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JP2004530319A - 可変の基準パターンを抽出する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は送信チャネルの伝達関数を評価することができる一連のパイロット記号を抽出する方法に関する。ここで、少なくとも1つの無線通信装置が前記チャネルを介して遠隔ステーションと通信し、この遠隔ステーションは前記無線通信装置に基準パターンを定期的に配送する。本発明は、前記基準パターンの構造が前記送信チャネルの少なくとも1つの特性に基づいて可変であることを特徴とする。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタルデータを送信する分野に関する。より正確には、本発明は送信チャネルの伝達関数を評価すること、及びこのチャネルを使用する無線通信装置の同期を維持しながら遠隔ステーションとディジタルデータを交換することに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディジタル通信システムでは、基準記号又はパイロット記号と呼ばれる、受信機には周知の一連の基準記号は、送信機によって送られたデータストリームの中で使用されることが多い。これらの基準記号により、受信機は送信チャネルを適当に評価することができ、これにより、受信された信号が適切に復調されることが保証される。
【0003】
時間が可変の送信チャネルを含む通信システムについては、基準記号を交換されたデータストリーム内の異なる位置に配置すると認識されてきた。
【0004】
これらの各種の通信システムでは、無線通信装置の基準記号の構造及び特性は、伝搬が最悪の場合の関数として決定される。この種の制約は、伝搬状態にかかわらず、正確なチャネル評価を行うために不可欠である。
【0005】
初期の同期化段階が完了すると、専用のリソースが無線通信端末に割り当てられ、次に、必要な場合、それは同期保持段階を実行して、送信チャネルの評価を行う。
【0006】
この従来技術によれば、基準構造は、全ての場合において、またさらに最悪の通信状態においても、言い換えると対象となる通信端末の最大のマルチパスレベル(multipath level)及び最大速度に対しても、正確なチャネル評価をできるように選択される。
【0007】
換言すると、基準構造は、最悪のドップラ状態及び最悪の遅延スプレッド(delay spread)に適合した大きさを持つ。
【0008】
最悪な状態に対して基準構造の大きさを決める欠点は、送信チャネルの特性が良好な場合に、それが有用な送信能力及び/又はエラーに対する保護の統計的な損失をもたらすことである。
【0009】
発明者らは、この問題を発見し分析してきた。発明者らは、従来技術に基づくこの技術の欠点は、基準構造が所定の物理的な送信チャネルに対して一度だけ凍結されることであると推論した。
【0010】
その結果、従来技術によるこの技術の別の欠点は、基準記号の選択された順序は、対象となる通信端末の環境に部分的に依存する通信チャネルの特性、及びこの端末の置換速度にも依存しないことである。
【0011】
基準構造は最悪の信号伝搬状態に適合されているため、良好なチャネル評価を得るために、基準構造を固定し固有にすべきであると最近では常に考えられているので、この問題を簡単に述べることは当業者には新規で創意に富んでいることに注意されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このため、本発明の目的は、従来技術によるこれらの欠点を克服することである。
【0013】
より正確には、本発明の目的は、無線通信装置と遠隔ステーションとの間の、特に、これに限定されることはないが、マルチキャリアシステム(multi-carrier system)における有用なディジタルデータの送信フローを最適化することである。
【0014】
本発明の別の目的は、スペクトル効率が高い通信システム、特に、無線通信システムを実現することである。
【0015】
本発明の別の目的は、ディジタルデータの品質と通信速度との間の望ましい妥協を作り出す通信システムを提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、チャネルの特性が良好な場合、有効な送信能力の損失を押さえる無線通信システムを実現することである。
【0017】
本発明の別の目的は、対象の送信チャネルが乱されている場合でさえ、チャネルの伝達関数を良好に評価できるようにすることである。
【0018】
本発明の二次的な目的は、送信された信号の包絡線の揺らぎを軽減する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
これらの目的及び後で現れる他の目的は、送信チャネルの伝達関数を評価するために必要な一連のパイロット記号を抽出する方法を用いて達成される。ここで、少なくとも1つの無線通信装置がこのチャネルを通して遠隔ステーションと通信し、このステーションは基準パターンを無線通信装置に対して定期的に出力する。
【0020】
本発明によれば、そのような基準パターンの構造は、送信チャネルの少なくとも1つの特性の関数として可変である。
【0021】
このようにして、本発明は完全に新規で創意に富む方式に基づいて、送信チャネルの伝達関数を評価する。本発明は、送信チャネルの1つ又はいくつかの特性の関数として、特に、適応性のある基準構造を使用することに基づいている。このため、本発明は、チャネル評価に使用する基準記号は最悪の伝搬状態で固定されるべきであると考える当業者の先入観とは正反対である。
【0022】
都合が良いことに、送信チャネルの特性には、チャネルの最大のドップラ周波数及び/又は最大の遅延スプレッドが含まれる。
【0023】
これらの特性は、特に、通信装置の置換速度及びそれが動作している環境に関係している。
【0024】
本発明の1つの好ましい特性によれば、送信チャネルの伝達関数を評価することができる一連のパイロット記号を抽出するこの種の方法は、通信に少なくとも1つのチャネルを割り当てるステップを含む。この割り当てられたチャネルは機能的には同一であるが、同期に関しては送信チャネルの特性の関数として別個の波形に基づいている。
【0025】
チャネル品質の評価とデータ送信能力との間の最良の妥協を行うことができる最も適当な基準構造は、送信チャネルの特性の関数として、このように選択される。
【0026】
前記無線通信装置と前記遠隔ステーションとの間の通信にトラフィックチャネルを割り当てる前記のステップは、前記送信チャネルの特性を示すデータを交換するステップを含むことが好ましい。
【0027】
これらのデータが交換されたとき、関係する無線通信ネットワーク内の遠隔ステーション又は任意の他の意思決定エンティティーは、無線通信装置と遠隔ステーションとの間に設定されている通信に最も良く適合した基準構造を選択することができる。
【0028】
都合がよいことに、前記交換ステップは前記通信に対して信号データ及び/又は制御データの送信も可能にする。
【0029】
本発明の1つの好ましい技術によれば、送信チャネルの伝達関数を評価することができる一連のパイロット記号を抽出するこの種の方法がマルチキャリアシステム(multi-carrier system)の中で使用される場合、マルチキャリア記号を形成する記号の持続時間は送信チャネルの前記特性の関数として可変である。
【0030】
マルチキャリア形変調システムは、フェーディングが強く複数の経路があることによって影響された送信チャネルでは特に魅力的であることを思い出してほしい。この種のマルチキャリア形変調システムでは、周波数に対して選択性が高い広帯域のチャネルは、多数の周波数が非選択的な多重の狭帯域のチャネルに変換される。送信チャネルの評価は、パイロットとも呼ばれる基準キャリアのネットワークによって行われる。マルチキャリアの変調は、すべての基準キャリア及び有用なキャリアから構成されたそのサブキャリアのネットワークの密度によって特徴付けられることに注意されたい。この密度は(τ0ν0-1により定義され、ここで、τ0は記号時間に対応し、ν0はサブキャリア間の空間に対応する。このため、本発明によれば、記号時間を、送信チャネルの1つ又は複数の特性の関数として最適化することができる。
【0031】
都合がよいことに、この記号の持続時間は、それが標準単位ではほぼ等しい最大のドップラ周波数及び最大の遅延スプレッドを作るように選択される。
【0032】
この種の記号の持続時間は、最適な記号の持続時間に対応する。
【0033】
1つの特定の実施形態によれば、一連のパイロット記号を抽出するこの種の方法は、2つのチャネル、すなわち、1つの永久信号チャネル(permanent signalling channel)及び1つのバーストモードで動作するチャネルを有するシステムに適用される転送チャネルの伝達関数を評価するために使用される。送信チャネルの前記特性は前記永久チャネル上で測定され、バーストモードの前記チャネルは最適な基準パターンを用いて直接開始する。
【0034】
1つの特定の別の実施形態によれば、前記永久チャネルはCDMA(符号分割多重アクセス)変調を使用し、バーストモードの前記チャネルはマルチキャリア変調(OFDM/IOTA)を使用する。
【0035】
このため、3GPP(第三世代の共同プロジェクト(Third Generation Partnership Project))によって定義されたUMTS(汎用移動遠距離通信システム(Universal Mobile Telecommunication System))規格に基づいた本発明の1つの特定の実施形態では、WCDMA(広帯域コード分割多重アクセス)形のチャネルから得られた移動端末の同期は、IOTA形のチャネルに使用される。そして、送信チャネルを特徴付ける情報(最大のドップラスプレッド及び最大の時間スプレッド)は周知であると仮定されるため、最適な基準ネットワークを最初から直接使用することができる。例えばフランス特許第2,733,869号で説明されたIOTAのプロトタイプの機能は、急速な時間及び周波数の減衰を含み、フーリエ変換に等しいことを思い出してほしい。
【0036】
移動端末の同期は、2つのチャネルのフレーム構造が同期していると想定されるため、WCDMAチャネルから検索することができる。そのような方法の利点は、WCDMAチャネルが、例えばフランス特許第2,777,407号の中に記載されているような、同期を急速にかつ簡単に回復させることができる技術を実現していることである。
【0037】
都合が良いことに、前記基準パターンの構造は、送信チャネルの前記特性が変化する場合、通信の間に修正することができる。
【0038】
このため、この基準パターンの構造は、ブロックの持続時間の間は変化しないが、あるブロックから別のブロックに変化することができる。
【0039】
本発明の別の好ましい特性によれば、前記基準パターンの構造は、セルラーネットワークの中で使用される「内部引継(intra handover)」形の手順を用いて修正される。
【0040】
携帯電話を使用するセルラー無線通信システムの中で「引継」という用語は、通信を妨害せずに通信によって使用される送信手段を切り換えることを指すことを思い出してほしい。このため、そのような手順を使用することによって、無線通信装置と遠隔ステーションとの間の通信の間に、チャネルの種類をリアルタイムで変更することができる。
【0041】
送信された信号の包絡線の揺らぎを抑えるように、前記基準パターンを作ることが好ましい。
【0042】
マルチキャリア変調システムの場合は、基準キャリアと有効なキャリアとの間のエネルギーの非対称性は、送信された信号の平均電力プロフィールに対する大きな変動の原因になることがある。そのようなエネルギーの非対称性は、基準キャリア上で送信された記号は有効な記号よりもはるかに高いエネルギーを有して、送信チャネルのより優れた評価を行うことができるという事実の結果であることを思い出してほしい。このため、パイロットネットワークの形状を、信号が送信される場合に使用される電力増幅器の非直線性による劣化を抑えるように、信号の包絡線の変動を減少させる制約関数として変化させることは特に好ましい。
【0043】
前記基準パターンは、前記装置に対して知られており、時間−周波数空間内に均一に分散された値及び位置を有するパイロットから形成されることが好ましい。
【0044】
本発明による1つの好ましい技術によれば、これらのパイロットは時間−周波数空間内の平行四辺形を定義する。
【0045】
マルチキャリア変調システムでは、時間−周波数空間内で平行四辺形を定義するパイロットネットワークを使用することは、送信された電力の空間及び/又は周波数の変動を制限する手段である。
【0046】
前記装置と前記遠隔ステーションとの間に少なくともいくつかのデータを送信するために、ブロックによる送信を使用することが好ましい。
【0047】
本発明の1つの好ましい変形例によれば、そのような方法は、前記装置と前記遠隔ステーションとの同期を維持するステップを含み、前記パイロットに関連したエネルギーと送信された信号の前記有益なキャリア周波数に関連したエネルギーとの比較を実行する。
【0048】
この種の技術は、基準記号のネットワークが長方形の場合に実行される。
【0049】
本発明の1つの特定の実施形態によれば、送信チャネルに対する伝達関数を評価する手段を提供する一連のパイロット記号を抽出するこの種の方法は、送信チャネルの前記特性の関数として、前記チャネルが前記ブロックの持続時間の間に静的な基準を考慮するように、前記ブロックの持続時間に適合するステップを含む。
【0050】
チャネル特性の関数として、ブロックの持続時間へのこの種の適合は、例えばWCDMA形のチャネルを通して得られた初期の同期が、ブロックの持続時間全体を通していまだに有効であることを特に意味している。
【0051】
ブロックによる送信の間に、ブロックの持続時間が長すぎるため、チャネルをブロック全体に対して準定常であるとは考えられず、このため、受信機を十分に同期させ、またブロック全体にわたって良好なチャネル評価を行うことができないことが起こりうる。このため、チャネルがブロックの持続時間に対して静的な基準を満足させるように、送信されたブロックの長さを適合させることができる。このことは、できることなら周波数のリソースに応じて、ブロックをサブブロックに分割することによって又はブロックの長さを変更することによって実現することができる。ブロックの長さに対するこの種の変更は、より短いブロックを得るがこのブロックによって送信された情報の品質を低下させることがないように、特に、周波数内でブロックの長さを増加させ、またブロックの持続時間を減少させるステップを含む。
【0052】
1つの好ましい実施形態によれば、前記基準パターンの構造は、前記ブロックの持続時間の関数として可変である。
【0053】
各送信されたブロックに対して適合された基準パターンの構造を決定することが可能である。この種の基準構造はブロックの持続時間の間は変化しないが、あるブロックから別のブロックに変化することができることを思い出してほしい。
【0054】
少なくとも1つのエッジ及び/又は少なくとも1つのコーナが前記パイロットの1つによって識別される時間−周波数空間の中で、前記ブロックが平行四辺形を形成することが好ましい。
【0055】
好都合なことに、前記平行四辺形のエッジはパイロットによって完全に定義される。
【0056】
本発明の1つの好ましい特性によれば、送信チャネルの伝達関数を評価するために一連のパイロット信号を抽出するそのような方法は、前記送信チャネルの特性の関数として、前記パイロットの時間及び/又は周波数の密度を適合するステップも含む。
【0057】
本発明は、送信チャネルの少なくとも1つの特性の関数として可変構造を有する基準パターンを含む、遠隔ステーションと無線通信装置との間で交換された無線通信信号にも関係する。
【0058】
本発明は、受信機、基地局、送信システム、及び前述したような無線通信信号の同期、送信及び受信に対する処理にも関係する。
【0059】
本発明の一般原則は、送信チャネルの特性の関数として、無線通信装置と遠隔ステーションとの間で交換された信号の基準構造を適合させることに基づいている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
本発明の別の特徴及び利点は、例証的であるが限定するものではない実施例及び添付の図面として与えられた以下の好ましい実施形態の説明を読めば一層明らかになるであろう。
【0061】
図1及び図2を参照して、固定式送信機と移動式無線通信端末との間のマルチパスデータの送信の実施例及びそのような送信に適合した基準構造を割り当てる仕組みが示される。
【0062】
送信機1は、ディジタルデータを移動式無線通信端末2に送信する。例えば、そのような端末2は、ユーザに属する移動する車両内に設置されている。ステーション1によって送信された信号は、端末2に到達する前に様々な経路をたどる。特に、その信号は、反射器3,4及び5で数回反射される。その信号は、さらに、障害物7により回折され、また端末2に近い領域6内で局所的に分散される。このため、移動式端末2は、固定式ステーション1によって送信されるが、移動式端末2に到達するためにたどった経路の関数として何回も相殺されたいくつかの同じ信号を受信する。
【0063】
送信機1と端末2との間に設定された送信チャネルは、最大の「遅延スプレッド」によって、換言すると、送信機1と端末2との間に図1で示した最も長い経路に関連した伝搬時間の最大のスプレッドによって特に特徴付けられる。
【0064】
送信チャネルは、端末2の速度に関連した最大のドップラ周波数によっても特徴付けられる。
【0065】
図2に示すように、送信チャネルのこれらの特性(最大のドップラスプレッド及び最大の遅延スプレッド)は、無線通信装置2と遠隔ステーション1との間の参照ステップ20の間に、メッセージの形式が交換される。
【0066】
交換された情報に基づいて、検討する無線通信ネットワーク内のステーション1は、装置2とステーション1との間の通信に、送信チャネルの特性に適合した基準パターンを有する周波数のチャネルを割り当てることを決定する。割り当てることができる各種の周波数のチャネルは機能的には同一であるが、基準記号の分布に関しては波形が異なっている。このため、送信チャネルの特性が向上するにつれて(言い換えると、送信環境がより良くなるにつれて)、通信システムは送信チャネルの伝達関数を評価するため及び同期を維持するためにチャネル容量をそれほど消費しなくなり、また送信容量及び/又はエラー保護能力をそれ相応に向上させることができる。
【0067】
端末2がその環境の中で移動することにより、又は例えば、その移動速度が変化することによって、送信チャネルの特性は時間と共に変化することがある。(22)。
【0068】
次に、参照ステップ23の間に、ステーション1は装置2と協同して関係する基準構造を変化させることができる。この種の基準構造はブロックの持続時間の間は変化しないが、1つのブロックから他のブロックに変化することができる。例えば、「内部引継」形の手順を用いて、この種の変更をリアルタイムで行うことができる。携帯電話を用いる無線通信セルラーシステムでは、「引継」という用語は、通信を妨害せずに通信に使用される送信手段を切り換えることを意味することを思い出してほしい。
【0069】
ブロックによる送信の場合、送信チャネルをサブブロックの持続時間の間は準定常であると考えることができるように、ブロックをいくつかのサブブロックに細分化することを考えることも可能である。このため、ブロックの持続時間が、例えばWCMDAチャネルから得られた初期の同期に対して長すぎて、ブロックの持続時間の全体にわたって有効であると考えられない場合は、ブロックを基準パターンとは一般に異なるサブブロックに細分化することができる。次に、連続的に送信された各サブブロックに関連した基準パターンが、優れたチャネル評価を行うように決定される。より一般的には、特にチャネルの定常性を考慮しながら、ブロックの長さを何らかの適当な方法を用いて適合させる。
【0070】
特に有効なサブキャリアと基準サブキャリアとの間のエネルギーの非対称性を用いることによる、ステーション1と装置2との間の同期トラッキング機構(synchronisation tracking mechanism)の使用を検討することも可能である。
【0071】
図3に示すように、チャネル評価ステップ30が、送信特性を決定するために実行される。送信チャネルが準定常であるとみなすことができる間に最大の持続時間に何らかの変化がある場合(31)、WCDMA形のチャネルを用いて得られた初期の同期がブロックの持続時間全体に有効であるように、送信されたデータブロックの持続時間を変更することを考えることは可能である。
【0072】
送信チャネルの特性の変化に基づいて(33)(例えば、通信環境の変化の関数として)、次のステップ(34)で、各データブロックに適合した基準パターンの構造が決定される。
【0073】
ここで、OFDM/OQAM/IOTA形の変調を用いる送信システムの枠組みの中で、図3から図5を参照して、本発明による送信チャネルの伝達関数を評価するために一連のパイロット記号を抽出する方法の実施形態を説明する。明らかに、本発明はチャネル評価が必要な任意の他のデータ送信システム、また特にモノキャリア(mono-carrier)形の変調を用いる送信システムに等しく適用できる。
【0074】
特に、本発明は、本願と同じ出願人によって提出された、「Cellular radio telephony signal with a supplementary channel assigned to the down direction, and the corresponding method, system, mobile and base station」という題名のフランス特許第2,777,407号の中で説明された送信システムの一部として使用することができる。
【0075】
マルチキャリアシステムは、フェーディング及び複数の経路によって影響された送信に対して、特に、それらがエラー補正コード及びインターレースに関連する場合は特に魅力的であることを思い出してほしい。
【0076】
OFDM変調の1つの主な特徴は、キャリアネットワークの密度である。この密度は、IOTAのようなOFDM/OQAM(「Orthogonal Frequency Division Multiplex/Offset Quadrature Amplitude Modulation」)形の変調に対しては2に等しい。キャリアネットワークの密度が、(τ0ν0-1で定義されることも思い出してほしい。ここで、τ0は記号時間を示し、ν0はサブキャリア間の間隔を示す。
【0077】
ドップラ周波数及び遅延スプレッドのパラメータによって特徴付けられたチャネルについては、送信された信号に対する送信チャネルの影響は対称的である。ドップラスプレッド及び遅延スプレッドによる劣化は両方とも、直接空間における畳込み及びフィルタリング、及びこれによる逆格子空間における増加又は減衰に相当する。さらに、IOTAのプロトタイプ関数は、標準化された変数τ0=1/√2及びν0=1/√2に対して完全な時間−周波数の対称性を有する。
【0078】
送信チャネル及びプロトタイプの関数が対称的であるため、時間及び周波数内で識別された基本的な信号は、チャネルと同じ時間−周波数の尺度を用いて使用することができる。このため、最大のドップラ及び最大の遅延スプレッドは、記号の持続時間を最適化することによって標準単位で同一にされる。
【0079】
この条件により、送信された信号ができるだけ悪影響を受けないように、時間及び周波数の次元のいずれも送信の間に所定の優先順位ではないことが確実にされる。
【0080】
[I.1 パイロットネットワークの構造]
tを2つのパイロット間の間隔とし、Nfを周波数の間隔とする。(τ0,ν0,Nt,Nf)のパラメータの組合せは、物理的なチャネルを定義する。このため、伝搬チャネルは、固有の物理的チャネルに相当する。
【0081】
伝搬チャネルのパラメータの関数としてパイロットを組み入れることは、動的に管理される。この文書の残りの中に記載された1つの特定の実施形態によれば、送信されたブロックは、隣り合う送信されたブロック間の干渉を減らすため、また増幅器の立上り時間を考慮するために、保護間隔により制限される。
【0082】
基準記号は、チャネル評価ウィンドウ上に均一に配置されて、大きなチャネル変動に対する最良の評価により特徴付けられ、またそれを提供する。これらの記号は、有効なスループットを最大にしながら、記号から情報を最大限に引き出すために互いにできるだけ分離される。
【0083】
[I.2 基準キャリアネットワーク及び記号時間の適合]
<I.2.1 記号時間の適合>
3GPPにより定義されたUMTS規格に基づいて、本発明の特定の実施形態を検討する。WCDMA形のチャネルから得られた同期を使用し、また伝搬チャネルの形式についての情報が得られていると仮定する。次に、OFDM/IOTA変調を用いるチャネルに切り換える。チャネルを作るフィルタの支持体の比率がτ0とν0との比率に比例する(2)ように記号時間及びサブキャリア間の間隔を決定するために、ネットワークの密度が2に固定される(1)ことを考えて、各伝搬チャネルの種類に対して最大ドップラ及び最大遅延についての情報を使用する。
【数1】
Figure 2004530319
【0084】
次に、記号時間はシステムのフレーム構造(3)を考慮する必要がある。
slot/τ0=p,pint eger (3)
ここで、Tslotはスロットの持続時間である。
【0085】
ETSIによって定義されたUMTS形のチャネルの分析から得られたτ0及びν0の異なった値(例えば、付属書B.1の資料TR101,112V3.2.0を参照されたい)は、下記の表で与えられる。
【0086】
【表1】
Figure 2004530319
【0087】
記号時間のこの種の適合は、従来のOFDM変調に基づいた送信システムに対するこの形式の中では考えられないことを思い出してほしい。
【0088】
<I.2.2 パイロット分布の決定>
tの決定
tを時間次元によるパイロットのサンプリングステップとする。
【0089】
(シャノンの理論と呼ばれる)サンプリング理論によれば、時間次元Ntτ0によるパイロットのサンプリング周期は、下記の式を満足する必要がある。
tτ0≦1/BD
ここで、BDはドップラ周波数の帯域[−FD,+FD]であり、FDは最大のドップラ周波数であり、BD=2*FDである。
【0090】
fの決定
fを周波数次元によるパイロットのサンプリングステップとする。
【0091】
周波数次元Nfν0によるパイロットのサンプリング周期は、下記の式を満足する必要がある。
fν0≦1/Tmax(4)
ここで、Tmaxは最大の遅延スプレッドである。
【0092】
このため、上記のように定義された2つの式が満足されるように、パラメータNt及びNf並びにこれらのパラメータから結果として生じたキャリアネットワーク内のパイロットの分布が決定される。
【0093】
<I.2.3 評価ウィンドウの大きさの決定>
この特定の実施形態の中で示された送信システムは、いくつかのユーザ間で高速の送信リソースを共有することが考えられる。特に、パケット送信を使用する送信システムを考える。その結果、この種のシステムは、所定の周波数帯域に対して任意の大きさのパケットの送信を行うことができる。特に、送信されたブロックの大きさにおけるこの多様性により、データブロックの最小の大きさを固定する小さい評価ウィンドウを使用することができる。
【0094】
図4は、評価ウィンドウ内のパイロットの分布を示す。基準記号41は、時間空間Nf及び周波数空間Ntに関係するキャリアネットワークの中に均一に配置されている。
【0095】
図5に示すように、評価ウィンドウ内にパイロットが平行四辺形に分布することも考えられる。
【0096】
基準キャリアと有効キャリアとの間のエネルギーの非対称性は、送信された信号の平均パワープロフィールに大きな変動をもたらすことがある。このため、パイロットネットワークの形状は、送信の間に使用される電力増幅器の非直線性による劣化を抑えるために、信号の包絡線の変動を減少させる制約によって決まる。
【0097】
このように、図5は、時間−周波数空間内の情報記号ネットワーク50の実施例を示す。ここで、基準記号51は、平行四辺形のパターン52を形成するように均一に配置される。
【0098】
[I.3 送信の原理]
図6は、本発明による信号送信機の簡略化したブロック図を示す。
【0099】
高速のバイナリソース(binary source)60を検討する。バイナリソースとは、任意の種類(音声、画像、データ)のサンプリングされたディジタル又はアナログ信号の1つ又はいくつかのソースに対応する一連のデータのことを指す。これらのバイナリデータは、フェーディングを有するチャネルに適合されたバイナリ間のチャネルコーディング61を受ける。例えば、恐らくリード−ソロモンコード(Reed-Solomon code)(内部コードとして動作する畳込みコード)と結び付いたトレリスコード(trellis code)、又はターボコード(Turbo Code)を使用できる。
【0100】
最後に、これらのデータは時間−周波数空間の中に配置され(62)て、必要な多様性を提供し、また送信された記号に影響を与えるレイリーのフェーディング(Rayleigh fading)を逆相関する。
【0101】
より一般的に言うと、時間及び周波数の組合せ並びに係数付きのバイナリのコーディング(マッピング)と一緒に、第1のバイナリ間のコーディングが行われる。
【0102】
このコーディング動作の後、送信される実際の記号am,nが利用可能になり、その後それらの記号はOFDM/OQAM/IOTA変調器64を用いて変調される。
【0103】
フレーム形成ブロック63は、キャリアネットワークの中にパイロットを挿入する。パイロットの挿入パターン(時間及び周波数内のパイロットの数、パイロット間の間隔)は、チャネルの特性及び送信されたブロックの大きさに依存する。それらは、受信機が周知のパラメータである。
【0104】
変調器64からの出力で生成された複合信号は、次に、アナログ形式に変換され(65)、次に直角位相の2つのチャネルを有する変調器によって最終的な周波数に(I及びQ)置き換えられ(66)、最終的に、送信される前(68)に増幅される(67)。
【0105】
[I.4 受信機の原理]
本発明による信号受信機は、特に、同期に対して使用される受信されたサンプルと受信機には周知の順序からのサンプルとの間の補正しきい値のオーバシュートを検出する手段と、送信チャネルの伝達関数を評価する手段とを含む従来の受信機の構造と同じ構造を有する。
【0106】
本発明によれば、この種の受信機は、可変構造の基準パターンに適合する手段も備える。特に、そのような受信機は、下記のモードの1つに基づいて動作することができる。
・第1の動作モードによる。このモードでは、受信機は信号チャネルを通して通信の間に使用される基準パターンの構造に関する情報を受信する手段を使用する。
・第2の動作モードによる。このモードでは、受信機は、前に測定された送信特性の関数として、通信の間に使用された必要な基準パターンの構造を決定する。
【0107】
別の方式による第1の動作モードでは、信号及び制御情報(及び特に、時間−周波数ブロックの識別情報)が、WCDMA形のチャネルに送られる。第2の動作モードでは、この情報は、ブロック送信時間の間にIOTAチャネルに対して変更される。全ての場合、WCDMA形のチャネルから得られた同期が使用され、また最大の周波数及び時間のスプレッドが周知であると仮定されている。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】固定式送信機と移動式無線通信端末との間のマルチパスデータ(multipath data)の送信の実施例を示す図である。
【図2】図1に示した種類の通信に基準パターンを割り当てるために使用されるステップのブロック図である。
【図3】送信チャネルの特性の関数として、ブロックの持続時間及びそれに関連した基準パターンを適合させるように、ブロックによるデータ送信の間に使用されるステップを示す図である。
【図4】マルチキャリア変調の場合に、図1に示した送信チャネルの「最悪の状態」に適合した基準パターンの実施例を示す図である。
【図5】パイロットが時間−周波数空間内に平行四辺形を形成するマルチキャリア通信システムの基準パターンの実施例を示す図である。
【図6】本発明による送信機の単純化したブロック図である。

Claims (26)

  1. 少なくとも1つの無線通信装置が、定期的に基準パターンを該無線通信装置に出力する遠隔ステーションと送信チャネルを通して通信するさいに、前記チャネルの伝達関数を特に評価することができる一連のパイロット記号を抽出する方法であって、
    前記基準パターンの構造が、前記チャネルの最大のドップラ周波数及び/又は最大の遅延スプレッドを含むグループに属する前記送信チャネルの少なくとも1つの特性の関数として可変であることを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法が、前記送信チャネルの特性の関数として、機能的には同一であるが前記基準パターンの構造に関しては別個の波形に基づく少なくとも1つのチャネルを通信に割り当てるステップを含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項1,2のいずれかに記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、前記無線通信装置と前記遠隔ステーションとの間の通信にトラフィックチャネルを割り当てる前記ステップが、前記送信チャネルの特性を示すデータを交換するステップを含むことを特徴とする方法。
  4. 請求項3に記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、前記交換するステップが、前記通信を行う場合に信号データ及び/又は制御データを送信することも可能であることを特徴とする方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の、それぞれが複数のキャリア周波数から形成された一連の記号から成るマルチキャリア信号の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、2つの続いて起こるキャリア周波数の間の時間間隔及び/又は周波数間隔が、前記チャネルの前記特性の関数として可変であることを特徴とする方法。
  6. 請求項5に記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、前記2つの続いて起こるキャリア周波数間の時間間隔が、最大のドップラ周波数及び最大の遅延スプレッドが同一にされるように選択されることを特徴とする方法。
  7. 2つのチャネル、すなわち、1つの永久信号チャネル及び1つのバーストモードで動作するチャネルを有するシステムに適用された、請求項5,6のいずれかに記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、前記送信チャネルの特性が前記永久チャネル上で測定され、前記バーストモードのチャネルが最適な基準パターンを用いて直接開始することを特徴とする方法。
  8. 請求項7に記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、前記永久チャネルがCDMA(コード分割多重アクセス)変調を用い、前記バーストモードのチャネルがマルチキャリア変調(OFDM/IOTA)を使用することを特徴とする方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、前記基準パターンの構造に対して行われる変調がセルラーネットワークの中で使用される「内部引継」形の手順を用いて行われることを特徴とする方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、前記基準パターンが送信された信号の包絡線の変動を制限するように作られることを特徴とする方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、前記基準パターンがパイロットと呼ばれる、時間−周波数空間内の値及び位置が前記装置にとっては周知であると共に、前記時間−周波数空間内に均一に配置される基準キャリア周波数から形成されることを特徴とする方法。
  12. 請求項11に記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、前記パイロットが前記時間−周波数空間内に平行四辺形を定義することを特徴とする方法。
  13. 請求項10,12のいずれかに記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、前記装置と前記遠隔ステーションとの間のデータの少なくともいくつかの送信がブロックで行われることを特徴とする方法。
  14. 請求項5〜13のいずれかに記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法が、前記装置が前記遠隔ステーションとの同期を維持するステップを含み、前記パイロットに関連するエネルギーを前記送信された信号の有益なキャリア周波数に関連するエネルギーと比較することを特徴とする方法。
  15. 請求項14に記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法が、前記ブロックの持続時間を前記送信チャネルの特性の関数として、前記チャネルが前記期間の間の定常性の基準を考慮するように適合させるステップを含むことを特徴とする方法。
  16. 請求項15に記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、前記基準パターンの構造が前記ブロックの持続時間の関数として変化することを特徴とする方法。
  17. 請求項13〜16のいずれかに記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、前記ブロックが、少なくとも1つのエッジ及び/又は少なくとも1つのコーナが前記パイロットの1つによって同一視される時間−周波数空間内で平行四辺形を形成することを特徴とする方法。
  18. 請求項17に記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法であって、前記平行四辺形のエッジがパイロットによって完全に定義されることを特徴とする方法。
  19. 請求項12〜18のいずれかに記載の送信チャネルの伝達関数を特に評価するための一連のパイロット記号を抽出する方法が、前記送信チャネルの特性の関数として、前記パイロットの時間及び/又は周波数の密度を適合させるステップを含むことを特徴とする方法。
  20. 少なくとも1つの無線通信装置を、定期的に基準パターンを該無線通信装置に出力する遠隔ステーションと同期させる方法であって、前記基準パターンの構造が、チャネルの最大のドップラ周波数及び/又は最大の遅延スプレッドを含むグループに属する前記送信チャネルの少なくとも1つの特性の関数として通信する間は可変であることを特徴とする方法。
  21. 遠隔ステーションと無線通信装置との間で交換された無線通信信号が、チャネルの最大のドップラ周波数及び/又は最大の遅延スプレッドを含むグループに属する前記送信チャネルの少なくとも1つの特性の関数として、通信する間は可変構造の基準パターンを含むことを特徴とする無線通信信号。
  22. 請求項21に記載の無線通信信号の受信機が、前記チャネルの最大のドップラ周波数及び/又は最大の遅延スプレッドを含むグループに属する前記チャネルの少なくとも1つの特性の関数として、通信する間は構造が可変の基準パターンを処理することができる、前記送信チャネルの伝達関数を評価するための手段を備えることを特徴とする無線通信信号の受信機。
  23. 請求項21に記載の無線通信信号を送信する基地局が、前記チャネルの最大のドップラ周波数及び/又は最大の遅延スプレッドを含むグループに属する前記送信チャネルの少なくとも1つの特性の関数として、通信する間に基準パターンの構造を変化させる手段を備えることを特徴とする基地局。
  24. 請求項21に記載の無線通信信号を送信する方法。
  25. 請求項21に記載の無線通信信号を受信する方法。
  26. 少なくとも1つの送信機と少なくとも1つの受信機との間に、請求項21に記載の信号を送信するシステム。
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