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JP2005047249A - 液体噴射ヘッドの液体吸引装置、液体噴射ヘッドの液体吸引方法および液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッドの液体吸引装置、液体噴射ヘッドの液体吸引方法および液体噴射装置 Download PDF

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JP2005047249A
JP2005047249A JP2003416429A JP2003416429A JP2005047249A JP 2005047249 A JP2005047249 A JP 2005047249A JP 2003416429 A JP2003416429 A JP 2003416429A JP 2003416429 A JP2003416429 A JP 2003416429A JP 2005047249 A JP2005047249 A JP 2005047249A
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liquid
ink
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suction device
nozzle
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Yasunori Koike
保則 小池
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Seiko Epson Corp
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/165Prevention or detection of nozzle clogging, e.g. cleaning, capping or moistening for nozzles
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    • B41J2/16508Caps, spittoons or covers for cleaning or preventing drying out connected with the printer frame

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  • Coating Apparatus (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】液体の混色を防ぎ、液体のメニスカスを保護し、液体の残りをなくすことによりワイピング動作が不要になる液体噴射ヘッドの液体吸引装置、液体噴射ヘッドの液体吸引方法および液体噴射装置を提供すること。
【解決手段】液体の供給を受けて液体を噴射する液体噴射ヘッド30のノズル面の液体を吸引するための液体噴射ヘッド30の液体吸引装置20であり、ノズル面を封止可能な本体80と、本体80内に配置されてノズル面の液体を吸収する液体の吸収部材83と、液体の吸収部材83を本体80内において移動可能に支持しており、液体の吸収部材83を非圧縮状態でノズル面に対して密着させるための弾性変形可能な付勢部材85を備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッドのノズル面の液体を吸引するための液体噴射ヘッドの液体吸引装置、液体噴射ヘッドの液体吸引方法および液体噴射装置に関するものである。
パーソナルコンピュータ等の発達によりグラフィック処理が比較的簡単に実行できるようになったため、ディスプレイに表示されるたとえばカラー画像のハードコピーを高品質で出力できる記録装置が求められている。
ターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置として、記録ヘッドから記録媒体に対してインク滴を噴射させて印刷を行うインクジェット式記録装置が知られていた。そして、このようなインクジェット式記録装置は、記録ヘッドのノズルから記録媒体に対して微小なインク滴を吐出させて、所望の文字や図形等の画像を記録する。
このインクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。
インクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段を備え、記録ヘッドをキャリッジ上で記録用紙の幅方向に移動させながら記録用紙に対してインク滴を吐出させることで記録が行われる。
そして共通のキャリッジ上に、たとえばブラックインクを吐出するブラック用記録ヘッドと、イエロー、シアン、マゼンタの各インクの吐出が可能なカラー用記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
インクジェット式記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズルからインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入等によりノズル開口に目詰まりを発生し、印刷不良を起こすという問題を抱えている。
このために、インクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル開口を封止するためのキャッピング手段と、必要に応じてノズルプレートを清掃するクリーニング装置を備えている。
このキャッピング手段は、印刷の休止時にノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合には、キャップ部材によりノズルプレート面を封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口からインク滴を吸引してノズル開口の目詰まりを解消する機能をも備えている。
通常のインクジェット式記録装置においては、キャップによってノズルのインクを吸引した時に、直ぐにキャップを後退させると、残留インクが垂れて記録装置内を汚してしまう。これを防止するために大気開放弁とその駆動装置を必要としており、記録装置の構造が複雑になり、かつコストがかかるという問題点がある。
この問題を解消するのに、キャップとこのキャップの中に配置された発泡体を備えているキャッピング手段が提案されている(たとえば特許文献1。)。
特開平5−84918号公報(第1頁ないし第3頁、図1ないし図3)
ところが、このような従来のインク吸引用のキャッピング手段では、次のような問題がある。
記録ヘッドのノズルの開口部に対してキャッピング手段の発泡体が密着される際には、キャップ本体を変形させ、かつこの発泡体は押された力によりノズル開口に対して圧縮変形された状態になる。発泡体自体が圧縮変形された状態で、ノズル開口からのインクを吸収することでインクの垂れを防止している。
発泡体自体が圧縮変形するので、発泡体に既に吸収されているインクが、逆に発泡体から発泡体の外に滲み出てしまい、インクの垂れ現象もしくは滲み出たインクがノズル開口の付近に付着してしまう現象が発生する。
このように、インクの吸収材である発泡体がノズルプレート面に押されて圧縮により形状変形するので、ノズル開口側のインクを吸収するのと同時に、既に発泡体に吸収されてしまっているインクが逆に発泡体の外に滲み出てしまって、インクがノズル面に転写してしまう現象が生じるのである。また発泡体が変形したまま戻らなくなってしまう。
この結果、ノズル面において各色のインクが混じるのでインクの混色現象が発生する。しかも、各ノズル開口には、発泡体の表面が圧着されてしまうので、各ノズル開口に形成されているインクのメニスカスを壊し易い。そして、ノズル面においてインクの残りが多くなってしまう。
ノズル面にインクの残りが多くなってしまったりあるいは混色が生じると、インクの吸引作業の後に、ノズル面に対してワイピング動作を行う必要がある。このワイピング動作によりノズル面に付着している増粘したインクの除去を行う必要がある。ワイピング動作を行うと、ノズル面に形成されている撥液膜がとれてしまう可能性がある。
そこで本発明は上記課題を解消し、液体の混色を防ぎ、液体のメニスカスを保護し、液体の残りを無くすことによりワイピング動作が不要になる液体噴射ヘッドの液体吸引装置、液体噴射ヘッドの液体吸引方法および液体噴射装置を提供することを目的としている。
第1の発明は、液体の供給を受けて前記液体を噴射する液体噴射ヘッドのノズル面の前記液体を吸引するための液体噴射ヘッドの液体吸引装置において、前記ノズル面を封止可能な本体と、前記本体内に配置されて前記ノズル面の前記液体を吸収する液体の吸収部材と、前記液体の吸収部材を前記本体内において移動可能に支持しており、前記液体の吸収部材を非圧縮状態で前記ノズル面に対して密着させるための弾性変形可能な付勢部材と、を備えることを特徴とする液体噴射ヘッドの液体吸引装置である。
上記構成によれば、液体の吸収部材は、本体内に配置されており、この液体の吸収部材はノズル面の液体を吸収するものである。
付勢部材は、液体の吸収部材を本体内において移動可能に支持している。この付勢部材は、液体の吸収部材を非圧縮状態でノズル面に対して密着させるための弾性変形可能なものである。
これにより、液体吸引装置がノズル面の液体を吸引する際には、付勢部材が液体の吸収部材を非圧縮状態でノズル面に対して密着させる。この場合には、付勢部材は弾性変形することから、液体の吸収部材がノズル面に対して非圧縮状態で密着するように、液体の吸収部材は本体内において移動できる。
液体の吸収部材はノズル面の液体を吸収する際には、非圧縮状態でノズル面に対して密着される。このことから、液体の吸収部材が液体吸引装置の吸引動作と吸収部材自体の吸収動作によりノズル面の液体を安定的に吸収するのであるが、付勢部材は必要以上に液体の吸収部材をノズル面には押し付けない。液体の吸収部材は圧縮変形せず形状が変わってしまうこともない。液体が液体の吸収部材に既に吸収された状態であっても、液体の吸収部材からは既に吸収されている液体が外部に漏れ出すことがないので、液体がノズル面に転写されてしまうことは少ないかまたは全く無くなる。
したがって、各色の液体における混色現象が発生しない。しかも、ノズル開口に形成された液体のメニスカスを保護し、ノズル面には液体の残りが無くなる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記ノズル面には、複数のノズル開口列が配列されており、前記液体の吸収部材は、各前記ノズル開口列に対応する位置に、凹部を有することを特徴とする。
上記構成によれば、ノズル面には複数のノズル開口列が配列されている。液体の吸収部材は、各ノズル開口列に対応する位置に凹部を有している。
これにより、ノズル開口列は、液体の吸収部材によっては密着されないので、ノズル開口へ直接液体が付着する現象を少なくすることができる。しかも、ノズル開口に形成された液体のメニスカスをより確実に保護できる。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明の構成おいて、前記付勢部材は、コイルバネであることを特徴とする。
これにより、付勢部材がコイルバネであるので、付勢部材の構造を簡単にすることができる。付勢部材としてコイルバネを用いることにより、本体内に溜まる液体と液体の吸収部材内に吸収された液体を、本体の外部に排出する場合の排出動作に影響を与えない。
第4の発明は、第1の発明のまたは第2の発明の構成において、前記付勢部材は、平板状のバネであることを特徴とする。
これにより、付勢部材が平板状のバネであるので、付勢部材の構造を簡単にすることができる。付勢部材として平板状のバネを用いることにより、本体内に溜まる液体と液体の吸収部材内に吸収された液体を、本体の外部に排出する場合の排出動作に影響を与えない。
第5の発明は、第1の発明または第2の発明の構成において、前記液体の吸収部材は、非圧縮性の材料により作られていることを特徴とする。
上記構成によれば、液体の吸収部材は、非圧縮性の材料により作ることができる。
これにより、液体の吸収部材は非圧縮状態で液体噴射ノズル面に対して密着させることができる。
第6の発明は、第2の発明の構成において、前記液体の吸収部材は、各凹部の間に、前記液体の通過を遮断する液体遮断手段を有することを特徴とする。
上記構成によれば、前記液体吸収部材の、前記各ノズル開口列に対応する位置に設けられている前記各凹部の間には、前記液体の通過を遮断する液体遮断手段が設けられている。
このため、前記各ノズル開口列から出る前記液体が、前記液体吸収部材において混じることがない。したがって、たとえば前記各ノズル開口列からそれぞれ異なる色の前記液体が出ても、前記液体吸収部材において混色を生じない。
これにより、前記液体吸収部材が、前記ノズル面に対して密着されるときに、前記ノズル面において混色が生じることを未然に防止できる。
第7の発明は、第6の発明の構成において、前記液体遮断手段は、板状の部材であることを特徴とする。
このため、前記液体吸収部材は、前記板状の部材によって前記各凹部ごとに分割された領域を形成するから、簡単な形状の液体遮断手段を採用しているにもかかわらず、前記液体吸収部材における混色を未然に防止できる。
第8の発明は、第6または第7の発明の構成において、前記液体遮断手段は、撥液材料で構成されていることを特徴とする。
このため、前記液体遮断手段は、前記液体を弾くから、前記液体を効果的に遮断でき、混色を完全に未然に防止できる。
第9の発明は、液体の供給を受けて前記液体を噴射する液体噴射ヘッドのノズル面の前記液体を吸引するための液体噴射ヘッドの液体吸引方法において、弾性変形可能な付勢部材が、前記本体内に配置された吸収部材を非圧縮状態で前記ノズル面に対して密着させる吸収部材密着ステップと、前記ノズル面における前記液体を前記液体の吸収部材に吸収させる吸収ステップと、前記本体内の前記液体と前記吸収部材内に吸収された前記液体を前記本体の外部に排出する液体排出ステップと、を有することを特徴とする液体噴射ヘッドの液体吸引方法である。
上記構成によれば、吸収部材密着ステップでは、弾性変形可能な付勢部材が、本体内に配置された吸収部材を非圧縮状態でノズル面に対して密着させる。
吸収ステップでは、ノズル面における液体を液体の吸収部材に吸収させる。
液体排出ステップでは、本体内の液体と吸収部材内に吸収された液体を本体の外部に排出する。
これにより、液体吸引装置がノズル面の液体を吸引する際には、付勢部材が液体の吸収部材を非圧縮状態でノズル面に対して密着させる。この場合には、付勢部材は弾性変形することから、液体の吸収部材がノズル面に対して非圧縮状態で密着するように、液体の吸収部材は本体内において移動できる。
液体の吸収部材はノズル面の液体を吸収する際には、非圧縮状態でノズル面に対して密着される。このことから、液体の吸収部材が液体吸引装置の吸引動作と吸収部材自体の吸収動作によりノズル面の液体を安定的に吸収するのであるが、付勢部材は必要以上に液体の吸収部材をノズル面には押し付けない。液体の吸収部材は圧縮変形せず形状が変わってしまうこともない。液体が液体の吸収部材に既に吸収された状態であっても、液体の吸収部材からは既に吸収されている液体が外部に漏れ出すことがないので、液体がノズル面に転写されてしまうことは少ないかまたは全く無くなる。
したがって、各色の液体における混色現象が発生しない。しかも、ノズル開口に形成された液体のメニスカスを保護し、ノズル面には液体の残りが無くなる。
第10の発明は、第9の発明の構成において、前記ノズル面には、複数のノズル開口列が配列されており、前記液体の吸収部材の凹部が、各前記ノズル開口列に対応していることを特徴とする。
これにより、ノズル開口列は、液体の吸収部材によっては密着されないので、ノズル開口へ直接液体が付着する現象を少なくすることができる。しかもノズル開口に形成された液体のメニスカスをより確実に保護できる。
第11の発明は、第9の発明または第10の発明の構成において、前記液体の吸収部材は、非圧縮性の材料により作られていることを特徴とする。
上記構成によれば、液体の吸収部材は非圧縮状態でノズル面に対して密着させることができる。
第12の発明は、液体の供給を受けて前記液体を噴射する液体噴射ヘッドのノズル面の前記液体を吸引するための液体噴射ヘッドの液体吸引装置を有する液体噴射装置において、前記液体吸引装置は、前記ノズル面を封止可能な本体と、前記本体内に配置されて前記ノズル面の前記液体を吸収する液体の吸収部材と、前記液体の吸収部材を前記本体内において移動可能に支持しており、前記液体の吸収部材を非圧縮状態で前記ノズル面に対して密着させるための弾性変形可能な付勢部材と、を備えることを特徴とする液体噴射装置である。
上記構成によれば、液体の吸収部材は、本体内に配置されており、この液体の吸収部材はノズル面の液体を吸収するものである。
付勢部材は、液体の吸収部材を本体内において移動可能に支持している。この付勢部材は、液体の吸収部材を非圧縮状態でノズル面に対して密着させるための弾性変形可能なものである。
これにより、液体吸引装置がノズル面の液体を吸引する際には、付勢部材が液体の吸収部材を非圧縮状態でノズル面に対して密着させる。この場合には、付勢部材は弾性変形することから、液体の吸収部材がノズル面に対して非圧縮状態で密着するように、液体の吸収部材は本体内において移動できる。
液体の吸収部材はノズル面の液体を吸収する際には、非圧縮状態でノズル面に対して密着される。このことから、液体の吸収部材が液体吸引装置の吸引動作と吸収部材自体の吸収動作によりノズル面の液体を安定的に吸収するのであるが、付勢部材は必要以上に液体の吸収部材をノズル面には押し付けない。液体の吸収部材は圧縮変形せず形状が変わってしまうこともない。液体が液体の吸収部材に既に吸収された状態であっても、液体の吸収部材からは既に吸収されている液体が外部に漏れ出すことがないので、液体がノズル面に転写されてしまうことは少ないかまたは全く無くなる。
したがって、各色の液体における混色現象が発生しない。しかも、ノズル開口に形成された液体のメニスカスを保護し、ノズル面には液体の残りが無くなる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置10を示している。
図1に示すインクジェット式記録装置10は、インクジェットプリンタとも呼んでいる。インクジェット式記録装置10は、本体部1を有している。この本体部1は、ガイドレール17、プラテン12、キャリッジ14、インク吸引装置20、記録ヘッド30を備えている。記録ヘッド30は、印刷ヘッドとも言う。
キャリッジ14の上部には、複数のインクカートリッジ2,3,4,5が着脱可能に装着できる。キャリッジ14の下部には、記録ヘッド30が設けられている。キャリッジ14は、ベルト15を介してモータ16に接続されている。モータ16が作動することによって、キャリッジ14はガイドレール17に沿ってプラテン12の軸方向である主走査方向Tに往復走行する。
ホームポジション18は、ガイドレール17の一方の端部に位置している。このホームポジション18は、キャリッジの走行経路の末端にある非印刷領域である。このホームポジション18には、本体部1の上にインク吸引装置20が配置されている。このインク吸引装置20は、液体吸引装置の一例でありキャッピングシステムもしくはキャッピング手段とも呼んでいる。
インク吸引装置20は、記録ヘッド30のノズル開口のインクの乾燥を防止する機能と、吸引ポンプ19からの負圧をノズル開口に作用させてノズル開口からインクを強制的に吸引して排出させる機能を備える。この吸引ポンプ19は、インク吸引装置20を構成する一構成要素である。インク吸引装置20は、液体吸引装置の1種類である。インクは液体の1種類である。
図2は、図1に示すインクジェット式記録装置10の電気的な接続例を示している。インクジェット式記録装置10の制御装置7は、ローカルプリンタケーブルまたは通信ネットワークを介してホストコンピュータ40のプリンタドライバ41に接続されている。プリンタドライバ41は、インクジェット式記録装置10に対して印刷やクリーニング動作あるいはインク吸引動作を実行させるためのコマンドを送るソフトウェアを搭載している。
図2に示すインクジェット式記録装置10は、制御装置7の他に、センサー8、インク吸引装置20、インクカートリッジ2,3,4,5、記録ヘッド30、キャリッジ14、用紙搬送機構15Aを含んでいる。図1の実施形態では、複数のインクカートリッジ2ないし5が、キャリッジ14の上に直接搭載されているが、これに限らずインクカートリッジ2ないし5がキャリッジとは別の位置に搭載しても勿論構わない。
図2の用紙搬送機構15Aは、図1の用紙29をプラテン12上を搬送するようになっている。用紙29は記録媒体の一種である。
図3は、図1に示す記録ヘッド30の構造例を示す断面図である。
インクジェット式記録装置10は、特にカラープリンタとして用いられる場合には、この記録ヘッド30は、種類の異なる複数種類のインクを吐出するために、インクの種類ごとに独立したインク経路50を有している。
各インクカートリッジ2ないし5からのインクは、インク供給針50Aを介してインク経路50に流入する。インクの種類ごとに独立したインク経路50は、それぞれ複数の圧力室51に接続されている。各圧力室51には、各ノズル開口列54が接続されている。圧力室51から押し出されたインク滴が、ノズル開口列54のノズル開口55から吐出される。
図4はノズルプレート面61におけるノズル開口列54の配列例を示している。異なるインクの種類とは、見かけ上の色の違いにとどまらず、インクの構成成分の種類や比率が異なることを意味する。各ノズル開口列54は、たとえば数十から数千のノズル開口55から構成されている。
図5は、本発明のインクジェット式記録装置の記録ヘッド30の内部構造例を示している。上述したインクカートリッジから供給されるインクは、インク経路50を通って圧力室51へ供給される。印刷の際には、圧力発生素子としての圧電振動子39が伸縮動作することによって、圧力室51の容積を変化させて、圧力室51内のインクに圧力変動を生じさせる。これによって、ノズル開口55からインク滴が吐出できる。
記録ヘッド30内のインク中に気泡が混入したり、インク経路50や圧力室51内に増粘したインクが存在すると、インクの正常な流れが阻害されて、正常なインクの吐出が行えないことがある。この場合には、図2に示すインク吸引装置20が用いられ、このインク吸引装置20によるインクの強制排出が必要となる。
また、インクジェット式記録装置10を最初に使用する際の開始時や、インクカートリッジを別の種類のインクカートリッジに交換した場合では、図3の記録ヘッド30内のインク経路50の中にインクを充填する必要がある。このような初期のインクの充填に際しても、インク吸引装置20が使用され、このインク吸引装置20は、図3の記録ヘッド30のノズル開口55から空気およびインクが強制的に吸引されてノズル開口55から排出される。
図6は、インクジェット式記録装置のインク吸引装置20、およびこのインク吸引装置20のキャッピング駆動部60の例を示している。
インク吸引装置20およびキャッピング駆動部60は、ホームポジション18に配置されている。キャッピング駆動部60の上にはガイドレール17の一端部17Aが位置している。キャリッジ14は、主走査方向Tのヘッド移動方向T1に沿ってガイドレール17により案内されてくることにより、ホームポジション18に位置決めできる。
記録ヘッド30は、液体噴射ヘッドの一種であるが、この記録ヘッド30はキャリッジ14の下面側に設けられている。記録ヘッド30の下面はノズルプレート面61である。このノズルプレート面61は、図3と図4にその形状例を示している。ノズルプレート面61は、ノズルプレート62の下面である。ノズルプレート62は、上述したような複数のノズル開口列54、図3と図4の図示例では4列のノズル開口列54を有している。各ノズル開口列54は、T方向とは直交するU方向に沿って同じ間隔で形成されている。
図6(A)では、キャッピング駆動部60が、インク吸引装置20を待機状態に保持した様子を示している。図6(B)では、キャッピング駆動部60がインク吸引装置20を図6(A)の待機状態からZ方向に持ち上げてインクを吸収および吸引する様子を示している。このZ方向は、T方向およびU方向とはそれぞれ直行する方向である。
図6のキャッピング駆動部60は、支持部63とガイド部64を有している。支持部63はインク吸引装置20を保持している。支持部63の一端部には、カム65が設けられている。このカム65は、ガイド部64のカム溝66に沿って案内されるようになっている。このカム溝66は、カム65をT方向に案内するとともにZ方向に持ち上げる方向に案内する。これによって、インク吸引装置20は図6(A)の状態から図6(B)の状態で示すように、図6(B)のスプリング67の力に抗して持ち上げることができる。
図7と図8は、インク吸引装置20と、記録ヘッド30と、複数のインクカートリッジ2,3,4,5の構造例を示している。
図7では、インク吸引装置20が待機状態にあるが、図8では、インク吸引装置20は、インク吸収と同時にインク吸引をしている状態を示している。
図9は、図7に示すインク吸引装置20および記録ヘッド30の一部分を示していて、図7のE方向から見た断面構造例であり、インク吸引装置20は待機状態である。図10は、インク吸引装置20がインクの吸収と同時にインク吸引をしている状態を示している。
図7と図8を参照して、インク吸引装置20の構造例について詳しく説明する。
インク吸引装置20は、図6で示したようにホームポジション18に配置されている。このインク吸引装置20は図7と図8に示すようにキャップ本体(本体の一例)80、吸収部材83、付勢部材85、吸引ポンプ19を有している。
キャップ本体80は、底部87、4つの側部88,89を有する箱形状の部材である。このキャップ本体80の上部には上部開口部86が形成されていて、この上部開口部86はノズルプレート面61よりやや小さい面積を有するたとえば長方形状である。4つの側部88,89の上端部には、シール部90が、その全体にわたって形成されている。シール部90の断面形状はたとえば円形状や楕円形状あるいはその他の形状を採用することができる。
キャップ本体80は、たとえばプラスチックや金属により作られている。キャップ本体80の底部87は、接続部91を有している。この接続部91は、吸引ポンプ19のチューブ92に対して着脱可能に接続されている。吸引ポンプ19はキャップ本体80内の空間と吸収部材83内を強制的に吸引する吸引手段である。吸引ポンプ19がインクをキャップ本体80と吸収部材83から、外部に吸引すると、吸引されたインクは廃インクタンク100に収容される。
図7と図9に示すように、吸収部材83が、キャップ本体80の中に収容されている。この吸収部材83の図7に示す2つの側面94,94は、対応するシール部90,90に密接している。同様にして吸収部材83の図9に示す残り2つの側面95,95は、対応するシール部90,90にそれぞれ密接している。
吸収部材83は、たとえば直方体形状の部材である。吸収部材83は、たとえば多孔性の部材、一例として多孔性の樹脂等を使用して作ることができる。吸収部材83としては、ベルイータ(商品名)と呼ばれるポリビニールアルコール(PVA)を原料としたPVF(ポリビニールホルマール)スポンジを用いることができる。この吸収部材83は、好ましくは非圧縮性の材料を採用することができる。つまり吸収部材83は、圧力が加わっても外形形状が変形せずに潰されないような材質を採用するのが望ましい。
図7に示す付勢部材85は、たとえば吸収部材83の底面93とキャップ本体80の底部87の内面94の間に設けられている。付勢部材85は、弾性変形することで吸収部材83側へ付勢力を発生することができる、たとえばコイルバネを採用することができる。このような付勢部材85は、底面93と内面94の間に1つまたは複数設けることができる。複数の付勢部材85が設けられることにより、吸収部材83は、キャップ本体80の中において安定して付勢部材85の付勢力に抗してZ方向に上下動可能になっている。
図7に示すように吸収部材83が付勢部材85により支持されてキャップ本体80の中に収容された状態では、突出部分96がシール部90の上端部より突出している。この突出部分96はキャップ本体80よりも外側であって上方に露出している。突出部96の上端面98は平面である。この上端面98には、好ましくは複数の凹部99が設けられている。各凹部99は、記録ヘッド30のノズル開口列54に対応した位置に形成されている。
図11は、この吸収部材83の形状例を示している。図11(A)では、吸収部材83の上端面98において、たとえば4つの凹部99が形成されている例である。この場合の凹部99は、吸収部材83の側面95,95の間において貫通するようにして形成されている。これらの凹部99の断面形状はほぼ半円形状であるが、これに限らず他の形状、具体的には楕円形状や三角形状あるいは四角形状等を採用することも勿論可能である。
図11(B)は吸収部材83の別の例を示している。この吸収部材83の上端面98に形成されている4つの凹部99は、側面95,95に対しては突き切って形成されてはいない。
図9と図10のインク吸引装置20では、吸収部材83はたとえば図11(B)の形状例を図示しているが、図11(A)の吸収部材83を適用しても勿論構わない。
図12は、吸収部材83のさらに好ましい形状例を示している。
図12(A)に示す吸収部材83は、各凹部99a,99b,99c及び99dの間に、インクの透過を遮断する液体遮断手段である板状の部材101a,101b及び101cを有する。
すなわち、吸収部材83の斜視図Hに示すように、吸収部材83の手前方向の端面83
eから奥手方向の端面83fにわたって板状の部材101a乃至101cが構成されている。図12(A)に示す側面図Iは、吸収部材83の斜視図Hの矢印P方向から見た側面を拡大した図である。
吸収部材83は、各凹部99a乃至99dに対応する吸収部材83の部分であるブロック83a乃至83dと、板状の部材101a乃至101cを接着して構成されている。
なお、板状の部材101a乃至101cは、薄いフィルム状の部材であってもよい。
このため、図4の各ノズル開口列55,55,55,55から出るインクが、吸収部材83において混じることがない。したがって、たとえば各ノズル開口列55,55,55,55にそれぞれ異なる色のインクが出るとしても、吸収部材83において混色を生じない。
これにより、吸収部材83が、ノズルプレート面61に対して密着されるときに、ノズルプレート面61において混色が生じることを未然に防止できる。
また、板状の部材101a乃至101cによって、吸収部材83は、各凹部99a乃至99dごとに分割された領域を形成するから、簡単な形状の板状部材101a乃至101cを採用しているにもかかわらず、吸収部材83における混色を未然に防止できる。
すなわち、ノズル開口55のクリーニングのために、図2のインク吸引装置20によってインクの強制排出がなされて吸収部材83に吸収させるときや、ノズル開口55からインクを吸収部材83に噴射するいわゆるフラッシングを行うときに、吸収部材83内において、異なる種類のインクが混色する場合がある。具体的には、図4の各ノズル開口列55,55,55,55が、たとえば図11(A)の各凹部99,99,99,99のそれぞれに対して異なる種類のインクを吐出等すると、吸収部材83の中で異なる種類のインクが毛細管力によって拡散し、混色する場合がある。そして、吸収部材83の混色が、ノズルプレート面61に転写されると、ノズルプレート面61においても混色の問題が生じるのである。
これに対して、図12(A)に示すように、吸収部材83の各凹部99a,99b,99c及び99dの間に、板状の部材101a,101b及び101cを設けることで、図4の各ノズル開口列55,55,55,55に対応するインクが、吸収部材83において混じることを防止することができる。このため、各ノズル開口列55,55,55,55からそれぞれ異なる色のインクが出るとしても、吸収部材83内において混色を生じず、ノズルプレート面61における混色を未然に防止できるのである。
また、異なる種類のインクが吸収部材83において混じりあうと、吸収部材83が目詰まりを起こし、吸収部材83のインクの保持力が落ちるという問題がある。顔料固形分が多く樹脂を用いた顔料インクであるたとえば、黒色のインクは単色でも目詰まりを起こしやすい。そのような性質の顔料インクと、たとえば染料インクである他の種類のインクが混じった状態で、長期間放置され水分が蒸発すると、染料インクも顔料インクの影響を受けて、目詰まりを起こしやすくなる。
この点、吸収部材83の各凹部99a,99b,99c及び99dの間に、板状の部材101a,101b及び101cを設けることで、異なる種類のインクが混じりあうことを防止できるから、吸収部材83が目詰まりを起こすという問題も未然に防止できる。
さらに、板状の部材101a乃至101cを、インクを弾く性質を有する材料、つまり撥インク材料で構成することもできる。撥インク材料は、撥液材料の一種である。
このような構成によれば、板状の部材101a乃至101cは、インクを弾くから、インクを効果的に遮断でき、混色を完全に未然に防止できる。
インクを弾く性質を有する材料とは、撥インク性の材料でありたとえば、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)コーティングしたプレート、PTFE繊維で構成したプレート、あるいはシリコンオイル配合のシリコンゴムで構成したプレートなどである。
また、吸収部材83と同じ種類の材料に、フッ素系のコーティング剤、フッ素樹脂エマルジョン等をコーティングすることによって、板状の部材101a乃至101cを構成してもよい。
また、板状の部材は、図12(B)に示すように、吸収部材83を各凹部99a乃至99dごとに、完全に分割するのではなくて、吸収部材83を凹部99a乃至99d側の表面から底部83Tに向かう方向に、一定の範囲だけ分割するような部材103a乃至103cとして構成してもよい。ここでいう一定の範囲とは、吸収部材83の凹部99a乃至99d付近においてインクが交じり合うことがない程度の範囲である。
これにより、図12(A)に示す板状部材101a乃至101cよりも、少ない材料でインクの遮断手段を設けることができるから、特に撥液性の部材を使用する場合には、材料の費用を節約できる。
また、板状の部材は、図12(C)に示すように、吸収部材83を凹部99a乃至99d側の表面部分だけに、インク遮断手段105a乃至105cとして構成してもよい。
これにより、ノズル開口55,55,55,55から出た直後に、各ノズルから出たインクが、そのノズル開口55に対応しない凹部99に吸収して混色を防止することを防止できる。
これにより、図12(A)に示す板状部材101a乃至101cよりも、さらに少ない材料でインクの遮断手段を設けることができるから、特に撥液性の部材を使用する場合には、材料の費用を節約できる。
また、図12(D)に示すように、吸収部材83に、フッ素系のコーティング剤、フッ素樹脂エマルジョン等を含浸させることによって、インク遮断手段107a乃至107cを構成してもよい。これにより、板状の部材107a乃至107cを設けるために、吸収部材83とは異なる部材を準備する必要がなく、生産効率が上がる。
次に、図13と図14を参照しながら、上述したインクジェット式記録装置10におけるインク吸引装置20の動作例について説明する。
図13は、インク吸引装置20を用いて行うインク吸引方法の一例を示している。図13は、インク吸引装置の動作例を図示している。
図1に示すインクジェット式記録装置10の最初の使用の開始時や、インクカートリッジを別のインクカートリッジに交換した場合には、図14(A)に示す記録ヘッド30のインク経路50の中にインクを充填する必要がある。この充填に際しては、インク吸引装置20によって、記録ヘッド30のノズル開口55から空気およびインクが強制的に吸引されて排出されることになる。
記録ヘッド30のインク中に気泡が混入したりあるいはインク経路50に増粘したインクが存在すると、インクの正常な流れが阻害される場合がある。このような場合にも、インク吸引装置20によりインクの強制排出が必要となる。
図13のステップST1では、図1に示すように記録ヘッド30およびキャリッジ14は、印刷中にはインク吸引装置20からは離れた印刷領域に位置している。
しかし、上述したように記録ヘッド30のクリーニングを行う必要がある場合には、キャリッジ14および記録ヘッド30が、ヘッド移動方向T1へ移動して図14(A)に示すようにホームポジション18に位置決めされる。記録ヘッド30がホームポジション18に移動されると、記録ヘッド30はインク吸引装置20の上部に位置決めされることになる。
図14(A)に示すように吸収部材83の上端面98は、記録ヘッド30のノズルプレート面61に対面した位置にある。しかし、この上端面98はノズルプレート面61からは離れた位置にある。
図13のステップST1では、上述したように記録ヘッド30がホームポジション18に移動する。
次に、図13のステップST2では、図2の制御装置7がインク吸引装置20に対してクリーニングの実行指令を行う。
図13の吸収部材密着ステップST3に移る。
このステップST3では、図14(B)に示すように、インク吸引装置20が図6(A)の待機位置から図6(B)のインク吸収およびインク吸引状態に上昇する。
これによって、図14(B)のインク吸引装置20の吸収部材83の上端面98は、ノズルプレート面61に対して付勢部材85の弾性変形による付勢力により密着もしくは圧着される。
しかし、このような密着もしくは圧着状態の吸収部材83は、たとえば非圧縮性の材料により作られているので、吸収部材83の外形形状は圧縮されず形状変形を起こさない。
次に図13の吸収ステップST4では、吸引ポンプ19を作動すると、各インク経路50に詰まっているインクなどがノズル開口55から吸収部材83に吸収されるとともに、ノズルプレート面61に付着しているインクも吸収部材83に吸収される。したがって、インクは吸収部材83に吸収されるとともにキャップ本体80内に収容される。
この場合に、付勢部材85は、吸収部材83の上端面98をノズルプレート面61に対して必要以上にストレスをかけずに密着もしくは圧着し、吸収部材38を非圧縮状態でノズルプレート面に密着もしくは圧着するだけである。
このことから、ノズルプレート面61のインクは、吸収部材83に対して確実に吸収できる。しかも、吸収部材83が従来のように圧縮変形により形状が変形しないので、既に吸収部材83に吸収されてしまっているインクが存在していたとしても、この既に吸収されたインクが吸収部材83の変形により吸収部材83から外部に漏れ出してノズルプレート面61に転写してしまうような現象が生じない。
このことから、ノズルプレート面61にインクが残ってしまう現象が無くなる。そして各ノズル開口列の各色が混色してしまう現象も無くなる。また各ノズル開口に形成されたインクのメニスカスが壊れにくくなる。
しかも好ましくは上端面98には、ノズル開口列54に対応した凹部99が設けられている。このように凹部99の存在により、吸収部材83の上端面98からノズル開口列54の各ノズル開口55にインクが付着してしまうことを防ぐことができる。
さらに好ましくは、図12(A)に示すように、吸収部材83の各凹部99a,99b,99c及び99dの間に、インクの通過を遮断する液体遮断手段である板状の部材101a,101b及び101cを構成され、板状の部材101a乃至101cを、インクを弾く性質を有する材料、つまり、撥インク性の材料でありたとえば、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)コーティングしたプレート、PTFE繊維で構成したプレート、あるいはシリコンオイル配合のシリコンゴムで構成されている。
このため、図4の各ノズル開口列55,55,55,55から出るインクが、吸収部材83において混じることがないから、たとえば各ノズル開口列55,55,55,55にそれぞれ異なる色のインクが出るとしても、吸収部材83内において混色を生じない。
これにより、吸収部材83が、ノズルプレート面61に対して密着されるときに、ノズルプレート面61において混色が生じることを未然に防止できる。
また、板状の部材101a乃至101cによって、吸収部材83は、各凹部99a乃至99dごとに分割された領域を形成するから、吸収部材83における混色を未然に防止できる。
また、板状の部材101a乃至101cは、インクを弾くから、インクを効果的に遮断できるから、混色を完全に未然に防止でき、その結果、ノズルプレート面61において混色が生じることを完全に未然に防止できる。
以上のことから、上述したような記録ヘッドのクリーニング動作を行った後に、従来必要であったワイピング動作が不要となる。
もしも従来のようにワイピング動作が必要であった場合には、ワイピング部材によりノズルプレート面をワイピングすると、記録ヘッドのノズルプレート面の端部にはワイピング動作によりインクが付着して残ってしまう恐れがある。また、ワイピング動作が不要になるので、ノズルプレート面の撥液膜がとれてしまうことがなくなり、ノズルプレート面におけるインクの撥液状態を維持できる。
しかし本発明の実施形態ではそのようなワイピング動作は不要となるのでワイピングによるインクの付着も防ぐことができる。
図13の吸収ステップST4は、上述したように吸収部材83がノズルプレート面61に残ったインクを吸収することができる。
次に、図13のステップST5では、インク吸引装置20が図14(B)の上昇位置から図14(C)の待機位置に戻る。待機位置に戻ったインク吸引装置20の吸引ポンプ19が作動して、キャップ本体80内の底部87に残っている吸引したインクや、吸収部材83に吸収されたインクを、廃インクタンク100に排出する。
以上のようにすることで、キャップ本体80内および吸収部材83内にはインクが残らないようにして外部に排出することができる。
図15は、本発明の液体吸引装置であるインク吸引装置の別の実施形態を示している。図15は、本発明の別の実施形態であるインク吸引装置20と、記録ヘッド30および複数のインクカートリッジ2,3,4,5を示している。図15に示すインク吸引装置20の構造が、図7に示すインク吸引装置20の構造とやや異なるが、その他の構成要素については図7の対応する構成要素と同じであるので、その説明を用いる。
図15に示すインク吸引装置20が図7のインク吸引装置20と異なるのは、吸収部材83の形状である。吸収部材83の上端面98は、全面にわたって平坦面になっている。つまり上端面98には図7に示すような凹部99は形成されていない例である。このような構造を採用しても、図7のインク吸引装置20と同様な機能を発揮することができる。ただし凹部99が設けられていない点が異なる。
図16は、本発明のインク吸引装置20のさらに別の実施形態を示している。図16に示すインク吸引装置20が図7のインク吸引装置20と異なるのは、付勢部材85の形状である。図16に示す付勢部材85は、板バネを採用している。
図16に示すインク吸引装置20の他の構成要素およびさらに記録ヘッドおよびインクカートリッジは、図7の対応する構成要素と同じであるのでその説明を用いる。
図17は、本発明の液体吸引装置の一例であるインク吸引装置のさらに別の実施形態を示している。図17に示すインク吸引装置20が、図7に示すインク吸引装置20と異なるのは、付勢部材85の材質および形状である。
図7と図16に示す付勢部材はたとえば金属あるいはプラスチックにより作られたバネを採用している。これに対して図17に示す付勢部材85は、弾性変形可能な材料、たとえばゴムやエラストマーのような材質により立方体形状あるいは長方体形状あるいはその他の形状に作られている。
図17に示すような付勢部材85や、図7と図16に示すような付勢部材の構造を採用しても良いが、いずれにしても、付勢部材85は、キャップ本体80内に溜まるインクや吸収部材83に吸収されているインクを吸引ポンプ19により外部に排出する際の排出動作に支障が無いような形状にすることが望ましい。
また、吸収部材83の上端面98の形状は、全面的に平坦面であっても、あるいは凹部99を設けるような構造であっても良いが、これらの上端面98の形状は各実施形態について組み合わせて適用することができる。
上述したように吸収部材の上端面には凹部を形成しており、この凹部は各ノズル開口列に対応した位置にある。吸収部材に凹部が形成されているので、ノズル開口列の各ノズル開口部分を積極的に逃がす構造を採用できる。
このことから、記録ヘッドのインク経路の詰まり等を防止するための増粘対策上のフラッシング(Flushing)をする時に、各ノズル開口からインクが吐出する際にノズル開口の近くには凹部を形成する面が近付けて配置されている。このため、各ノズル開口から吐出するインクが所謂ミスト状になりにくい。このようにインクがミスト状になりにくいので、この余分なミスト状のインクがノズルプレート面に付着するのを防ぐことができる。
しかも、本発明の実施形態では吸収部材に対して記録ヘッドのノズルプレート面からインクを吸収すると同時に、ノズル開口からインクを吸引することができる。
特に凹部がノズル開口列を逃がす位置に形成されていることから、ノズル開口に形成されるインクのメニスカスを壊すことが無くなる。
印刷ノズルのノズルプレート面の高さ位置が変化した時であっても、付勢部材が吸収部材の位置を適切に調整しながら吸収部材の上端面をノズルプレート面に対して密着もしくは圧接させることができるので、ノズルプレート面の高さの変化に対応することができる。ノズルプレートの高さが変化する時とは、記録媒体の厚みが変わる時である。記録媒体の厚みが大きくなれば、ノズルプレート面の高さは、インク吸引装置から離れる上方向に高くなる。
本発明の実施形態では吸収部材は、インクを吸引および吸収する際に不要なインクを吸収部材に吸い取ることができる。吸収部材に吸い取ったインクは、キャップ本体内の底部の上に収容される。このような収容されたインクはキャップ本体から外部に漏れることは無い。これは、キャップ本体のシール部が吸収部材の側面に密着しているからである。したがって吸収部材が付勢部材によりキャップ本体内で移動したとしても、キャップ本体内のインクは外部に漏れない。
このように本発明の液体吸収装置であるインク吸引装置は、吸収部材をノズルプレート面に積極的に密着もしくは圧接させることで、ノズルプレート面のインクの残りを、吸引ポンプによる吸引効果と、吸収部材の吸収効果とにより確実に吸収して回収することができる。
図示した実施形態においては、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの各インクを使用する4つのインクカートリッジが、キャリッジに装着できるようになっている。このインクカートリッジはこれに限らず、ブラックインク用のインクカートリッジだけを備えているものや、ブラックインクを除いた3色のカラーインク用の3つのインクカートリッジを備えているものであっても良い。また、インクを使用した5つ以上のインクカートリッジがキャリッジに装着できるようなものであっても良い。
本発明のキャップ本体と吸収装置の形状は、図示例に限らず他の形状を採用することも勿論可能である。また吸収部材の凹部の断面形状は、断面円形に限らず、断面楕円形状あるいは断面長方形状等を採用することも勿論可能である。
本発明は、インクジェット式記録装置としての上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
たとえば、本発明の液体噴射装置としては、他の液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。本発明の液体噴射装置は、たとえば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイおよび面発光ディスプレイの製造等に用いられる電極材や色材等の液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
本発明の液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置を示す斜視図。 図1のインクジェット式記録装置の電気的接続例を示す図。 インクジェット式記録装置の記録ヘッドの構造例を示す断面図。 記録ヘッドのノズルプレート面の形状例を示す図。 記録ヘッドの圧電振動子の付近を示す図。 記録ヘッドとインク吸引装置の待機状態とインク吸収およびインク吸引状態を示す図。 インク吸引装置が待機している状態を示している断面図。 インク吸引装置がインク吸収およびインク吸引をしている状態を示す断面図。 インク吸引装置が待機している状態を示す図。 インク吸引装置がインク吸収およびインク吸引をしている状態を示す図。 インク吸収部材の形状例を示す斜視図。 インク吸収部材の形状例を示す概略図。 インク吸引装置によるインク吸引動作の一例を示すフロー図。 インク吸引動作を示す状態変化図。 本発明の液体吸引装置であるインク吸引装置の別の実施形態を示す断面図。 本発明の液体吸引装置であるインク吸引装置の他の実施形態を示す断面図。 本発明の液体吸引装置であるインク吸引装置の別の実施形態を示す断面図。
符号の説明
1・・・本体部、2,3,4,5・・・インクカートリッジ、10・・・インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、19・・・吸引ポンプ、20・・・インク吸引装置、30・・・記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一例)、54・・・ノズル開口列、55・・・ノズル開口、61・・・ノズルプレート面、62・・・ノズルプレート、80・・・キャップ本体(本体の一例)、83・・・吸収部材、85・・・付勢部材、98・・・吸収部材の上端面、99・・・吸収部材の凹部

Claims (12)

  1. 液体の供給を受けて前記液体を噴射する液体噴射ヘッドのノズル面の前記液体を吸引するための液体噴射ヘッドの液体吸引装置において、
    前記ノズル面を封止可能な本体と、
    前記本体内に配置されて前記ノズル面の前記液体を吸収する液体の吸収部材と、
    前記液体の吸収部材を前記本体内において移動可能に支持しており、前記液体の吸収部材を非圧縮状態で前記ノズル面に対して密着させるための弾性変形可能な付勢部材と、を備えることを特徴とする液体噴射ヘッドの液体吸引装置。
  2. 前記ノズル面には、複数のノズル開口列が配列されており、前記液体の吸収部材は、各前記ノズル開口列に対応する位置に、凹部を有することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドの液体吸引装置。
  3. 前記付勢部材は、コイルバネであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッドの液体吸引装置。
  4. 前記付勢部材は、平板状のバネであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッドの液体吸引装置。
  5. 前記液体の吸収部材は、非圧縮性の材料により作られていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッドの液体吸引装置。
  6. 前記液体の吸収部材は、各凹部の間に、前記液体の通過を遮断する液体遮断手段を有することを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッドの液体吸引装置。
  7. 前記液体遮断手段は、板状の部材であることを特徴とする請求項6に記載の液体噴射ヘッドの液体吸引装置。
  8. 前記液体遮断手段は、撥液材料で構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の液体噴射ヘッドの液体吸引装置。
  9. 液体の供給を受けて前記液体を噴射する液体噴射ヘッドのノズル面の前記液体を吸引するための液体噴射ヘッドの液体吸引方法において、
    弾性変形可能な付勢部材が、前記本体内に配置された吸収部材を非圧縮状態で前記ノズル面に対して密着させる吸収部材密着ステップと、
    前記ノズル面における前記液体を前記液体の吸収部材に吸収させる吸収ステップと、前記本体内の前記液体と前記吸収部材内に吸収された前記液体を前記本体の外部に排出する液体排出ステップと、を有することを特徴とする液体噴射ヘッドの液体吸引方法。
  10. 前記ノズル面には、複数のノズル開口列が配列されており、前記液体の吸収部材の凹部が、各前記ノズル開口列に対応していることを特徴とする請求項9に記載の液体噴射ヘッドの液体吸引方法。
  11. 前記液体の吸収部材は、非圧縮性の材料により作られていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の液体噴射ヘッドの液体吸引方法。
  12. 液体の供給を受けて前記液体を噴射する液体噴射ヘッドのノズル面の前記液体を吸引するための液体噴射ヘッドの液体吸引装置を有する液体噴射装置において、
    前記液体吸引装置は、
    前記ノズル面を封止可能な本体と、
    前記本体内に配置されて前記ノズル面の前記液体を吸収する液体の吸収部材と、
    前記液体の吸収部材を前記本体内において移動可能に支持しており、前記液体の吸収部材を非圧縮状態で前記ノズル面に対して密着させるための弾性変形可能な付勢部材と、を備えることを特徴とする液体噴射装置。
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