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JP2005533379A - 多段レーザ・ドライバ回路を使用してレーザ・ダイオードを直接変調する方法と装置 - Google Patents

多段レーザ・ドライバ回路を使用してレーザ・ダイオードを直接変調する方法と装置 Download PDF

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JP2005533379A
JP2005533379A JP2004521675A JP2004521675A JP2005533379A JP 2005533379 A JP2005533379 A JP 2005533379A JP 2004521675 A JP2004521675 A JP 2004521675A JP 2004521675 A JP2004521675 A JP 2004521675A JP 2005533379 A JP2005533379 A JP 2005533379A
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transmission line
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リン キャスパー,バイロン
ペラル,エバ
ヘー. ランシン,ヨハネス
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トリクイント テクノロジー ホールディング カンパニー
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Abstract

光送信機(50)は、データを受信し、第1の端部と第2の端部とを有する伝送線路(54)を通じてそのデータを印加してレーザ・ダイオード(58)を駆動することのできるレーザ・ドライバ(52)を含む。伝送線路(54)の第1の端部はレーザ・ドライバ(52)の出力に結合する。増幅器(56)の第1の端子は伝送線路(54)の第2の端部に結合する。増幅器(56)の第2の端子はレーザ・ダイオード(58)に結合する。第1の端子に印加される信号振幅はレーザ・ダイオード(58)の光出力振幅を制御する。

Description

本発明は光通信システムに関し、特に、多段レーザ・ドライバ回路を使用してレーザ・ダイオードを直接変調する方法と装置に関する。
光通信システムでは、伝送用の光信号を発生するため通常レーザ・ダイオードを使用し、レーザ・ダイオードを使用するため通常レーザ・ドライバを使用する。
従来のレーザ・ドライバIC(集積回路)を使用してレーザ・ダイオードを直接変調する場合、特に、冷却がないため、いくつかの問題に遭遇することがある。第1に、ワイヤボンディングのインダクタンス、レーザ・ダイオードのキャパシタンス、およびレーザ・ドライバ出力のキャパシタンスの中の1つかそれ以上から駆動電流波形のリンギングおよび歪みが生じることがある。第2に、従来のシステムでは、上記のリンギングの一因となりうる相互接続インダクタンスを最小化するため、レーザ・ドライバICはレーザ・ダイオードのできる限り近くにあるべきだが、そのレーザ・ドライバICが発生する熱のためレーザ・ダイオードの温度を適切な性能が得られる十分な低さに保持するのが困難なことがある。
従って、レーザ・ドライバが発生する熱のレーザ・ダイオードに対する熱の影響を減らしつつ、波形の歪みとリンギングを減らすことができるような、レーザ・ドライバをレーザ・ダイオードに相互接続する方法と装置を提供することが望ましい。
本発明による典型的な実施例では、光送信機が提供される。光送信機は、データを受信しそのデータを印加してレーザ・ダイオードを駆動することのできるドライバ回路と、第1と第2との端部を有し、第1の端部がドライバ回路の出力に結合された伝送線路と、伝送線路の第2の端部に結合された第1の端子とレーザ・ダイオードに結合された第2の端子とを有する増幅器とを含み、第1の端子に印加される信号振幅がレーザ・ダイオードの光出力振幅を制御する。
本発明のこれらと他の態様は添付の図面に関連してなされる以下の詳細な説明を参照することによって理解されるだろう。
光送信機では、レーザ・ドライバICが伝送線路を通じてレーザ・ダイオードと相互接続されている場合には、例えばレーザ・ドライバICがレーザ・ダイオードにワイヤボンディングされた場合ほど、レーザ・ドライバICをレーザ・ダイオードに近づける必要はなく、レーザ・ドライバICが発生する熱がレーザ・ダイオードの温度に影響することもない。
しかし、伝送線路を使用してレーザ・ドライバICをレーザ・ダイオードに相互接続する場合、例えばRF(無線周波)反射によって発生する波形歪みを防止するため、通常伝送線路の両端にインピーダンス整合を提供しなければならない。レーザ・ダイオードと直列のインピーダンス整合抵抗を使用すれば、電圧スイングを十分に増大して適切な変調電流を提供することができる。
しかし、変調電流が80mApp(ミリアンペア、ピークツーピーク)の場合、50Ωシステムで十分な変調電流を提供するのに必要な電圧スイングは4.0Vpp(ボルト、ピークツーピーク)となり、25Ωシステムでは2.0Vppとなる。このように大きな電圧スイングを得るには、レーザ・ドライバICの供給電圧を増大し、システム全体の電力損を増大する必要がある。このように大きな電圧スイングでは、レーザ・ドライバICの供給電圧を増大し、システム全体の電力損を増大する必要がある。80mAppの変調電流は、例えば、高温で必要になることがある。室温では、通常の変調電流は40mApp〜60mAppでもよい。さらに、インピーダンス整合抵抗で消費されるバイアス電流が電力損に追加される。バイアス電流は通常温度によって変化し、例えば、10mApp〜80mAppでもよい。
さらに、一般にインピーダンスを整合してレーザ・ドライバICを逆終端する必要がある。この逆終端のため、レーザ・ドライバが必要とする出力電流が2倍になることがある。例えば、レーザ・ダイオードのために80mAppの変調を必要とする25Ωシステムでは、変調電流の半分が逆終端で消費されるとすれば、レーザ・ドライバは160mAppを出力しなければならないこともある。
従って、システム全体の電力損は、駆動電圧スイングが上昇することとレーザ・ドライバでの逆終端が必要なこととの両方によって増大する。非冷却型の光送信機の設計では、システムの電力損を低下させることが望ましいため、電力損を低下させる解決法が開発できない限り、レーザ・ドライバとレーザ・ダイオードとの間の伝送線路による相互接続を使用することは望ましくないことがある。
レーザ・ドライバICとレーザ・ダイオードとの間の伝送線路を使用する代わりに、インダクタンスを最小化するためレーザ・ドライバICをレーザ・ダイオードのできるだけ近くに設置してもよい。この場合、レーザ・ダイオードはレーザ・ドライバICが発生する熱に耐えるものでなければならない。レーザ・ダイオードとレーザ・ドライバICを互いのすぐ近くに設置し、例えばワイヤボンディングによって結合するこの場合には、伝送線路は使用しない。従って、伝送線路による相互接続に関連する(例えばインピーダンス整合抵抗による)電力損の追加を回避することができる。
しかし、レーザのキャパシタンスおよびドライバ出力のキャパシタンスとの相互接続用ワイヤボンディングの共振によってリンギングが発生することがある。このリンギングは従来のレーザ・ドライバ回路の高い出力インピーダンスによって悪化することがある。
従来のレーザ・ドライバは通常、電流源が出力差動対のエミッタまたはソースに接続された差動出力段を使用して設計されている。レーザ・ドライバ出力は一般に一方の出力トランジスタのコレクタまたはドレインから取り出し、もう一方の出力トランジスタのコレクタまたはドレインは通常負荷抵抗を通じて交流接地に終端する。出力トランジスタのコレクタまたはドレインに向かうレーザ・ダイオードから見て、レーザ・ドライバの出力インピーダンスは比較的高い。これは、一般にわずか数オームに過ぎないレーザ・ダイオード自体の動的インピーダンスとは対照的である。しかし、高速差動段の設計を容易にし、差動対のテール電流を設定する電流源が提供する変調電流制御を容易かつ正確にするため、一般に全てのビットレートで高インピーダンス・ドライバを使用する。
しかし、ドライバの出力インピーダンスが高くとも、ワイヤボンディングのインダクタンスによって発生するリンギングが抑制または減衰されることはなく、10Gbps(ギガビット/秒)といった高ビットレートでは、リンギングは重大なものになることがある。リンギングを減らすため、レーザ・ダイオードおよびレーザ・ドライバと直列またはドライバ出力キャパシタンスと並列の減衰抵抗を使用することがある。直列の抵抗は必要な駆動電圧を増大するという有害な影響を有することがあり、並列の抵抗は必要な駆動電流を増大するという有害な影響がある。どちらの場合でも、総電力損が増大することがある。
さらに、レーザ・ドライバがレーザ・ダイオードに近接しているため、レーザ・ドライバICが発生する熱によってレーザ・ダイオードの温度が上昇することがある。従来のレーザ・ドライバは10Gbpsで通常、0.5W(ワット)〜1.5Wの電力を消費する。レーザ・ドライバICが発生する熱による温度の上昇を減らすため、超低熱抵抗パッケージングを使用することが多いが、これはシステムの費用と寸法を増大する。
ドライバICをレーザ・ダイオードのすぐ近くに配置することによってもたらされるもう1つの問題は、通常ドライバの動作をサポートするために使用する受動素子と多数の相互接続部から生じることがある。こうした素子と相互接続部はレーザ・パッケージの寸法と複雑さを増大し、ひいては費用を増大し小型化の可能性を低下させる。
本発明による典型的な実施例では、レーザ・ダイオードをデータ信号によって直接変調する。この実施例では、レーザ・ドライバ回路を、ある長さの電気伝送線路によって離された少なくとも2つの別個の段に分割する。第1の段は、例えば、従来のレーザ・ドライバを含んでもよい。第2の段は、例えば、光送信機内のレーザ・ドライバとレーザ・ダイオードとの間に実装されるエミッタフォロワまたはソースフォロワとして構成したトランジスタを含んでもよい。
この典型的な実施例は、レーザ駆動のためのこのような追加の段を使用せずレーザ・ドライバICとレーザ・ダイオードとの間の伝送線路を通じてレーザ・ダイオードを駆動する光送信機と比較して電源電圧と電力損を低下させる。必要な電圧と電力がこのように低下したことは、少なくとも部分的には、レーザ・ドライバICとレーザ・ダイオードとの間のインピーダンス整合抵抗を使用しないことに帰することができる。
説明した実施例ではレーザ・ドライバICとレーザ・ダイオードとの間で伝送線路による相互接続を使用しているため、電力損とそれに関連するレーザ・ダイオードのすぐ近くでの局所的な加熱は、従来のレーザ・ドライバICがレーザ・ダイオードのすぐ近くに設置された光送信機と比較して減らすことができる。また、レーザ・ダイオードとレーザ・ドライバとの間の相互接続部のインダクタンスによって発生するレーザ・ダイオードの駆動電流のリンギングと歪みも減らすことができる。さらに、伝送線路の相互接続を使用することによって、レーザ・パッケージの内部で使用する受動素子の数と電気接続部の数も、従来のレーザ・ドライバICがレーザ・ダイオードと一緒にパッケージされた場合と比較して減らすことができる。
図1は、本発明による典型的な実施例を適用しうる光通信システム10の構成図である。光通信システム10は、光通信媒体20の送信端の光送信機14と受信端の光受信機22とを備えたシステムを例示する。しかし、実際の通信システムは光通信媒体の両端に1つかそれ以上の光送信機と1つかそれ以上の光受信機とを有してもよいことを当業者は認識するだろう。光通信媒体20は光ファイバ・ケーブルを備えてもよい。
光通信システム10は、光送信のためのレーザ出力を変調するデータを提供するデータ源12を含む。データ源12からのデータは、受信端でのデータの検出および/または回復のため、例えば順方向誤り訂正(FEC)によって符号化してもよい。例えば、データは、高データレート(例えば10Gbps以上)のRF(無線周波)信号として提供してもよい。データ源は、例えば、データを生成しそれをデータ源12に提供するためのコンピュータ・ネットワークに結合してもよい。
光送信機14はレーザ駆動回路16とレーザ18とを含む。レーザ駆動回路は多段式でもよく、例えば、変調振幅およびバイアスといったレーザ出力の様々なパラメータを制御する1つかそれ以上の制御信号を受信してもよい。レーザ18はレーザ・ダイオードまたは光通信に適した任意の他の光源でもよい。本発明による典型的な実施例では、レーザ・ドライバ16(またはその一部)とレーザ18とは別々にパッケージしてもよく、ある長さの伝送線路を通じて結合してもよい。
伝送線路は、例えば、マイクロストリップと同一平面上にあるかまたはそれを含むものであり、回路基板および/またはフレックス回路上に実装すればよい。例えば、レーザ18と多段レーザ駆動回路16の1つの段とはTO(トランジスタ・アウトライン)缶または他の適切なレーザ・パッケージに収容してもよく、伝送線路を通じて回路基板上のレーザ駆動回路16の残りの1つかそれ以上の段に結合してもよく、その伝送線路は回路基板および/またはフレックス回路上にあってもよい。
光通信システム10は、光通信媒体20の受信端にある光受信機22とデータ・シンク24とを含む。光受信機22は、例えば、受信した光信号を検出し光信号を電気信号に変換する1つかそれ以上のフォトダイオードを含んでもよい。データ・シンク24は、送信端で符号化したデータを復号する復号器を含んでもよい。データ・シンク24は、例えば、受信したデータを配信および/または処理するコンピュータ・ネットワークに結合してもよい。
図2は、本発明による典型的な実施例における光送信機50の概略図である。例えば、光送信機50は、典型的な光通信システムにおける図1の光送信機14として使用してもよい。
光送信機50は可変出力振幅を有するレーザ・ドライバ52を含む。レーザ・ドライバ52の出力はコンデンサ53を通じ伝送線路54を通じて増幅器56の入力に印加する。増幅器56は、例えば、固定利得線形増幅器(例えば、固定交流利得線形バッファ増幅器)でもよく、可変直流出力電流を有してもよい。増幅器56の出力はレーザ・ダイオード58の入力に印加し、増幅器56の出力振幅に対応するレーザ出力を生成する。
図2の典型的な光送信機では、レーザ・ドライバ52はデータ信号62によってレーザ・ダイオード56を直接変調する。レーザ・ドライバ回路はある長さの伝送線路54によって離された少なくとも2つの別個の段に分割する。レーザ・ドライバ52は入力データが「0」または「1」のどちらからなるかに対応する2つの電圧レベルV0とV1とを切り換えるデジタル出力を生成する第1の段である。正しい変調振幅をレーザ・ダイオード56に印加し、その望ましい動作点と消光比(「0」と「1」との間の光レベルの比)を維持することを可能にしうるレーザ変調振幅制御信号64によって電圧レベルV0およびV1を決定してもよい。
レーザ・ドライバ52の出力は直流阻止コンデンサ53を介して伝送線路54に結合され、そこから増幅器56に至る。別の実施例では、コンデンサ53は使用しなくてもよい。通常の端面発光型レーザ・ダイオードの動的インピーダンスは5〜10オームの範囲内である一方、通常の伝送線路のインピーダンスは25〜50オームの範囲内であるため、増幅器56は、レーザ・ダイオード58を駆動する前に伝送線路54のインピーダンスとのインピーダンス整合を提供すると共に電流利得を提供する役目を果たす固定利得線形増幅器でもよい。また、増幅器56は直流バイアス電流をレーザ・ダイオード58に提供してもよいが、これは、一定の光出力パワーレベルを維持するよう調整可能なレーザ・バイアス制御信号60によって調整してもよい。
固定利得線形増幅器は一般に非常に簡単なものでよく、場合によっては1つのトランジスタだけでもよい。従って、固定利得線形増幅器は、現在使用されている従来のレーザ・ドライバより低い電圧と電流で動作できる。このように電圧と電流が低いため、レーザ・ダイオードの近くで追加される電力損も小さくなる。ヒートシンクによる十分な放熱を提供してレーザ・ダイオードの動作温度を低く維持することが、10Gb/s(ギガビット/秒)光送受信機およびトランスポンダといった製品における主要な設計上の課題であるため、追加される電力損が小さいことによってレーザ・パッケージの設計を簡単にすることができる。さらに、動作電圧が低いため、レーザ・ドライバの供給電圧を減らすこともできる。このため、場合によっては、従来の送受信機またはトランスポンダの回路が普通必要とした高い供給電圧を提供する必要は低下するかまたは無くなる。
さらに、固定利得線形増幅器は非常に簡単なものでよくなり、非常にわずかな空間と少数の電気接続部を必要とするだけでよくなる。固定利得線形増幅器は、TO缶のような小型の低コスト・パッケージの中にレーザ・ダイオードと共に収容してもよい。さらに、固定利得線形増幅器は単一のトランジスタの共通ドレインまたは共通コレクタ段を使用して実現してもよい。これらおよび他の単一のトランジスタによる構成は、低い入力キャパシタンスを提供することができ、それによって伝送線路54との高周波数インピーダンス整合を提供することができる。また、電流利得を提供し、レーザ・ドライバ52からの必要な駆動電圧を減らすこともできる。
さらに、こうした構成は、レーザ・ダイオード58に提供される電気駆動信号のリンギングを減衰させる助けとなる低い出力インピーダンスを提供することができる。リンギングは、例えば、増幅器56の出力キャパシタンス、レーザ・ダイオード58の寄生キャパシタンス、および増幅器56とレーザ・ダイオード58との間の寄生インダクタンスの中の1つかそれ以上の結果生じることがある。
別の典型的な実施例では、さらなる増幅器をレーザ・ドライバ52とコンデンサ53との間に追加してもよい。追加の増幅器は、例えば、固定利得反転線形増幅器でもよい。光送信機が「デュアルループ」制御回路構成(すなわち、消光比一定制御ループと標準の光パワー一定制御ループ)を利用する場合、追加の増幅器が有用なことがある。こうした「デュアルループ」制御回路は、モニタ・フォトダイオードによって感知され、レーザ・ダイオードの変調スロープ効率を推定するために使用される「1」レベルのレーザ駆動電流の小振幅、低周波数のディザ・トーン変調を利用することが多い。推定した変調スロープ効率を使用してレーザ変調振幅を調整し、一定の消光比を維持してもよい。
「1」レベルの変調は、ドライバの出力段を形成する高速バイポーラまたはNチャネルFETトランジスタの差動対のテール電流を変調することによって達成すればよい。このドライバの差動出力の一方がレーザ・ダイオードに直接結合されている場合、光「1」レベルだけの低周波数ディザ・トーン変調を達成してもよい。「0」レベルはダイオードの発振しきい値に近く、この点の近くで変調を行うと高レベルのターンオン・ジッタを発生することがあるため、「0」レベルを変調するのは望ましくないことがある。
さらに、デュアルループ・デジタル・ドライバとレーザ・ダイオードとの間で前に説明したような線形バッファ増幅器を利用する場合問題が起こることがある。この問題は、通常のデュアルループ・ドライバによるディザ・トーン変調が「1」レベルでなく「0」レベルに対して行われるような「1」と「0」のレベルの逆転から生じる。この問題は、デュアルループ・レーザ・ドライバ52と、レーザ・ダイオードに接続された増幅器56との間で追加の増幅器(例えば、反転線形増幅器)を利用すれば是正できる。反転増幅器はレーザ・ドライバ52または追加の増幅器の何れかと一体化してもよいが、レーザ・ダイオードの近くでの電力損を最小化するため、レーザ・ドライバ52と一体化することがさらに望ましいことがある。
他の実施例では、モニタ・フォトダイオードを使用してレーザ・ダイオード58の出力を監視してもよい。監視信号は、レーザ変調および/またはバイアスを制御するフィードバック信号として使用してもよい。モニタ・フォトダイオードは、例えば、レーザ・ダイオード58および/または増幅器56と同じTO缶の中に実装してもよい。
図3は、本発明による典型的な実施例における光送信機100の概略図である。例えば、光送信機100は、典型的な光通信システムにおける図1の光送信機14と同様に使用してもよい。光送信機100では、増幅器は、直流結合共通ドレイン増幅器として構成した単一のFET(電界効果トランジスタ)(例えば、PHEMT(pseudomorphic高電子移動度トランジスタ))を使用して実装する。他の実施例では、共通コレクタ増幅器としてバイポーラ・トランジスタ(例えば、NPNバイポーラ・トランジスタ)を使用してもよい。また別の実施例では、当業者に周知の他のトランジスタを使用してもよい。
光送信機100は、レーザ・ドライバ102とレーザ・ダイオード108とを含む。レーザ・ドライバ102はデータ124を受信し、このデータを使用してレーザ・ダイオード108を変調する。データ124は、例えば、10Gbps以上のデータレートを有してもよい。また、レーザ・ドライバ102は、レーザ・ダイオード出力のピークツーピーク振幅を制御するために使用可能なレーザ変調振幅制御入力122を受信する。
典型的な実施例では、レーザ・ドライバ102は、ある長さの伝送線路104を通じてトランジスタ106を駆動する。伝送線路104は、同一平面上の伝送線路またはマイクロストリップとして回路基板および/またはフレックス回路上に実装すればよい。伝送線路104の長さは1.25cm(センチメートル)程度でもよく、約0.25cm〜数センチメートルの間で変化してもよい。コンデンサ118は、トランジスタ106のドレインと接地との間に配置する。コンデンサ118は、レーザ・ダイオード108のTO缶の中の小さなキャパシタンス(例えば、60〜100pF)を有する1つのコンデンサと、TO缶の外の大きなキャパシタンス(例えば、0.1μF)を有するもう1つのコンデンサとの、並列の2つのコンデンサを含んでもよい。
光送信機100はさらに、レーザ・ドライバ102のためのDC(直流)負荷を提供する負荷抵抗110を含む。また、負荷抵抗110は、伝送線路104のための逆終端を提供し、レーザ・ドライバ102の出力インピーダンスと伝送線路104の特性インピーダンスとをほぼ整合する。光送信機100では、コンデンサ116とインダクタ120がバイアスTネットワークを形成する結果、伝送線路104とインダクタ120とを通じてトランジスタ106のゲートに印加されるレーザ・バイアス制御信号を通じて、トランジスタ106と、ひいてはレーザ・ダイオード108の直流バイアス制御を達成することができる。コンデンサ116は、レーザ・ドライバ102の出力をレーザ・バイアス制御信号126から隔離する直流阻止を提供する。
インピーダンス整合抵抗114は、伝送線路104のために必要な終端インピーダンスを提供し、それによってトランジスタ106の入力インピーダンスと伝送線路104の特性インピーダンスをほぼ整合するように選択すべきである。当業者は、光送信回路の適切なインピーダンス整合と動作を得るための、コンデンサ、抵抗およびインダクタといった様々な電気回路素子の値を認識するだろう。
トランジスタ106は、エミッタフォロワとして構成したNPNバイポーラ・トランジスタによって置き換えてもよく、伝送線路104の出力を抑制しない比較的高い入力インピーダンスを提供する。レーザ・ダイオード108に接続されたトランジスタのソースまたはエミッタの出力は、レーザ・ダイオード108のための低インピーダンス駆動信号を提供するが、これはトランジスタ106とレーザ・ダイオード108との間の寄生インダクタンスによって発生するリンギングを減衰させることがある。このようにして、ドライバとレーザ・ダイオードとの相互接続部の従来の実装に関連する問題の1つ(すなわち、リンギング)を解決することができる。
典型的な実施例では、レーザ・ダイオード106と直列の抵抗を使用していないため、必要な供給電圧Vccは低くなる。最大電流条件でレーザ・ダイオード106にかかる最悪の場合のピーク電圧は、例えば2.0V程度ですむ。例えば、供給電圧Vccが3.3Vの場合、トランジスタ106のコレクタ・エミッタ間電圧として1.3Vが残ることになるが、これは許容可能なトランジスタの動作を得るために十分なものである。
さらに、動的インピーダンスが7Ωの通常のレーザで、最悪の場合の変調電流が80mApp(ミリアンペア、ピークツーピーク)の場合、レーザ・ダイオード108の(トランジスタ106のエミッタに結合した)アノードでの交流電圧スイングは0.56Vppである。単一トランジスタ・フォロワ電圧利得が0.5の通常の場合、レーザ・ドライバ102が必要とする出力電圧スイングは1.12Vppである。この電圧スイングは、例えば、トランジスタを使用せずインピーダンス整合抵抗を介した伝送線路104を通じてレーザ・ダイオード108を直接駆動した場合に必要な2.0Vpp〜4.0Vppよりはるかに小さい。
従って、レーザ・ドライバ102が必要とする電圧スイングが小さいことに加えて、フォロワ段のVccの要求が低いため、インピーダンス整合抵抗を介して伝送線路からレーザ・ダイオードを直接駆動する場合と比較して、供給電圧が低くひいては全体の電力損を減らした非冷却型光送信機を設計することが可能になる。
さらに、レーザ・ダイオードのすぐ近くにレーザ・ドライバICを有する場合と比較して、レーザ・ダイオードの近くの電力損が減少し、ひいては発熱も減少する。例えば、80mAppの変調電流をレーザに供給し、3.3Vの供給電圧で動作する従来の差動ドライバの場合、電力損は、変調電流に由来するものだけで80mA×3.3V=264mWとなる。通常のドライバでは追加の内部利得段および他の機能のためさらに数百ミリワットが加わる。
同じ80mAppの変調電流に対して、説明した実施例のトランジスタによる平均電力損は、変調電流が0.5倍であるため40mA×3.3V=132mWに過ぎない。フォロワ・ドライバの非平衡的な性質のため、レーザ・ダイオード108のすぐ近くでの変調に関連する電力損は半分になる。さらに、レーザ・ドライバ102をレーザ・ダイオード108から離れた場所に配置して熱の影響を最小化することができる。
さらなる利点として、レーザ・ドライバ102が必要とする電流スイングが減るため、さらに電力が節約できるということがある。例えば、トランジスタ106に対して必要な1.12Vppの駆動を達成するには、50Ωの負荷に加えて50Ωの逆終端抵抗を駆動する場合、必要な駆動電流は1.12V/25Ω=44.8mAである。従って、レーザ・ドライバ102の変調に関連する電力損は44.8mA×3.3V=147.8mWである。従って、トランジスタ106とレーザ・ドライバ102との合計の変調に関連する電力損は147.8mW+132mW=279.8mWであるが、これはレーザ・ドライバ102がレーザ・ダイオード106を直接駆動する場合必要な264mWという電力よりわずかに多いだけに過ぎない。
従って、全体の電力損をほとんど増やすことなく、トランジスタ106を使用してレーザ・ダイオードのすぐ近くでの電力損を減らすことができる。この電力損の減少によって、レーザ・パッケージの熱設計を大幅に単純化し、費用を下げることができる。さらに、トランジスタ106が必要とする受動素子と外部接続部の数はごく少数となるので、トランジスタ106は少数の外部電気接続部を備えた非常に小さい外装内にレーザ・ダイオード108と一緒にパッケージしてもよい。他の実施例では、(例えば、TO缶内の)レーザ・ダイオードの電力損を減らすため、Vccとトランジスタ106のドレインとの間に抵抗を追加してもよい。
別の典型的な実施例では、トランジスタ106が提供する直流電流に加えてレーザ・ダイオードのバイアス電流のための経路を提供するため、追加のインダクタをトランジスタ106のソースに結合してもよい。追加のインダクタのもう一方の端部はレーザ・バイアス制御信号に結合すればよい。この構成を使用して、トランジスタ106に供給すべき直流電流を下げてもよい。すなわち、全体の電力損とレーザ・ダイオード108の近くでの関連する発熱を下げてもよい。
さらに、追加のインダクタとトランジスタ106のソースとの間に追加のコンデンサを追加してもよい。さらに、トランジスタのソースと接地との間に別のインダクタを配置してもよい。このようにすると、トランジスタ106とレーザ・ダイオード108とにかかる直流電圧降下は直列に追加されないので、各素子は個別に動作するため利用可能な十分な供給電圧を有することができる。この構成は、供給電圧を(例えば3.3Vから)例えば1.8V〜1.2Vという、トランジスタ106とレーザ・ダイオード108とを直接直列に接続した場合十分な動作電圧を提供できないような値にまで低下させる設計で有用なことがある。
別の典型的な実施例では、トランジスタ106(例えば、共通コレクタ増幅器構成ではNPNバイポーラ・トランジスタ)のベースと、3.3Vのこともある正の供給電圧Vccとの間にインピーダンス整合抵抗を追加してもよい。この場合、インピーダンス整合抵抗と抵抗114とは、両者の並列の組み合わせによってトランジスタ106の入力インピーダンスと伝送線路104の特性インピーダンスとがほぼ整合されるように選択すべきである。2つのインピーダンス整合抵抗を使用することによって、それらの値を1つの終端抵抗(例えば、抵抗114)だけを使用した場合より高くしてもよい。すなわち、一定のベース電圧から生じる電流が低くなるので、全体的な電力損を減らすことができる。
さらに、また別の典型的な実施例では、トランジスタ106は、共通コレクタ増幅器ではなく共通エミッタ増幅器として構成したNPNバイポーラ・トランジスタによって置き換えてもよい。別言すれば、レーザ・ダイオード108は、NPNバイポーラ・トランジスタのエミッタと接地との間ではなく正の電源VccとNPNバイポーラ・トランジスタとの間に配置してもよい。このようにして、同じレーザ変調電流スイングに対してより低い駆動電圧を使用することができる。しかし、その結果、所定のトランジスタについての有効入力キャパシタンスと出力インピーダンスが高くなり、レーザ・ダイオード駆動電流波形のリンギングを減衰させるトランジスタの能力を制限することがある。FET(例えば、PHEMT)を使用する場合、トランジスタ106は共通ソース構成を有してもよい。
図4の光送信機150は、コンデンサ154が抵抗114と直列に接続されている点と、インダクタ120を抵抗152によって置き換えている点を除いては図3の光送信機100と同一である。コンデンサ154を追加することによって、トランジスタ106のゲートの回路ノードは接地に対して高い直流インピーダンスを有するようになる。従って、レーザ・バイアス制御回路が必要とする電流の量はごく小さくなり、インダクタ120を抵抗152によって置き換えることができる。
実際のインダクタは一般に、伝送線路104に対して高いインピーダンスを示す周波数の範囲を制限する大きな寄生キャパシタンスを有するので、インダクタンス120を除去することによって高周波特性が改善される。抵抗はインダクタよりはるかに広い周波数範囲にわたって高いインピーダンスを提供でき、ひいては単純でより安価な設計が可能になる。
図3の光送信機100の場合と同様、光送信機150のトランジスタ106は、バイポーラ・トランジスタ(例えば、NPNバイポーラ・トランジスタ)または当業者に周知の何らかの他の適切なトランジスタによって置き換えてもよい。
別の典型的な実施例では、図4の光送信機150は追加の構成要素を含んでもよい。例えば、コンデンサ154と並列の、すなわち、抵抗114とコンデンサ154との間のノードから接地に接続される抵抗を追加してもよい。さらに、コンデンサ116と伝送線路104との間に並列の抵抗とコンデンサ(並列RCネットワーク)を追加してもよい。このようにすると、コンデンサ154は、図4の構成のものより値が小さく、ひいては物理的寸法も小さいものでよくなる。
例えば、図4の光送信機150の場合、コンデンサ154は0.1μF(マイクロファラッド)という通常の値のものでよい。上記のコンデンサと抵抗を追加すると、コンデンサ154は100pF(ピコファラッド)という値のものでよくなる。TO缶のようなレーザ・パッケージでは、利用可能な空間は通常制限されているため、このコンデンサの寸法の差は実際に設計を行う場合有用なことがある。
例えば、コンデンサ116と伝送線路104との間の並列RCネットワークは、コンデンサ154の値がごく小さい場合でも、全体的に平坦な周波数応答を維持する等化を提供することができる。コンデンサ154と並列の抵抗は、インダクタではなく抵抗152を使用できるような十分に高い値を有するよう選択すべきである。並列RCネットワーク中の抵抗の抵抗値が、コンデンサ154と並列の抵抗のものと等しくなるように選択し、並列RCネットワーク中のコンデンサのキャパシタンスがコンデンサ154のものと等しくなるように選択すれば、平坦な周波数応答を維持することができる。
図4の光送信機150の場合と同様、トランジスタは、バイポーラ・トランジスタ(例えば、NPNバイポーラ・トランジスタ)または当業者に周知の何らかの他の適切なトランジスタによって置き換えてもよい。
本発明はいくつかの特定の典型的な実施例において説明したが、多くのさらなる修正および変形が当業者に明らかであろう。従って、本発明は特に記載した以外の方法で実施しうることを理解されたい。すなわち、本発明の実施例は全ての点で例示的であって制限的でなく、本発明の範囲は添付の請求項とそれらの同等物によって決定されると考えるべきである。
本発明による典型的な実施例を適用しうる光通信システムの構成図である。 本発明による典型的な実施例における光送信機の概略図である。 本発明による別の典型的な実施例における光送信機の概略図である。 本発明によるまた別の典型的な実施例における光送信機の概略図である。

Claims (20)

  1. 光送信機であって、
    データを受信し前記データを印加してレーザ・ダイオードを駆動することのできるドライバ回路と、
    第1の端部と第2の端部とを有し、前記第1の端部が前記ドライバ回路の出力に結合された伝送線路と、
    前記伝送線路の前記第2の端部に結合された第1の端子と前記レーザ・ダイオードに結合された第2の端子とを有する増幅器とを備え、
    前記第1の端子に印加される信号振幅が前記レーザ・ダイオードの光出力振幅を制御する光送信機。
  2. 前記増幅器がトランジスタを備える請求項1に記載の光送信機。
  3. 前記増幅器が共通コレクタ増幅器として構成されたバイポーラ・トランジスタを備える請求項2に記載の光送信機。
  4. 前記増幅器が共通エミッタ増幅器として構成されたバイポーラ・トランジスタを備える請求項2に記載の光送信機。
  5. 前記増幅器が共通ドレイン増幅器として構成されたFETを備える請求項2に記載の光送信機。
  6. 前記FETがPHEMTを備える請求項5に記載の光送信機。
  7. 前記増幅器が共通ソース増幅器として構成されたFETを備える請求項2に記載の光送信機。
  8. 前記FETがPHEMTを備える請求項7に記載の光送信機。
  9. 前記伝送線路の前記第1の端部と正の電圧供給との間に配置された第1の抵抗と、前記伝送線路の前記第2の端部と接地との間に配置された第2の抵抗とをさらに備え、
    前記第1の抵抗と前記第2の抵抗とが、それぞれ、前記ドライバ回路の出力インピーダンスおよび前記増幅器の入力インピーダンスの前記伝送線路の特性インピーダンスに対する実質上の整合を可能にする請求項2に記載の光送信機。
  10. 前記伝送線路が、同一平面上の伝送線路とマイクロストリップとからなるグループから選択される請求項1に記載の光送信機。
  11. 前記ドライバ回路が、レーザ・ダイオード出力の変調振幅を制御するレーザ変調振幅制御信号を受信する請求項1に記載の光送信機。
  12. 前記増幅器が、レーザ・ダイオード出力の直流バイアスを制御するレーザ・バイアス制御信号を受信する請求項1に記載の光送信機。
  13. 前記レーザ・バイアス制御信号と前記増幅器との間を結合するインダクタをさらに備える請求項12に記載の光送信機。
  14. 前記レーザ・バイアス制御信号と前記増幅器との間を結合する抵抗をさらに備える請求項12に記載の光送信機。
  15. 前記ドライバ回路の出力と前記伝送線路との間に配置されたコンデンサをさらに備え、前記コンデンサが、前記レーザ・バイアス制御信号を前記ドライバ回路から隔離する直流阻止を行う請求項12に記載の光送信機。
  16. 前記ドライバ回路が前記レーザ・ダイオードと同じパッケージ内になく、レーザ・ダイオードの近くの熱放散が減少する請求項1に記載の光送信機。
  17. 前記レーザ・ダイオードとレーザ・バイアス制御信号との間に配置されたインダクタをさらに備え、前記インダクタが、前記増幅器による電流供給に対する要求を減らすような前記レーザ・ダイオードへの直流電流経路を提供する請求項1に記載の光送信機。
  18. 前記増幅器の前記第2の端子と前記レーザ・ダイオードとの間のコンデンサと、前記増幅器の前記第2の端子と接地との間のインダクタとをさらに備え、それによって前記増幅器と前記レーザ・ダイオードとが各々動作のために利用可能な正の電源供給を有する請求項1に記載の光送信機。
  19. さらに、前記伝送線路の前記第2の端部と前記正の電圧供給との間に配置された第3の抵抗を備え、前記第2の抵抗と前記第3の抵抗との間の並列結合が、前記伝送線路の前記特性インピーダンスと前記増幅器の前記入力インピーダンスとの間の前記実質上の整合を可能にする請求項9に記載の光増幅器。
  20. さらに、前記第2の抵抗と直列の交流結合コンデンサを備え、それによって電力損を減らし周波数性能を改善する請求項9に記載の光増幅器。
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