JP2006014819A - 弾性マットレス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 弾性マットレス11は、下部平板パッド12と、その上面の上部平板パッド13とが積層されて構成される。前記下部平板パッド12は、発泡弾性体よりなる。上部平板パッド13は、低反発発泡弾性体よりなる。下部平板パッド12の床面F側の面には多数の三角波状の山部14及び谷部15が形成される。上部平板パッド13の床面F側の面にも多数の三角波状の山部16及び谷部17が形成される。弾性マットレス11を床面F上に設置した場合、下部平板パッド12と床面Fとの間に空間31が形成され、この空間31及び上下の平板パッド12,13間の空間30から、湿気あるいは水分が有効に放散される。
【選択図】 図4
Description
請求項2に記載の発明においては、請求項1において、厚さ方向の中間部のほぼ全域に、外部と連通する空間が形成されたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明においては、請求項1から請求項3のうちのいずれか一項において、複数枚の平板パッドが積層されて構成され、各平板パッドがともに床面側に凹凸を形成したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明においては、請求項4または請求項5において、上側の平板パッドは、下側の平板パッドよりも低反発の発泡弾性体により構成されたことを特徴とする。
請求項9に記載の発明においては、請求項1〜請求項8のうちのいずれか一項において、厚さ方向上下に貫通孔を備えることを特徴とする。
請求項11に記載の発明においては、請求項4〜請求項10のうちのいずれか一項において、上下の平板パッドは、水溶性接着剤により点接着的に接着されてなることを特徴とする。
床等の設置面に対して接触する面に凹凸が形成されているため、床面と弾性パッドとの間に空間が形成される。このため、水分を効果的に放散させて、夏期等における蒸れを防ぐことができるとともに、就寝時に発生する汗等の水分により畳等の床面に湿気が移るのを抑制できる。しかも、そのための構成は、下面側に凹凸を形成しただけであるから、製造が容易である。
複数枚の平板パッドにより構成し、上側の平板パッドを、低反発発泡弾性体により構成すれば、不快な反発性を減少させて快適に使用できるとともに、その低反発発泡弾性体が冬期等の低温下において硬くなっても、下部の平板パッドが柔軟性を補うため、快適に使用できる。
厚さ方向上下に貫通孔を設ければ、前記と同様に、水分の放散をより有効に実行できる。
図1に示すように、この実施形態の弾性マットレス11は、設置面としての床面F側に配置される下部平板パッド12と、その上面に位置する上部平板パッド13とが積層されて構成されている。なお、図面は、理解を容易にするために、下部平板パッド12及び上部平板パッド13を比較的小さな矩形状に描いているが、実際には、就寝マット等に用いられるため、大きい。前記下部平板パッド12は、発泡弾性体よりなる。上部平板パッド13は、下側の平板パッド12よりも低反発の発泡弾性体よりなる。図2に示すように、下部平板パッド12の下面、すなわち、床面F側の面には波割り加工により多数の三角波状の山部14及び谷部15が形成されている。この山部14及び谷部15により凹凸が形成されている。また、図3に示すように、上部平板パッド13の下面、すなわち、床面F側の面にも波割り加工により多数の三角波状の山部16及び谷部17が形成されている。この山部16及び谷部17も凹凸を形成している。上部平板パッド13の山部16は下部平板パッド12の山部14よりも高い。また、上部平板パッド13の谷部17は下部平板パッド12の谷部15よりも深い。そして、上部平板パッド13は山部16の頂部において下部平板パッド12の平坦な上面に接着固定されている。このため、図5に示すように、両平板パッド12,13間の全域には、非空間部を構成する前記山部16を介して外部と連通する空間30が縦横に形成されている。
下部平板パッド12及び上部平板パッド13にはそれぞれ上下方向に多数の貫通孔18,19が均等分布状態で形成されている。なお、図5においては、貫通孔18,19を省略して描いている。
まず、弾性マットレス素材に対してプロファイル加工の一種である公知の波割り加工が実行される。すなわち、外周面に多数の凹凸が列設された2本のローラがそれらの軸線を平行にして、かつ前記凹凸の位相をずらせて最接近位置において凹と凸とが通常上下に対応するように近接配置されるとともに、両ローラ間にバンドナイフが水平に設けられている。そして、両ローラを回転させながら、それらのローラ間に下部平板パッド12または上部平板パッド13の素材であるパッドを挟入させる。このため、パッド素材は、両ローラ間で扁平状に圧縮されながら一方向に移送される。そして、両ローラ間において、パッド素材は、その圧縮が復元する前に、前記バンドナイフにより、両ローラの軸間の中央部において2つに分離されるように上下に切断される。このようにすることにより、前記両ローラの凹凸が切断面に転写され、圧縮が復元された状態では、図2及び図3に示すように、山部14,16及び谷部15,17を有するパッド12,13が形成される。
このようにして構成された弾性マットレス11は、2枚の平板パッド12,13がともに床面F側を凹凸面として積層されて構成され、就寝マット,クッションマット等として用いられる。従って、この弾性マットレス11を床面F上に設置した場合、下部平板パッド12の下面側の山部14と谷部15とよりなる凹凸により、その下部平板パッド12と床面Fとの間に空間31が形成される。従って、この空間31及び上下の平板パッド12,13間の空間30により、湿気あるいは水分が有効に放散されるとともに、余分な熱も放散される。このため、吸湿性に優れ、夏期等において蒸れを抑制することできる。就寝時に発生する汗等の水分が畳等に移るのを抑制することができる。加えて、両平板パッド12,13には、貫通孔18,19が均等分散されているため、さらに通気性が向上して、水分及び熱を有効に放散させることができる。
S×N=3.14×196=615.44(mm2)
一方、単位面積20cm角では、
Sunit=20×20(cm2)=4×104(cm2)
従って、貫通孔18,19の占める面積率(%)は
[615.44/(4×104)]×100=1.538%
となり、0.5〜2.5%の範囲の面積率内に収まっている。
上部平板パッド13;低反発発泡弾性体:株式会社イノアックコーポレーション製 製品ナンバー:CF−ESN−4 商品名ナチューバ(登録商標)
下部平板パッド12;高反発発泡体:株式会社イノアックコーポレーション製 製品ナンバー:CF−ERG−H
表2の実施例の上部,下部平板パッド13,12を用い、比較例1として株式会社イノアックリビング製 製品名「ボンネルマット L−1タイプ」を、比較例2として前記表2の上部,下部平板パッド13,12を表裏反転させたものを用いて試験を行った。試験結果を表3に示す。
試験条件:単位:raw
(測定機器メーカが独自に規定する応力単位、1raw=約0.11kpa)
モニター:男性42歳 身長175cm 体重65kg
体圧分散試験機では、両平板パッド12,13の測定面全体を所定数(100)の格子に分割し、各格子の領域にかかる応力値を測定した。応力値の分布をカウントすることで体圧分散性を評価した。低い応力値を示した格子の数が多いほど体圧分散性に優れるとされる。
40℃に温調した前記表2に示した実施例の弾性マットレスと、比較例3とを22℃の環境下に移して、そこで放置する熱放散性試験を行った。比較例3としては、密度72kg/m3、反発弾性11%、引張強度113kpa、伸び195%、引裂強度4.6N/cm、ASTM D3574通気度5リットル/min以下、アスカーF硬度24の低反発性ポリウレタンフォーム単体一層にシートカバーを被ったマットレスを用いている。実施例及び比較例3のマット中央における上面の温度変化を、熱電対を用いて経時的に追跡した。その試験結果を表4に示す。
・ 一方の平板パッド12または13にのみ貫通孔を形成すること。
・ 弾性マットレス11の一部分に空間30,31を設けないようにすること。例えば弾性マットレス11を就寝マット用とした場合、頭部に対応する部分には山部と谷部とを設けず、空間30,31を形成しないように構成すること。このようにすれば、その部分の剛性が増して枕が沈み込まず、就寝者の頭部を安定支持することが可能になる。
Claims (11)
- 床等の設置面に対して接触する面に凹凸が形成された弾性マットレス。
- 請求項1において、厚さ方向の中間部のほぼ全域に、外部と連通する空間が形成された弾性マットレス。
- 請求項2において、前記空間は非空間部を介して縦横に形成された弾性マットレス。
- 請求項1から請求項3のうちのいずれか一項において、複数枚の平板パッドが積層されて構成され、各平板パッドがともに床面側に凹凸を形成した弾性マットレス。
- 請求項1から請求項4のうちのいずれか一項において、平板パッドが、ポリウレタン発泡体である弾性マットレス。
- 請求項4または請求項5において、上側の平板パッドは、下側の平板パッドによりも低反発の発泡弾性体により構成された弾性マットレス。
- 請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、気泡の除膜処理を施した弾性マットレス。
- 請求項4〜請求項6のうちのいずれかにおいて、少なくとも上部の平板パッドは、気泡の除膜処理が施された弾性マットレス。
- 請求項1〜請求項8のうちのいずれか一項において、厚さ方向上下に貫通孔を備える弾性マットレス。
- 請求項1〜請求項9のうちのいずれか一項において、凹凸面はプロファイル加工により形成された弾性マットレス。
- 請求項4〜請求項10のうちのいずれか一項において、上下の平板パッドは、水溶性接着剤により点接着的に接着されてなる弾性マットレス。
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