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JP2005238423A - 金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置及びその欠陥除去方法 - Google Patents

金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置及びその欠陥除去方法 Download PDF

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JP2005238423A
JP2005238423A JP2004054984A JP2004054984A JP2005238423A JP 2005238423 A JP2005238423 A JP 2005238423A JP 2004054984 A JP2004054984 A JP 2004054984A JP 2004054984 A JP2004054984 A JP 2004054984A JP 2005238423 A JP2005238423 A JP 2005238423A
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Abstract

【課題】 高速通板される金属鋼板の搬送レベル変動を吸収しつつ確実に欠陥部分を研削することにある。
【解決手段】 通板ラインを通板する金属鋼帯1aに発生する欠陥を検出する欠陥検出装置12a,12bと、通板ラインの欠陥検出装置よりも下流側ラインに配置され、当該欠陥検出装置で検出される欠陥位置を含む欠陥検出情報に基づいて前記欠陥を研削する研削装置14a,14bとを備え、この研削装置は、通板ラインを通板する金属鋼帯の幅方向に横行する横行駆動フレーム25と、この横行駆動フレームに取り付けられ、前記金属鋼帯の欠陥面に向けて前後進する前後進駆動フレーム29と、この前後進駆動フレームの通板ライン方向に取り付けられ、それぞれ独立に押付力を調整可能な流体アクチュエータ30a,30bに設けられた研削砥石32a,32bとを設けた金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、通板ラインを通板する金属鋼帯の表面に発生する表面欠陥や下工程で顕在化する表層欠陥を除去する金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置及びその欠陥除去方法に関する。
従来、通板される金属鋼帯に生じる疵(欠陥)を除去する技術としては、次のような2通りの欠陥除去方法が提案されている。
その1つの欠陥除去方法は、図5に示すように金属鋼帯101が巻装されているペイオフリール102とこのペイオフリール102からの金属鋼帯101を所定の張力をもって巻き取るテンションリール103とが設けられ、これら両リール102,103の間には通板ライン方向及び鋼板幅方向にわたってそれぞれ複数の研削スタンド,つまり研削スタンド群104が配置され、さらに研削スタンド群104上流側に疵検出装置(図示せず)が配置されている。
この疵検出装置は、高速通板される金属鋼板101の疵位置を検出すると、この疵位置に対応する研削スタンド群104の中の1つの研削スタンドを構成する図6に示すブライドロール110により疵位置をトラッキングし、研削ベルト111によって金属鋼帯101に生じる欠陥疵を研削する方法である(特許文献1)。
これら図5及び図6において、105は金属鋼帯表面に残る研削屑を除去するワイパー、112はブレーカロール、113はブライドロール110から繰り出される研削ベルト111が掛け渡されているコンタクトロール、114はコンタクトロール113と対峙され、金属鋼帯101に所要の張力を与えつつコンタクトロール113に掛け渡されている研削ベルト111による研削を可能とするビリーロール、115は金属鋼帯101の研削の円滑化を図るために供給する研削油である。
この欠陥除去方法によれば、疵検出装置による金属鋼板101の疵検出位置の明確・不明確を確認の上、通板ライン方向及び鋼板幅方向にわたって配置される研削スタンド群104の中から個別選択的に研削スタンドを使い分けでき、また各研削スタンドの研削ベルト111を通板ライン方向と逆方向に回転させることにより、研削能力が確保されること。また、研削ベルト111を用いることにより、鋼板幅方向の疵位置が不明確な場合には全板幅に配置される研削スタンドで研削可能であり、一方、鋼板幅方向の疵位置が明確な場合には該当する1つの研削スタンドを選択し、欠陥疵を研削可能であると述べられている。
他の1つの欠陥除去方法は、図7に示すように繰出し端121から繰り出される金属鋼帯101を巻取り端122で巻き取る通板ラインに、繰出し端121側から順番に疵検出装置123、切削加工装置124、圧延機設備125が配置され、疵検出装置123で金属鋼帯101の表面に発生する疵を検出すると、切削加工装置124で表面疵を切削除去した後、圧延機設備125で圧延し、巻取り端122で巻き取る構成である(特許文献2)。126はサポートロール、127は磁気加工装置である。
前記切削加工装置124は図8及び図9に示すように構成されている。図8は側面図、図9は図8に示す矢印B方向から見た上面図である。すなわち、切削加工装置124は、金属鋼板101の幅方向に跨るように横行用ガイド131及び横行用ボールねじ132が並設され、横行用ボールねじ132は横行用モータ133の駆動に伴って回転する。さらに、横行用ガイド131及び横行用ボールねじ132には支持ベース134が係合され、横行用モータ133の駆動に伴って横行用ボールねじ132が回転すると、支持ベース134が鋼板幅方向に移動する。この支持ベース134の鋼板対峙面側には昇降用モータ135の駆動によって回転する昇降用ボールねじ136及び昇降用ガイド137とが並設され、これらボールねじ136及び昇降用ガイド137に係合する工具支持台138に加工具139が取り付けられ、支持ベース134に支持される加工具139を降下させて切削加工を開始し、疵部分の通過後に加工具139を上昇させて疵切削加工を完了する。
この欠陥除去方法によれば、疵除去に切削加工を用い、疵部のみを加工することにより、ヘゲ疵等の深い切削加工も可能であり、加工抵抗も大幅に低下し、鋼板の破断の発生もなく加工が可能であること。また、鋼板101の移動速度が低速の時、超音波切削を適用することにより、加工抵抗を更に低下させ、切削加工装置124全体の剛性が小さくなり、加工具支持系も小さくでき、設備費の低減化に貢献すると述べられている。
特開平06−246326号公報 特開2001−191206号公報
しかしながら、以上のような特許文献1による欠陥除去方法では、金属鋼板101の欠陥疵を研削ベルト111で研削するので、研削力が非常に小さく、下工程等を考慮しつつ適宜な深さや粗さで研削することが難しい問題がある。また、研削力が小さいことから、通板ライン方向及び鋼板幅方向に多数の研削スタンド群,ひいては多数の研削ベルト111,…を設置する必要があり、研削装置の設備スペースが過大となる問題がある。さらに、多数の研削ベルト111,…を設置することから、各研削ベルト111の個別選択制御が複雑となる問題がある。
一方、特許文献2による欠陥除去方法では、特許文献1と同様に金属鋼帯101に生じる欠陥の種類や下工程の処理等を考慮しつつ、金属鋼帯101の欠陥疵部分の切削深さや切削粗さの調整が難しい問題がある。また、一般に、金属鋼帯101の搬送時、その搬送レベル変動が欠陥除去深さと比較して無視できない状況にあるが、昇降用ボールねじ136による切込み深さ制御では、最適な切込み深さ制御が難しく、例えば搬送時に金属鋼帯101の表面が大きく浮き上がった場合、過大な切込みを与える結果となり、圧延後も欠陥除去部の痕跡が残り、製品の品質を大きく低下させる問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、高速通板される金属鋼板の搬送レベル変動を吸収しつつ確実の欠陥部分を研削する金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置及びその欠陥除去方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、下処理工程後に欠陥除去部の痕跡が残らないような欠陥除去深さ及び粗度の調整を可能とする金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置を提供することにある。
(1) 上記課題を解決するために、本発明に係る金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置は、通板ラインを通板する金属鋼帯の表面に発生する欠陥や下工程で顕在化する欠陥を検出する欠陥検出装置と、前記通板ラインの前記欠陥検出装置よりも下流側ラインに配置され、当該欠陥検出装置により検出される欠陥位置を含む欠陥検出情報に基づいて前記欠陥を研削する研削装置とを備え、
この研削装置は、前記通板ラインを通板する金属鋼帯の幅方向に横行する横行駆動フレームと、この横行駆動フレームに取り付けられ、前記金属鋼帯の欠陥面に向けて前後進する前後進駆動フレームと、この前後進駆動フレームの通板ライン方向に取り付けられ、それぞれ独立に押付力を調整可能な流体アクチュエータに設けられた複数の研削砥石とを有し、
前記欠陥位置を含む欠陥検出情報に基づき、前記横行駆動フレームにて幅方向の位置決めをし、かつ前記前後進駆動フレームにて欠陥面に向けて前後進させることにより、前記研削砥石を当該欠陥面に圧接して欠陥を除去する構成である。
この発明は以上のような構成とすることにより、横行駆動フレーム及び前後進する前後進駆動フレームにより、欠陥面に研削砥石を接するように位置決めできるだけでなく、流体アクチュエータで個別に研削砥石の欠陥面に対する押付力を調整しているので、最適な押付力のもとに研削砥石で欠陥を研削することが可能である。また、流体アクチュエータは、各研削砥石を個別に支持しているので、搬送レベル変動も容易に吸収し、過大に研削して下工程に痕跡を残すことがなくなる。
なお、通板ライン方向に配置される複数の研削砥石は、円形状の硬質砥石を用いれば、流体アクチュエータで設定される押付力を含めて所要とする欠陥研削深さで欠陥を除去することが可能となる。
さらに、本発明装置においては、通板ライン方向に配置される複数の研削砥石のうち、上流側に配置される研削砥石は対応する前記流体アクチュエータの流体圧力調整によって前記欠陥面を所要の深さで研削し、前記下流側に配置される研削砥石は対応する前記流体アクチュエータの流体圧力調整によって下工程の処理後に所要の粗度となるように前記欠陥面を研削することにより、欠陥のあった金属鋼板を最適な状態で下工程に渡すことができ、また下工程に欠陥の痕跡を残すことがなく処理できる。
(2) 本発明に係る金属鋼帯のオンライン欠陥除去方法は、通板ラインを通板する金属鋼帯の表面に発生する欠陥や下工程で顕在化する欠陥を検出する欠陥検出ステップと、この欠陥検出ステップで検出される欠陥位置を含む欠陥検出信号を取り込み、当該欠陥位置が所要とする研削位置に到達するタイミングで欠陥位置を含む研削指示信号を送出するトラッキング処理ステップと、この欠陥位置を含む研削指示信号を受けると、通板ライン方向に配置される複数の研削砥石を、横行方向及び前後進方向に移動させるとともに、それぞれ独立に押付力調整可能な流体アクチュエータにて前記欠陥面に圧接させて欠陥を除去する欠陥除去ステップとを有する欠陥除去方法である。
この欠陥除去方法においても、前述する(1)項に記載する金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置と同様な作用効果を奏することができる。
なお、前記欠陥除去ステップとしては、前記前後進方向の位置決め及び前記流体アクチュエータの押付力を設定する研削設定ステップと、この研削設定ステップによる研削上必要な条件を設定した後、前記流体アクチュエータの作用により前記金属鋼帯の搬送レベル変動に追従するように複数の研削砥石を動作させる搬送レベル変動追従ステップと、このステップにより前記金属鋼帯の搬送レベル変動に追従させつつ前記流体アクチュエータの設定による押付力で前記研削砥石を前記欠陥面を圧接し欠陥を除去する研削処理ステップとすることができる。
本発明は、高速通板される金属鋼板の搬送レベル変動を吸収しつつ確実に欠陥部分を研削でき、高品質の金属鋼帯を実現できる金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置及びその欠陥除去方法を提供できる。
また、本発明は、下処理工程後に欠陥除去部の痕跡が残らないような欠陥除去深さ及び粗度の調整を実施できる金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は例えば酸洗冷間圧延連続ラインに適用した本発明に係る金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置であって、例えば研削砥石の欠陥除去工具を用いた多段研削ヘッド式研削装置を適用した場合の一実施の形態を示す構成図である。
この酸洗冷間圧延連続ラインは、前製造工程で板厚約200mmの厚板スラブを熱間圧延機によって板厚最大約4mm程度に熱間圧延し製造されたコイル状の熱間圧延鋼板1aを繰出し端2とし、この繰出し端2から繰出される熱間圧延鋼板1aを、熱間圧延工程で生じたスケールを除去するための酸洗処理工程である酸洗槽3を通して酸洗処理した後、冷間圧延機群4により冷間圧延し、板厚1mm程度の冷間圧延鋼板1bを製造し、巻取り端5側である巻き取って冷間圧延コイルを製造する工程である。この冷間圧延コイルは、出荷品種に応じて、次の工程に移され、連続焼鈍処理や鍍金処理が行われる。
ところで、厚板スラブの製造段階や熱間圧延段階で製造された鋼板1aに発生する表面疵が冷間圧延コイルに残ると、疵の程度(大きさ,長さなど)により、出荷製品の品質が低下し、また疵の発生した個所を切断するなどの工程が増える結果、生産コストが増加する。一般に、冷間圧延コイルに発生する疵は、その多くが厚板スラブの製造段階や熱間圧延段階で発生することから、冷間圧延コイルの製造段階で表面疵や下工程で顕在化する表層疵を検出し、この検出された疵部のみを研削等によって除去した後に冷間圧延するようにすれば、鋼板表面に欠陥が存在しない冷間圧延鋼板1bを製造することが可能である。
そこで、本発明に係る金属鋼帯の欠陥除去装置においては、例えば熱間圧延鋼板1aの高速通板時に欠陥を除する場合、酸洗処理工程となる酸洗槽3の前段側に設けられ、同一通板ラインの複数の異なる通板ライン位置で通板方向を所定の角度変更する通板方向変更系と、この通板方向変更系により変更される通板ラインの鋼板面部のうち、通板方向先端鋼板面部または当該先端鋼板面部よりも所定距離範囲内下流側の鋼板面部を研削対象面(研削接触面)とし、当該研削対象面よりも上流側で当該鋼板1aの表面に現れる表面欠陥や下工程で顕在化する表層欠陥を検出し、前記研削対象面にて当該鋼板1aの欠陥を例えば研削砥石のごとき欠陥除去工具を用いて研削除去する欠陥除去処理系とによって構成されている。なお、ここでいう通板方向先端鋼板面部とは、通板方向が変更される金属鋼帯の面であって、その法線ベクトルが重力方向ベクトル成分を有する側の面部又は重力方向ベクトル成分が0となるときの何れかの面部に相当する。
前記通板方向変更系としては、酸洗槽3前段側の鋼板通板ライン中に、繰出し端2から繰出される熱間圧延鋼板1aの通板方向を90度以上に変更する第1のターニングロール(例えば上部側ターニングロール)11aと、この第1のターニングロール11aを経由してくる熱間圧延鋼板1aの通板方向を例えば同じく90度以上に変更し酸洗槽3に導く第2のターニングロール(例えば下部側ターニングロール)11bとが配置され、熱間圧延鋼板1aがほぼZ字状に蛇行するような通板ラインを形成し、例えば上流側の通板ラインの通板方向とほぼ同じような通板方向に繰出し、酸洗槽3に供給する構成となっている。
一方、前記欠陥除去処理系は、第1のターニングロール11aよりも上流側に位置する通板ライン上の鋼板1aの上下両面に対峙するように設置され、それぞれの鋼板1aの表面欠陥や下工程で顕在化する表層欠陥を検出する欠陥検出装置12a,12bと、これら欠陥検出装置12a,12bによって検出される欠陥の疵位置をトラッキングし、このトラッキング情報に基づいて当該鋼板1aの該当する欠陥が所要とする位置に到達するであろうタイミングを見計らって研削指示信号を出力する1台または複数台の制御コンピュータ13a,13bと、前記ターニングロール11a,11bによって通板方向が変更された熱間圧延鋼板1aの通板方向先端鋼板面部又は当該先端鋼板面部よりも所定距離範囲内下流側の鋼板面部を研削対象面とするように配置され、制御コンピュータ13a,13bから幅方向欠陥位置を含む研削指示信号に基づいて熱間圧延鋼板1aに生じる欠陥を研削する研削装置14a,14bとが設けられている。
この研削装置14a,14bは、具体的には図2及び図3に示すように構成されている。図2は研削装置14a,14bを含む通板ラインの側面図、図3は図2に示す矢印A方向から見た上面図である。なお、両研削装置14a,14bは、同じ構成となっているので、説明の便宜上、一方の研削装置例えば14aを含む関連構成について説明し、他方の研削装置14bの構成については省略する。
この研削装置14aは、前述するごとく通板方向が変更された熱間圧延鋼板1aの通板方向先端鋼板面部又は当該先端鋼板面部よりも所定距離範囲内下流側の鋼板面部である研削対象面に対し、鋼板1aの幅方向に当該鋼板幅よりも広い間隔を有して支持ベース21L及び21Hが設けられ、これら両支持ベース21L,21H間に横行用ボールねじ22及び横行ガイド23が所要とする間隔を隔てて並設されている。24は横行用ボールねじ22を回転駆動する横行用駆動モータである。また、横行用ボールねじ22及び横行ガイド23に跨って係合するように横行駆動フレーム25が設けられている。この横行駆動フレーム25は、横行用ボールねじ22と係合するねじ孔部が設けられているので、横行用駆動モータ24の回転駆動に伴い、横行ガイド23にガイドされつつ、かつ横行用ボールねじ22の回転によって図示C方向に横行移動する機能をもっている。
また、横行駆動フレーム25の面部のうち、通板ライン方向一端側面部,好ましくは鋼板入り側面部に前後進用ボールねじ26を回転駆動する前後進位置決め駆動用モータ27が取り付けられ、またライン方向他端面部側に前後進用ガイド28が突設され、これら前後進用ボールねじ26の先端側及び前後進用ガイド28の先端側に前後進駆動フレーム29が架設されている。この前後進駆動フレーム29は、前後進用ボールねじ26と螺合するようにねじ孔部が形成され、また前後進用ガイド28にガイドされながら図示D方向に前後移動する機能をもっている。なお、前後進駆動フレーム29は、鋼板面部である研削対象面が上下面である場合には昇降駆動フレームとして機能するものであり、これ前後進駆動フレーム及び昇降駆動フレームは機能的に同義であり、発明の要旨においても同様である。
この前後進駆動フレーム29の面部のうち、通板ライン方向一端側面部である鋼板入り側面部と他端側面部である鋼板出側面部とにそれぞれ独立に押付力調整可能な流体アクチュエータ,例えば油圧シリンダー30a,30bが取り付けられ、これらシリンダーアームに研削ヘッド31a,31bが設けられ、搬送レベル変動に追従可能な構成としている。すなわち、前後進駆動フレーム29には、少なくとも通板ライン方向に複数よりなる多段の研削ヘッド31a,31bを取り付け、研削能力を向上させる役割と後記す欠陥除去深さ及び粗度の調整機能とをもたせるものである。
この研削ヘッド31a,31bには、円盤状の硬質性の研削砥石32a,32bが備えつけられ、通板ライン方向一端側面部である鋼板入り側面部に対応する硬質性の研削砥石32aの機能としては予め油圧シリンダー30aの圧力調整によって比較的に欠陥除去の深さを重視しつつ研削する役割を有し、一方、他端側面部である鋼板出側面部に対応する硬質性の研削砥石32bの機能としては予め油圧シリンダー30bの圧力を油圧シリンダー30aの圧力よりも小さくし、専ら下工程の処理を考慮しつつ最適な鋼板表面の粗度とする役割を有している。
なお、研削装置14bの構成については、前述する研削装置14aの構成と同様であることはいうまでもなく、研削装置14aの説明に譲る。
また、研削装置14a,14bのうち、研削装置14aの研削によって発生する切屑・砥粒が第2のターニングロール11bを通板してくる鋼板上に落下するので、研削装置14aの真下位置に研削時に発生する切屑・砥粒を受けるための切屑・砥粒受け体33が設けられている。なお、切屑・砥粒受け体33は必要な場合にのみ設けられるものとする。
次に、以上のような金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置の動作及び本発明に係る金属鋼帯のオンライン欠陥除去方法について図4を参照して説明する。
今、繰出し端2から繰出される熱間圧延鋼板1aは、熱間圧延工程で生じたスケールを除去するための酸洗槽3により酸洗処理された後、冷間圧延機群4に導かれ、ここで冷間圧延された後、巻取り端5側により巻き取られ、冷間圧延鋼板1bを製造する。なお、本発明に係るオンライン欠陥除去装置及びその欠陥除去方法は、酸洗冷間圧延連続ラインに限らず、種々の鋼板の通板ラインに適用し、鋼板に発生する欠陥を研削除去することが可能である。
(a) 以上のような金属鋼板である例えば鋼板の通板ラインの通板方向に第1のターニングロール11a及び該第1のターニングロール11aの下方に第2のターニングロール11bが配置され、両ターニングロール11a,11bにより通板ラインの通板方向にそれぞれ例えば90度以上変更する通板変更ラインを形成し、酸洗槽3に供給する。以上のような鋼板の通板ラインにおいて、第1のターニングロール11aの上流側の上下両面に対向するように欠陥検出装置12a,12bが設置され、鋼板の表面欠陥や下工程で顕在化する表層欠陥を検査する(S1:欠陥検出ステップ)。
(b) この欠陥検出装置12a,12bにより鋼板の欠陥が検出されると、制御コンピュータ13a,13bは、その欠陥検出信号を取込み、通板ラインの通板速度のもとにトラッキング処理を実施し、当該鋼板の欠陥が所要とする位置に到達するであろうタイミングを見計らって幅方向欠陥位置を含む研削指示信号を研削装置14a,14bに送出する(S2:トラッキング処理ステップ)。
(c) このとき、欠陥検出装置12a,12bを通過した鋼板1aは、ターニングロール11a及びターニングロール11bの順番で順次通過するが、各ターニングロール11a,11bで通板ラインの通板方向がそれぞれ90度以上変更され、もとの通板方向とほぼ同一の通板方向に送り出し、酸洗槽3に供給する(S3:通板方向変更ステップ)。
(d) 一方、研削装置14a,14bは、制御コンピュータ13a,13bからの研削指示信号のもとに、鋼板に発生する欠陥部分となる研削対象面の研削除去を実施するが(S4:欠陥除去ステップ)、研削対象面の研削除去についてさらに詳しく説明する。
先ず、研削装置14a,14bは、研削対象面の研削除去を行うに先立ち、位置決め及び欠陥除去深さ等の設定を実施する(S41:研削設定ステップ)。具体的には、横行駆動フレーム25と前後進駆動フレーム29との間に前後進位置決め駆動用モータ27を設け、横行駆動フレーム25をベースとし、前後進駆動フレーム29の前後進位置,ひいては研削ヘッド31a,31bの突き出し位置を設定する。さらに、前後進駆動フレーム29には通板ライン方向一端側面部である鋼板入り側面部と他端側面部である鋼板出側面部とにそれぞれ独立に押付力調整可能な流体アクチュエータ,例えば油圧シリンダー30a,30bが取り付けられているので、鋼板入り側面部側の油圧シリンダー30aの押圧力を欠陥の除去深さを重視した値を設定し、一方、鋼板出側面部側の油圧シリンダー30bの押圧力をした工程処理後に欠陥の痕跡が残ることが無いような粗度となる値を重視した値を設定する。なお、研削ヘッド31a,31bには、硬質性の研削砥石32a,32bが取り付けられているので、欠陥除去深さの設定値に基づいて所要とする深さ分だけ欠陥部分を確実に研削することが可能となる。
以上のように研削上必要な条件を設定した後、鋼板に発生する欠陥の研削を行うが、このとき時々刻々と鋼板の搬送レベルが変動するが、この搬送レベル変動の追従処理を実施する(S42:搬送レベル変動追従ステップ)。この搬送レベル変動追従ステップS42は、前後進駆動フレーム29と研削ヘッド31a,31bとの間に個別に独立に押付力調整可能な流体アクチュエータを設けているので、通板する鋼板の搬送レベル変動を迅速に吸収するように追従し、予め研削設定ステップS41で設定された値を維持するように作用することになる。
そして、以上のような搬送レベル変動の追従処理のもとに、研削装置14a,14bは、制御コンピュータ13a,13bから研削指示信号を受けると、鋼板の通板方向先端鋼板面部を研削対象面として設定されているので、研削装置14a,14bを構成する横行用駆動モータ24が幅方向欠陥位置を含む研削指示信号のもとに研削ヘッド31a,31bを所要とする幅方向位置に調整し、さらに前後進位置決め駆動用モータ27の回転駆動によって前後進駆動フレーム29を所要とする位置まで前後進させた後、昇降用油圧シリンダー30a,30bの動作圧力のもとに研削ヘッド31a,31bに取り付けられる研削砥石32a,32bを金属鋼板表面に圧接し、欠陥部分を研削する(S43:研削処理ステップ)。このとき、研削砥石32aで欠陥部分を深く削り取り、その後、下流側の研削砥石32bを最適な粗度となるように研削する。
なお、上記実施の形態では、複数の研削砥石32a,32bのうち、32aを深く研削したが、例えば両研削砥石32a,32bを用いて、2段階で所要の深さまで研削するとか、或いは2段階で所要の粗度となるように調整してもよい。
(e) 以上のようにして研削砥石32a,32bにより鋼板の欠陥を研削すると、切屑・砥粒が発生するが、この切屑・砥粒は研削砥石32a,32bと鋼板1aとの接触位置から接線方向や重力方向に飛散するので、研削個所の真下に切屑・砥粒受け体33を設置しておけば、通板される鋼板1aの表面上に落下することなく、切屑・砥粒受け体33で受けて除去することができる(S5:切屑・砥粒受け除去ステップ)。
従って、以上のような金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置及び方法の実施の形態によれば、欠陥検出装置12a,12bで検出した鋼板の欠陥部を研削除去する研削装置14a,14bを設け、これら研削装置14a,14bを構成する鋼板幅方向に横行する横行駆動フレーム25と、この横行駆動フレーム25に取り付けられ、鋼板に対して前後進(又は昇降)する前後進駆動フレーム29と、この前後進駆動フレーム29の通板方向にそれぞれ独立に押付力調整可能な流体アクチュエータが取り付けられた複数の研削砥石32a,32bとを備えることにより、前記欠陥検出装置12a,12bの欠陥位置検出情報に基づき、鋼板に発生する欠陥が研削装置14a,14bを通過する前に、研削装置14a,14bの横行駆動フレーム25を幅方向に位置決めし、前後進駆動フレーム29を所要位置まで前後方向に位置決めし、研削ヘッド31a,31bの研削砥石32a,32bを金属鋼板の表面に圧接して欠陥部を除去するとともに、高速通板される金属鋼板の搬送レベルが変動しても、その変動に追従するように流体アクチュエータが作用するので、鋼板に過大な切込みを与えることなく、欠陥を高能率、かつ高精度に除去することができる。
また、この研削ヘッド31a,31bには、円形状の硬質性の研削砥石32a,32bが備えつけられ、油圧シリンダー30aの圧力調整によって欠陥除去の深さを重視しつつ硬質性の研削砥石32aで研削する一方、他方の油圧シリンダー30bにて専ら下工程の処理を考慮しつつ最適な鋼板表面の粗度とするように硬質性の研削砥石32bで研削するので、下工程の処理後に欠陥除去部の痕跡を残すことがなくなり、製品の品質を均質化することができる。
上記実施の形態では、酸洗冷間圧延連続ラインに供給する熱間圧延鋼板1aに適用したが、特に熱間圧延鋼板1aに限らず、種々の金属鋼板の表面欠陥の研削に適用できることは言うまでもない。また、切屑・砥粒受け体33は、鋼板の研削対象面の真下近傍に設置されるものであるが、構成的には例えば断面ほぼV字形状をなす樋を多少傾斜すれば、切屑・砥粒を通板方向と直交するライン側方に導くことができる。また、断面ほぼV字形状をなす樋を水平に設置し、水を流すようにすれば、切屑・砥粒を通板方向と直交するライン側方に導くことができる。さらに、上記実施の形態では、通板ラインを通板する鋼板の両面に生じる欠陥を除去する例について述べたが、鋼板の片面であっても同様に適用できる。
また、前後進駆動フレーム29の通板ライン方向に2つの研削ヘッド31a,31bを設けたが、3つ以上であってもよい。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
通板ラインに適用した本発明に係る金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置の一実施の形態を示す構成図。 通板ラインに適用した研削装置の一具体例を示す側面図。 図2に示す図示A矢印方向から見た図。 本発明に係る金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置の動作及び本発明に係る金属鋼帯のオンライン欠陥除去方法を説明する流れ図。 従来の鋼板欠陥の研削除去方法を説明する図。 図5に示す欠陥の研削装置の構成を具体的に示す構成図。 従来の鋼板欠陥のもう1つの除去方法を説明する図。 図7に示す欠陥の切削装置の構成を具体的に示す構成図。 図8に示す図示B矢印方向から見た図。
符号の説明
1a…熱間圧延鋼板、1b…冷間圧延鋼板、2…繰出し端、3…酸洗槽、4…冷間圧延機群、5…巻取り端、11a…第1のターニングロール(例えば上部側ターニングロール)、11b…第2のターニングロール(例えば下部側ターニングロール)、12a,12b…欠陥検出装置、13a,13b…制御コンピュータ、14a,14b…研削装置、22…横行用ボールねじ、23…横行ガイド、24…横行用駆動モータ、25…横行駆動フレーム、26…前後進用ボールねじ、27…前後進位置決め駆動用モータ、28…前後進用ガイド、29…前後進駆動フレーム、30a,30b…油圧シリンダー、31a,31b…研削ヘッド、32a,32b…研削砥石、33…切屑・砥粒受け体。

Claims (5)

  1. 通板ラインを通板する金属鋼帯の表面に発生する欠陥や下工程で顕在化する欠陥を検出する欠陥検出装置と、前記通板ラインの前記欠陥検出装置よりも下流側ラインに配置され、当該欠陥検出装置により検出される欠陥位置を含む欠陥検出情報に基づいて前記欠陥を研削する研削装置とを備え、
    この研削装置は、前記通板ラインを通板する金属鋼帯の幅方向に横行する横行駆動フレームと、この横行駆動フレームに取り付けられ、前記金属鋼帯の欠陥面に向けて前後進する前後進駆動フレームと、この前後進駆動フレームの通板ライン方向に取り付けられ、それぞれ独立に押付力を調整可能な流体アクチュエータに設けられた複数の研削砥石とを有し、
    前記欠陥位置を含む欠陥検出情報に基づき、前記横行駆動フレームにて幅方向の位置決めをし、かつ前記前後進駆動フレームにて欠陥面に向けて前後進させることにより、前記研削砥石を当該欠陥面に圧接して欠陥を除去することを特徴とする金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置。
  2. 請求項1に記載の金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置において、
    前記通板ライン方向に配置される複数の研削砥石は、円形状の硬質砥石であることを特徴とする金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置において、
    前記通板ライン方向に配置される複数の研削砥石のうち、上流側に配置される研削砥石は対応する前記流体アクチュエータの流体圧力の調整によって前記欠陥面を所要の深さに研削し、前記下流側に配置される研削砥石は対応する前記流体アクチュエータの流体圧力調整によって下工程の処理後に所要の粗度となるように前記欠陥面を研削することを特徴とする金属鋼帯のオンライン欠陥除去装置。
  4. 通板ラインを通板する金属鋼帯の表面に発生する欠陥や下工程で顕在化する欠陥を検出する欠陥検出ステップと、
    この欠陥検出ステップで検出される欠陥位置を含む欠陥検出信号を取り込み、当該欠陥位置が所要とする研削位置に到達するタイミングで欠陥位置を含む研削指示信号を送出するトラッキング処理ステップと、
    この欠陥位置を含む研削指示信号を受けると、通板ライン方向に配置される複数の研削砥石を、横行方向及び前後進方向に移動させるとともに、それぞれ独立に押付力調整可能な流体アクチュエータにて前記欠陥面に圧接させて欠陥を除去する欠陥除去ステップとを有することを特徴とする金属鋼帯のオンライン欠陥除去方法。
  5. 請求項4に記載の金属鋼帯のオンライン欠陥除去方法において、
    前記欠陥除去ステップとしては、前記前後進方向の位置決め及び前記流体アクチュエータの押付力を設定する研削設定ステップと、この研削設定ステップによる研削上必要な条件を設定した後、前記流体アクチュエータの作用により前記金属鋼帯の搬送レベル変動に追従するように複数の研削砥石を動作させる搬送レベル変動追従ステップと、このステップにより前記金属鋼帯の搬送レベル変動に追従させつつ前記流体アクチュエータの設定による押付力で前記研削砥石を前記欠陥面を圧接し欠陥を除去する研削処理ステップとを有することを特徴とする金属鋼帯のオンライン欠陥除去方法。
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