JP2006119191A - 保持具及び光ファイバ用保持具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の保持具によれば、板状の金属芯材の両面に軟質樹脂層を設けた構成としたため、局所的な被保持物への応力の集中等によるに損傷を与えることがなく、また、所望の形状を維持しながら充分に保持力を作用させ、安定して被保持物を固定することができる。さらに、板状の金属芯材の全体を覆うように軟質樹脂層を設けてやれば、金属芯材が保持具の外部に露出することがなく、被保持物である、例えば光ファイバ等の表面を金属で擦って損傷する等の事故を防止できる。
【選択図】 図1
Description
なお、この保持具は、前記金属芯材の全体を覆う軟質樹脂製の樹脂外装体を有し、前記樹脂外装体の一部又は全部が前記軟質樹脂層によって形成された構成とすることもできる。この場合、前記金属芯材の両面の前記軟質樹脂層の内の一方又は両方が圧縮性の発泡合成樹脂材料から形成される構成としても良く、この場合、前記金属芯材の両面の前記軟質樹脂層の内の一方が発泡ゴムから形成されていることが好ましい。
また本発明は、前記金属芯材がベース部と該ベース部から延びる舌片状の1又は複数本の枝部とを有する形状に形成され、この金属芯材の両面には前記軟質樹脂層が形成されており、前記金属芯材のベース部の両面に前記軟質樹脂層が被着された構造の保持具ベース部と、前記金属芯材の枝部の両面に前記軟質樹脂層が被着された構造に形成され前記保持具ベース部から延出する細長形状の保持片とを有することを特徴とする保持具を提供する。この場合、前記保持片が前記保持具ベース部の両側に対向配置されており、しかも、保持具ベース部の両側に配置された保持片は、前記保持具ベース部の両側又は片側の保持片を前記保持用ベース部を介して反対の側に向けて曲げたときに、保持具ベース部の一方の側の保持片が前記保持具ベース部の他方の側の複数本の保持片の間に確保しておいた隙間に入り込むように、位置がずらされているように構成しても良い。
また本発明は、光ファイバを収納して保持する筒状の光ファイバ用保持具であって、保持具を筒状に成形した筒状体であり、前記保持片を、前記筒状体の内側あるいは外側へ向けて曲げることで、前記筒状体の側部に、光ファイバを通すための光ファイバ挿通口を形成できるようになっていることを特徴とする光ファイバ用保持具を提供する。この場合、前記筒状体は、前記光ファイバに沿わせて配置される前記保持具ベース部と、該保持具ベース部の両側又は片側から延出する複数の前記保持片を有し、複数の前記保持片は、それぞれ前記保持具ベース部から前記筒状体の周方向に沿うように延出されており、前記筒状体の軸方向に沿った方向の複数箇所に配置されていることが好ましい。
まず、本発明に係る保持具の第1の実施形態について説明する。
図1(a)に示すように、保持具1は全体として帯状に形成されており、板状に形成された可撓性の金属からなる金属芯材2と、この金属芯材2の全体を覆う樹脂外装体3から構成される。
金属芯材2は、例えば銅やアルミニウム等、手指によって曲げることができる(塑性変形できる)可撓性を有する金属によって形成されるものであり、曲げた後、強制的に曲げ力を与えない限り、その形状を維持することができる。
軟質樹脂層3a、3bは、金属芯材2を収納する溝条を形成したものであっても良いが、例えば後述のように、クッション性(圧縮性)を有する発泡樹脂材料を採用した場合は、金属芯材2を収納するための溝条を有する形状に形成せずに、軟質樹脂層3a、3b自体の柔軟性によって、一方又は両方の軟質樹脂層3a、3bの金属芯材2の周囲にはみ出した部分同士を金属芯材2の外周面2cに回り込ませて、互いに接着固定して一体化しても構わない。
なお、軟質樹脂層3a、3bは、金属芯材2に対しては、例えば接着剤による接着や熱溶着等によって接着固定される。
本実施形態においては、第1、第2軟質樹脂層3a、3bとしてクッション性(圧縮性)を有する発泡合成樹脂材料を採用している(以下、軟質樹脂層を、弾性外装材とも言う)。軟質樹脂である発泡合成樹脂材料の採用は、光ファイバやガラス基板といった被保持物の把持固定等の際に、被保持物を傷付けにくい等の点で好ましい。第1、第2弾性外装材3a、3bの材質や厚みは互いに同じであっても良いが、異ならせることも可能である。ここでは、好ましい一例として、一方の弾性外装材(ここでは符号3aの第1弾性外装材)に圧縮性の発泡ポリエチレン、他方の弾性外装材(ここでは符号3bの第2弾性外装材)に発泡ゴムを用いた構造を例示する。また、第1弾性外装材3aである発泡ポリエチレン層の厚みを、第2弾性外装材3bである発泡ゴム層よりも大きくしている。この弾性外装材の厚みは、光ファイバやガラス基板といった傷付きやすい被保持物の把持固定時の傷付き防止や、保持具1の曲げ操作性等に鑑みて設定されるものであり、例えば、軟質樹脂層3aに用いる発泡ポリエチレンを4mm、軟質樹脂層3bに用いる発泡ゴムを2mmとする。
保持具1は、該保持具1の長手方向の一部に設定した折り曲げ部1eにて、第1弾性外装材3aによって金属芯材2の第1芯材面2aに沿って延在するようにして形成されている第1面1a及び第2弾性外装材3bによって金属芯材2の第2芯材面2bに沿って延在するようにして形成されている第2面1bの内の一方が内側、他方が外側となるようにして該保持具1を屈曲させることで、保持具1の内の折り曲げ部1eを介して両側の部分(詳細には、折り曲げ部1eの屈曲の内側となった弾性外装材の、折り曲げ部1eを介して両側の部分)の間に被保持物を挟み込むようにして把持できる。ここで、保持具1の内、折り曲げ部1eを介して両側部分が、被保持物4を挟み込むための保持部1c、1dとして機能する。
例えば環状に湾曲させた保持具1の内側に光ファイバ4を保持するようにして良い。本発明では、保持具内側に光ファイバ4等の被保持物を若干のクリアランスを以て遊動可能に収納した場合も、「保持」と呼ぶものとする。
保持具1の折り曲げ部1h、1i、1jは、保持具1の長手方向において何れかの場所の選択によって設けられるものであり、折り曲げ部1h、1jは第1面1aが内側となるようにして折り曲げられ、折り曲げ部1iは第2面1bが内側となるようにして折り曲げられている。この際、折り曲げ部1h、1i、1jを境界として折り曲げられて突き合わせられた保持具1の長手方向の各部位は保持部1k、1m、1n、1pとして機能する。ここでは、光ファイバ4は、発泡ポリエチレンからなる軟質樹脂層3aによって、保持部1kと1mの間、及び保持部1nと1pの間に挟み込まれて保持される。
なお、図3(b)、(c)に示したように、保持部1mと1nの間にも光ファイバ4を挟み込み、発泡ゴムからなる軟質樹脂層3bによって保持しても良い。これにより、前述したように、光ファイバ素線や光ファイバ心線等の外力の影響を受けやすい被保持物は、保持部1kと1mの間、及び保持部1nと1pの間において軟質樹脂層3aで保持し、比較的外力の影響を受けにくい被保持物は保持部1mと1nの間で軟質樹脂層3bによって保持する等、適宜選択することが可能となる。
図4に示すように、本実施形態における保持具1Aは、板状の金属芯材2(以下、区別のため、この実施形態に係る金属芯材に符号21を用いて説明する場合がある)と、この金属芯材21の外側に被着され、金属芯材21を露出させないように金属芯材21全体を覆う樹脂外装体3とを有する点は第1の実施形態と同じであるが、板状のベース部21aとこのベース部21aから延びる板状の舌片21bとを有する金属芯材2(21)を用いている点、全体形状も金属芯材21の形状に従い板状の保持具ベース部11と該保持具ベース部11から延びる細長板状の保持片12とを有する形状になっている点で、第1の実施形態とは異なる。
金属芯材21の材質、金属芯材21の両側に被着された2つの弾性外装材3a、3bの材質等は、第1の実施形態と同様のものを採用できるので、説明を省略する。また、樹脂外装体3が、1枚の板状の金属芯材21の両側の弾性外装材3a、3b同士を接合して一体化したものであることも、第1の実施形態と同様である。なお、このことは、以降の各実施形態でも同様である。
図4(b)、(c)では、第1弾性外装材3aが内側、つまり、全体として板状の保持具10の両面の内、第1弾性外装材3aによって金属芯材21に沿って延在するように形成された第1面1aが内側になるようにして保持片12を折り曲げているが、保持片12の折り曲げは、第2弾性外装材3bが内側、つまり第1面1aとは反対の側の第2面1bが内側となる形態であっても良い。
図6(a)に示すように、本実施形態における保持具1Bは、その長手方向(図6(a)左右方向)において3本の保持片12a、12b、12cが串歯状に保持具ベース部11から延びる形状となっている。なお、金属芯材22の材質、金属芯材22の両側に被着された2つの弾性外装材3a、3bの材質等は、第1の実施形態と同様のものを採用できるので、説明を省略する。また、樹脂外装体3が、金属芯材22の両側の弾性外装材3a、3b同士を接合して一体化したものであることも、第1の実施形態と同様である。
保持具ベース部11の内部には、前記金属芯材22に形成されるベース部22aが収納されており、また、保持具ベース11からは、保持片12a、12b、12cがそれぞれ平行に延びて形成される。ここで、保持片12aの内部には前記金属芯材22に形成される舌片22bが収納されており、同様に保持片12bの内部には舌片22cが収納されるとともに、保持片12cの内部には舌片22dが収納されている。
保持具1Bの固定対象物への固定方法等、その他の詳細については第2の実施形態において説明した内容と共通であり、説明を省略する。
符号23は板状の金属芯材であり、ここで23aはベース部、23b、23c、23dは舌片である。
図8(b)に示したように、保持具1Cは、保持片12d、12fを、この保持片12d、12fと前記保持具ベース部11との境界付近で折り曲げて保持具ベース部11に重ね合わせるとともに、保持片12eを、この保持片12eと前記保持具ベース部11との境界付近で折り曲げて、2本の保持片12d、12fの間に入れるようにして保持具ベース部11に重ね合わせている。ここで、光ファイバ4は、各々の保持片12d、12e、12fと保持具ベース部11との間に挟み込まれるように保持される。
なお、図8(a)に示したように、保持具1Cの長さ方向(図8(a)左右方向)に連なっている保持具ベース部11、保持片12d、12f、保持片12eの各々の長さを略同寸としてやれば、各保持片を折り曲げて光ファイバを保持した際、保持具1C全体の外形上をコンパクトにまとめられるとともに、各部位の突出を最小限に留めることができる。
本実施形態における保持具1Cの固定対象物への固定方法や被保持物の保持方法等、その他の詳細についてはこれまでの説明と同様であり、説明を省略する。
図9(a)に示すように、本実施形態における保持具1Dは、細長形状の保持具ベース部11と、この保持具ベース部11の両側(図9(a)の左右)からそれぞれ複数本延出された保持片とを有し、全体として板状に形成されている。なお、ここでは、保持具ベース部11の左側の保持片に12g、右側の保持片に12hを付している。
一方、図9(c)に示すように、この保持具1Dは、保持具ベース部11から左右に延出する複数の保持片12g、12hを、この複数の保持片12g、12hと前記保持具ベース部11との境界付近で、第1面1aが内側となるように折り曲げ、複数の保持片12g、12hの端部を突きあわせて筒状に形成した使用例(光ファイバ用保持具)のようにしても良い。
この光ファイバ用保持具(保持具)1Dは、前記保持具ベース部11と保持片12g、12hとで筒状体を形成したものであり、この筒状体に光ファイバ4を挿通して該光ファイバ4を保持する。
図10(a)に示すように、本実施形態における保持具1Eは全体として板状に形成されており、保持具ベース部11の対向する両側から細長形状の支持部13a、13bが延出され、各々の支持部13a、13bの先端付近には、前記支持部13a、13bを介して対向する形で、保持片12i及び保持片12jが、各々一対の保持片として支持部13a及び支持部13bの各両側から延出して形成されている。
本実施形態における保持具1Cの固定対象物への固定方法や被保持物の保持方法等、その他の詳細についてはこれまでの説明と同様であり、説明を省略する。
図12(a)に示すように、この保持具1Fは、十字形に形成されており、中央の保持具ベース部11と、この保持具ベース部から四方に延出する細長形状の保持片12k、12m、12n、12oとを有する。なお、符号26は金属芯材であり、保持具1Fの形状に対応して、ベース部26aと複数本の舌片26bとを有する一枚の板材である。
また、4本の保持片の内、光ファイバ4の保持に用いる保持片や、固定対象物への固定に用いる保持片は、必ずしも、保持具ベース部を介して両側に位置する保持片の対である必要はなく、適宜選択使用することができる。
図14(a)に示すように、この保持具1Gは全体として板状であり、細長保持片15と、この細長保持片15の一端に連通されるとともに、その略中央付近に貫通孔14aが形成されるファイバ保持部14を有する。このファイバ保持部14は、貫通孔14aの周囲が細長の保持体14bで囲い込まれて閉環された形状を持つ一方で、貫通孔14aと保持体14bの外周端面14cの一端との間には切込部14dが設けられている。なお、この切込部14dは、細長保持片15とファイバ保持部14の境界部分(つまり細長保持片15と外周端面14cの一端との境界部分)を避けて設けられる。
ここで、ファイバ保持部14は、前記細長保持片15の固定対象物6への巻き付け固定によって、この固定対象物6にぶら下がって空中に支持されている状態となっている。ここで、被保持物である光ファイバ4を前述の貫通孔14aに挿通することにより、この光ファイバ4はこの貫通孔14aから脱落しないように空中で保持される形となる。
図15は、被保持物としての基板7(ここではガラス基板。以下、ガラス基板とも言う)の複数箇所に本発明に係る保持具1Hを取り付けた状態を示している。
ここでガラス基板7は、例えば、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイ等に使用されるものである。なお、ここで採用可能な基板としては、ガラス基板に限定されず、例えばシリコン基板等であっても良い。保持具1Hは、第1実施形態の保持具1を用いているが、これに限定されず、例えば、上述した各実施形態の保持具など、本発明に係る各種構造の保持具を使用できる。この保持具1Hは、折り曲げによってガラス基板7を挟み込んで、しっかりと固定している。例えば、ガラス基板7を図15(a)、(b)のように保持具1Hが固定されたままの状態で、搬送トレイに載せたり、搬送容器に収容して搬送する場合、搬送トレイや搬送容器との接触部分が保持具1Hに限定されることで、搬送中のガラス基板7の傷付きが防止される。また、搬送トレイや搬送容器に対するガラス基板7の搬入や取り出しを、保持具1Hのみに触れて行うようにすることで、ガラス基板7を傷付きや汚染から守ることができる。保持具1Hは曲げ変形させるだけで、ガラス基板7に対して簡単に着脱できるので、着脱作業性が極めて良好である。
例えば、樹脂外装体は、板状の金属芯材の両面に被着される軟質樹脂層同士を接合して一体化した構成のものに限定されず、例えば、金属芯材全体を覆うように樹脂モールドで形成したもの等であっても良い。
また、金属芯材の形状、及び該金属芯材の形状によって、保持具の形状は、上述した実施形態に限定されず、様々なものを採用することができる。
Claims (8)
- 板状に形成された可撓性の金属芯材の両面に軟質樹脂層が設けられ、前記金属芯材を塑性変形させることで被保持物を保持するための所望形状に曲げることができることを特徴とする保持具。
- 前記金属芯材の全体を覆う軟質樹脂製の樹脂外装体を有し、前記樹脂外装体の一部又は全部が前記軟質樹脂層によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の保持具。
- 前記金属芯材の両面の前記軟質樹脂層の内の一方又は両方が圧縮性の発泡合成樹脂材料から形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の保持具。
- 前記金属芯材の両面の前記軟質樹脂層の内の一方が発泡ゴムから形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の保持具。
- 前記金属芯材がベース部と該ベース部から延びる舌片状の1又は複数本の枝部とを有する形状に形成され、この金属芯材の両面には前記軟質樹脂層が形成されており、
前記金属芯材のベース部の両面に前記軟質樹脂層が被着された構造の保持具ベース部と、前記金属芯材の枝部の両面に前記軟質樹脂層が被着された構造に形成され前記保持具ベース部から延出する細長形状の保持片とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の保持具。 - 前記保持片が前記保持具ベース部の両側に対向配置されており、しかも、保持具ベース部の両側に配置された保持片は、前記保持具ベース部の両側又は片側の保持片を前記保持用ベース部を介して反対の側に向けて曲げたときに、保持具ベース部の一方の側の保持片が前記保持具ベース部の他方の側の複数本の保持片の間に確保しておいた隙間に入り込むように、位置がずらされていることを特徴とする請求項5記載の保持具。
- 光ファイバを収納して保持する筒状の光ファイバ用保持具であって、
請求項5記載の保持具を筒状に成形した筒状体であり、前記保持片を、前記筒状体の内側あるいは外側へ向けて曲げることで、前記筒状体の側部に、光ファイバを通すための光ファイバ挿通口を形成できるようになっていることを特徴とする光ファイバ用保持具。 - 前記筒状体は、前記光ファイバに沿わせて配置される前記保持具ベース部と、該保持具ベース部の両側又は片側から延出する複数の前記保持片を有し、
複数の前記保持片は、それぞれ前記保持具ベース部から前記筒状体の周方向に沿うように延出されており、前記筒状体の軸方向に沿った方向の複数箇所に配置されていることを特徴とする請求項7記載の光ファイバ用保持具。
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