JP2005128408A - 液晶表示装置、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の液晶表示装置は、一対の基板10,20間に液晶層50を挟持してなり、1つのドット領域で反射表示と透過表示とを行う半透過反射型の液晶表示装置であって、前記液晶層50は、初期配向が垂直配向を呈する負の誘電異方性を有する液晶を含み、素子基板10の液晶層50側に反射偏光層17が設けられており、前記反射偏光層17は、透過軸と該透過軸に交差する反射軸とを有し、入射する光の前記反射軸と平行な成分の一部を反射し、一部を透過する半透過反射型の反射偏光層である構成を備えている。
【選択図】 図4
Description
この構成によれば、半透過反射型の反射偏光層により透過表示と反射表示の双方を良好に行うことが可能になる。従って、半透過反射型液晶表示装置において高コントラストの表示を得るためにはほぼ必須の構成であったマルチギャップ構造を用いることなく高コントラストの表示を得ることができ、またマルチギャップ構造の問題点であったドット領域中に設けられる段差部での光漏れに起因するコントラストの低下が無いことから、マルチギャップ構造の液晶表示装置に比しても高コントラストの表示が可能である。さらに、マルチギャップ構造の段差による垂直配向膜の塗布均一性の低下も生じないため、従来の配向膜に比して塗布性に劣る垂直配向膜を、容易に均一な膜厚に形成できるという利点も得られる。
<液晶表示装置の構成>
図1は、本発明の第1の実施形態である液晶表示装置の回路構成図、図2は、同、電極の概略平面構造を示す構成図、図3は、同、1画素領域を示す平面構成図、図4は、同、断面構成図である。
これらの図に示す液晶表示装置は、スイッチング素子としてTFD(Thin film diode)素子(二端子型非線形素子)を用いたアクティブマトリクス方式のカラー液晶表示装置である。また、本実施形態に係る液晶表示装置は、初期配向が垂直配向を呈する誘電異方性が負の液晶からなる液晶層を備えている。
尚、図1では、TFD素子40が走査線13側に接続され、液晶表示要素160がデータ線9側に接続されているが、これとは逆にTFD素子40をデータ線9側に、液晶表示要素160を走査線13側に設ける構成としても良い。
図3は、液晶表示装置100の1画素を、後述の素子基板10側から見た平面構成図、図4は図3のA−A’線に沿う断面構成図である。液晶表示装置100は、図2上下方向に延びる2本の走査線13に挟まれて共通電極9と対向する位置に設けられた平面視略矩形状の画素電極31と、TFD素子40とを主体とするドット領域を有している。図示したドット領域D1〜D3には、それぞれ赤色の色材層22R、緑色の色材層22G、赤色の色材層22Bが配設されており、3つのドット領域D1〜D3でカラー表示が可能な画素を構成している。上記3種類の色材層群により本液晶表示装置のカラーフィルタが形成されている。
画素電極31に形成された開口スリット31a、31aは、平面視略「<」字型に配置されており、共通電極9に形成された開口スリット9a…は、開口スリット31aの幅方向両側に配置されて開口スリット31aとほぼ平行に延びて形成されている。すなわち、表示領域全体で見ると、開口スリット31a…とスリット9a…とは、図3上下方向に延びる平面視略三角波状に配列されるとともに、図3左右方向で交互に配置されている。
プリズムアレイ17aは、2つの斜面を有する三角柱状(プリズム形状)の複数の凸条17cを有しており、これら複数の凸条17cが連続して周期的に形成されることにより断面三角波状を成すプリズムアレイを構成している。
誘電体干渉膜17bは、屈折率の異なる2種の材料からなる誘電体膜17d、17eが、複数の凸条17cの斜面に倣う形状に交互に積層されたものであり(いわゆる3次元フォトニック結晶層)、本実施の形態の場合、例えばTiO2膜とSiO2膜とが合わせて7層積層されている。
本実施形態に係る反射偏光層17は、上記誘電体干渉膜17bの調整により、入射してくる反射軸に平行な直線偏光の約70%を反射し、残り約30%を透過するようになっている。
図6(a)は、上記開口スリット9a、9aと、開口スリット31とによる配向規制作用を説明する概略断面図であって、図3に示すD−D’線に沿う断面における液晶50と共通電極9、画素電極31を示す図である。図6(a)に示すように液晶表示装置100において、電圧変化時に液晶分子51は、紙面にほぼ垂直に延在する開口スリット9a、9a、及び開口スリット31aの幅方向両側に向かって倒れるようになっている。すなわち、図3に示す画素電極31上側の、開口スリット9a、31aが左上がりに延びて形成された領域では、図示右上方に配向した液晶ドメインが形成される。また画素電極31下側の、開口スリット9a、31aが図示右上がりに延びて形成された領域では、図示右下方に配向した液晶ドメインが形成される。そして、これらの液晶ドメインの境界は、開口スリット9a、31a上に固定されるので、垂直配向の液晶層を備えた液晶表示装置において表示品質上の問題とされている斜視時のシミ状のむらを効果的に防止することができ、広い視角範囲で良好な表示が得られるようになっている。
このように偏光板16,18の透過軸と開口スリット9a…、31a…とを配置することで、直線偏光モードの本実施形態の液晶表示装置で、ドット領域内で部分的に輝度の低い領域(暗部)が生じるのを防止でき、高輝度の表示を得ることができる。
尚、画素電極31に設けられた開口スリット31aに代えて上記誘電体突起を設けてもよいのは勿論であり、開口スリット9a、31aの平面領域内に誘電体突起を設けても良い。
次に、図7を参照して本実施形態の液晶表示装置100の表示原理について説明する。図7に示す説明図では、図面を見易くするために、表示原理の説明に不要な構成要素は省略している。偏光板16,反射偏光層17、及び偏光板18に示した矢印等はそれぞれの透過軸の向きを示しており、光路中に示した矢印等は光線の偏光方向を示している。
尚、反射偏光層17により反射されてバックライト15へ戻った光は、バックライト15の反射膜15aにより反射されて反射偏光層17に再び入射する。そして、反射偏光層17を透過した偏光成分は偏光板16により吸収されるため、液晶表示装置100の図示上方(観察者方向)へ放射されることはない。
尚、反射偏光層17を透過した約30%の光は、偏光板18を透過してバックライトの反射膜15aにより反射され、反射偏光層17の裏面(バックライト側面)に入射する。この光は、反射偏光層の反射軸と平行な光であるため、一部は反射偏光層17を透過して液晶層50に入射し、表示光として利用される。このように、本実施形態の液晶表示装置100では、反射偏光層17自体の反射率は約70%となっているが、反射偏光層17を透過した光も表示に利用可能であり、明るい反射表示が得られるようになっている。
液晶層50に入射した光は、液晶層50の作用により紙面と平行な直線偏光となって偏光板16に入射し、偏光板16を透過して観察者方向へ放射され、明表示となる。また、反射偏光層17で反射された光は、バックライト15の反射膜15aにより反射されて再び反射偏光層17に入射し、その一部が透過されて液晶層50に入射し、表示光として利用される。またここで再び反射偏光層17で反射された光も、反射膜15aとの反射を繰り返すうち反射偏光層17を透過して表示光として利用されるようになっている。
このように、本実施形態の液晶表示装置100では、反射偏光層17自体の透過率は約30%であるが、バックライト15との間で光を再利用することで高効率にバックライト光を利用することができ、高輝度の透過表示を得られるようになっている。
さらには、上記マルチギャップ構造の段差に起因する液晶配向の乱れも生じないため、マルチギャップ構造の液晶表示装置に比しても高コントラストの表示が可能である。
半透過反射型の反射偏光層17は、ドット領域内の全面に設けられており、パターニングは不要であるため、製造が容易であるとともに、素子基板10表面において優れた平坦性が得られ、コントラストの向上に寄与する。
このように本実施形態の液晶表示装置は、素子基板10の外側に反射偏光板、及び円偏光板を設けることなく、明るい透過表示を得ることができ、薄型化、軽量化が重要な携帯機器に用いられる半透過反射型の液晶表示装置として極めて優れている。
<液晶表示装置の構成>
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図8は、本実施形態の液晶表示装置200に設けられた1画素を示す平面構成図、図9は、図8のB−B’線に沿う断面構成図、図10は、液晶表示装置200の動作原理説明図である。本実施形態の液晶表示装置は、第1の実施形態と同様の基本構成を備えるとともに、反射偏光層及びカラーフィルタについて異なる構成を採用した点に特徴を有している。従って、図8ないし図10では、図1ないし図7と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略することとする。
画素電極31a及び共通電極9には、第1実施形態と同様に、電圧印加時の液晶分子の傾倒方向を制御する配向制御手段を成す開口スリット9a…、31a…が設けられており、電圧印加時に複数の液晶ドメインを形成するようになっている。
素子基板10は、基板本体10Aの液晶層50側面に反射偏光層117と、画素電極31と、垂直配向膜19が積層形成され、基板本体10Aの外面側に偏光板18が設けられた構成を備えている。
上記開口部117c…は互いにほぼ平行に形成されており、その幅は各開口部117cでほぼ同一に形成されている。金属反射膜117bの膜厚は、100nm〜400nmであり、開口部117cの幅は30nm〜300nm程度である。また、1本の金属反射膜117bの幅は30nm〜300nm程度である。
次に、図10を参照して本実施形態の液晶表示装置の表示原理について説明する。図10に示す説明図では、図面を見易くするために、表示原理の説明に不要な構成要素は省略している。偏光板16,反射偏光層117、及び偏光板18に示した矢印等はそれぞれの透過軸の向きを示しており、光路中に示した矢印等は光線の偏光方向を示している。
尚、反射偏光層117に入射した光は、紙面と垂直な反射軸を有する同層で反射されてバックライト15へ戻り、バックライト15の反射膜15aとの間で反射を繰り返す。そして、このような反射を繰り返すうちに上記非形成領域117aを透過した光は、上記と同様偏光板16により吸収される。
また、反射偏光層117で反射された光は、バックライト15の反射膜15aにより反射されて再び反射偏光層117に入射し、非形成領域117aに入射した成分が透過されて液晶層50に入射し、表示光として利用される。
このように、本実施形態の液晶表示装置100では、反射偏光層117の裏面で反射されたバックライト光を再利用して透過表示を行うようになっているので、明るい透過表示を得ることができるようになっている。
さらには、上記マルチギャップ構造の段差に起因する液晶配向の乱れも生じないため、マルチギャップ構造の液晶表示装置に比しても高コントラストの表示が可能である。
また図11に示した反射偏光層117は、誘電体干渉膜を主体としてなる反射偏光層17に比して偏光度を高くできるという利点があり、またパターニングが容易で反射表示領域と透過表示領域とを明確に区画できるため、本実施形態の如くマルチカラーの色材層と組み合わせることで、色鮮やかな表示が得られる液晶表示装置を実現できる。
また、反射モードと透過モードでネガポジ反転が生じないため、外光が液晶パネルに入射する環境で透過表示を行った場合にも、コントラストの低下を生じることが無く、高画質の表示を得ることができる。
このように本実施形態の液晶表示装置は、素子基板10の外側に反射偏光板、及び円偏光板を設けることなく、明るい透過表示を得ることができ、薄型化、軽量化が重要な携帯機器に用いられる半透過反射型の液晶表示装置として極めて優れている。
図12は、本発明に係る液晶表示装置を表示部に備えた電子機器の一例である携帯電話の斜視構成図であり、この携帯電話1300は、本発明の液晶表示装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
上記実施の形態の液晶表示装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、高輝度、高コントラスト、広視野角の表示を提供することができる。
Claims (12)
- 一対の基板間に液晶層を挟持してなり、1つのドット領域で反射表示と透過表示とを行う半透過反射型の液晶表示装置であって、
前記液晶層は、初期配向が垂直配向を呈する負の誘電異方性を有する液晶を含み、
前記一対の基板のうち、一方の基板の液晶層側に反射偏光層が設けられており、
前記反射偏光層は、透過軸と該透過軸に交差する反射軸とを有し、入射する光の前記反射軸に平行な成分の一部を反射し、一部を透過する半透過反射型の反射偏光層であることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記反射偏光層は、前記ドット領域の略全面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記反射偏光層は、前記ドット領域内で部分的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記反射偏光層は、複数のプリズムを配列形成したプリズムアレイと、該プリズムアレイ上に形成された誘電体干渉膜とを備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記反射偏光層は、微細なスリット状の開口部が複数設けられた金属反射膜を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記一対の基板のいずれかにカラーフィルタが設けられ、該カラーフィルタは、ドット領域内で異なる色度を有する複数の平面領域に区画されていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記一対の基板のうち、少なくとも一方の基板の液晶層側に、電圧印加時の液晶分子の傾倒方向を規制する配向制御手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記配向制御手段は、平面視略直線状を成す一方、前記反射偏光層の反射軸と交差する方向に延在していることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
- 前記配向制御手段と、前記反射偏光層の反射軸との交差角度は、略45°であることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
- 前記配向制御手段は、前記反射偏光層の反射軸と交差して延在する平面視略三角波状を成していることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記反射偏光層が設けられた基板に偏光層が設けられ、
前記偏光層は、その透過軸が前記反射偏光層の反射軸に対して略平行となるように配置されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の液晶表示装置。 - 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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