上記の従来技術では、複数の映像ソースから表示部に対する表示要求を受け付けた場合に、それぞれの映像を表示しようとしたならば、各映像の画像データに対して解像度変換(例えば、各映像の画像データの水平解像度を1/2にして「2画面表示」にする解像度変換)をおこなう必要がある。この時、単純に画素(「RGB」単位)を間引く解像度変換をおこなっているため、映像の表示内容によっては、画質が劣化するという問題があった。
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題(問題点)を解消するためになされたものであり、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制することができる表示装置及び表示方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1の発明に係る表示装置は、2つの視方向に対する個別の画像を同一画面上に表示可能な表示手段と、前記表示手段におけるRGB成分の並び状態に応じて、2つの視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で間引いて配置することにより、前記表示手段に表示する画像データを生成する生成手段と、前記生成された画像データをRGB成分単位で前記表示手段の特定の視方向に対応させて表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明に係る表示装置は、請求項1に記載の発明において、前記生成手段は、前記表示手段におけるRGB成分がR,G,Bの順で水平方向に並ぶ場合に、一方の視方向に応じたソースから得られる画像データの奇数ドットのG成分と偶数ドットのR成分及びB成分を間引くとともに、他方の視方向に応じたソースから得られる画像データの奇数ドットのR成分及びB成分と偶数ドットのG成分を間引いて交互に配置することを特徴とする。
また、請求項3の発明に係る表示装置は、請求項1に記載の発明において、前記生成手段は、前記表示手段におけるRGB成分がR,G,Bの順で水平方向に並ぶ場合に、一方の視方向に応じたソースから得られる画像データの偶数のRGB成分を間引くとともに、他方の視方向に応じたソースから得られる画像データの奇数のRGB成分を間引いて交互に配置することを特徴とする。
また、請求項4の発明に係る表示装置は、2つの視方向に対する個別の画像を同一画面上に表示可能な表示手段と、2つの視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で間引いて交互に配置することにより、前記表示手段に表示する画像データを生成する生成手段と、前記生成された画像データをRGB成分単位で前記表示手段の特定の視方向に対応させて表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項5の発明に係る表示装置は、請求項4に記載の発明において、前記生成手段は、2つの視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で一つおきに間引いて交互に配置することを特徴とする。
また、請求項6の発明に係る表示装置は、請求項4に記載の発明において、前記生成手段は、一方の視方向に応じたソースから得られる画像データの奇数ドットのG成分と偶数ドットのR成分及びB成分を間引くとともに、他方の視方向に応じたソースから得られる画像データの奇数ドットのR成分及びB成分と偶数ドットのG成分を間引いて交互に配置することを特徴とする。
また、請求項7の発明に係る表示装置は、複数の視方向に対する個別の画像を同一画面上に表示可能な表示手段と、前記表示手段におけるRGB成分単位の並び状態に応じて、複数の視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で抽出して配置することにより、前記表示手段に表示する画像データを生成する生成手段と、前記生成された画像データをRGB成分単位で前記表示手段の特定の視方向に対応させて表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項8の発明に係る表示装置は、2つの視方向に対する個別の画像を同一画面上に表示可能な表示手段と、2つの視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で抽出して交互に配置することにより、前記表示手段に表示する画像データを生成する生成手段と、前記生成された画像データをRGB成分単位で前記表示手段の特定の視方向に対応させて表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項9の発明に係る表示方法は、複数の視方向に対する個別の画像を表示手段の同一画面上に表示する表示方法であって、前記表示手段におけるRGB成分単位の並び状態に応じて、複数の視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で間引いて配置することにより、前記表示手段に表示する画像データを生成し、前記生成された画像データをRGB成分単位で前記表示手段の特定の視方向に対応させて表示することを特徴とする。
また、請求項10の発明に係る表示方法は、2つの視方向に対する個別の画像を表示手段の同一画面上に表示する表示方法であって、2つの視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で間引いて交互に配置することにより、前記表示手段に表示する画像データを生成し、前記生成された画像データをRGB成分単位で前記表示手段の特定の視方向に対応させて表示することを特徴とする。
また、請求項11の発明に係る表示方法は、複数の視方向に対する個別の画像を表示手段の同一画面上に表示する表示方法であって、前記表示手段におけるRGB成分単位の並び状態に応じて、複数の視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で抽出して配置することにより、前記表示手段に表示する画像データを生成し、前記生成された画像データをRGB成分単位で前記表示手段の特定の視方向に対応させて表示することを特徴とする。
また、請求項12の発明に係る表示方法は、2つの視方向に対する個別の画像を表示手段の同一画面上に表示する表示方法であって、2つの視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で抽出して交互に配置することにより、前記表示手段に表示する画像データを生成し、前記生成された画像データをRGB成分単位で前記表示手段の特定の視方向に対応させて表示することを特徴とする。
本発明によれば、2つの視方向に対する個別の画像を同一画面上に表示可能な表示手段におけるRGB成分の並び状態に応じて、2つの視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で間引いて配置することで表示手段に表示する画像データを生成し、生成された画像データをRGB成分単位で表示手段の特定の視方向に対応させて表示することとしたので、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制することができる表示装置が得られるという効果を奏する。
また、本発明によれば、表示手段におけるRGB成分がR,G,Bの順で水平方向に並ぶ場合に、一方の視方向に応じたソースから得られる画像データの奇数ドットのG成分と偶数ドットのR成分及びB成分を間引くとともに、他方の視方向に応じたソースから得られる画像データの奇数ドットのR成分及びB成分と偶数ドットのG成分を間引いて交互に配置することで、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制する表示装置が得られるという効果を奏する。
また、本発明によれば、表示手段におけるRGB成分がR,G,Bの順で水平方向に並ぶ場合に、一方の視方向に応じたソースから得られる画像データの偶数のRGB成分を間引くとともに、他方の視方向に応じたソースから得られる画像データの奇数のRGB成分を間引いて交互に配置することで、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制する表示装置が得られるという効果を奏する。
また、本発明によれば、2つの視方向に対する個別の画像を同一画面上に表示する場合に、2つの視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で間引いて交互に配置して画像データを生成し、生成された画像データをRGB成分単位で表示手段の特定の視方向に対応させて表示することとしたので、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制することができる表示装置が得られるという効果を奏する。
また、本発明によれば、2つの視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で一つおきに間引いて交互に配置することで画像データを生成し、生成された画像データをRGB成分単位で表示手段の特定の視方向に対応させて表示することとしたので、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制することができる表示装置が得られるという効果を奏する。
また、本発明によれば、一方の視方向に応じたソースから得られる画像データの奇数ドットのG成分と偶数ドットのR成分及びB成分を間引くとともに、他方の視方向に応じたソースから得られる画像データの奇数ドットのR成分及びB成分と偶数ドットのG成分を間引いて交互に配置することで画像データを生成し、生成された画像データをRGB成分単位で表示手段の特定の視方向に対応させて表示することとしたので、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制することができる表示装置が得られるという効果を奏する。
また、本発明によれば、複数の視方向に対する個別の画像を同一画面上に表示可能な表示手段におけるRGB成分単位の並び状態に応じて、複数の視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で抽出して配置することにより画像データを生成し、生成された画像データをRGB成分単位で表示手段の特定の視方向に対応させて表示するので、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制する表示装置が得られるという効果を奏する。
また、本発明によれば、2つの視方向に対する個別の画像を同一画面上に表示する場合に、2つの視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で抽出して交互に配置して画像データを生成し、生成された画像データをRGB成分単位で表示手段の特定の視方向に対応させて表示するので、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制する表示装置が得られるという効果を奏する。
また、本発明によれば、複数の視方向に対する個別の画像を表示手段の同一画面上に表示する場合に、表示手段におけるRGB成分単位の並び状態に応じて、複数の視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で間引いて配置することにより画像データを生成し、生成された画像データをRGB成分単位で表示手段の特定の視方向に対応させて表示するので、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制する表示方法が得られるという効果を奏する。
また、本発明によれば、2つの視方向に対する個別の画像を表示手段の同一画面上に表示する場合に、2つの視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で間引いて交互に配置することにより画像データを生成し、生成された画像データをRGB成分単位で表示手段の特定の視方向に対応させて表示するので、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制する表示方法が得られるという効果を奏する。
また、本発明によれば、複数の視方向に対する個別の画像を表示手段の同一画面上に表示する場合に、表示手段におけるRGB成分単位の並び状態に応じて、複数の視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で抽出して配置することにより画像データを生成し、生成された画像データをRGB成分単位で表示手段の特定の視方向に対応させて表示するので、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制する表示方法が得られるという効果を奏する。
また、本発明によれば、2つの視方向に対する個別の画像を表示手段の同一画面上に表示する場合に、2つの視方向に応じたソースから得られる画像データをRGB成分単位で抽出して交互に配置することにより画像データを生成し、生成された画像データをRGB成分単位で表示手段の特定の視方向に対応させて表示するので、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制する表示方法が得られるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ物である。
図1は、本発明に係る表示装置の概念図である。図中、1は第1の画像ソース、2は第2の画像ソース、3は第1の画像ソースからの第1の画像データ、4は第2の画像ソースからの第2の画像データ、5は表示制御部、6は表示データ、7は表示部(例えば液晶パネル等)、8は第1の画像ソース1に基づく第1の表示画像、9は第2の画像ソース2に基づく第2の表示画像、10は表示部7に対して左側に位置する観察者(利用者)、11は表示部7に対して右側に位置する観察者(利用者)である。
図1の概念図は、表示部7に対する観察者10、11の相対的位置に応じて、換言すれば表示部7に対する視野角に応じて、観察者10は第1の表示画像8を、観察者11は第2の表示画像9を実質的に同時に見ることができ、しかも各々の表示画像8、9は表示部7の表示面全体に渡ってみることができることを概念的に示している。図1において、第1の画像ソース1は例えばDVDプレーヤの映画画像やテレビ受信機の受信画像等、第2の画像ソース2は例えばカーナビゲーション装置の地図やルート案内画像等であり、それぞれの第1の画像データ3及び第2の画像データ4は表示制御部5に供給され、それらを表示部7で実質的に同時に表示できるように処理される。
表示制御部5から表示データ6を供給される表示部7は、後述する視差バリアを備えた液晶パネル等で構成される。表示部7の横方向の総画素の半数が第1の画像ソース1に基づく第1の表示画像8の表示に、残りの半数の画素が第2の画像ソース2に基づく第2の表示画像9の表示に使用される。表示部7に対して左側に位置する観察者10には、第1の表示画像8に対応する画素のみが見え、第2の表示画像9は表示部7の表面に形成されている視差バリアによって遮られて実質的に見えない。一方、表示部7に対して右側に位置する観察者11には、第2の表示画像9に対応する画素のみが見え、第1の表示画像8は視差バリアにより遮られて実質的に見えない。尚、視差バリアについては、例えば特許文献6、特許文献7に開示された構成を応用できる。
特開平10−123462号公報
特開平11−84131号公報
係る構成により、単一の画面で左右の利用者に異なる情報やコンテンツを提供することができる。もちろん、第1、第2の画像ソースが同じであれば、従来どおり左右の利用者が同じ画像を見ることもできる。
図2は、本発明に係るマルチビュー表示装置の車両への搭載例を示す斜視図である。図中、12は助手席、13は運転席、14はウインドシールド、15は操作部、16はスピーカである。
図1のマルチビュー表示装置の表示部7は、例えば図2に示すように、運転席13と助手席12とのほぼ中央のダッシュボード部分に配置される。マルチビュー表示装置に対する各種操作は、表示部7の表面に一体的に形成したタッチパネル(図示せず)や操作部15又は、赤外線又は無線リモートコントローラ(図示せず)の操作によって行なわれる。車両の各ドアにはスピーカ16が配置され、表示画像に連動した音声や警告音等が出力される。
運転席13に図1の観察者11が、助手席12には観察者10が座る。表示部7に対する第1視方向(運転席側)から見ることができる画像は例えばカーナビゲーション装置の地図等の画像であり、実質的に同時に第2視方向(助手席側)から見ることができる画像は例えばテレビ受信画像やDVDムービー画像である。従って、運転席13の運転者がカーナビゲーションによる運転支援を受けるのと同時に助手席12の同乗者はテレビやDVDを楽しむことができる。しかもそれぞれの画像は例えば7インチの画面全体を使用して表示されるため、従来のマルチウインドウ表示のように画面サイズが小さくなることもない。つまり、運転者、同乗者にとっては、あたかも各々に独立した専用のディスプレイがあるかの如く、それぞれに最適な情報やコンテンツが提供されるのである。
図3は、表示部7の断面構造の概略図である。図中、100は液晶パネル、101はバックライト、102は液晶パネルのバックライト側に設置された偏光板、103は液晶パネルの発光方向側の前面に配置された偏光板、104はTFT(Thin Film Transistor)基板、105は液晶層、106はカラーフィルター基板、107はガラス基板、108は視差バリアである。液晶パネル100は、TFT基板104とそれに対向して配置されるカラーフィルター基板106の間に液晶層105を挟持した一対の基板と、その発光方向側の前面に配置された視差バリア108とガラス基板107とを、2枚の偏光板102・103の間に挟んだ構成となっており、バックライト101からやや離隔して配設される。また、液晶パネル100は、RGB色(三原色)構成される画素を有する。
液晶パネル100の各画素は、左側(助手席側)表示用と、右側(運転席側)表示用に分けられて表示制御される。そして、左側(助手席側)表示用画素は、視差バリア108により右側(運転席側)への表示は遮断され、左側(助手席側)からは見えるようになっている。また、右側(運転席側)表示用画素は、視差バリア108により左側(助手席側)への表示が遮断され、右側(運転席側)からは見えるようになっている。これによって、運転席と同乗者に異なった表示を提供することが可能となる。つまり、運転者にはナビゲーションの地図情報を与え、同時に同乗者にはDVDの映画等を見せることが可能となる。なお、視差バリア108、前記液晶パネルの各画素の構成を変更すれば、3方向等、複数方向に異なった画像を表示する構成も可能である。また、視差バリア自体を電気的に駆動可能な液晶シャッター等で構成して視野角を可変するようにしてもよい。
図4は、表示パネルを正面から見た構造の概略図であり、図3は図4中のA−A’断面である。図中、109は左側(助手席側)表示用の画素、110は右側(運転席側)表示用の画素である。図3及び図4は、例えば横方向に800画素、縦方向に480画素並べられた液晶パネル100の一部を表す。左側(助手席側)表示用の画素109と右側(運転席側)表示用の画素110は縦方向にグループ化され、交互に並んでいる。視差バリア108は、横方向にある間隔で配置され、縦方向には一様である。これによって、左側から表示パネルを見ると、視差バリア108が右側用画素110を覆い隠して、左側用画素109が見える。また同様に右側から見ると、視差バリア108が左側用画素109を覆い隠して、右側用画素110が見える。さらに正面付近では、左側用画素109と右側用画素110の両方が見えるため、左側表示画像と右側表示画像とが実質的に重なって見える。ここで、図4中の交互に並んだ左側用画素109及び右側用画素110は、図3のようにRGB色を有しているが、各グループ縦方向内は、R列、G列、B列のように単色で構成されていても良いし、RGBが複数混じった例として構成されていてもよい。
図5はTFT基板104の概略を示す回路図である。111は表示パネル駆動部、112は走査線駆動回路、113はデータ線駆動回路、114はTFT素子、115〜118はデータ線、119〜121は走査線、122は画素電極、123はサブピクセルである。図5に示すように、サブピクセル123は各データ線115〜118及び各走査線119〜121によって囲まれた領域を一単位とし、複数形成される。各サブピクセルには、液晶層105に電圧を印加する画素電極122とそれをスイッチング制御するTFT素子114が形成されている。表示パネル駆動部111は走査線駆動回路112及びデータ線駆動回路113の駆動タイミングを制御する。走査線駆動回路112はTFT素子114の選択走査を行い、またデータ線駆動回路113は画素電極122への印加電圧を制御する。
前記複数のサブピクセルは、第1の画像データと第2の画像データの合成データもしくは、第1と第2の個々の画像データに基づいて、例えばデータ線115と117に第1の画素データ(左側画像表示用)を、またデータ線116と118に第2の画素データ(右側画像表示用)を送信することによって、第1の画像を表示する第1の画像データ群と第2の画像を表示する第2の画像データ群が形成される。
図6は、本発明に係わる表示装置の概略を示すブロック図であり、いわゆる Audio Visual Navigation 複合機への適用例である。図中、124はタッチパネル、200は制御部、201はCD/MD再生部、202はラジオ受信部、203はTV受信部、204はDVD再生部、205はHD(Hard Disk)再生部、206はナビゲーション部、207は分配回路、208は第1の画像調整回路、209は第2の画像調整回路、210は音声調整回路、211は画像出力部、212はVICS情報受信部、213はGPS情報受信部、214はセレクタ、215は操作部、216はリモコン送受信部、217はリモコン、218はメモリ、219は外部音声/映像入力部、220はカメラ、221は明るさ検知手段、222は乗員検知手段、223はリア表示部、224はETC車載器、225は通信ユニットである。
表示部7は、タッチパネル124、液晶パネル100及びバックライト101から構成される。表示部7の液晶パネル100は、これまでに述べてきたように、第1視方向として運転席側から見られる画像と、第2視方向として助手席側から見られる画像とを、実質的に同時に表示することが可能となっている。尚、表示部7には、液晶パネル以外のフラットパネルディスプレイ、例えば有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、冷陰極フラットパネルディスプレイ等を用いることもできる。
制御部200は、各種ソース(CD/MD再生部201、ラジオ受信部202、TV受信部203、DVD再生部204、HD再生部205及びナビゲーション部206)からの画像や音声を、分配回路207により、画像であれば第1の画像調整回路208及び第2の画像調整回路209に、音声であれば音声調整回路210にそれぞれ分配させる。そして、第1及び第2の画像調整回路208、209では、輝度や色調、コントラストなどが調整され、調整された各画像を画像出力部211にて、表示部7に表示させる。また音声調整回路210では、各スピーカへの分配や音量、音声が調整され、調整された音声が、スピーカ16から出力される。
図7は、画像出力部211の概略を示すブロック図である。図中、226は第1の書込回路、227は第2の書込回路、228はVRAM(Video RAM)である。
画像出力部211は、例えば図7に示すように、第1の書込回路226と第2の書込回路227とVRAM(Video RAM)228と表示パネル駆動部111とを備えている。例えば、第1の書込回路226は、第1の画像調整回路208で調整された画像データのうち奇数列に対応する画像データ(即ち、図1の第1の表示画像8用の画像データ)を、第2の書込回路227は、(第2の画像調整回路209で調整された画像データのうち偶数列に対応する画像データ(即ち、図1の第2の表示画像9用の画像データ)をもとにし、それぞれVRAM228における該当する領域に書き込む。また表示パネル駆動部111は液晶パネル100を駆動する回路であり、VRAM228に保持されている画像データ(第1の画像データと第2の画像データの合成データ)に基づいて、液晶表示パネル100の対応する画素を駆動する。尚、VRAM228には第1の画像データと第2の画像データの合成されたマルチビュー表示用の画像に対応するように画像データの書き込みが行なわれているので、駆動回路は一つでよく、その動作も通常の液晶表示装置の駆動回路の動作と同じである。また別の構成として、第1の画像データと第2の画像データを合成せずに、それぞれの画像データに基づいて、液晶表示パネルの対応する画素を駆動する第1の表示パネル駆動回路及び第2の表示パネル駆動回路を用いることも考えられる。
ここで、図6で示した各種ソースの一例について説明をすると、HD再生部205を選択した場合、ハードディスク(HD)に記憶されたMP3ファイル等の音楽データやJPEGファイル等の画像データ、ナビゲーション用の地図データ等か読み出され、音楽データを選択するためのメニュー表示や画像データを表示部7に表示させることができる。
ナビゲーション部206は、ナビゲーションの為に利用される地図情報を記憶した地図情報記憶部を備え、VICS情報受信部212、GPS情報受信部213から情報を入手し、ナビゲーション動作の為の画像を作成し、表示させることができる。またTV受信部203は、アンテナからセレクタ214を介して、アナログTV放送波及びデジタルTV放送波を受信する。
図8は制御部200の概略を示すブロック図である。図中、229はインターフェース、230はCPU、231は記憶部、232はデータ記憶部である。
制御部200は分配回路207並びに各種ソースを制御し、選択された2つのソースもしくは1つのソースについて表示を行なわせる。また制御部200は、これら各種ソースをコントロールするための操作メニュー表示を表示部7に表示させることも行なっている。ここで、図8で示すように、制御部200はマイクロプロセッサなどで構成され、インターフェース229を介して、表示装置内の各部や各回路を統括的に制御しているCPU230を備えている。このCPU230には、表示装置の動作に必要な各種プログラムを保持するROMからなるプログラム記憶部231と、各種データを保持するRAMからなるデータ記憶部232とが設けられている。なお、ROMやRAM等は、CPUに内蔵されたものでも、外部に設けたものでも使用することが可能である。又、ROMはフラッシュメモリの様に電気的に書き換え可能な不揮発性メモリでもよい。
ユーザは、上記各種ソースのコントロールを、表示部7の表面に取り付けられているタッチパネル124や表示部7の周囲に設けられたスイッチ、もしくは音声認識等の入力操作や選択操作を操作部215によって行なうことができる。またリモコン送受信部216を介して、リモコン217により入力もしくは選択操作をしてもよい。制御部200は、このタッチパネル124や操作部215の操作に従って、各種ソースを含めた制御を行なっている。また、制御部200は、図2のように車両内に複数備え付けられたスピーカ16の各音量等を、音声調整回路210を用いて制御することができるように構成されている。また制御部200は、メモリ218に画質設定情報やプログラム、車両情報等の各種設定情報を記憶させることも行なっている。
図9は、メモリ218の概略を示すブロック図である。図中、233は第1の画面RAM、234は第2の画面RAM、235は画質設定情報記憶手段、236は対環境調整値保持手段である。
メモリ218は、例えば図9に示すように、使用者が設定した第1の画像及び第2の画像の画質の調整値がそれぞれ書き込み可能な第1の画面RAM233および第2の画面RAM234と、第1の画像及び第2の画像の各画質調整用に予め複数段階の調整値が選択可能に記憶されている画質設定情報記憶手段235や、周囲環境に対する第1の映像及び第2の映像の画質の調整状態を保持する対環境調整値保持手段236を有している。画質設定情報記憶手段235及び対環境調整値保持手段236は、フラッシュメモリなどの電気的書き換え可能不揮発性メモリ又はバッテリバックアップされた揮発性メモリにより構成される。
外部音声/画像入力部219に接続された、例えば後方監視用のカメラ220からの画像を表示部7に表示するようにしてもよい。なお、後方監視用カメラ220以外に、ビデオカメラ及びゲーム機等を外部音声/画像入力部219に接続してもよい。
制御部200は、明るさ検知手段221(例えば、車両のライトスイッチや光センサ)や乗員検知手段222(例えば、座席に設けられる感圧センサ)により検知された情報を元に、出力画像や音声の定位位置等の設定を変更させることが可能である。
223は車両の後席用に設けられたリア表示部であり、画像出力部211を介して、表示部7に表示される画像と同じもの、もしくは運転席用の画像か助手席用の画像の一方が表示可能である。
制御部200は、ETC車載器250からの料金表示等を表示させることを行っている。また制御部200は、携帯電話などと無線接続するための通信ユニット225を制御し、これに関する表示がされるようにしてもよい。
つづいて、表示装置における画像補間処理について説明する。この画像補間処理を表示装置内で実行するのは、図1における概念図では表示制御部5であり、図6におけるブロック図では第1の画像調整回路および第2の画像調整回路であるが、以下では説明を簡明にするため、画像補間処理に関わる部分を特に抽出した画像補間装置について説明を行なう。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る画像補間装置を車両に搭載した場合の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る画像補間装置の概要および特徴を説明した後、本実施例1に係る画像補間装置を説明し、最後に、他の実施例として種々の変形例(実施例2)を説明することとする。
(概要および特徴)
まず最初に、本発明に係る画像補間装置の概要および特徴を説明する。図10は、本実施例1に係る画像補間装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この画像補間装置310は、AVユニット320とナビゲーションユニット330に接続された構成となる。
このうち、AVユニット320は、DVDディスク(図示せず)に記憶された映像信号などを読み出して画像補間装置310に出力するDVDプレイヤーである。具体的には、車両の乗員の指示に基づいて「DVD」映像の表示要求をおこなうとともに、この「DVD」映像の画像データを画像補間装置310に出力する。なお、このAVユニット320は、DVDプレイヤーに限らず、コンパクトディスク、ハードディスク、ラジオ、テレビなどの機能を有するものであっても良い。
また、ナビゲーションユニット330は、予め設定された予定経路情報および自車両の位置情報をもとに、経路誘導をおこなう装置である。具体的には、車両の乗員(例えば、運転者)によって設定された自車両の予定経路情報およびGPS受信機によって取得された人工衛星から発信される位置情報に基づいて「ナビゲーション」映像を作成し、該作成された「ナビゲーション」映像の画像データを画像補間装置310に出力する。
このように、AVユニット320およびナビゲーションユニット330が車両に搭載されている場合、画像補間装置310における表示部317では、AVユニット320によって出力された「DVD」映像、並びにナビゲーションユニット330によって出力された「ナビゲーション」映像が表示されることとなる。なお、本実施例1では、表示部317の解像度を「800×480」、「DVD」映像の画像データの解像度を「800×480」、「ナビゲーション」映像の画像データの解像度を「800×480」とする。
このとき、かかる表示部317において、AVユニット320およびナビゲーションユニット330双方から表示要求を受け付けたならば、解像度が「800×480」である表示部317に「800×480」の画像を2つ表示する必要がある。
このため、それぞれの映像が重ならぬように「2画面表示形態」や「2視野表示形態」で表示しようとすると、表示対象となる「DVD」映像および「ナビゲーション」映像の画像データそれぞれに1/2水平解像度変換をおこなう必要がある。
このうち、「2画面表示形態」は、図11−1に示すように、運転席側および助手席側の乗員が双方から2つの画像を鑑賞できるように、表示部317の画面を左右に分割して「DVD」映像v1および「ナビゲーション」映像v2を表示する形態であり、運転席側および助手席側の乗員双方に両方の映像を鑑賞させたい場合などに好適な表示形態である。
また、「2視野表示形態」は、図11−2に示すように、運転席側および助手席側の乗員がそれぞれで異なる映像を鑑賞できるように、表示部317に視差光学機器(例えば、垂直透過スリット)を設けて、表示部317に相対して右方向の鑑賞者(すなわち、運転席側の乗員)には、「ナビゲーション」映像v2を鑑賞させ、表示部317に相対して左方向の鑑賞者(すなわち、助手席側の乗員)には、「DVD」映像v1を鑑賞させる表示形態であり、運転席側の乗員による運転時のわき見を防止する場合などに好適な表示形態である。
なお、本実施例1では、「ナビゲーション」映像の画像データのみに「画像補間処理」をおこなうこととする。このように、「画像補間処理」の処理対象を「ナビゲーション」映像のみに絞った理由は、「ナビゲーション」映像の画像データに解像度変換がおこなわれることによって「文字」や「記号」などの画素欠けが生じ、この画素欠けが生じることによって映像の内容が理解不可能になるという事態が起こりやすい趣旨からである。しかしながら、他の実施の形態としては、「DVD」映像v1と「ナビゲーション」映像v2の両方に対して画像補間処理を行なってもよいことはいうまでもない。
ここで、本発明に係る画像補間装置310は、補間対象領域に位置する画素および該画素の近傍画素に対する当該画素の特徴量を算出し、算出された補間対象領域に位置する画素の特徴量をもとに、補間画素の画素値を決定する「画像補間処理」に主たる特徴があり、かかる「画像補間処理」によって、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制することができるようにしている。
この主たる特徴を具体的に説明すると、この画像補間装置310は、「ナビゲーション」映像v2の元画像データにおいて、図12に示すように、補間対象領域に位置する画素および該画素の近傍画素に対する当該画素の特徴量を算出する。なお、本実施例1では、1/2水平解像度変換をおこなうため、補間対象領域を奇数ドットおよび偶数ドットのペアの2ドットとし、補間画素の画素値を決定する際に参照する近傍画素の範囲を補間対象領域の右側の1ドットとしている。また、この「特徴量」の算出は、RGBデジタル信号のそれぞれの成分についておこなわれることとなる。
かかる「特徴量」とは、補間対象領域に位置する画素が他の補間対象領域に位置する画素および近傍画素に比較してどの程度画素値が乖離しているかを表す指標であり、具体的には、補間対象領域に位置する画素の中の注目画素の画素値と、補間対象領域に位置する各画素の画素値および近傍画素の画素値の平均値との差の絶対値を求めることで算出される。例えば、「特徴量」が大きければ、近傍画素と比較して変化が際立っている画素(すなわち、画像を特徴付ける画素)であること示し、「特徴量」が小さければ、近傍画素と変化が少ない画素であることを示す。
図12の例を用いて説明すると、画像補間装置310は、まず、元のRGBデジタル信号の「R」のデジタル信号について、補間対象領域Aに位置する「ピクセル1」の画素値「P1」と、補間対象領域Aに位置する「ピクセル1」および「ピクセル2」の画素値「P1」、「P2」および近傍画素「ピクセル3」の画素値「P3」の平均値との差の絶対値を求めて「ピクセル1」の特徴量|P1−(P1+P2+P3)/3|を算出し、同様に、「ピクセル2」の特徴量|P2−(P1+P2+P3)/3|を算出する。なお、このようにして、「G」および「B」のデジタル信号における「ピクセル1」および「ピクセル2」の特徴量についても同様に算出する。
また、この画像補間装置310は、補間対象領域Bに位置する「ピクセル3」および「ピクセル4」の特徴量、補間対象領域Cに位置する「ピクセル5」および「ピクセル6」の特徴量、並びに補間対象領域Nに位置する「ピクセルm」および「ピクセルn」の特徴量についても同様に算出する。
続いて、画像補間装置310は、オリジナル画像で画像を特徴付ける画素の画素値を補間画素の画素値として優先的に採用するために、補間対象領域に位置する画素の特徴量もとに、補間画素の画素値を決定する。具体的には、補間対象領域に位置する画素のうち特徴量が閾値を超えた画素の画素値を補間画素の画素値として決定する。
このように、オリジナル画像で画像を特徴付ける画素と倣なすのに妥当な閾値を超えた画素の画素値を補間画素の画素値として決定することで、オリジナル画像で画像を特徴付ける画素の画素値を補間画素の画素値として優先的に採用し、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制することができるようにしている。さらに、これに関連して、オリジナル画像で画像を特徴付ける画素の画素値を平均または加重平均などの加工をおこなわず採用することで、オリジナル画像(すなわち、解像度変換をおこなわれる前の元画像)のイメージを容易に維持できるようにしている。
例えば、補間対象領域Aのように、「ピクセル1」の特徴量|P1−(P1+P2+P3)/3|が閾値「THRESH」以上である場合には、この「ピクセル1」の画素値「P1」を補間画素(すなわち、補間対象領域A)の画素値と決定する。なお、「ピクセル1」および「ピクセル2」のいずれの特徴量も閾値以上である場合には、特徴量がより大きい画素の画素値を補間画素の画素値として採用することが好ましい。
また、補間対象領域Cのように、「ピクセル5」の特徴量および「ピクセル6」の特徴量がいずれも閾値「THRESH」に満たない場合には、補間対象領域Cに位置する「ピクセル5」および「ピクセル6」の画素値「P5」および「P6」それぞれを補間画素(すなわち、補間対象領域C)の画素値と決定する。
したがって、上記の従来技術の例で言えば、画素データを補間する位置の周辺の複数画素データを平均または加重平均した補間データを画一的に作成することで、画像を特徴付ける画素が不明瞭に加工された補間データが作成するのではなく、オリジナル画像で画像を特徴付ける画素と倣なすのに妥当な閾値を超えた画素の画素値を補間画素の画素値として決定することで、オリジナル画像で画像を特徴付ける画素の画素値を補間画素の画素値として優先的に採用し、上記の主たる特徴のように、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を抑制することが可能になる。
さらに、これに関連して、オリジナル画像で画像を特徴付ける画素の画素値を平均または加重平均などの加工をおこなわず採用することで、オリジナル画像(すなわち、解像度変換をおこなわれる前の元画像)のイメージを容易に維持することが可能になる。
次に、本実施例1に係る画像補間装置について説明する。なお、ここでは、本実施例1に係る画像補間装置の構成を説明した後に、この画像補間装置の各種処理の手順について説明することとする。
(画像補間装置の構成)
図10は、本実施例1に係る画像補間装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この画像補間装置310は、画像データ入力部311と、画像データ入力制御部312と、特徴量算出部313と、画像補間処理部314と、解像度変換処理部315と、表示制御処理部316と、表示部317とを備える。
このうち、画像データ入力部311は、画像データ入力制御部312の画像データ入力指示に基づいてAVユニット320および/またはナビゲーションユニット330によって出力された画像データを特徴量算出部313に入力する処理部である。なお、本実施例1では、AVユニット320から「DVD」映像(画像の解像度は、「800×480」とする。)が入力され、ナビゲーションユニット330から「ナビゲーション」映像(同様に、画像の解像度は、「800×480」とする。)が入力される実施例を掲げる。
画像データ入力制御部312は、AVユニット320および/またはナビゲーションユニット330からの表示要求に応じて画像データ入力部311から特徴量算出部313に入力される画像データの入力系統数を制御する処理部である。
例えば、AVユニット320から「DVD」映像の表示要求を受け付けた場合には、画像データ入力部311に「DVD」映像v1の画像データを入力するように指示し、ナビゲーションユニット330から「ナビゲーション」映像の表示要求を受け付けた場合には、画像データ入力部311に「ナビゲーション」映像v2の画像データを入力するように指示する。また、AVユニット320およびナビゲーションユニット330から「DVD」映像の表示要求および「ナビゲーション」映像の表示要求を受け付けた場合には、画像データ入力部311から「DVD」映像v1および「ナビゲーション」映像v2の画像データを入力するように指示する。
特徴量算出部313は、画像データ入力部311から入力された画像データをもとに、補間対象領域に位置する画素および該画素の近傍画素に対する当該画素の特徴量を算出する処理部である。具体的には、図12に示すように、まず、元のRGBデジタル信号の「R」のデジタル信号について、補間対象領域Aに位置する「ピクセル1」の画素値「P1」と、補間対象領域Aに位置する「ピクセル1」および「ピクセル2」の画素値「P1」、「P2」および近傍画素「ピクセル3」の画素値「P3」の平均値との差の絶対値を求めて「ピクセル1」の特徴量|P1−(P1+P2+P3)/3|を算出し、同様に、「ピクセル2」の特徴量|P2−(P1+P2+P3)/3|を算出する。なお、このようにして、「G」および「B」のデジタル信号における「ピクセル1」および「ピクセル2」の特徴量についても同様に算出する。
また、特徴量算出部313は、補間対象領域Bに位置する「ピクセル3」および「ピクセル4」の特徴量、補間対象領域Cに位置する「ピクセル5」および「ピクセル6」の特徴量、並びに補間対象領域Nに位置する「ピクセルm」および「ピクセルn」の特徴量についても同様に算出する。なお、上述した趣旨から、ここでは特徴量算出部313および画像補間処理部314は、「ナビゲーション」映像の画像データのみを処理対象とするが、「DVD」映像v1と「ナビゲーション」映像v2の両方に対して画像補間処理を行なってもよい。
画像補間処理部314は、補間対象領域に位置する画素の特徴量もとに、補間画素の画素値を決定する。具体的には、補間対象領域に位置する画素のうち、特徴量算出部313によって算出された特徴量が最も大きい画素を抽出し、該抽出された画素の特徴量が閾値以上であれば、当該画素の画素値を補間画素の画素値として決定する。
図13に示す補間対象領域Aの例で言えば、まず、画像補間処理部314は、「ピクセル1」の特徴量|P1−(P1+P2+P3)/3|と、「ピクセル2」の特徴量|P2−(P1+P2+P3)/3|との大小関係を比較し、このうち、特徴量が最も大きい画素(例えば、「ピクセル1」)を抽出する。そして、抽出された「ピクセル1」の特徴量が閾値「THRESH」以上である場合には、この「ピクセル1」の画素値「P1」を補間画素(すなわち、補間対象領域A)の画素値と決定する。
また、補間対象領域Bのように、抽出された「ピクセル4」の特徴量が閾値「THRESH」に満たない場合には、補間対象領域Bに位置する「ピクセル3」および「ピクセル4」の画素値「P3」および「P4」それぞれを補間画素(すなわち、補間対象領域B)の画素値と決定する。
このように、補間対象領域に位置する画素のうち特徴量が最も大きい画素を抽出することで、オリジナル画像で画像を特徴付けている蓋然性が高い画素を補間対象領域の中から抽出することができ、オリジナル画像で画像を特徴付ける画素の画素値を補間画素の画素値としてより優先的に採用することが可能になる。
解像度変換処理部315は、画像補間処理部314によって補間画素が補間された複数の画像データに対して解像度変換をおこなう処理部である。例えば、画像補間処理部314から入力された「DVD」映像v1の画像データおよび「ナビゲーション」映像v2の画像データを「2視野表示形態」で表示部317に表示する場合には、RGBデジタル信号は、図14に示すようなドット配置になる。
このため、解像度変換処理部315は、「DVD」映像v1の画像データにおける奇数ドットの「G」を間引くとともに、偶数ドットの「R」および「B」を間引く1/2水平解像度変換をおこなう。
これに対応して、解像度変換処理部315は、「ナビゲーション」映像v2の画像データにおける奇数ドットの「R」および「B」を間引くとともに、偶数ドットの「G」を間引く1/2水平解像度変換をおこなう。
このように、画像補間処理によって補間画素が補間された複数の画像データに対して解像度変換をおこなうことで、画像データの画質劣化を抑制しつつ、解像度変換をおこなうことが可能になる。
表示制御処理部316は、解像度変換処理部315によって解像度変換がおこなわれた画像データを所定の表示形態(本実施例1では、「2視野表示形態」)に並べ替えて表示するように制御する処理部である。具体的には、解像度変換処理部315によって解像度変換がおこなわれた「DVD」映像v1および「ナビゲーション」映像v2のRGBデジタル信号を図14に示すドット配列に並び替える並び替え処理(すなわち、「DVD」映像のデジタル信号「R」、「B」、「G」を1つおきに、「ナビゲーション」映像のデジタル信号「G」、「R」、「B」を1つおきに並び替える処理)をおこなって表示する。
図14に示す例では、表示部317に相対して右方向の鑑賞者を対象にした1ドットついて、G不灯、R点灯、B点灯となるため、表示部317に相対して右方向の鑑賞者(運転席側の乗員)に「R」+「B」の補色であるマジェンダ色が表示されることとなる。
これらの処理によって生成された映像画素データは、単に元画素を偶数配列の画素または奇数配列の画素の何れかの画素群を1フレームに亘って抽出する図15−1に示すようなものに比べて、図15−2に示すように、画素間の変化が高い(大きい)ことを示す高域成分が残されるので大きく画質が劣化するようなことが無く、ある程度の良好な視認性を確保することができる。
このように、解像度変換がおこなわれた画像データが少なくとも1つ含まれた複数の画像データを所定の表示形態に並べ替えて表示するように制御することで、新たな構成を設けることなく、1つの表示部に複数の画像データを多様な表示形態で表示することが可能になる。
(各種処理の手順)
次に、本実施例1に係る画像補間装置の各種処理の手順を説明する。図16は、画像補間処理の手順を示すフローチャートである。この「画像補間処理」は、AVユニット320およびナビゲーション装置330から「DVD」映像の表示要求および「ナビゲーション」映像の表示要求を受け付けた際に、かかる複数の表示要求に係る表示形態の設定が排他表示設定ではなく「2画面表示」や「2視野表示」などの共存表示形態であるならば、開始されることとなる。
同図に示すように、AVユニット320およびナビゲーション装置330から「DVD」映像の表示要求および「ナビゲーション」映像の表示要求を受け付けた場合(ステップS601肯定)に、画像データ入力部311は、「DVD」映像v1および「ナビゲーション」映像v2の入力系統ごとに、これらの画像データを特徴量算出部313に入力する(ステップS602)。
そして、特徴量算出部313は、画像データ入力部311から入力された画像データをもとに、補間対象領域に位置する画素の特徴量を順次算出する(ステップS603)。続いて、画像補間処理部314は、補間対象領域に位置する画素のうち、特徴量算出部313によって算出された特徴量が最も大きい画素を抽出する(ステップS604)。
ここで、抽出された画素の特徴量が閾値以上である場合(ステップS605肯定)には、画像補間処理部314は、当該画素の画素値を補間画素の画素値として決定し(ステップS606)、一方、抽出された画素の特徴量が閾値未満である場合(ステップS605否定)には、補間対象領域に位置する各画素の画素値それぞれを補間画素の画素値と決定する(ステップS607)。
そして、全ての補間対象領域について補間画素の画素値が決定された場合(ステップS608肯定)には、画像補間処理部314は、各補間画素の画素値が反映された画像データを生成する(ステップS609)。なお、全ての補間対象領域について補間画素の画素値が決定されていない場合(ステップS608否定)には、全ての補間対象領域について補間画素の画素値が決定されるまで、上記のステップS603〜S607の処理を再帰的におこなう。
続いて、解像度変換処理部315は、画像補間処理部314によって補間画素が補間された「ナビゲーション」映像の画像データと、「DVD」映像の画像データとにそれぞれ1/2水平解像度変換処理を実行する(ステップS610)。
そして、表示制御処理部316は、解像度変換処理部315によって1/2水平解像度変換処理がおこなわれた「ナビゲーション」映像の画像データおよび「DVD」映像の画像データを所定の表示形態に並び替えて表示する(ステップS611)。
最後に、「ナビゲーション」映像または「DVD」映像のいずれか、或いは「ナビゲーション」映像および「DVD」映像の双方が終了した場合(ステップS612肯定)には、処理を終了し、「ナビゲーション」映像および「DVD」映像の双方が終了していない場合(ステップS612否定)には、上記のステップS602〜S611までの処理を繰り返す。
上述してきたように、本実施例1に係る画像補間装置310によれば、補間対象領域に位置する画素のうち特徴量が最も大きい画素を抽出し、該抽出された画素の特徴量が閾値以上であれば、当該画素の画素値を補間画素の画素値として決定することとしたので、オリジナル画像で画像を特徴付けている蓋然性が高い画素を補間対象領域の中から抽出し、該抽出した画素の画素値を補間画素の画素値としてより優先的に採用することができ、画像データの解像度変換に伴う画質劣化をより実効的に抑制することが可能になる。
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例1以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施例にて実施されてもよいものである。
例えば、実施例1では、複数の表示要求(すなわち、「DVD」映像および「ナビゲーション」映像の表示要求)を受け付けた場合に、本発明に係る「画像補間処理」をおこなう実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示要求が単数であっても複数であっても同様に本発明を適用することができる。特に、本発明は、表示要求が単数であっても、解像度変換のニーズ(例えば、携帯電話など比較的小さい表示部にあわせた解像度変換が求められる場合)がある画像データに対して本発明に係る「画像補間処理」を適用することで一層高い効果を得られる。
また、実施例1では、補間対象領域に位置する画素のうち、特徴量算出部313によって算出された特徴量が最も大きい画素を抽出し、該抽出された画素の特徴量が閾値未満であれば、補間対象領域に位置する各画素の画素値それぞれを補間画素の画素値と決定する実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、抽出された画素の特徴量が閾値未満であれば、補間対象領域に位置する画素の画素値を平均化した画素値を補間画素の画素値として決定するようにしても良い。
図17の例で言えば、補間対象領域Bのように、抽出された「ピクセル4」の特徴量が閾値「THRESH」に満たない場合には、補間対象領域Bに位置する「ピクセル3」および「ピクセル4」を平均した画素値「(P3+P4)/2」それぞれを補間画素(すなわち、補間対象領域B)の画素値と決定する。
このように、補間対象領域に位置する画素のうち、特徴量算出部313によって算出された特徴量が最も大きい画素を抽出し、該抽出された画素の特徴量が閾値未満であれば、補間対象領域に位置する画素の画素値を平均化した画素値を補間画素の画素値として決定することで、隣接画素の輝度レベルが乖離していない場合に大局的な画像補間処理をおこなうことができ、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を効果的に抑制することが可能になる。
また、本発明では、補間対象領域に位置する画素間の画素値の差を算出し、補間対象領域に位置する画素間の画素値の差の絶対値が閾値以上であれば、該補間対象領域に位置する画素の画素値を平均化した画素値を補間画素の画素値として決定するようにしても良い。
例えば、図18の例で言えば、補間対象領域Aに位置する画素「ピクセル1」および「ピクセル2」間の画素値の差(すなわち、「P1−P2」)を算出し、補間対象領域に位置する画素間の画素値の差の絶対値(すなわち、|P1−P2|)が閾値「THRESH」以上であれば、該補間対象領域Aに位置する画素「ピクセル1」および「ピクセル2」の画素値を平均した画素値「(P1+P2)/2」を補間画素の画素値として決定する。また、補間対象領域B、補間対象領域C・・・補間対象領域Nについても同様にして画像補間処理がおこなわれる。
このように、補間対象領域に位置する画素間の画素値の差を算出し、補間対象領域に位置する画素間の画素値の差の絶対値が閾値以上であれば、該補間対象領域に位置する画素の画素値を平均化した画素値を補間画素の画素値として決定することで、局部的に生じる輝度レベルの大差を平滑化することができ、画像データの解像度変換に伴う画質劣化を効果的に抑制することが可能になる。
なお、実施例1では、画像補間装置310に入力される映像信号がコンポジット信号(RGB形式)である例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、YC形式など他の形式の映像信号が入力された場合であっても本発明を同様に適用することができる。
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータ(例えば、解像度や解像度変換率など)を含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、本実施例では単一ディスプレイ上に2つの画面を表示する2画面表示形態と、2つの方向に異なる2つの映像を出力する2視野表示形態とを例に説明を行なったが、3以上の複数の画面を表示す多画面表示形態や、3以上の複数の方向に異なる映像を出力する多方向表示形態として実施することもできる。
また、本実施例では車載用の装置を例に説明を行なったが、本発明の利用はこれに限定されるものではなく、例えば家用など車載用途以外の表示装置にも適用することが可能である。