JP2005345735A - 電子写真用二成分現像剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 機内へのトナー飛散を抑制するとともに高い画像濃度を得ることができ、長期間使用しても安定して高画質な画像を得ることのできる、耐久性のある電子写真用二成分現像剤を提供する。
【解決手段】 電子写真用二成分現像剤を、コア材の表面上に形成される被覆層が、樹状の形状を有する酸化チタンを含有するシリコーン樹脂被覆層であるキャリアと、トナーとからなる構成とすることによって、トナー飛散を抑制するとともに、充分な画像濃度が得られ、さらに、長期間使用しても画像濃度が低下せず高画質の画像を形成することが可能になる。
【選択図】 なし
Description
キャリアが、
コア材と、コア材の表面上に形成される被覆層とを含み、
被覆層が、
樹状の形状を有する酸化チタンを含むシリコーン樹脂被覆層であることを特徴とする電子写真用二成分現像剤である。
また本発明は、前述のトナーが、体積平均粒径が5〜10μmであり、かつ粒径が5μm以下の粒子の含有率が17個数%以下であることを特徴とする。
キャリアは、コア材とコア材の表面上に形成されるシリコーン樹脂被覆層とから構成される。
コア材としては、たとえば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。フェライトとしては、公知のものを使用でき、たとえば、銅、ニッケル、亜鉛、コバルトおよびマンガンなどのフェライト粉末が使用できる。コア材は、球状、不定形のいずれも使用できるが、円形度が高いもののほうが好ましい。
被覆層の樹脂には、シリコーン樹脂を用いる。シリコーン樹脂は、低表面エネルギーであるのでトナーとキャリアとの摩擦帯電が大きくなりすぎず、キャリアに対するトナーの付着量を好適範囲に設定できるので、現像剤の流動性を向上させる点で有効である。シリコーン樹脂としては、たとえば、メチル系シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂などの一般的に使用される熱硬化性シリコーンおよび常温硬化型シリコーンが挙げられる。
コア材表面への被覆層形成の方法としては、たとえば、上記の酸化チタンが均一に分散したシリコーン樹脂コーティング溶液にコア材を浸漬被覆し、乾燥させる方法、コア材に対してコーティング溶液を噴霧被覆し、乾燥させる方法が挙げられる。このような被覆層形成に使用する装置としては、たとえば、転動コーティング装置、流動コーティング装置が挙げられる。被覆量は、コア材100重量部に対して酸化チタンを含有するシリコーン樹脂0.05〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは1〜5重量部である。また、コア材の表面に形成したシリコーン樹脂被覆層に焼き付けをして被覆層を安定させるのが好ましい。
本発明の二成分現像剤を構成するトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含む。
結着樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂およびアクリル樹脂などが挙げられる。上記の樹脂を単独で用いてもよく、複数を混合して用いてもよい。また、共重合体は、ブロック共重合体でもよいし、グラフト共重合体でもよい。分子量分布が1つのピークのものでもよく、2つのピークのものでもよい。
着色剤としては、公知の顔料を使用でき、たとえば、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーなどが挙げられる。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤のほかに、好ましい特性を損なわない範囲でワックスなどの離型剤を含有してもよい。ワックスは、公知のものを使用でき、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体およびポリオレフィンなどから選ばれる少なくとも一種からなるワックスが挙げられる。ワックスは、結着樹脂100重量部に対して2重量部以上8重量部以下が好ましい。2重量部未満であると、オフセットが発生しやすくなり、8重量部を超えると、フィルミングが発生しやすくなる。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤のほかに、好ましい特性を損なわない範囲で帯電制御剤などの添加剤を含有してもよい。
本発明のトナーは、結着樹脂に対して着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤としてのワックスなどを溶融混練した後、冷却により固化させ、粉砕分級することにより得られる。なお、混練する前に、混合装置を用いて各原料の混合を予備的に行う。混合装置としては特に限定するものではなく、たとえば、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの高速撹拌型混合装置が挙げられる。予備的に混合された原料混合物は、溶融混練工程に供される。溶融混練工程では、たとえば、二軸混練機が用いられる。得られる混練物は、所望の粒径に粉砕する粉砕工程に供される。粉砕装置としては特に限定するものではなく、たとえば、旋回流式ジェットミル、衝突板式ジェットミルなどのジェット式粉砕機、回転型機械ミルなどが挙げられる。次いで、所望の粒径分布を得るための分級を行い、トナー粒子を得る。分級装置としては特に限定するものではなく、たとえば、風力分級機、慣性式分級機、篩式分級機などが挙げられる。
上記の方法によって得られたキャリアおよびトナーを混合機で混合させることによって二成分現像剤を製造する。混合機としては公知のものを使用でき、たとえば、V型混合機、W型混合機が挙げられる。
コア材の粒径は、レーザー粒度測定装置LA−920(堀場製作所社製)によって測定した。
トナー粒子の粒子径をマルチサイザー(コールターカウンター社製)を用いて測定し、その測定結果から、体積平均粒径および粒径分布を求めた。
以下のようにして、コア材の表面上に樹脂被覆層を有するキャリアと、結着樹脂、着色剤、ワックス、帯電制御剤を含む原料混合物を予備的に混合した後、溶融混練、粉砕、分級することによって作製したトナーとを混合し、実施例および比較例の電子写真用二成分現像剤を製造した。
〔キャリア〕
(コア材)
コア材としては、粒径が65μmであるCu−Znフェライトを使用した。
被覆層のシリコーン樹脂としては、熱硬化型シリコーンを使用した。
さらに、流動コーティング装置を用いて、被覆量が、コア材100重量部に対して酸化チタンを含有するシリコーン樹脂5重量部となるようにコア材にコーティングを行い、シリコーン樹脂被覆層を形成した。その後、200℃で2時間の焼き付けを行い、キャリアを作製した。
トナーは、結着樹脂に対して着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤としてのワックスなどを溶融混練した後、冷却により固化させ、粉砕分級することにより作製した。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂(三井化成工業(株)社製)を100重量部使用した。
着色剤としては、カーボンブラック(商品名:330R、キャボット社製)7重量部を使用した。
ワックスとしては、ポリエチレン(商品名:PE130、クラリアントジャパン社製)1.0重量部、ポリプロピレン(商品名:NP−505、三井化学社製)1.5重量部を使用した。
帯電制御剤としては、T−77(商品名、保土ヶ谷化学工業社製)1.0重量部、マグネタイト(商品名:KBC−100、関東電化社製)1.5重量部を使用した。
上記のトナー原料をスーパーミキサー(川田社製)によって充分に混合し、得られた混合物を二軸混練機(商品名:PCM−30、池貝鉄工社製)によって溶融混練した。この混練物をジェット式粉砕機(商品名:IDS−2、日本ニューマチック社製)によって粉砕、分級し、次のようにしてトナー粒子が体積平均粒径8.5μmおよび粒径が5μm以下のトナー粒子含有率が16.5個数%になるように調整を行った。
上記の方法によって作製されたキャリア950gとトナー50gとを、V型混合機((株)徳寿工作所社製)によって15分間撹拌して、実施例1の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中の酸化チタンが、シリコーン樹脂100重量部に対して10重量部であること以外は実施例1と同様にして、実施例2の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中の酸化チタンが、シリコーン樹脂100重量部に対して30重量部であること以外は実施例1と同様にして、実施例3の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中の酸化チタンが、シリコーン樹脂100重量部に対して40重量部であること以外は実施例1と同様にして、実施例4の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中の酸化チタンが、シリコーン樹脂100重量部に対して50重量部であること以外は実施例1と同様にして、実施例5の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中の酸化チタンが、シリコーン樹脂100重量部に対して100重量部であること以外は実施例1と同様にして、実施例6の二成分現像剤を作製した。
トナーの作製において、結着樹脂100重量部に対して着色剤を8重量部使用し、トナーの体積平均粒径が7.5μm、かつ5μm以下の粒子の含有率が16.8個数%であること以外は実施例1と同様にして、実施例7の二成分現像剤を作製した。
トナーの作製において、結着樹脂100重量部に対して着色剤を12重量部使用し、トナーの体積平均粒径が6.5μm、かつ5μm以下の粒子の含有率が16.8個数%であること以外は実施例1と同様にして、実施例8の二成分現像剤を作製した。
コア材として、粒径が40μmであるCu−Znフェライトを用いて作製したキャリア930gと、結着樹脂100重量部に対して着色剤を12重量部使用し、体積平均粒径が6.5μm、かつ5μm以下の粒子の含有率が16.8個数%であるトナー70gとを使用したこと以外は実施例1と同様にして、実施例9の二成分現像剤を作製した。
粒径が90μmであるCu−Znフェライトからなるコア材と、形状が樹状で、幅が0.05μm、長さが0.25μm、比表面積が75m2 /gである酸化チタン(商品名:TTO−S−1、石原産業(株)社製)を含むシリコーン樹脂被覆層とで形成されたキャリア960gと、体積平均粒径が8.5μmかつ5μm以下の粒子の含有率が16.8個数%であるトナー40gとを使用したこと以外は実施例1と同様にして、実施例10の二成分現像剤を作製した。
トナーの作製において、結着樹脂100重量部に対して着色剤を8重量部使用し、トナーの体積平均粒径が7.5μm、かつ5μm以下の粒子の含有率が16.5個数%であること以外は実施例10と同様にして、実施例11の二成分現像剤を作製した。
トナーの作製において、結着樹脂100重量部に対して着色剤を12重量部使用し、トナーの体積平均粒径が6.5μm、かつ5μm以下の粒子の含有率が16.5個数%であること以外は実施例10と同様にして、実施例12の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中の酸化チタンが粒径0.03μm、比表面積35m2 /gの球状酸化チタンであること以外は実施例1と同様にして、比較例1の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中の酸化チタンが粒径0.03μm、比表面積35m2 /gの球状酸化チタンであること以外は実施例2と同様にして、比較例2の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中の酸化チタンが粒径0.03μm、比表面積35m2 /gの球状酸化チタンであること以外は実施例3と同様にして、比較例3の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中の酸化チタンが粒径0.03μm、比表面積35m2 /gの球状酸化チタンであること以外は実施例4と同様にして、比較例4の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中の酸化チタンが粒径0.03μm、比表面積35m2 /gの球状酸化チタンであること以外は実施例6と同様にして、比較例5の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中に酸化チタンを添加しないこと以外は実施例1と同様にして、比較例6の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中に酸化チタンを添加しないこと以外は実施例7と同様にして、比較例7の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中に酸化チタンを添加しないこと以外は実施例10と同様にして、比較例8の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中に酸化チタンを添加しないこと以外は実施例11と同様にして、比較例9の二成分現像剤を作製した。
キャリアの作製において、樹脂被覆層中に酸化チタンを添加しないこと以外は実施例12と同様にして、比較例10の二成分現像剤を作製した。
各二成分現像剤を用いて印刷した初期状態の画像の濃度と、印字率5%の原稿を5枚間欠で100,000枚印刷した後の画像濃度とを、マクベス反射濃度計(RD−914;商品名、Macbeth社製)によって測定した。印刷には、市販のモノクロ複写機AR−450(商品名、シャープ株式会社製)を使用した。評価は、画像濃度が1.33以上を◎、1.30以上1.33未満を○、1.30未満を×とした。
各二成分現像剤を用いて、気温35℃、湿度85%の高温高湿環境下において印字率5%の原稿を500枚複写した後、複写機内に飛散しているトナーを50mm×50mmの領域内で吸引捕集した。評価は、吸引捕集した飛散トナーが5mg未満を◎、5mg以上10mg未満を○、10mg以上を×とした。なお、複写には、モノクロ複写機AR−450(商品名、シャープ株式会社製)を使用した。
◎:良好。すべて◎。
○:実使用上問題なし。評価項目に不良評価(×)がなく、1つでも評価(○)があるもの。
×:実使用不可。評価項目に1つでも不良評価(×)があるもの。
以上の評価結果を表3に示す。
Claims (5)
- トナーと、キャリアとを含む電子写真用二成分現像剤において、
キャリアは、
コア材と、コア材の表面上に形成される被覆層とを含み、
被覆層が、
樹状の形状を有する酸化チタンを含むシリコーン樹脂被覆層であることを特徴とする電子写真用二成分現像剤。 - 酸化チタンは、形状が幅0.04〜0.07μm、長さ0.2〜0.3μmであり、比表面積が70〜90m2 /gであり、かつ酸化チタンの表面が酸化ジルコニウムと酸化アルミニウムとで被覆処理されていることを特徴とする請求項1記載の電子写真用二成分現像剤。
- キャリアは、粒径が30〜100μmであることを特徴とする請求項1または2記載の電子写真用二成分現像剤。
- トナーは、体積平均粒径が5〜10μmであり、かつ粒径が5μm以下の粒子の含有率が17個数%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真用二成分現像剤。
- トナーは、着色剤を含み、着色剤が、トナー中に4〜12重量%含有されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真用二成分現像剤。
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