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JP2005002814A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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JP2005002814A
JP2005002814A JP2003164755A JP2003164755A JP2005002814A JP 2005002814 A JP2005002814 A JP 2005002814A JP 2003164755 A JP2003164755 A JP 2003164755A JP 2003164755 A JP2003164755 A JP 2003164755A JP 2005002814 A JP2005002814 A JP 2005002814A
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Naoki Oie
直樹 尾家
Masato Amano
雅斗 天野
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Abstract

【課題】排気中の特定成分の濃度を検出する排気濃度センサを加熱するヒータに供給する電力量を適切に制御し、当該センサの活性状態を維持することができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】一部気筒運転中に休止させる気筒に対応して設けられた酸素濃度センサ22Rを加熱するヒータ24Rの駆動信号の基本デューティ比DTYSHTMが、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて算出される(S32)。全筒運転時は、基本デューティ比DTYSHTMにバッテリ電圧に応じた補正係数KVBSHTを乗算することにより、デューティ比DTYSHTが算出される(S35)。デューティ比DTYSHTは、一部気筒運転時は、全筒運転時より所定加算値DUTYSCDだけが大きくなるように設定される(S34)。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に複数気筒を有する内燃機関の一部気筒の作動を休止させる気筒休止機構を備えた内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、内燃機関の排気系に設けられた酸素濃度センサを加熱するヒータの制御装置が示されている。この装置によれば、機関の吸入空気流量が増加するほど、ヒータへ供給する電力量が減少するように制御される。
【0003】
また特許文献2には、気筒休止機構を備えた内燃機関が示されており、複数気筒の一部の気筒を休止させる一部気筒運転と、全気筒を作動させる全筒運転とが、機関運転状態に応じて切り換えられる。より具体的には、特許文献2に示される機関は、V型6気筒機関であり、それぞれ3つの気筒を備える右バンク及び左バンクからなる。そして低負荷運転時においては、右バンクの3つの気筒の吸排気弁の作動が停止される。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−250351号公報
【特許文献2】
特開2001−234792号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に示された酸素濃度センサのヒータ制御手法を、特許文献2に示された機関に装着される酸素濃度センサ用ヒータにそのまま適用すると以下のような課題があった。
【0006】
機関排気系には、空燃比をフィードバック制御するために酸素濃度センサが設けられ、V型6気筒機関では、酸素濃度センサが、右バンク及び左バンクのそれぞれに対応させて配置される場合がある。その場合、一部気筒運転を実行するときは、右バンクの吸排気弁の作動が停止するため、右バンク側の排気管には排気が流れず、直前に排出された排気が滞留する。そのため、酸素濃度センサは、排気により加熱されることがなくなり、センサ温度が低下する。その結果、酸素濃度センサが不活性状態に戻ってしまい、全筒運転へ移行したときに直ちに空燃比フィードバック制御を実行できず、排気特性を悪化させることがあった。
【0007】
本発明はこの点に着目してなされたものであり、一部気筒運転と全筒運転を切り換える内燃機関に装着されるセンサであって、排気中の特定成分の濃度を検出する排気濃度センサを加熱するヒータに供給する電力量を適切に制御し、当該センサの活性状態を維持することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、複数気筒を有し、前記複数気筒の全てを作動させる全筒運転と、前記複数気筒のうち一部気筒の作動を休止させる一部気筒運転とを切換える切換手段(30)を備えた内燃機関の制御装置において、前記機関の運転パラメータ(TH,TA,TW,NE,PBA)を検出する運転パラメータ検出手段と、前記運転パラメータ(TH,TA,TW,NE)に応じて前記全筒運転または一部気筒運転を前記切換手段に指令する指令手段と、前記一部気筒に対応する排気系(13R)に設けられ、排気中の特定成分の濃度を検出する排気濃度センサ(22R)と、該排気濃度センサ(22R)を加熱するヒータ(24R)と、前記機関の運転パラメータ(NE,PBA)に応じてヒータ(24R)の電力供給制御を行う電力供給制御手段とを備え、前記電力供給御手段は、前記一部気筒運転時は、前記全筒運転時より前記ヒータ(24R)に供給する電力量を増加させることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、一部気筒運転中に休止させる気筒に対応して設けられた排気濃度センサのヒータに供給される電力量は、全筒運転時より一部気筒運転時に方が大きくなる。したがって、排気により熱せられることがない一部気筒運転時においても、排気濃度センサの温度が低下せず、排気濃度センサの活性状態を維持することができる。
【0010】
前記ヒータに電力を供給するバッテリの出力電圧を検出するバッテリ電圧検出手段をさらに備え、前記電力供給制御手段は、前記バッテリの出力電圧に応じて前記ヒータに供給する電気信号のデューティ比を制御することが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。V型6気筒の内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、#1,#2及び#3気筒が設けられた右バンクと、#4,#5及び#6気筒が設けられた左バンクとを備え、右バンクには#1〜#3気筒を一時的に休止させるための気筒休止機構30が設けられている。図2は、気筒休止機構30を油圧駆動するための油圧回路とその制御系を示す図であり、この図も図1と合わせて参照する。
【0012】
エンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。スロットル弁3には、スロットル弁3の開度THを検出するスロットル弁開度センサ4が設けられており、その検出信号が電子制御ユニット(以下「ECU」という)5に供給される。
【0013】
燃料噴射弁6は図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。
【0014】
スロットル弁3の直ぐ下流には吸気管内絶対圧(PBA)センサ7が設けられており、この絶対圧センサ7により電気信号に変換された絶対圧信号はECU5に供給される。また、吸気管内絶対圧センサ7の下流には吸気温(TA)センサ8が取付けられており、吸気温TAを検出して対応する電気信号をECU5に供給する。
【0015】
エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(TW)センサ9はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出力してECU5に供給する。
ECU5には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ10が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ10は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(6気筒エンジンではクランク角120度毎に)TDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば30度周期)でCRKパルスを発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがECU5に供給される。これらの信号パルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御及びエンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。
【0016】
気筒休止機構30は、エンジン1の潤滑油を作動油として使用し、油圧駆動される。オイルポンプ31により加圧された作動油は、油路32及び吸気側油路33i,排気側油路33eを介して、気筒休止機構30に供給される。油路32と、油路33i及び33eとの間に、吸気側電磁弁35i及び排気側電磁弁35eが設けられており、これらの電磁弁35i,35eはECU5に接続されてその作動がECU5により制御される。
【0017】
油路33i,33eには、作動油圧が所定閾値より低下するとオンする油圧スイッチ34i,34eが設けられており、その検出信号は、ECU5に供給される。また、油路32の途中には、作動油温TOILを検出する作動油温センサ33が設けられており、その検出信号がECU5に供給される。
【0018】
気筒休止機構30の具体的な構成例は、例えば特開平10−103097号公報に示されており、本実施形態でも同様の機構を用いている。この機構によれば、電磁弁35i,35eが閉弁され、油路33i,33e内の作動油圧が低いときは、各気筒(#1〜#3)の吸気弁及び排気弁が通常の開閉作動を行う一方、電磁弁35i,35eが開弁され、油路33i,33e内の作動油圧が高くなると、各気筒(#1〜#3)の吸気弁及び排気弁が閉弁状態を維持する。すなわち、電磁弁35i,35eの閉弁中は、全ての気筒を作動させる全気筒運転が行われ、電磁弁35i,35eを開弁させると、#1〜#3気筒を休止させ、#4〜#6気筒のみ作動させる一部気筒運転が行われる。
【0019】
右バンクの#1〜#3気筒に接続された排気管13R、及び左バンクの#4〜#6気筒に接続された排気管13Lには、排気を浄化する三元触媒23R及び23Lが設けられている。三元触媒23R及び23Lの上流側には、比例型空燃比センサ(以下「LAFセンサ」という)21R及び21Lが装着されており、これらLAFセンサ21R及び21Lは排気中の酸素濃度(空燃比)にほぼ比例する検出信号を出力しECU5に供給する。三元触媒23R及び23Lの下流側には、排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ(以下「O2センサ」という)22R及び22Lが設けられている。O2センサ22R及び22Lは、その出力が理論空燃比の前後において急激に変化する特性を有し、その出力は理論空燃比よりリッチ側で高レベルとなり、リーン側で低レベルとなる。O2センサ22R及び22Lは、ECU5に接続されており、その検出信号はECU5に供給される。
【0020】
O2センサ22R及び22Lには、当該センサを加熱するヒータ24R及び24Lが設けられている。ヒータ24R及び24Lは、ECU5に接続されており、ヒータ24R及び24Lに供給する電力量は、ECU5により制御される。
エンジン1の各気筒毎に設けられた点火プラグ12は、ECU5に接続されており、点火プラグ12の駆動信号、すなわち点火信号がECU5から供給される。
【0021】
ECU5には大気圧PAを検出する大気圧センサ14、エンジン1により駆動される車両の走行速度(車速)VPを検出する車速センサ15、当該車両の変速機のギヤ位置GPを検出するギヤ位置センサ16、及びECU5や燃料噴射弁6などに電源を供給するバッテリ(図示せず)の出力電圧VBを検出するバッテリ電圧センサ17が接続されており、これらのセンサの検出信号がECU5に供給される。
【0022】
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理回路(以下「CPU」という)、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、前記燃料噴射弁6に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。ECU5は、各種センサの検出信号に基づいて、燃料噴射弁6の開弁時間、及び点火時期を制御するとともに、電磁弁35i,35eの開閉を行って、エンジン1の全筒運転と、一部気筒運転との切り換え制御を行う。
【0023】
また、ECU5は、上述したようにO2センサ22R及び22Lを加熱するヒータ24R及び24Lに供給する電力量の制御を行う。具体的には、ヒータ24R及び24Lに供給する電気信号のデューティ比を変更することにより、供給電力量の制御が行われる。ヒータ24R及び24Lに供給する電気信号は、低レベルが0Vで、高レベルがバッテリ電圧VBに等しいパルス信号である。
【0024】
ECU5のCPUは、上述した各種センサの検出信号に基づいて、種々のエンジン運転状態を判別するとともに、該判別されたエンジン運転状態に応じて、次式(1)に基づき、TDC信号パルスに同期して開弁作動する燃料噴射弁6による燃料噴射時間TOUTを演算する。
TOUT=TI×KCMD×KLAF×K1+K2 (1)
【0025】
ここに、TIは燃料噴射弁6の基本燃料噴射時間であり、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて設定されたTIマップを検索して決定される。TIマップは、マップ上のエンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに対応する運転状態において、エンジン1に供給される混合気の空燃比がほぼ理論空燃比になるように設定されている。
【0026】
KCMDは目標空燃比係数であり、エンジン回転数NE、吸気管内絶対圧PBA、エンジン水温TW等のエンジン運転パラメータ及びO2センサ22R及び22Lの検出信号に応じて設定される。目標空燃比係数KCMDは、空燃比A/Fの逆数、すなわち燃空比F/Aに比例し、理論空燃比のとき値1.0をとるので、目標当量比ともいう。
【0027】
KLAFは、LAFセンサ21Rおよび21Lの検出空燃比から算出される検出当量比KACTが目標当量比KCMDに一致するように算出される空燃比補正係数である。なお、LAFセンサ14の検出空燃比に応じたフィードバック制御を行わないときは、無補正値(1.0)または学習値に設定される。
【0028】
K1及びK2は夫々各種エンジンパラメータ信号に応じて演算される他の補正係数および補正変数であり、エンジン運転状態に応じた燃費特性、エンジン加速特性等の諸特性の最適化が図れるような所定値に決定される。
【0029】
図3は、一部の気筒を休止させる気筒休止(一部気筒運転)の実行条件を判定する処理のフローチャートである。この処理はECU5のCPUで所定時間(例えば10ミリ秒)毎に実行される。
ステップS11では、始動モードフラグFSTMODが「1」であるか否かを判別し、FSTMOD=1であってエンジン1の始動(クランキング)中であるときは、検出したエンジン水温TWを始動モード水温TWSTMODとして記憶する(ステップS13)。次いで、始動モード水温TWSTMODに応じて図4に示すTMTWCSDLYテーブルを検索し、遅延時間TMTWCSDLYを算出する。TMTWCSDLYテーブルは、始動モード水温TWSTMODが第1所定水温TW1(例えば40℃)以下の範囲では、遅延時間TMTWCSDLYが所定遅延時間TDLY1(例えば250秒)に設定され、始動モード水温TWSTMODが第1所定水温TW1(例えば40℃)より高く第2所定水温TW2(例えば60℃)以下の範囲では、始動モード水温TWSTMODが高くなるほど遅延時間TMTWCSDLYが減少するように設定され、始動モード水温TWSTMODが第2所定水温TW2より高い範囲では、遅延時間TMTWCSDLYは「0」に設定されている。
【0030】
続くステップS15では、ダウンカウントタイマTCSWAITを遅延時間TMTWCSDLYに設定してスタートさせ、気筒休止フラグFCYLSTPを「0」に設定する(ステップS25)。これは気筒休止の実行条件が不成立であることを示す。
【0031】
ステップS11でFSTMOD=0であって通常運転モードであるときは、エンジン水温TWが気筒休止判定温度TWCSTP(例えば75℃)より高いか否かを判別する(ステップS12)。TW≦TWCSTPであるときは、実行条件不成立と判定し、前記ステップS14に進む。エンジン水温TWが気筒休止判定温度TWCSTPより高いときは、ステップS12からステップS16に進み、ステップS15でスタートしたタイマTCSWAITの値が「0」であるか否かを判別する。TCSWAIT>0である間は、前記ステップS25に進み、TCSWAIT=0となると、ステップS17に進む。
【0032】
ステップS17では、車速VP及びギヤ位置GPに応じて図5に示すTHCSテーブルを検索し、ステップS18の判別に使用する上側閾値THCSH及び下側閾値THCSLを算出する。図5において、実線が上側閾値THCSHに対応し、破線が下側閾値THCSLに対応する。THCSテーブルは、ギヤ位置GP毎に設定されており、各ギヤ位置(2速〜5速)において、大まかには車速VPが増加するほど、上側閾値THCSH及び下側閾値THCSLが増加するように設定されている。ただし、ギヤ位置GPが2速のときは、車速VPが変化しても上側閾値THCSH及び下側閾値THCSLは一定に維持される領域が設けられている。またギヤ位置GPが1速のときは、常に全筒運転を行うので、上側閾値THCSH及び下側閾値THCSLは例えば「0」に設定される。また車速VPが同一であれば、低速側ギヤ位置GPに対応する閾値(THCSH,THCSL)の方が、高速側ギヤ位置GPに対応する閾値(THCSH,THCSL)より大きな値に設定されている。
【0033】
ステップS18では、スロットル弁開度THが閾値THCSより小さいか否かの判別をヒステリシスを伴って行う。具体的には、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるときは、スロットル弁開度THが増加して上側閾値THCSHに達すると、ステップS18の答が否定(NO)となり、気筒休止フラグFCYLSTPが「0」であるときは、スロットル弁開度THが減少して下側閾値THCSLを下回ると、ステップS18の答が肯定(YES)となる。
【0034】
ステップS18の答が肯定(YES)であるときは、大気圧PAが所定圧PACS(例えば86.6kPa(650mmHg))以上であるか否かを判別し(ステップS19)、その答が肯定(YES)であるとき、吸気温TAが所定下限温度TACSL(例えば−10℃)以上であるか否かを判別し(ステップS20)、その答が肯定(YES)であるときは、吸気温TAが所定上限温度TACSH(例えば45℃)より低いか否かを判別し(ステップS21)、その答が肯定(YES)であるときは、エンジン水温TWが所定上限水温TWCSH(例えば120℃)より低いか否かを判別し(ステップS22)、その答が肯定(YES)であるときは、エンジン回転数NEが所定回転数NECSより低いか否かを判別する(ステップS23)。
【0035】
ステップS23の判別は、ステップS18と同様にヒステリシスを伴って行われる。すなわち、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるときは、エンジン回転数NEが増加して上側回転数NECSH(例えば3500rpm)に達すると、ステップS23の答が否定(NO)となり、気筒休止フラグFCYLSTPが「0」であるときは、エンジン回転数NEが減少して下側回転数NECSL(例えば3300rpm)を下回ると、ステップS23の答が肯定(YES)となる。
【0036】
ステップS18〜S23の何れかの答が否定(NO)であるときは、気筒休止の実行条件が不成立と判定し、前記ステップS25に進む。一方ステップS18〜S23の答がすべて肯定(YES)であるときは、気筒休止の実行条件が成立していると判定し、気筒休止フラグFCYLSTPを「1」に設定する(ステップS24)。
【0037】
気筒休止フラグFCYLSTPが「1」に設定されているときは、#1〜#3気筒を休止させ、#4〜#6気筒を作動させる一部気筒運転が実行され、気筒休止フラグFCYLSTPが「0」に設定されているときは、全気筒#1〜#6を作動させる全筒運転が実行される。
【0038】
図6は、O2センサ22Rを加熱するヒータ24Rに供給する駆動信号のデューティ比DTYSHTを算出する処理のフローチャートである。この処理は、ECU5のCPUで所定時間(例えば10ミリ秒)毎に実行される。
【0039】
ステップS31では、バッテリ電圧VBに応じて、図8に示すKVBSHTテーブルを検索し、電圧補正係数KVBSHTを算出する。ステップS32では、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて、DTYSHTMマップ(図示せず)を検索し、右バンク用の基本デューティ比DTYSHTMを算出する。DTYSHTMマップは、エンジン回転数NEが増加するほど、また吸気管内絶対圧PBAが高くなるほど、基本デューティ比DTYSHTMが減少するように設定されている。
【0040】
ステップS33では、気筒休止フラグFCYLSTPが「1」であるか否かを判別する。FCYLSTP=0であって全筒運転中であるときは、下記式(2)に基本デューティ比DTYSHTM及び電圧補正係数KVBSHTを適用し、右バンク用デューティ比DTYSHTを算出する(ステップS35)。
DTYSHT=DTYSHTM×KVBSHT (2)
【0041】
一方、FCYLSTP=1であって一部気筒運転中であるときは、下記式(3)に基本デューティ比DTYSHTM及び電圧補正係数KVBSHTを適用し、右バンク用デューティ比DTYSHTを算出する(ステップS34)。
DTYSHT=DTYSHTM×KVBSHT+DUTYSCS (3)
ここで、DUTYSCSは、所定加算値であり、例えば5〜30%に設定される。
【0042】
図6の処理によれば、一部気筒運転時は、全筒運転時より、所定加算値DUTYSCS分だけ、デューティ比DTYSHTが増加するので、ヒータ24Rに供給される電力量は、全筒運転時より一部気筒運転時の方が大きくなる。したがって、排気により熱せられることがない一部気筒運転時においても、O2センサ22Rの温度が低下せず、O2センサ22Rの活性状態を維持することができる。その結果、全筒運転開始時から直ちにO2センサ22Rの出力に応じたフィードバック制御を実行することができる。また、基本デューティ比DTYSHTMをバッテリ電圧VBに応じた電圧補正係数KVBSHTで補正することにより、デューティ比DTYSHTが算出されるので、バッテリ電圧VBが変化しても過不足ない電力をヒータ24Rに供給することができる。
【0043】
図7は、O2センサ22Lを加熱するヒータ24Lに供給する駆動信号のデューティ比DTYSHTB2を算出する処理のフローチャートである。この処理は、ECU5のCPUで所定時間(例えば10ミリ秒)毎に実行される。
ステップS41では、バッテリ電圧VBに応じて、図8に示すKVBSHTテーブルを検索し、電圧補正係数KVBSHTを算出する。ステップS42では、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて、DTYSHTMB2マップ(図示せず)を検索し、左バンク用の基本デューティ比DTYSHTMB2を算出する。DTYSHTMB2マップは、上述したDTYSHTMマップと同様に、エンジン回転数NEが増加するほど、また吸気管内絶対圧PBAが高くなるほど、基本デューティ比DTYSHTMが減少するように設定されている。ただし、DTYSHTMB2マップの設定値は、同一のエンジン運転状態では、DTYSHTMマップの設定値より僅かに小さい値(例えばDTYSHTMが57%であるとき、対応するDTYSHTMB2は56%となるように)に設定されている。
【0044】
ステップS43では、下記式(4)に基本デューティ比DTYSHTMB2及び電圧補正係数KVBSHTを適用し、左バンク用デューティ比DTYSHTB2を算出する。
DTYSHTB2=DTYSHTMB2×KVBSHT (4)
【0045】
本実施形態では、気筒休止機構30が切換手段を構成し、スロットル弁開度センサ4、吸気温センサ8、エンジン水温センサ9、クランク角度位置センサ10、車速センサ15、ギヤ位置センサ16、及び吸気管内絶対圧センサ7が運転パラメータ検出手段を構成し、ECU5が、指令手段及び電力制御手段を構成する。より具体的には、図3の処理が指令手段に相当し、図6の処理が電力供給制御手段に相当する。
【0046】
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、O2センサ22R及び22Lのヒータ24R及び24Lに供給する電力を制御する例を示したが、本発明は、LAFセンサ21R及び21Lにヒータを設ける場合にも、同様に適用することができる。
【0047】
また本発明は、酸素濃度センサに限らず、例えば排気中の炭化水素(HC)濃度を検出する炭化水素濃度センサなど、活性状態を維持するために加熱を必要とする、排気中の特定成分の濃度を検出するセンサに適用することができる。
【0048】
また上述した実施形態では、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて基本デューティ比DTYSHTM及びDTYSHTMB2を算出したが、エンジン1の吸入空気量QAを検出する吸入空気量センサを設け、吸入空気量QAに応じて、基本デューティ比DTYSHTM及びDTYSHTMB2を設定するようにしてもよい。その場合、吸入空気量QAが増加するほど、基本デューティ比DTYSHTM及びDTYSHTMB2をより小さな値に設定する。
【0049】
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンになどにおいて気筒休止を行う場合にも適用が可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1に記載の発明によれば、一部気筒運転中に休止させる気筒に対応して設けられた排気濃度センサのヒータに供給される電力量は、全筒運転時より一部気筒運転時に方が大きくなる。そのため、排気により熱せられることがない一部気筒運転時においても、排気濃度センサの温度が低下せず、排気濃度センサの活性状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。
【図2】気筒休止機構の油圧制御系の構成を示す図である。
【図3】気筒休止条件を判定する処理のフローチャートである。
【図4】図3の処理で使用されるTMTWCSDLYテーブルを示す図である。
【図5】図3の処理で使用されるTHCSテーブルを示す図である。
【図6】右バンク側のO2センサ用ヒータに供給する電気信号のデューティ比を算出する処理のフローチャートである。
【図7】左バンク側のO2センサ用ヒータに供給する電気信号のデューティ比を算出する処理のフローチャートである。
【図8】図6及び図7の処理で使用されるテーブルを示す図である。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 吸気管
4 スロットル弁開度センサ(運転パラメータ検出手段)
5 電子制御ユニット(指令手段、電力供給制御手段)
7 吸気管内絶対圧センサ(運転パラメータ検出手段)
8 吸気温センサ(運転パラメータ検出手段)
9 エンジン水温センサ(運転パラメータ検出手段)
10 クランク角度位置センサ(運転パラメータ検出手段)
15 車速センサ(運転パラメータ検出手段)
16 ギヤ位置センサ(運転パラメータ検出手段)
17 バッテリ電圧センサ
22R 酸素濃度センサ(排気濃度センサ)
24R ヒータ
30 気筒休止機構(切換手段)

Claims (1)

  1. 複数気筒を有し、前記複数気筒の全てを作動させる全筒運転と、前記複数気筒のうち一部気筒の作動を休止させる一部気筒運転とを切換える切換手段を備えた内燃機関の制御装置において、
    前記機関の運転パラメータを検出する運転パラメータ検出手段と、
    前記運転パラメータに応じて前記全筒運転または一部気筒運転を前記切換手段に指令する指令手段と、
    前記一部気筒に対応する排気系に設けられ、排気中の特定成分の濃度を検出する排気濃度センサと、
    該排気濃度センサを加熱するヒータと、
    前記機関の運転パラメータに応じて前記ヒータの電力供給制御を行う電力供給制御手段とを備え、
    前記電力供給制御手段は、前記一部気筒運転時は、前記全筒運転時より前記ヒータに供給する電力量を増加させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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