第1の発明は、洗濯物を収納し水平方向または傾斜方向に回転中心軸を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを内包し前面もしくは上面に開口部を有し洗濯機本体に弾性的に支持する水受け槽と、前記水受け槽の開口部を覆うふたと、前記水受け槽内に循環風を送風する送風手段と、前記送風手段による送風中のほこりや糸くずなどを回収する脱着可能なフィルタと、前記フィルタの有無を判定するフィルタ有無判定手段と、前記回転ドラムを駆動するモータと、一連の洗濯および乾燥動作の制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は前記フィルタ有無判定手段がフィルタが無くなったと判断した時に、運転を中断するようにしたものであり、運転途中にフィルタが外れてリントが回収できない状態になった場合には、循環風を停止させることによって、送風経路や送風ファンなどへほこりや糸くずなどのリントが堆積することを防止することができる。また、回転ドラムの動作を停止させることによって、外れたフィルタが回転部に当たったりして異音を発生させたり、フィルタが破損したりすることを防止することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、フィルタ有無判定手段は、前記フィルタに内蔵された磁石と、磁力によって前記磁石の有無を判定する磁力判定手段とによって構成されるようにしたものであり、フィルタ有無判定手段はフィルタと非接触にて有無を判定することができるようになる。そのため、フィルタを水受け槽内部に設置し、フィルタ有無判定手段を水受け槽外部に設置したとしても、特別な防水処理などの構造を有しなくとも、フィルタ有無を判定することができる。また、フィルタ有無判定手段を防水構造することも容易となり、コストの増大を防ぐことができる。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、制御手段は、前記モータ動作中にフィルタが無くなったと判断した場合には、前記モータにブレーキを掛けるようにしたものであり、運転途中にフィルタが外れても短時間にモータを停止することができ、外れたフィルタが回転部に当たったりして異音を発生させたりする時間を、より短時間に抑えることができる。また、フィルタが破損したりすることを最大限防止することができる。
第4の発明は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、ふたの開閉を検知するふた開検知手段を備え、制御手段は前記フィルタが無くなったと判断して運転を中止していた場合に、前記ふた開検知手段がふた閉を検知すると運転を再開するようにしたものであり、フィルタが外れて動作を中止していた時にフィルタを取り付けた途端急に運転を再開することを防止し、安全性を向上することができる。また、フィルタが本来取り付けられるべきところの近辺に近づき、きちんと挿入される前に運転を再開することを防止し、取り付け途中のフィルタに回転部が当たったり、リントを含んだ循環風がフィルタを介せずに通り抜けることを防止することができる。
第5の発明は、上記第4の発明において、制御手段は、運転再開するシーケンスはふたの開閉と同じ扱いにするようにしたものであり、ドラムが高速に回転している場合にフィルタが外れて運転を中止した場合でも、運転を再開する場合には、ふたが開閉した場合と同じ動作をさせることができ、特別な運転シーケンスを組み込むこともなく、安全に運転を再開することができ、ドラムを高速に回転している状態に戻すことができる。
第6の発明は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記水受け槽内の温度を計測する温度計測手段を備え、制御手段は、前記温度計測手段からの入力が高温だと判断し、前記水受け槽内の温度を強制的に下げる運転をする場合には、前記フィルタ有無判定手段による判定を無視するようにしたものであり、フィルタが無くなった場合でも強制的に温度を下げる運転を継続することができ、庫内の温度を短時間に下げることができる。
第7の発明は、上記第1〜第6のいずれか1つの発明において、フィルタが無くなったことを表示する表示手段を備え、制御手段はフィルタが無くなった場合に前記表示手段にフィルタが無くなった旨表示するようにしたものであり、運転中にフィルタが外れたために運転を中止した場合にも、使用者にその旨知らせることができ、故障と勘違いされることを防止し、使い勝手を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図2に示すように、回転ドラム1は、有底円筒形に形成し外周部に多数の通水孔2を全面に設け、水受け槽3内に回転自在に配設している。回転ドラム1の回転中心に傾斜方向に回転軸(回転中心軸)4を設け、回転ドラム1の軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設している。この回転軸4に、水受け槽3の背面に取り付けたモータ5を連結し、回転ドラム1を正転、逆転方向に回転駆動する。回転ドラム1の内壁面に数個の突起板6を設けている。
水受け槽3の正面側の上向き傾斜面に設けた開口部をふた7により開閉自在に覆い、このふた7を開くことにより衣類出入口8を通して回転ドラム1内に洗濯物を出し入れできるようにしている。ふた7を上向き傾斜面に設けているため、洗濯物を出し入れする際、腰を屈めることなく行うことができる。フタロック手段9を動作させることで、ふた7をロックすることができ、使用者が開けたくても開けさせなくすることが可能となる。
水受け槽3は洗濯機本体10よりばね体11で揺動可能に吊り下げており、水受け槽3の下部に排水経路12の一端を接続し、排水経路12の他端を排水弁13に接続して水受け槽3内の洗濯水を排水するようにしている。給水弁14は給水経路15を通して水受け槽3内に水を給水するものである。そして、給水管路15の一端は、水受け槽3の除湿管路18に接続されている。
なお、本実施の形態では、回転ドラム1の回転中心に傾斜方向に回転軸4を設け、回転ドラム1の軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設しているが、回転ドラム1の回転中心に水平方向に回転軸4を設け、回転ドラム1の軸心方向を水平方向に配設してもよい。
本実施の形態は、回転ドラム1内の洗濯物を乾燥する乾燥機能を有しており、水受け槽3内の空気を排気して除湿し、加熱して乾燥した温風にして再び水受け槽3内に送風する循環送風経路を形成している。
すなわち、図3に示すように、循環送風経路内に配設した送風ファン(送風手段)16を回転駆動することにより、循環送風経路に空気の流れが発生し、回転ドラム1内の空気は通水孔2を通して水受け槽3の排気口17から除湿管路18に排気される。除湿管路18は給水経路15から供給される水の噴霧により冷却されており、水受け槽3から廃棄された水分を含む空気を冷却し、水分を結露して除湿する。
除湿管路18に接続した送風管路19は、衣類出入口8の近傍に配設したフィルタ20を通して水受け槽3の背面側に空気を導く管路を形成しており、水受け槽3の背面側に配設した加熱管路21に接続している。加熱管路21は、図4に示すように、水受け槽3の背面に取り付けたモータ5の上方に円弧状に流路を形成し、その内部に、送風管路19との接続位置に送風ファン16を配設し、他端に水受け槽3に通じる送風口22を形成し、円弧状の屈曲部にヒータ23を配設している。
この加熱管路21を通過する空気はヒータ23により所定温度に加熱され、乾燥した温風として送風口22から水受け槽3内に送風され、通水孔2を通して回転ドラム1内に供給されるので、回転ドラム1の回転により攪拌される洗濯物は乾燥した温風に水分が奪われて乾燥が進行する。この空気の循環を所用時間繰り返すことにより洗濯物の乾燥がなされる。
フィルタ20は、図4に示すように、水受け槽3に形成された衣類出入口8の周縁部にフィルタ挿入部24を設け、衣類出入口8の開口部内から上向き傾斜方向にフィルタ20が着脱できるように配置されている。衣類出入口8の周縁部の一部となるように、フィルタ20を着脱するための取っ手20aとなる部分が位置している。取っ手20a部分は、円形に開口する衣類出入口8の一部を切り取った円弧形状に形成され、フィルタ20は除湿管路18に接続して加熱管路21に接続する送風管路19の送風路に位置する部分に、取り付けられる。
図5に示すように、フィルタ20には磁石25が取り付けられており、フィルタ20をフィルタ挿入部24に挿入することで、磁石25をフィルタ挿入部24の外部に取り付けられた磁力判定手段(フィルタ有無判定手段)26近傍に位置することができる。磁力判定手段26は、磁石25の磁力によりフィルタ20が取り付けられているかを判断することができる。
制御装置27は、図1に示すように構成しており、モータ5、排水弁13、給水弁14、送風ファン16、ヒータ23、フタロック手段9などの動作を制御し、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御するマイクロコンピュータからなる制御手段28を有している。制御手段28は、運転コース等を設定するための入力設定手段29からの情報を入力して、その情報を基に表示手段30で表示して使用者に知らせるとともに、入力設定手段29により運転開始が設定されると、水受け槽3内の水位を検知する水位検知手段31やふたの開閉を検知するふた開検知手段32、フィルタに取り付けられた磁石25の有無によりフィルタの取り付けを判定する磁力判定手段26等からのデータを入力して負荷駆動手段33を介して、排水弁13、給水弁14、送風ファン16、ヒータ23、フタロック手段9などの動作を制御し、洗濯・乾燥運転を行う。また、サーミスタ(温度計測手段)34によって、水受け槽3内の温度を計測し、高温状態かどうかを判断することができるように構成している。
洗濯・乾燥運転時には、制御手段28は、モータ5のロータの位置を検出する位置検出手段35からの情報に基づいて、駆動回路36を介してインバータ37を制御することによりモータ5を回転制御するようにしている。モータ5は直流ブラシレスモータで、図示していないが、3相巻線を有するステータと、リング上に2極の永久磁石を配設しているロータとで構成し、ステータは3相巻線を構成する第1の巻線5a、第2の巻線5b、第3の巻線5cをスロットを設けた鉄心に巻き付けて構成している。
インバータ37は、パワートランジスタ(IGBT)と逆導通ダイオードの並列回路からなるスイッチング素子で構成している。第1のスイッチング素子37aと第2のスイッチング素子37bの直列回路と、第3のスイッチング素子37cと第4のスイッチング素子37dの直列回路と、第5のスイッチング素子37eと第6のスイッチング素子37fの直列回路で構成し、各スイッチング素子の直列回路は並列接続している。
ここで、スイッチング素子の直列回路の両端は入力端子で、直流電源を接続し、スイッチング素子の直列回路を構成する2つのスイッチング素子の接続点に、それぞれ出力端子を接続している。出力端子は、3相巻線のU端子、V端子、W端子に接続し、スイッチング素子の直列回路を構成する2つのスイッチング素子のオン・オフの組合せにより、U端子、V端子、W端子をそれぞれ正電圧、零電圧、解放の3状態にする。
スイッチング素子のオン・オフは、ホールICからなる3つの位置検出手段35a、35b、35cからの情報に基づいて制御手段28により制御される。位置検出手段35a、35b、35cは電気角で120度の間隔でロータが有する永久磁石に対向するように、ステータに配設されている。
ロータが1回転する間に、3つの位置検出手段35a、35b、35cは、それぞれ電気角で120度の間隔でパルスを出力する。制御手段28は、3つの位置検出手段35a、35b、35cのいずれかの信号の状態が変わったときを検知し、位置検出手段35a、35b、35cの信号を基に、スイッチング素子37a〜37fのオン・オフ状態を変えていくことで、U端子、V端子、W端子を正電圧、零電圧、解放の3状態にし、ステータの第1の巻線5a、第2の巻線5b、第3の巻線5cに通電して磁界を作り、ロータを回転させるよう構成している。
また、スイッチング素子37a、37c、37eはそれぞれパルス幅変調(PWM)制御され、例えば、繰り返し周波数10kHzでハイ、ローの通電比を制御することで、ロータの回転数を制御するようにしてあり、制御手段28は、3つの位置検出手段35a、35b、35cのいずれかの信号の状態が変わるたびにその周期を検出し、その周期よりロータの回転数を算出して、設定回転数になるようにスイッチング素子37a、37c、37eをPWM制御する。
商用電源38は、ダイオードブリッジ39、チョークコイル40、平滑用コンデンサ41からなる直流電源変換装置を介して、インバータ37に接続している。ただし、これは一例であり、直流ブラシレスモータ5の構成、インバータ37の構成等は、これに限定されるものではない。
入力設定手段29は、図6に示すように、洗い時間を設定する洗い時間設定スイッチ29a、すすぎ回数を設定するすすぎ回数設定スイッチ29b、脱水時間を設定する脱水時間設定スイッチ29c、乾燥時間を設定する乾燥時間設定スイッチ29d、コース設定スイッチ29e、スタート・一時停止スイッチ29f、電源入りスイッチ29g、電源切りスイッチ29hなどを有し、表示手段30は、洗い時間表示部30a、すすぎ回数表示部30b、脱水時間表示部30c、乾燥時間表示部30d、コース設定表示部30e、残時間や異常内容を表示する数字表示部30fなどを有している。
ここで、制御手段28は、間欠脱水行程や脱水行程中にも、随時フィルタ外れを検知し、フィルタが外れた場合は、ブレーキを掛けてモータの回転を停止し、フィルタの取り付けを促すようにしている。フィルタが再度取り付けられた場合は、ふた開と同様に間欠脱水行程の最初に戻り、再度運転を行うようにしている。
上記構成において図7と図8を参照しながら動作を説明する。まず、制御手段28は脱水行程を行う場合、ステップ42にてフタロック手段9を動作させ、ふた7が開かないようにする。これは高速回転中に急にふた7を使用者が開けた場合、モータ5にブレーキを掛けるものの停止するまでに時間が必要となるので、危険な状態になるのを防止するためである。
次に、間欠脱水行程に入り、ステップ43にてモータ5を駆動して回転ドラム1の回転数を徐々に上げていく。この行程は一気に回転数を上げた場合、衣類が回転ドラム1内でアンバランスになり、振動が大きくなるのを防止するために行う。また、詳細は省略するが、アンバランスのため振動が大きくなる前に、アンバランスになるかどうかを検知している。また、衣類が含水している状態で一気に回転数を上げた場合、衣類から発生した水が十分に排水されることなく、水受け槽3内で回転ドラム1の回転を妨げることがあるため、それも防止するために行う。回転数の変化は図8に示すように制御しており、回転数を上昇させる度合いの調整と、90r/minや150r/minで回転数を維持する時間を設けることなどにより、アンバランスにさせることなく高速回転できるように準備している。
このような制御を行っている間にも、ステップ44にてフィルタ外れを検知している。これは、磁力判定手段26が近くに磁石25の存在することを検知することによって、磁石25を備えたフィルター20がフィルタ挿入部24に取り付けられていることを検知している。もし、磁力判定手段26は近くに磁石25が存在すると判定した場合、つまりフィルター20がフィルタ挿入部24に取り付けられていると判定した場合は、ステップ45に進む。
ステップ45にて、ふた開検知手段32の判定結果によってふた7が開いているかを判断する。もし、ふたが閉まっていた場合、ステップ46に進み、目標回転数に到達したかを判断する。つまり、間欠脱水行程を終了してもいいかを判断することになる。まだ目標回転数に到達していない場合、ステップ43に戻り、再度徐々に回転数を上げていく。
もし、ステップ46にて目標回転数(例えば、900r/min)に到達していた場合、つまり図8のA点に到達した場合、ステップ47に進み、脱水行程に移行する。ここでは脱水行程の時間を管理するため、脱水時間の計測を開始する。
次に、ステップ48にて、目標回転数を維持するようにモータ5を制御する。その後、ステップ49とステップ50にて、フィルタ外れとふた開を検知する。これらの動作はステップ44とステップ45と同様である。ここで、フィルタ外れもふた開もないと判断した場合は、ステップ51にて、脱水時間(例えば、12分)が経過したかを判定する。もし、経過していない場合はステップ48に戻り、脱水行程を継続する。
脱水時間を経過していた場合、脱水行程を終了し、次行程に移る。
もし、ステップ44やステップ49にて、フィルタ外れと判断した場合、フィルタ20が回転ドラム1内に転がっている可能性がある。ステップ49の場合は特に900r/minもの高速回転している中にフィルタ20が落ちるため、破損に至る可能性が非常に高い。これらを防止するため、ステップ52にてフィルタ外れが発生したことを示す表示を数字表示部30fに行う。例えば、U16と表示することで使用者にフィルタ外れを知らせることができる。
次に、ステップ53にて、モータ5にブレーキを掛ける。これは運転を中断するだけではなく、緊急にモータ5を停止することでフィルタ20の破損を最大限防止するためである。運転の中断だけではモータ5に接続された回転ドラム1はなかなか停止せず、2分以上惰性回転を続けることになるためである。
その後、ステップ54にて、フィルタ20の取り付けを促すためにフタロック手段9を停止し、ロックを解除する。これらの動作によって、使用者は数字表示部30fに表示されたU16の表示に従い、ふた7を開けて、フィルタ20をフィルタ挿入部24に取り付けることができる。
その後、ステップ55にて、ふた7が閉まったのを待ち、ステップ42に戻り、間欠脱水行程から再度行う。これは、一旦回転ドラム1を停止してしまったため、衣類のバランスが崩れている可能性が高いためであり、アンバランスが生じないように再度間欠脱水行程から開始する必要があるためである。これらはふた7が突然開けられた場合の動作と同じである。回転ドラム1が停止したことによる不都合を回避する動作が必要なので、ふた開と同じ動作を行うようにすることで、複雑なシーケンスになることを防止することができ、より簡単な運転シーケンスにすることができる。
もし、ステップ45やステップ50にて、ふた開と判断した場合、安全のため、ステップ53にて、モータ5にブレーキを掛けて緊急停止する。本来この行程ではフタロック手段9が駆動していて、ふた7を開けることはできないはずだが、高速回転中にふた7を開けて手を入れられた場合、不安全に繋がることになるため、念のため行っている。その後は、ステップ54、ステップ55と進み、ふた閉を待って、ステップ42に戻る。これらは、フィルタ外れ検知と同様である。
以上のように本実施の形態において、制御手段28は磁力判定手段26によって、フィルタ20が無くなったと判断した場合に、運転シーケンスを中断するようにして、運転中に外れたフィルタ20が回転部に当たったりして異音を発生させたり、フィルタ20が破損したりすることを防止できる。
また、フィルタ20に内蔵された磁石25と、磁力によって磁石25の有無を判定する磁力判定手段26とによってフィルタの有無を判定するようにしたことにより、フィルタ20を水受け槽3内に設置しても、特別な防水処理などの構造を有しなくとも、非接触にて磁力判定手段26がフィルタ20の有無を判定することができ、コストの増大を防ぐことができる。
また、制御手段28は、モータ5動作中にフィルタ20が無くなったと判断した場合には、モータ5にブレーキを掛けるようにしたものであり、運転途中にフィルタ20が外れても短時間にモータ5を停止することができ、外れたフィルタ20が回転部に当たったりして異音を発生させたりする時間を、より短時間に抑えることができる。また、フィルタ20が破損したりすることを最大限防止することができる。
また、制御手段28はフィルタ20が無くなったと判断して運転を中止していた場合に、ふた開検知手段32がふた閉を検知すると運転を再開するようにしたものであり、フィルタ20が外れて動作を中断していた時にフィルタ20を取り付けた途端急に運転を再開することを防止し、安全性を向上することができる。また、フィルタ20が本来取り付けられるべきところの近辺に近づき、きちんと挿入される前に運転を再開することを防止し、取り付け途中のフィルタ20に回転部が当たったりすることを防止することができる。
また、制御手段28は、運転再開するシーケンスはふた7の開閉と同じ扱いにするようにしたものであり、回転ドラム1が高速に回転している場合にフィルタ20が外れて運転を中止した場合でも、運転を再開する場合には、ふた7が開閉した場合と同じ動作をさせることができ、特別な運転シーケンスを組み込むこともなく、安全に運転を再開することができ、回転ドラム1を高速に回転している状態に戻すことができる。
また、制御手段28は、フィルタ20が外れて運転を中断した場合に表示手段30にフィルタが無くなった旨表示するようにしたものであり、使用者に運転中にフィルタ20が外れたために運転を中止したことを知らせることができる。これによって、運転の中断が故障と勘違いされることを防止し、使い勝手を向上することができる。
なお、本実施の形態では、間欠脱水の回転数制御方法を図8に示したが、これらの制御はあくまでも一例であり、他の回転数制御でも同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態は、制御手段28は、乾燥行程運転中にフィルタ外れを検知した場合、ブレーキを掛けてモータ5の回転を停止し、フィルタ20の取り付けを促すようにしているが、回転ドラム1内が高温の場合、フタロック手段9を停止して、ロック解除しないようにしたものである。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、詳細な説明は省略する。
上記構成において図9を参照しながら動作を説明する。まず、制御手段28は乾燥行程を行う場合、ステップ56にてフタロック手段9を動作させ、ふた7が開かないようにする。これは高速回転中に急にふた7を使用者が開けた場合、モータ5にブレーキを掛けるものの停止するまでに時間が必要となるので、危険な状態になるのを防止するためである。また、回転ドラム1内が高温の場合、使用者が安易にふたを開けて誤って高温部に触れるという危険を防止するためでもある。
次に、ステップ57にて乾燥を促進するためモータ5を駆動して回転ドラム1を回転させるとともに、ヒータ23を動作させ、送風ファン16を駆動する。これらによって、排気口17から、除湿管路18、フィルタ20、送風管路19、加熱管路21、ヒータ23、送風口22と循環風を生じさせることで乾燥を促す。また、フィルタ20にて、ほこりや糸くずなどのリントを回収している。
次に、ステップ58とステップ59にて、乾燥行程運転中でも、フィルタ外れとふた開を検知している。これらの動作は実施の形態1におけるステップ44とステップ45と同様である。ここで、フィルタ外れもふた開もないと判断した場合は、ステップ60にて、乾燥が終了したかを判定する。もし、まだ終了していないと判断した場合は、ステップ57に戻り、乾燥を継続する。
もし、ステップ60にて、乾燥が終了していると判断された場合は、ステップ61にて、モータ5へブレーキを掛け、送風ファン16を停止し、ヒータ23をオフする。その後、乾燥行程を終了し、次行程に進む。
もし、ステップ58にて、フィルタ外れと判断した場合、フィルタ20が回転ドラム1内を転がっている可能性があり、破損に至る可能性が高い。これらを防止するため、ステップ62にてフィルタ外れが発生したことを示す表示を数字表示部30fに行う。例えば、U16と表示することで使用者にフィルタ外れを知らせることができる。
次に、ステップ63にて、モータ5にブレーキを掛ける。これは緊急にモータ5を停止することでフィルタ20の破損を最大限防止するためである。
その後、ステップ64にて、回転ドラム1の庫内温度を計測し、高温ではないと判断された場合(例えば54℃未満)、ステップ65に進み、フィルタ20の取り付けを促すためにフタロック手段9を停止してロックを解除する。これらの動作によって、使用者は数字表示部30fに表示されたU16の表示に従い、ふた7を開けて、フィルタ20をフィルタ挿入部24に取り付けることができる。もし、ステップ64にて、回転ドラム1の庫内温度が所定の温度(例えば54℃)より高いと判断された場合、ステップ66へと進み、ふたはロック解除しない。
次に、ステップ66にて、ふた7が閉まったのを待ち、ステップ56に戻り、乾燥運転を再度行う。
もし、ステップ59にて、ふた開と判断した場合、安全のため、ステップ63にて、モータ5にブレーキを掛けて緊急停止する。本来この行程ではフタロック手段9が駆動しているため、ふた7を開けることはできないはずだが、高速回転中にふた7を開けて手を入れられた場合、不安全に繋がることになるため、念のため行っている。その後は、ステップ64へと進み、フィルタ外れ時と同様の行程を経て、ステップ56に戻る。
以上のように本実施の形態において、制御手段28は磁力判定手段26によって、フィルタ20が無くなったと判断した場合に、運転シーケンスを中断するようにして、運転中に外れたフィルタ20が回転部に当たったりして異音を発生させたり、フィルタ20が破損したりすることを防止できる。
また、フィルタ20に内蔵された磁石25と、磁力によって磁石25の有無を判定する磁力判定手段26とによってフィルタ20の有無を判定するようにしたことにより、フィルタ20を水受け槽3内に設置しても、特別な防水処理などの構造を有しなくとも、非接触にて磁力判定手段26がフィルタ20の有無を判定することができ、コストの増大を防ぐことができる。
また、制御手段28は、乾燥運転中にフィルタ20が無くなったと判断した場合には、運転を中断するとともにモータ5にブレーキを掛けるようにしたものであり、運転途中にフィルタ20が外れてリントが回収できない状態になった場合でも、送風ファン16の動作を中断することで循環風を停止させ、送風経路や送風ファン16などへほこりや糸くずなどのリントが堆積することを防止することができる。また、外れたフィルタ20が回転部に当たったりして異音を発生させたりする時間を、より短時間に抑えることができる。また、フィルタ20が破損したりすることを最大限防止することができる。
また、制御手段28はフィルタ20が無くなったと判断して運転を中止していた場合に、ふた開検知手段32がふた閉を検知すると運転を再開するようにしたものであり、フィルタ20が外れて動作を中止していた時にフィルタ20を取り付けた途端急に運転を再開することを防止し、リント回収を確実に行うことができるとともに安全性を向上することができる。また、フィルタ20が本来取り付けられるべきところの近辺に近づき、きちんと挿入される前に運転を再開することを防止し、取り付け途中にフィルタ20を経由せずに循環風が流れることと防止して確実にリント回収を行うことができる。
また、制御手段28は、運転再開するシーケンスはふた7の開閉と同じ扱いにするようにしたものであり、回転ドラム1が高速に回転している場合にフィルタ20が外れて運転を中止した場合でも、運転を再開する場合には、ふた7が開閉した場合と同じ動作をさせることができ、特別な運転シーケンスを組み込むこともなく、安全に運転を再開することができ、回転ドラム1を高速に回転している状態に戻すことができる。
また、制御手段28は、乾燥運転中にフィルタ20が無くなったと判断し、運転を中断した場合でも、水受け槽3が高温の時はロックを解除しないようにしたものであり、使用者が誤ってふた7を開けて、高温部に触れるなどの危険を回避することができる。
また、制御手段28は、フィルタ20が外れて運転を中断した場合に表示手段30にフィルタが無くなった旨表示するようにしたものであり、運転中にフィルタ20が外れたことを検知して運転を中止したことを使用者に知らせることができる。これによって、運転の中断が故障と勘違いされることを防止し、使い勝手を向上することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態は、制御手段28は、電源投入時に水受け槽3内が所定の温度より高い場合にフタロック手段9を駆動し、ふたが開かないようにし、スタート・一時停止スイッチ29fを押すことでモータ5と送風ファン16を動作させて水受け槽3内の温度を下げる運転(強制クールダウン)を行うが、この時に、たとえフィルタ外れを検知していたとしても、運転を中断することなく、温度を下げる運転を行うようにしたものである。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、詳細な説明は省略する。
上記構成において、図10を参照しながら動作を説明する。まず、電源投入された時、ステップ67にて、制御手段28は水受け槽3内が所定の温度(例えば、54℃)より高温かを判断する。もし、高温でないと判断した場合(54℃未満)、これらの処理を終了し、次行程に移る。
もし、ステップ67にて、所定の温度より高温だと判断した場合(54℃以上)、ステップ68にてフタロック手段9を動作してふたが開かないようにロックする。これは、水受け槽3内が高温の時に使用者がふた7を開けて、高温部に触れるなどの危険性があるためで、安全のため、強制的にロックしているのである。その後、ステップ69にて、スタート・一時停止スイッチ29fが押されたかを判断し、押されていない場合、ステップ67に戻る。
もし、ステップ69にて、スタート・一時停止スイッチ29fが押されていたと判断した場合、ステップ70に進み、強制クールダウン運転を開始する。
ステップ70にて、モータ5と送風ファン16を駆動する。これによって、高温になっていた水受け槽3の温度を下げることができる。これは、安全性のためとはいえ、庫内が高温だと言うことで洗濯機本体10が使用できなくなってしまう。これでは明らかに使い勝手が悪い。そこで、スタート・一時停止スイッチ29fを押すことで強制的に水受け槽3の温度を下げる機能を付けているのである。
次に、ステップ71にて、水受け槽3内が所定の温度より高温かを判断する。もし高温(例えば、54℃以上)ならば、ステップ70に戻り、モータ5と送風ファン16の駆動を継続する。
もし、ステップ71にて、高温でないと判断された場合は、ステップ72にて、モータ5と送風ファン16を停止し、ステップ73にて、フタロック手段9を停止してロック解除し、次行程に移る。
このステップ70とステップ71で、フィルタ20が外れていた場合が問題となる。本来運転中にフィルタ20が外れた場合、運転を中断する機能があった。しかしながら、強制クールダウン運転中に、フィルタ20が外れて運転を中断されると温度を下げることができなくなってしまう。さらに、庫内が高温ならばふた7を開けることもできず、自然に温度が下がるのを待つだけになってしまう。特に、ドラム式洗濯乾燥機の場合は密閉度が高いため、自然に温度が下がるまでにかなりの時間が必要となり、使用できない時間が長い。また、乾燥運転中にフィルタ20が外れた場合に同様の現象が発生する。この時も自然に温度が下がるまで待つことになってしまう。
そこで、ステップ70とステップ71の強制クールダウン運転中はフィルタ20が外れているかは判断していない。つまり、強制クールダウン運転中は、フィルタ20が外れても運転を継続することを意味する。
以上のように本実施の形態において、制御手段28は、庫内が所定の温度より高温の場合に、磁力判定手段26によってフィルタ20が無くなったと判断した場合でも、強制クールダウン運転は中断することなく継続するようにして、フィルタ20が外れていても、庫内の温度を短時間に下げることができる。
なお、高温の判定温度は、例として54℃で判断していたが、ステップ67とステップ71との判定温度を変えても同様の効果を得ることができる。さら、ステップ67よりもステップ71の判定温度を下げることによって、確実に庫内温度を下げる効果も期待できる。