JP2006059907A - レーザダイオード駆動回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブルーレイディスク用レーザダイオードを広帯域(300〜500MHz)駆動できるレーザダイオード駆動回路を提供すること。
【解決手段】入力される記録信号を増幅する低インピーダンスの駆動アンプ1に、並列接続された2本線路構成伝送線路である低インピーダンスの伝送路2を介してレーザダイオードLDを接続し且つ、図1の等価回路がπ型ローパスフィルタを形成するようにコンデンサC1を伝送路2の駆動アンプ接続側に接続することにより、レーザダイオード駆動回路の駆動周波数帯域を拡大でき、ブルーレイディスク用レーザダイオードを広帯域(300〜500MHz)駆動することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ディスク装置に係り、特にレーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動回路に関する。
従来のレーザダイオード(LD)を用いた光ディスクの記録再生装置では、転送レートが10Mb/secと遅かったので、記録時のLDから出射される光パルス帯域は100MHzあれば十分であったが、波長が400nmのブルーレイディスク用の記録再生装置では1倍速で35Mbps、2倍速で70Mbpsも要求され、必要帯域は300〜500MHzとなる。
しかし、上記のような要請に対して、(1)使用するレーザ光の波長は650nmから400nmに変わり、LDの等価回路の定数である動作抵抗(Rd)は約5Ωが15〜20Ωに、並列容量(Ct)は10pFから30pFと大きくなってきていて、LDの応答周波数が低下している。この場合、LDを低インピーダンスで駆動(変調)すれば応答周波数は大きく低下しないが、電流でドライブした場合は、−3dBの周波数は1/2πRd*Ctとなり、出力されるレーザ光の周波数特性が悪化する。更に、ここに来て2層記録用として開発された大出力のLDはRd=25Ω、Ct=20pFとRdが大きくなる傾向にある。(2)また、LDの駆動回路はIC化され、LDの駆動電圧は2.5Vから4.5Vと増大したにも拘らず、駆動電流が80mA程度と同等なので駆動回路の出力容量も増大するためLD駆動時の周波数特性が悪化する。
その理由は、駆動回路を形成するトランジスタの耐圧を高くして出力電流を大きく取る構成では、複数のトランジスタを並列に並べるので、出力容量は増加してしまう。(3)また、LDと駆動回路との距離は、機器の小型化によって制約を受けて増加する方向にあり、これも、LD駆動時の周波数特性を悪化させる。なお、従来でのLDの駆動回路は、LDの足に直接マウントするものが多いため、現状の光帯域は200〜300MHzにとどまっている。
図7は広帯域の通信用LDの駆動回路の従来例であるである。このLDの駆動回路(信号源)はトランジスタTr1、Tr2及び抵抗R11(50Ω)、R12から構成されている(例えば特許文献1参照)この駆動回路はカップリングコンデンサCを介して50Ω系の伝送路31に接続され、この伝送路31の終端に直列抵抗R13(45Ω)を介してLDが接続されている。駆動回路の出力抵抗は50Ω、伝送路31(50Ω)、抵抗R13によりLDの(動作抵抗Rd)を50Ωとすることにより、ライン整合ドライブとなっている。
上記のような通信用の装置では、ディスクの記録時に比べ、レーザ光のパワーを必要としないため、駆動回路のドライブ電圧を小さくしてLDは数mWで使用し、駆動電流は50mA程度(2値伝送なのでRFCによるバイアス方式であり、バイアス電流は20mA、信号電流は40mAp−p程度。)、駆動電圧は2.0V程度となっているため、前述記したような問題は生ぜず、数Gからの帯域を有している。
特開平10−144801号公報 (第7頁、第8図)
しかしながら、ブルーレイディスクの記録時の電流は、バイアス電流が40から50mA、信号振幅は80mAp−pにもおよび、上記した通信用LDと同等なドライブを行った場合、整合による電力ロスと信号電圧が大きくなってしまい、通信用のLD駆動回路を用いることは実用的でない。
この理由を更に補足して述べると、ディスク記録の場合、信号振幅は、電流源では4.0Vp−p、電圧源では8.0Vp−pとなる。それにバイアス電流を流す必要があり、2.5Vから5.0Vが加算されてしまう。また、レーザダイオードは約3.0V〜4.0Vの定電圧特性を持つ。このため、電源電圧は最低16.5V(8.0+5.0+3.5)必要となり、これでは、ディスク記録用のレーザー駆動回路を上記した通信用のLD駆動回路の構成としても必要な帯域を確保することが難しく、また、電流ドライブ型では、バイアス電流を別にしないと動作させるのが難しい。
しかし、現状のディスク記録では、基本波で100MHz以下と低周波を扱っているので、整合を取る必要が無く、単純にローインピーダンスアンプや電流出力アンプによりLDをドライブしても帯域上の問題はないが、これではブルーレイディスクの記録時の必要帯域を得ることができない。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、ブルーレイディスク用レーザダイオードを広帯域(300〜500MHz)駆動することができるレーザダイオード駆動回路を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、記録信号を増幅してレーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動回路であって、入力される記録信号を増幅する低インピーダンスの駆動回路と、前記低インピーダンスの駆動回路から出力される信号を前記レーザダイオードに伝送する低インダクタンスの伝送路とを具備することを特徴とする。
また、前記レーザダイオード駆動回路の前記レーザダイオードを含めた等価回路がπ型ローパスフィルタを形成するように、前記伝送路の前記駆動回路の出力側にコンデンサを接続することを特徴とする。
このように本発明において、低インピーダンスの伝送路は等価的にインダクタンスに置き換えられ、レーザダイオードを含めての駆動回路の負荷は等価的にローパスフィルタを構成することになる。その時、駆動回路が低インピーダンスで伝送路のインピーダンスが低ければ、前記インダクタンスは低くなり、ローパスフィルタの帯域を拡大することができ、また、駆動回路とローパスフィルタの接続点にコンデンサを付加してローパスフィルタの次数を上げることで、伝送帯域を更に広げることができる。以上の考察により駆動回路を低インピーダンスとし、この駆動回路に低インピーダンスの伝送路(例えば並列接続された複数線路を有する伝送線路)を用いてレーザダイオードを接続すれば、伝送帯域を拡大することができ、駆動回路はブルーレイディスク用レーザダイオードを広帯域駆動することができる。さらに、コンデンサを伝送線路の駆動回路接続側に付加してローパスフィルタの次数を上げることにより伝送帯域を更に広げることができ、駆動帯域を拡大して300〜500MHzの駆動を行うことができる。
本発明によれば、入力される記録信号を増幅する低インピーダンスの駆動回路に、並列接続された複数線路を有する低インピーダンスの伝送線路を介してレーザダイオードを接続することにより、レーザダイオード駆動回路の駆動帯域幅を拡大でき、ブルーレイディスク用レーザダイオードを広帯域(300〜500MHz)駆動することができる。
ブルーレイディスク用レーザダイオードを広帯域(300〜500MHz)駆動する目的を、入力される記録信号を増幅する低インピーダンスの駆動回路に、並列接続された複数線路を有する低インピーダンスの伝送線路を介してレーザダイオードを接続することによって実現した。
図1は、本発明の一実施の形態に係るレーザダイオード駆動回路の構成を示したブロック図である。レーザダイオード駆動回路は、低インピーダンスの駆動アンプ1、信号源抵抗RS、コンデンサC1、低インピーダンスの伝送路2を有し、この伝送路2に接続されたレーザダイオードLDを駆動する。
図2は、図1に示したレーザダイオード駆動回路の等価回路を示した回路図である。等価回路上、低インピーダンスの駆動アンプ1は等価的にレーザダイオード駆動回路の電圧源となるが、信号源抵抗がある場合は電流源Iと信号源抵抗RSで置き換えできる。低インピーダンスの伝送路は等価的にインダクタンスに置き換えでき、レーザダイオードLDはAC信号に対して等価的に動作抵抗RD(25Ω)と端子間容量C2で表される。
次に本実施の形態のレーザダイオード駆動回路の特性について主に図2の等価回路を参照して説明する。図2の等価回路よりレーザダイオード駆動回路は、終端抵抗25Ωのローパスフィルタである。このレーザダイオード駆動回路で、例えば、C2=20pF、RD=25Ωが決まっていても、RS、L2を任意に選ぶ事が出来る場合、ローパスフィルタの通過帯として平坦な特性を得る事ができ、更に、C1を付加してローパスフィルタの次数を上げれば伝送帯域を広げる事ができる。
ここで、図2の等価回路の最大帯域は、Rs、C1、L2が極限に小さい時であり、それを妨げる定数はL2となるが、L2は駆動アンプ1とレーザダイオードLD間の距離で決定され、現状30mm程度となっている。単線を伝送路2とした場合、L2は約30nHとなり、これを伝送線路(50Ω同軸)に置き換えると、インダクタンスは7.6nHと約1/4に減ずる事ができる。但し、LDのリードが0mmの時で、この配線を考慮すると10nH程度となる。
例えば、特性インピーダンスが50Ωの同軸ケーブルは、C=100pF/m、L=0.25uH/mであり、30mmでは、C=3pF、L=7.6nHとなる。従って、ローパスフィルタの帯域を拡大するには伝送路2として伝送線路を使用する必要があり、インピーダンスを低下させればインダクタンスも小さくすることができる。
この伝送線路のインピーダンスは筆者の実験によれば線路のパターン幅を広げるよりは平行に配置される複数本の線路を用いた場合の方がインダクタンスは低下することが確認されており、駆動アンプ1とレーザダイオードLDを接続する伝送線路としては、2本線路構成とすることにより所望の特性が得られることが分かった。
図3は上記考察により本実施の形態で用いる伝送線路の構造を示した図である。2層基板を用いてカソードコモン型のLDに対応した伝送線路3の構造を示し、2本線路構成としてそのインピーダンスの低減を図った例である。図中、21はカソードパターンを、22はアノードパターンを示し、Kはカソードを、Aはアノードを、NCは非接続を示している。また、パターン幅は0.75mmで約40Ωとしている。これらカソードパターンとアノードパターンの組を2組とする事でインピーダンスの低下を図っている。また、レーザダイオードLDのリード線まで平行とすることで、単線部の発生を抑えている。
尚、レーザダイオードの駆動アンプ1が電圧ドライブでRsを直列に挿入した場合、Rsによる電圧降下が発生し、電流ドライブに比べて駆動アンプ1の電源電圧を増加させる要因となるので、これをなるべく小さく抑える必要がある。図2にて、Rsを小さくするには、伝送路2のL2を小さくすれば良く、前述の帯域を広げることと一致する。例えば、伝送路2として50Ωパラの伝送線路3を用いて、低域が平坦となるようにRsを選定すると、Rsは15Ωとなり、帯域幅は450MHzとなる。この時、C1を付加して最大平坦特性を得ると、C2は20pFとなりレーザダイオードの駆動回路は等価的に3次のローパスフィルタとなった。
次に低インピーダンスの駆動アンプ1の具体的な回路構成について説明する。図4は駆動アンプ1の具体的な回路構成の候補となる回路の具体例である。図4(A)はエミッターフォロア型のアンプ、図4(B)は2個のトランジスタでダーリントン回路を形成したアンプ、図4(C)は極性の異なる2個のNPN、PNP型トランジスタでコンプリメンタリー回路を形成したアンプ、図4(D)は極性の異なる2個のトランジスタでコンプリメンタリー回路を形成し、更にミラー回路で出力段を形成したミラーコンプリメンタリー回路のアンプである。これら各回路のインピーダンス特性を筆者等が実験により確かめたところ、いずれの回路構成も大電流で高周波領域まで低インピーダンスにすることは難しく、帯域幅500MHzを考えると、図4(D)のミラーコンプリメンタリー回路のアンプが一番安定であった。
図5は上記の考察を考慮して決定された本発明のレーザダイオード駆動回路の実施例を示した回路図である。レーザダイオード駆動回路は、トランジスタQ1、Q2及び抵抗R1、R2、R3により形成されるレベルシフト電流電圧変換部10と、トランジスタQ3、Q4、Q5及び抵抗R4、R5、R6、コンデンサC1により形成されるミラーコンプリメンタリー型増幅部20とにより構成される駆動アンプ1と、ローパスフィルタ整合抵抗R7と、π型ローパスフィルタの容量C2を、Qダンプ用抵抗R8と、2線路並列型の伝送線路3により構成され、この伝送線路3に接続されるレーザダイオードLD1を駆動する。
図6は図5に示した回路の等価回路である。レーザダイオード駆動回路は、電流源I、15Ωの信号源抵抗、25pFのコンデンサ、7.9nHのインダクタンス、30pFのコンデンサにより形成されるローパスフィルタと等価で、このローパスフィルタの終端に25Ωの終端抵抗が接続されている。
次に本実施形態の動作について説明する。図示されない光ディスクに記録する記録信号100が電流電圧変換10に入力されてレベルシフトされた後、低インピーダンスのミラーコンプリメンタリー増幅部20により増幅され、増幅された信号が抵抗R7を介して伝送線路3に入力される。伝送線路3により伝送された増幅信号はレーザダイオードLD1に印加され、LD1は記録信号で変調されたレーザ光を出射する。
本実施形態によれば、駆動アンプ1の増幅部20はミラーコンプリメンタリーで形成された低インピーダンスの増幅器で、伝送線路3は2線路並列型の伝送線路で低インピーダンスを実現し、ローパスフィルタの次元をπ型ローパスフィルタの容量C2により上げているため、また、LDのリード線も平行(図示せず)としているため、駆動アンプ1からLDまでの伝送帯域を広帯域とすることができ、ブルーレイディスクの記録時に必要な300〜500MHzの帯域を確保することができる。
尚、図5で整合抵抗R7を点線で示した(R7)の位置に持って来る方が、高域の特性が安定する。但し、トランジスタQ3のエミッタとトランジスタQ5のコレクタは整合抵抗(R7)が図の破線の位置に挿入されていない場合は直接接続されている。
また、本実施の形態のレーザ駆動回路を搭載したディスク装置では、ブルーレイディスクの記録時に必要な300〜500MHzの帯域で青色レーザダイオードLDを駆動できるため、ブルーレイディスクを記録再生することができ、倍速記録も容易に行うことができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において、具体的な構成、機能、作用、効果において、他の種々の形態によっても実施することができる。図5に示した実施例の回路例では、カソードコモンのLDを駆動するため、出力トランジスタQ3〜Q4をNPN、PNP型トランジスタで構成しているが、アノードコモンのLDを駆動する場合は、PNP、NPN型トランジスタで構成とすれば良い。
1……駆動アンプ、2……伝送路、3……伝送線路、10……電流電圧変換部、20……ミラーコンプリメンタリー型増幅部、C1……コンデンサ、LD……レーザダイオード、RS……信号源抵抗。
Claims (6)
- 記録信号を増幅してレーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動回路であって、
入力される記録信号を増幅する低インピーダンスの駆動回路と、
前記低インピーダンスの駆動回路から出力される増幅信号を前記レーザダイオードに伝送する低インピーダンスの伝送路と、
を具備することを特徴とするレーザダイオード駆動回路。 - 前記駆動回路は、ミラーコンプリメンタリー型の回路構成であることを特徴とする請求項1記載のレーザダイオード駆動回路。
- 前記伝送路は、並列接続された複数本線路構成の伝送線路であることを特徴とする請求項1記載のレーザダイオード駆動回路。
- 前記レーザダイオード駆動回路の負荷側の等価回路が前記レーザダイオードを含めてπ型ローパスフィルタを形成するように、前記伝送路の前記駆動回路接続側にコンデンサを接続することを特徴とする請求項1記載のレーザダイオード駆動回路。
- 前記記録信号のレベルシフトを行う電流電圧変換器を前記駆動回路の前段に設けたことを特徴とする請求項1記載のレーザダイオード駆動回路。
- 前記駆動回路の出力側と前記伝送路との間にローパスフィルタ整合抵抗を挿入することを特徴とする請求項1記載のレーザダイオード駆動回路。
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Cited By (1)
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JP2009289836A (ja) * | 2008-05-27 | 2009-12-10 | Oki Data Corp | 発光素子アレイ、駆動制御装置、記録ヘッドおよび画像形成装置 |
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2004
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JP2009289836A (ja) * | 2008-05-27 | 2009-12-10 | Oki Data Corp | 発光素子アレイ、駆動制御装置、記録ヘッドおよび画像形成装置 |
US7924304B2 (en) | 2008-05-27 | 2011-04-12 | Oki Data Corporation | Light-emitting element array, drive controlling device, recording head, and image forming device |
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