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JP2004526284A - 有機発光ダイオード類に基づく青色リン光用の材料および素子 - Google Patents

有機発光ダイオード類に基づく青色リン光用の材料および素子 Download PDF

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Abstract

OLEDには2種のドーパント類でドープされたワイドギャップ不活性材料が含まれる。ドーパントの片方は電子または正孔のどちらかを輸送できる放射するリン光発光材料である。他方のドーパントは電荷運搬材料で、当該リン光発光ドーパントでは輸送されない電子および正孔のどちらかを輸送できる。当該材料は、当該ホスト材料の最低三重項エネルギーレベルおよび当該電荷運搬ドーパント材料の最低三重項エネルギーレベルが各々当該リン光発光ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルより高いエネルギーレベルであるように選択される。当該素子は特に、可視スペクトルの青色領域に効果的に発光することができる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、例えば青色を発光できる高効率の有機発光素子(OLEDs)に関し、特に不活性ホスト物質中にドープしたリン光発光ドーパント材料および電荷運搬ドーパント材料を含んでいる発光層を有するOLEDsに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
電流で励起されると発光する薄膜材料を利用する有機発光素子(OLEDs)は平面パネルディスプレイ技術のますます一般的な様式になることが期待されている。これは、OLEDsは携帯電話、携帯情報端末(PDAs)、コンピュータディスプレイ、自動車内の情報ディスプレイ、テレビジョンモニター類と共に光源または一般的照明用光源を含んだ幅広い種類の潜在的応用性を有しているからである。それらの鮮明な色彩、広い視野角、フルモーションビデオの適応可能性、広範囲温度、薄型と適合性あるフォームファクター、低電力要求性および低価格での製造工程に関する可能性により、OLEDsは最近年に400億ドルまで成長するまでになった電子ディスプレイ市場にて優位を占めるブラウン管(CRTs)および液晶ディスプレイ(LCDs)の将来的後継技術として考えられている。それらの高照明効率により、エレクトロホスホレッセンスのOLEDsはある種の型の応用面では白熱灯および多分蛍光灯に取って代わる可能性を有していると見られている。
【0003】
リン光の上手な利用は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関して大きな期待が持たれている。例えば、リン光の利点は一重項または三重項励起状態のいずれとして形成した全ての励起子(ELにおいて正孔と電子の再結合で形成した)がルミネッセンスに関与することである。これは有機分子の最低一重項状態は典型的に最低三重項状態より僅かに高いエネルギーであるからである。これは、典型的リン光発光有機金属化合物につき、当該最低一重項励起状態は最低三重項励起状態に速やかに減衰し、そこから当該リン光が生成することを意味する。対照的に、蛍光素子での励起子の少ない割合(約25%)だけが一重項励起状態から得られる蛍光性ルミネッセンスを生成することができると信じられている。有機分子の最低三重項励起状態で生じる蛍光性素子中の残りの励起子は、典型的に蛍光を生じるエネルギー的に不利なより高い一重項励起状態に転換することができない。そこで、このエネルギーは素子の加熱に役立つに過ぎない無放射減衰プロセスに消費されることになる。
【0004】
結局、リン光発光材料が高効率OLEDsにおける発光材料として使用できるという発見以来、更により効率の良いエレクトロホスホレッセンスの材料およびそのような材料を含有するOLED構造を見出すのに現在大きな関心が向けられている。
【0005】
リン光発光ドーパントであるfac体トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))を用いた高効率有機発光素子類(OLEDs)が数種の異なる伝導性ホスト材料を使用して提起された。M.A.Baldo等,Nature,vol.395,151(1998);D.F.O'Brien等,Appl.Phys.Lett.,vol.74,442(1999);M.A.Baldo等,Appl.Phys.Lett.,vol.75,4(1999);T.Tsutsui等,Japanese J.Appl.Phys.,Part2,vol.38,L1502(1999);C.Adachi等,Appl.Phys.Lett.,vol.77,904(2000);M.J.Yang等,Japanese J.Appl.Phys.,Part2,vol.39,L828(2000);およびC.L.Lee等,Appl.Phys.Lett.,vol.77,2280(2000)。緑色発光Ir(ppy)の金属配位子電荷移動状態の三重項レベルは2.5eVと3.0eVの間であるので、4,4'−N,N'−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)のような約400nmのピーク波長を有する深青色蛍光発色団が三重項エネルギー転移および励起子閉じ込め媒質としての候補でありうる。CBP中に6%〜10%のIr(ppy)を用いると効率的Ir(ppy)リン光を導く。当該ドーパントおよび当該ホストの間のエネルギー共鳴に加えて、当該ホスト層での電荷キャリヤー注入および輸送の調節が発光する励起子の効果的生成の達成に必要と考えられている。高エレクトロホスホレッセンス効率が、CBP中にドープしたIr(ppy)と共に2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン(BCP)電子輸送および励起子阻止層を用いることで実現された。M.A.Baldo等,Appl.Phys.Lett.,vol.75,4(1999)。その素子では、当該ドープしたCBP層は正孔を容易に輸送することが見出された。
【0006】
リン光発光OLEDsに用いられる最近の材料は内部量子効率が100%に近い素子を形成するように使用することができる。しかしながら、これらの従来素子類において正孔輸送、再結合および阻止の層を形成するのに用いられる材料は可視スペクトルの緑部分における発光に相当する三重項エネルギーを有す傾向がある。青色リン光を生じることができるドーパントを現時点の材料および構造を利用したそのような素子に挿入すれば、発光があったとしてもマトリックス材料から非効率的に出るのみで、当該リン光発光ドーパント材料からではない。従って、可視電磁気スペクトルの青色領域に発光できる効率的OLED構造を発見することは大きな関心事である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の概要
本発明は効率的に発光、特に好ましくは可視スペクトルの青色範囲に発光するOLED素子に関し、そして当該素子類を形成する方法に関する。本発明に従って作成したOLEDsには、好ましくは現行の緑色から赤色リン光発光OLEDsと効率レベルで同程度の青色リン光発光OLEDsが含まれる。
【0008】
本発明はOLED、およびそれを調製する方法を目指しており、その中で当該発光層は電荷運搬ドーパント材料およびリン光発光ドーパント材料の両方をドープしたワイドギャップホスト材料を含んでいる。当該電荷運搬ドーパント材料は正孔または電子を輸送でき、当該リン光発光ドーパント材料は当該電荷運搬ドーパント材料で運ばれる電荷と逆の電荷を輸送することができる。各ドーパント材料はかくして逆の極性である電荷を各々運搬する。当該電荷運搬リン光発光材料は同じようにリン光性放射を発光する機能を果たす。かくして、用語“電荷運搬ドーパント材料”は本明細書では電荷を単に運搬する材料を称するのに当てて、一方リン光発光ドーパント材料は本明細書では相互入れ替え可能で単なる“リン光発光ドーパント材料”、またはその代わりに“電荷運搬リン光発光ドーパント材料”を称してもよい。
【0009】
例えば、1つの実施態様では当該電荷運搬ドーパント材料は正孔輸送材料で、当該リン光発光ドーパント材料は電子輸送材料である。当該リン光ドーパント材料はこれに加え、電圧をOLEDに横断してかけるとリン光放射を生じる発光材料である。他の実施態様では、当該電荷運搬ドーパント材料は電子輸送材料で、当該リン光発光ドーパント材料は発光材料であると共に、正孔輸送材料である。
【0010】
各実施態様では、当該ワイドギャップホスト材料の最低三重項状態エネルギーレベルおよび当該電荷運搬ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルは各々当該リン光発光ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルより高い。好ましくは当該ワイドギャップホスト材料の最低三重項状態エネルギーレベルは同じように当該電荷運搬ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルより高い。典型的にはリン光放射を生じることができるそれらの材料に関しては、当該放射はその材料の最低三重項状態エネルギーレベルからのみ、殆ど独占的に発光する。
【0011】
本発明は更に発光層およびそのものを調製する方法を目指し、それは各々当該ホスト材料中に分散した電荷運搬ドーパント材料およびリン光発光ドーパント材料を伴うワイドギャップホスト材料含んでおり、その中では当該ワイドギャップホスト材料の最低三重項状態エネルギーレベルおよび当該ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルは各々当該リン光発光ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルより高い。この実施態様では、当該ワイドギャップホスト材料の最低三重項状態エネルギーレベルは同じように好ましくは当該電荷運搬ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルより高い。
【0012】
本発明は更に効率的OLEDに用いることができる材料の選択の方法、特に本明細書で説明するような相対特性の組合せを有する材料を選択する方法を目指している。
【0013】
これまでの一般的説明および以下の詳細な説明の両方とも例示的および注釈的なものであり、本発明の更なる説明は請求項として提供する積りであることを理解されたい。
添付した図面は本発明の更なる理解を供与するために付け、本明細書の構成部分に組み込んだが、本発明を説明するために本発明の幾つかの実施態様を説明と共に図解して供する。
【0014】
本発明の実施態様の詳細な説明
本発明の実施態様は当該図面に関して説明される。これらの実施態様は本発明の説明的な例を意図し、本発明を制限するものではないことを理解されたい。
【0015】
本発明に従って製造したOLEDsには、好ましくは100%に達する内部量子効率を達成できるリン光発光ドーパントが当該素子の発光層に分散して含まれる。これらの素子中にある発光ドーパントは、典型的には例えばイリジウムまたはプラチナのような三重項励起子の効率的放射緩和を誘起する重遷移金属を含有する。イリジウムおよびプラチナは高い量子効率を提供するが、オスミウムまたは金などの他の重金属も使用できる。これらのリン光発光ドーパントはそれ故当該素子の発光層内部にある実質的に全ての励起子を利用することができ、ルミネッセンスを誘起するのに一重項励起のみを用いる素子に比べて相当高い効率となる。
【0016】
OLEDsからのルミネッセント発光は典型的には蛍光またはリン光によってである。本明細書で用いたように、用語“リン光”は有機分子の三重項励起状態からの発光を称し、用語“蛍光”は有機分子の一重項励起状態からの発光を称する。
【0017】
色素ドープ化OLEDsからのエレクトロルミネッセンスの原因と当初信じられていた機構には、ホストマトリックス中における励起子形成に次いで当該ホストから
Figure 2004526284
またはDexterのエネルギー転移プロセスによる当該ドーパントへのエネルギー転移が含まれていた。本プロセスは未だにリン光に基づくOLEDsにて生じると信じられているが、これらのエレクトロルミネッセンス素子の効率を向上するのを助ける際に重要であると信じられている二番目のプロセスが存在する。当該リン光発光ドーパントのHOMOエネルギーレベルは典型的にはエネルギーにおいて、それらがドープされているマトリックス材料のエネルギーレベルより高い。これはドーピングレベルが充分に高ければ当該ドーパントが正孔を捕集でき、当該マトリックスを通してそれらを輸送することができる。最終的結果では当該ドーパント自身は正孔−電子再結合の部位として動くことができる。これは当該励起子が当該ドーパント部位にて優先的に形成できれば
Figure 2004526284
および/またはDexter型ホスト−ドーパントのエネルギー転移プロセスは、不活性で非電荷運搬ホスト材料においては不必要であることを意味する。
【0018】
この型の捕集/再結合プロセスは本発明の青色リン光発光OLEDsの形成に有効に使用でき、そのようなプロセスは当該ホストマトリックスにおいては当該青色リン光体よりエネルギーで高い励起子の生成を必要としない(即ち、当該スペクトルの紫色から紫外領域における非常に高いエネルギーレベル)。その中の当該素子の発光領域はワイドギャップホストマトリックスで、それは正孔を輸送できるリン光発光ドーパントおよび電子輸送体でドープされている簡単な構造が使用できる。それに代わるものは、当該リン光体が電子を輸送でき、当該発光層は正孔輸送体でドープされる。本発明は当該簡易な構造を有するOLEDsを目標としている。
【0019】
こうして、本発明の特有な特徴の1つは、従来のOLED中の正孔輸送層または電子輸送層として唯一ではなくても主な成分として典型的に使用される電荷運搬材料は、本発明では不活性マトリックス中で電荷運搬ドーパント材料として使用できることである。本発明の追加的特徴は当該電荷運搬ドーパント材料により運搬される電荷と反対の電荷を運搬できる発光材料の使用であり、その中では当該発光材料は当該ホストマトリックス中に当該電荷運搬ドーパント材料と共に分散されている。
【0020】
当該電荷運搬発光材料を選択すると、当該不活性マトリックス中の発光材料上で直接的に電子/正孔再結合を起こさせると考えられる。更に、本明細書で説明したような材料のような組合せを選択すると、当該エレクトロルミネッセンス放射は、エレクトロホスホレッセンス放射を作る際に典型的に利用できる相当より高いエネルギーでの発光三重項状態エネルギーレベルを有する材料からより容易に得られると考えられている。典型的に先行技術のOLEDにおいては、これらの高い三重項状態エネルギーレベルから他のOLED材料に存在するより低い三重項状態レベルへ起こる傾向があるエネルギー転移は、より高いエネルギー三重項状態から得られる如何なる放射発光も実質的に防止すると予測される。それ故、本発明のエレクトロホスホレッセンス素子は可視スペクトルのより高いエネルギー領域、特に可視スペクトルの青色領域に好ましく放射を生み出すことができる。
【0021】
不活性ホストマトリックスを前述電荷運搬ドーパント材料および前述電荷運搬リン光発光ドーパント材料と組合せて使用することにより、そのような材料の組合せはOLED材料のかなり広い範囲からの選択が可能となる。これは連続した正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、および当該正孔輸送層または当該電子輸送層のどちらかに存在するリン光発光ドーパント材料を有する典型的OLEDとは対照的である。当該電子輸送層または更に他の電子輸送層を正孔または励起子阻止層として機能させるのみに使用してもよい。これらの層の各々において使用する材料は、素子効率を低下させる傾向がある放射なしのエネルギー転移経路を制限するような組合せで選択しなければならない。
【0022】
本発明は、放射なしの損失経路を抑えるように整合する必要がある材料を極度に少ない数含有できるOLEDsを目指している。好ましくは、本発明の好ましい実施態様において使用される必要のある有機OLED材料は3種類だけで、不活性ホスト材料、電荷運搬ドーパント材料および電荷運搬リン光発光ドーパント材料である。更に当該発光層には、OLED中で生じる正孔および電子は当該ホスト材料のHOMOまたはLUMOレベルを通して其々が輸送されるのに充分なエネルギーを持たないので、当該不活性ホストマトリックスが正孔または電子の輸送に関与しない位、当該材料のHOMOおよびLUMOレベルの間に大きなエネルギーギャップを有する不活性ホスト材料が含まれる。加えて、これら不活性材料は当該HOMOおよびLUMOレベルの間に広いエネルギーギャップを有するので、当該材料は当該リン光発光材料の最低三重項状態レベルより高く、場合により当該電荷運搬ドーパント材料の最低三重項状態レベルよりも高い最低三重項励起状態レベルを有するように容易に選択できる。
【0023】
これは、それらの発光三重項状態エネルギーレベルの相対位置に基づき、それに加えて当該不活性ホストマトリックスを通じての電荷運搬におけるそれらの効果に基づいて電荷運搬ドーパント材料を選択することにより当技術分野の当事者であれば、当該ホスト材料が正孔または電子輸送に関与できれば今の可能性より広い範囲のOLED材料から選択できると考えられることを意味する。
【0024】
同様に、前述の相対的三重項状態エネルギーレベルを有する電荷運搬発光材料を選択することにより、当技術分野の当事者であればOLED中には当該電荷運搬発光材料と適切に合わねばならないのが遥かに少数の添加材料しかないので、電荷運搬発光材料のかなり広い範囲から同じように選択できると考えられる。この場合、高エレクトロホスホレッセンス効率を達成するようにエネルギー緩和経路の限られた数を通じてエネルギー転移を伝えることができるこれらの電荷運送発光材料が選択できる。
【0025】
本発明の好ましい実施態様の1つでは、当該発光材料は可視スペクトルの青色領域であるより高いエネルギーに発光ピークを伴う放射を生じるように当該発光材料を選択することができる。これは約430nmから約470nmの範囲、より好ましくは約450nmに発光ピークに相当する。本発明の材料および方法は他のより低いエネルギー領域、例えば可視スペクトルの緑色または赤色領域に放射を生じるように利用しても同様によく、これはそれでも本発明の目的および範囲内であると理解されたい。
【0026】
本発明の好ましい実施態様は、当該電荷運輸ドーパント材料および当該電荷運輸リン光発光ドーパント材料をドープしたホスト材料のみを含み、1つの界面はアノードと直接接触して反対の界面はカソードに直接接触した、単一の、発光性の有機層を含有するOLEDsを目指している。しかしながら本発明には、例えば正孔注入層、電子注入層および正孔阻止層および/または励起子阻止層を含む追加的層が存在する実施態様が同様に含まれる。それ故、これらの追加的層を含まないのが好ましいが、これらの追加的層の1つ以上と組合せて用いる単一の、発光性の有機層を用いてもよい。
【0027】
本発明に従ったOLED構造の実施態様は図1に関して説明する。当該素子は、例えば基体10の上に種々な層を真空蒸着法または有機気相蒸着法(OVPD)により形成させて製造できる。真空蒸着は典型的に約10E‐11から10E‐5トールの間の高真空が必要である。OVPDはより弱い真空、例えば約10E‐5から50トールの間が必要である。他の製造法も当該素子を形成するのに同様に使用できる。例えば、重合体層はスピンコーティング法で形成できる。
【0028】
基体10を最初に形成し、その上に陽極電源に接続するアノード層60を形成する。アノード60に隣接して正孔注入層50を場合により形成させてもよい。例えば、正孔層50はアノード60の上に被覆形成させることができる。ワイドギャップホスト材料層40は任意の正孔注入層50の上に従来製造法を用いて形成させる。それ故当該ワイドギャップホスト材料層40は当該電荷運搬ドーパント材料および当該リン光発光ドーパント材料を含有するドープ化層を含むOLEDの発光領域を範囲限定する。電子注入層30は場合により次に形成でき、次いで陰極電源に接続された従来のカソード層20を形成する。アノード層60およびカソード層20の1つまたは両方は素子が発した電磁気放射を通すことができる。
【0029】
1つの実施態様では、当該ワイドギャップホスト材料層40は、同じくマトリックス材料と称するが当該素子に使用される全てのドーパント類のエネルギーレベルより充分高い三重項状態エネルギーレベルを有する。ワイドギャップホスト材料層40は好ましくは不活性で、即ちこれは好ましくは当該OLEDの構造内に電荷を運搬しない。従って、電荷は好ましくは当該ドーパントのみにより運搬され、当該ワイドギャップホスト材料層40によっては運搬されない。
【0030】
図2に示した異なる実施態様では、本発明によるOLED構造には異なる材料の分離した層ではなくて当該不活性ホスト材料の部分より形成された電子および正孔の注入領域が含まれる。領域90は当該ワイドギャップ材料層40の非ドープ化部分で形成された電子注入接点である。領域95はワイドギャップ材料層40の非ドープ化部分で同様に形成された正孔注入接点である。これらの構造は当該素子の活性領域外に電荷キャリア類または励起子類が漏出するのを防ぎ、当該電極および当該有機材料層の間の界面にてクエンチする際に使用される。図5は本実施態様と関連するエネルギーレベルを示す。
【0031】
任意の非ドープ化領域90,95は正穴および/または励起子の阻止層として機能するのに充分厚く、必要であれば電子の効果的注入ができるよう十分に薄い層でありえる。
【0032】
本発明によるOLEDの他の実施態様では、当該発光層および当該電極類の間に分離した阻止層が使用され、そこでは当該阻止層は不活性の非電荷運搬材料ではなく電荷運搬材料を含む。図3に示すように、一番目および二番目の阻止層100,110は当該ドープ化層および当該電極類の間に当該ワイドギャップホスト材料層40と隣接して形成される。これらの層を形成する材料はキャリア再結合および発光を当該ワイドギャップホスト材料層40のドープ化層に閉じ込めるように選択する。阻止層100,110は例えば、図2に示した注入領域90,95のようなワイドギャップホスト材料層40の非ドープ化領域が充分な閉じ込めおよびキャリア注入を提供しないときに使用される。ある場合では、1つの阻止層のみ、例えば当該発光層および当該カソード層の間に正孔および/または励起子阻止層が使用できる。
【0033】
図4は本発明によるOLED素子を形成する材料および電子注入層75と正孔注入層50を含む材料のエネルギーレベルを示す。当該ワイドギャップホスト材料層40中に分散しているリン光発光ドーパント材料が電子輸送体である場合、THT>TETおよびT>TETで、Tは三重項エネルギーを示して下付き添字は当該ワイドギャップ材料(W)、当該電子輸送体(ET)および正孔輸送体(HT)を示す。当該リン光発光ドーパント材料が正孔輸送体である場合は、TET>THTおよびT>THTである。
【0034】
これらの関係から、当該ホスト材料層40の三重項状態エネルギーレベルは当該発光ドーパントの三重項状態エネルギーレベルより大きいことになるが、当該非発光ドーパントの三重項エネルギーレベルより大きい必要はない。当該不活性ホスト材料層40のHOMO−LUMOエネルギーギャップは、当該三重項レベルとは対照的に当該正孔および電子の輸送体のエネルギーギャップより大きい。好ましくは、当該不活性ホスト材料のHOMOレベルは、当該ドーパント材料のいずれかと共に当該不活性ホスト材料と直接物理的に接触しているいずれの隣接層のHOMOレベルより低い。加えて、当該不活性ホスト材料のLUMOレベルは当該ドーパント材料のいずれと共に当該不活性ホスト材料に直接物理的に接触しているいずれの隣接層のLUMOレベルより高い状態である。当技術分野の当事者であれば理解するように、他の材料と比較してより低いHOMOレベルを有する材料は、他の材料のイオン化電圧と比較すると、より高いイオン化電位(IP)を有するものである。同じように、当技術分野の当事者であれば同様に理解するように、他の材料と比較してより高いLUMOレベルを有する材料は、他の材料の電子親和性と比較してより低い電子親和性を有する材料である。
【0035】
上記の必要条件および優位性を本発明に従って使用する材料に当てはめると、当該電子および正孔輸送体ドーパントのレベルに関する当該不活性ホスト材料層40のHOMOおよびLUMOレベルに対する制約条件が、典型的には当該HOMOおよびLUMOエネルギーレベルの間にワイドエネルギーギャップを有する不活性ホスト材料層を生じる。当該ホスト材料層40が不活性であることを確保するには、当該ホスト材料は少なくとも3.5eVのエネルギーギャップおよび当該リン光発光ドープ化層を形成する両ドーパント材料のエネルギーレベルより相当上の三重項エネルギーレベルを有するように選択するのが良い。これは当該リン光発光ドープ化層に青色光を発するリン光体が含まれるときに特に重要である。
【0036】
この3.5eVエネルギーの必要条件は効果的不活性ホストとして機能する最大の見込みを有するホスト材料を選択する際に便利に利用できる一方、本明細書で説明した他の制約事項に合致すれば僅かに小さなエネルギーギャップであるホスト材料の使用を可能とし、更に高効率な青色リン光を提供するOLED材料の一定の組合せもありうると理解される。それ故、用語“ワイドギャップ”材料は少なくとも3.5eVのHOMO−LUMOエネルギー差を有する材料を典型的には称する一方、本明細書で使用する用語“ワイドギャップ”はOLEDにおけるホストマトリックスとして使用するときは、電荷運搬材料として機能しないのに充分大きなHOMO−LUMOエネルギーギャップを有する全ての材料について称する。いわゆる非電荷運搬材料とは、少なくとも僅かな程度の電荷は運搬できるので、当該電荷運搬ドーパント類の何れよりも少なくとも10分の1より少ない電流を運搬できるものを本明細書では非電荷運搬材料とみなす。
【0037】
本発明によれば、当該ワイドギャップホスト材料層40は2種の異なる材料、電荷運搬ドーパント材料および電荷運搬リン光発光ドーパント材料でドープされ、それらは当該ホスト材料内に分散されて発光層を形成する。当該2種のドーパント材料は典型的に当該ホストマトリックス全体に均一に分散され、各濃度は望ましい結果を生じるように別個に選択される。
【0038】
当該電荷運搬ドーパント材料は、例えば正孔輸送材料でありえて、その場合当該リン光発光ドーパント材料も同じように電子を輸送できる。それに代わる実施態様では、当該役割は逆転し、当該電荷運搬ドーパント材料は電子を輸送する一方で当該リン光発光ドーパント材料は正孔を輸送する。
【0039】
1つの実施態様では、当該ワイドギャップホスト材料層40は、例えば各々の場合で置換体か非置換体でよいジフェニレン類、トリフェニレン類、ナフタレン類、テトラフェニルブタジエン類および他の有機と金属有機材料類から形成できる。当該リン光発光ドーパント材料が正孔輸送体である他の例示的実施態様では、当該電荷運搬ドーパント材料はオキシジアゾール類、トライゾール類、シクロオクタテトラエン類および他のワイドギャップ電子輸送体類のような電子輸送材料を含むことができる。当該電子輸送が当該リン光発光ドーパント材料で実施される場合、当該電荷運搬ドーパント材料はトリアリールアミン類、金属配位した錯体、供与体置換ナフタレン類および他の適した高エネルギーHOMOレベルを伴う他のワイドギャップ材料のような正孔輸送材料を含むことができる。
【0040】
当該電荷運搬ドーパント材料は当該リン光発光ドーパント材料より高い三重項エネルギーレベルを有せねばならない。これが当該ワイドギャップホスト材料層40は同様に当該リン光発光ドーパント材料より高い三重項レベルを持たねばならないという上で説明した必要条件に付け加わる。当該電荷運搬ドーパント材料として使用される同じ材料は、当該OLEDの構造中に含むことができる正孔および/または励起子阻止層として同じように使用することができる。
【0041】
一般的に、これらの材料は可視スペクトルのUV〜青色領域に相当し、当該リン光発光ドーパントのより低い三重項状態レベルから青色の発光を生じるOLEDsになるような三重項エネルギーレベルを持たねばならない。
【0042】
当該リン光発光ドーパント材料は、望ましい波長範囲に電磁的放射を放出するリン光体および同じように電荷輸送材料を供する二元機能を有する。上で説明したように、当該電荷運搬ドーパント材料が電子輸送体であれば、当該リン光発光ドーパント材料は正孔輸送体でなければならず、逆の場合も同じである。
【0043】
例えば、当該リン光発光ドーパント材料は重金属元素を含むことができ、以下に示す構造を有すことができる。
【化1】
Figure 2004526284
【0044】
図の中で、Mは重遷移金属を表し、C――Nはシクロ金属化配位子およびO――Xは配位する配位子を表し、そのXはO,NまたはSでありえて、n=1または2そしてp=0または1である。これらの材料は配位子電荷転移および配位子内(3π−π)励起状態のエネルギーに合致するそれらの能力によりドーピングリン光体を形成するように選択するのがよい。1つの例では、前述化合物を形成する重金属類は好ましくはIrまたはPt原子である。
【実施例】
【0045】
本発明の実施例
OLED'sを製造する際に当技術分野にて知られている材料および方法を用いれば、1つの例示的実施態様では本発明によるOLEDは不活性ホスト材料としてポリスチレンの薄膜を用いて製造する。当該ドーパント層は当該不活性ホスト材料を15%の正孔輸送リン光発光ドーパントおよび40%の電子輸送オキシジアゾールでドーピングして形成される。より具体的には、当該リン光発光ドーパント類は以下の化学構造を有するビス(フェニルピリジン)イリジウムアセチルアセトナート(PPIr):
【化2】
Figure 2004526284
および以下の化学構造を有するビス(2−フェニルベンゾチアゾール)イリジウムアセチルアセトナート(BTIr):
【化3】
Figure 2004526284
および当該オキシジアゾールは以下の化学構造を有する(4−ビフェニル)(4−三級ブチルフェニル)オキシジアゾール(PDB)である。当該素子は約7と9ボルトの間の電圧をかけると当該ドーパントからのみ発光した。当該ポリスチレンは当該ドーパントが担持されている不活性マトリックスとして働く。本素子は可視スペクトルの緑色領域の光を生じるが、同じ形態の異なるリン光体ドーパントが当該スペクトルの青色領域の光を生じるのに用いることができる。
【化4】
Figure 2004526284
【0046】
本発明に従ったOLEDsの構造に追加的層が使用できることは注目すべきことである。これらの追加的層は当技術分野では知られており、そこで詳細は議論しない。
【0047】
当技術分野の当事者であれば、本発明の目的または範囲から逸脱せずに本発明の構成および方法論においては種々の修正および変更ができるのは明らかである。それ故本発明は、添付した請求項およびそれと同等物の範囲内から由来するような本発明の修正および変更は網羅している積りである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明によるOLED構造の概略的断面図を示す。
【図2】図2は、本発明によるOLED構造の二番目の実施態様における概略的断面図を示すが、当該ホスト材料は電子注入層を形成している;
【図3】図3は、本発明によるOLED構造の阻止層を含んだ三番目の実施態様の概略的断面図を示す;
【図4】図4は、本発明によるOLED構造におけるエネルギーレベルを示す略図である;そして
【図5】図5は、本発明による他のOLED構造におけるエネルギーレベルを示す略図である。

Claims (66)

  1. ワイドギャップホスト材料;当該ワイドギャップホスト材料中にドーパントとして存在する電荷運搬ドーパント材料;および当該ワイドギャップホスト材料中にドーパントとして存在するリン光発光ドーパント材料を含む発光層;を含み、その中では当該電荷運搬ドーパント材料が正孔輸送材料を含み、当該リン光発光ドーパント材料が電子輸送材料を含む、有機発光素子の発光層。
  2. 当該ワイドギャップホスト材料の最低三重項状態エネルギーレベルおよび当該電荷運搬ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルは各々当該リン光発光ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルより高い、請求項1の発光層。
  3. 当該ワイドギャップホスト材料の最低三重項状態エネルギーレベルは当該電荷運搬ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルより高い、請求項2の発光層。
  4. 当該ワイドギャップホスト材料が、少なくとも約3.5eVのエネルギーギャップを当該HOMOおよび当該LUMOのエネルギーレベル間に有する、請求項3の発光層。
  5. 当該ワイドギャップホスト材料が、少なくとも約3.5eVのエネルギーギャップを当該HOMOおよび当該LUMOエネルギーレベル間に有する、請求項1の発光層。
  6. 当該発光層が可視スペクトルの青色領域において放射を放出する、請求項1の発光層。
  7. 当該放射は約430から約470nmの範囲に発光ピークを有する、請求項6の発光層。
  8. 当該発光ピークが約450nmである、請求項7の発光層。
  9. 当該ワイドギャップホスト材料がジフェニレン、置換ジフェニレン、トリフェニレン、置換トリフェニレン、ナフタレン、置換ナフタレン、テトラフェニルブタジエンおよび置換トリフェニルブタジエンからなる群より選択した材料を含む、請求項2の発光層。
  10. 当該電荷運搬ドーパント材料がトリアリールアミン、金属配位錯体および供与体置換ナフタレンからなる群より選択した材料を含む、請求項2の発光層。
  11. 以下の一般式の構造を有する化合物を含むリン光発光ドーパント材料で:
    Figure 2004526284
    式中Mは重遷移金属;C――Nはシクロ金属化配位子;O――Xは配位の配位子でXは酸素、窒素および硫黄からなる群より選択され;nは1または2でpは0または1である、請求項2の発光層。
  12. Mがイリジウム、プラチナ、オスミウムおよび金からなる群より選択されるものである、請求項11の発光層。
  13. 前記発光層はワイドギャップホスト材料;当該ワイドギャップホスト材料中にドーパントとして存在する電荷運搬ドーパント材料;および当該ワイドギャップホスト材料中にドーパントとして存在するリン光発光ドーパント材料を含んでおり、その中で当該電荷運搬ドーパント材料は電子輸送材料を含み、当該リン光発光ドーパント材料は正孔輸送材料を含む、有機発光素子の発光層。
  14. 当該ワイドギャップホスト材料の最低三重項状態エネルギーレベルおよび当該電荷運搬ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルは各々当該リン光発光ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルより高い、請求項13の発光層。
  15. 当該ワイドギャップホスト材料の最低三重項状態エネルギーレベルが当該電荷運搬ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルより高い、請求項14の発光層。
  16. 当該ワイドギャップホスト材料が、少なくとも約3.5eVのエネルギー差を当該HOMOと当該LUMOの間に有する、請求項15の発光層。
  17. 当該ワイドギャップホスト材料が、少なくとも約3.5eVのエネルギー差を当該HOMOと当該LUMOの間に有する、請求項13の発光層。
  18. 当該発光層は当該可視スペクトルの青色領域に放射を放出する、請求項13の発光層。
  19. 当該放射は約430nmから約470nmの範囲に発光ピークを有する、請求項18の発光層。
  20. 当該発光ピークが約450nmである、請求項19の発光層。
  21. 当該ワイドギャップホスト材料はジフェニレン、置換ジフェニレン、トリフェニレン、置換トリフェニレン、ナフタレン、置換ナフタレン、テトラフェニルブタジエンおよび置換テトラフェニルブタジエンからなる群より選択した材料を含む、請求項14の発光層。
  22. 当該電荷運搬ドーパント材料はオキシジアゾール、トライゾールおよびシクロオクタテトラエンからなる群より選択した材料を含む、請求項14の発光層。
  23. 当該リン光発光ドーパント材料は下記一般式の構造を有する化合物を有し:
    Figure 2004526284
    式中Mは重遷移金属;C――Nはシクロ金属化配位子;O――Xは配位する配位子で、Xは酸素、窒素および硫黄からなる群より選択され、nは1または2およびpは0または1である、請求項14の発光層。
  24. Mはイリジウム、プラチナ、オスミウムおよび金からなる群より選択される、請求項23の発光層。
  25. 当該ワイドギャップホスト材料はポリスチレンを含み、当該電荷運搬ドーパント材料は下記の化学構造を有する(4−ビフェニル)(4−三級ブチルフェニル)オキシジアゾール(PDB)を含み、
    Figure 2004526284
    そして当該リン光発光ドーパント材料は下記の化学構造を有するビス(フェニルピリジン)イリジウムアセチルアセトナート(PPIr)、
    Figure 2004526284
    および下記の化学構造を有するビス(2−フェニルベンゾチアゾール)イリジウムアセチルアセトナート(BTIr)を含む、請求項14の発光層。
    Figure 2004526284
  26. アノード層;ワイドギャップホスト材料、電荷運搬ドーパント材料およびリン光発光ドーパント材料を含み、そこでは当該ワイドギャップホスト材料中にドーパント類として当該電荷運搬ドーパント材料および当該リン光発光ドーパント材料が存在する当該アノード層上の発光層;および当該発光層上のカソード層;を含み、そこでは当該電荷運搬ドーパント材料が正孔輸送材料を含み、当該リン光発光ドーパント材料が電子輸送材料を含んでいる、有機発光素子。
  27. 当該ワイドギャップホスト材料の最低三重項状態エネルギーレベルおよび当該電荷運搬ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルは各々当該リン光発光ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルより高い、請求項26の素子。
  28. 当該ワイドギャップホスト材料の最低三重項状態エネルギーレベルは当該電荷運搬ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルより高い、請求項27の素子。
  29. 当該ワイドギャップホスト材料が少なくとも3.5eVのエネルギー差を当該HOMOおよび当該LUMOのエネルギーレベル間に有する、請求項28の素子。
  30. 当該ワイドギャップホスト材料が少なくとも3.5eVのエネルギー差を当該HOMOおよび当該LUMOのエネルギーレベル間に有する、請求項26の素子。
  31. 当該発光層は可視スペクトルの青色領域において放射を放出する、請求項26の素子。
  32. 当該放射は約430nmから約470nmの範囲に発光ピークを有する、請求項31の素子。
  33. 当該発光ピークが約450nmである、請求項32の素子。
  34. 当該ワイドギャップホスト材料はジフェニレン、置換ジフェニレン、トリフェニレン、置換トリフェニレン、ナフタレン、置換ナフタレン、テトラフェニルブタジエンおよび置換テトラフェニルブタジエンからなる群より選択される材料を含む、請求項27の素子。
  35. 当該電荷運搬ドーパント材料はトリアリールアミン、金属配位錯体および供与体置換ナフタレンからなる群より選択した材料を含む、請求項27の素子。
  36. 当該リン光発光材料は下記の一般式の構造を有する化合物を含み:
    Figure 2004526284
    式中Mは重遷移金属;C――Nはシクロ金属化配位子;O――Xは配位する配位子で、そのXは酸素、窒素および硫黄からなる群より選択されたもの;nは1または2およびpは0または1である、請求項27の素子。
  37. Mはイリジウム、プラチナ、オスミウムおよび金からなる群より選択される、請求項36の素子。
  38. 当該アノード層および当該発光層の間に正孔注入層を更に含む、請求項26の素子。
  39. 当該発光層および当該カソード層の間に電子注入層を更に含む、請求項38の素子。
  40. 当該発光層および当該電子注入層の間に正孔阻止層を更に含む、請求項39の素子。
  41. 当該発光層および当該電子注入層の間に励起子阻止層を更に含む、請求項39の素子。
  42. 当該発光層および当該正孔注入層の間に電子阻止層を更に含む、請求項40の素子。
  43. 当該発光層および当該正孔注入層の間に励起子阻止層を更に含む、請求項40の素子。
  44. 当該発光層および当該カソード層の間に電子注入層を更に含む、請求項26の素子。
  45. 当該ワイドギャップホスト材料には、当該アノード層と接触しているワイドギャップホスト材料の非ドープ領域を含む電子注入領域および当該カソード層と接触しているワイドギャップホスト材料の非ドープ領域を含む正孔注入領域が含まれる、請求項26の素子。
  46. アノード層;ワイドギャップホスト材料、電荷運搬ドーパント材料およびリン光発光材料を含み、そこでは当該ワイドギャップホスト材料中にドーパントとして当該電荷運搬ドーパント材料および当該リン光発光ドーパント材料が存在する当該アノード層上の発光層;および当該発光層上のカソード層;を含み、そこでは当該電荷運搬ドーパント材料が電子輸送材料を含み、当該リン光発光ドーパント材料が正孔輸送材料を含む、有機発光素子。
  47. 当該ワイドギャップホスト材料の最低三重項状態エネルギーレベルおよび当該電荷運搬ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルは各々当該リン光発光ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルより高い、請求項46の素子。
  48. 当該ワイドギャップホスト材料の最低三重項状態エネルギーレベルが当該電荷運搬ドーパント材料の最低三重項状態エネルギーレベルより高い、請求項47の素子。
  49. 当該ワイドギャップホスト材料が少なくとも約3.5eVのエネルギーギャップを当該HOMOおよび当該LUMOエネルギーレベルの間に有する、請求項48の素子。
  50. 当該ワイドギャップホスト材料が少なくとも約3.5eVのエネルギー差を当該HOMOおよび当該LUMOエネルギーレベルの間に有する、請求項46の素子。
  51. 当該発光層が可視スペクトルの青色領域に放射を放出する、請求項46の素子。
  52. 当該放射が約430nmから約470nmの範囲に発光ピークを有する、請求項51の素子。
  53. 当該発光ピークが約450nmである、請求項52の素子。
  54. 当該ワイドギャップホスト材料はジフェニレン、置換ジフェニレン、トリフェニレン、置換トリフェニレン、ナフタレン、置換ナフタレン、テトラフェニルブタジエンおよび置換テトラフェニルブタジエンからなる群より選択する材料を含む、請求項47の素子。
  55. 当該電荷運搬ドーパント材料はオキシジアゾール、トライゾールおよびシクロオクタテトラエンからなる群より選択される材料を含む、請求項47の素子。
  56. 当該リン光発光ドーパント材料は下記の一般式の構造を有した化合物を含み:
    Figure 2004526284
    式中Mは重遷移金属;C――Nはシクロ金属化配位子;O――Xは配位する配位子で、Xは酸素、窒素および硫黄からなる群より選択され;nは1または2およびpは0または1である、請求項47の素子。
  57. Mはイリジウム、プラチナ、オスミウムおよび金からなる群より選択される、請求項56の素子。
  58. 当該ワイドギャップホスト材料はポリスチレンを含み、当該電荷運搬ドーパント材料は下記の化学構造を有する(4−ビフェニル)(4−三級ブチルフェニル)オキシジアゾール(PDB)を含み、
    Figure 2004526284
    そして当該リン光発光ドーパント材料は下記の化学構造を有するビス(フェニルピリジン)イリジウムアセチルアセトナート(PPIr)、
    Figure 2004526284
    および下記の化学構造を有するビス(2−フェニルベンゾチアゾール)イリジウムアセチルアセトナート(BTIr)を含む、請求項47の発光層。
    Figure 2004526284
  59. 当該アノード層および当該発光層の間に正孔注入層を更に含む、請求項46の素子。
  60. 当該発光層および当該カソード層の間に電子注入層を更に含む、請求項59の素子。
  61. 当該発光層および当該電子注入層の間に正孔阻止層を更に含む、請求項60の素子。
  62. 当該発光層および当該電子注入層の間に励起子阻止層を更に含む、請求項60の素子。
  63. 当該発光層および当該正孔注入層の間に電子阻止層を更に含む、請求項61の素子。
  64. 当該発光層および当該正孔注入層の間に励起子阻止層を更に含む、請求項61の素子。
  65. 当該発光層および当該カソード層の間に電子注入層を更に含む、請求項46の素子。
  66. 当該ワイドギャップホスト材料には、当該アノード層に接触しているワイドギャップホスト材料の非ドープ化領域を含んでいる電子注入領域および当該カソード層に接触しているワイドギャップホスト材料の非ドープ化領域を含んでいる正孔注入領域が含まれる、請求項46の素子。
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