JP5505174B2 - パターン印刷シート及びそれを用いた多機能映写スクリーン - Google Patents
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例えば、特許文献1には、ディスプレイ装置の前面に装着される透明シートであって、入力用電子ペン等による入力軌跡の位置を示すための位置情報を提供可能なドットパターンが印刷された透明シートが開示されている。該透明シートは、所定波長の光を照射することによって読み取り可能な光を発光するインキを用いて該ドットパターンが印刷されており、入力軌跡読取手段によって、これを位置情報として提供する機能を有するものである。しかしながら、特許文献1には、このような透明シートを具現化するインキの種類、或いは印刷面の向きや位置情報の配置の工夫などは記載されておらず、透明シートのアイデアもしくは願望が記載されているに過ぎず、具体的な透明シートの例示はない。
また、情報記載面に電子ペンにより情報が記載されると、ペン先が置かれた近傍に印刷されたドットパターンが電子ペンに内蔵された撮像部で読み取られて送信部から外部通信装置に伝送されるデータ入力システムに使用される電子ペン記載用紙であって、前記情報記載面にドットパターン以外の図柄が印刷された場合には、ドットパターンが先に印刷され、その上に図柄が印刷されたことを特徴とする電子ペン記載用紙が提案されている(特許文献3参照)。
特許文献2に開示されるパターン印刷透明シートは、ディスプレイの前面に設置して用いられるものであり、特許文献3に開示される電子ペン記載用紙は、入力パッドとして使用されるものである。
一方、ブレインストーミング等の上記のようなインタラクティブな会議運営が必要ではない場合、映写スクリーンをホワイトボードのような筆記ボードとして、使用することが有効である。
このような映写スクリーン及びホワイトボードとして、多種の機能を集約した機材は、1つの基材で種々の用途に用いることができるという観点から極めて有用であり、また会議室の省スペース化という観点からも有効である。
なお、前記特許文献1には、書込対象物のひとつとしてホワイトボードが開示されているが、印刷シートのドットパターンを、ホワイトボードと略同じである白色又は透明のインクによって印刷すればよいと記載されるのみで(特許文献1、段落0016)、具体的な方法については何ら開示がなく、達成手段が開示されているとは言えない。
すなわち、白色系のホワイトボードシートを用いると、その下に存在するドットパターンを読み取ることができず、書き込みを行ない、それをリアルタイムでデジタル情報として取り込むという基本的な機能が損なわれる。
一方、透明のホワイトボードシートを用いる場合には、ホワイトボードとしての機能を持たせるために、表面の艶が高いものを用いることが必要であるが、映写スクリーンとしての機能を満足させることができないために、ホワイトボードと映像スクリーンの兼用シートとして用いることはできない。
すなわち、本発明は、基材上に、規則性を有するパターン状印刷層、プライマー層、及び電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなる表面保護層をこの順に積層してなるパターン印刷シートであって、該印刷層を構成するインキが着色剤を含み、該印刷層は、パターンを検知可能な入力端末を用いて、表面保護層側から該パターンを読み取ることで、パターン印刷シート上における入力端末の位置に関する情報を提供可能であり、かつ60度光沢値が16以上75以下であることを特徴とするパターン印刷シート、を提供するものである。
本発明のパターン印刷シート1は、基材2上に、印刷層3、プライマー層4、及び表面保護層5をこの順に積層してなる。図2に示すパターン印刷シート1は、基材2上に、印刷層3、プライマー層4、及び表面保護層5をこの順に積層し、さらに、裏面側に接着層6及び貼合基材7をこの順に積層してなる。
これらのうち、熱や物理的衝撃に対して、後述するパターンを保護するとの観点から、ある程度の強度を有することが必要であり、その点で、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、上述のポリエチレンテレフタレート(以下「PET」ということがある。)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートに加えて、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリアリレート等が挙げられる。この中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが、ハンドリングが容易で、コストの観点から特に好ましい。
また、基材2に用いられる合成樹脂には、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。
なお、本発明のパターン印刷シートは、種々の用途に使用することが可能であるが、最も好ましい用途であるホワイトボード及び映写スクリーンとして用いる場合には、基材2は白色であることが好ましく、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルクなどの着色剤を配合することが好ましい。また、基材2として透明又は半透明のものを用いて、その裏面側(印刷層3の反対側)に、接着層6及び貼合基材7を積層する態様も好ましい。
また、基材2の表面は、後述するパターンの印刷適性の観点から、平滑性が高いことが好ましい。
具体的には、着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄色酸化鉄、黄鉛、チタン黄、弁柄、クロムバーミリオン、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、フェロシアン化物、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等であり、これらを単独若しくは併用して使用することができる。
また、印刷層3の印刷方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができ、例えば、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、孔版印刷法、インキジェット印刷法等が挙げられるが、これらのうち、後述するドットの再現性、インキの転移性の観点から、インキジェット印刷法及びフレキソ印刷法が特に好ましい。
また、本発明における規則性を有するパターンは、特許文献1にも例示されており、例えばドットの形状を複数設定し、平面内に於いて、所定範囲内に配置されたこれら複数形状のドットの組み合わせをパターン化したもの、縦横に配置した罫線の太さを変えて、所定範囲内の前記罫線の重なり部分の大きさの組み合わせをパターン化したようなもの、x、y座標の値を直接ドットの縦横の大きさと結びつけたもの等が挙げられるが、特に簡素で好適なものとしては、縦横に等間隔に並ぶ基準点を設定して、この基準点に対して上下左右に変位したドットを配置し、これらドットの当該基準点からの相対的な位置関係を利用する方法が挙げられる。この方法はドットのサイズを小さく一定にできるため入力装置の高分解能化に有利である。
2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールを主剤としポリイソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂であるが、ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有する化合物、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が用いられる。また、ポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートが用いられる。或いはまた、ポリイソシアネートとしては、上記各種ポリイソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体等も用いられる。
耐候性改善剤の配合量は、プライマー層4を形成する樹脂組成物全量基準で、1〜50質量%程度であり、3〜40質量%が好ましく、5〜25質量%がよ
り好ましい。
また、プライマー層4の塗工方法としては、特に制限はなく、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式を用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
このような60度光沢値の条件を満たす範囲であれば、フィラーの材質は特に限定されず、無機フィラー及び有機フィラーのいずれを用いることもできる。
なお、これらの無機フィラーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、硬化性樹脂の硬化後のフィラーの安定性の観点から、硬化性樹脂中の反応基を有する化学組成を有したものが望ましい。
さらに、映写スクリーンとしての機能を十分に得るとの観点から、有機フィラーは不定形のフィラーであることが好ましく、十分な吸油量を有するものが望ましい。
なお、これらの有機フィラーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
より具体的な好適範囲としては、硬化性樹脂100質量部に対して、通常、0.5質量部以上12質量部未満の範囲であり、特に、有機フィラーの場合には、硬化性樹脂100質量部に対して、0.5〜11質量部の範囲が好ましい。
一方、パターン印刷シートの表面の艶を低下させる方法としては、基材2として透明又は半透明のものを用いて、その裏面側に接着層6及び貼合基材7をこの順に積層する方法も好ましく用いられる。その場合、貼合基材7の艶に応じて、表面保護層5におけるフィラーの含有量を調節することができ、映写スクリーンとしての好適な機能を維持しつつ、フィラーの含有量を低減し、イレーサーによるマーカー消去時におけるマーカー残りを低減し得るため好ましい。
接着層6で使用する接着剤は、公知又は市販の接着剤の中から、基材2や貼合基材7を構成する成分などに応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂のほか、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、エマルションの状態で使用してもよい。なかでも、耐熱性の観点からウレタン系樹脂接着剤が好ましい。ウレタン系樹脂接着剤は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とする2液硬化型ウレタン樹脂が好ましく挙げられる。
接着層6の厚さは、使用する接着剤の種類などに応じて異なるが、通常は0.1〜30μm程度とすればよい。
貼合基材7としては、基材2側の表面の60度光沢値が、好ましくは7以下、より好ましくは5以下のものが用いられ、その場合、前述のように、表面保護層5のフィラーの含有量が比較的少ない場合であっても、パターン印刷シート全体における表面の60度光沢値を16以上75以下とすることができる。
また、貼合基材7は、着色剤を含有させるなどして、着色されたものを用いてもよい。貼合基材7に用いられる着色剤としては、入力端末が、印刷層3のパターン形成部と貼合基材7とのコントラストを認識し得るものであれば特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルク、アンチモン白、黄色酸化鉄、黄鉛、チタン黄、弁柄、クロムバーミリオン、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、フェロシアン化物、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等を、入力端末が読み取る波長に応じて使用することができ、前記基材2と同様に、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルクなどの白色のものが好ましい。
絵柄層は、印刷層3とプライマー層4との間、基材2と接着層6との間、接着層6と貼合基材7との間等に設けると、印刷層3を形成する際に、パターンの再現性を損なうことがないため好ましい。
絵柄層を形成する具体的な方法としては、種々の模様をインキと印刷機を使用して、印刷層3上、基材2の裏面及び貼合基材7上のいずれか一箇所以上に印刷する方法が挙げられる。
入力端末で読み取った連続的な撮像データから位置情報が算出され、それを時間情報と組み合わせ、情報処理装置で扱える入力軌跡データとして提供される。なお、これらの処理装置としては、特に限定されず、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース及びバッテリ等の部材を具備していれば良い。
また、読取データ処理装置は、入力端末に内蔵されていてもよいし、また、外部の情報処理装置に内蔵されていてもよい。
(評価方法)
(1)表面の艶
各実施例及び比較例にて製造したパターン印刷シートについて、表面の艶をグロスメーター(Gardner社製「micro−TRI−gloss」)を使用し、入射光60度の条件で測定した(60度光沢値)。
(2)プロジェクター映写性試験(ホットスポット)
各実施例及び比較例にて製造した化粧シートについて、シートを垂直面にシワ無く張り合わせた状態で、プロジェクターとして「CANON製LV7365」を用い投影した際のホットスポット(照射光による光球)についての評価を以下の評価基準で行った。
○;プロジェクターの照射光がぼやけた状態となり、まぶしさを感じないもの
△;プロジェクターの照射光が円状の光として確認され、若干のまぶしさを感じるもの
×;プロジェクターの照射光が明確な円状の光として確認され、非常にまぶしく感じるもの
各実施例及び比較例にて製造したパターン印刷シートについて、ぺんてる(株)製ノックルホワイトボードマーカー(赤)で筆記後、1分間室温にて乾燥した後、表面をOHTO製メラミンフォームイレーサーにて、荷重500gで1往復消去した後の外観を下記の基準で評価した。
◎;マーカーカスが残らず、マーカーの拭き取りが容易に可能である
○;マーカーカスが残らず、マーカーの拭き取りが可能である
△;表面にマーカーカスが付着し、2往復以上の消去でマーカーが拭き取れる
各実施例及び比較例にて製造したパターン印刷シートについて、ぺんてる(株)製ノックルホワイトボードマーカー(赤)で筆記後、1分間室温にて乾燥した後、表面をOHTO製メラミンフォームイレーサーにて、荷重500gで1往復消去した。同様の作業を10回繰り返した後の外観変化を色差計にて測定し、下記の基準で評価した。
◎;ΔEが1以下のもの
○;ΔEが1.1〜3.0のもの
△;ΔEが3.1〜4.5のもの
×:ΔEが4.6以上のもの
各実施例及び比較例にて製造したパターン印刷シートについて、アノトパターン検出装置「TECHKON製 APA DMS910IR」、及び専用ソフトウェア 「Anoto Pattern Analyzer」を使用し、ドットパターンの読み取りが行えるか否かの確認をした。
○;ドットパターンの読み取りが行えた
×;ドットパターンの読み取りが行えなかった
(6)鉛筆硬度
電子線硬化性樹脂の塗工面に対して、JIS−K−5600−5−4に準拠し鉛筆硬度試験を行なった。使用する鉛筆の硬度を3H〜2Bとし、シート表面に傷、食い込み等が生じない最大の鉛筆硬度にて評価した。
(7)耐摩耗性
試験機としてテスター産業(株)製学振型摩擦試験機を用い、摩耗用基材としてOHTO製メラミンイレーサーを使用し、表面保護層の表面に対して、荷重4kgにて500往復摺動試験を行なった際の外観変化について下記の基準で評価を行なった。
○:外観上変化ないもの
×:電子線硬化樹脂の剥離により、ドット部分の脱落が見られるもの
厚さ125μmの白色PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製「U2 L92W」)の表面に水性アクリル樹脂(インクテック(株)製「オーデKR991墨」及び「オーデミキサー」を質量比90:10で混合したもの)を用いて、フレキソ印刷法にてアノトパターンを印刷し、規則性を有するパターン状印刷層を積層させた。次いで、アクリルポリオール系樹脂(昭和インク工業(株)製「EBFプライマー」)を、グラビアコーター法にて塗工量2.0g/m2で塗工し、プライマー層を積層させた。
次に、電子線硬化性アクリレート樹脂及び多官能モノマーを主成分とする電子線硬化性樹脂(ザ・インクテック(株)製「WBWハード(平均官能基数4.0)100質量部に対して、シリコーンアクリレートプレポリマー(ザ・インクテック(株)「WBWシリコーン添加剤」)3質量部、及び平均粒径5μmの尿素系樹脂からなる有機フィラーを11質量部添加した電子線硬化性樹脂組成物をグラビアダイレクトコータ法により、2.0g/m2塗工し、表面保護層(未硬化)を積層させた。塗工後、加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面保護層とし、パターン印刷シートを作製した。
当該シートについて上記方法にて評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、有機フィラーの含有量を第1表に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてパターン印刷シートを作製した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
さらには、本発明のパターン印刷シートの背面部に、プラスチックフィルム、木製合板、鋼板、マグネットシート、吸着シートを張り合わせて使用することもできる。プラスチックフィルム、木製合板、鋼板等の機材と組み合わせることで、従来の移動式ホワイトボードやパーテーション、壁面等の建材製品の一部として利用することが可能である。
またマグネットシートや吸着シートを張り合わせた場合には、すでに設置されている黒板や、壁に対してこれまでに述べた様な性能を付与することができるとともに、シート形状であるため容易に人が持ち運びでき、空間の制限にとらわれない利用が可能である。
さらに、本発明のパターン印刷シートは、電子ペンとしての使用を行わずに、映写兼用ホワイトボードシートとしても利用可能である。
2:基材
3:印刷層
4:プライマー層
5:表面保護層
6:接着層
7:貼合基材
Claims (4)
- 基材上に、規則性を有するパターン状印刷層、プライマー層、及び電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなる表面保護層をこの順に積層してなるパターン印刷シートであって、該印刷層を構成するインキが着色剤を含み、該印刷層は、パターンを検知可能な入力端末を用いて、表面保護層側から該パターンを読み取ることで、パターン印刷シート上における入力端末の位置に関する情報を提供可能であり、該電離放射線硬化性樹脂組成物が尿素樹脂により形成された有機フィラーを含有してなり、かつ60度光沢値が16以上75以下であることを特徴とするパターン印刷シート。
- 前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、硬化性樹脂100質量部に対して、尿素樹脂により形成された有機フィラーを0.5質量部以上12質量部未満含有するものである請求項1に記載のパターン印刷シート。
- 前記基材の厚さが、25〜400μmである請求項1又は2に記載のパターン印刷シート。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のパターン印刷シートを用いた多機能映写スクリーン。
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