられる。さらに、接着強度を補うために粘着付与剤(ロジン誘導体、テルペン樹脂系、石油樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系、アクリル系、ゴム系等)の添加も可能である。
本発明の易剥離性感熱ラベルに必要な感熱ニスの塗布量は、0.5g/m2から3.0g/m2の範囲である。
感熱ニスの塗布量が0.5g/m2より少ないとラベルとガラス瓶との接着強度が低く、接着むらも起き易いので、使用中にラベルがめくれたり、過酷な環境では剥がれや脱落をも引き起こす場合がある。また、塗布量が3.0g/m2より多いと、ガラス瓶からラベルを剥がした時に感熱ニスがガラス瓶に残ってしまう現象(剥離痕)が起こる。剥離痕が残ることはガラス瓶のリサイクルにとって不都合なので廃棄時に問題となる可能性がある。感熱ニスの塗布量は特に1.0g/m2から2.5g/m2の範囲であることが上記接着性のむら及び剥離痕の発生が少なく望ましい。
感熱ニス9の塗工方法としては、ナチュラルグラビアコーティング、リバースグラビアコーティング、グラビアオフセットコーティング等のグラビアコーティング、ナチュラルロールコーティング、リバースロールコーティング等のロールコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、ファウンテンコーティング等の周知の塗工方式が使用可能である。
本発明の感熱ラベルで使用する感熱ニスの塗工には塗布量から見て乾燥前の塗布量が概略10g/m2以下と想定されること、絵柄の印刷やドライラミネート接着剤の塗工と同じ印刷機が使えること等の理由でグラビアコーティングが好ましい。基材に対する接着性
強化のための、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理等の周知の処理を必要に応じて行うことも可能である。
感熱ニス9の乾燥方法としては、熱風乾燥が基本であるが、感熱ニスが水性の場合には遠赤外線乾燥、近赤外線乾燥等の補助手段の併用も有効である。
以下に具体的な実施例を図1を参照して詳細に説明する。
<実施例1>
坪量60g/m2のアルミ蒸着紙7と12μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム4をウレタン系接着剤8を用いてドライラミネートにて貼り合せた。次に、グラビア印刷機にてアルミ蒸着紙7面に絵柄6及び耐摩性及び耐ブロッキング性向上のためのOPニス5を印刷した。
さらに、グラビア塗工機にて、PET面へアクリル樹脂系粘着剤/アクリル樹脂/粉状PEワックス=92/8/1の割合に調合した感熱ニス9を乾燥後塗布量が0.5g/m2となるように塗工乾燥した。アクリル樹脂系粘着剤は東亞合成社製のアロンタックTT1214(商品名)を用いた。その後、所定の幅にスリットして、感熱ラベルを得た。
<実施例2>
感熱ニス9の乾燥後塗布量が1.0g/m2となる以外は、実施例1と同様にして感熱ラベルを得た。
<実施例3>
感熱ニス9の乾燥後塗布量が2.0g/m2となる以外は、実施例1と同様にして感熱ラベルを得た。
<実施例4>
感熱ニス9の乾燥後塗布量が2.5g/m2となる以外は、実施例1と同様にして感熱ラベルを得た。
<実施例5>
感熱ニス9の乾燥後塗布量が3.0g/m2となる以外は、実施例1と同様にして感熱ラベルを得た。
<比較例1>
感熱ニス9の乾燥後塗布量が0.3g/m2となる以外は、実施例1と同様にして感熱ラベルを得た。
<比較例2>
感熱ニス9の乾燥後塗布量が3.5g/m2となる以外は、実施例1と同様にして感熱ラベルを得た。
<比較例3>
感熱ニス9の組成がEVA樹脂/DCHP/界面活性剤/球状ポリエチレンワックス=92/6/1/1であり、乾燥後塗布量が9.0g/m2となる以外は、実施例1と同様にして従来品とほぼ同等の性能を有する感熱ラベルを得た。
上記に示したラベルを、直径50mm×高さ100mmのガラス瓶に下記の条件でラベ
リングし、剥離性についての評価を行った。ラベリング適性はいずれのサンプルもとくに問題はなかった。 ラベリング条件は、ドラム温度115℃、熱風温度350℃、ラベリングスピード100本/分である。
このラベリングしたガラス瓶を下記の条件で保存した後ラベルの手による剥離を行い剥離性を評価した。保存条件:1日後および20℃3ヶ月、40℃75%3ヶ月。
評価結果は表1に示す通りである。
Figure 2010106143
評価結果からは、本発明の易剥離性感熱ラベルでは感熱ニスの塗布量が0.5g/m2から3.0g/m2の範囲において、良好な剥離強度と剥離痕なしの結果が得られた。とくに感熱ニスの塗布量が1.0g/m2から2.5g/m2の範囲において剥離強度が最適な範囲にあり、かつ、剥離痕がまったく残らないという理想的な結果となった。
感熱ニスの塗布量が0.3g/m2と実施例に比べて少ない比較例1の感熱ラベルでは剥離痕は見られなかったが接着が弱いためのめくれが発生していた。感熱ニスの塗布量が3.5g/m2と実施例に比べて多い比較例2の感熱ラベルでは剥離強度は適切な範囲であったが剥離痕が見られた。比較例3の従来品と比較すると、剥離性では剥離強度、剥離痕とも同等な感熱ラベルが従来品の1/3以下の感熱ニスの塗布量で得られた。
以上の結果から、同等の剥離性能を得る上で、本発明の感熱ラベルは材料、工程、品質の面で従来に比べて優れていることが確認できた。すなわち、従来品は感熱ニスの塗布量が9g/m2以上必要なため、本発明の感熱ラベルより塗布量が多く、塗工工程数も多く、ブロッキングの危険性等の品質ばらつきも大きいのに対して、本発明の感熱ラベルは感熱ニスの塗布量が少くて済むことによって材料費の削減と工程数の短縮及び感熱ニスのブロッキングの危険の減少という効果を得ることが出来た。
また、表1に示した項目について感熱ニスの成分組成比を替えて行った実験によれば、以下のアクリル樹脂系粘着剤/アクリル樹脂の比率が重量比で92/8から83/17までの範囲及びアクリル樹脂系粘着剤/アクリル樹脂の合計に対して粉状PEワックスが1から4質量%の範囲で、剥離性についての評価結果は実施例と同等であった。
本発明の一例の易剥離性感熱ラベルの層構成を示す断面説明図である。
符号の説明
1…易剥離性感熱ラベル
2…表示層
3…基材
4…フィルム
5…OPニス層
6…絵柄層
7…アルミ蒸着紙
8…ドライラミネート接着剤
9…易剥離性感熱ニス層

Claims (2)

  1. アクリル樹脂系粘着剤83〜92質量%と、アクリル系樹脂8〜17質量%とを混合し、その質量比の1〜4%の粉状ポリエチレンワックスを添加してなることを特徴とする易剥離性感熱ニス。
  2. 基材の片面に印刷による絵柄層、または加飾用アルミニウム蒸着層或いはホログラム層からなる表示層を有し、前記基材の他面にアクリル樹脂系粘着剤83〜92質量%と、アクリル系樹脂8〜17質量%とを混合し、その質量比の1〜4%の粉状ポリエチレンワックスを添加した易剥離性感熱ニスを0.5〜3.0g/m2塗布してなることを特徴とする易剥離性感熱ラベル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013071273A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Dainippon Printing Co Ltd シール型熱転写受像シート
JP2013199723A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Kyowa Leather Cloth Co Ltd 合成皮革の製造方法
WO2016187901A1 (zh) * 2015-05-25 2016-12-01 苏州雅利印刷有限公司 具有定位全息效果的防伪不干胶标签

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