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JP2006060912A - 電力変換装置およびそれを備えた車両 - Google Patents

電力変換装置およびそれを備えた車両 Download PDF

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JP2006060912A JP2004239674A JP2004239674A JP2006060912A JP 2006060912 A JP2006060912 A JP 2006060912A JP 2004239674 A JP2004239674 A JP 2004239674A JP 2004239674 A JP2004239674 A JP 2004239674A JP 2006060912 A JP2006060912 A JP 2006060912A
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Abstract

【課題】 マトリックスコンバータを用いて複数の直流電源および電気負荷の間で相互に電力の変換を行ない、かつ、マトリックスコンバータのスイッチの数を削減した電力変換装置を提供する。
【解決手段】 燃料電池FCおよびバッテリBATは、マトリックスコンバータMCに並列に接続される。燃料電池FCの負極端子およびバッテリBATの正極端子は、共通の電源ラインLBを介してマトリックスコンバータMCと接続される。また、燃料電池FCの正極端子が接続される電源ラインLAに接続される第1のスイッチ群54は、片方向性スイッチSAa〜SAcで構成される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電力変換装置およびそれを備えた車両に関し、特に、マトリックスコンバータを用いた電力変換装置およびそれを備えた車両に関する。
従来より、電気自動車の一形態として直流電源に燃料電池を用いた燃料電池車が知られている。燃料電池車においては、動力源としての交流モータの回生時に発生した回生エネルギーを回収するための二次電池が一般に備えられている。そして、このような燃料電池車においては、燃料電池および/または二次電池から出力される直流電力を交流電力に変換して交流モータに供給したり、交流モータの回生動作時に発生した交流電力を直流電力に変換して二次電池を充電したり、さらには、燃料電池からの直流電力を所定の直流電圧に電圧変換して二次電池を充電したりするなど、燃料電池、二次電池および交流モータ間で様々な電力変換が行なわれる。
従来より、このような複数の直流電源および交流モータ間で電力の変換を行なう電力変換装置としては、直流−交流変換を行なうインバータと、直流間で電圧変換を行なうコンバータとを組合わせた電力変換装置が一般に用いられている。
一方、近年、電力変換装置としてマトリックスコンバータが注目されている。マトリックスコンバータは、電流を双方向に流すことができる複数の双方向性スイッチを用いてPWM(Pulse Width Modulation)制御を行なうことにより、任意の周波数の電力を直接生成することができる。そして、マトリックスコンバータは、上述した従来の電力変換装置に設けられている直流リンク部を備えないため装置を小型化することができ、また、小容量のスイッチを用いて大容量かつ高効率の電力変換を実現できるなどの特徴を有するため、特に小型化や高効率化に対する要求特性の高い電気自動車やハイブリッド自動車においては、マトリックスコンバータに対する期待が高い。
このようなマトリックスコンバータの構成の一例を示すものとして、特表2002−534050号公報(特許文献1)は、3行3列に配置された9個の双方向スイッチからなるマトリックスコンバータの構成を開示する。
特表2002−534050号公報
しかしながら、マトリックスコンバータを用いた電力変換装置を燃料電池車などの車両に適用する場合、以下の課題解決が望まれている。
第1に、マトリックスコンバータを構成するスイッチの数を削減することである。マトリックスコンバータは、一般に、多数のスイッチング素子を必要とする。上述のように、マトリックスコンバータは、直流リンク部を備えていないため、従来の電力変換装置と比べて小型ではあるが、コスト面や、小型化が強く要求される車両への実装面などから、スイッチの削減が望まれる。
第2に、任意の電圧レベルでモータの回生動作を実現することである。従来の電力変換装置では、回生動作が正常に行なわれるためには、回生動作時におけるモータの起電圧が二次電池の電圧レベルよりも低い必要があった。そこで、回生電力の回収効率を高めるため、モータの起電圧が二次電池の電圧レベルより高いときにも、二次電池への回生転流を行なうことができる電力変換装置が望まれる。
そして、特許文献1に開示されたマトリックスコンバータを含め、従来のマトリックスコンバータでは、このような課題を解決することはできない。
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、マトリックスコンバータを用いて複数の直流電源および電気負荷の間で相互に電力の変換を行ない、かつ、マトリックスコンバータのスイッチの数を削減した電力変換装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、マトリックスコンバータを用いて複数の直流電源および電気負荷の間で相互に電力の変換を行ない、かつ、任意の電圧レベルで電気負荷の回生動作を実現する電力変換装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、マトリックスコンバータを用いて複数の直流電源および電気負荷の間で相互に電力の変換を行ない、かつ、マトリックスコンバータのスイッチの数を削減した電力変換装置を備えた車両を提供することである。
また、この発明の別の目的は、マトリックスコンバータを用いて複数の直流電源および電気負荷の間で相互に電力の変換を行ない、かつ、任意の電圧レベルで多相交流回転機の回生動作を実現する電力変換装置を備えた車両を提供することである。
この発明によれば、電力変換装置は、第1および第2の直流電源ならびに電気負荷に接続され、かつ、第1の直流電源と第2の直流電源と電気負荷との間で相互に電力変換を行なうマトリックスコンバータと、マトリックスコンバータの動作を制御する制御装置とを備え、第1および第2の直流電源は、マトリックスコンバータに並列に接続され、第1の直流電源の負極端子および第2の直流電源の正極端子は、共通の第1の電源ラインを介してマトリックスコンバータと接続される。
好ましくは、第1の直流電源は、燃料電池であり、第2の直流電源は、二次電池であり、マトリックスコンバータは、燃料電池の正極端子が接続される第2の電源ラインに接続される複数の片方向性スイッチと、第1の電源ライン、および二次電池の負極端子が接続される第3の電源ラインにそれぞれ接続される複数の双方向性スイッチとを含む。
好ましくは、電力変換装置は、第1の直流電源に並列に第1および第2の電源ライン間に設けられる第1のコンデンサと、第2の直流電源に並列に第1および第3の電源ライン間に設けられる第2のコンデンサと、第1から第3の電源ラインに接続されるチョッパ回路とをさらに備え、制御装置は、燃料電池からの電力または第1のコンデンサに蓄えられた電力が降圧されて二次電池に供給されるようにチョッパ回路をさらに制御する。
好ましくは、電気負荷は、交流回転機であり、交流回転機の回生動作時における交流回転機の最大起電圧が二次電池の端子間電圧以下のとき、制御装置は、交流回転機からの回生電力が二次電池に直接供給されるようにマトリックスコンバータを制御し、交流回転機の最大起電圧が二次電池の端子間電圧よりも高いとき、制御装置は、第1および第2のコンデンサに回生電力が一時的に蓄えられるようにマトリックスコンバータを制御し、その後、第1のコンデンサに蓄えられた電力を降圧して二次電池に供給するようにチョッパ回路を制御する。
好ましくは、チョッパ回路は、第2の電源ラインに一端が接続されるスイッチと、スイッチの他端と第1の電源ラインとの間に設けられるコイルと、スイッチおよびコイルの接続点と第3の電源ラインとの間に設けられ、接続点および第3の電源ラインにそれぞれカソードおよびアノードが接続される還流ダイオードとを含む。
好ましくは、電力変換装置は、第1の直流電源に並列に第1および第2の電源ライン間に設けられる第1のコンデンサと、第2の直流電源に並列に第1および第3の電源ライン間に設けられる第2のコンデンサと、電気負荷に接続される第4の電源ラインと、第1および第4の電源ライン間に設けられるスイッチとをさらに備え、電気負荷は、交流回転機であり、第4の電源ラインは、交流回転機の中性点に接続され、制御装置は、交流回転機のコイル、第4の電源ライン、スイッチおよびマトリックスコンバータを用いて構成されるチョッパ回路によって、燃料電池からの電力または第1のコンデンサに蓄えられた電力を降圧して二次電池に供給するようにスイッチおよびマトリックスコンバータを制御する。
好ましくは、交流回転機の回生動作時における交流回転機の最大起電圧が二次電池の端子間電圧以下のとき、制御装置は、交流回転機からの回生電力が二次電池に直接供給されるようにマトリックスコンバータを制御し、交流回転機の最大起電圧が二次電池の端子間電圧よりも高いとき、制御装置は、第1および第2のコンデンサに回生電力が一時的に蓄えられるようにマトリックスコンバータを制御し、その後、スイッチをオンさせるとともに、第1のコンデンサに蓄えられた電力をチョッパ回路により降圧して二次電池に供給するようにマトリックスコンバータを制御する。
好ましくは、チョッパ回路は、チョッパ動作を行なう少なくとも1つの片方向性スイッチと、交流回転機のコイルと、第4の電源ラインと、スイッチと、二次電池の負極から、交流回転機のコイルおよび中性点、第4の電源ライン、スイッチならびに第1の電源ラインを介して二次電池の正極に電流を還流させるための、第3の電源ラインに接続された少なくとも1つの双方向性スイッチとによって構成される。
また、この発明によれば、車両は、上述したいずれかの電力変換装置を備える。
この発明による電力変換装置においては、第1および第2の直流電源は、マトリックスコンバータに並列に接続され、第1の直流電源の負極端子および第2の直流電源の正極端子は、共通の第1の電源ラインを介してマトリックスコンバータと接続されるので、第1および第2の直流電源をマトリックスコンバータと接続する電源ラインの数が削減される。
したがって、この発明によれば、電源ラインを共通化することなく第1および第2の直流電源をマトリックスコンバータに単純に並列に接続した場合に比べて、マトリックスコンバータを構成するスイッチの数が削減される。
また、この発明による電力変換装置によれば、第1の直流電源を構成する燃料電池の正極端子が接続される第2の電源ラインに接続されるマトリックスコンバータのスイッチを片方向性スイッチで構成したので、マトリックスコンバータを構成するパワー半導体素子の数をさらに削減することができる。
また、この発明による電力変換装置においては、第1および第2のコンデンサとチョッパ回路とが備えられ、制御装置は、交流回転機の回生動作時における最大起電圧が二次電池の電圧レベルよりも高いとき、第1および第2のコンデンサに回生電力が一時的に蓄えられるようにマトリックスコンバータを制御し、その後、第1のコンデンサに蓄えられた電力を降圧して二次電池に供給するようにチョッパ回路を制御するようにしたので、回生電力の電圧レベルが高くなる交流回転機の高速回転時においても、交流回転機から二次電池への回生動作が実行される。
したがって、この発明によれば、任意の回生電圧すなわち任意の回転速度で交流回転機の回生動作を実現することができ、その結果、回生電力の回収効率が向上する。
また、この発明による電力変換装置においては、交流回転機のコイル、第4の電源ライン、スイッチおよびマトリックスコンバータを用いてチョッパ回路が構成されるので、コイルを別途設けることなくチョッパ回路が構成され、このチョッパ回路を用いることによって、回生電力の電圧レベルが高くなる交流回転機の高速回転時においても、交流回転機から二次電池への回生動作が実行される。
したがって、この発明によれば、チョッパ回路を構成するための装置体格の増大を抑えたうえで、任意の回生電圧すなわち任意の回転速度で交流回転機の回生動作を実現することができる。
また、この発明による車両によれば、上述した電力変換装置を備えるので、車両において特に強く要求される小型化および静粛性の向上が実現される。また、任意の速度領域で交流回転機の回生動作を実現できるので、エネルギー効率が向上する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による電力変換装置が搭載された燃料電池車における電力システムの主要部の構成を示す電気回路図である。
図1を参照して、この電力システム10は、燃料電池FCと、バッテリBATと、モータジェネレータMGと、マトリックスコンバータMCと、コンデンサC1,C2と、片方向性スイッチSAdと、リアクトルLと、ダイオードD1と、電源ラインLA〜LD,La〜Ldと、制御装置52とを備える。
燃料電池FCは、電源ラインLA,LBを介してマトリックスコンバータMCと接続され、バッテリBATは、電源ラインLB,LCを介してマトリックスコンバータMCと接続される。すなわち、燃料電池FCおよびバッテリBATは、並列にマトリックスコンバータに接続され、かつ、電源ラインLBが共通化されている。そして、電源ラインLA,LB間にコンデンサC1が設けられ、電源ラインLB,LC間にコンデンサC2が設けられる。
また、モータジェネレータMGは、電源ラインLa〜Lcを介してマトリックスコンバータMCと接続される。片方向性スイッチSAdは、電源ラインLA,LD間に接続され、リアクトルLは、電源ラインLD,LB間に接続される。ダイオードD1は、アノードおよびカソードがそれぞれ電源ラインLC,Ldに接続される。
燃料電池FCは、たとえば水素などの燃料と酸化剤との化学反応によって発生する化学反応エネルギーから電気エネルギーを得る直流電力発電電池である。燃料電池FCは、発電した直流電力をマトリックスコンバータMCに供給する。バッテリBATは、たとえば、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池である。バッテリBATは、直流電力をマトリックスコンバータMCに供給するとともに、マトリックスコンバータMCから受ける直流電力によって充電される。なお、燃料電池FCの端子間電圧は、たとえば400V程度であり、バッテリBATの端子間電圧は、たとえば200V程度である。
モータジェネレータMGは、3相交流同期電動発電機であり、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ(図示せず)と、回転磁界を形成する3相コイルが巻回されたステータ(図示せず)とを含む。モータジェネレータMGは、永久磁石による磁界と3相コイルによって形成される磁界との相互作用によりロータを回転駆動する電動機として動作するとともに、永久磁石による磁界とロータの回転との相互作用により3相コイルの両端に起電力を生じさせる発電機として動作する。
マトリックスコンバータMCは、第1および第2のスイッチ群54,56を含む。第1のスイッチ群54は、片方向性スイッチSAa〜SAcからなり、第2のスイッチ群56は、双方向性スイッチSBa〜SBc,SCa〜SCcからなる。そして、各スイッチSXy(「X」はA〜Cを表し、「y」はa〜cを表す。)は、それぞれ電源ラインLX,Ly間に設けられ、制御装置52からの制御信号に応じてオン/オフ動作を行なう。
片方向性スイッチSAa〜SAcの各々は、パワートランジスタと、それに逆並列に接続されるダイオードとからなる。パワートランジスタは、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)からなる。双方向性スイッチの構成については、後ほど説明する。
このマトリックスコンバータMCは、燃料電池FCとバッテリBATとモータジェネレータMGとの間で相互に電力変換を行なう。また、マトリックスコンバータMCは、燃料電池FCおよびバッテリBATを直列に接続して直流電源を高電圧化し、その高電圧化された直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータMGへ出力することができる。マトリックスコンバータMCの動作については、後ほど、燃料電池FCとバッテリBATとモータジェネレータMGとの間におけるパワーフローパターンごとに詳しく説明する。
片方向性スイッチSAdは、第1のスイッチ群54における片方向性スイッチSAa〜SAcと同様に、たとえばIGBTからなるパワートランジスタと、それに逆並列に接続されるダイオードとからなる。そして、片方向性スイッチSAdは、制御装置52からの制御信号に応じてオン/オフ動作を行なう。
片方向性スイッチSAd、リアクトルLおよびダイオードD1は、チョッパ回路を構成する。具体的には、片方向性スイッチSAd、リアクトルLおよびダイオードD1は、燃料電池FCまたはコンデンサC1からバッテリBATに電力を供給する際に、燃料電池FCまたはコンデンサC1からの直流電圧をバッテリBATの電圧レベルに降圧する。このチョッパ回路の動作については、後ほど詳しく説明する。
制御装置52は、モータジェネレータMGのトルク指令値、各相電流値、ならびに燃料電池FCおよびバッテリBATの出力電圧を入力してモータジェネレータMGの各相コイルの電圧を演算する。ここで、モータジェネレータMGの各相電流値は、図示されない電流センサにより検出され、燃料電池FCおよびバッテリBATの出力電圧は、図示されない電圧センサにより検出される。
そして、制御装置52は、この電力システム10のパワーフローパターンおよび算出したモータジェネレータMGの各相の電圧演算結果に基づいて、燃料電池FCまたは/およびバッテリBATからモータジェネレータMGへ所望の電力を供給するためのPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を各スイッチSXyへ出力する。
また、制御装置52は、モータジェネレータMGの各相の電圧ならびに燃料電池およびバッテリBATの端子間電圧を検出し、その検出結果に基づいて、モータジェネレータMGまたは燃料電池FCからバッテリBATへ電力を供給するための制御信号を生成する。そして、制御装置52は、その生成した制御信号を各スイッチSXy,SAdへ出力する。ここで、モータジェネレータMGの各相の電圧は、図示されない電圧センサにより検出される。
なお、電力システム10のパワーフローパターン、およびそのパワーフローパターンに応じた電力システム10の具体的な動作は、後ほど詳しく説明する。
この電力システム10の構成上の特徴は、第1に、マトリックスコンバータMCに並列に接続される燃料電池FCおよびバッテリBATをマトリックスコンバータMCと接続する電源ラインが一部共通化されていることである。すなわち、燃料電池FCの負極およびバッテリBATの正極は、共通の電源ラインLBによってマトリックスコンバータMCと接続されている。このような構成とすることにより、マトリックスコンバータMCを構成するスイッチを1行分削減することができる。また、接続スイッチなどを別途設けることなく、燃料電池FCおよびバッテリBATを直列接続した電源を構成できる。
第2の特徴は、第1のスイッチ群54を片方向性スイッチで構成したことである。燃料電池FCにおいては、電源ラインからの充電は行なわれないため、電源ラインLa〜Lcから電源ラインLAへの電力の流れを制御するスイッチング素子を削除したものである。これにより、マトリックスコンバータMCを構成するパワー半導体素子の数がさらに削減される。
第3の特徴は、片方向性スイッチSAd、リアクトルLおよびダイオードD1によって構成されるチョッパ回路を設けたことである。これにより、後述するように、モータジェネレータMGの発電電圧が高くなる高速回転時においても、モータジェネレータMGからバッテリBATへの回生動作を実現することができる。
なお、上記において、バッテリBATは、「二次電池」を構成し、モータジェネレータMGは、「n相交流回転機」を構成する。また、電源ラインLA〜LCは、それぞれ「第2の電源ライン」、「第1の電源ライン」および「第3の電源ライン」を構成する。さらに、片方向性スイッチSAdは、「スイッチ」を構成し、リアクトルLは、「コイル」を構成する。
図2は、図1に示した双方向性スイッチの構成を示す回路図である。
図2を参照して、双方向性スイッチSBa〜SBc,SCa〜SCcの各々は、パワートランジスタ62,66と、ダイオード64,68とからなる。パワートランジスタ62,66は、たとえば、IGBTからなる。
パワートランジスタ62は、コレクタおよびエミッタがそれぞれ端子70およびノードND1に接続され、制御装置52(図示せず、以下同じ。)からの制御信号をベースに受ける。ダイオード64は、パワートランジスタ62に逆並列に設けられる。また、パワートランジスタ66は、コレクタおよびエミッタがそれぞれ端子72およびノードND2に接続され、制御装置52からの制御信号をベースに受ける。ダイオード68は、パワートランジスタ66に逆並列に設けられる。そして、ノードND1,ND2は互いに接続され、端子70,72は、対応する2つの電源ラインにそれぞれ接続される。
このスイッチにおいては、制御装置52からの制御信号が活性化されると、パワートランジスタ62,66がいずれもオンし、端子72よりも端子70の方が高電圧のときは、パワートランジスタ62およびダイオード68を介して端子70から端子72へ電流が流れる。ここで、ダイオード64には逆バイアスがかかるので、パワートランジスタ66に逆方向の電流は流れず、パワートランジスタ66が保護される。一方、端子70よりも端子72の方が高電圧のときは、パワートランジスタ66およびダイオード64を介して端子72から端子70へ電流が流れる。ここで、ダイオード68には逆バイアスがかかるので、パワートランジスタ62に逆方向の電流は流れず、パワートランジスタ62が保護される。
図3は、図1に示した双方向性スイッチの他の構成を示す回路図である。
図3を参照して、双方向性スイッチSBa〜SBc,SCa〜SCcの各々は、パワートランジスタ82,86と、ダイオード84,88とからなる。パワートランジスタ82,86は、たとえば、IGBTからなる。
パワートランジスタ82は、コレクタおよびエミッタがそれぞれダイオード84のカソードおよび端子72に接続され、制御装置52(図示せず、以下同じ。)からの制御信号をベースに受ける。ダイオード84は、アノードおよびカソードがそれぞれ端子70およびパワートランジスタ82に接続される。また、パワートランジスタ86は、コレクタおよびエミッタがそれぞれダイオード88のカソードおよび端子70に接続され、制御装置52からの制御信号をベースに受ける。ダイオード88は、アノードおよびカソードがそれぞれ端子72およびパワートランジスタ86に接続される。
このスイッチにおいても、制御装置52からの制御信号が活性化されると、パワートランジスタ82,86がいずれもオンし、端子72よりも端子70の方が高電圧のときは、ダイオード84およびパワートランジスタ82を介して端子70から端子72へ電流が流れる。一方、端子70よりも端子72の方が高電圧のときは、ダイオード88およびパワートランジスタ86を介して端子72から端子70へ電流が流れる。
図4は、図1に示した双方向性スイッチのさらに他の構成を示す回路図である。
図4を参照して、双方向性スイッチSBa〜SBc,SCa〜SCcの各々は、逆阻止機能付きのパワートランジスタ92,94からなり、たとえば、逆阻止機能付きIGBTからなる。この逆阻止機能付きIGBTは、素子に逆方向の電圧がかけられても十分な耐圧を有するIBGTである。
パワートランジスタ92は、コレクタおよびエミッタがそれぞれ端子70,72に接続され、制御装置52(図示せず、以下同じ。)からの制御信号をベースに受ける。パワートランジスタ94は、コレクタおよびエミッタがそれぞれ端子72,70に接続され、制御装置52からの制御信号をベースに受ける。
このスイッチにおいても、制御装置52からの制御信号が活性化されると、パワートランジスタ92,94がいずれもオンし、端子72よりも端子70の方が高電圧のときは、パワートランジスタ92を介して端子70から端子72へ電流が流れる。ここで、パワートランジスタ94には逆バイアスがかかるが、パワートランジスタ94は、逆耐圧を有するので、素子が破壊されることはない。また、端子70よりも端子72の方が高電圧のときは、パワートランジスタ94を介して端子72から端子70へ電流が流れる。なお、パワートランジスタ92には逆バイアスがかかるが、パワートランジスタ92も、逆耐圧を有するので、素子が破壊されることはない。
図5〜図28は、図1に示した電力システム10のパワーフローパターンに応じたマトリックスコンバータMCの具体的な動作および電流の流れを説明するための図である。ここで、この電力システム10には、下記の6つのパワーフローパターンP1〜P6が存在する。
(P1)燃料電池FCが力行(電力を出力)でモータジェネレータMGが力行動作
(P2)燃料電池FCおよびバッテリBATが力行でモータジェネレータMGが力行動作
(P3)燃料電池FCが力行でモータジェネレータMGが力行動作およびバッテリBATが回生(充電)
(P4)モータジェネレータMGが回生動作でバッテリBATが回生
(P5)バッテリBATが力行でモータジェネレータMGが力行動作
(P6)燃料電池FCが力行でバッテリBATが回生
図5は、燃料電池FCが力行でモータジェネレータMGが力行動作時の電力の流れを示すブロック図であり、図6は、図5に示したパワーフローパターンP1時の電力の流れを示す電気回路図である。
図5,図6を参照して、制御装置52は、モータジェネレータMGのトルク指令値、各相電流値、および燃料電池FCの出力電圧を入力してモータジェネレータMGの各相コイルの電圧を演算する。そして、制御装置52は、算出したモータジェネレータMGの各相の電圧演算結果に基づいてPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を片方向性スイッチSAa〜SAcおよび双方向性スイッチSBa〜SBcへ出力する。
そうすると、片方向性スイッチSAa〜SAcおよび双方向性スイッチSBa〜SBcの各々は、制御装置52から受けるPWM信号に応じてオン/オフし、燃料電池FCから出力される直流電圧を交流電圧に変換するインバータ動作を行なう。これによって、燃料電池FCから出力される直流電力がマトリックスコンバータMCにより交流電力に変換されてモータジェネレータMGに供給される。
なお、このパワーフローパターンP1では、その他の双方向性スイッチSCa〜SCcおよび片方向性スイッチSAdは、常時オフされる。
図7は、燃料電池FCおよびバッテリBATが力行でモータジェネレータMGが力行動作時の電力の流れを示すブロック図であり、図8は、図7に示したパワーフローパターンP2時の電力の流れを示す電気回路図である。すなわち、このパワーフローパターンP2では、燃料電池FCおよびバッテリBATが直列接続され、高電圧の電力がモータジェネレータMGに供給される。
図7,図8を参照して、制御装置52は、モータジェネレータMGのトルク指令値、各相電流値、ならびに燃料電池FCおよびバッテリBATの出力電圧を入力してモータジェネレータMGの各相コイルの電圧を演算する。そして、制御装置52は、算出したモータジェネレータMGの各相の電圧演算結果に基づいてPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を片方向性スイッチSAa〜SAcおよび双方向性スイッチSCa〜SCcへ出力する。
そうすると、片方向性スイッチSAa〜SAcおよび双方向性スイッチSCa〜SCcの各々は、制御装置52から受けるPWM信号に応じてオン/オフし、燃料電池FCおよびバッテリBATから出力される電源ラインLA,LC間の直流電圧を交流電圧に変換するインバータ動作を行なう。これによって、燃料電池FCおよびバッテリBATから電源ラインLA,LC間に出力される高電圧の直流電力がマトリックスコンバータMCにより交流電力に変換されてモータジェネレータMGに供給される。
なお、このパワーフローパターンP2では、その他の双方向性スイッチSBa〜SBcおよび片方向性スイッチSAdは、常時オフされる。したがって、燃料電池FCの負極およびバッテリBATの正極が接続される電源ラインLBに電流が流れることはない。
図9は、燃料電池FCが力行でモータジェネレータMGが力行動作およびバッテリBATが回生時の電力の流れを示すブロック図であり、図10,図11は、図9に示したパワーフローパターンP3時の電力の流れを示す電気回路図である。ここで、このパワーフローパターンP3時においては、制御装置52は、第1および第2の動作モードを交互に切替えて実行する。そして、図10,図11では、それぞれ第1および第2の動作モード時の電力の流れが示される。
図9,図10を参照して、制御装置52は、第1の動作モード時、パワーフローパターンP1のときと同様に、モータジェネレータMGの各相コイルの電圧を演算する。そして、制御装置52は、算出したモータジェネレータMGの各相の電圧演算結果に基づいてPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を片方向性スイッチSAa〜SAcおよび双方向性スイッチSBa〜SBcへ出力する。これにより、第1の動作モードにおいては、燃料電池FCから出力される直流電力がマトリックスコンバータMCにより交流電力に変換されてモータジェネレータMGに供給される。
図11を参照して、制御装置52は、第2の動作モード時、片方向性スイッチSAa〜SAcをオフさせ、燃料電池FCからモータジェネレータMGへの電力供給を停止させる。そして、制御装置52は、モータジェネレータMGの各相電圧およびバッテリBATの端子間電圧に基づいて、モータジェネレータMGからバッテリBATへ電力を供給するためのPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を双方向性スイッチSBa〜SBc,SCa〜SCcへ出力する。
そうすると、双方向性スイッチSBa〜SBc,SCa〜SCcの各々は、制御装置52から受けるPWM信号に応じてオン/オフし、モータジェネレータMGから電源ラインLa〜Lcに出力された交流電力を整流してバッテリBATへ出力する。これによって、バッテリBATが充電される。
このように、第1の動作モード時に、燃料電池FCからモータジェネレータMGへ電力が供給され、第2の動作モード時に、燃料電池FCからの電力によって駆動されたモータジェネレータMGからバッテリBATへ電力が供給される。すなわち、モータジェネレータMGを介して燃料電池FCからバッテリBATへ電力の供給が行なわれる。そして、制御装置52は、この第1および第2の動作モードの切替デューティ比を制御することによって、バッテリBATに供給される電圧をバッテリBATの電圧レベルに調整する。
図12,図13は、図9に示したパワーフローパターンP3時の他の動作方法を説明するための電気回路図である。この動作方法においても、図10,図11の場合と同様に、第1および第2の動作モードが交互に切替えられて実行される。そして、第1の動作モードは、図10に示した動作と同じであり、第2の動作モードが図11に示した動作と異なる。そこで、この図12,図13では、第2の動作モードのみが示される。
図12を参照して、制御装置52は、第2の動作モード時、マトリックスコンバータMCの各スイッチをオフさせ、片方向性スイッチSAdをオンさせる。そうすると、燃料電池FCから片方向性スイッチSAdを介してリアクトルLに電流が流れる。そして、図13を参照して、制御装置52によって片方向性スイッチSAdがオフされると、リアクトルLは、蓄えられたエネルギーを電源ラインLBに放出し、図の矢印に示される閉回路が構成されることによってバッテリBATが充電される。
このように、片方向性スイッチSAd、リアクトルLおよびダイオードD1は、チョッパ回路を構成し、燃料電池FCからの出力電圧をバッテリBATの電圧レベルに降圧してバッテリBATを充電する。
図14は、図9に示したパワーフローパターンP3時のさらに他の動作方法を説明するための電気回路図である。この動作方法においても、図10,図11の場合と同様に、第1および第2の動作モードが交互に切替えられて実行される。そして、第1の動作モードは、図10に示した動作と同じであり、第2の動作モードが図11に示した動作と異なる。そこで、この図14では、第2の動作モードのみが示される。
図14を参照して、制御装置52は、第2の動作モード時、たとえば図に示されるように電源ラインLcからモータジェネレータMC内のコイルを介して電源ラインLbに電流が流れているとき、電源ラインLb,Lc間の線間電圧およびバッテリBATの電圧に基づいてPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を双方向性スイッチSBb,SCcへ出力する。
そうすると、双方向性スイッチSBb,SCcは、制御装置52から受けるPWM信号に応じてオン/オフし、モータジェネレータMGのコイルに蓄えられたエネルギーがバッテリBATへ放出されてバッテリBATが充電される。ここで、制御装置52は、双方向性スイッチSBb,SCcの各々のデューティ比を制御することにより、モータジェネレータMGからの電力をバッテリBATの電圧レベルに調整する。また、制御装置52は、電源ラインLa〜Lcの線間電圧に応じて、PWM制御を行なうスイッチを切替える。これにより、バッテリBATが安定的に充電される。
図15は、モータジェネレータMGが回生動作でバッテリBATが回生時の電力の流れを示すブロック図である。また、図16は、図15に示したパワーフローパターンP4時においてモータジェネレータMGが低速回転時の電力の流れを示す電気回路図である。ここで、モータジェネレータMGの回生動作時における最大起電圧がバッテリBATの電圧レベル以下のときを低速回転時としており、モータジェネレータMGの最大起電圧がバッテリBATの電圧レベルよりも高くなる高速回転時については、後ほど説明する。
図15,図16を参照して、モータジェネレータMGの低速回転時、制御装置52は、モータジェネレータMGの各相電圧およびバッテリBATの端子間電圧に基づいて、モータジェネレータMGからバッテリBATへ電力を供給するためのPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を双方向性スイッチSBa〜SBc,SCa〜SCcへ出力する。
そうすると、双方向性スイッチSBa〜SBc,SCa〜SCcの各々は、制御装置52からのPWM信号に応じてオン/オフし、モータジェネレータMGから電源ラインLa〜Lcに出力された交流電力を所定のバッテリ電圧に整流してバッテリBATに供給する。
図17〜図19は、図15に示したパワーフローパターンP4時においてモータジェネレータMGが高速回転時の電力の流れを示す電気回路図である。
図17を参照して、モータジェネレータMGの高速回転時、制御装置52は、第1の動作モードにおいて、モータジェネレータMGからコンデンサC1,C2へ電力を出力するためのPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を双方向性スイッチSCa〜SCcへ出力する。
そうすると、双方向性スイッチSCa〜SCcの各々は、制御装置52からのPWM信号に応じてオン/オフし、モータジェネレータMGから電源ラインLa〜Lcに出力された電力がコンデンサC1,C2に充電される。なお、電源ラインLa〜LcからコンデンサC1への電力供給は、片方向性スイッチSAa〜SAcにおけるダイオードを介して行なわれる。
図18を参照して、上述した第1の動作モードに続く第2の動作モードにおいて、制御装置52は、マトリックスコンバータMCの各スイッチをオフさせ、片方向性スイッチSAdをオンさせる。そうすると、第1の動作モードにおいて電荷が蓄えられたコンデンサC1から片方向性スイッチSAdを介してリアクトルLに電流が流れる。そして、図19を参照して、制御装置52によって片方向性スイッチSAdがオフされると、リアクトルLは、蓄えられたエネルギーを電源ラインLBに放出し、図の矢印に示される閉回路が構成されることによってバッテリBATが充電される。
このように、この実施の形態1によれば、モータジェネレータMGの高速回転時に発生する高電圧の発電電力をコンデンサC1,C2に一旦蓄積し、片方向性スイッチSAd、リアクトルLおよびダイオードD1により構成されるチョッパ回路によって、コンデンサC1に蓄積された電力を降圧してバッテリBATを充電することができる。したがって、この実施の形態1では、任意の電圧レベルでモータジェネレータMGの回生動作を実現することができる。
図20は、バッテリBATが力行でモータジェネレータMGが力行動作時の電力の流れを示すブロック図であり、図21は、図20に示したパワーフローパターンP5時の電力の流れを示す電気回路図である。
図20,図21を参照して、制御装置52は、モータジェネレータMGのトルク指令値、各相電流値、およびバッテリBATの出力電圧を入力してモータジェネレータMGの各相コイルの電圧を演算する。そして、制御装置52は、算出したモータジェネレータMGの各相の電圧演算結果に基づいてPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を双方向性スイッチSBa〜SBc,SCa〜SCcへ出力する。
そうすると、双方向性スイッチSBa〜SBc,SCa〜SCcの各々は、制御装置52から受けるPWM信号に応じてオン/オフし、バッテリBATから出力される直流電圧を交流電圧に変換するインバータ動作を行なう。これによって、バッテリBATから出力される直流電力がマトリックスコンバータMCにより交流電力に変換されてモータジェネレータMGに供給される。
なお、このパワーフローパターンP5では、片方向性スイッチSAa〜SAdは、常時オフされる。
図22は、燃料電池FCが力行でバッテリBATが回生時の電力の流れを示すブロック図であり、図23,図24は、図22に示したパワーフローパターンP6時の電力の流れを示す電気回路図である。
図22,図23を参照して、制御装置52は、マトリックスコンバータMCの各スイッチをオフさせ、片方向性スイッチSAdをオンさせる。そうすると、燃料電池FCから片方向性スイッチSAdを介してリアクトルLに電流が流れる。そして、図24を参照して、制御装置52によって片方向性スイッチSAdがオフされると、リアクトルLは、蓄えられたエネルギーを電源ラインLBに放出し、図の矢印に示される閉回路が構成されることによってバッテリBATが充電される。
すなわち、このパワーフローパターンP6においても、上述のように、片方向性スイッチSAd、リアクトルLおよびダイオードD1により構成されるチョッパ回路によって燃料電池FCからの直流電圧が降圧され、バッテリBATが充電される。
図25,図26は、図22に示したパワーフローパターンP6時の他の動作方法を説明するための電気回路図である。この動作方法においては、リアクトルLの代わりにモータジェネレータMGのコイルを用いてチョッパ回路が構成される。
図25を参照して、たとえば、電源ラインLb,Lcに接続されるモータジェネレータMGのコイルをリアクトルLの代わりに用いる場合、制御装置52は、第1の動作モードにおいて、片方向性スイッチSAcおよび双方向性スイッチSBbをオンさせる。そうすると、図の矢印で示されるように閉回路が構成され、燃料電池FCからの電力がモータジェネレータMGの上記コイルに一旦蓄えられる。
図26を参照して、制御装置52は、第1の動作モードに続く第2の動作モードにおいて、片方向性スイッチSAdをオフさせ、双方向性スイッチSBb,SCcをオンさせる。そうすると、図の矢印で示されるように閉回路が構成され、モータジェネレータMGのコイルに蓄えられていたエネルギーがバッテリBATに放出され、バッテリBATが充電される。
このように、この動作方法においては、片方向性スイッチSAc、双方向性スイッチSBb,SCcおよびモータジェネレータMGのコイルによってチョッパ回路が構成され、このチョッパ回路により燃料電池FCからの直流電圧が降圧されてバッテリBATが充電される。
なお、モータジェネレータMGのその他のコイルをリアクトルLの代わりに用いる場合についても、上記と同様にして、燃料電池FCからバッテリBATへの充電を実現できる。
図27,図28は、図22に示したパワーフローパターンP6時のさらに他の動作方法を説明するための電気回路図である。
図27を参照して、制御装置52は、第1の動作モードにおいて、図示されないモータジェネレータMGの回転位置センサによってモータジェネレータMGの回転角θを検出し、その検出した回転角θに基づいて、モータジェネレータMGに対するq軸電流を0とする電圧パターンになるようにPWM信号を生成する。そして、制御装置52は、その生成したPWM信号を片方向性スイッチSAa〜SAcおよび双方向性スイッチSBa〜SBcへ出力する。ここで、このようなPWM信号を生成するのは、燃料電池FCからモータジェネレータMGへのパワーフローが発生しないようにするためである。
片方向性スイッチSAa〜SAcおよび双方向性スイッチSBa〜SBcの各々は、制御装置52から受けるPWM信号に応じてオン/オフし、燃料電池FCから出力される直流電圧を交流電圧に変換するインバータ動作を行なう。これによって、燃料電池FCから出力される直流電力がマトリックスコンバータMCによって交流電力に変換され、その変換された電力は、モータジェネレータMGに回転力を発生させることなく、モータジェネレータMGのコイルに一旦蓄積される。
図28を参照して、制御装置52は、第1の動作モードに続く第2の動作モードにおいて、片方向性スイッチSAa〜SAcをオフさせる。そして、制御装置52は、モータジェネレータMGの各相の電圧およびバッテリBATの端子間電圧に基づいて、モータジェネレータMGからバッテリBATに電力を供給するためのPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を双方向性スイッチSBa〜SBc,SCa〜SCcへ出力する。
そうすると、双方向性スイッチSBa〜SBc,SCa〜SCcの各々は、制御装置52から受けるPWM信号に応じてオン/オフし、モータジェネレータMGから電源ラインLa〜Lcに出力された交流電力を整流してバッテリBATに供給する。これによって、バッテリBATが充電される。
このように、この図27,図28で示される動作方法も、図25,図26で示した動作方法と同様に、燃料電池FCからの電力をモータジェネレータMGのコイルに一旦蓄積し、その後バッテリBATに供給するものであるが、図25,図26で示した動作方法では、モータジェネレータMGに回転力が発生してしまうのに対し、この図27,図28で示される動作方法では、モータジェネレータMGのq軸電流が0となる電圧パターンが発生するようにマトリックスコンバータMCをPWM制御するので、モータジェネレータMGに回転力は発生しない。
以上のように、この実施の形態1によれば、燃料電池FCの負極およびバッテリBATの正極を共通の電源ラインLBを用いてマトリックスコンバータMCと接続したので、燃料電池FCおよびバッテリBATを単純にマトリックスコンバータに並列に接続する場合に比べてマトリックスコンバータを構成するスイッチの数を削減できる。
また、燃料電池FCの回生(充電)はないことから、電源ラインLAに接続されるスイッチを片方向性のスイッチで構成したので、マトリックスコンバータMCを構成するパワー半導体素子の数をさらに削減できる。
さらに、片方向性スイッチSAd、リアクトルLおよびダイオードD1によって構成されるチョッパ回路を設けたので、回生電力の電圧レベルが高くなるモータジェネレータMGの高速回転時においても、チョッパ回路により回生電力をバッテリBATの電圧レベルに降圧することによって、モータジェネレータMGからバッテリBATへの回生制御を実行できる。したがって、任意の回転速度でモータジェネレータMGの回生動作を実現することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、リアクトルLが設けられたが、この実施の形態2では、マトリックスコンバータMCをモータジェネレータMGの中性点と接続することによって、実施の形態1におけるリアクトルLをモータジェネレータMGのコイルで代用する構成が示される。
図29は、この発明の実施の形態2による電力変換装置が搭載された燃料電池車における電力システムの主要部の構成を示す電気回路図である。
図29を参照して、この電力システム10Aは、図1に示した実施の形態1における電力システム10の構成において、片方向性スイッチSAd、リアクトルL、ダイオードD1、および電源ラインLD,Ldに代えて、双方向性スイッチSBeと、ダイオードD2と、電源ラインLeとを備える。
双方向性スイッチSBeは、ダイオードD2と電源ラインLBとの間に接続される。ダイオードD2は、アノードおよびカソードがそれぞれ双方向性スイッチSBeおよび電源ラインLAに接続される。そして、電源ラインLeは、双方向性スイッチSBeとダイオードD2との接続点をモータジェネレータMGの中性点と接続する。
双方向性スイッチSBeは、制御装置52からの制御信号に応じてオン/オフ動作を行なう。ここで、この実施の形態2による電力システム10Aにおいても、実施の形態1による電力システム10と同様に、上述した6つのパワーフローパターンP1〜P6が存在する。そして、上述した実施の形態1においてリアクトルLが用いられるパワーフローパターンP3、およびパワーフローパターンP4におけるモータジェネレータMGの高速回転時以外の動作パターンにおいては、双方向性スイッチSBeは、常時オフされる。
したがって、実施の形態1においてリアクトルLが用いられないときの動作パターンに対応するこの電力システム10Aの動作は、実施の形態1における電力システム10の動作と同じである。そこで、以下では、実施の形態1においてリアクトルLが用いられる動作パターンに対応する電力システム10Aの動作について説明を行なう。
図30,図31は、この実施の形態2による電力システム10AのパワーフローパターンP3時における電力の流れを示す電気回路図である。この電力システム10Aにおいても、実施の形態1におけるパワーフローパターンP3の場合と同様に、第1および第2の動作パターンが交互に切替えられて実行される。そして、第1の動作モードは、図10に示した動作と基本的に同じであり、第2の動作モードが図11に示した動作と異なる。そこで、この図30,図31では、第2の動作モードのみが示される。
図30を参照して、制御装置52は、第2の動作モード時、たとえば、片方向性スイッチSAaおよび双方向性スイッチSBeをオンさせ、片方向性スイッチSAaをオンしたことに対応して双方向性スイッチSBa,SCbをオンさせる。そうすると、燃料電池FCの正極から片方向性スイッチSAa、電源ラインLa、双方向性スイッチSBa、バッテリBAT、双方向性スイッチSCb、電源ラインLb、モータジェネレータのコイルおよび中性点、電源ラインLe、ならびに双方向性スイッチSBeを介して燃料電池FCの負極へ戻る閉回路が構成され、モータジェネレータMGのコイルにエネルギーが蓄えられる。
そして、図31を参照して、制御装置52によって片方向性スイッチSAaおよび双方向性スイッチSBaがオフされると(双方向性スイッチSCb,SBeはオンのままである。)、図の矢印で示される閉回路が構成され、モータジェネレータMGのコイルに蓄えられていたエネルギーが双方向性スイッチSBeを経由してバッテリBATに供給される。
すなわち、この実施の形態2では、片方向性スイッチSAa、モータジェネレータMGのコイル、および双方向性スイッチSCbによってチョッパ回路が構成され、燃料電池FCからの出力電圧が所定のバッテリ電圧に降圧されてバッテリBATが充電される。
図32〜図34は、この実施の形態2による電力システム10AのパワーフローパターンP4時においてモータジェネレータMGが高速回転時の電力の流れを示す電気回路図である。
図32を参照して、モータジェネレータMGの高速回転時、制御装置52は、第1の動作モードにおいて、モータジェネレータMGからコンデンサC1,C2へ電力を出力するためのPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を双方向性スイッチSCa〜SCcへ出力する。
そうすると、双方向性スイッチSCa〜SCcの各々は、制御装置52からのPWM信号に応じてオン/オフし、モータジェネレータMGから電源ラインLa〜Lcに出力された電力がコンデンサC1,C2に充電される。なお、電源ラインLa〜LcからコンデンサC1への電力供給は、片方向性スイッチSAa〜SAcにおけるダイオードを介して行なわれる。
図33を参照して、上述した第1の動作モードに続く第2の動作モードにおいて、制御装置52は、双方向性スイッチSBeをオンさせる。そして、制御装置52は、たとえば、片方向性スイッチSAaをオンさせ、片方向性スイッチSAaをオンしたことに対応して双方向性スイッチSBa,SCbをオンさせる。
そうすると、コンデンサC1から片方向性スイッチSAa、電源ラインLa、双方向性スイッチSBa、バッテリBAT、双方向性スイッチSCb、電源ラインLb、モータジェネレータのコイルおよび中性点、電源ラインLe、ならびに双方向性スイッチSBeを介してコンデンサC1へ戻る閉回路が構成され、第1の動作モードにおいて電荷が蓄えられたコンデンサC1からモータジェネレータMGのコイルに電流が流れる。
そして、図34を参照して、制御装置52によって片方向性スイッチSAaおよび双方向性スイッチSBaがオフされると(双方向性スイッチSCb,SBeはオンのままである。)、モータジェネレータMGのコイルは、蓄えられたエネルギーを中性点に接続された電源ラインLeに放出し、図の矢印に示される閉回路が構成されることによってバッテリBATが充電される。
このように、第1の動作モードにおいて、モータジェネレータMGからの高電圧の回生電力がコンデンサC1,C2に一旦蓄積され、第2の動作モードにおいて、片方向性スイッチSAa、モータジェネレータMGのコイル、および双方向性スイッチSCbから構成されるチョッパ回路によりコンデンサC1からの直流電圧が降圧されることによって、高速回転時においてもモータジェネレータMGの回生動作が実現される。
なお、パワーフローパターンP4時において、モータジェネレータMGが低速回転時の電力システム10Aの動作は、実施の形態1における電力システム10の動作と同じである。
また、上記においては、チョッパ回路を構成するコイルとして、電源ラインLbに接続されるモータジェネレータMGのコイルを用いたが、モータジェネレータMGのその他のコイルを用いてもよい。その場合には、上記と同様の考え方によって、適宜、第1および第2のスイッチ群54,56の対応するスイッチを制御装置52によってPWM制御すればよい。
また、上記においては、チョッパ回路を構成する際にモータジェネレータMGの1相分のコイルを用いるものとしたが、第1のスイッチ群54における片方向性スイッチSAa〜SAcを同時にオンさせ、その後、片方向性スイッチSAa〜SAcをオフさせるとともに双方向性スイッチSCa〜SCcを同時にオンさせることによって、モータジェネレータMGのゼロ相リアクタンスを用いるようにしてもよい(片方向性スイッチSBeは常時オンである。)。この場合には、モータジェネレータMGに不要なトルクが発生することはない。
以上のように、この実施の形態2によれば、マトリックスコンバータMCをモータジェネレータMGの中性点と接続し、モータジェネレータMGのコイルを用いてチョッパ回路を構成したので、チョッパ回路を構成するためのリアクトルを別途設ける必要がなく、装置の体格増大が抑えられる。そして、この実施の形態2によっても、実施の形態1と同様に、回生電力の電圧レベルが高くなるモータジェネレータMGの高速回転時においてモータジェネレータMGからバッテリBATへの回生制御を実行できる。したがって、任意の回転速度でモータジェネレータMGの回生動作を実現することができる。
[実施の形態3]
図35は、この発明の実施の形態3による電力変換装置が搭載された燃料電池車における電力システムの主要部の構成を示す電気回路図である。
図35を参照して、この電力システム10Bは、図1に示した実施の形態1における電力システム10の構成において、片方向性スイッチSAd、リアクトルL、ダイオードD1、および電源ラインLD,Ldを備えない構成となっている。
この電力システム10Bは、実施の形態1,2における電力システム10,10Aのようにチョッパ回路を構成することができないので、パワーフローパターンP4においてモータジェネレータMGの高速回転時に回生動作を行なうことはできないが、チョッパ回路を構成するためのリアクトルLや双方向性スイッチSBeなどを備えていないので、実施の形態1,2の場合と比べて電力変換装置を最も小型化できる。
なお、この電力システム10Bの動作は、実施の形態1においてチョッパ回路を用いる動作以外の各動作と同じであるので、その説明は繰返さない。
以上のように、この実施の形態3によれば、任意の回転速度でモータジェネレータMGの回生動作を実現することはできないが、実施の形態1,2に比べて装置をさらに小型化できる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1による電力変換装置が搭載された燃料電池車における電力システムの主要部の構成を示す電気回路図である。 図1に示す双方向性スイッチの構成を示す回路図である。 図1に示す双方向性スイッチの他の構成を示す回路図である。 図1に示す双方向性スイッチのさらに他の構成を示す回路図である。 燃料電池が力行でモータジェネレータが力行動作時の電力の流れを示すブロック図である。 図5に示すパワーフローパターンP1時の電力の流れを示す電気回路図である。 燃料電池およびバッテリが力行でモータジェネレータが力行動作時の電力の流れを示すブロック図である。 図7に示すパワーフローパターンP2時の電力の流れを示す電気回路図である。 燃料電池が力行でモータジェネレータが力行動作およびバッテリが回生時の電力の流れを示すブロック図である。 図9に示すパワーフローパターンP3時の電力の流れを示す第1の電気回路図である。 図9に示すパワーフローパターンP3時の電力の流れを示す第2の電気回路図である。 図9に示すパワーフローパターンP3時の他の動作方法を説明するための第1の電気回路図である。 図9に示すパワーフローパターンP3時の他の動作方法を説明するための第2の電気回路図である。 図9に示すパワーフローパターンP3時のさらに他の動作方法を説明するための電気回路図である。 モータジェネレータが回生動作でバッテリが回生時の電力の流れを示すブロック図である。 図15に示すパワーフローパターンP4時においてモータジェネレータが低速回転時の電力の流れを示す電気回路図である。 図15に示すパワーフローパターンP4時においてモータジェネレータが高速回転時の電力の流れを示す第1の電気回路図である。 図15に示すパワーフローパターンP4時においてモータジェネレータが高速回転時の電力の流れを示す第2の電気回路図である。 図15に示すパワーフローパターンP4時においてモータジェネレータが高速回転時の電力の流れを示す第3の電気回路図である。 バッテリが力行でモータジェネレータが力行動作時の電力の流れを示すブロック図である。 図20に示すパワーフローパターンP5時の電力の流れを示す電気回路図である。 燃料電池が力行でバッテリが回生時の電力の流れを示すブロック図である。 図22に示すパワーフローパターンP6時の電力の流れを示す第1の電気回路図である。 図22に示すパワーフローパターンP6時の電力の流れを示す第2の電気回路図である。 図22に示すパワーフローパターンP6時の他の動作方法を説明するための第1の電気回路図である。 図22に示すパワーフローパターンP6時の他の動作方法を説明するための第2の電気回路図である。 図22に示すパワーフローパターンP6時のさらに他の動作方法を説明するための第1の電気回路図である。 図22に示すパワーフローパターンP6時のさらに他の動作方法を説明するための第2の電気回路図である。 この発明の実施の形態2による電力変換装置が搭載された燃料電池車における電力システムの主要部の構成を示す電気回路図である。 この実施の形態2による電力システムのパワーフローパターンP3時における電力の流れを示す第1の電気回路図である。 この実施の形態2による電力システムのパワーフローパターンP3時における電力の流れを示す第2の電気回路図である。 この実施の形態2による電力システムのパワーフローパターンP4時においてモータジェネレータが高速回転時の電力の流れを示す第1の電気回路図である。 この実施の形態2による電力システムのパワーフローパターンP4時においてモータジェネレータが高速回転時の電力の流れを示す第2の電気回路図である。 この実施の形態2による電力システムのパワーフローパターンP4時においてモータジェネレータが高速回転時の電力の流れを示す第3の電気回路図である。 この発明の実施の形態3による電力変換装置が搭載された燃料電池車における電力システムの主要部の構成を示す電気回路図である。
符号の説明
10,10A,10B 電力システム、52 制御装置、54 第1のスイッチ群、56 第2のスイッチ群、62,66,82,86,92,94 パワートランジスタ、64,68,84,88,D1,D2 ダイオード、70,72 端子、MC マトリックスコンバータ、FC 燃料電池、BAT バッテリ、MG モータジェネレータ、C1,C2 コンデンサ、L リアクトル、LA〜LD,La〜Le 電源ライン、SAa〜SAd 片方向性スイッチ、SBa〜SBc,SCa〜SCc,SBe 双方向性スイッチ。

Claims (9)

  1. 第1および第2の直流電源ならびに電気負荷に接続され、前記第1の直流電源と前記第2の直流電源と前記電気負荷との間で相互に電力変換を行なうマトリックスコンバータと、
    前記マトリックスコンバータの動作を制御する制御装置とを備え、
    前記第1および第2の直流電源は、前記マトリックスコンバータに並列に接続され、
    前記第1の直流電源の負極端子および前記第2の直流電源の正極端子は、共通の第1の電源ラインを介して前記マトリックスコンバータと接続される、電力変換装置。
  2. 前記第1の直流電源は、燃料電池であり、
    前記第2の直流電源は、二次電池であり、
    前記マトリックスコンバータは、
    前記燃料電池の正極端子が接続される第2の電源ラインに接続される複数の片方向性スイッチと、
    前記第1の電源ライン、および前記二次電池の負極端子が接続される第3の電源ラインにそれぞれ接続される複数の双方向性スイッチとを含む、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記第1の直流電源に並列に前記第1および第2の電源ライン間に設けられる第1のコンデンサと、
    前記第2の直流電源に並列に前記第1および第3の電源ライン間に設けられる第2のコンデンサと、
    前記第1から第3の電源ラインに接続されるチョッパ回路とをさらに備え、
    前記制御装置は、前記燃料電池からの電力または前記第1のコンデンサに蓄えられた電力が降圧されて前記二次電池に供給されるように前記チョッパ回路をさらに制御する、請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記電気負荷は、交流回転機であり、
    前記交流回転機の回生動作時における前記交流回転機の最大起電圧が前記二次電池の端子間電圧以下のとき、
    前記制御装置は、前記交流回転機からの回生電力が前記二次電池に直接供給されるように前記マトリックスコンバータを制御し、
    前記交流回転機の最大起電圧が前記二次電池の端子間電圧よりも高いとき、
    前記制御装置は、前記第1および第2のコンデンサに前記回生電力が一時的に蓄えられるように前記マトリックスコンバータを制御し、その後、前記第1のコンデンサに蓄えられた電力を降圧して前記二次電池に供給するように前記チョッパ回路を制御する、請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記チョッパ回路は、
    前記第2の電源ラインに一端が接続されるスイッチと、
    前記スイッチの他端と前記第1の電源ラインとの間に設けられるコイルと、
    前記スイッチおよび前記コイルの接続点と前記第3の電源ラインとの間に設けられ、前記接続点および前記第3の電源ラインにそれぞれカソードおよびアノードが接続される還流ダイオードとを含む、請求項3または請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記第1の直流電源に並列に前記第1および第2の電源ライン間に設けられる第1のコンデンサと、
    前記第2の直流電源に並列に前記第1および第3の電源ライン間に設けられる第2のコンデンサと、
    前記電気負荷に接続される第4の電源ラインと、
    前記第1および第4の電源ライン間に設けられるスイッチとをさらに備え、
    前記電気負荷は、交流回転機であり、
    前記第4の電源ラインは、前記交流回転機の中性点に接続され、
    前記制御装置は、前記交流回転機のコイル、前記第4の電源ライン、前記スイッチおよび前記マトリックスコンバータを用いて構成されるチョッパ回路によって、前記燃料電池からの電力または前記第1のコンデンサに蓄えられた電力を降圧して前記二次電池に供給するように前記スイッチおよび前記マトリックスコンバータを制御する、請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
  7. 前記交流回転機の回生動作時における前記交流回転機の最大起電圧が前記二次電池の端子間電圧以下のとき、
    前記制御装置は、前記交流回転機からの回生電力が前記二次電池に直接供給されるように前記マトリックスコンバータを制御し、
    前記交流回転機の最大起電圧が前記二次電池の端子間電圧よりも高いとき、
    前記制御装置は、前記第1および第2のコンデンサに前記回生電力が一時的に蓄えられるように前記マトリックスコンバータを制御し、その後、前記スイッチをオンさせるとともに、前記第1のコンデンサに蓄えられた電力を前記チョッパ回路により降圧して前記二次電池に供給するように前記マトリックスコンバータを制御する、請求項6に記載の電力変換装置。
  8. 前記チョッパ回路は、
    チョッパ動作を行なう少なくとも1つの片方向性スイッチと、
    前記交流回転機のコイルと、
    前記第4の電源ラインと、
    前記スイッチと、
    前記二次電池の負極から、前記交流回転機のコイルおよび中性点、前記第4の電源ライン、前記スイッチならびに前記第1の電源ラインを介して前記二次電池の正極に電流を還流させるための、前記第3の電源ラインに接続された少なくとも1つの双方向性スイッチとによって構成される、請求項6または請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電力変換装置を備えた車両。
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