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JP2006263185A - 玉縁縫いミシン - Google Patents

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JP2006263185A
JP2006263185A JP2005086226A JP2005086226A JP2006263185A JP 2006263185 A JP2006263185 A JP 2006263185A JP 2005086226 A JP2005086226 A JP 2005086226A JP 2005086226 A JP2005086226 A JP 2005086226A JP 2006263185 A JP2006263185 A JP 2006263185A
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cut
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JP2005086226A
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Tetsuhisa Yokota
哲久 横田
Kenji Kitada
賢治 北田
Masahiko Ueda
昌彦 植田
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Juki Corp
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Juki Corp
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B3/00Sewing apparatus or machines with mechanism for lateral movement of the needle or the work or both for making ornamental pattern seams, for sewing buttonholes, for reinforcing openings, or for fastening articles, e.g. buttons, by sewing
    • D05B3/10Sewing apparatus or machines with mechanism for lateral movement of the needle or the work or both for making ornamental pattern seams, for sewing buttonholes, for reinforcing openings, or for fastening articles, e.g. buttons, by sewing for making piped openings
    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
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  • Textile Engineering (AREA)
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Abstract

【課題】コーナー切目の形成を適正に行う。
【解決手段】縫い針により身頃生地Mに玉縁布Bを縫着するとともに、これら布地にセンター切目S及びコーナー切目Vを形成する玉縁縫いミシンであって、センター切目のうち、少なくともカバー部材の先端部分を挿通自在な二つのコーナーメス用切目S1、S1を形成するようにセンターメスを駆動させるコーナーメス用切目形成動作を行い、形成されたコーナーメス用切目の各々の外側の端部に連続されるコーナー切目を形成するようにコーナーメスを駆動させるコーナー切目形成動作を行い、コーナー切目形成動作後、センター切目のうち、二つのコーナーメス用切目の内側の端部どうしを連接するための連接用切目S2を形成するようにセンターメスを駆動させる連接用切目形成動作を行う。
【選択図】図12

Description

本発明は、玉縁縫いを行うための玉縁縫いミシンに関する。
玉縁縫いミシンは、例えば、衣服の身頃生地に玉縁布を縫着すると共に身頃生地と玉縁布に所定の切目を形成して、ポケットを形成するのに好適なミシンである(例えば、特許文献1参照。)。
即ち、当該玉縁縫いミシンにおける縫製では、針板上面において、身頃生地とその上に玉縁布とを重ねて配置し、その上から底板部とその上面に垂直に立設された立板部とからなる断面逆さT字状であるバインダーを載置する。さらに、玉縁布の両端部をそれぞれバインダーの底板部の上面から立板部の各平面に沿わせるように折り返した状態で保持し、送り機構で所定方向に各布地を送りつつ、バインダーの立板部の両側で二本針により縫製を行う。そして、かかる縫製時には、縫い針の上下動に同期してセンターメスを上下動させてポケットの開口部を形成するための直線状のセンター切目を形成し、その後、V字状に配置されたコーナーメスの上下動により当該センター切目の両端部側に連続するように二又に枝分かれする略V字状のコーナー切目を形成して縫製が行われていた。
そして、縫製終了後に玉縁布をセンター切目内に通すようにして1回転返すことにより、ポケットが形成される。
特開2002−248282号公報
ところで、ポケットを適正に形成する上では、コーナー切目を所定位置に所定角度で適正に形成する必要がある。しかしながら、コーナー切目は、センター切目の形成後に当該センター切目の両端部側にコーナーメスが差し込まれるようにして形成されるため、センター切目により切り開かれた身頃生地及び玉縁布の自由端部がばたついてしまい、コーナー切目を適正に形成することができないといった問題がある。
そこで、コーナー切目の形成をセンター切目の形成よりも前に行うことが考えられるが、コーナーメスの先端部は当該コーナーメスの折損防止を目的としてカバー部材が取り付けられているため、当該カバー部材が身頃生地及び玉縁布のコーナーメスによる切断の邪魔になり、コーナー切目を適正に形成することができないといった問題もある。
そこで、本発明の課題は、コーナー切目の形成を適正に行うことができる玉縁縫いミシンを提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
二本の縫い針を有する針上下動機構と、
ミシンテーブル上に載置される身頃生地の上方に布送り方向に沿って配置されるとともに、底板部と当該底板部に略垂直に立設された立板部と当該立板部の両側に配置された縦ガイド部とを備え、前記立板部の一方の側面から前記底板部を介して他方の側面まで玉縁布を沿わせつつ前記各縫い針の針落ち位置に案内するバインダーと、
前記身頃生地及び前記玉縁布を前記各縫い針の針落ち位置に向けて送る布送り機構と、
前記各縫い針よりも布送り方向下流側に配置されるセンターメスを有し、当該センターメスに対して前記身頃生地及び前記玉縁布が前記布送り機構により送られる際に、前記センターメスを昇降させて前記身頃生地及び前記玉縁布に略直線状のセンター切目を形成するセンターメス機構と、
前記センターメスよりも布送り方向下流側に設けられ、略V字状に配設されたコーナーメスと、当該コーナーメスの先端部を少なくとも被覆するカバー部材とを有し、前記コーナーメス及び前記カバー部材を昇降させて、前記センター切目の各端部側から所定方向に2本延出するような略V字状のコーナー切目を形成するコーナーメス機構とを備え、
前記縫い針により前記立板部の両側に針落ちさせて前記身頃生地に前記玉縁布を縫着するとともに、これら布地に前記センター切目及び前記コーナー切目を形成する玉縁縫いミシンにおいて、
前記センター切目のうち、少なくとも前記カバー部材を挿通自在な二つのコーナーメス用切目を形成するように前記センターメスを駆動させるコーナーメス用切目形成動作を行うコーナーメス用切目形成動作制御手段と、
前記コーナーメス用切目形成動作により形成された前記コーナーメス用切目の各々の外側の端部に連続される前記コーナー切目を形成するように前記コーナーメスを駆動させるコーナー切目形成動作を行うコーナー切目形成動作制御手段と、
前記コーナー切目形成動作後、前記センター切目のうち、前記二つのコーナーメス用切目の内側の端部どうしを連接するための連接用切目を形成するように前記センターメスを駆動させる連接用切目形成動作を行う連接用切目形成動作制御手段と、を備えることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、センター切目のうち、少なくともカバー部材を挿通自在な二つのコーナーメス用切目を形成するようにセンターメスを駆動させるコーナーメス用切目形成動作を行うコーナーメス用切目形成動作制御手段と、コーナーメス用切目形成動作により形成されたコーナーメス用切目の各々の外側の端部に連続されるコーナー切目を形成するようにコーナーメスを駆動させるコーナー切目形成動作を行うコーナー切目形成動作制御手段と、コーナー切目形成動作後、センター切目のうち、二つのコーナーメス用切目の内側の端部どうしを連接するための連接用切目を形成するようにセンターメスを駆動させる連接用切目形成動作を行う連接用切目形成動作制御手段とを備えるので、先ず、センター切目のうち、少なくともカバー部材を挿通自在な二つのコーナーメス用切目を形成し、その後、コーナーメス用切目の各々の外側の端部に連続されるコーナー切目を形成した後、センター切目のうち、二つのコーナーメス用切目の内側の端部どうしを連接するための連接用切目を形成することができる。
従って、コーナー切目の形成前に、センター切目全体が形成されている場合のように、センター切目により切り開かれた身頃生地及び玉縁布の自由端部がばたついてしまうといったことがなくなる。また、コーナーメス用切目が形成されることによって、当該コーナーメス用切目内にコーナーメスの先端部を被覆するカバー部材を挿通させることができることとなり、当該カバー部材があってもコーナー切目の形成の際に布地を適正に切断することができる。このように、身頃生地及び玉縁布に対してコーナー切目を適正に形成することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の玉縁縫いミシンにおいて、
前記コーナーメス用切目形成動作制御手段による前記コーナーメス用切目形成動作は、前記身頃生地に対する前記玉縁布の縫着動作の際に実行され、
前記身頃生地に対する前記玉縁布の縫着動作の際にて、前記コーナー切目形成動作前に前記センターメスを駆動させて前記センター切目を形成するセンター切目形成動作を行うセンター切目形成動作制御手段と、
前記センター切目形成動作の実行指示と、前記コーナーメス用切目形成動作、前記コーナー切目形成動作及び前記連接用切目形成動作の実行指示の何れか一方を選択して入力する実行指示選択入力手段と、を備えることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、センター切目形成動作の実行指示と、コーナーメス用切目形成動作、コーナー切目形成動作及び連接用切目形成動作の実行指示の何れか一方を選択して入力する実行指示選択入力手段を備えるので、当該玉縁縫いミシンによる玉縁縫いのサイクルタイムと玉縁縫いの仕上がり具合を考慮して、センター切目形成動作の実行と、コーナーメス用切目形成動作、コーナー切目形成動作及び連接用切目形成動作の実行の選択を適正に行うことができる。即ち、センター切目形成動作を実行することによりセンター切目を短時間で形成することができることとなって、玉縁縫いのサイクルタイムの短縮化を図ることができ、また、コーナーメス用切目形成動作、コーナー切目形成動作及び連接用切目形成動作を実行することにより、身頃生地及び玉縁布に対してコーナー切目を適正に形成することができるので、仕上がりの良い玉縁縫いを行うことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の玉縁縫いミシンにおいて、
前記センターメスは、前記布送り方向に沿うようにその上流側及び下流側の両方に切刃部が設けられ、
前記連接用切目形成動作制御手段は、前記布送り機構により前記身頃生地及び前記玉縁布が布送り方向下流側から前記センターメス側に戻されるように送られる際に、当該センターメスの下流側の切刃部により前記身頃生地及び前記玉縁布を切断して前記連接用切目を形成させることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、布送り機構により身頃生地及び玉縁布が布送り方向下流側からセンターメス側に戻されるように送られる際に、当該センターメスの下流側の切刃部により身頃生地及び玉縁布を切断して連接用切目を形成することができるので、センターメスの布送り方向の上流側及び下流側の両方の切刃部を利用してセンター切目の形成を効率良く行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の玉縁縫いミシンにおいて、
前記センターメスは、その前記布送り方向の長さが少なくとも前記コーナーメス用切目の前記布送り方向の長さと等しくなるように形成され、
前記コーナーメス用切目形成動作制御手段は、前記コーナーメス用切目の各々の形成の際に、前記センターメスを一度だけ昇降させることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、コーナーメス用切目形成動作制御手段は、コーナーメス用切目の各々の形成の際に、布送り方向の長さが少なくともコーナーメス用切目の布送り方向の長さと等しくなるように形成されたセンターメスを一度だけ昇降させることによりコーナーメス用切目を形成することができるので、布送り方向の上流側及び下流側の両方に切刃部が設けられたセンターメスを搭載する必要がなくなり、当該玉縁縫いミシンのコストダウンを図ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の玉縁縫いミシンにおいて、
前記コーナーメス用切目形成動作制御手段により形成される前記コーナーメス用切目の前記布送り方向の長さを調整自在に構成されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜3に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、コーナーメス用切目形成動作制御手段により形成されるコーナーメス用切目の布送り方向の長さを調整自在に構成されているので、カバー部材の寸法等に応じてコーナーメス用切目の布送り方向の長さを調整することができる。これにより、より魅力的な玉縁縫いミシンを提供することができる。
請求項1に記載の発明によれば、先ず、センター切目のうち、少なくともカバー部材を挿通自在な二つのコーナーメス用切目を形成し、その後、コーナーメス用切目の各々の外側の端部に連続されるコーナー切目を形成した後、センター切目のうち、二つのコーナーメス用切目の内側の端部どうしを連接するための連接用切目を形成することができる。
従って、コーナー切目の形成前に、センター切目全体が形成されている場合のように、センター切目により切り開かれた身頃生地及び玉縁布の自由端部がばたついてしまうといったことがなくなり、また、コーナーメス用切目内にコーナーメスの先端部を被覆するカバー部材を挿通させることができることとなって、当該カバー部材があってもコーナー切目の形成の際に布地を適正に切断することができる。このように、身頃生地及び玉縁布に対してコーナー切目を適正に形成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、当該玉縁縫いミシンによる玉縁縫いのサイクルタイムと玉縁縫いの仕上がり具合を考慮して、センター切目形成動作の実行と、コーナーメス用切目形成動作、コーナー切目形成動作及び連接用切目形成動作の実行の選択を適正に行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、センターメスの布送り方向の上流側及び下流側の両方の切刃部を利用してセンター切目の形成を効率良く行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、布送り方向の上流側及び下流側の両方に切刃部が設けられたセンターメスを搭載する必要がなくなり、当該玉縁縫いミシンのコストダウンを図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、カバー部材の寸法等に応じてコーナーメス用切目の布送り方向の長さを調整することができ、これにより、より魅力的な玉縁縫いミシンを提供することができる。
(発明の実施形態の全体構成)
以下、本発明の実施の形態である玉縁縫いミシン10について、図1〜図13に基づいて説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、玉縁縫いミシン10の全体の概略構成を示す斜視図である。なお、本実施の形態においては、各図中に示したXYZ軸を基準にしてそれぞれの方向を定めるものとし、Z軸方向は後述するセンターメス51の上下動方向と一致し、縫製作業を行う平面はZ軸方向と垂直となり、当該作業平面に平行であって布送りが行われる方向をX軸方向とし、作業平面に平行であってX軸方向に直交する方向をY軸方向とする。
玉縁縫いミシン10は、身頃生地Mに対して玉縁布Bを縫着すると共にこれらの布地の送り方向に沿った直線状のセンター切目S(図12参照)と当該センター切目Sの両端部に略V字状のコーナー切目V(図12参照)とを形成するミシンである。
そして、当該玉縁縫いミシン10は、縫製の作業台となるミシンテーブル11と、ミシンテーブル11に配置されたミシンフレーム12と、身頃生地M及び玉縁布Bからなる布地の送りを行う布送り機構としての大押さえ送り機構20と、身頃生地Mの上側で玉縁布Bを上方から押さえるバインダー30と、バインダー30の布送り方向Fにおける下流側近傍であって当該バインダー30の立板部(後述)32の両側で針落ちを行う針上下動機構40と、ミシンフレーム12に支持され、各縫い針41の布送り方向Fの下流側の各縫い針41の中間にセンターメス51を昇降させて各布地B,Mにセンター切目Sを形成するセンターメス機構としての動メス機構50と、コーナーメス91を昇降させてセンター切目Sの両端となる位置に略V字状のコーナー切目Vを形成するコーナーメス機構90と、上記各部の制御を行う動作制御部80とを備えている。
以下各部を詳説する。
(ミシンテーブル及びミシンフレーム)
ミシンテーブル11はその上面がX−Y平面に平行であって、水平な状態で使用される。このミシンテーブル11の上面は布の送り方向F即ちX軸方向に沿って長い長方形状に形成されている。かかるミシンテーブル11上に大押さえ送り機構20とバインダー30とが配置され、ミシンテーブル11の下側にコーナーメス機構90が配置されている。
また、ミシンテーブル11における二つの縫い針41,41の下方には針板13が設けられている。この針板13には二本針41,41の各々に対応する針穴が設けられており、各針穴の下側には図示しない水平釜がそれぞれ設けられている。つまり、各縫い針41,41のそれぞれに挿通された縫い糸は、それぞれ針板13の下側で対応する各水平釜に捕捉され、水平釜から繰り出される下糸に絡げられて縫製が行われるようになっている。
さらに、針板13の二つの針穴のほぼ中間であって布送り方向Fの下流側にはセンターメス51が挿入されるスリットが形成され、センターメス51との協働により布地を切断する図示しない固定メスが配置されている。
ミシンフレーム12は、ミシンテーブル11の長手方向中間位置のすぐ脇に配置されたベッド部12aとベッド部から立設された縦胴部12bと縦胴部12bの上端部からY軸方向に沿って延設されたアーム部12cとからなり、アーム部12c内に針上下動機構40と動メス機構50の主要構成が格納されている。また、アーム部12cの先端側下端部から二本針41,41とセンターメス51とが垂下支持されている。
(針上下動機構)
次に、針上下動機構40について図2を参照して説明する。
ここで、図2は、針上下動機構40の斜視図である。
図2に示すように、針上下動機構40は、二本針を構成する二つの縫い針41,41と、二本針のそれぞれの縫い針41を下端部に保持する二本の針棒42と、各針棒42をその長手方向に沿って滑動可能に支持する支持枠43と、二本の針棒を同時に保持する針棒抱き44と、縫い針上下動の駆動源となるミシン主軸モータ45と、ミシン主軸モータ45により回転駆動を行うミシン主軸46と、ミシン主軸46の一端部に固定連結され回転運動を行う回転錘47と、回転錘47の回転中心から偏心した位置に一端部が連結されると共に他端部が針棒抱き44に連結されたクランクロッド48と、支持枠43に一端部が連結されると共に図示しない回動駆動源により回動駆動力が付与される回動軸49とを有している。
上記支持枠43は、回動軸49により軸支されており、回動軸49はアーム部12cの内部でY軸方向に沿って回転可能に支持されている。一方、各針棒42は、いずれも回動軸49と直交する方向に沿って互いに平行に支持枠43に支持されている。また、支持枠43は、各針棒42がおおむねZ軸方向に沿うように配置されているため、回動軸49から所定の角度範囲で回動力が付与されると各針棒42の下端部に位置する縫い針41,41は縫製方向と平行に移動されるようになっている。
回動軸49は、布送り方向Fと逆方向に短いストロークで縫いを行い、その上から重ねるように縫製を行うことで、縫い始めと縫い終わりの縫い糸が解けることを防止するいわゆるバックタック縫いを行うために、回動駆動源から駆動力が付与されるものである。従って、通常縫製時には、回動軸49は、各針棒42がZ軸方向に平行となる状態で保持されている。
また、ミシン主軸46も、アーム部12cの内部でY軸方向に沿って回転可能に支持されており、ミシン主軸モータ45により全回転の回転駆動力が付与される。ミシン主軸46が回転されると、回転錘47も同様に回転を行い、クランクロッド48の一端部はミシン主軸46を中心として円運動を行い、他端部では、一端部の円運動のZ軸方向に移動成分のみが針棒抱き44に伝達されて各針棒42が往復上下動を行うようになっている。
(動メス機構)
次に、動メス機構50について図3〜図5を参照して説明する。
ここで、図3は、動メス機構50及び針上下動機構40の切断可能状態の斜視図、図4は、動メス機構50及び針上下動機構40の切断規制状態の斜視図、図5は、図3及び図4と異なる方向から見た動メス機構50の斜視図である。
図3〜図5に示すように、動メス機構50は、センター切目Sを形成するセンターメス51と、センターメス51を下端部に備えると共にアーム部12c内でZ軸方向に沿って滑動可能に支持されたメス棒52と、ミシンフレームに固定されてメス棒52をその長手方向に沿って滑動可能に支持するメタル軸受け53と、メス棒52の長手方向中間位置に固定装備されたメス棒抱き54と、メス棒抱き54に設けられた駒55と、ミシンフレーム12に固定支持され、駒55を介してメス棒52を回転させないで上下方向の移動をガイドするガイド枠56と、センターメス51の上下動の駆動源となるステッピングモータであるメスモータ57と、メスモータ57の出力軸57bに対して偏心して装着された偏心カム58を介して一端部が連結されたクランクロッド59と、クランクロッド59の他端部に揺動端部が連結された入力アーム60と、一端部が入力アーム60に連結されてミシン機枠に固定された軸受け70に軸支されて回動を行う回動軸61と、回動軸61の他端部に回動軸61と一体に形成されて揺動を行う出力アーム62と、出力アーム62の揺動端部に一端部が連結された第一のリンク体63と、第一のリンク体63の他端部とメス棒抱き54とを連結する第二のリンク体64と、センターメス51の切断可能状態と切断規制状態との切り替え動作の駆動源となるエアシリンダ65と、エアシリンダ65のプランジャに一端部が連結されて揺動動作が行われる梃子部材66と、第一のリンク体63と第二のリンク体64との連結点Jと梃子部材66の他端部とを連結する連結リンク体67と、エアシリンダ65の突出時のプランジャを所定位置で停止させるストッパ68とを備えている。
上記動メス機構50は、エアシリンダ65が後退位置(図3の状態)のときに、メスモータ57の回転駆動力をセンターメス51への上下の往復動作に変換して伝達する切断可能状態とし、エアシリンダ65が前進位置(図4の状態)のときに、メスモータ57の回転駆動力をセンターメス51へ伝達しない切断規制状態に切り替えることができる。
即ち、上記梃子部材66は、その長手方向中間位置が揺動の支点となるように且つ当該支点の揺動軸線がY軸方向に向けられた状態でミシンフレーム12に支持されている。そして、エアシリンダ65が後退した状態にある時には、梃子部材66は連結リンク体67を介して、第一のリンク体63と第二のリンク体64との連結点Jを出力アーム62の揺動の中心線上よりも下方に引き下げた位置に維持する。
かかる状態で上記メスモータ57が回転駆動を行うと、Y軸方向に向けられた出力軸57bに装備された偏心カム58によりクランクロッド59の一端部を円運動させる。クランクロッド59はその一端部の円運動によりその他端部において進退運動を行い、入力アーム60を揺動させる。これにより、回動軸61は回動を行い、出力アーム62を揺動させる。
第一のリンク体63と第二のリンク体64との連結点Jは、連結リンク体67の一端部(梃子部材6との連結端部)を中心とする当該連結リンク体67を半径とする円弧運動のみが可能な状態に規制される。そして、連結点Jが当該円弧運動を行うことで、出力アーム62の揺動運動が第一のリンク体63及び第二のリンク体64を介してメス棒52及びセンターメス51を上下動させて切断動作が行われる。
一方、エアシリンダ65が前進した状態にある時には、当該エアシリンダ65のプランジャはストッパ68に当接した位置で制止され、梃子部材66は連結リンク体67を介して、第一のリンク体63と第二のリンク体64との連結点Jを出力アーム62の揺動の中心線の線上となる位置に引き上げて維持する。
第一のリンク体63の両端部における回動の中心間距離は、出力アーム62の揺動半径と一致する長さに設定されている。そして、連結点Jが出力アーム62の揺動の中心線の線上に位置する状態でメスモータ57の駆動により出力アーム62が揺動を開始すると、第一のリンク体63も連結点Jを中心に揺動を行い、その結果、第二のリンク体64に対して何ら駆動力を付与しない状態となる。従って、センターメス51は、上下動を行わず、停止を維持した状態となる。
従って、エアシリンダ65の駆動により、センターメス51の作動状態と制止状態とが切り替えられるようになっている。
また、センターメス51は、その刃先形状が、下方に突出した尖状部51aと、この尖状部51aの布送り方向Fの上流側及び下流側の両端部に連続して、なめらかに傾斜してなる切刃部51b、51bとを備えている。そして、センターメス51は、上述の作動状態における上下動状態で、尖状部51aの下端部が常に針板13の上面よりも下方に位置するように設定されており、制止状態では、尖状部51aの下端部が針板13の上面よりも高位置となるように設定されている。
また、上記構成の動メス機構50によるセンター切目Sの形成は、動作制御部80の制御下にて、身頃生地Mに対する玉縁布Bの縫着動作の際に実行されるセンター切目形成動作により一度に行われるか、若しくは、縫着動作の際に実行されるセンター切目Sのうちのコーナーメス用切目S1の形成のみ行うコーナーメス用切目形成動作と、コーナー切目Vの形成後に実行されるセンター切目Sの残りである連接用切目S2の形成を行う連接用切目形成動作との二度の動作により行われるようになっている(詳細後述)。
(バインダー)
次に、バインダー30について図6を参照して説明する。
ここで、図6はバインダー30の平面図である。
図6に示すように、バインダー30は、長尺状平板である底板部31と、底板部31の長手方向に沿ってその上面に垂直に立設された立板部32と、立板部32の布送り方向Fの下流側端部に、センターメス51を回避して玉縁布Bを案内する案内部材33と、玉縁布Bの幅方向の両端部が立板部32の両面に沿ってそれぞれ送られるように案内する縦ガイド部34とを備えている。
また、上記バインダー30は、エアシリンダを備える図示しない支持機構に支持されており、非使用時には図1に示すように二本針41,41の針下の位置から離れて待避されている。そして、使用時には、エアシリンダの駆動により針板位置にセットされるようになっている。
底板部31は、長方形状に形成され、使用時において、その長手方向がX軸方向に平行になるように且つ、その底面がミシンテーブル11の上面に正対して載置されるように支持されている。また、底板部31の布送り方向Fの先端部には、二つの縫い針41,41がそれぞれ針落ちを行うための略U字状の切り欠き31a,31aが形成されている。
立板部32は、案内部材33の近傍の部分を除いてその全体が長方形状の平板であり、底板部31の上面において、当該底板部31の幅方向(Y軸方向)の中間位置に、底板部31と長手方向を揃えた状態で、垂直に立設されている。即ち、バインダー30は、底板部31と立板部32とがその長手方向から見て逆さのT字状となるように一体形成されている。
そして、玉縁布Bは、針板13上において身頃生地Mの上側に重ねてセットされると、上方からバインダー30が載置され、玉縁布Bの幅方向(図6におけるY軸方向)の両端部を折り返して底板部31の幅方向両端部から上方に立ち上げ、さらに、玉縁布Bの幅方向両端部をそれぞれ立板部32の両側の側面にそれぞれ沿わせるようにして、後述する大押さえ21,21により保持する。即ち、立板部32の一方の側面から底板部31を介して他方の側面32まで玉縁布Bを沿わせた状態とする。このように、バインダー30に玉縁布Bを巻き付けるようにセットした状態で、玉縁布B及び身頃生地Mを送りつつ、立板部32の両側で二本針41,41により縫製を行う。このとき、センターメス51の上下動によりセンター切目S若しくはセンター切目Sのうちのコーナーメス用切目S1を形成するようになっている。
を形成する。
上述のように、玉縁布Bの幅方向両端部は、それぞれ立板部32の両側面に沿った状態を維持するように、立板部32の両側面にそれぞれ近接対向するように二つの平板状の縦ガイド部34,34が設けられている。これら各縦ガイド部34は、布送り方向Fの上流側端部では、立板部32との隙間が拡大するように曲げられており、それよりも下流側では一定の隙間を維持している。つまり、各縦ガイド部34と立板部32との隙間に、玉縁布Bの幅方向一端部を招き入れて、当該一端部が立板部32の一側面に沿った状態を維持するようにガイドするようになっている。
また、バインダー30の布送り方向Fのすぐ下流側には、立板部32の延長線上にセンターメス51が配置されている。玉縁布Bの幅方向両端部は、それぞれ立板部32に沿って布送り方向Fの下流側に移動するため、センターメス51により切り裂かれてしまわないように、案内部材33が設けられている。かかる案内部材33は、当該立板部32の送り方向Fの下流側端部から一体的に形成されると共に、同方向Fに向かって二又に分岐して平面視形状が略V字状となるように形成されている。そして、案内部材33は、玉縁布Bをセンターメス51からより有効にガードするために、センターメス51に対してなるべく近接させて当該センターメス51を両側から覆うように配置されている。かかる形状により、布送りの際に玉縁布Bの幅方向両端部はそれぞれ立板部32から離間する方向に誘導されて、センターメス51を回避する方向に案内される。
(大押さえ送り機構)
次に、大押さえ送り機構20について説明する。
大押さえ送り機構20は、バインダー30にセットされた玉縁布Bの幅方向両端部のそれぞれを上方から押さえる大押さえ21,21と、これらの大押さえ21,21を支持する支持体22と、支持体22を介して大押さえ21,21を上下に移動させる図示しないエアシリンダと、大押さえ21,21により押さえた玉縁布B及び身頃生地Mを支持体22を介して布送り方向Fに移動させる押さえモータ23とを備えている。
各大押さえ21,21は、それぞれ長方形状の平板であり、それぞれが長手方向をX軸方向に沿わせた状態で支持体22に支持されている。また、各大押さえ21,21はその平板面がX−Y平面に平行となるように支持されている。そして、エアシリンダの駆動により上下の二位置に切替可能であり、上位置の時にはミシンテーブル11の上面から離間し、下位置でミシンテーブル11の上面高さとなる。また、二つの大押さえ21,21は、その間に、少なくともバインダー30の立板部32を通すことができるように離間した状態で支持されている。
支持体22は、ミシンテーブル11上においてX軸方向に沿って移動可能に支持されており、支持する二つの大押さえ21,21が二本針41,41の上下動経路の両側を通過するように配置されている。また、支持体22は、図示しないボールネジ機構を介して押さえモータ23に駆動されるようになっている。
(コーナーメス機構)
次に、コーナーメス機構90について説明する。
ここで、図7は、コーナーメス91を示す斜視図である。
コーナーメス機構90は、ミシンテーブル11の下方であって大押さえ送り機構20による大押さえ21,21の通過経路に配置されており、大押さえ送り機構20により搬送されてきた玉縁布B及び身頃生地Mに下方からコーナーメス91を差し込むことでセンター切目Sの両端となる位置若しくはコーナーメス用切目S1の外側となる位置に略V字状のコーナー切目Vを形成する。
即ち、コーナーメス機構90は、布送り方向Fに沿って間隔をあけて配置された二つのコーナーメス91、91と、各コーナーメス91をその先端部側から被覆するカバー部材92、92(図7参照)と、各コーナーメス91及びカバー部材92を所定の動力伝達機構を介してそれぞれ上下動させる上下動用モータ93、93(図8参照)とを備えている。
各コーナーメス91は、その先端側から見た形状がV字状となるように並べられた一対の三角形状のメス91a、91aからなり、当該先端部を上方に向けた状態で支持されている。
また、カバー部材92は、少なくとも一対のメス91a、91aの切刃部の先端部を被覆するように構成されている。即ち、カバー部材92によって、メス91aの切刃部の先端部側のみが被覆されており、この先端部より基端部側の部分は切刃部が露出された状態となっている。これにより、コーナーメス91は、その先端部の折損をカバー部材92により防止することができるとともに、センター切目S若しくはコーナーメス用切目S1内に挿通させるようにしてミシンテーブル11の上面よりも上方に移動することでカバー部材92により被覆されていない切刃部により布地B、MをV字状に切断してコーナー切目Vを形成することができる。
さらに、各コーナーメス91は、一対のメス91a、91aの間の角度を調節可能としており、二本針41,41による二本の縫い目Tの間隔に対応することを可能としている。
そして、二つのコーナーメス91は、それぞれが形成するV字状のコーナー切目Vの開口部が互いに逆向きとなるように各々が支持されている。また、二つのコーナーメス91は、その間隔を調節することを可能としている。
上記コーナーメス機構90は、二本の縫い目Tと、センター切目S若しくはコーナーメス用切目S1が形成された布地B,Mが、大押さえ送り機構20により、コーナーメス機構90の真上となる位置まで搬送されると、二つのコーナーメス91をセンター切目Sの両端部若しくはコーナーメス用切目S1の外側の端部で上下動させることで、二つのV字状のコーナー切目Vを布地B、Mに形成する。
即ち、コーナー切目形成動作がセンター切目形成動作後に実行される場合、コーナーメス機構90により、センター切目Sの両端部の各々から二つの縫い目Tのそれぞれの近い方の端部に亘る二つのコーナー切目Vが形成される。また、コーナー切目形成動作がコーナーメス用切目形成動作後に実行される場合、コーナーメス機構90により、両コーナーメス用切目S1、S1の外側の端部側から二つの縫い目Tのそれぞれの近い方の端部に亘る二つのコーナー切目Vが形成される。
(玉縁縫いミシンの制御系)
次に、玉縁縫いミシン10の制御系について説明する。
ここで、図8は、玉縁縫いミシン10の動作制御部80を含む制御系を示すブロック図である。
図8に示すように、動作制御部80は、各種の制御を行うCPU81と、玉縁縫いミシン10の後述する各種機能,動作を実行させる制御プログラム,制御データ又は各種縫製データが書き込まれているROM82と、CPU81の処理に関する各種データをワークエリアに格納するRAM83とを備えている。
また、動作制御部80は、動メス機構50によるセンター切目Sの形成及びコーナーメス機構90によるコーナー切目Vの形成を制御するようになっている。具体的には、操作者による設定スイッチ(実行指示選択入力手段)85の所定操作に基づいて、動作制御部80は、センター切目Sの形成を一度に行うか、若しくは、コーナーメス用切目S1の形成及び連接用切目S2の形成の二度に分けて行うかを制御するようになっている。
即ち、センター切目Sの形成を二度に分けて行う場合には、CPU81は、コーナーメス用切目形成動作制御手段として、ROM82から読み出した所定のプログラムに従って、センター切目Sのうち、少なくともコーナーメス91を被覆するカバー部材92の先端部分を挿通自在な二つのコーナーメス用切目S1を形成するようにセンターメス51を駆動させるコーナーメス用切目形成動作の実行を制御するようになっている。より具体的には、縫着動作の際に、CPU81は、所定のタイミングでセンターメス51を駆動させて大押さえ送り機構20により布送り方向Fに送られる身頃生地M及び玉縁布Bの所定位置に布送り方向Fに沿って所定長を有するコーナーメス用切目S1を二つ形成させる。
ここで、形成されるコーナーメス用切目S1の布送り方向Fの長さは調整自在に構成されている。即ち、例えば、操作者による設定スイッチ85の所定操作に基づいて、CPU81が、メスモータ57及びエアシリンダ65の電磁弁69の駆動を制御して、センターメス51の上下動の回数を変更したりセンターメス51の下降距離を変更することによりコーナーメス用切目S1の布送り方向Fの長さを調整することができるようになっている。
また、CPU81は、コーナー切目形成動作制御手段として、ROM82から読み出した所定のプログラムに従って、コーナーメス用切目S1、S1の各々の外側の端部に連続されるコーナー切目Vを形成するようにコーナーメス91を駆動させるコーナー切目形成動作の実行を制御するようになっている。より具体的には、縫着動作後に大押さえ送り機構20により身頃生地M及び玉縁布Bがコーナーメス機構90まで送られると、CPU81は、上下動用モータ93を駆動してコーナーメス91を上昇させてコーナー切目Vを二つ形成させる。
また、CPU81は、連接用切目形成動作制御手段として、ROM82から読み出した所定のプログラムに従って、センター切目Sのうち、二つのコーナーメス用切目S1の内側の端部どうしを連接するための連接用切目S2を形成するようにセンターメス51を駆動させる連接用切目形成動作の実行を制御するようになっている。より具体的には、コーナー切目形成動作後に大押さえ送り機構20により身頃生地M及び玉縁布Bが布送り方向Fの下流側から上流側であるセンターメス51側に戻される際に、CPU81は、所定のタイミングでセンターメス51を駆動させて当該センターメス51の下流側の切刃部51bにより身頃生地M及び玉縁布Bを切断して連接用切目S2を形成させる。
また、センター切目Sの形成を一度に行う場合には、CPU81は、センター切目形成動作制御手段として、ROM82から読み出した所定のプログラムに従って、縫着動作の際に、所定のタイミングでセンターメス51を駆動させて大押さえ送り機構20により布送り方向Fに送られる身頃生地M及び玉縁布Bの所定位置にセンター切目Sを形成するセンター切目形成動作の実行を制御するようになっている。
また、動作制御部80には、表示パネル84と、設定スイッチ85と、テンキー86と、スタートスイッチ87とが図示しない入出力回路を介して接続されている。
表示パネル84は、所定の文字又は画像情報を表示するものである。
設定スイッチ85は、表示パネル84に併設された各種の設定を行うための画面選択やコマンド入力を行うためのものである。また、設定スイッチ85は、センター切目Sの形成を一度に行うためのセンター切目形成動作の実行指示と、センター切目Sの形成をコーナーメス用切目S1の形成及び連接用切目S2の形成の二度に分けて行うためのコーナーメス用切目形成動作、コーナー切目形成動作及び連接用切目形成動作の実行指示の何れか一方を選択して入力するための実行指示選択入力手段を構成している。
テンキー86は、各種の設定を行う際に数値入力及びその決定や取消を入力するためのものである。
スタートスイッチ87は、縫製の開始を入力するためのものである。
さらに、動作制御部80には、ミシン主軸モータ45,押さえモータ23,メスモータ57、エアシリンダ65の電磁弁69及び上下動用モータ93がそれぞれドライバ45a、23a、57a、69a、93aを介して接続されている。
(玉縁縫いミシンの縫製動作)
玉縁縫いミシン10の縫製動作について、図9〜図13を参照して説明する。
ここで、図9は、縫製動作の一例を示すフローチャートである。また、図10〜図13は、縫製動作における身頃生地M及び玉縁布Bの状態を説明するための平面図である。
まず、例えば、身頃生地Mが針板13上にセットされ、さらに重ねて玉縁布Bがバインダー30により上方から押さえられてセットが完了した状態において、操作者による設定スイッチ85等の所定操作に基づいて、センター切目S及びコーナー切目Vの形成位置や長さ、センター切目Sを一度に形成するか否か等の各種パラメータの設定が行われる(ステップA1)。なお、設定された各種パラメータは、例えば、RAM83内の所定の格納領域に格納されるようになっている。
パラメータの設定等が行われて、縫着動作の準備が完了後(ステップA2;YES)、操作者によるスタートスイッチ87の操作に基づいて玉縁縫いミシン10が起動される(ステップA3)。
玉縁縫いミシン10の起動後(ステップA3;YES)、動作制御部80は、RAM83に格納されたパラメータに基づいて、センター切目Sを一度に形成すると設定されているか否かを判定する(ステップA4)。
ここで、センター切目Sを一度に形成することが設定されていない場合(ステップA4;NO)、即ち、センター切目Sの形成をコーナーメス用切目S1の形成及び連接用切目S2の形成の二度に分けて行うと設定されている場合、動作制御部80は、所定のプログラムの実行に基づいて、ミシン主軸モータ45及び押さえモータ23の駆動を制御して、大押さえ送り機構20により身頃生地M及び玉縁布Bを所定の布送り速度で布送り方向Fに搬送させつつ、二本針41を布地の所定位置に針落ちさせて身頃生地Mに対する玉縁布Bの縫着を開始する(ステップA5)。
そして、縫着動作の際に、動作制御部80は、所定のプログラムの実行に基づいて、メスモータ57及びエアシリンダ65の電磁弁69を制御して、センターメス51を上下動させて布送り方向Fに送られる身頃生地M及び玉縁布Bの所定位置をセンターメス51の上流側の切刃部51bにより切断してコーナーメス用切目S1を形成する。
具体的には、動作制御部80の制御下にて、先ず、布送り方向Fに送られる身頃生地M及び玉縁布Bの上流側の所定位置に一端部が略V字状のコーナー切目Vの頂点部を構成する第一のコーナーメス用切目S1を形成する第一のコーナーメス用切目形成動作を実行する(ステップA6;図10参照)。次に、動作制御部80の制御下にて、第一のコーナーメス用切目形成動作と同様にして、布送り方向Fに送られる身頃生地M及び玉縁布Bの下流側の所定位置に一端部が略V字状のコーナー切目Vの頂点部を構成する第二のコーナーメス用切目S1を形成する第二のコーナーメス用切目形成動作を実行する(ステップA7;図10参照)。
そして、動作制御部80は、予め設定された身頃生地M及び玉縁布Bの所定位置まで二本の縫い目Tが形成されて身頃生地Mに対する玉縁布Bの縫着動作が終了すると(ステップA8)、続けて、押さえモータ23の駆動を制御して、縫着位置よりも布送り方向Fの下流側に位置するコーナーメス機構90の上方に玉縁布Bが縫着された身頃生地Mを送り、コーナー切目形成動作の実行を制御する(ステップA9)。
このコーナー切目形成動作において、動作制御部80は、所定のプログラムの実行に基づいて、上下動用モータ93の駆動を制御してコーナーメス91を所定位置にて昇降させることにより、コーナーメス91を被覆するカバー部材92の先端部をコーナーメス用切目S1内に挿通させていき、さらに、コーナーメス91のカバー部材92により被覆されていない切刃部により身頃生地M及び玉縁布Bを切断して各コーナーメス用切目S1の外側の端部に連続される略V字状のコーナー切目Vを形成する(図11参照)。
その後、動作制御部80は、所定のプログラムの実行に基づいて、押さえモータ23の駆動を制御して玉縁布Bが縫着された身頃生地Mを保持する大押さえ21を布送り方向Fの下流側からセンターメス51側(作業者側)に戻されるように送る(ステップA10)。このとき、動作制御部80は、所定のプログラムの実行に基づいて、連接用切目形成動作の実行を制御する。
具体的には、動作制御部80は、所定のタイミングでメスモータ57及びエアシリンダ65の電磁弁69を制御して、センターメス51を上下動させて二つのコーナーメス用切目S1、S1の内側の端部どうしを連接するように身頃生地M及び玉縁布Bの所定位置をセンターメス51の下流側の切刃部51bにより切断して連接用切目S2を形成する(ステップA11)。
これにより、玉縁布Bが縫着された身頃生地Mの所定位置にコーナーメス用切目S1及び連接用切目S2からなるセンター切目S並びにコーナー切目Vが形成された状態となり、当該縫製動作が終了となる。
一方、ステップA4にて、センター切目Sを一度に形成することが設定されている場合(ステップA4;YES)、動作制御部80は、所定のプログラムの実行に基づいて、ミシン主軸モータ45及び押さえモータ23の駆動を制御して、大押さえ送り機構20により身頃生地M及び玉縁布Bを所定の布送り速度で布送り方向Fに搬送させつつ、二本針41を布地の所定位置に針落ちさせて身頃生地Mに対する玉縁布Bの縫着を開始する(ステップA12)。そして、縫着動作の際に、動作制御部80は、所定のプログラムの実行に基づいて、センター切目形成動作の実行を制御する(ステップA13)。
具体的には、動作制御部80は、縫着動作の際に、所定のタイミングでメスモータ57及びエアシリンダ65の電磁弁69を制御して、大押さえ送り機構20により布送り方向Fに送られる身頃生地M及び玉縁布Bの二本の縫い目T、T間の所定位置をセンターメス51の上流側の切刃部51bにより切断してセンター切目Sを形成する(図13参照)。
そして、動作制御部80は、予め設定された身頃生地M及び玉縁布Bの所定位置まで二本の縫い目Tが形成されて身頃生地Mに対する玉縁布Bの縫着動作が終了すると(ステップA14)、続けて、ステップA9と同様に、コーナー切目形成動作の実行を制御する(ステップA15)。具体的には、コーナー切目形成動作において、動作制御部80は、所定のプログラムの実行に基づいて、上下動用モータ93の駆動を制御してコーナーメス91を所定位置にて昇降させることにより、コーナーメス91のカバー部材92により被覆されていない切刃部により身頃生地M及び玉縁布Bを切断してセンター切目Sの両端部に連続される略V字状のコーナー切目Vを二つ形成する(図12参照)。
その後、動作制御部80は、押さえモータ23の駆動を制御して玉縁布Bが縫着された身頃生地Mを保持する大押さえ21を布送り方向Fの下流側からセンターメス51側(作業者側)に戻されるように送って、当該縫製動作を終了する(ステップA16)。
(実施形態の効果)
以上のように、本実施形態の玉縁縫いミシン10によれば、縫着動作の際に、先ず、センター切目Sのうち、少なくともカバー部材92を挿通自在な二つのコーナーメス用切目S1、S1を形成し、その後、コーナーメス用切目S1、S1の各々の外側の端部に連続されるコーナー切目Vを二つ形成した後、センター切目Sのうち、二つのコーナーメス用切目S1、S1の内側の端部どうしを連接するための連接用切目S2を形成することができる。ここで、連接用切目S2の形成は、大押さえ送り機構20により身頃生地M及び玉縁布Bが布送り方向Fの下流側からセンターメス51側に戻されるように送られる際に、当該センターメス51の下流側の切刃部51bにより身頃生地M及び玉縁布Bを切断することにより行うことができる。従って、センター切目Sの形成を、センターメス51の布送り方向Fの上流側及び下流側の両方の切刃部51bを利用して効率良く行うことができる。
これにより、コーナー切目Vの形成前に、センター切目Sの全体が形成されている場合のように、センター切目Sにより切り開かれた身頃生地M及び玉縁布Bの自由端部がばたついてしまうといったことがなくなり、また、コーナーメス用切目S1内にコーナーメス91の先端部を被覆するカバー部材92を挿通させることができることとなって、当該カバー部材92があってもコーナー切目Vの形成の際に身頃生地M及び玉縁布Bを適正に切断することができる。
このように、身頃生地M及び玉縁布Bに対してコーナー切目Vを適正に形成することができ、この結果、仕上がりの良い玉縁縫いが行われたポケットを形成することができる。
さらに、センター切目形成動作の実行と、コーナーメス用切目形成動作、コーナー切目形成動作及び連接用切目形成動作の実行の何れか一方を選択して指示することができるので、当該玉縁縫いミシン10による玉縁縫いのサイクルタイム及び仕上がり具合を考慮して縫製を適正に行うことができる。即ち、センター切目形成動作を実行することによりセンター切目Sを短時間で形成することができることとなって、玉縁縫いのサイクルタイムの短縮化を図ることができ、また、コーナーメス用切目形成動作、コーナー切目形成動作及び連接用切目形成動作を実行することにより、身頃生地M及び玉縁布Bに対してコーナー切目Vを適正に形成することができるので、仕上がりの良い玉縁縫いを行うことができる。
また、身頃生地M及び玉縁布Bに形成されるコーナーメス用切目S1の布送り方向Fの長さを調整自在に構成されているので、カバー部材92の寸法等に応じてコーナーメス用切目S1の布送り方向Fの長さを調整することができる。これにより、より魅力的な玉縁縫いミシン10を提供することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、センターメス51の布送り方向Fの長さを、少なくともコーナーメス用切目S1の布送り方向Fの長さと等しくなるように形成し、コーナーメス用切目形成動作の際に、動作制御部80の制御下にて、コーナーメス用切目S1の各々に応じてセンターメス51を一度だけ昇降させるように当該センターメス51を駆動させることにより、所定の長さのコーナーメス用切目S1を形成するような構成としても良い。
これにより、センターメス51の上流側には切刃部を設ける必要がなくなって、切刃部は連接用切目形成動作に必要なセンターメス51の下流側にのみ設ければ良いことから、上記実施形態のように、布送り方向Fの上流側及び下流側の両方に切刃部51bが設けられたセンターメス51を搭載する必要がなくなり、当該玉縁縫いミシン10のコストダウンを図ることができる。
また、上記実施形態では、センターメス51として、布送り方向Fに沿うようにその上流側及び下流側の両方に切刃部51bが設けられたものを例示したが、これに限られるものではなく、例えば、布送り方向Fの上流側及び下流側の何れか一方に切刃部51bが設けられたものであっても良い。この場合、身頃生地M及び玉縁布Bを切断してセンター切目Sを形成する際には、身頃生地M及び玉縁布Bに対して切刃部51bを対向させるようにセンターメス51を所定方向に回転させるようにしても良い。
本発明が適用された好適な一実施形態の玉縁縫いミシンの全体の概略構成を示す斜視図である。 図1の玉縁縫いミシンに備わる針上下動機構の斜視図である。 図1の玉縁縫いミシンに備わる動メス機構及び針上下動機構の切断可能状態の斜視図である。 図3の動メス機構及び針上下動機構の切断規制状態の斜視図である。 図3及び図4と異なる方向から見た動メス機構の斜視図である。 図1の玉縁縫いミシンに備わるバインダーの平面図である。 図1の玉縁縫いミシンに備わるコーナーメスを示す斜視図である。 図1の玉縁縫いミシンの制御系を示すブロック図である。 図1の玉縁縫いミシンによる縫製動作の一例を示すフローチャートである。 図9の縫製動作における身頃生地及び玉縁布の状態を説明するための平面図である。 図9の縫製動作における身頃生地及び玉縁布の状態を説明するための平面図である。 図9の縫製動作における身頃生地及び玉縁布の状態を説明するための平面図である。 図9の縫製動作における身頃生地及び玉縁布の状態を説明するための平面図である。
符号の説明
10 玉縁縫いミシン
11 ミシンテーブル
20 大押さえ送り機構(布送り機構)
30 バインダー
31 底板部
32 立板部
40 針上下動機構
41 縫い針
50 センターメス機構
51 センターメス
51b 切刃部
80 動作制御部(コーナーメス用切目形成動作制御手段、コーナー切目形成動作制御手段、連接用切目形成動作制御手段、センター切目形成動作制御手段)
85 設定スイッチ(実行指示選択入力手段)
90 コーナーメス機構
91 コーナーメス
92 カバー部材
B 玉縁布
M 身頃生地
S センター切目
S1 コーナーメス用切目
S2 連接用切目
V コーナー切目
F 布送り方向

Claims (5)

  1. 二本の縫い針を有する針上下動機構と、
    ミシンテーブル上に載置される身頃生地の上方に布送り方向に沿って配置されるとともに、底板部と当該底板部に略垂直に立設された立板部と当該立板部の両側に配置された縦ガイド部とを備え、前記立板部の一方の側面から前記底板部を介して他方の側面まで玉縁布を沿わせつつ前記各縫い針の針落ち位置に案内するバインダーと、
    前記身頃生地及び前記玉縁布を前記各縫い針の針落ち位置に向けて送る布送り機構と、
    前記各縫い針よりも布送り方向下流側に配置されるセンターメスを有し、当該センターメスに対して前記身頃生地及び前記玉縁布が前記布送り機構により送られる際に、前記センターメスを昇降させて前記身頃生地及び前記玉縁布に略直線状のセンター切目を形成するセンターメス機構と、
    前記センターメスよりも布送り方向下流側に設けられ、略V字状に配設されたコーナーメスと、当該コーナーメスの先端部を少なくとも被覆するカバー部材とを有し、前記コーナーメス及び前記カバー部材を昇降させて、前記センター切目の各端部側から所定方向に2本延出するような略V字状のコーナー切目を形成するコーナーメス機構とを備え、
    前記縫い針により前記立板部の両側に針落ちさせて前記身頃生地に前記玉縁布を縫着するとともに、これら布地に前記センター切目及び前記コーナー切目を形成する玉縁縫いミシンにおいて、
    前記センター切目のうち、少なくとも前記カバー部材を挿通自在な二つのコーナーメス用切目を形成するように前記センターメスを駆動させるコーナーメス用切目形成動作を行うコーナーメス用切目形成動作制御手段と、
    前記コーナーメス用切目形成動作により形成された前記コーナーメス用切目の各々の外側の端部に連続される前記コーナー切目を形成するように前記コーナーメスを駆動させるコーナー切目形成動作を行うコーナー切目形成動作制御手段と、
    前記コーナー切目形成動作後、前記センター切目のうち、前記二つのコーナーメス用切目の内側の端部どうしを連接するための連接用切目を形成するように前記センターメスを駆動させる連接用切目形成動作を行う連接用切目形成動作制御手段と、を備えることを特徴とする玉縁縫いミシン。
  2. 前記コーナーメス用切目形成動作制御手段による前記コーナーメス用切目形成動作は、前記身頃生地に対する前記玉縁布の縫着動作の際に実行され、
    前記身頃生地に対する前記玉縁布の縫着動作の際にて、前記コーナー切目形成動作前に前記センターメスを駆動させて前記センター切目を形成するセンター切目形成動作を行うセンター切目形成動作制御手段と、
    前記センター切目形成動作の実行指示と、前記コーナーメス用切目形成動作、前記コーナー切目形成動作及び前記連接用切目形成動作の実行指示の何れか一方を選択して入力する実行指示選択入力手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の玉縁縫いミシン。
  3. 前記センターメスは、前記布送り方向に沿うようにその上流側及び下流側の両方に切刃部が設けられ、
    前記連接用切目形成動作制御手段は、前記布送り機構により前記身頃生地及び前記玉縁布が布送り方向下流側から前記センターメス側に戻されるように送られる際に、当該センターメスの下流側の切刃部により前記身頃生地及び前記玉縁布を切断して前記連接用切目を形成させることを特徴とする請求項1又は2に記載の玉縁縫いミシン。
  4. 前記センターメスは、その前記布送り方向の長さが少なくとも前記コーナーメス用切目の前記布送り方向の長さと等しくなるように形成され、
    前記コーナーメス用切目形成動作制御手段は、前記コーナーメス用切目の各々の形成の際に、前記センターメスを一度だけ昇降させることを特徴とする請求項1に記載の玉縁縫いミシン。
  5. 前記コーナーメス用切目形成動作制御手段により形成される前記コーナーメス用切目の前記布送り方向の長さを調整自在に構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の玉縁縫いミシン。
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