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JP2006144081A - 耐摩耗性に優れたコールドピルガーミルロールスタンドベッドスライド板およびその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性に優れたコールドピルガーミルロールスタンドベッドスライド板およびその製造方法 Download PDF

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JP2006144081A
JP2006144081A JP2004336511A JP2004336511A JP2006144081A JP 2006144081 A JP2006144081 A JP 2006144081A JP 2004336511 A JP2004336511 A JP 2004336511A JP 2004336511 A JP2004336511 A JP 2004336511A JP 2006144081 A JP2006144081 A JP 2006144081A
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cold pilger
pilger mill
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wear resistance
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JP2004336511A
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Inventor
Takaaki Kamata
恭彰 鎌田
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Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
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Abstract

【課題】 コールドピルガーミルにおいて、摺動面の表面硬度を超高硬度に高め、耐摩耗性に優れたコールドピルガーミルロールスタンド用ベッドスライド板を提供する。
【解決手段】 スライド板母材5aの材質が、P=0.050以下、S=0.050以下、降伏点235N/mm2以上、引張強さ400〜500N/mm2、伸び21%以上のJIS規格の一般構造用圧延鋼材SS400で、所定寸法のスライド板5を表面粗度をRa=3.2〜6.3μmとし、このスライド板母材5aにタングステンカーバイト合金粉末を溶融状態でジェットノズルから噴射し、超高硬度、高密着力で緻密な組織のタングステンカーバイト合金溶射皮膜層5bを剥離しても機械に損傷を与えな厚さ100〜150μmで形成してなる表面硬度がHV1000以上の摺動面を有する耐摩耗性に優れたコールドピルガーミルロールスタンドベッドスライド板5である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、コールドピルガーミル設備において、摺動面の表面硬度をHV1000以上の超高硬度に高めた耐摩耗性に優れたコールドピルガーミルロールスタンドベッド用スライド板に関するものである。
摺動面の耐摩耗性を向上させる方法としては、その摺動面の表面硬度を上げることが一般的である。表面硬度を上げる方法には、浸炭、高周波焼入れ、窒化、めっき、溶射などが挙げられる。
これらにおいて、一般的に浸炭ではHV700〜900、高周波焼入れではHV200〜800の硬度範囲であり、これらの浸炭や高周波焼入れではHV1000以上の超高硬度までは硬度を上げることができない。
一方、窒化でHV1000以上の超高硬度を得るためには、材質が窒化に向いている、いわゆる窒化鋼である必要がある。しかし、窒化鋼は材料として高価である。また、窒化処理温度が500〜600℃と高温であるため、材料の曲がり等の変形が発生する可能性がある。
さらに、めっきは加工を施す母材の材質に関わり無く、その表面硬度をHV1000以上まで上げることが出来る。しかし、このようなめっきとして摺動面に多く適用される工業用クロムめっきの場合は、一般的にめっき層にクラックが発生しやすい問題がある。
さらに、従来技術には、加工を施す母材に超高硬度素材を溶射することによって、耐摩耗性、密着性に優れた摺動部材とする方法があり、その一つとして次の発明が出願されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、このような方法の場合は、一般的な、シリンダーライナーやピストン、シリンダーヘッドなどの摺動部材についてのものであり、3トン以上の重量物が高速で往復運動し、常に油潤滑され、圧延時のスケールの多い場所に使用されているコールドピルガーミルロールスタンド用ベッドスライド板のような摺動部品の問題を解消させるものではない。
特開平11−335805号公報
そこで本発明が解決しようとする課題は、3トン以上もの重量物が高速で往復運動し、常に油潤滑され、圧延時のスケールの多い場所で使用される耐摩耗性に優れたコールドピルガーミルロールスタンド用ベッドスライド板及びその製造方法を提供するものである。
本発明の課題を解決するための手段は、請求項1の発明では、材質がJIS G 3101に規格の一般構造用圧延鋼材であるSS400からなり表面粗度をRa(JIS B 0601)=3.2〜6.3μmとしたスライド板母材の表面上に厚さ100〜150μmでかつ表面硬度HV1000以上のタングステンカーバイト合金溶射皮膜層からなる摺動面を有することを特徴とする耐摩耗性に優れたコールドピルガーミルロールスタンドベッドスライド板である。
請求項2の発明では、スライド板母材の摺動面側の表面にタングステンカーバイト合金粉末をジェットコーティング溶射してHV1000以上の超高硬度の溶射皮膜層を形成した、耐摩耗性に優れたコールドピルガーミルロールスタンド用ベッドスライド板であり、(1)スライド板母材の材質が、P=0.050以下、S=0.050以下および降伏点235N/mm2以上、引張強さ400〜500N/mm2、伸び21%以上からなるJIS G 3101に規格する一般構造用圧延鋼材であるSS400で、このスライド板母材をスライド板の所定寸法に加工し、その表面粗度をRa(JIS B 0601)=3.2〜6.3μmとした後、このスライド板の摺動面側となる表面上にタングステンカーバイト合金粉末を溶融状態でジェットノズルから噴射し、超高硬度および高密着力、緻密な組織の溶射皮膜層を、仮に剥離しても機械に損傷を与えないよう、厚さ100〜150μmで付与し、表面硬度がHV1000以上からなる摺動面を有するスライド板を形成することを特徴とする耐摩耗性に優れたコールドピルガーミルロールスタンドベッドスライド板の製造方法である。
本発明により、表面硬度がHV1000以上であるコールドピルガーミルロールスタンドベッドスライド板の摺動面は、コールドピルガーミルロールスタンドの3トン以上の重量物が常に油潤滑されながら高速で往復運動し、しかも圧延時のスケールの多い場所での使用であるにもかかわらず、その摺動面の耐摩耗性が長期間にわたって維持することができるため、ベッドスライド板の新規製作による取替費用や修理費用の大幅な削減が図れるなど、本発明は従来にない極めて優れた効果を奏するものである。
タングステンカーバイト合金による溶射法は、金属の表面処理方法の一手段として、耐摩耗性を向上させるために行うことが知られており、一般的な、シリンダーライナーやピストン、シリンダーヘッドなどの摺動部材等に適用されている。ところで、本発明ではタングステンカーバイト合金による溶射法をコールドピルガーミルのロールスタンド用ベッドスライド板に適用することにより、極めて良好な耐摩耗性の溶射皮膜層を有するベッドスライド板とすることができることを見出したものである。
このようなタングステンカーバイト合金の溶射皮膜層は、硬度HV1000〜1200の超高硬度を有しており、しかも、腐食に強く、剥離し難いという特徴を持っている。さらに、溶射される母材が金属であれば、どのような母材でも、タングステンカーバイト合金の溶射皮膜層の形成は可能である。
コールドピルガーミルロールスタンドのベッドスライド板の母材は、溶射法による加工後に可能な限り曲がりの無いことが要求される。また、溶射皮膜層の母材との密着度を上げるため、ベッドスライド板の摺動面側である表面は、JIS B 0601でRa=3.2〜6.3μmの表面粗度に形成する。その後、この摺動面側の表面にタングステンカーバイト合金の溶射皮膜層を形成する。皮膜層の厚さは、仮に、溶射皮膜層が剥離しても、機械に損傷を与えないように100〜150μmとする。さらに、滑動を良好とするためにその溶射皮膜層の表面仕上げの粗さはJIS B 0601で規定するRa=0.4〜1.6μmに仕上がるものとする。スライド板の母材の素材としては、安価な一般構造用圧延鋼材であるJIS規格するSS400を使用する。
以下、本発明の実施例を、図1および図2にしたがって説明する。図1はコールドピルガーミルのロールスタンド周りの概略図である。これらのコールドピルガーミルのロールスタンド周りはロールスタンド1、ロールダイス2、コンロッド3、スタンド下ライナー4、ベッドスライド板5、ピニオンギヤ6、スタンドラックギヤ7、クランクシャフト8、マンドレルロッド9、素管10、その他の付帯設備より構成される。
先ず、コールドピルガーミルについて説明する。コールドピルガーミルでは、クランクシャフト8が矢印イの回転をすることにより、コンロッド3によって連結されたロールスタンド1が矢印ロの往復運動を行ない、その往復運動によって、ピニオンギヤ6、スタンドラックギヤ7を介して、ロールダイス2を回転させる。このコールドピルガーミルは、ロールスタンド1およびロールダイス2を含めると、3トン以上の重量となる。このような重量物のコールドピルガーミルは、マンドレルロッド9の挿入された素管10を、ロールダイス2の回転によって圧延している。圧延時には、スケールが多く発生する。ロールスタンド1は、スタンド下ライナー4、ベッドスライド板5の合わせ面を摺動面として運動している。スタンド下ライナー4およびベッドスライド板5の摺動面は、常に強制循環給油で潤滑されている。
図2は、ベッドスライド板5の詳細図である。ベッドスライド板5は片サイドに各3枚したがって、両サイドで計6枚で構成されている。それぞれ図2の(a)に示す取付ボルト穴にねじ締めしたボルト11により、8箇所で床に固定されている。図2の(b)に示すように、摺動面は母材5aの上にタングステンカーバイトの溶射皮膜層5bを形成している。中央の左右2枚のベッドスライド板5のみ強制循環給油入口12があり、また、油溝13を設けており、潤滑油が常時供給されている。
本実施例では、ベッドスライド板5の母材5aの摺動面に、タングステンカーバイト合金溶射皮膜層5bを形成した。母材5aは材質SS400で、所定寸法の母材5aに機械加工を施して摺動面側をRa=3.2〜6.3μmの面粗度にしたものに、タングステンカーバイド合金の溶射皮膜層5bを、皮膜厚さ100〜150μmとして形成し、その後、摺動面をRa=0.4〜1.6μmで仕上げた。
従来の軸受鋼であるJIS規格のSUJ3で製作したベッドスライド板5の場合は、このスライド板摺動面の表面硬度はHV900であり、使用開始後約6ヶ月で摩耗が250〜300μmにも達する。このため、ベッドスライド板5を全て取外し、外注にて摩耗分を改削加工し、ベッドスライド板5の下部に改削寸法相当のシム板を入れて高さを維持していた。
しかし、本発明を適用したベッドスライド板5では、使用開始から6ヶ月後、膜厚測定器にてタングステンカーバイト合金溶射皮膜層5bの厚さを測定したところ、15〜20μmしか摩耗していなかった。一方、使用開始時のタングステンカーバイト合金溶射皮膜層5bの厚さが100〜150μmであることから、約30ヶ月(約2年6ヶ月)は修正及び取替の必要がなくなり、大幅に修正費用、新規製作並びに取替修理費用を削減することができた。
コールドピルガーミルのロールスタンド周りの概略図であり、(a)側面図、(b)正面図である。 ベッドスライド板詳細図であり、(a)平面図、(b)側面図である。
符号の説明
1 ロールスタンド
2 ロールダイス
3 コンロッド
4 スタンド下ライナー
5 ベッドスライド板
5a 母材
5b タングステンカーバイト合金溶射皮膜層
6 ピニオンギヤ
7 スタンドラックギヤ
8 クランクシャフト
9 マンドレルロッド
10 素管
11 取付ボルト
12 強制循環給油入口
13 油溝
イ 矢印
ロ 矢印

Claims (2)

  1. 材質がJIS G 3101に規格の一般構造用圧延鋼材であるSS400からなり表面粗度をRa(JIS B 0601)=3.2〜6.3μmとしたスライド板母材の表面上に厚さ100〜150μmでかつ表面硬度HV1000以上のタングステンカーバイト合金溶射皮膜層からなる摺動面を有することを特徴とする耐摩耗性に優れたコールドピルガーミルロールスタンドベッドスライド板。
  2. スライド板母材の材質をJIS G 3101に規格の一般構造用圧延鋼材であるSS400とし、該母材をスライド板の所定寸法に加工し、さらにその表面粗度をRa(JIS B 0601)=3.2〜6.3μmにした後、該スライド板の表面にタングステンカーバイト合金粉末を溶射し、厚さ100〜150μmの溶射皮膜層を付与することを特徴とする表面硬度がHV1000以上からなるスライド板摺動面を有する耐摩耗性に優れたコールドピルガーミルロールスタンドベッドスライド板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104084272A (zh) * 2014-06-17 2014-10-08 宁国市鑫煌矿冶配件制造有限公司 一种球磨机用涂层衬板
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