以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る刈払い装置(ポールカッタ、ポールヘッジ、あるいはヘッジトリマともいう)を説明する。図1は柄部の一部を省略した刈払い装置の全体正面図、図2は柄部の一部を省略した刈払い装置の全体平面図、図3は柄部に対するヘッドおよび刈刃部の回動状態を示す一部拡大正面図、図4は刈払い装置の内部構造の要部を表した一部省略平面断面図、図5は内部構造の要部を表した一部拡大正面断面図、図6は要部をさらに拡大し且つ操作レバーをロック姿勢とした正面断面図、図7は操作レバーを解除姿勢とした拡大正面断面図、図8は操作レバーを中心に描いた拡大正面断面図である。
である。
図1〜図6に示すように、刈払い装置1は、高所の枝葉を刈払いするのに特に有効に用いられるもので、刈払い装置1の操作のために使用者が握る部分であって軸方向に所定の長さを有する筒状の柄部(ポール)2と、この柄部2の軸方向一方側(先端側)に配置される刈刃部(カッタ)3と、この刈刃部3を駆動させるための駆動部4とを備えている。柄部2の長さに刈刃部3の長さが加算されることで、高所の枝葉を刈払いすることが可能となっている。
図7に示すように、刈刃部3は、駆動部4が内装されたヘッド5を介して柄部2の軸方向一方側に取付けられている。ヘッド5に駆動部4が内装されてユニット化されている。刈刃部3は、ブレード固定板6と可動ブレード7,8とブレード押さえ10とが重なりあった状態でヘッド5の底部から軸方向一方側(前方)に向かって突出するものである。図2に示すように、平面視して、柄部2の幅B2はヘッド5の幅B1に比べて小さく形成され、ヘッド5および柄部2それぞれは、軸方向にあって長手方向に沿う半割形状の柄本体部11,12、ヘッド本体部13,14等からなり、これら柄本体部11,12、ヘッド本体部13,14を組合せて、図1に示すように、ビス15a,15bを用いて固定することで、ヘッド5、柄部2が組立てられている。なお、柄部2は軸方向長さを調節自在(テレスコピック型)とされ、柄部2の軸方向長さを調節するための調節部16を有している。なお、ヘッド本体部13,14どうしの合わせ面の一方には他方の溝(図示せず)に嵌合する狭幅の突条13aが適宜の位置に形成され、溝と突条13a(例えば、図5参照)を嵌合するようにヘッド本体部13,14どうしの合わせ面を組付けている。同様に、柄本体部11,12どうしの合わせ面の一方には他方の溝(図示せず)に嵌合する狭幅の突条11aが適宜の位置に形成され、溝と突条11aとを嵌合するように柄本体部11,12どうしの合わせ面を組付けている。
柄部2は、互いに前記調節部16を介して連結された軸方向一側の第一柄部2Aと、軸方向他方側(手前側)の第二柄部2Bとを有している。調節部16は、両柄部2A,2Bの軸方向の重なり量を調節して柄部2全体の軸方向長さを調節する機構を有している。この調節部16は、図5および図6に示すように、第一柄部2Aに、第二柄部2Bに移動自在に内嵌する摺動部材17を有する。調節部16は、前記摺動部材17と、この摺動部材17に上面から圧接離間可能な押え部材18と、第二柄部2Bに支軸20a回りに回動可能に取付けられた押え部材操作用の操作レバー20とを備える。押え部材18は、所定の接触面積を有して摺動部材17に接触可能な接触部18aを有する。操作レバー20を支軸20a回りに一方向(時計方向D2)に回動させることで、押え部材18への押え力がなくなり(解除され)、これによって摺動部材17に対する摩擦力は解除されるので、第一柄部2Aと第二柄部2Bとが軸方向に離間可能な状態となり、柄部2の軸方向長さを調節可能とする。逆に、操作レバー20を他方向(反時計方向D1)に回動させることで、押え部材18を摺動部材17の上方から圧接させて第一柄部2Aと第二柄部2Bとの軸方向への接近離間を不能にさせる。
図7に示すように、駆動部4はヘッド5内に設けられ、刈刃部駆動用のモータ21、このモータ21の駆動軸22に連結された駆動ピニオン23、この駆動ピニオン23に噛合する歯車24、この歯車24に噛合するカム歯車25、カム歯車25の回転に伴ってカム軸26回りに回転するカム27,28等の部品を有し、さらに、刈刃部3の二枚の可動ブレード7,8を相対的に往復動させる駆動機構30を有する。この駆動機構30は周知の技術であるので、その詳細な説明を省略する。刈刃部3の基端部は前記駆動機構30に連結された状態で、前述したように、ヘッド5の底部から前方に突出することで、高所の枝葉を刈払い可能な所定長さを有する。このように、ヘッド5にはモータ21および駆動機構30等が内装されており、したがって、それらの分だけの重量を有している。
ヘッド5の一部は、柄部2に向けて延長されて柄部2の幅B2よりも大きな幅に形成された延長部31を一体的に有している。この延長部31に、柄部2の軸方向一方側が挿入されている。なお、図1および図7に示すように、前記モータ21駆動用の電源は外部から導入されるよう、モータ21に接続した配線34(リード線)は、図1,図7に示すように、ヘッド5内から第一柄部2A内を挿通して、第二柄部2Bの軸方向他方側から導出されている。図1および図2において符号35は、モータ21を駆動・停止操作するためのメインスイッチ(図示せず)を操作するための操作片で、この操作片35は、第二柄部2Bの軸方向他方側、すなわち使用者にとって手前側の操作し易い位置に配置されている。
本発明の実施形態に係る刈払い装置1は、図3に示すように、柄部2と刈刃部3(ヘッド5)との軸心間の角度である相対角度θ(θ1,θ2)を任意な角度に保持するよう、柄部2に対して刈刃部3をロックするためのロック機構36を有している。なお、θ1,θ2は柄部2の軸心2aに対する傾斜角度である。さらに、ロック機構36でのロック状態を解除した際に、柄部2と刈刃部3との相対的な回動動作を所定の規制力でもって規制する規制部40を有している。さらに、規制部40の規制力に抗して柄部2と刈刃部3との相対角度を調整し得る回動操作部(角度調整部)41を有する。これらロック機構36、規制部40、および回動操作部41は、第一柄部2A側に設けられている。
図9は要部全体の構成を示す平面断面図、図10はその一方側の拡大図、図11はその他方側の拡大図である。さらに詳しくは、図10(a)は支軸部33を中心とした拡大平面断面図、図10(b)はロックプレート50の単体拡大正面図、図10(c)は大径プーリ48の拡大単体正面図である。また、図11(a)は小径回転体54を中心とした拡大平面断面図、図11(b)は被規制体の単体正面図、図11(c)は小径プーリ56の単体正面図である。
これらの図に示すように、柄部2とヘッド5とを相対的に回動自在に支持する支軸部33が柄部2とヘッド5との重なり部分に設けられている。支軸部33は、各ヘッド本体部13,14の延長部31の内側面から互いに柄部2の先端へ向かう(図9において、柄部2の軸心2aに直交する方向に向かう)環状突出部43と、柄部2の先端部に設けられて各ヘッド本体部13,14の延長部31へ向かう(図9において、柄部2の軸心2aに直交する方向に向かう)筒状部44とを備える。環状突出部43は、各ヘッド本体部13,14に一体に形成されている。環状突出部43の外径は、筒状部44の内径よりも小径に形成され、各ヘッド本体部13,14どうしを前述のように組合わせることで、筒状部44の幅方向にある各開口44a側から環状突出部43が筒状部44に回転自在に内嵌されている。支軸部33はさらに、前記筒状部44に回転自在に内嵌する大径筒部49とヘッド5の環状突出部43に内嵌嵌着する幅方向両端部の小径筒部59とからなる筒軸45を有する。筒状部44からその径方向外方に向けて突出するとともに外周面にスプライン状の大径歯部47が形成された大径プーリ48が設けられ、大径プーリ48に隣接するよう大径筒部49に外嵌固定されて大径プーリ48よりもさらに大径のロックプレート50が設けられ、大径プーリ48とロックプレート50とは支軸部33に一体に回転するよう組付けられて、同じ角度だけ軸心48a回りに回動する。大径筒部49の外周面と筒状部44の内周面とですべり軸受を構成している。
図10(b)に示すように、ロックプレート50の外周面には周方向所定間隔置きにスプライン状の、大径歯溝51,52が形成されている。図10(c)に示すように、大径プーリ48の外周部に台形状の歯溝77,78が周方向等配、且つ交互に形成されている。ところで、図9および図10(a)に示すように、筒軸45は、ヘッド本体部13側の筒軸部45aと、ヘッド本体部14側の筒軸部45bとからなる二分割の部材を幅方向から組付けることで構成されており、大径プーリ48のヘッド本体部14側に延長された領域部分が前記筒軸部45bとされている。大径プーリ48は筒軸部45bに一体に形成されている。大径プーリ48およびロックプレート50は、それら中心孔の周壁面に、径方向の凹凸形状とした嵌合凹凸部48c,48d,50c,50dがそれぞれ形成されている。筒軸部45aのヘッド本体14側の端部外周面に、嵌合凹凸部48c,48d,50c,50dと相対形状のスプライン状の被嵌合凹凸部(符号省略)が形成され、この被嵌合凹凸部に、ロックプレート50および大径プーリ48が幅方向から嵌め込まれることで、筒軸部45b,45bどうしが一体に回転するよう構成されている。なお、図9および図10(a)において符号69a,69bはそれぞれロックプレート50の側面と筒状部44の途中端面との間、大径プーリ48の側面と筒状部44の途中端面との間に配置されたワッシャを示す。
上記のように、大径プーリ48と大径筒部49とは一体に回転すべく嵌合し、筒状部44と大径筒部49とが回転自在に嵌合し、小径筒部59と環状突出部43とが一体に回転すべく嵌合しているから、大径プーリ48が回動(回転)すればヘッド5、およびこれに装着されている刈刃部3が、支軸部33回りに回動する構成となっている。
図9に示すように、支軸部33に対する柄部2の軸方向他方側に所定距離L1を置いて、且つ第一柄部2Aの軸方向途中に、幅方向に突出する小径環状突出部53が一体に形成されている。この小径環状突出部53は、その軸心方向が支軸部33の軸心48a方向と平行に配置されている。この小径環状突出部53に小径回転体54が回転自在に外嵌されている。この小径回転体54は、その一端に小径環状突出部53に摺動自在に外嵌する筒状の被規制部55と、この被規制部55より柄本体部12側に形成されて柄部2の柄本体部12の胴部途中から側方に突出する取付け部57を一体的に有する。小径環状突出部53の外周面と被規制部55の内周面とですべり軸受が構成されている。取付け部57の基端部側外周面と第一柄部2Aの柄部本体部12の側面に形成した支持孔58の周壁面とですべり軸受が構成され、小径回転体54が第一柄部2Aに回転自在に支持されている。支持孔58の外周部分は所定の強度を得るために、リブ60を有する変形断面に形成されている。小径回転体54の径は支軸部33の径に比べて小さく設定されている。小径回転体54の軸方向途中に小径プーリ56が一体に形成されている。
また、小径回転体54は、小径プーリ56が支持孔58の内側端面に幅方向で当接可能とされているので、支持孔58から抜け出るのを防止される構成となっている。取付け部57に、正面視して円形で、且つ平面視して所定の幅B3を有する回動操作部材としての操作ダイヤル62が取付けられている。この操作ダイヤル62は、取付け部57に取付けられることから第一柄部2Aの先端(支軸部33の中心)から前記所定距離L1だけ手前、すなわち第一柄部2Aの側面から突出するようにして、使用者側に配置されている。操作ダイヤル62は、小径プーリ56に比べて大径の筒状の握り操作部63と、この握り操作部63の中心に突出形成されたボス部64と、握り操作部63の開放側を覆うカバー65とを備える。ボス部64は取付け部57に外嵌され、操作ダイヤル62は、ボス部64の中心孔73周壁面に形成された雌ねじに、ねじ部材74を幅方向外方から螺合することで、取付け部57に固定されている。握り操作部63の外周面には、周方向等配位置に、幅方向に沿う突起(符号省略)が複数形成されている。この突起によって操作ダイヤル62の回転操作の際に、滑りにくくなり、これが容易に回転できる構成を有している。
握り操作部63の柄本体部12側の底板67は、幅方向に膨出した環状の膨出部68を備え、この膨出部68は柄本体部12の側面に幅方向に向けて突出形成された環状の外被部材70によって形成される凹部71に入り込んでいる。操作ダイヤル62の幅B3、柄部2の幅B2、およびヘッド5の幅B1の関係は、操作ダイヤル62を、ねじ部材74によって取付け部57に取付けた際に、操作ダイヤル62がヘッド5の幅方向最大突出部(例えば延長部31の最大幅部分の突出部)31aの位置に対してその軸方向投影位置から突出しないか、ほとんど突出しないよう設定されている。
図11(b)に示すように、被規制部55の外周面には周方向等配に歯溝55a,55bが形成されている。図11(c)に示すように、小径プーリ56の外周面に、周方向に等配に小径歯溝75,76が形成されている。前記大径プーリ48の大径歯溝77,78の歯数(例えば20個)は、小径プーリ56の小径歯溝75,76の歯数(例えば10個)の二倍に設定されている。
図9に示すように、前記回動操作部41は、操作ダイヤル62と、小径回転体54とから構成される。さらに、前記伝動部79は、小径プーリ56と、大径プーリ48と、伝動ベルト80とを有する。この構成において、操作ダイヤル62をその軸心62a回りに回転させることで、小径プーリ56が回動、あるいは回転し、それに伴って伝動ベルト80が回転し、伝動ベルト80の回転とともに大径プーリ48がその軸心48a回りに、小径プーリ56に連結伝動して回動あるいは、回転する。なお、図7に示すように、伝動ベルト80の内周面には大径プーリ48、小径プーリ56の外周面の溝76,78に嵌合する歯80aが形成されて、小径プーリ56の回転を確実に大径プーリ48に伝達するよう構成されている。また、図5〜図7では柄本体部11側の断面を示しているが、柄本体部12の下面部にわずかに上方に向けて湾曲するよう突出して伝動ベルト80の下面に当接可能な摺動面11b,12bが形成され、伝動ベルト80が摺動面11b,12bを摺動することで、伝動ベルト80の振動を抑える構成となっている。なお、柄本体部12側の断面を省略しているが、柄本体部12にも上記と同様の構成の摺動面12bを有し、その符号についてはこれらの図を兼用して表している。
小径プーリ56に一体に設けた被規制部55の外周部に形成した歯55aのピッチ角E1と、小径プーリ56の歯75の歯数Z1と、ロックプレート50の歯51のピッチ角E2と、大径プーリ48の歯77の歯数Z2との関係は、
Z2/E1=Z1/E2 ……(1)
に関係付けられている。換言すれば、被規制部55の歯55aのピッチ角E1と大径プーリ48の歯数Z2との比、ロックプレート50の歯51のピッチ角E2と小径プーリ56の歯数Z1との比は、同一となるよう設定されている。
図8および図9に示すように、前記ロック機構36は、阻止部材としてのリンク部材95と、リンク部材95を軸方向に移動させる操作部材としての操作体81と、リンク部材95の先端に形成された第一係合部としてのロック片100と、ロック片100が溝52に嵌合離脱する前記ロックプレート50と、リンク部材95を軸方向に付勢する圧縮ばね106(コイルばね)とから構成されている。前記操作体81は、ロックプレート50の軸心(大径プーリ48の軸心48aと同一)回りの回転をロック(阻止)する、あるいは軸心回りの回転を許容する(ロックを解除する)よう操作するために使用者が回動操作するものである。この操作体81は、第一柄部2Aの上面途中で、大径プーリ48と小径プーリ56との間に位置して、使用者が握って操作する操作片81Aと、この操作片81Aに一体に設けられて、操作片81Aの操作によって第一柄部2A内に設けた幅方向に沿う回動支点部材82回り回動する回動基部83を有する回動片84とから構成されている。柄本体部11,12に回動片84が回動支点部材82回りに回動するのを許容する軸方向の長孔85が形成され、回動片84は長孔85に挿入されている。また、回動片84の回動範囲を制限する制限部86,87が柄本体部11,12の長孔85の軸方向両側に形成されている。回動基部83は、正面視して略矩形(略台形)で板状に形成されている。回動支点部材82は、回動基部83の中心から偏心した位置に配置されているとともに、第一柄部2Aの軸心2a上に柄部2の幅方向に沿って配置されている。
リンク部材95は、回動支点部材82が回動自在に貫通するとともに、支軸部33と小径回転体54との間に配置されて、柄部2の軸方向に沿う板状に形成されている。前記規制部40は、圧縮ばね106と、規制部材105とから構成されている。
図7および図8に示すように、操作体81は、操作片81Aが第一柄部2Aに対して起立した解除姿勢Aと、図5および図6に示すように、この解除姿勢Aから回動支点部材82回りに回動して操作片81Aが柄部2の軸心2aに沿うよう傾倒したロック姿勢Bとに切替え可能に設けられている。さらに図9に示すように、柄本体部11,12の内周面に、幅方向に突出して操作体81の回動基部83の周面に当接する当接部材90が形成されている。この当接部材90は、軸方向に不動である。回動基部83は、その第一当接面91が操作体81の解除姿勢Aで当接部材90の軸方向側面90aに当接し、第二当接面92が操作体81のロック姿勢Bで当接部材90の軸方向側面90aに当接する。第一当接面91と第二当接面92とは円弧状面93で連続している。回動支点部材82の中心から第一当接面91までの距離L2は、回動支点部材82の中心から第二当接面92までの距離L3に比べて大きく設定されるよう、回動支点部材82は、回動基部83の中心から偏心した位置に配置されている。
第一柄部2Aの内部に、リンク部材95を軸方向に案内するガイド96が第一柄部2Aの軸方向一方側に内装配置されている。ガイド96はリンク部材95を軸方向にのみ案内する。更に、ガイド96には、リンク部材95がガイド96から外れないように、ガイドカバー961(一部分のみ図示)が止めネジ962で取付けられている。リンク部材95の軸方向一方側端部、すなわちヘッド側先端部に、操作体81の回動操作に伴うリンク部材95の移動に伴ってロックプレート50の溝52に嵌合離脱するロック片100が形成されている。図12の拡大図に示すように、ロック片100はロックプレート50の溝52とほぼ相似形状に形成されるよう、リンク部材95の板状の本体95Aに比べて上下方向に縮小されている。ロック片100の先端部両側は円弧形状100aとされ、ロック片100は、溝52(歯51)の周方向両側の傾斜面52aに軸方向から当接する傾斜当接面100bを有し、傾斜当接面100bとリンク部材95の本体95Aとは湾曲した肩部100cで連続されている。
リンク部材95の本体95Aの軸方向他方側端部に、柄部2の幅方向一方側向けて本体95Aにほぼ直角な方向に折曲された座面部103が形成されている。座面部103と、前記被規制部55の外周面との間に、被規制部55の外周面に接触可能な規制部材105と、この規制部材105とリンク部材95とを軸方向に離間する方向に付勢する前記圧縮ばね106とが配置されている。柄本体部11の内側面には、規制部材105と圧縮ばね106を軸方向に案内する案内部97が一体に設けられている。規制部材105は、その軸方向他方側に先端面を半球面とした第二係合部としての先端部107と、この先端部107の軸方向一方側に一体に形成されて幅方向に膨出する座面部104と、圧縮ばね106の内部に挿入されるガイド部108とから合成樹脂で一体に形成されている。
さらに、規制部材105が軸方向他方側へ移動するのを阻止する阻止片102が設けられている。この阻止片102は、座面部104と被規制部55との間に配置され、柄本体部11の内側面から幅方向へ突出するよう一体に形成されている。前記案内部97は、前記阻止片102と、阻止片102の軸方向一方側でこれに平行に配置された側壁部110と、阻止片102と側壁部110とを上部どうしで連接する天壁部111と、阻止片102と側壁部110とを下部どうしで連接する底壁部112とから幅方向一方側を開放した断面コ字形状の溝に形成されている。阻止片102には、先端部107の途中を案内する凹部102aが幅方向一方側から他方側に向けて形成されている。リンク部材95の座面部103は案内部97に挿入され、座面部103を一方の座面として圧縮ばね106が軸方向他方側に向けて延長され、圧縮ばね106に規制部材105のガイド部108が挿入され、圧縮ばね106は規制部材105の座面部104を他方の座面とし、規制部材105の先端部107が凹部102aに遊嵌している。
上記構成において、第二柄部2Bにあって、且つ使用者に対し手前側にある操作片35を、例えばスライド操作して、不図示のメインスイッチをオンしてモータ21を駆動することで、駆動機構30が駆動して可動ブレード7,8が往復動するする。そして使用者は柄部2を持って刈払い装置1全体を持上げるようにして高所の枝葉に刈刃部3を当て枝葉を刈払いすることができる。
ところで、このような枝葉の刈払い作業の際、安全のために柄部2に対して刈刃部3が使用者の意に反して回動しないよう固定しておく必要がある。すなわち、操作体81が第一柄部2Aの軸心2aに沿うよう傾倒したロック姿勢Bでは、図5、図6および図12(仮想線)に示すように、ロック機構36のロック片100がロックプレート50の溝52のひとつに嵌合した状態にあり、且つリンク部材95はロック機構36の圧縮ばね106によって軸方向一方側に押圧されているから、ヘッド5、すなわち刈刃部3は、柄部2に対して一定の傾斜角度θが保持された状態、すなわちロック状態にあって、柄部2に対してヘッド5および刈刃部3が回動してしまう状態を防止していることから、安全性が確保されている。また、回動基部83の第二当接面92が当接部材90の軸方向側面90aに当接(べた当り)しており、且つ圧縮ばね106によって、リンク部材95および回動支点部材82は軸方向一方側に押圧されている。さらに、回動支点部材82は第一柄部2Aの軸心2a上(リンク部材95の軸心上でもある)に配置されている。したがって、圧縮ばね106の弾性がリンク部材95を介して回動支点部材82に働いても、リンク部材95を軸方向一方側に押圧する力としてしか働かないから、リンク部材95、特に回動基部83を回動支点部材82回りに回転させるモーメント力とはならない。したがって、操作体81をロック姿勢Bとすることにより、確実にロック片100がロックプレート50の溝52のひとつに軸方向から嵌合した状態が確保されるから、ヘッド5(駆動部4)、刈刃部3がある重量を有していても、柄部2に対して刈刃部3が、所定の傾斜角度θでもって確実に保持される。
ところで、枝葉の位置や使用者の使い易さのために柄部2に対して刈刃部3の傾斜角度θを変更したい場合が生じる。この場合、操作体81を柄部2の軸心2aに沿うよう傾倒したロック姿勢Bから、回動支点部材82回りに時計方向D2に回動させて、図3、図7および図8に示すように、操作片81Aが柄部2に対して起立した解除姿勢Aとする。操作体81をロック姿勢Bから解除姿勢Aとするとき、ロック姿勢Bでは回動基部83の第二当接面92が当接部材90の軸方向側面90aに当接していた。しかし操作体81をロック姿勢Bから解除姿勢Aに向けて回動支点部材82回りに時計方向D2に回動すると、第二当接面92が当接部材90の軸方向側面90aから離れるよう回動支点部材82回りに時計方向D2に回動し、ほぼ同時に円弧状面93が当接部材90の軸方向側面90aに摺動しながら回動支点部材82回りに時計方向D2に回動し、円弧状面93が当接部材90の軸方向側面90aを離れると、今度は第一当接面91が当接部材90の軸方向側面90aに当接(べた当り)し、操作体81はロック姿勢Bから起立した解除姿勢Aとなる。
回動支点部材82から第一当接面91までの距離L2は、回動支点部材82から第二当接面92までの距離L3に比べて大きく設定されているから、操作体81をロック姿勢Bから解除姿勢Aに切替えるとき、リンク部材95は圧縮ばね106を軸方向に縮ませる方向である軸方向他方側に移動することになり、圧縮ばね106は軸方向の力を大きく受けることになり、その分だけ規制部材105を軸方向他方側に押圧する力が増大する。ここで、操作体81をロック姿勢Bから解除姿勢Aとすると、回動基部83の第一当接面91が当接部材90の軸方向側面90aに当接し、回動支点部材82はリンク部材95の軸心上にあるから、圧縮ばね106の弾性力が、リンク部材95を介して操作体81の回動基部83に働いたとしても、これがリンク部材95、特に回動基部83を回動支点部材82回りに回転させるモーメント力とはならず、したがって、操作体81がロック姿勢Bに復帰してしまうのを確実に防止できる。
ところで上記したように、操作体81の解除姿勢Aではロック姿勢Bにくらべて圧縮ばね106は縮んで、その分だけ規制部材105を軸方向他方側に押圧する力が増大する。したがって、阻止片102がなければ圧縮ばね106は小径回転体54側に移動することになる。したがって、阻止片102の存在によって圧縮ばね106は縮まっても軸方向他方側に移動することはない。しかし、操作体81を解除姿勢Aとすることにより、圧縮ばね106に働く負荷が規制部材105の座面部104を軸方向他方側へ強く押圧することになる。これにより、規制部材105の先端部107(先端が半球面)が、被規制部55の外周面を強く所定の押圧力で押圧することになって、被規制部55の軸心回りの回転が規制される。そして、被規制部55と小径プーリ56とは一体で回転し、小径プーリ56と大径プーリ48とは伝動ベルト80で連結されており、大径プーリ48とヘッド5は一体で回転するから、被規制部55の回転が規制されると、ヘッド5、すなわち刈刃部3が柄部2に対して、その自重で回動動作してしまうのを規制することができる。
ここで、図11に示すように、被規制部55の外周面には歯溝55a,55bが形成されているから、操作体81をロック姿勢Bから解除姿勢Aしたとき、規制部材105の先端部107が歯55aの外周面に当接する場合と、溝55bに入り込む場合とが想定される。規制部材105の先端部107が歯55aの外周面に当接した場合、圧縮ばね106の弾性力に相当する分だけの規制力(この場合、先端部107が歯55aの外周面に接触した際の摩擦力)でもって、刈刃部3の姿勢が規制される。規制部材105の先端部107が溝55bに入り込んだ場合は、先端部107と溝55bとの係合力が圧縮ばね106の弾性力に加算され、いっそう確実に刈刃部3の回動動作を規制し、安全を確保することができる。このように、操作体81を解除姿勢Aとしてロック片100がロックプレート50の溝52から離間しても、柄部2に対して刈刃部3が回動してしまうのを所定の摩擦力でもって規制するから、柄部2に対する刈刃部3の傾斜角度θを変更しようとするとき、使用者の意に反して刈刃部3、ヘッド5がその自重で支軸部33回りに回動してしまうのを阻止することができる。
次に、例えば使用者は、一方の手で柄部2を握って、他方の手で上記のようにして操作体81をロック姿勢Bから解除姿勢Aすることで、ヘッド5のロック状態を解除した後は、他方の手で操作ダイヤル62を握って、これを圧縮ばね106の弾性に抗して回転させるようにする。このとき、操作ダイヤル62の握り操作部63は、小径プーリ56に比べて大径に形成されているから、操作ダイヤル62を回転させることで小径プーリ56を容易に回転させ得る。ここで、仮に、操作体81をロック姿勢Bから解除姿勢Aしたとき、規制部材105の先端部107が歯55aの外周面に当接していたとして、操作ダイヤル62をわずかに回転させることで、先端部107は被規制部55の溝55bに嵌合することになる。このとき規制部材105は圧縮ばね106によって押圧されているから、先端部107が溝55bに嵌合する際には、例えば嵌合する際の感触が使用者に発生する。あるいは、先端部107が溝55bに嵌合する際の嵌合音が発生する。
使用者は、圧縮ばね106の弾性力、および先端部107と溝55bとの嵌合力に抗してさらに操作ダイヤル62を回転させることで小径プーリ56がその軸心62a回りに回転する。規制部材105と先端部107との関係としては、先端部107が歯55a、溝55b、歯55a、溝55b……というふうに押圧嵌合を繰返すことになるから、使用者にクリック感が得られる。小径プーリ56を回転させると、これに伝動ベルト80を介して連結されている大径プーリ48が、小径プーリ56に比べて少ない角度回転する。したがって、使用者は刈刃部3を柄部2に対して必要な角度だけ、且つその角度を細かく調節しながら回動させることが可能となる。なお、圧縮ばね106は、ロックを解除した状態だけでなく、ロック状態においても被規制部55を押圧付勢していることで、ロック状態からロックを解除した状態に移る際に、圧縮ばね106によって支軸部33の回動動作を規制するための規制力を、ロックの解除とほぼ同時に支軸部33に対して付与することができる。
そして使用者は、刈刃部3を所望の角度だけ回動させたら、再び、操作体81を解除姿勢Aからロック姿勢Bに戻す。そうすると、回動基部83の第一当接面91が当接部材90の軸方向側面90aに当接していた状態から円弧状面93が軸方向側面90aに摺接しながら、操作体81がロック姿勢Bとなった状態で第二当接面92が軸方向側面90aに当接する。回動支点部材82から第二当接面92までの距離L3と、第一当接面91までの距離L2とは上記のように設定されているから、回動基部83が回動支点部材82回りに反時計方向D1回りに回動すると、リンク部材95は、ガイド96によって軸方向一方側に向けて案内される。そしてリンク部材95の先端のロック片100がリンク部材95の移動に伴ってロックプレート50の溝52に嵌合し、これによってロックプレート50の軸心回りの回転が阻止され、ロックプレート50と一体に回転する大径プーリ48の回転が阻止され、したがって柄部2に対し刈刃部3が所定の傾斜角度θで固定される。ロック片100は、溝52の周方向両側の傾斜面52aに軸方向から当接する傾斜当接面100bを有しており、ロック片100は、溝52に嵌合したときに、傾斜面52aに傾斜当接面100bが当接することで、ヘッド5のガタつきを効果的に防止することができる。さらに、傾斜面52aはロック片100が溝52に嵌合するときのガイドとなり、ロック片100が溝52に入り易いよう案内する。ロック片100の先端部両側は円弧形状100aとされているから、ロック片100はいっそう円滑に溝52に入り易い構成となっている。
ところで上述したように、小径プーリ56に一体に設けた被規制部55の外周部に形成した歯55aのピッチ角E1と、小径プーリ56の歯75の歯数Z1と、ロックプレート50の歯51のピッチ角E2と、大径プーリ48の歯77の歯数Z2との関係は、
Z2/E1=Z1/E2 ……(1)
に関係付けられている。このようにE1、Z1、E2、Z2の関係が設定されていることで、規制部材105の先端部107が被規制部55の溝55bに嵌合した場合、その状態で操作体81をロック姿勢Bに操作してリンク部材95を軸方向一方側に移動すると、ロック片100がロックプレート50の溝52に嵌合することになる。そして、上述したように、先端部107が溝55bに嵌合する際には、例えば嵌合する際の感触が使用者に発生し、あるいは嵌合音が発生することから、使用者は操作体81をロック姿勢Bとすることで、ロック片100がロックプレート50の溝52に確実に嵌合したことを知ることができる。したがって、使用者はロック状態になったかどうかといった不安なく、安心して刈払い作業を行うことができる。さらに、操作体81は柄部2にあって、且つヘッド5よりも手前に設けてあり、操作ダイヤル62はさらに手前に設けてあるから、上記のような刈刃部3の傾斜角度θの調節は、使用者が刈払い装置1の柄部2を持って、高所の枝葉の刈払い作業を行っているときであっても可能な作業となる。
なお、案内部97の阻止片102とリンク部材95の座面部103との間には、圧縮ばね106が配設されており、規制部材105を軸方向他方側に押圧しているが、操作体81を解除姿勢Aからロック姿勢Bとすることでリンク部材95が軸方向一方側に移動し、圧縮ばね106が軸方向に伸びる。したがって、圧縮ばね106が規制部材105を押圧する弾性力は、前述の規制力に比べて弱くなっている。しかし、このように操作体81を解除姿勢Aからロック姿勢Bしても圧縮ばね106によって規制部材105を軸方向他方側に押圧しているから、再び操作体81をロック姿勢Bから解除姿勢Aとするとき、圧縮ばね106によって規制部材105を介して良好な反応性をもって被規制部55に規制力を付与することができる。
上記のように、使用者は、柄部2に対する刈刃部3の傾斜角度θを変更する場合、一方の手で柄部2を握って、他方の手で操作体81をロック姿勢Bから解除姿勢Aし、他方の手で操作ダイヤル62を握ってこれを回転させ、他方の手で再び操作体81をロック姿勢Bとするといった簡単な操作で、柄部2に対して刈刃部3の傾斜角度を、刈払い作業し易い傾斜角度θに変更することが可能である。
また、操作ダイヤル62は、ねじ部材74によって取付け部57に取付けた際に、ヘッド5の幅方向最大突出部31aからほとんど突出しない前記幅B3を有し、且つヘッド5の幅方向最大突出部31aから突出しないよう柄部2に取付けられているから、例えば塀際の刈払い作業の際であっても、従来から存在するヘッド5から幅方向に突出する部分がない構成となっている。したがって、この実施形態のように、操作ダイヤル62を特別に柄部2に設けたとしても、そのことによる刈払い作業時の作業性の低下を防止することができる。
また、大径プーリ48と小径プーリ56とは伝動ベルト80で連結されている。したがって、軸方向長さの異なる伝動ベルト80を使用することで、操作ダイヤル62をさらに手前側に配置することも可能となり、この場合、いっそう使い易さを向上させることができる。さらに、大径プーリ48と小径プーリ56との直径比を変更することで、操作ダイヤル62を回転操作する際に必要な回動操作力を、軽くなるよう調整することも可能である。操作ダイヤル62の直径は、使用者が扱い易い(回転操作し易い)径に設定可能なことは勿論であり、操作ダイヤル62の直径を大きくすれば、その分だけ小さい回転操作力でもって刈刃部3を回動操作することが可能となる。
図13および図14、図15および図16は、それぞれ別の実施形態を示す正面断面図である。これら別の実施形態が図1〜図12に示した実施形態と異なる主要な部分は、操作片(メインスイッチ)35の操作とは別に働く安全確保のためのリミットスイッチ150を設けたことにある。
まず、図13および図14に示す別の実施形態では、リミットスイッチ150を第一柄部2Aに配置するために、第一柄部2Aのうちリンク部材95の下部に相当する一部をさらに下方に膨出させ正面視して三角形状の収納部151を形成し、リミットスイッチ150を収納部151に配設している。このリミットスイッチ150は、第一柄部2Aの内側面にねじで取付けたり、あるいは第一柄部2Aの内側面にリミットスイッチ150嵌合用の溝を形成してその溝に嵌合さたりすることで、第一柄部2Aに固定されている。且つリミットスイッチ150は、電気的には、モータ21と操作片(メインスイッチ)35とを結ぶ配線34(リード線)の間に配置されている。
リミットスイッチ150に、そのリミットスイッチ本体152の軸方向一方側(上面前方寄り)にスイッチ操作用突起159が配置されており、リンク部材95の下面に、その軸方向への移動に伴ってスイッチ操作用突起159を押圧・解除するための押圧片153が一体的に形成されている。リンク部材95と、リミットスイッチ150とは、これら位置関係が、図13に示すように、操作体81を解除姿勢Aとした状態では、リンク部材95の押圧片153がリミットスイッチ150のスイッチ操作用突起159から軸方向(この場合、軸方向他方側)に離間し、且つ図14に示すように、操作体81をロック姿勢Bとした際、リンク部材95の押圧片153がリミットスイッチ150のスイッチ操作用突起159とはほぼ軸方向同位置になるよう関係付けられている。且つスイッチ操作用突起159を押圧する面である押圧片153の下面153aの位置と、リミットスイッチ本体152の上面152aの位置とは、ほぼ同一面上になるよう関係付けられている。さらに、押圧片153の軸方向両側、少なくとも軸方向一方側はリンク部材95の本体95Aに向かって軸方向一方側に上傾斜する傾斜面153bとされている。
すなわち図14に示すように、操作体81をロック姿勢Bとした際にリンク部材95が軸方向一方側に移動して押圧片153が移動することに伴い、スイッチ操作用突起159はリミットスイッチ本体152側(下方)に後退して、リミットスイッチ150がオンとなる。このとき、押圧片153の少なくとも軸方向一方側はリンク部材95に向かって軸方向一方側に傾斜する傾斜面153bとされているから、この斜面153bによって、リンク部材95が小さな力であっても容易にスイッチ操作用突起159側へ移動してこれを押圧し、リミットスイッチ150をオンすることができる。そして、リミットスイッチ150がオンとなることで電源とモータ21とが通電可能な状態となり、メインスイッチ操作用の操作片35をメインスイッチがオンとなる方向にスライドさせることで、モータ21が駆動し、刈刃部3が駆動する。
図13に示すように、操作体81を解除姿勢Aとした際には、リンク部材95が軸方向他方側に移動して押圧片153が移動することに伴い、スイッチ操作用突起159はリミットスイッチ本体152から突出してリミットスイッチ150がオフとなる。したがって、リミットスイッチ150がオフとなることで、電源とモータ21とが通電不可能な状態となり、メインスイッチ操作用の操作片35をメインスイッチがオンとなる方向にスライドさせても、モータ21は駆動せず、刈刃部3は駆動しない。つまり、操作体81を解除姿勢Aとして、刈刃部3が支軸部33回りに回動可能な状態では、刈刃部3を駆動させないように制御しているから、刈払い装置1における柄部2に対する刈刃部3の傾斜角度の変更操作を、極めて安全に行い得る。他の構成は、図1〜図12に示した刈払い装置1と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。また、リミットスイッチ150を設けたことによる作用効果以外の作用効果は上記実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、図15および図16に示す実施形態が、図13および図14示した実施形態と異なる部分を説明する。図13および図14示した実施形態では、リミットスイッチ150のスイッチ操作用突起159を操作する押圧片153をリンク部材95に一体に形成したが、図15および図16に示す実施形態では、押圧片153を操作体81の回動基部83に一体に形成している。すなわち、操作体81は、押圧片153と、回動基部83を有する回動片84とを備えている。回動基部83は第一当接面91と、第二当接面92と、第二当接面92に連続する操作面154とを有し、この操作面154に、その長手方向に延長する方向に突出する前記押圧片153が形成されている。第二当接面92と操作面154とは、円弧状面94により連続している。
操作体81と、リミットスイッチ150とは、これら位置関係が、操作体81を解除姿勢Aとした状態では、操作体81、特に回動基部83はリミットスイッチ150(スイッチ操作用突起159)から離間し、反対に操作体81をロック姿勢Bとした際、操作面154とリミットスイッチ本体152の上面152aとはほぼ同一面上になるよう関係付けられている。特に、操作体81を解除姿勢Aとしているときは、第二当接面92と操作面154とを前記円弧状面94で連続させている構成とすることで、回動基部83がリミットスイッチ150のスイッチ操作用突起159を押圧してしまう状態を確実に防止している。
図16に示すように、操作体81をロック姿勢Bとする際、回動支点部材82回りに回動基部83が回動する動作に伴い(第二当接面92が当接部材90の側面90aに当接するのに伴い)、操作面154の長手方向に延長する押圧片153によってリミットスイッチ150のスイッチ操作用突起159が上方から押圧されてリミットスイッチ本体152内に押し下げられ、リミットスイッチ150がオンとなる。リミットスイッチ150がオンとなることで、電源とモータ21とが通電可能な状態となり、メインスイッチ操作用の操作片35をメインスイッチがオンとなる方向にスライドさせることで、モータ21が駆動し、刈刃部3が駆動する。
図15に示すように、操作体81を解除姿勢Aとした際には、操作体81の回動基部83も共に回動支点部材82回りに回動し、押圧片153の操作面154がリミットスイッチ本体152から周方向に離間し、リミットスイッチ本体152からスイッチ操作用突起159が突出してリミットスイッチ150がオフとなる。これによって、電源とモータ21とが通電不可能な状態となり、メインスイッチ操作用の操作片35をメインスイッチがオンとなる方向にスライドさせても、モータ21は駆動せず、刈刃部3は駆動しない。つまり、操作体81を解除姿勢Aとして、刈刃部3が支軸部33回りに回動可能な状態では、刈刃部3を駆動させないように制御しているから、刈払い装置1における柄部2に対する刈刃部3の傾斜角度θの変更操作を、極めて安全に行い得る。他の構成は、図1〜図12に示した刈払い装置1と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。また、また、リミットスイッチ150を設けたことによる作用効果以外の作用効果は、図13および図14で示した実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
なお、上記実施形態では、規制部40の動作はロック機構36の動作に連動させたがこれに限定されるものではない。すなわち、少なくとも操作レバー81を解除姿勢Aとした時点で、柄部2に対してヘッド5(刈刃部3)がフリーとなってしまう状態を回避することができればよいから、例えば、規制部材105および圧縮ばね106は被規制部55の軸方向他方側に配置して、常に一定の弾性力でもって被規制部55に所定の回転規制力を付与する構成とすることも可能である。すなわち、ロック状態、ロックの解除状態とは無関係に、柄部2に対して刈刃部3が回動してしまうのを所定の規制力で規制する構成である。このように、操作レバー81の姿勢にかかわらず、被規制部55に対して所定の規制力を付与しておくことでも、安全性を確保することができる。さらに、上記実施形態では、圧縮ばね106は、規制部材105、小径回転体54、伝動ベルト80を介して間接的に支軸部33に所定の規制力を付与するよう構成したが、これに限定されるものではく、支軸部33に直接的に規制力を付与する構成とすることも可能である。
さらに、大径プーリ48と小径プーリ56とは伝動ベルト80でもって連結したが、これに限定およびされるものではなく、伝動ベルト80の代わりにチェーンを用いて大径プーリ48と小径プーリ56とを同期して回動させてもよいし、大径プーリ48と小径プーリ56との間にギヤを噛ませて大径プーリ48と小径プーリ56とを連動させる構成であってもよい。
1…刈払い装置、2…柄部、3…刈刃部、4…駆動部、5…ヘッド、2A…第一柄部、30…駆動機構、36…ロック機構、37…保持操作部、38…解除用操作部材、40…規制部、41…角度調整部、48…大径プーリ、50…ロックプレート、56…小径プーリ、62…操作ダイヤル、81…操作片、82…回動支点部材、83…回動基部、84…回動片、100…ロック片、95…リンク部材、105…規制部材、106…圧縮ばね