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JP2005246750A - 筆記層付き媒体 - Google Patents

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JP2005246750A
JP2005246750A JP2004059533A JP2004059533A JP2005246750A JP 2005246750 A JP2005246750 A JP 2005246750A JP 2004059533 A JP2004059533 A JP 2004059533A JP 2004059533 A JP2004059533 A JP 2004059533A JP 2005246750 A JP2005246750 A JP 2005246750A
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JP2004059533A
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Katsumi Mogi
克己 茂木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】 筆記性と耐引っ掻き強度の両方の特性に優れた筆記層付き媒体を得る。
【解決手段】 筆記層上に、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂からなる筆記可能な保護層を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鉛筆、ボールペン、水性ペン、及び油性ペン等の筆記用具で筆記可能な筆記層を有する媒体に関する。
近年、IDカード,ICカード,クレジットカード,キャッシュカード,従業員証,身分証明証等、そのもの自体に付加価値が付き、且つ例えばカード裏面を筆記欄として使用するカード等の媒体が増加してきている。
これらの筆記層を持つ媒体には、スタンプ定着性・各種筆記性例えば鉛筆、ボールペン、水性ペン、及び油性ペンに対する筆記性が良好で、且つ耐引っ掻き強度が良好であることが求められている。しかしながら、筆記性と引っ掻き強度は相反する関係にあり、これらを両方満足させることはできなかった。
上記2つの特性を実現するため、樹脂とワックスに多孔質物質を混合させて筆記層を形成する技術がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この技術では、耐引っ掻き強度が、まだ不十分であった。
特開2002−79618号公報
本発明の目的は、筆記性と耐引っ掻き強度の両方の特性に優れた筆記層付き媒体を提供することにある。
本発明の筆記層付き媒体は、基材と、該基材上に形成された筆記層と、該筆記層上に設けられ、熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂から実質的になる筆記可能な保護層とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、筆記性と耐引っ掻き強度の両方の特性に優れた筆記層付き媒体が得られる。
本発明の筆記層付き媒体は、基材と、基材上に形成された筆記層と、筆記層上に設けられた筆記可能な保護層とを有し、この筆記可能な保護層は、熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂から実質的になる。
本発明によれば、筆記層上に、さらに筆記可能な保護層が形成されていることにより、媒体表面の筆記性を損なうことなく、良好な耐引っ掻き性が得られる。
本発明の筆記層付き媒体では、筆記層は、基材の少なくとも一方の主面上のみに設けることもその両主面に設けることも可能である。また、筆記層は、基材の全面または少なくとも1部に形成され得る。また、各主面上には、互いに分離された筆記層を複数形成することができる。筆記可能な保護層は、筆記層の少なくとも一部に形成され得る。筆記層及び筆記可能な保護層は、1または複数設けられ得る。いずれの層もそのパターンは任意である。
以下、図面を参照し、本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明に係る筆記層付き媒体の一例を表す概略的な断面図を示す。
図示するように、この媒体4は、基材1の一主面上に、筆記層2及び筆記可能な保護層3が順に形成された構成を持つ。
図2には、本発明にかかるIDカードの一例の構成を表す正面図を示す。
また、図3には、図2に示すIDカードのX−X’断面図を示す。
図2に示すように、このIDカード10は、基材11上に、画像層14と文字層16と署名欄15が形成されている。
また、図3に示すように、署名欄15は、筆記層12と、筆記層12上に形成された筆記可能な保護層13とから構成されている。
なお、この例では、画像層14及び文字層16と、署名欄15とが同一主面上に形成されているが、署名欄15を他方の主面に設けることも、その両主面にそれぞれ設けることもできる。
筆記可能な保護層には、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を使用する。耐引っ掻き強度の特性を重視するのであれば熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。一方、スタンプ定着性を重視するのであれば光硬化性樹脂を用いる方が好ましい。また、生産性を考慮すると、硬化が速い光硬化性樹脂を用いることが好ましく、より好ましくは紫外線硬化性樹脂を用いる。
熱硬化性樹脂としては、例えばアルキド樹脂、アミノ・アルキド樹脂、エポキシ樹脂・脂肪酸エステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン系、アクリル樹脂系、アクリル・ウレタン系樹脂、ビニル樹脂系、フッ素樹脂系、ポリシロキサン系、及びアクリル・シロキサン系樹脂が好ましくは用いられる。なお、上記樹脂は、上記化合物等の中から1種、または2種以上を混合して使用してもよい。
また、筆記可能な保護層に使用される光硬化性樹脂は、例えば光硬化性オリゴノマー、光硬化性モノマー、光反応開始剤等を含み、さらには、体質顔料、着色顔料、及びその他添加剤を含有し得る。光硬化により光硬化性オリゴノマー、光硬化性モノマーが重合反応を起こし、3次元網目構造を形成され得る。
筆記可能な保護層の厚さは、好ましくは筆記層の厚さよりも薄い。筆記層の厚さよりも厚いと、筆記用具により異なるけれども、筆記可能な保護層上に適用された例えばインキ等の筆記材料が筆記層に定着し難くなり、スタンプ定着性及び筆記性が低下する傾向がある。また、筆記可能な保護層の具体的な厚さは、さらに好ましくは1μm〜3μmの範囲である。1μm未満であると、十分な耐引っ掻き強度が得られない傾向がある。一方、3μmを超えると、スタンプ定着性、及び筆記性が低下する傾向がある。層形成方式については、上記厚さを形成することのできる方式であれば良いが、好ましくはオフセット印刷やグラビア印刷方式などが挙げられる。
筆記層は、多孔質物質及び樹脂を含有することが好ましい。
筆記層に用いることのできる樹脂としては、多孔質物質を基材に定着させ得るものが好ましく選択される。例えば、セラック、ロジンおよびその誘導体、硝化綿および繊維素誘導体、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、石油樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、塩素化ポリプロピレン、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、水溶性樹脂等を用いることができる。好ましくは、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂を用いることができる。また、紫外線により共重合し硬化するプレポリマーを含有するUVインキを用いてもよい。それに用いる共重合性化合物としてはポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアックリレート、ウレタンアクリレート、アルキドアクリレートが挙げられる。中でも、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、が好ましく用いられる。なお、上記樹脂としては、上記化合物等の中から1種、または2種以上を混合して使用してもよい。
筆記層に用いることのできる多孔質物質は、スタンプインキ等を受容する性質を有していればよい。この多孔質物質としては、例えば、シリカ(沈降性、またはゲルタイプ)、タルク、カオリン、クレー、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等画上げられ、これらを単独または2種以上組み合わせて使用することができる。好ましい多孔性物質としては、シリカ(沈降性、または、ゲルタイプ)を用いることができる。また、筆記層に色味を持たせるために、上記以外の化合物等を添加することができる。多孔質物質は、好ましくは1〜6μmの平均粒径を有し、さらに好ましくは2〜4μmの平均粒径を有する。
筆記層は、好ましくは2μm〜100μmの厚さを有する。より好ましくは筆記層の厚さは10μm〜20μmである。筆記層の形成方法については上記厚さを有する層を形成することのできる方式であれば特に限定されない。
上記筆記層中の樹脂と多孔質物質との配合比は、好ましくは20:80〜80:20、より好ましくは40:60〜60:40である。この範囲であると、多孔質物質が基材に良好に定着し得る。
基材は、好ましくは層状に設けられる。このような基材に使用される材料の例は、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体などの塩素含有重合体、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、あるいはテレフタール酸またはイソフタール酸などの酸成分と、エチレングリコールまたはシクロヘキサンジメタノールなどのアルコール成分との縮合エステル樹脂(たとえばPETG:イーストマンケミカル社の商標)などのポリエステル樹脂、例えばポリ乳酸系樹脂、デンプンと変性ポリビニールアルコール等とからなる天然高分子系樹脂、β―ヒドロキシ酪酸とβ―ヒドロキシ吉草酸とからなる微生物産生の樹脂等の生分解性プラスチック樹脂、さらにポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ、これらを単独あるいは組合せて使用することができる。この組合せは、混合物として、あるいは、これらの任意の組合せの積層として適用できる。
筆記層は、例えばグラビア塗工法、バーコート法、及びリバースローラ塗工法等の任意の方法で形成し得る。好ましくは、バーコート法を用いることができる。この方法を用いると、塗工安定性が確保し易いという利点がある。
筆記可能な保護層に使用される熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂は、上述の方法で形成可能であり、好ましくはオフセット印刷法により形成することができる。オフセット印刷法を用いて塗布を行うと、多孔質物質と樹脂とから構成される筆記層に、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂が浸透し難く、筆記具のインク吸着部が残存することが可能となるという利点がある。
また、本発明の筆記層付き媒体には、必要に応じて文字、画像等の記録材料層を形成し得る。このような記録材料として、電気的、磁気的、あるいは光学的に情報を記録できる材料があげられる。記録材料層は、基材、筆記層、及び筆記可能な保護層上の任意に形成し得る。例えば筆記層が設けられている面と同じ面に設けてもよく、さらにこの面の反対の面に設けられていてもよい。さらに、筆記層を図1における面と反対の面若しくは両面の一部若しく全面にも設けるようにしてもよく、あるいは同一の面の他の位置に設けるようにしてもよい。記録材料層は、例えばインクジェット方式、昇華方式及び熱転写方式などの印刷方法により印刷が施されるようにしてもよい。
実施例1
基材として、厚さ0.5mmのPETフィルムを用意した。
次に、以下の組成を有する筆記層材料を用意した。
筆記層材料組成
シリカ 50重量部
変性ウレタン樹脂 50重量部
スチレン・メタクリル酸アルキル・アクリル酸アルキル共重合体
30重量部
カチオン系ポリマー 10重量部
ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル 10重量部
上記材料をグラビア印刷方式にて基材上に塗布し、厚さ20μmの筆記層を得た。
次に、筆記可能な保護層の材料となる熱硬化樹脂として、単色機用OPニス(ドライタイプ)(東洋インキ製)を用意し、これをオフセット印刷機のインキ壺に投入し、筆記層を塗布した基材をオフセット印刷機に通すことにより、筆記層上に厚さ2μmの筆記可能な保護層を形成し、図1と同様の構成を有する本発明の筆記層付き媒体を得た。
得られた筆記層付き媒体について、以下のように、スタンプ定着性試験、筆記性試験、及び耐引っ掻き強度試験を行った。
スタンプ定着性試験
筆記可能な保護層表面に、所定のパターンのスタンプを行い、30秒毎に、乾燥布にて10回擦過し、滲みが出なくなる時点の経過時間を測定した。
筆記性試験
筆記可能な保護層表面に、鉛筆、油性ペン、水性ペン、及びボールペンを用いて。各々筆記を行い、滲みが出ない場合を○、滲みが発生した場合を×と評価した。
耐引っ掻き強度試験
耐引っ掻き強度試験に使用される装置は、サファイア針(0.5R60)と、このサファイア針に加重を行う加重部とを有する。加重部の重りを載せ、サファイア針(0.5R60)を筆記可能な保護層表面に接触させて、長さ30mmの幅で5往復し、傷の発生を観察した。加重部の重りを5gずつ増加しながら、同様の観察を行い、傷が発生した時点の重りの重さを測定した。
これらの試験の結果を下記表1に示す。
実施例2
基材として、厚さ0.5mmのPETフィルムを用意した。
次に、以下の組成を有する筆記層材料を用意した。
筆記層材料組成
シリカ 50重量部
変性ウレタン樹脂 50重量部
スチレン・メタクリル酸アルキル・アクリル酸アルキル共重合体
30重量部
カチオン系ポリマー 10重量部
ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル 10重量部
上記材料をグラビア印刷方式にて基材上に塗布し、厚さ20μmの筆記層を得た。
次に、筆記可能な保護層の材料となる紫外線硬化樹脂として、UV161OPニス(T&K TOKA製)を使用すること以外は、実施例1と同様にして、筆記層上に、グラビア印刷により、厚さ2μmの紫外線硬化樹脂層を形成し、本発明の筆記層付き媒体を製造した。
得られた筆記層付き媒体について、実施例1と同様の試験を行った。その結果を下記表1に併せて示す。
比較例
基材として、厚さ0.5mmのPETフィルムを用意した。
次に、以下の組成を有する筆記層材料を用意した。
シリカ 50重量部
変性ウレタン樹脂 50重量部
スチレン・メタクリル酸アルキル・アクリル酸アルキル共重合体
30重量部
カチオン系ポリマー 10重量部
ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル 10重量部
上記材料をグラビア印刷方式にて基材上に塗布し、厚さ20μmの筆記層を形成することにより、比較としての筆記層付き媒体を得た。
得られた筆記層付き媒体について、実施例1と同様の試験を行った。その結果を下記表1に併せて示す。
Figure 2005246750
その結果、熱硬化樹脂を用いた実施例1及び光硬化樹脂を用いた実施例2は、各種筆記性及び、耐引っ掻き強度において比較例よりも優れていることが確認できた。熱硬化樹脂を用いた実施例1では、スタンプ定着性が3分であったが、耐引っ掻き強度では200gと優れていることが確認できた。また、光硬化樹脂を用いた実施例2は、耐引っ掻き強度は150gであるが、スタンプ定着性では1分と優れていることが確認できた。
以上の結果より、筆記層付き媒体において、筆記層上に、筆記可能な保護層を設けた本発明の筆記層付き媒体は、筆記性及び耐引っ掻き強度いずれにも優れることが確認できた。
本発明の筆記層付き媒体は、例えばIDカード,ICカード,クレジットカード,キャッシュカード,従業員証,及び身分証明証等の個人認証媒体として使用し得る。
本発明の筆記層付き媒体の一例を表す概略的な断面図 本発明に係るIDカードの一例を表す正面図 図2のX−X’断面図
符号の説明
1,11…基材、2,12…筆記層、3,13…筆記可能な保護層、4…媒体、10…IDカード、14…画像層、15…署名欄、16…文字層

Claims (6)

  1. 基材と、該基材上に形成された筆記層と、該筆記層上に設けられ、熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂から実質的になる筆記可能な保護層とを具備することを特徴とする筆記層付き媒体。
  2. 前記筆記可能な保護層は、1μm〜3μmの厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の筆記層付き媒体。
  3. 前記筆記層は、樹脂と多孔質物質とを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の筆記層付き媒体。
  4. 前記樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、及びアクリル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の筆記層付き媒体。
  5. 前記多孔質物質は、シリカ、タルク、カオリン、クレー、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、及び硫酸バリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の筆記層付き媒体。
  6. 前記筆記層は、筆記層は、少なくとも2μm〜100μmの厚さを有することを特徴とする請求項請求項1ないし5のいずれか1項に記載の筆記層付き媒体。
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