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JP2006153752A - アンテナ内蔵式電子時計 - Google Patents

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JP2006153752A
JP2006153752A JP2004347311A JP2004347311A JP2006153752A JP 2006153752 A JP2006153752 A JP 2006153752A JP 2004347311 A JP2004347311 A JP 2004347311A JP 2004347311 A JP2004347311 A JP 2004347311A JP 2006153752 A JP2006153752 A JP 2006153752A
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Abstract

【課題】外装ケースに金属材料を使用する構成において、受信感度を大幅に向上させることができるとともに、スペース効率を大きく向上させて小型化を促進できるアンテナ内蔵式電子時計の提供。
【解決手段】アンテナ21のコア211の端部211Aが積極的に曲げられて非導電性部材である文字板35に向いているので、文字板35を介して外部無線情報を受信可能となって、コア211が金属製のケーシング31の内周面31Aに近接配置されていても、受信電波がケーシング31によって減衰するのを回避できる。従って、ケーシング31に金属材料を使用する構成において、アンテナ21の受信感度を大幅に向上させることができる。また、金属製のケーシング31により、外装ケースをプラスチック等で構成した場合に比べて高級感のある外観意匠が得られ、これによりデザイン上の制約も少ない時計1を提供することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、時刻情報等を含んだ外部無線情報を受信して時刻修正等の処理を行う電波修正時計に代表されるアンテナ内蔵式電子時計に関する。
従来、外部からの時刻情報を受信して時刻修正を行う電波修正時計等のアンテナ内蔵式電子時計が知られている。このアンテナ内蔵式電子時計において、外装ケースおよび文字板などには、電波を減衰させる金属等の導電性部材をなるべく使いたくない。その一方で、ステンレス鋼、真鍮、チタンなどの金属材料を外装ケース、文字板などに使用して高級感のある外観としたい場合がある。
このように、外装ケースの外観を向上させた構成として、外装ケースの胴部のみを金属製として質感を高めるとともに、文字板や裏蓋はガラスや樹脂、セラミック材料で形成した構成が知られている。これらの構成では、文字板あるいは裏蓋を非導電性部材とすることによって受信感度を少しでも向上させている(特許文献1および特許文献2参照)。
しかし、これでも未だアンテナの受信感度が十分ではないため、特許文献1では、金属製の胴部とアンテナとの間にリング状のスペーサを配置し、アンテナと胴部内周面との間に十分な間隔を確保することにより、アンテナが文字板あるいは裏蓋を介して電波を受信し易くしている。
また、特許文献2においても、アンテナと胴部および裏蓋との最良の距離を実験により求めて、アンテナと胴部との間に所定の間隔を確保して、アンテナの受信感度を向上させている。
一方、小型アンテナの例として、短冊状のアモルファス箔が積層されたコアがボビンに収納され、ボビンの周囲にコイルが巻回されたアンテナであって、ボビンの側面開口部にクサビ状のスペーサを挿入してコア両端を割り開き、アモルファス箔を積層方向外側に突出させたものがある(特許文献3参照)。これにより、コア端部での磁束の回帰性を向上させている。
特開2001−33571号公報([0015]、図1) 特開2004−251707号公報([0033]、図1) 特開2004−179803号公報([0012][0016]、図1)
しかしながら、特許文献1および特許文献2のように胴部とアンテナとの間隔を十分に開けたとしても、アンテナが受信する電波が金属製の胴部を介して減衰するのは避けられないため、受信感度の向上には限界がある。また、胴部とアンテナとの間のスペースのぶん、胴部が大型化してしまうという問題がある。
一方、特許文献3のようにコアの端部をアモルファス箔に沿って割り開いて磁束の回帰性を向上させた程度では、十分な受信感度の向上が望めないとともに、これらのスペーサおよびボビンがかさ張って小型化できない。
このような問題は、電波修正時計に限らず、無線通信用のアンテナを内蔵した各種のアンテナ内蔵式電子時計に共通する問題であった。
本発明の目的は、外装ケースに金属材料などの導電性部材を使用する構成において、受信感度を大幅に向上させることができるとともに、スペース効率を大きく向上させて小型化を促進できるアンテナ内蔵式電子時計を提供することにある。
本発明のアンテナ内蔵式電子時計は、少なくとも胴部が導電性部材で構成されている外装ケースと、前記外装ケースの開口部に臨んで設けられる文字板と、前記外装ケース内に配置されて外部無線情報を受信するアンテナを有し、かつ当該アンテナで受信した外部無線情報を処理する受信手段と、時刻表示手段とを備えたアンテナ内蔵式電子時計であって、前記文字板、または、前記外装ケースを構成する裏蓋を有する場合は裏蓋、のいずれかが非導電性部材で構成され、前記アンテナは、コアおよび当該コアに巻回されたコイルにより構成されているとともに、前記外装ケースの金属部分と近接配置され、前記コアの端部は、前記非導電性部材に向かって曲げられていることを特徴とする。
この発明では、アンテナのコアの端部が時計の厚さ方向に積極的に曲げられ、非導電性部材に向けられているので、この非導電性部材を介して外部無線情報を受信可能となる。すなわち、曲げられたコアの端部における軸方向は外装ケースの内周面から外れた方向であるため、コアが外装ケースの金属等の導電性部材の部分に近接配置されていても、受信電波が外装ケースの金属部分で減衰するのが回避される。従って、外装ケースに金属材料等の導電性部材を使用する構成において、アンテナの受信感度を大幅に向上させることができる。また、コアの端部が曲がっているぶん、アンテナの長さが確保されるから、この点でも受信感度を向上させることができる。
加えて、このように外装ケースに導電性部材が使用されていてもアンテナの受信感度が高いことから、外装ケースの金属等の導電性部材の部分にコアをごく近付けて、外装ケース内の平面的なスペース効率を大きく向上させることができる。これにより、アンテナ内蔵式電子時計の小型化を促進できる。
なお、プラスチック製ケースに金属製カバーが取り付けられている場合のように、外装ケースの少なくとも一部に導電性部材が使用されていれば、上述のように、アンテナの受信感度の向上、およびアンテナ内蔵式電子時計の小型化を図ることができる。また、外装ケースは、胴部と裏蓋とが一体化されたワンピース型のものであってもよい。
ここで、「コア端部が曲げられている」とは、コアが予め塑性変形されて曲げられていても良いし、地板に曲げて組み込むことが可能なように弾性変形可能になっていてもよい。
本発明では、前記コアは、積層された薄膜磁性体で構成されていることが好ましい。
薄膜磁性体としては、コバルト系アモルファス金属、鉄系アモルファス金属等の箔(薄板)などが利用できる。
この発明によれば、コアに薄膜磁性体を用いているので、磁束が流れる方向の断面積を小さくでき、磁束変化により生じる渦電流が抑制され、鉄損を小さくできる。これにより、渦電流により生じる磁界を抑制することができ、アンテナの受信感度を向上させることができる。
本発明では、前記薄膜磁性体の積層方向は、当該時計の厚さ方向であることが好ましい。
この発明によれば、例えば0.01mm〜0.05mm程度の厚さの薄膜磁性体が時計の厚さ方向に積層されるので、アンテナの厚さ寸法が小さくなって時計を薄型化できる。
ここで、アモルファス箔によるコアとした場合には、アモルファスの磁気特性が良好であることから、アンテナおよび時計をより薄く、より小さくできる。
なお、アモルファス箔は薄膜であるため、容易に曲げることができる。
本発明では、前記コアは、非導電性部材で構成されたコア保持部材により保持され、前記コイルは、前記コアと前記コア保持部材と共に巻かれていることが好ましい。
この発明によれば、曲げられたコアが保持部材により保持されるので、アンテナを地板などに確実に支持固定でき、アンテナの時計への組み込みも容易にできる。
また、コイルがコア保持部材の周りに巻かれているから、コイルを構成する導線がコアのエッジで傷ついて切れるのを防止できる。
なお、コア保持部材としては、コアを支持する板状のもの、あるいはコアを収容する箱状のものなどを採用できる。
本発明では、前記コアの端部が曲げられることにより当該端部に平面的に重なるように、前記受信手段を構成する回路素子が配置されていることが好ましい。
この発明によれば、コアの端部が時計の厚さ方向に曲げられることにより当該コアから外れた位置に形成されるデッドスペースを解消できるとともに、受信手段を構成する同調用コンデンサや受信回路等の回路素子とアンテナとを電気的に接続するための導線を短くできる。そのため、導線を通じてアンテナに電磁的なノイズとして信号が混入してくる可能性が少なくなり、アンテナおよび受信手段による電波受信をより正確に行うことができる。
本発明では、前記文字板は、非導電性部材で構成され、この文字板と互いに重ねられるソーラーパネルを備えていることが好ましい。
この発明によれば、時計がソーラーパネルによる電力で駆動されるので、電池交換を行う必要がなく、電池交換時に必要な基準位置合わせを不要にでき、メンテナンスフリーを実現できる。
なお、ソーラー発電機のパネルには、電波を透過させるポリイミド製のフレキシブル基板などを採用するのが好ましい。
本発明では、前記時刻表示手段を駆動するモータを備え、このモータは、時計の厚さ方向において、前記コアの端部に対して当該端部が曲げられた側とは反対側に設けられていることが好ましい。
すなわち、端部が文字板側に曲げられている場合はモータは裏蓋側に設けられ、また、端部が裏蓋側に曲げられている場合は、モータは文字板側に設けられる。
この発明によれば、通常、アンテナの磁界への影響を考慮してモータはアンテナと平面的に離した位置に配置されるところ、時計の厚さ方向においても、モータとアンテナとが離して配置されるから、アンテナの感度を一層向上させることができる。
本発明によれば、外装ケースに金属材料などの導電性部材を使用する構成において、受信感度を大幅に向上させることができるとともに、スペース効率を大きく向上させて小型化を促進できる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態における時計1を裏蓋33(図2)側から見た平面図であり、図2は、図1のII−II線矢視図である。図1において、上方向が時計1の12時方向、下方向が6時方向、左方向が3時方向、右方向が9時方向となっている。
時計1は、一般的な電波修正時計と同様の構成を備えるものであり、時刻情報を含む電波(外部無線情報)を受信する受信手段2と、ムーブメント4と、ムーブメント4を収容する外装ケース3とを備えて構成されている。
〔1.外装ケースの構造〕
外装ケース3は、略リング状に形成されたケーシング(胴部)31と、ケーシング31の表面側の開口部に装着されたカバーガラス32と、ケーシング31の裏面側の開口部に着脱可能に取り付けられた裏蓋33とを備えている。ケーシング31は、ステンレス鋼、真鍮、チタン等の金属材で構成されている。
また、ムーブメント4の表面側には、文字板35が取り付けられており、文字板35の略中央には、ステッピングモータで駆動される輪列に取り付けられた秒針351、分針352、時針353が配置されている。また、文字板35の裏面には図示しないリング状の日車が設けられ、文字板35に形成された窓から日車の外周に印字された日付が表示されるようになっている。
本実施形態では、文字板35は、ガラス、透明プラスチックなどの透光性を有する非導電性部材(電気絶縁体)で構成されている。また、文字板35の裏側には、ソーラーパネル36が文字板35と重ねて設けられている。ソーラーパネル36は、電波を透過させるポリイミドからなるフレキシブル基板により形成されている。
一方、裏蓋33は、ケーシング31と同様の金属材料で構成されている。
ケーシング31の対向する2カ所、通常は12時方向および6時方向には、バンドを連結するための連結用突片(カン)34がそれぞれ突設されている。このケーシング31に取り付けられる時計バンドは、複数の駒部材をピン(バネ棒等)で互いに回動可能に連結することで構成されている。そして、端部の駒部材もケーシング31にピンで回動可能に連結されている。
〔2.受信手段の構造〕
次に、時刻情報を受信する構造について説明する。
時刻情報の受信手段2は、図3に示すように、電波を受信するアンテナ21と、受信電波に同調させる同調回路22と、時針電波から得られる時刻情報を処理する受信回路23と、処理された時刻情報を記憶する時刻データ記憶回路24とを備えて構成されている。
同調回路22は、アンテナ21に対して並列に接続された2つのコンデンサ22A,22Bを備えて構成され、一方のコンデンサ22Bがスイッチ22Cを介してアンテナ21に接続されている。
次に、アンテナ21は、図4に示すように、磁性体コア211にコイル212を巻いて構成されており、必要に応じて、耐食性に優れるカチオン電着塗装等で絶縁を施したものである。
ここで、図4(A)はアンテナ21の平面図、図4(B)はアンテナ21の側面図、また、図4(C)は、コア211を構成する薄膜磁性体としてのアモルファス箔2110の平面図である。
アンテナ21は、図4(A)に示すように、略中央に形成される平面矩形状の直線部211Cと、この直線部211Cの長手方向両端側に略円弧状に湾曲して形成される端部211Aとを有している。
ここで、アンテナ21を側面から見ると、図4(B)に示すように、各端部211Aはアンテナ21の厚さ方向に積極的に折り曲げて形成されている。また、各端部211Aは、直線部211Cの長手方向と交差する平面図上での中心線C1および側面図上での中心線C2の、それぞれに対して互いに略線対称に形成されている。
コア211は、図4(C)に示すアモルファス箔(例;Co50wt%以上のコバルト系のアモルファス箔)2110を型で打ち抜くか、エッチングで成形して10〜30枚程度積層して貼り合わせ、焼鈍等の熱処理を行って磁気特性を安定化させたものである。アモルファス箔2110を貼り合わせる際の接着剤には、硬化した際にアモルファス箔2110に応力がかからないようなものを選定して使用している。
各アモルファス箔2110は、図4(C)に示すように平面略U字状であり、両端部が積層方向の片側に折り曲げられている。
コア211を構成する各アモルファス箔2110は、厚さ寸法が0.01mm〜0.05mm程度であって、例えば30枚積層した場合、その積層方向の厚さ寸法は0.3mm〜1.5mm程度である。なお、アモルファス箔2110の厚さは、0.015mm程度であることが好ましく、この程度の厚さであれば、アモルファス箔2110を積層方向に容易に折り曲げることができる。また、アモルファス材は保磁力が0.32A/m程度と小さく、フェライトに比べて磁気特性が良いため、より小型・薄型のアンテナ21を実現できる。そして、アンテナ特性は、アンテナの体積に影響されるため、アンテナを薄くする分、アンテナ特性を維持するには、平面積を大きくするか、アンテナ長(コアおよびコイルの長さ)を長くする必要がある。従って、本実施形態では、コア211の幅寸法は例えば0.5〜3.0mm程度であり、長さは15〜30mm程度とされている。なお、アモルファス箔の厚さが0.05mmより厚くなると、アモルファス箔の厚さ中央部を迅速に冷却することが困難であるため、金属はアモルファス化されることなく結晶化されてしまう。すなわち、アモルファス材を製造するには、金属が結晶化される以前に、迅速に冷却する必要があり、そのためには金属の厚さを小さくする必要がある。また、アモルファス箔の厚さが0.01mmより小さくなると、組立作業時など、アモルファス箔の強度が低下して変形しやすい。
コイル212は、長波標準電波(40〜77.5kHz)を受信する場合は、10mHz程度のインダクタンス値が必要となる。このため、本実施形態では、コイル212として直径0.1μm程度のウレメット線を数百ターンほど巻いている。なお、本実施形態では、コイル212の巻線作業を容易にし、巻きくずれを防止するため、コイル212をコア211の直線部211Cに巻きつけ、両端部211Aには巻いていない。
また、コイル212の巻き方としては、特に限定されず、乱巻きなどでもよいが、特に整列巻きが好ましい。整列巻きを採用すれば、コイル線材間の無駄な空間が無くなり、同じインダクタンス値を得るためのコイル体積を小さくできる。
このようなアンテナ21には、積層されたアモルファス箔2110を補強するコア保持部材としてのベース板213が設けられている。ベース板213は、図2に示すように、アモルファス箔2110の裏蓋33側の面と、アモルファス箔2110の積層端面とを覆っている。積層されたアモルファス箔2110は、ベース板213ごとコイル212が巻かれている。このベース板213は、合成樹脂の射出成形品などの非導電性部材で構成されている。
なお、コア211の強度によっては、ベース板213を不要にできる場合もある。
〔3.回路基板の構成〕
上述したコンデンサ22A・22B、受信回路23、および記憶回路24(図2)は、図1に示すように、それぞれ同調用素子481、受信IC482、およびRAMとして裏蓋33側の回路基板40に実装されている。なお、受信IC482、CPU491、基準振動子492は、回路基板40の裏蓋33側の面に実装され、同調用素子481が裏蓋33とは反対側の面に実装されている。
このほか、回路基板40には、CPU491や基準振動子492等が実装されている。
ここで、アンテナ21と受信IC482とは、同調用素子481を介して2本の配線で接続されている。すなわち、コイル212の一方の端部から導線を引き出して回路基板40にはんだ付けすることにより、アンテナ21と受信IC482とが導通されている。なお、ポリイミドからなるフレキシブル基板などがベース板213に設けられている場合には、コイルをフレキシブル基板に接続するとともに、このフレキシブル基板を回路基板40にねじ止めし、フレキシブル基板およびねじを介してアンテナ21と回路基板40とを導通してもよい。
〔4.外装ケース内の部品配置〕
図1、図2において、外装ケース3内に収容されたムーブメント4には、図示しない地板や輪列、文字板35、回路基板40、電池452、指針351〜353および日車を駆動するモータ411,421,431などが組み込まれている。
ところで、上述のように、本実施形態のアンテナ21は、コア211の端部211Aが折り曲げられた特徴的な形状である。以下、このアンテナ21の外装ケース3内の配置に関して説明する。
アンテナ21は、図1に示すように、ケーシング31の内周面31Aの9時方向に寄せて配置されており、直線部211Cの両側で端部211Aが内周面31Aに近接している。
ここで、アンテナ21がケーシング31内の9時方向に配置されているのに対して、電池452は、略1時方向に配置されており、アンテナ21および電池452は、ケーシング31内で比較的離れて配置されている。なお、電池452には、高容量二次電池であるリチウムイオン電池が採用されており、ソーラーパネル36によって発電された電力は、この電池452に蓄積されている。
また、基準振動子492は6時方向に配置され、CPU491等と比べてアンテナ21から離して配置されている。そして、モータ421,431の駆動コイル422,432はそれぞれ3時方向、4時方向と、やはりアンテナ21から離して配置されている。
なお、アンテナ21とムーブメント4との間には、緩衝材として、プラスチック製円板からなる図示しないスペーサが設けられている。
さらに、外装ケース3の内周面31Aとアンテナ21との間には、プラスチック製のリング状の中枠39が設けられている。
一方、時計1の厚さ方向において、図2に示すように、コア211の各端部211Aは文字板35に向かって折れ曲がり、文字板35の周縁近傍までそれぞれ延びている。そして、各端部211Aの先端部が熱可塑性樹脂(ホットメルト)、紫外線硬化型エポキシ等を用いて地板(図示せず)の周縁にそれぞれ接着される。これによって、アンテナ21はケーシング31内に固定されている。なお、アンテナ21の固定には、緩衝材として弾性のあるシーリング材を使用してもよい。
このようにコア211の端部211Aが文字板35側に折れ曲がり、端部211Aにおける軸方向、つまり鎖交磁界(磁束)が入る方向および出る方向がケーシング31の内周面31Aに対向する方向から外れているため、端部211Aとケーシング31の内周面31Aとをぎりぎりまで近付けることができる。
また、コア211のアモルファス材料は、保磁力が0.32A/m程度とフェライトに比べて小さいので、コア211の端部211Aを内周面31Aに近接配置しても、ケーシング31からの磁気的な影響を受けにくい。よって、本実施形態では、中枠39のリング線幅を数mm程度に設定し、端部211Aと内周面31Aとの間の距離を非常に小さくしている。
裏蓋33側に組み込まれた回路基板40には、図1に示すように、アンテナの一方の端部211Aおよび直線部211Cが配置される位置に切欠401が形成されていて、この切欠401から、コイル212が巻かれたコア211の直線部211Cが裏蓋33側に露出している。
また、回路基板40には、図示しない地板に設けられた駆動コイル421,422,432に対応するそれぞれの位置に矩形状の切欠402が形成されていて、これらの切欠402からは、各駆動コイル421,422,432がそれぞれ露出している。
また、コア211の端部211Aが文字板35側に折り曲げられて直線部211Cの延出方向から外れたことにより、コア211の端部211Aと回路基板40との間には空間SPが形成されている。この空間SPには、同調用素子481が端部211Aと平面的に重なるように配置されており、同調用素子481とアンテナ21との距離はごく短くなっている。
なお、同調用素子481の代わりに受信IC482等をアンテナ21と重なる空間SPに配置してもよい。また、本実施形態では、空間SPに同調用素子481のほぼ全体が納まっているが、このように全体でなくても、少なくとも一部が納まるように配置されていればよい。
アンテナ21で長波標準電波等の電波を受信するときは、図5の模式図に示すように、電波の磁界成分は、アンテナ21のコア211において、一方の端部211Aから他方の端部211Aへと通過する。すると、コア211に巻回されたコイル212に交流電流が誘導され、これに伴ってコイル212の両端に交流電圧が発生する。そして、この交流電圧がアナログ受信信号として受信回路23に送られる。
そして、このアナログ受信信号を受信回路23で増幅、復調、デコード等の処理をしてデジタルの時刻データとし、この時刻データは、記憶回路24に記憶される。
アンテナ21は、コア211の各端部211Aを結ぶ延長線方向(コア211やコイル212の軸方向)の磁界に反応する指向性を有している。すなわち、コイル212と磁界とが鎖交する方向が最大感度方向となるため、コア211やコイル212の軸方向ないしその近傍に金属製のケーシング31が近接して配置されていると、コイル212を鎖交する磁界が妨げられてアンテナ21の受信感度が低下する。これに対し、本実施形態では、前述のように、コア211の端部211Aを文字板35に向かって曲げているので、端部211Aにおける軸方向ないしその近傍に生じる磁界がケーシング31の内周面31Aと干渉せず、文字板35を介して時刻情報を受信可能となる。これにより、アンテナ21における電波の受信感度を向上させることができる。
一方、アンテナ21の平面配置に関しては、前述のように円弧状に形成した端部211Aを内周面31Aに沿って配置している。このため、図1に示すとおり、コア211の端面211Bから、端部211Aの軸方向に配置される金属製のケーシング31の内周面31Aまでの距離D1を比較的大きくでき、アンテナ21における電波の受信感度を向上することができる。なお、この距離D1は、ケーシング31の直径等によって決められるが、例えばケーシング31の直径が30mm程度、アンテナコアの幅寸法が約3mm程度であったとすると、距離D1は約6.5mm程度である。
そして、電池452がアンテナ21と離して配置されていることから、ステンレス等の金属製ケースを備えている電池452によるアンテナ21の鎖交磁界への影響を回避できる。また、基準振動子492もアンテナ21と離して配置されているので、長波受信周波数(40kHz)に近い32.768kHzの水晶振動子が利用されている基準振動子492によってアンテナ21にノイズ信号が混入するおそれが小さく、時刻情報を良好に受信できる。さらに、駆動コイル422,432もアンテナ21とは離して配置され、駆動コイル422,432によるアンテナ21への磁気影響が低減されている。
このような第1実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1)アンテナ21のコア211の端部211Aが積極的に曲げられて非導電性部材である文字板35に向いているので、文字板35を介して外部無線情報を受信できる。すなわち、曲げられたコア211の端部211Aにおける軸方向はケーシング31の内周面31Aから外れた方向であるため、コア211が金属製のケーシング31の内周面31Aに近接配置されていても、受信電波がケーシング31によって減衰するのを回避できる。従って、ケーシング31に金属材料を使用する構成において、アンテナ21の受信感度を大幅に向上させることができる。
また、金属製のケーシング31により、外装ケースをプラスチック等で構成した場合に比べて高級感のある外観意匠を得ることができ、これによりデザイン上の制約も少ない時計1を提供することができる。
加えて、このように金属性のケーシング31が使用されていてもアンテナ21の受信感度が高いことから、ケーシング31の内周面31Aにコア211を出来る限り近付けて、ケーシング31内の平面的なスペース効率を大きく向上させることができる。これにより、外装ケース3の小型化が可能となって、例えば、男性用の腕時計に比べて小さい女性用の腕時計においてもアンテナ21を内蔵させることができる。
また、ケーシング31内の平面的なスペース効率が向上された結果、外装ケース3の内部に配置される電池等452、受信IC482、基準振動子492、モータ411,421,431等のレイアウトの制限が少なくなり、比較的大きなあるいは巻数の多いアンテナ21を用いることができる。これにより、アンテナ21の感度をケーシング31内のスペース効率と相乗的に向上させることができる。
(2)コア211にアモルファス箔2110を用いているので、磁束が流れる方向の断面積を小さくでき、磁束変化により生じる渦電流が抑制され、鉄損を小さくできる。すると、渦電流により生じる磁界を抑制することができ、結果としてアンテナ21の受信感度を向上させることができる。
また、アモルファス箔2110の屈曲性を活用し、コア211を折り曲げる方向をコア211の積層方向としているため、端部211Aが曲げられたアンテナ21を容易に製造することができる。
(3)アモルファスの磁気特性が良好であって、また、非常に薄いアモルファス箔2110を時計1の厚さ方向に積層した構造としているので、フェライトコア等を用いた場合に比べてアンテナ21の厚さ寸法を非常に小さくすることができる。このため、受信感度が良好な、より薄型、小型のアンテナ21を実現できる。また、時計1自体も薄型にでき、高級感を演出できる。
(4)コア211の端部211Aが時計1の厚さ方向に折り曲げられて形成された空間SPには、同調用素子481が配置されていることにより、デッドスペースとなりがちな空間SPを有効利用できる。そのうえ、同調用素子481とアンテナ21とを電気接続するための導線を短くできるので、導線を通じてアンテナ21に電磁的なノイズが混入するのを防止できる。
(5)ソーラーパネル36による電力が電池452に蓄電され、この電力で時計1が駆動されるので、電池交換時に必要な基準位置合わせの必要がほとんどなく、メンテナンスフリーを実現できる。
(6)また、コア211の端部211Aを平面円弧状に形成し、ケーシング31の内周面31Aに沿って配置したので、コア211の端面211Bと、この端面211Bに対向する位置にある内周面31Aとの距離D1を比較的大きくすることができる。このため、コア211を通ってコイル212を鎖交する標準電波の磁界がケーシング31によって妨げられるのを防止できる。すなわち、アンテナ21の受信感度に優れ、コア211の端部211Aが時計1の厚さ方向に加えて平面方向にも曲げられていることから、コア211の端部211Aをケーシング31の内周面31Aに一層近接させて配置可能となるので、時計1を更に小型化できる。
(7)コア211の端部211Aが平面方向にも厚さ方向にも曲げられているぶんコア211を伸長でき、標準電波を受信可能な15mm程度のアンテナ長を確保できるとともに、受信感度も向上させることができる。
(8)コア211に直線部211Cを形成したことにより、コア211をアモルファス箔2110から切り出して形成する作業が容易となる。そして、この直線部211Cにコイル212を巻いているので、コアの曲線部分に巻くよりもコイル212の巻線作業を容易に行うことができる。
(9)アモルファス箔2110の積層されたコア211がベース板213により保持されているので、アンテナ21を地板40に安定して確実に固定でき、アンテナ21の時計1への組み込みも容易となる。
また、コア211がベース板213により保持された状態でコイル212が巻回されているため、コイル212を構成する導線がコア211のエッジで傷ついて切れるのを防止できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
第1実施形態では、文字板が非導電性部材で構成されていたが、本実施形態では、文字板ではなく裏蓋が非導電性部材で構成されている。これに伴って、アンテナコアの厚さ方向における折り曲げ方向が第1実施形態とは反対方向となっている。
図6は、本実施形態の時計1Aの側断面図である。
裏蓋63の一部は、非導電性部材である円形状のガラス板63Aが使用されている。ガラス板63Aは、裏蓋63の本体である金属製の外周リング内に嵌め込まれている。
一方、文字板65はステンレス鋼、真鍮、チタンなどの金属材料により形成されている。なお、文字板65が透光性を有しないことから、ソーラーパネルは設けられていない。これに伴って本実施形態の電池(図示省略)には銀電池などの一次電池が採用されている。
アンテナ71は、第1実施形態のアンテナ21を図4(A)および(B)において上下逆の状態としたものであり、アモルファス箔2110が積層されたコア211にコイル212を巻いて構成されている。
すなわち、アンテナ71は、ケーシング31内に組み込まれた状態では、直線部211Cが文字板65近傍に配置され、コア211の直線部211Cの両側で端部211Aが裏蓋63に向かって折れ曲がって裏蓋63の周縁近傍までそれぞれ延びている。この端部211Aの先端部は、裏蓋63のガラス板63Aと対向している。
そして、積層されたアモルファス箔2110の裏蓋63側の面には、ベース板713が設けられている。このベース板713の先端部が図示しないピン等を介して地板に固定されている。
ここで、モータ411,421,431の各駆動コイル412,422,432(図1)は、文字板65側に設けられた図示しない地板に実装されており、図6に示すように、例えば駆動コイル412は、アンテナ71の時計1Aの厚さ方向において、コア211の端部211Aに対して当該端部211Aが曲げられた側とは反対側に設けられている。具体的に、駆動コイル412は、端部211Aが曲げられた裏蓋63側と反対側にある文字板65側に設けられている。
この駆動コイル412と同様に、駆動コイル422,432も、コア211の端部211Aが曲げられた側とは反対側に設けられている。
なお、平面的な配置に関しては、第1実施形態と同様であり、図1に示すように、9時方向に配置されたコア211の端部211Aと離間配置するように、略1時方向に電池452、6時方向に基準振動子492、3時または4時方向に駆動コイル422,432とがそれぞれ配置されている。これにより、電池452や基準振動子492、駆動コイル422,433などによるアンテナ71の鎖交磁界への干渉が防止されている。
このような第2実施形態において、アンテナ71により長波標準電波等の電波を受信するときは、裏蓋63を介して時刻情報が受信される。
すなわち、コア211の端部211Aの軸方向ないしその近傍が裏蓋63のガラス板63Aに向いており、このガラス板63Aを介して時刻情報が受信される。この際、端部211Aにおける軸方向ないしその近傍に生じる磁界がケーシング31の内周面31Aと干渉しないため、アンテナ71の電波の受信感度が良好となる。
本実施形態では、第1実施形態による効果に加えて、次のような効果を奏する。
(10)裏蓋63に非導電性部材であるガラス板63Aを使用して、ガラス板63Aに向けてコア211の端部211Aを折り曲げたので、端部211Aの軸線がケーシング31の内周面31Aから外れ、ガラス板63Aを介して時刻情報を受信可能となる。従って、ケーシング31に金属材料を使用する構成において、アンテナ21の受信感度を大幅に向上させることができる。
加えて、このように金属性のケーシング31が使用されていてもアンテナ21の受信感度が高いことから、ケーシング31の内周面31Aにコア211をごく近付けてケーシング31内の平面的なスペース効率を大きく向上させ、時計1の小型化を促進できる。
(11)裏蓋63のガラス板63Aを介して時刻情報が受信されるので、文字板65には特に材料の制約がなく、金属材などの導電性部材を採用することにより、文字板65の仕上げの質感を向上させることができる。
(12)アンテナ71とモータ411,421,431との互いの位置を平面的に離すとともに(図1参照)、厚さ方向においても、コア211の端部211Aとモータ411,421,431とを離して配置している。これにより、アンテナ71とモータ411,421,431との互いの距離がより良く確保されて、モータ411,421,431によるアンテナ71の鎖交磁界への干渉を防止できる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について図7〜図13を参照して説明する。
本実施形態の時計は、第2実施形態の時計1Aとほぼ同様の構成であるが、本実施形態では、より具体的な構造が示された詳細な図面を参照して説明する。
図7には、本実施形態にかかる時計1Bの平面図が示されている。
この時計1Bも、時刻情報が重畳された外部信号としての標準電波を受信して表示時刻を修正する電波修正時計である。時計1Bはアンテナ51を備え、アンテナ51は地板50に支持固定されている。ここで、地板50は、平面形状略円形に形成されており、この地板50上に時計1Bの各構成部品が配置されている。
時計1Bは、アンテナ51以外の主な構成部品として、秒針(図示せず)を駆動する秒モータ411、および時針および分針(図示せず)を駆動する時分モータ421と、日車(図示せず)を駆動する暦モータ431と、電源としての電池452を収納する電池収納部541と、リュウズなど外部から使用者が操作可能な外部入力装置3Aとを備える。
なお、図7は、時計1Bの時刻表示側とは反対側(裏蓋側)から見た図であり、この図において、上方向が時計1Bの3時方向、下方向が9時方向、右方向が12時方向、左方向が6時方向となっている。
秒針と秒モータ411との間には、秒モータ411からの駆動力を秒針に伝達する秒針用輪列522が設けられ、時針および分針と時分モータ421との間には、時分モータ421からの駆動力を時針および分針に伝達する時分針用輪列527が設けられている。
秒モータ411は、ステッピングモータで構成され、時計1Bの略9時方向でアンテナ51よりも地板50の中央側に配置される。
秒針用輪列522は、秒モータ411のロータに噛合する秒中間車5221と、秒中間車5221に噛合する四番車5222とを備えている。四番車5222には、秒針が固定されている。秒モータ411のステッピングモータにモータパルスを流すと、電磁誘導によりロータが回転する。この回転運動は、秒中間車5221、および四番車5222の順に適切な減速比(増速比)で減速されながら伝達され、秒針が1パルス1秒の所定速度で回動する。
秒中間車5221には、秒針の正時位置を検出するための秒検出車5223が噛合されている。秒中間車5221および秒検出車5223には、互いに重なりあう領域に、それぞれ検出孔5221A,5223Aが形成されており、秒中間車5221および秒検出車5223の位相は、秒針が12時の位置に配置されたときにこれらの検出孔5221A,5223Aの位置が一致するように設定されている。ここで、秒検出車5223は、四番車5222と同じ径寸法に形成されているため、検出孔5221A,5223Aは1分間に一度、位置が一致するようになっている。
検出孔5221A,5223Aが一致する位置には、図示しないフォトセンサが設けられている。フォトセンサは、発光素子と受光素子とを備え、これらの発光素子および受光素子は、秒中間車5221および秒検出車5223の厚み方向両側に設けられ、これらを挟んで互いに対向して配置されている。秒中間車5221と秒検出車5223が回動して検出孔5221A,5223Aが一致すると、フォトセンサの発光素子からの光が検出孔5221A,5223Aを貫通して受光素子で受光されるため、秒針が12時の位置であることが検出される。
なお、このような秒針の位置を検出する秒針位置検出手段は、透過型フォトセンサを用いるものに限らず、例えば反射型フォトセンサを用いたものであってもよく、また、検出孔5221A,5223Aが一致することを検出するものに限らず、例えば秒検出車5223や秒中間車5221の周上に磁気パターンを形成し、この磁気パターンを読み取ることによって秒針の位置を検出してもよい。
時分モータ421は、秒モータ411と同様にステッピングモータで構成され、時計1Bの略3時方向に配置されている。
時分針用輪列527は、時分モータ421のロータに噛合する五番車5271と、五番車5271に噛合する三番車5272と、三番車に噛合する二番車5273と、二番車5273に噛合する日の裏車5274と、日の裏車5274に噛合する筒車5275とを備える。二番車5273および筒車5275は、四番車5222と同軸上に配置され、二番車5273には分針が、筒車5275には時針が固定されている。時分モータ421にモータパルスを流すと、電磁誘導によりロータが回転する。この回転運動は、五番車5271、三番車5272、二番車5273の順に適切な減速比(増速比)で減速されながら伝達され、分針が1時間で一周する速度で回動する。また、二番車5273の回転運動は、日の裏車5274、筒車5275の順に適切な減速比(増速比)で減速されながら伝達されて、時針が12時間で1周する速度で回動する。
五番車5271、三番車5272、二番車5273、四番車5222、および筒車5275には、互いに重なり合う領域にそれぞれ検出孔5271A,5272A,5273A,5222A,5275Aが形成されている。時針、分針、および秒針が12時の位置に配置された時に、これらの検出孔5271A,5272A,5273A,5222A,5275Aの位置が一致するように設定されている。
検出孔5271A,5272A,5273A,5222A,5275Aが一致する位置には、秒モータ411に設けられたのと同様の透過型のフォトセンサが設けられており、検出孔5271A,5272A,5273A,5222A,5275Aの位置が一致するとフォトセンサが受光を検知し、これにより時針、分針、および秒針が全て12時位置にある、正時の状態であることが検出される。なお、このような指針が正時にあることを検出するための指針位置検出手段は、秒針位置検出手段と同様に、任意の検出方式を採用できる。
ここで、秒モータ411と時分モータ421とは、互いに略対向する位置に配置されている。つまり、秒モータ411と時分モータ421とは、地板50の略中心(つまり二番車5273、四番車5222、および筒車5275の回転中心であり、指針の回動中心)を挟んで互いにほぼ反対側に配置されている。
暦モータ431は、秒モータ411および時分モータ421と同様に、ステッピングモータで構成され、時計1Bの略5時方向に配設されている。
日車と暦モータ431との間には、暦モータ431からの駆動力を日車に伝達する暦用輪列533が設けられている。暦用輪列533は、ロータに噛合する日回し第一中間車5331と、日回し第一中間車5331に噛合する日回し第二中間車5332と、日回し第二中間車5332に噛合する日回し車5333とを備える。日回し車5333は、地板50を貫通して文字板側に歯車を有し、この歯車が日車の内歯車に噛合される。なお、日車の平面方向の位置は、歯車と内歯車との噛合によって行われ、従来日車の位置決めに用いられるようなジャンパは設けられていない。
暦モータ431にモータパルスを流すと、電磁誘導によりロータが回転する。この回転は、日回し第一中間車5331、日回し第二中間車5332、日回し車5333の順に伝達され、日回し車5333の回転によって日車が回転し、表示される日付が変更される。
電池収納部541には、電池452が収納されている。電池452は、二次電池である。時計1Bは、時刻表示側に配置されたソーラパネル(図示せず)の発電によって駆動用エネルギーを得ている。すなわち、本実施形態では、前記各実施形態とは異なり、文字板および裏蓋の両方が非導電性部材で構成されている。ソーラーパネルによって発電された電力は、この電池452に蓄積されている。電池収納部541は、時計1Bの略1時方向に配設され、地板50の外周側に配置されている。
ここで、電池収納部541は、指針用モータ520よりも地板50の外周側(外側)に配置されている。
図8には、アンテナ51を時刻表示側(地板50側)から見た斜視図が示されている。図9は、アンテナ51を示す縦断面図である。
アンテナ51は、地板50の外縁に略沿ったコア保持部材としてのコイル枠513と、コイル枠513に収められたコア521と、コイル枠513に巻かれたコイル512と、コイル枠513上に配置されている回路基板40Cとを備えている。図8では、コイル512を省略している。
このようなアンテナ51は、図7に示すように、時計1Bの略9時方向に地板50の外縁に沿って配置され、全体として時計1Bの略6時から12時の領域にわたって配置される。
一方、アンテナ51の時計1Bの厚さ方向における形状は、第2実施形態のアンテナ71と同様であり、両端部が裏蓋側に折り曲げられている。
コイル枠513は、コイル512の巻かれた直線状のコイル部555と、コイル部555の両端に形成されたフランジ部558と、それぞれのフランジ部558から連続して形成され、かつ図示しない地板の外周に沿って湾曲した湾曲部556とを備えている。この湾曲部556は、アンテナ51の両端部の形状に従って、時計1Bの厚さ方向に曲げられた形状となっている。
コイル枠513の両端部(それぞれの湾曲部556の端)には、ねじでコイル枠513を地板50に固定するための固定孔557が設けられている。
なお、コイル枠513は、液晶ポリマなどの合成樹脂等の非導電性材料で構成されている。
ここで、フランジ部558によって、コイル512は湾曲部556に向かって巻き解けないようになっている。また、フランジ部558には、アンテナ51を地板50と係合させるための係止爪559が設けられている。
コイル部555に巻かれているコイル512の線径、巻き数などは、コイル512の材質やアンテナ51の受信感度などを勘案して設定されている。なお、コイル512の表面には予め接着剤が被覆されており、ヒータにより熱風をあてながらコイル512を巻くことにより、コイル512は互いに接着されている。
コイル枠513には、地板50と対向する面に開口し、かつコイル部555と両側の湾曲部556にまたがるように連続した凹部560が形成されている。
凹部560には、凹部560と略同形状のコア521が収められている。すなわち、コア521も、湾曲部556に応じて平面的に曲げられているとともに、裏蓋側に立体的に曲げられている。
コア521は、Co系を主成分とするアモルファス金属の薄板を複数枚積層して構成されている。例えば、約0.01mmのアモルファス金属薄板が30〜40枚程度積層される。アモルファス金属薄板は接着剤により互いに接着され、凹部560との隙間に充填された接着剤562により凹部560に固定されている。この際、コア521の一端側(回路基板40Cの配置された湾曲部556側)は、凹部560の前述した段差に対応するように段差部552Aで折曲している。
回路基板40Cは、絶縁材料で構成されるフレキシブル基板で構成され、この回路基板40C上には、はんだ563によりコイルのコイル512が接続され、アンテナ51の同調用素子481が複数個実装されている。ここで、前述したコア521の段差部552Aは、湾曲部556と裏蓋との間にスペースを空けるために設けられており、このことによって、電気素子の実装された回路基板40Cが効率よく収められ、ムーブメントの薄型化が図られている。
回路基板40Cの一端は、湾曲部556に設けられた固定孔557まで延びており、回路基板40Cには、固定孔557に対応した位置に孔564が設けられている。ここで、地板50に配置される図示しない回路ブロックの一部にも孔と導通部とが設けられており、この孔と孔564とが重ね合わされてねじ止めされることにより、フレキシブルな回路基板40Cは図9の二点鎖線で示されたように曲がり、それぞれの導通部が接触して、回路基板40Cと回路ブロックとの導通がとられている。
図10には、アンテナ51を地板50に支持固定する前の状態の斜視図が示されている。図10では、回路基板40Cは省略されている。
アンテナ51は、地板50の外縁に沿って配置される。以下に、アンテナ51を地板50へ固定するための構造を説明する。
地板50のアンテナ51のコイル部555とフランジ部558とが収められる部分には、コイル部555とフランジ部558との形状に合わせた略長方形の開口部566が形成されている。この開口部566は、三角板状の底部567を二隅に残して大部分が貫通している。そして、地板50は、開口部566の外側にブロック569を備えている。このブロック569には、図7にも示すように、壁568下部両端に直方体状の孔からなる係止部570が形成されている。
アンテナ51の支持固定は、以下のように行われている。
アンテナ51のフランジ部558に設けられた係止爪559を、地板50に設けられた係止部570に差込み、これと同時に、コイル枠513の両端部の固定孔557を地板50に設けられた円筒状のピン571に嵌めこむ。その後、ピン571の内部にねじをしめ込んでアンテナ51全体を地板50に固定する。
上述の主な構成部品および必要な部品が取り付けられ、アンテナ51の固定された地板50は、ムーブメントとして図示しない外装ケースに組み込まれ、時計1Bが得られる。
図11には、時計1Bの内部構成である回路ブロックについて示した。
時計1Bは、第1実施形態の時計1と略同様、時刻情報を含む電波を受信する通信手段としての受信手段2と、駆動制御回路4Aと、指針を駆動する駆動手段4Bと、時刻をカウントするカウンタ部4Cと、電力を供給する電力供給手段4Dと、リュウズなどの外部入力装置3Aとを備えて構成されている。
アンテナ81は、詳しい図示を省略するが、コアと、このコアに巻かれるコイルとを備えている。
ここで、第1実施形態では、アモルファス箔で形成されたコアが使用されていたのに対して、本実施形態のコアは、フェライトにより形成されている。
コアは、フェライトを型成形し、熱処理することにより製造されている。このコアの外観は、第1実施形態におけるアモルファス箔2110が積層されたコア211(図4)と同様に形成されている。すなわち、中央部の直線部の両側に湾曲して形成された端部をそれぞれ有している。コアの端部は、第2実施形態のように、裏蓋63(図6)に向かって折れ曲げられている。
そして、駆動制御回路4Aから出力される周波数切替え制御信号により、前記スイッチ22Cをオンまたはオフすることで、アンテナ81で受信する電波の周波数を切り替えるように構成されている。これにより、例えば、日本国内において、送信周波数40kHzのおおたかどや山(東日本)の標準電波出力局と、送信周波数60kHzのはがね山(西日本)の標準電波出力局とから出力されている2種類の周波数の長波標準電波を切り替えて受信することができるように構成されている。
またさらに、40kHzおよび60kHzに加えて、ドイツ等における77.5kHzを受信する3周波数構成とする場合は、スイッチ22Cの切替えによるアンテナ回路の静電容量およびインダクタンス(アンテナインダクタンス)の双方のスイッチ切替えによってインピーダンスを変化させ、受信電波周波数の切替えが行われる構成とすればよい。
受信手段2は、図11および図12に示すように、アンテナ81と、同調回路22と、受信回路23と、時刻情報を記憶する時刻データ記憶回路24とを備えている。ここでは、受信回路23についての説明を追加する。
受信回路23は、図12に示されるように、アンテナ81によって受信された長波標準電波信号を増幅する増幅回路231と、増幅された長波標準電波信号から所望の周波数成分のみを抜き出すバンドパスフィルタ232と、長波標準電波信号を平滑化し復調する復調回路233と、増幅回路231のゲインコントロールを行ない長波標準電波信号の受信レベルが一定になるように制御するAGC(Automatic Gain Control)回路234と、復調された長波標準電波信号をデコードして出力するデコード回路235とを備えて構成されている。
受信回路23で受信され信号処理された時刻情報は、図11に示すように、時刻データ記憶回路24に出力されて記憶される。
受信回路23は、予め設定されたスケジュールや外部入力装置3Aによる強制受信操作等によって、駆動制御回路4Aから出力される受信制御信号に基づいて時刻情報の受信を開始する。
駆動制御回路4Aには、図11に示されるように、パルス合成回路4A1からのパルス信号が入力される。パルス合成回路4A1は、水晶振動子などの基準振動子492からの基準パルスを分周してクロックパルスを生成し、また、基準パルスからパルス幅やタイミングの異なるパルス信号を発生させる。
駆動制御回路4Aは、一秒に一回出力され秒針を駆動させる秒駆動パルス信号PS1と、一分間に一回出力され時分針を駆動させる時分駆動パルス信号PS2とを、秒駆動回路41、時分駆動回路42に出力して、指針の駆動を制御する。すなわち、各駆動回路41,42は、各回路41、42からのパルス信号によって駆動されるステッピングモータからなる秒モータ411,時分モータ421を駆動し、これにより各モータ411,421に接続された秒針と、分針および時針とを駆動する。そして、各指針、モータ411,421、駆動回路41,42によって時刻を表示する時刻表示手段が構成されている。なお、時刻表示手段としては、1つのモータで、時針、分針、秒針を駆動するものでもよい。
また、駆動制御回路4Aは、暦駆動回路43にも信号を出力して、ステッピングモータからなる暦モータ431により日車の駆動を制御する。
カウンタ部4Cは、秒をカウントする秒カウンタ回路4C1と、時分をカウントする時分カウンタ回路4C2とを備えて構成されている。
秒カウンタ回路4C1は、秒位置カウンタ4C11と、秒時刻カウンタ4C12と、一致検出回路4C13とを備えて構成されている。秒位置カウンタ4C11および秒時刻カウンタ4C12はともに60カウント、つまり1Hzの信号が入力された場合には60秒でループするカウンタである。秒位置カウンタ4C11は、駆動制御回路4Aから秒駆動回路41に供給される駆動パルス信号(秒駆動パルス信号PS1)をカウントしている。つまり、秒針を駆動させる駆動パルス信号をカウントすることによって、秒針が示している秒針の位置をカウントしている。
秒時刻カウンタ4C12は、通常は、駆動制御回路4Aから出力される1Hzの基準パルス信号(クロックパルス)をカウントする。また、受信手段2で時刻情報を受信した場合には、この時刻情報のうちの秒データに合わせてカウンタ値が修正される。
同様に、時分カウンタ回路4C2は、時分位置カウンタ4C21と、時分時刻カウンタ4C22と、一致検出回路4C23とを備えて構成されている。時分位置カウンタ4C21および時分時刻カウンタ4C22はともに24時間分の信号が入力されるとループするカウンタである。時分位置カウンタ4C21は、駆動制御回路4Aから時分駆動回路42に供給される駆動パルス信号(時分駆動パルス信号PS2)をカウントし、時針、分針が示している時分針の位置をカウントしている。
時分時刻カウンタ4C22は、通常は、駆動制御回路4Aから出力される1Hzのパルス(クロックパルス)をカウントする(正確には1Hzを60回計数したところで1カウントとする)。また、受信手段2で時刻情報を受信した場合には、この時刻情報のうちの時分データに合わせてカウンタ値が修正される。
各一致検出回路4C13,4C23は、各位置カウンタ4C11,4C21と各時刻カウンタ4C12,4C22とのカウント値の一致を検出し、一致しているか否かを示す検出信号を駆動制御回路4Aに出力する。
駆動制御回路4Aは、各一致検出回路4C13,4C23から不一致信号が入力されると、一致信号が入力されるまで各駆動パルス信号PS1,PS2を出力し続ける。このため、通常運針時は、駆動制御回路4Aから1Hzの基準信号によって各時刻カウンタ4C12,4C22のカウンタ値が変化して位置カウンタ4C11,4C21と不一致となると、各駆動パルス信号PS1,PS2が出力されて各指針が動くとともに、各位置カウンタ4C11,4C21が各時刻カウンタ4C12,4C22と一致することになり、この動作を繰り返すことで、通常の運針制御が行われる。
また、受信した時刻情報で各時刻カウンタ4C12,4C22が修正されると、そのカウンタ値に各位置カウンタ4C11,4C21のカウンタ値が一致するまで、各駆動パルス信号PS1,PS2が出力され続け、指針が早送りされて正しい時刻に修正される。
一方、暦に関しては、検出孔5271A,5272A,5273A,5222A,5275A(図7)の位置が一致してフォトセンサが受光を検知し、正時の状態であることが検出されるたびに、暦駆動回路43に信号が出力され、また、受信手段2で暦情報を受信した場合には、この暦情報が暦駆動回路43に出力される。
電力供給手段4Dは、自動巻発電機等によって構成された発電手段としての発電装置4D1と、発電装置4D1で発電された電力を蓄電する電池452とを備えて構成されている。
次に、各モータ411,421の駆動回路41,42の具体的構成に関して説明する。なお、各駆動回路41,42の構成は、基本的には同じであるため、秒モータ411の駆動回路41を例示して説明する。
モータ411は、パルス信号によって駆動されるステッピングモータで構成されている。具体的には、図13に示すように、秒駆動回路41から供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コイル412と、この駆動コイル412によって励磁されるステータ413と、ステータ413の内部において励磁される磁界により回転するロータ414とを備えている。
モータ411のロータ414の回転は、かなを介して秒針用輪列522によって秒針に伝達される。
秒駆動回路41は、直列に接続されたpチャンネルMOS43AおよびnチャンネルMOS44Aと、直列に接続されたpチャンネルMOS43BおよびnチャンネルMOS44Bとによって構成されたブリッジ回路を備えている。
また、秒駆動回路41は、pチャンネルMOS43A,43Bとそれぞれ並列に接続された回転検出用抵抗45A,45Bと、これらの抵抗45A,45Bにチョッパパルスを供給するためのサンプリング用のpチャンネルMOS46A,46Bとを備えている。従って、これらのMOS43A,43B,44A,44B,46A,46Bの各ゲート電極に駆動制御回路4Aからそれぞれのタイミングで所定の極性およびパルス幅の制御パルスを印加することにより、駆動コイル412に極性の異なる駆動パルスを供給したり、あるいは、ロータ414の回転検出用や磁界検出用の誘起電圧を励起する検出用のパルスを供給することができるようになっている。
このような構成による時計1の動作を説明する。
まず、通常時の時刻表示について説明する。通常は、駆動制御回路4Aは、パルス合成回路4A1から入力されるパルス信号(基準信号)を利用し、1Hzのパルス信号を送って秒時刻カウンタ4C12のカウンタ値をカウントアップする。秒時刻カウンタ4C12がカウントアップして秒位置カウンタ4C11のカウンタ値と異なると、一致検出回路4C13はその不一致を検出して駆動制御回路4Aに不一致信号を出力する。駆動制御回路4Aは、その不一致信号に基づいて、秒駆動パルス信号PS1を出力する。この秒駆動パルス信号PS1の出力により、秒位置カウンタ4C11がカウントアップされるとともに、秒駆動回路41の各MOS43A,43B,44A,44Bが適宜オン、オフされることで秒モータ411が駆動され、秒針が駆動される。以上の処理は一致検出回路4C13で各カウンタ4C11,4C12の値が一致するまで行われる。従って、通常運針時は、秒時刻カウンタ4C12に1Hzが入力されてカウンタ値が「1」カウントアップされる毎に、秒駆動パルス信号PS1が1つ出力され、秒針が1秒分毎ステップ運針される。
時分についても同様に、時分時刻カウンタ4C22でカウントされるカウント値に時分位置カウンタ4C21のカウント値を一致させるように駆動制御回路4Aから時分駆動パルス信号PS2が出力され、時分駆動パルス信号PS2に応じて時分駆動回路42から時分モータ421にパルス信号が出力され時針、分針が駆動される。
暦については、上述のように正時の状態であることが検出されると、駆動制御回路4Aは、暦モータ431を駆動して、日車を1日分駆動される。
次に、秒モータ411および時分モータ421に関して、時刻情報を受信する場合の動作について説明する。
駆動制御回路4Aは、設定された受信開始時間になると、所定のパルス信号を秒駆動回路41および時分駆動回路42に出力し、各MOS43A,43Bをオンして駆動コイル412の両端を電位VDDに接続してショート状態としている。なお、本実施形態では、電位VDD(高電圧側)を基準電位(GND)に取り、VSS(低電圧側)を電源電圧として生成している。
駆動制御回路4Aは、各モータ411,421の駆動コイル412をショート状態にして各モータ411,421を停止した後、受信回路23を駆動して時刻情報の受信を開始する。なお、外部入力装置3Aによる受信動作開始の操作によって強制的に開始(強制受信)させることも可能であるが、この場合も外部入力装置3Aによって受信動作が指示されると、駆動制御回路4Aはまず駆動コイル412をショートしてその電圧を所定電位(例えばVDD)に固定した後、受信回路23を駆動して時刻情報の受信を開始する。
受信回路23が作動されると、アンテナ21を介して受信された電波(時刻情報)は受信回路23で処理されたのち、記憶回路24に記憶される。このとき、受信した時刻情報が正しいか否かの検証も合わせて行われる。具体的には、長波標準電波の時刻情報は1分毎のデータとなるため、受信した複数の時刻情報が1分間隔の異なるデータになっているか等で判断される。
受信された時刻情報が正しいデータと判断されると、駆動制御回路4Aの指示によって、時刻情報は秒時刻カウンタ4C12と時分時刻カウンタ4C22に出力され、秒時刻カウンタ4C12と時分時刻カウンタ4C22のカウント値が修正される。この際、駆動コイル412のショート状態つまり各モータ411,421の停止状態も解除される。
そして、各時刻カウンタ4C12,4C22のカウント値が修正された結果、各位置カウンタ4C11,4C21と異なる値になると、それらのカウント値が一致するまで各一致検出回路4C13,4C23の不一致信号を受けて、駆動制御回路4Aは、各駆動パルス信号PS1、PS2を出力し、各指針を駆動する。この指針の駆動は、各カウンタ値が一致するまで早送りで継続されるため、受信時刻に合わせて指針位置が自動的に修正され、時刻合わせが行われる。
このような本実施形態においても、アンテナ81のコアの端部が裏蓋側に折り曲げられていることにより、前記各実施形態と同様に、非導電性の裏蓋を介して時刻情報を良好に受信できる。これにより、時刻合わせおよび暦合わせをより確実に行うことができる。
このような第3実施形態によれば、前述の実施形態と同様の効果を奏するほか、次のような効果をも奏する。
(13)アンテナ51は、地板50に設けられた係止部570二箇所とアンテナ51の両端との位置の離れた四箇所によって係止され、地板50に安定して固定することができるので、比較的重量のあるアンテナ51の振動等によるばたつきを少なくできる。また、アンテナ51は地板50に直接固定されているので、地板50以外の部品でアンテナ51を押さえる必要がなくなり、アンテナ51をスペース効率よく収めることができる。
(14)アンテナ51は、コイル枠513の両端部による固定と、係止爪559と係止部570とが係合させることによって確実に係止することができ、より安定して地板50に固定できる。
(15)コイル枠513の形状を平面形状略円形の地板50の外縁に沿って弓型に形成するので、アンテナ51をスペース効率よく収めることができる。また、コイル枠513が弓型の形状であっても、コイル枠513の両端をねじ止めし、またコイル部555の両端に設けられた係止爪559を係止部570によって係止することにより、離れた四点でアンテナ51を地板に安定して固定できる。
(16)湾曲部556に収容されるコア521部分が段差部552Aによって地板50側に位置するので、コイル枠513の湾曲部556も地板50側に近づけることができ、湾曲部556の地板50とは反対側にスペースの余裕が生じる。このスペースに、コイルのコイル512と接続される必要な電子素子を備えた回路基板40C等を配置することができる。したがって、スペースを有効に利用することができ、スペース効率が良好である。また、同調用素子481の上端が余分にはみ出さないので、裏蓋側に配置される他の部品と電子素子との接触による短絡を少なくできる。
(17)コア521を直接固定することなく、合成樹脂製のコイル枠513を固定している。したがって、コア521に直接余分な力が加わらないので破損や歪が生じにくく、受信感度を安定させることができる。
(18)駆動制御回路4Aにより、電波受信時に駆動コイル412を電位VDDに固定しているので、駆動コイル412がオープン状態になっている場合のように、アンテナ特性に悪影響を与えることが無く、アンテナ特性を向上することができる。
(19)AGC回路234により増幅回路231のゲインコントロールが行われるので、電界強度によらず、受信信号レベルを一定とすることが可能となる。
〔変形例〕
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、以上述べた実施の形態に対し、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができる。
図14には、第2実施形態のアンテナ71において、コア211とコイル212との間に絶縁テープTPを介装したアンテナ91が示されている。図14(A)はアンテナ91の平面図であり、図14(B)は、コア211の直線部211Cの部分をアンテナ91の長手方向と交差する方向から見た側断面図である。ただし、図面を見易くするために、断面部分のハッチングを省略した。
アンテナ91では、図14(B)に示すように、コア211の直線部211Cがベース板215ごと絶縁テープTPで巻かれて固定され、この絶縁テープTPの上から直線部211Cおよびベース板215の周囲にコイル212が巻回されている。これにより、コイル212とコア211とを絶縁テープTPで確実に絶縁できるとともに、コア211が断面矩形状に形成されていても、コア211の角のエッジでコイル212が切れるのを防止できる。
また、図14(A)に示すように、コア保持部材としてのベース板215の両端には、孔215Aがそれぞれ形成され、アンテナ91はこの孔215Aを介して地板にねじ止めされている。
さらに、コア211の一方の端部211Aに相当する位置において、ベース板215と反対側のコア211表面には、フレキシブル基板による回路基板40Bが取り付けられている。この回路基板40Bには、アンテナ91の同調用素子481が複数個実装されている。ここで、回路基板40Bは、孔215Aに挿入された図示しないねじにより、ベース板215とともに回路基板40Aを挟み込むようにして地板に固定され、これによって回路基板40Bが回路基板40A(図6参照)と導通されている。
また、図14に示したベース板の代わりに、図15(A)および(B)に示す断面略U字状のプラスチック製の枠体216(コア保持部材、ボビン)を備え、この枠体216にコア211を納めるとともに、枠体216の周囲にコイル212が巻きつけられていてもよい。この断面構造は、前述した第3実施形態でも同じである。なお、回路基板40Bは枠体216の開口を覆うように配設されている。
このようにコア211が枠体216に収容されることにより、コア211を振動、衝撃等の外乱から保護できるとともに、コイル212の巻線作業が容易になり、コイル212の巻きくずれを防ぐこともできる。
アンテナの形状についても、前記各実施形態には限定されない。例えば、アンテナの平面形状に関しては、第1実施形態において、コア211の各端部211Aを湾曲形成せずに、一方の端部211Aから他方の端部211Aまで直線状に延びるアンテナとしてもよい。あるいは、コアの中間部が平面円弧状に形成され、両端部が平面直線状に構成されたアンテナとしてもよい。
また、アンテナの時計の厚さ方向における立体的形状に関して、前記実施形態では、アンテナコア211等の端部211Aが文字板または裏蓋に向かって折り曲げられ、直線部211Cと端部211Aとが角を形成していたが、これに限らず、コアの端部が曲線状に曲げられていてもよい。
なお、前記実施形態では、コイル212はコア211の直線部211Cの部分に巻かれていたが、これに限らず、端部211Aを含めてコア211の全体にコイル212が巻かれていてもよい。
そして、アンテナの配置位置についても、前記各実施形態のようにケーシング31内の9時方向に限られず、リュウズの巻真やボタンの軸等の位置を考慮して、外装ケース内の任意の位置にアンテナを配置できる。
また、外装ケースは、全体が金属製のものに限らず、例えば、プラスチックケースの表面にステンレスやチタン等の金属製カバーを取り付けて構成されたものでもよい。さらに、外装ケースは、合成樹脂やセラミックなどの非導電性材料で構成してもよく、さらにはこれらプラスチック等にメタリック塗装などの表面処理を施して金属層を形成したもので構成してもよい。
さらに、本発明のアンテナ内蔵式電子時計は、前記各実施形態のような指針を備えたアナログ式の時計に限らず、デジタル式であってもよい。デジタル時計の場合、液晶パネルと回路基板、電池等で構成できてアナログ時計に比べて部品点数が少ないため、非常に薄型の時計にできる。
アンテナによって受信する無線情報としては、時刻情報を含む長波標準電波に限定されない。例えば、時刻情報を受信する場合でも、その無線信号としては、300MHz帯の微弱電波無線、400MHz帯の特定小電力無線、2.4GHz帯のBluetooth(ブルートゥース)等を利用してもよい。これらの無線を受信する場合には、周波数が高いため、コイル212のターン数は少なくてよく、アンテナ21も小さくできる。
また、電波を用いた無線通信に限らず、電磁結合方式や電磁誘導方式等の他の無線通信方式を用いてもよい。なお、電磁結合や電磁誘導方式は、通信機器同士を近接させる必要があるが、ステンレス等の非磁性体であれば金属部分でも透過して通信が可能である。
さらに、アンテナを用いて通信する無線情報としては、時刻情報に限らない。例えば、時計1内にICカード機能を内蔵させ、電車の定期券や各種プリペイドICカードのような情報を送受信するために利用してもよい。例えば、外装ケース内にICチップとアンテナ等を組み込み、ICカードを用いた改札機や入退室管理機、各種の課金支払機等に腕時計を近接させて情報をやり取りできるようにしてもよい。この場合、別途、ICカードを出し入れする必要がなく、時計をはめた手を近付けるだけでよいため、操作性を非常に向上することができる。
従って、本発明の外装ケースに内蔵されるアンテナとしては、標準電波を受信する場合のような受信専用に用いるものでもよいし、非接触ICを用いたタグのように、情報を送受信するために用いてもよいし、さらには送信専用に用いてもよく、これらは本発明を適用する電子時計つまりはアンテナ内蔵式電子機器の種類に応じて適宜選択すればよい。
また、アンテナは、ループアンテナに限らず、誘導体アンテナ等の他のアンテナを用いてもよく、これらは送信あるいは受信する無線情報の種類等に応じて適宜設定すればよい。なお、ループアンテナを用いる場合は、コアが挿入されていないものを用いてもよい。
前記各実施形態では、文字板および裏蓋の一方に非導電性部材が使用され、他方には導電性部材である金属材料が使用されていたが、これに限らず、文字板および裏蓋の両方が非導電性部材で構成されていてもよい。
また、前記各実施形態では、外装ケース3は胴部であるケーシング31、カバーガラス32、および裏蓋33を備えて構成されていたが、これに限らず、胴部と裏蓋とが一体化されたワンピース型の外装ケースであってもよい。
第2実施形態において、ガラス板63Aが裏蓋63の外周リング内に嵌め込まれていたが、このような構成に限らず、コア211の端部211Aにおける軸線と対向する位置のみにガラス部材を散点的に配置することも考えられ、また、裏蓋63全体をガラス部材で構成することも考えられる。
本発明は、電波修正時計などのアンテナ内蔵式電子時計に利用できる。
前記実施形態の時計の平面図である。 図1のII−II線矢視図である。 前記実施形態の受信回路の構成を示すブロック図である。 前記実施形態のアンテナの構成を示す図であって、(A)は平面図、(B)は側断面図、(C)はアンテナコアを構成するアモルファス箔の平面図である。 前記実施形態の断面図であって、アンテナの指向性を説明する模式図である。 本発明の第2実施形態のアンテナを示す側断面図である。 本発明の第3実施形態の時計を示す平面図である。 前記実施形態のアンテナの斜視図である。 前記実施形態のアンテナの縦断面図である。 前記実施形態のアンテナを地板に支持固定する前の状態の斜視図である。 前記実施形態の構成を示すブロック図である。 前記実施形態の受信回路の構成を示すブロック図である。 前記実施形態のモータの駆動回路を示す回路図である。 本発明の変形例のアンテナを示す図であり、(A)は平面図、(B)は側断面図である。 本発明の他の変形例のアンテナを示す図であり、(A)は平面図、(B)は側断面図である。
符号の説明
1...時計(アンテナ内蔵式電子時計)、2...受信手段、9...外装ケース、21,51,71,81,91...アンテナ、481...同調用素子(回路素子)、31...ケーシング(胴部)、33,63...裏蓋、35,65...文字板、36...ソーラーパネル、211,511...コア、211A,511A...端部、212...コイル、213,215...ベース板(コア保持部材)、216...枠体(コア保持部材)、411,421,431...モータ、513...コイル枠(コア保持部材)、2110...アモルファス箔(薄膜磁性体)。

Claims (7)

  1. 少なくとも胴部が導電性部材で構成されている外装ケースと、
    前記外装ケースの開口部に臨んで設けられる文字板と、
    前記外装ケース内に配置されて外部無線情報を受信するアンテナを有し、かつ当該アンテナで受信した外部無線情報を処理する受信手段と、
    時刻表示手段とを備えたアンテナ内蔵式電子時計であって、
    前記文字板、または、前記外装ケースを構成する裏蓋を有する場合は裏蓋、のいずれかが非導電性部材で構成され、
    前記アンテナは、コアおよび当該コアに巻回されたコイルにより構成されているとともに、前記外装ケースの金属部分と近接配置され、
    前記コアの端部は、前記非導電性部材に向かって曲げられている
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。
  2. 請求項1に記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
    前記コアは、積層された薄膜磁性体により構成されている
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。
  3. 請求項2に記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
    前記薄膜磁性体の積層方向は、当該時計の厚さ方向である
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。
  4. 請求項1または請求項2に記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
    前記コアは、非導電性部材で構成されたコア保持部材により保持され、
    前記コイルは、前記コアと前記コア保持部材と共に巻かれている
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
    前記コアの端部が曲げられることにより当該端部に平面的に重なるように、前記受信手段を構成する回路素子が配置されている
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
    前記文字板は、非導電性部材で構成され、
    この文字板と互いに重ねられるソーラーパネルを備えている
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
    前記時刻表示手段を駆動するモータを備え、
    このモータは、時計の厚さ方向において、前記コアの端部に対して当該端部が曲げられた側とは反対側に設けられている
    ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。
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