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JP2005232439A - ポリアリールエーテル共重合体、その製造方法及びそれを用いた高分子電解質膜 - Google Patents

ポリアリールエーテル共重合体、その製造方法及びそれを用いた高分子電解質膜 Download PDF

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JP2005232439A
JP2005232439A JP2005002167A JP2005002167A JP2005232439A JP 2005232439 A JP2005232439 A JP 2005232439A JP 2005002167 A JP2005002167 A JP 2005002167A JP 2005002167 A JP2005002167 A JP 2005002167A JP 2005232439 A JP2005232439 A JP 2005232439A
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JP
Japan
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mol
polyaryl ether
polymer
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same
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JP2005002167A
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Mikiya Hayashi
幹也 林
Hiroshi Obata
寛 小幡
Toru Bando
徹 板東
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】 プロトン伝導率が高く吸水率が低いポリアリールエーテル共重合体及びそれを用いた高分子電解質膜を提供するを提供する。
【解決手段】 下記式(1)で表され、0.1重量%以上の親水性基を含むポリアリールエーテル共重合体。
Figure 2005232439

(式中、Ar及びArは、同じでも異なってもよく、以下に示す基から選択される基を示し、
Figure 2005232439

Ar及びArは、同じでも異なってもよく、以下に示す基から選択される基を示し、
Figure 2005232439

Ar、Ar、Ar及びArの少なくとも1つに、親水性基が置換していて、 n,mは共重合の組成比を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアリールエーテル共重合体、その製造方法及びそれを用いた高分子電解質膜に関する。
固体高分子型燃料電池に用いられるプロトン伝導性の高分子電解質として、ナフィオン(デュポン社の登録商標)をはじめとするパーフルオロスルホン酸系の材料が、燃料電池としての特性に優れていることから、従来主に使用されてきている。しかしながら、この材料は非常に高価であるために、今後燃料電池を用いた発電システムを広範に普及する際には大きな問題になると考えられている。
こうした状況において、パーフルオロスルホン酸系の材料に替わり得る安価な高分子電解質の開発が近年活発化してきている。なかでも耐熱性に優れフィルム強度の高い芳香族ポリエーテルにスルホン酸基を導入した材料が有望視されており、例えば、特許文献1にはスルホン化ポリエーテルケトン系の、特許文献2及び特許文献3にはスルホン化ポリエーテルケトン系の高分子電解質が記載されている。
これらの材料は、一般に、導入されるスルホン酸基の量が多いほどプロトン伝導度が高くなるが、同時にポリマーの吸水率が高くなる傾向がある。吸水性の高いポリマーから作成されたフィルムは、燃料電池に用いた場合、電池使用中に生成する水によって大きな寸法変化を生じ強度が低下する。
この問題を解決するため、特許文献4では、スルホン酸基を含有するセグメントとスルホン酸基を含有しないセグメントからなるブロック共重合体が開示されており、ランダム共重合体と比較してイオン伝導度は同等以上で、また、吸水率が小さく抑えられることが報告されている。ここで、ブロック基として、ポリスルホン等の芳香族ポリエーテルが記載されている。
また、特許文献4に記載の合成方法は、二種類のポリマーを別々に合成し、さらにこれらポリマー成分の末端同士の重縮合によりブロックポリマーを合成するものである。しかしながら、この方法はステップが頻雑である上に、重縮合反応の原理的な要請から二種類のポリマー末端のモルバランスを精密に合わせなければ高分子量化せず、そのため末端分析の実施又はモルバランス制御のためのプロセス的な対応等が必要となり、工業的には有用な手法ではない。また、それぞれのポリマーには分子量分布があるため、それらの縮合物であるブロックポリマーのシーケンス長も分布が生じ、精密な基制御は困難である。
さらに、特許文献5にもスルホン酸基を含有するセグメントとスルホン酸基を含有しないセグメントからなる芳香族ポリエーテルスルホンブロック共重合体の開示がある。しかし、この文献にはプロトン伝導度の湿度依存性についての言及があるのみで吸水率に関してはなんら触れていない。また、この文献に記載のブロック共重合方法も特許文献4と同様であり上述した問題がある。
特表平11−502249号公報 特開平10−45913号公報 特開平10−21943号公報 特開2001−250567号公報 特開2003−31232号公報
本発明の目的は、プロトン伝導率が高く吸水率が低いポリアリールエーテル共重合体及びそれを用いた高分子電解質膜を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定のポリアリールエーテル共重合体が、プロトン伝導率が高く吸水率が低いことを見い出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下のポリアリールエーテル共重合体等が提供される。
1.以下の式(1)で表され、0.1重量%以上の親水性基を含むポリアリールエーテル共重合体。
Figure 2005232439
(式中、Ar及びArは、同じでも異なってもよく、以下に示す基から選択される基を示し、
Figure 2005232439
Ar及びArは、同じでも異なってもよく、以下に示す基から選択される基を示し、
Figure 2005232439
Ar、Ar、Ar及びArの少なくとも1つに、親水性基が置換していて、
n,mは共重合の組成比を示す。)
2.Arが、シアノフェニレン基である1記載のポリアリールエーテル共重合体。
3.ArとArが同じ基である1又は2記載のポリアリールエーテル共重合体。
4.前記親水性基が、スルホン酸基(−SOH)、ホスホン酸基(−PO)又はカルボキシル基(−COOH)から選択される少なくとも1種の基である1〜3のいずれか一に記載のポリアリールエーテル共重合体。
5.前記親水性基が、スルホン酸基(−SOH)である4記載のポリアリールエーテル共重合体。
6.ランダム共重合体である1〜5のいずれか一に記載のポリアリールエーテル共重合体。
7.ブロック共重合体である1〜5のいずれか一に記載のポリアリールエーテル共重合体。
8.X−Ar−X、HO−Ar−OH、X−Ar−X、HO−Ar−OHを用いて共重合させる1〜7のいずれか一に記載のポリアリールエーテル共重合体の製造方法(式中、Xはハロゲンを示し、Ar、Ar、Ar、Arは前記と同じであり、Ar、Ar、Ar及びArの少なくとも1つに、親水性基が置換している)。
9.X−Ar−X、HO−Ar−OH、HO−Ar−OHを反応させる3記載のポリアリールエーテルランダム共重合体の製造方法(式中、Xはハロゲンを示し、Ar、Ar、Arは前記と同じであり、Ar、Ar及びArの少なくとも1つに、親水性基が置換している)。
10.X−Ar−X、HO−Ar−OHを反応させて重合体を製造し、
X−Ar−X、HO−Ar−OH、HO−Ar−OHを反応させて、ランダム共重合体を製造する際に、前記重合体を添加する3記載のポリアリールエーテルブロック共重合体の製造方法(式中、Xはハロゲンを示し、Ar、Ar、Arは前記と同じであり、Ar、Ar及びArの少なくとも1つに、親水性基が置換している)。
11.1〜7のいずれか一に記載のポリアリールエーテル共重合体からなる高分子電解質膜。
12.1〜7のいずれか一に記載のポリアリールエーテル共重合体からなる電極材料。
13.11記載の高分子電解質膜及び/又は12記載の電極材料を含んで構成される燃料電池。
本発明によれば、プロトン伝導率が高く吸水率が低いポリアリールエーテル共重合体及びそれを用いた高分子電解質膜が得られる。
また、本発明によれば、工業的に簡便でかつ基制御が容易なポリアリールエーテル共重合体の製造方法が得られる。
本発明のポリアリールエーテル共重合体は、式(1)に示される共重合体である。
Figure 2005232439
この共重合体は、Ar、Ar、Ar及びArの少なくとも1つに置換している親水性基を、0.1重量%以上、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜25重量%含む。
本発明のポリアリールエーテル共重合体の重量平均分子量、共重合の組成比n,mは、親水性基が所定量含まれるように適宜調整する。しかしながら、通常、重量平均分子量は、50,000〜200,000である。
上記の式(1)において、ArとArは、同じでも異なってもよく、以下に示す基から選択される基である。
Figure 2005232439
より好ましくは以下に示す基から選択される基である。
Figure 2005232439
また、上記の式(1)において、ArとArは、同じでも異なってもよく、以下に示す基から選択される基である。
Figure 2005232439
より好ましくは以下に示す基から選択される基である。
Figure 2005232439
上述したように、親水性基が、Ar、Ar、Ar及びArの少なくとも1つに置換しているが、例えば、Arに親水性基が置換している場合、そのような基として、以下の基が挙げられる。
Figure 2005232439
(式中、Rは親水性基であるが、Rが2つ置換されている基は、Rは同じでも異なってもよい。)
親水性基の例として、スルホン酸基(−SOH)、ホスホン酸基(−PO)又はカルボキシル基(−COOH)が例示される。好適な親水性基はスルホン酸基(−SOH)である。
本発明の共重合体は、ブロック共重合体でも、ランダム共重合体でもよいが、膜抵抗が同程度の場合、ブロックの方が含水率が低く、寸法安定性、耐水性、ガス遮蔽性に優れるため、ブロック共重合体が好ましい。
次に、本発明のポリアリールエーテル共重合体の製造方法について説明する。
本発明の共重合体は、X−Ar−X、HO−Ar−OH、X−Ar−X及びHO−Ar−OHを用いて製造することができる(式中、Xはハロゲンを示し、Ar、Ar、Ar、Arは上記と同じであり、Ar、Ar、Ar及びArの少なくとも1つに、親水性基が置換している。以下の説明においても同様の定義である。)。
即ち、一般的には、二価フェノール類と、電子吸引基をオルトもしくはパラ位に持つ芳香族ジハロゲン化合物の組み合わせから合成される。二価フェノール類と芳香族ジハロゲン化合物は、それぞれ一種以上用いることができる。二価フェノール類と芳香族ジハロゲン化合物のうち少なくとも一つの化合物が親水性基を有する。
親水性基含有二価フェノール類の例として、HO−Ar−OH(式中、Arは上記と同じであり、親水性基で置換されている。)が挙げられる。具体的には、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンスルホン酸、4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジスルホン酸1,1’−ビフェニル等が挙げられる。
親水性基含有ジハロゲン化合物の例としては、X−Ar−X(式中、Xはハロゲン、Arは上記と同じであり、親水性基で置換されている。)が挙げられる。具体的には、5,5−カルボニルビス(2−フルオロベンゼンスルホン酸)、5,5−スルフォニルビス(2−フルオロベンゼンスルホン酸)、5,5−カルボルニルビス(2−クロロベンゼンスルホン酸)、5,5−スルホニルビス(2−フルオロベンゼンスルホン酸)等が挙げられる。
親水性基を含有しない二価フェノール類として、上記の親水性基含有二価フェノール類において親水性基で置換されていない基が挙げられ、具体的には、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等が挙げられる。
親水性基を含有しないジハロゲン化合物としては、上記の親水性基含有ジハロゲン化合物において親水性基で置換されていない基が挙げられ、具体的には、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン、4,4’−ジクロロジフェニルスルフォン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,6−ジクロロヘンゾニトリル等が挙げられる。
尚、上記の例の親水性基は全てスルホン酸基であるが、スルホン酸基をホスホン酸基やカルボキシル基に代えたものも使用できる。
親水性基含有モノマーの添加量には制限はないが、得られた共重合体が上述した重量%の親水性基を含有できるように添加する。一般的にポリマー中の親水性基含有量がプロトン伝導性を決定する重要な因子なので、所望のプロトン伝導性に見合った量を使用すればよい。
重合の際に、使用する溶媒は、N―メチル―2―ピロリドン(NMP)、1,3―ジメチル−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)等の非プロトン性極性溶媒が好ましく、NMP、DMIがより好ましい。
反応温度は、好ましくは150〜250℃、より好ましくは170℃〜220℃である。低温すぎると反応速度が遅くなり、高温すぎると分解等の副反応が問題になる。
通常の全芳香族ポリエーテルの合成ではアルカリ金属化合物を添加する。これは上記の二価フェノール類をアルカリ金属塩に変換する作用をするものであるが、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物が好適に使用される。これらアルカリ金属塩は1種でも2種以上の併用で何ら問題はない。
本発明の共重合体がランダム共重合体であるとき、例えば、以下の方法により製造できる。
X−Ar−X、HO−Ar−OH、X−Ar−X、HO−Ar−OHとを反応させて、ランダム共重合させる。
また、X−Ar−XとX−Ar−Xが同じときは、X−Ar−X、HO−Ar−OH、HO−Ar−OHを反応させて製造することができる。
本発明の共重合体がブロック共重合体であるとき、例えば、以下の方法により製造できる。
X−Ar−Xと、HO−Ar−OHとを反応させて以下の式(2)で示される繰り返し単位からなる重合体Iを製造する。
Figure 2005232439
X−Ar−Xと、HO−Ar−OHとを反応させて以下の式(3)で示される繰り返し単位からなる重合体IIを製造する。
Figure 2005232439
その後、重合体Iと重合体IIをブロック共重合させる。
また、ブロック共重合体は、ポリエーテルAを合成する際に異種ポリエーテルBを共存させて、ABのブロックポリマーを合成することによっても、製造できる。
例えば、ポリエーテルAが「親水性基を含有するポリエーテル」であり、ポリエーテルBが「親水性基を含有しないポリエーテル」であるとき、「親水性基を含有するポリエーテル」の重合場に「親水性基を含有しないポリエーテル」を添加する、あるいはその逆に、「親水性基を含有しないポリエーテル」の重合場に「親水性基を含有するポリエーテル」を添加する方法であり、親水性基を含有するシーケンスと親水性基を含有しないシーケンスからなるブロックポリマーを合成する。このとき、上述のどちらの手法を選ぶかは目的に応じて使い分ければよく本発明の本質に係わることではない。
重合場への添加時期は、得られるブロック共重合体のシーケンス長に影響する。即ち、添加時期が遅いほど重合場で合成されるポリマーの分子量は大きくなり、結果的にその後得られるブロック共重合体のシーケンスは長くなる。このように添加時期によってシーケンス長を制御できるのがこの方法の大きな特徴であり、従って所望のシーケンス長に見合った添加時期を選べばよい。
上述した添加時期と同様に、添加するポリマーの分子量は得られるブロック共重合体のシーケンスに影響する。即ち、添加ポリマーの分子量が高ければ高いほどブロック共重合体のシーケンスは長くなる。従って、この場合も所望のシーケンス長に合わせた分子量を選べばよい。
尚、上記の製造方法は、親水性基を予めモノマーに含ませて共重合するが、親水性基を含まないモノマーを用いて上記のように製造して、その後、親水性基を共重合体に含ませてもよい。
上記のポリアリールエーテル共重合体を、固体高分子型燃料電池用高分子電解質膜として製膜する方法に特に制限はなく、例えば、ポリアリールエーテル共重合体を、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジフェニルスルホン等の極性溶媒に溶解し、支持体上に流延後、極性溶媒を蒸発除去することによって製膜する。この時の膜厚は、通常5〜200μm、好ましくは10〜150μmである。
本発明の高分子電解質膜は、必要ならば、本発明の特性を損なわない限り、スルホン酸基の一部が金属塩となっていても良い。また、繊維、多孔膜等で補強することができる。さらに、必要ならば、リン酸、次亜リン酸、硫酸等の無機酸又はそれらの塩、炭素数1〜14のパーフルオロアルキルスルホン酸又はそれらの塩、炭素数1〜14のパーフルオロアルキルカルボン酸又はそれらの塩、白金、シリカゲル、シリカ、ゼオライト等の無機物、他の高分子をブレンドすることもできる。また、本発明の電解質を製造する際に、通常の高分子に使用される可塑剤、安定剤、離型剤等の添加剤を本発明の目的に反しない範囲内で使用できる。また、本発明の電解質を製造する際又は本発明の電解質を製膜等の加工・成形する際に、分子間架橋構造を本発明の目的に反しない範囲内で導入できる。
この高分子電解質膜を用いた燃料電池や膜/電極接合体(MEA)の製造方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いて製造することができる。通常、高分子電解質膜に電極を接合してMEAを形成する。MEAをガスケット、セパレータでさらに挟んでセル(最小発電機)を形成する。セルを複数配列して燃料電池が構成される。MEAは、例えば、高分子電解質膜に電極を挟んで張り合わせて製造する。MEAに使用する電極は、高分子電解質膜と同じ又は類似のポリマーである電極材料に金属を分散させて作ることができる。また、MEAは、白金、白金−ルテニウム合金、白金−すず合金又はその微粒子をカーボン等の担持体上に分散担持させたものを触媒とするガス拡散電極を高分子電解質膜に直接形成する方法、ガス拡散電極と高分子電解質膜をホットプレスする方法、又は、接着液により接合する方法等の方法により製造できる。
[ランダム共重合体の合成]
実施例1
スリーワンモーター撹拌器、窒素ガス導入管、熱電対、トルエンを張り込んだディーンスタークトラップを装備した4つ口100mlのセパラブルフラスコに、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン5.085g(0.02mol)、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム2.283g(0.01mol)、ビスフェノールA2.283g(0.01mol)、炭酸カリウム3.317g(0.024mol)を添加した。ここに窒素でよく脱気したN−メチル−2−ピロリドン50mlを加え、窒素気流中、攪拌しながらオイルバスで195℃まで昇温した。内温が195℃に達した後に系内にトルエンを数ml添加し、トルエン還流下、1時間の条件で副生成水を系外に留去した。その後200℃まで昇温し3時間反応を行った。
反応終了後室温まで冷却し、ついで多量の塩酸水(0.1N)に内容物を投入しポリマーを析出させた。析出したポリマーはブレンダーで粉砕した後、水洗・ろ別を4〜5回繰り返して精製した。その後80℃で一昼夜真空乾燥させて、下記式(A)で表されるランダム共重合体を得た(式中、n,mは共重合の組成比を示す。)。
Figure 2005232439
得られたランダム共重合体の分子量を以下の方法により測定した。
装置:GPC 温度:60℃ 検出器:RI 溶媒:NMP
IRをFT−IRにより測定した。その結果、分子量は154,000であり、IRのピークは以下の通りであった。尚、以下の実施例で分子量とIRの測定方法は同じである。
1160,1390cm−1(SOH)
実施例2
実施例1において、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム量を2.283g(0.01mol)から3.424g(0.015mol)へ、また、ビスフェノールA量を2.283g(0.01mol)から1.142g(0.005mol)に変えたこと以外は実施例1と同様に反応を行い、上記式(A)で表されるランダム共重合体を得た。
得られたランダム共重合体の分子量は142,000であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH)
実施例3
実施例1において用いる原料を、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン5.085g(0.02mol)、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム3.059g(0.0134mol)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン2.326g(0.0066mol)、炭酸カリウム3.317g(0.024mol)に変えたこと以外は実施例1と同様に反応を行い、下記式(B)で表されるランダム共重合体を得た(式中、n,mは共重合の組成比を示す。)。
Figure 2005232439
得られたランダム共重合体の分子量は158,000であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH)
実施例4
実施例1において用いる原料を、2,6−ジフルオロベンゾニトリル2.782g(0.02mol)、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム3.059g(0.0134mol)、ビスフェノールA1.507g(0.0066mol)、炭酸ナトリウム2.544g(0.024mol)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作で反応を行い、下記式(C)で表されるランダム共重合体を得た(式中、n,mは共重合の組成比を示す。)。
Figure 2005232439
得られたランダム共重合体の分子量は135,000であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH),2250cm−1(CN)
実施例5
実施例1において用いる原料を、2,6−ジフルオロベンゾニトリル2.782g(0.02mol)、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム3.059g(0.0134mol)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン2.326g(0.0066mol)、炭酸ナトリウム2.544g(0.024mol)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作で反応を行い、下記式(D)で表されるランダム共重合体を得た(式中、n,mは共重合の組成比を示す。)。
Figure 2005232439
得られたランダム共重合体の分子量は122,000であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH),2250cm−1(CN)
実施例6
実施例1において用いる原料を、2,6−ジフルオロベンゾニトリル2.782g(0.02mol)、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム3.059g(0.0134mol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル1.229g(0.0066mol)、炭酸ナトリウム2.544g(0.024mol)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作で反応を行い、下記式(E)で表されるランダム共重合体を得た(式中、n,mは共重合の組成比を示す。)。
Figure 2005232439
得られたランダム共重合体の分子量は128,000であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH),2250cm−1(CN)
実施例7
実施例1において用いる原料を、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン4.364g(0.02mol)、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム3.059g(0.0134mol)、ビスフェノールA1.507g(0.0066mol)、炭酸カリウム3.317g(0.024mol)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作で反応を行い、下記式(F)で表されるランダム共重合体を得た(式中、n,mは共重合の組成比を示す。)。
Figure 2005232439
実施例8
実施例1において用いる原料を、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン5.085g(0.02mol)、4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジスルホン酸−1,1’−ビフェニル2.771g(0.008mol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル2.235g(0.012mol)、炭酸カリウム3.317g(0.024mol)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作で反応を行い、下記式(G)で表されるランダム共重合体を得た(式中、n,mは共重合の組成比を示す。)。
Figure 2005232439
得られたランダム共重合体の分子量は77,300であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH)
実施例9
実施例1において用いる原料を、2,6−ジフルオロベンゾニトリル2.782g(0.02mol)、4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジスルホン酸−1,1’−ビフェニル2.771g(0.008mol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル2.235g(0.012mol)、炭酸ナトリウム2.544g(0.024mol)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作で反応を行い、下記式(H)で表されるランダム共重合体を得た(式中、n,mは共重合の組成比を示す。)。
Figure 2005232439
得られたランダム共重合体の分子量は62,900であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH),2250cm−1(CN)
実施例10
実施例1において用いる原料を、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン5.085g(0.02mol)、4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジスルホン酸−1,1’−ビフェニル2.771g(0.008mol)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン4.206g(0.012mol)、炭酸カリウム3.317g(0.024mol)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作で反応を行い、下記式(I)で表されるランダム共重合体を得た(式中、n,mは共重合の組成比を示す。)。
Figure 2005232439
得られたランダム共重合体の分子量は101,000であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH)
[ブロック共重合体の合成]
実施例11
(1)ホモポリマーの合成
スリーワンモーター撹拌器、窒素ガス導入管、熱電対、トルエンを張り込んだディーンスタークトラップを装備した4つ口100mlのセパラブルフラスコに、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン5.034g(0.0198mol)、ビスフェノールA4.566g(0.02mol)、炭酸カリウム3.317g(0.024mol)を添加した。ここに窒素でよく脱気したN−メチル−2−ピロリドン50mlを加え、窒素気流中、攪拌しながらオイルバスで195℃まで昇温した。内温が195℃に達した後に系内にトルエンを数ml添加し、トルエン還流下、1時間の条件で副生成水を系外に留去した。その後200℃まで昇温し3時間反応を行った。
反応終了後室温まで冷却し、ついで多量の塩酸水(0.1N)に内容物を投入しポリマーを析出させた。析出したポリマーはブレンダーで粉砕した後、水洗・ろ別を4〜5回繰り返して精製した。その後80℃で一昼夜真空乾燥させて、以下に示す繰り返し単位(a)からなるポリマーを得た。
Figure 2005232439
(2)ブロック共重合体の合成
スリーワンモーター撹拌器、窒素ガス導入管、熱電対、トルエンを張り込んだディーンスタークトラップを装備した4つ口100mlのセパラブルフラスコに、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン5.085g(0.02mol)、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム2.739g(0.012mol)、ビスフェノールA1.826g(0.008mol)、炭酸カリウム3.317g(0.024mol)を添加した。ここに窒素でよく脱気したN−メチル−2−ピロリドン50mlを加え、窒素気流中、攪拌しながらオイルバスで195℃まで昇温した。内温が195℃に達した後に系内にトルエンを数ml添加し、トルエン還流下、1時間の条件で副生成水を系外に留去した。そして200℃まで昇温し3時間反応を行った。
一旦100℃まで内温を低下させ、上記(1)で合成したポリマー1.77g(0.004mol)を添加し、再度200℃まで昇温し2時間かけてブロック共重合反応を行った。
反応終了後室温まで冷却し、ついで多量の塩酸水(0.1N)に内容物を投入しポリマーを析出させた。析出したポリマーはブレンダーで粉砕した後、水洗・ろ別を4〜5回繰り返して精製した。その後80℃で一昼夜真空乾燥させて、上記式(A)で表されるブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体の分子量は138,000であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH)
得られたブロック共重合体膜のスルホン酸基の存在分布をEPMA(電子線マイクロアナライザー)を用いて測定したところランダムポリマーが均一なのに対し、ブロックは不均一な分布が見られ、1〜2μm程度のドメインが観測された。
これらの事実から実施例11で得られたポリマーはブロック共重合体であると結論した。
実施例12
(1)ホモポリマーの合成
実施例11(1)において、ビスフェノールA4.566g(0.02mol)をビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン7.049g(0.02mol)に変えたこと以外は実施例11(1)と同様に反応を行い、以下に示す繰り返し単位(b)からなるポリマーを得た。
Figure 2005232439
(2)ブロック共重合体の合成
実施例11(2)において用いる原料を、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン5.085g(0.02mol)、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム3.424g(0.015mol)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン1.762g(0.005mol)、炭酸カリウム3.317g(0.024mol)に変え、また、共重合反応のときに添加するポリマーを実施例12(1)のポリマー1.42g(0.0025mol)に変えたこと以外はすべて実施例11(2)のとおりに反応・後処理を行い、上記式(B)で表されるブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体の分子量は152,000であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH)
実施例13
(1)ホモポリマーの合成
実施例11(1)において、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン5.034g(0.0198mol)を2,6−ジフルオロベンゾニトリル2.754g(0.0198mol)に、また、炭酸カリウム3.317g(0.024mol)を炭酸ナトリウム2.544g(0.024mol)に変えたこと以外は実施例11(1)と同様に反応を行い、以下に示す繰り返し単位(c)からなるポリマーを得た。
Figure 2005232439
(2)ブロック共重合体の合成
実施例11(2)において用いる原料を、2,6−ジフルオロベンゾニトリル2.782g(0.02mol)、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム3.424g(0.015mol)、ビスフェノールA1.142g(0.005mol)、炭酸ナトリウム2.544g(0.024mol)に変え、また、共重合反応のときに添加するポリマーを実施例13(1)のポリマー0.82g(0.0025mol)に変えたこと以外はすべて実施例11(2)のとおりに反応・後処理を行い、上記式(C)で表されるブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体の分子量は95,000であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH),2250cm−1(CN)
実施例14
(1)ホモポリマーの合成
実施例11(1)において、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン5.034g(0.0198mol)を2,6−ジフルオロベンゾニトリル2.754g(0.0198mol)に、また、ビスフェノールA4.566g(0.02mol)をビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン7.049g(0.02mol)に、さらに炭酸カリウム3.317g(0.024mol)を炭酸ナトリウム2.544g(0.024mol)に変えたこと以外は実施例11(1)と同様に反応を行い、以下に示す繰り返し単位(d)からなるポリマーを得た。
Figure 2005232439
得られたポリマーのIRのピークは以下の通りであった。
2250cm−1(CN)
(2)ブロック共重合体の合成
実施例11(2)において用いる原料を、2,6−ジフルオロベンゾニトリル2.782g(0.02mol)、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム3.424g(0.015mol)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン1.762g(0.005mol)、炭酸ナトリウム2.544g(0.024mol)に変え、また、共重合反応のときに添加するポリマーを実施例14(1)のポリマー1.13g(0.0025mol)に変えたこと以外はすべて実施例11(2)のとおりに反応・後処理を行い、上記式(D)で表されるブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体の分子量は135,000であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH),2250cm−1(CN)
実施例15
(1)ホモポリマーの合成
実施例11(1)において、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン5.034g(0.0198mol)を2,6−ジフルオロベンゾニトリル2.754g(0.0198mol)に、また、ビスフェノールA4.566g(0.02mol)を4,4’−ジヒドロキシビフェニル3.724g(0.02mol)に、さらに炭酸カリウム3.317g(0.024mol)を炭酸ナトリウム2.544g(0.024mol)に変えたこと以外は実施例11(1)と同様に反応を行い、以下に示す繰り返し単位(e)からなるポリマーを得た。
Figure 2005232439
得られたポリマーのIRのピークは以下の通りであった。
2250cm−1(CN)
(2)ブロック共重合体の合成
実施例11(2)において用いる原料を、2,6−ジフルオロベンゾニトリル2.782g(0.02mol)、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム3.424g(0.015mol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル0.931g(0.005mol)、炭酸ナトリウム2.544g(0.024mol)に変え、また、共重合反応のときに添加するポリマーを実施例15(1)のポリマー0.71g(0.0025mol)に変えたこと以外はすべて実施例11(2)のとおりに反応・後処理を行い、上記式(E)で表されるブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体の分子量は110,000であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH),2250cm−1(CN)
実施例16
(1)ホモポリマーの合成
実施例11(1)において、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン5.034g(0.0198mol)を4,4’−ジフルオロベンゾフェノン4.321g(0.0198mol)に変えたこと以外は実施例11(1)と同様に反応を行い、以下に示す繰り返し単位(f)からなるポリマーを得た。
Figure 2005232439
(2)ブロック共重合体の合成
実施例11(2)において用いる原料を、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン4.364g(0.02mol)、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム3.424g(0.015mol)、ビスフェノールA1.142g(0.005mol)、炭酸カリウム3.317g(0.024mol)に変え、また、共重合反応のときに添加するポリマーを実施例16(1)のポリマー1.02g(0.0025mol)に変えたこと以外はすべて実施例11(2)のとおりに反応・後処理を行い、上記式(F)で表されるブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体のIRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH)
実施例17
(1)ホモポリマーの合成
実施例11(1)において、ビスフェノールA4.566g(0.02mol)を4,4’−ジヒドロキシビフェニル3.724g(0.02mol)に変えたこと以外は実施例11(1)と同様に反応を行い、以下に示す繰り返し単位(g)からなるポリマーを得た。
Figure 2005232439
(2)ブロック共重合体の合成
実施例11(2)において用いる原料を、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン5.085g(0.02mol)、4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジスルホン酸−1,1’−ビフェニル3.464g(0.01mol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル1.862g(0.01mol)、炭酸カリウム3.317g(0.024mol)に変え、また、共重合反応のときに添加するポリマーを実施例17(1)のポリマー2.00g(0.005mol)に変えたこと以外はすべて実施例11(2)のとおりに反応・後処理を行い、上記式(G)で表されるブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体の分子量は63,500であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH)
実施例18
(1)ホモポリマーの合成
実施例15(1)と同様にして、上記に示す繰り返し単位(e)からなるポリマーを得た。
(2)ブロック共重合体の合成
実施例11(2)において用いる原料を、2,6−ジフルオロベンゾニトリル2.782g(0.02mol)、4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジスルホン酸−1,1’−ビフェニル3.464g(0.01mol)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル1.862g(0.01mol)、炭酸ナトリウム2.544g(0.024mol)に変え、また、共重合反応のときに添加するポリマーを実施例18(1)のポリマー1.42g(0.005mol)に変えたこと以外はすべて実施例11(2)のとおりに反応・後処理を行い、上記式(H)で表されるブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体の分子量は77,000であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH),2250cm−1(CN)
実施例19
(1)ホモポリマーの合成
実施例11(1)において、ビスフェノールA4.566g(0.02mol)を9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン7.009g(0.02mol)に変えたこと以外は実施例11(1)と同様に反応を行い、以下に示す繰り返し単位(h)からなるポリマーを得た。
Figure 2005232439
(2)ブロック共重合体の合成
実施例11(2)において用いる原料を、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフォン5.085g(0.02mol)、4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジスルホン酸−1,1’−ビフェニル3.464g(0.01mol)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン3.504g(0.01mol)、炭酸カリウム3.317g(0.024mol)に変え、また、共重合反応のときに添加するポリマーを実施例19(1)のポリマー2.82g(0.005mol)に変えたこと以外はすべて実施例11(2)のとおりに反応・後処理を行い、上記式(I)で表されるブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体の分子量は92,000であり、IRのピークは以下の通りであった。
1160,1390cm−1(SOH)
評価例
(1)硫黄(S)量の測定
実施例で得られたポリマーの硫黄量は、炭素、硫黄分析装置LECO CS−444により測定した。具体的には、試料となるポリマーを高周波で燃焼させ、発生した硫黄酸化物を赤外線吸収法により定量した。結果を表1に示す。
(2)キャスト膜の製造
実施例1〜20で得られた共重合体1gを、N−メチルピロリドン9gに溶解し、この溶液をガラス板上に流延塗布し厚さ40μmの膜を作成した。この膜を、窒素気流下、80℃、4時間、その後、減圧下、100℃、8時間乾燥してキャスト膜を得た。
(3)含水率の測定
膜表面の余分な水分を拭き取り、膜の湿重量(Wwet)を計測した。次に、この膜を130℃に設定した乾燥機で12時間乾燥させ、膜中の水分を蒸発させた。さらに、この膜の重量を測定し乾燥重量(Wdry)を求めた。これらの結果から次式により含水率(WH2O)を求めた。
H2O(%)=(Wwet−dry)/Wwet
測定結果を表1に示す。
(4)膜抵抗の測定
交流4端子法を用いて膜抵抗(比抵抗)を測定した。装置はインピーダンスアナライザー、膜抵抗測定セルからなり、測定溶液は0.5M−HCl溶液を用いた。測定セルは、表面を白金黒メッキした一対のチタン電極(電極面積1.0cm)を持つセルと、セルを支える台から構成されていた。膜をセットしないときの電極間距離は3.0mmであった。
測定順序を以下に示す。
1)0.5M−HCl溶液中で平衡にさせた試料を2つの膜抵抗測定セル電極の間に挟んだ。
2)インピーダンスアナライザーを用い、周波数10〜1MHzで交流印加し、コンダクタンスG[S]とサセプタンスB[S]を測定した。測定後電極間の溶液の電気抵抗Rblank[Ω]を測定した。
3)測定により求めたコンダクタンスG[S]サセプタンスB[S]を下式に代入し、抵抗R[Ω]を求め、100〜10kHまでの値を平均し、膜の抵抗R[Ω]とした。
R=1/G×D/(1+D) ただし、D=tanδ=G/B
4)測定に使用した0.5M−HCl溶液の電気伝導度κ[Sm−1]、膜を挟まない状態で測定した溶液の抵抗Rblank[Ω]、及び電極間距離より、電極の有効膜面積S[cm]を下記式より求めた。dは膜厚[cm]である。
S=d/κ×Rblank
5)膜の抵抗R[Ω]、溶液の抵抗Rblank[Ω]、有効膜面積S[cm]、及び膜厚d[cm]を下記式に代入し、膜の比抵抗ρ[Ωcm]を求めた。
ρ=(R−Rblank)×S/d
測定結果を表1に示す。
(5)メタノール透過性の測定
20vol%メタノール濃度水溶液が入った溶液(供給側)と純水が入っている溶液(透過側)との間に膜を挟み、時間と共にメタノールを透過側に拡散させた。純水側のメタノール濃度を評価し、時間変化に伴うメタノール濃度の変化が少ない膜は、メタノール透過抑制性が優れると評価した。具体的な評価方法を下記に示す。
1)調製した供給側の混合溶液のメタノール濃度、及び透過側のメタノール濃度を1時間間隔で8回トータル8時間、キャピラリーガスクロマトグラフを用い測定した。
2)この値から、メタノールの透過係数の指標Pを下記式に代入して計算した。
P=d/SCM
ここで、dは膜厚[cm]、Sは容器が膜に接している部分の面積[cm]、Cは各測定時間[sec]におけるメタノール濃度[vol%]の変化量、Mは容器の体積[cm]である。
測定結果を表1に示す。
尚、表1に、参考として現行品Nafion(登録商標)115のデータも合わせて記載する。
Figure 2005232439
本発明のポリアリールエーテル共重合体は、プロトン伝導率が高く吸水率が低いため、燃料電池等に使用される高分子電解質膜として好適に使用できる。燃料電池は自動車、コジュネ、パソコン等に使用されている。

Claims (13)

  1. 以下の式(1)で表され、0.1重量%以上の親水性基を含むポリアリールエーテル共重合体。
    Figure 2005232439
    (式中、Ar及びArは、同じでも異なってもよく、以下に示す基から選択される基を示し、
    Figure 2005232439
    Ar及びArは、同じでも異なってもよく、以下に示す基から選択される基を示し、
    Figure 2005232439
    Ar、Ar、Ar及びArの少なくとも1つに、親水性基が置換していて、
    n,mは共重合の組成比を示す。)
  2. Arが、シアノフェニレン基である請求項1記載のポリアリールエーテル共重合体。
  3. ArとArが同じ基である請求項1又は2記載のポリアリールエーテル共重合体。
  4. 前記親水性基が、スルホン酸基(−SOH)、ホスホン酸基(−PO)又はカルボキシル基(−COOH)から選択される少なくとも1種の基である請求項1〜3のいずれか一項記載のポリアリールエーテル共重合体。
  5. 前記親水性基が、スルホン酸基(−SOH)である請求項4記載のポリアリールエーテル共重合体。
  6. ランダム共重合体である請求項1〜5のいずれか一項記載のポリアリールエーテル共重合体。
  7. ブロック共重合体である請求項1〜5のいずれか一項記載のポリアリールエーテル共重合体。
  8. X−Ar−X、HO−Ar−OH、X−Ar−X、HO−Ar−OHを用いて共重合させる請求項1〜7のいずれか一項記載のポリアリールエーテル共重合体の製造方法(式中、Xはハロゲンを示し、Ar、Ar、Ar、Arは前記と同じであり、Ar、Ar、Ar及びArの少なくとも1つに、親水性基が置換している)。
  9. X−Ar−X、HO−Ar−OH、HO−Ar−OHを反応させる請求項3記載のポリアリールエーテルランダム共重合体の製造方法(式中、Xはハロゲンを示し、Ar、Ar、Arは前記と同じであり、Ar、Ar及びArの少なくとも1つに、親水性基が置換している)。
  10. X−Ar−X、HO−Ar−OHを反応させて重合体を製造し、
    X−Ar−X、HO−Ar−OH、HO−Ar−OHを反応させて、ランダム共重合体を製造する際に、前記重合体を添加する請求項3記載のポリアリールエーテルブロック共重合体の製造方法(式中、Xはハロゲンを示し、Ar、Ar、Arは前記と同じであり、Ar、Ar及びArの少なくとも1つに、親水性基が置換している)。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項記載のポリアリールエーテル共重合体からなる高分子電解質膜。
  12. 請求項1〜7のいずれか一項記載のポリアリールエーテル共重合体からなる電極材料。
  13. 請求項11記載の高分子電解質膜及び/又は請求項12記載の電極材料を含んで構成される燃料電池。
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