JP2004337505A - 炊飯器 - Google Patents
炊飯器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004337505A JP2004337505A JP2003140262A JP2003140262A JP2004337505A JP 2004337505 A JP2004337505 A JP 2004337505A JP 2003140262 A JP2003140262 A JP 2003140262A JP 2003140262 A JP2003140262 A JP 2003140262A JP 2004337505 A JP2004337505 A JP 2004337505A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lid
- rice cooker
- outer lid
- hook member
- main body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Cookers (AREA)
Abstract
【課題】炊飯器本体の後端部に外蓋が揺動自在に設けられ、この外蓋の内側に内蓋が着脱自在に取り付けられている炊飯器において、目視でもって容易に内蓋が未装着状態にあるか否かを確認できるようにして、内蓋の装着忘れを防止するとともに、器内を常に清潔に保つことができるようにする。
【解決手段】本発明の炊飯器は、内蓋14が外蓋13に取り付けられた状態では外蓋13を内蓋14と共に炊飯器本体2に対して全閉状態に係止し、内蓋14が外蓋13から取り外された状態では外蓋13を炊飯器本体2に対して半開き状態に係止する蓋係止状態切換手段26を備えている。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明の炊飯器は、内蓋14が外蓋13に取り付けられた状態では外蓋13を内蓋14と共に炊飯器本体2に対して全閉状態に係止し、内蓋14が外蓋13から取り外された状態では外蓋13を炊飯器本体2に対して半開き状態に係止する蓋係止状態切換手段26を備えている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気炊飯器や炊飯ジャーなどの炊飯器に係り、特には、炊飯器本体の上部開口を覆う外蓋の下面側に内蓋が着脱自在に取り付けられている構造を有する炊飯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の炊飯器としては、たとえば図11に示す構成のものが提供されている(たとえば、特許文献1,2等参照)。この炊飯器は、内鍋101を収納する炊飯器本体102と、この炊飯器本体102の上部開口を覆う蓋体103とを備える。蓋体103は外蓋104と内蓋105とからなり、外蓋104は炊飯器本体102の後端部においてヒンジ106により回動自在に取り付けられるとともに、図示しないコイルバネによって開方向に常時付勢されている。また、内蓋105は、炊飯時に発生する御粘などが付着するので、手入れの容易なように外蓋104の内側に着脱自在に取り付けられている。さらに、炊飯時には蓋体103を炊飯器本体102に確実にロックするためのロック機構110が設けられている。
【0003】
上記のロック機構110は、炊飯器本体102の前方側上部に設けられた蓋開閉レバー111と、外蓋104の前端部に設けられた蓋フック112とを備え、外蓋104と蓋フック112との間には図示しない圧縮バネが介在されている。そして、内蓋105が外蓋104に装着されたときには蓋フック112が圧縮バネのバネ力に抗して外蓋104の外周部から外方に突出する一方、内蓋105が外蓋104に装着されないときには蓋フック112が圧縮バネのバネ力によって外蓋104の外周部よりも内方に後退するように構成されている。
【0004】
したがって、このような従来の炊飯器にあっては、内蓋105を外蓋104に装着した状態では蓋フック112が外蓋104よりも外方に突出しているので、蓋体103を閉じると蓋フック112が蓋開閉レバー111と係合して蓋体103が炊飯器本体102に係止される。一方、内蓋105を外蓋104から取り外しているときには、蓋フック112が外蓋104よりも内方に後退しているため、外蓋104を閉じても蓋フック112は蓋開閉レバー111と係合しないため外蓋104は全開状態になる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−95580号公報(第1−3頁、図1−図5)
【特許文献2】
特開2003−38343号公報(第1−4頁、図1−図7)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の炊飯器においては、内蓋105を外蓋104から取り外しているときには、常に外蓋104が全開状態になるため、内蓋105を外蓋104に装着するのを忘失したまま炊飯を開始するなどの不具合を防止できるという利点があるものの、次の点で未だ改善の余地がある。
【0007】
▲1▼ 内蓋105の手入れのために外蓋104から取り外しているときには、外蓋104が常に全開状態になるため、その間に内鍋101や炊飯器本体102内にゴミや塵等が侵入して不潔になり易い。
▲2▼ また、外蓋104が大きく開いていると、炊飯器の占有空間が大きくなるために、その周囲で調理などをする際に邪魔になり易く、また、見栄えも悪い。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、内蓋を外蓋から取り外しているとにきは、目視でもって容易に内蓋が未装着状態にあることを確認できるようにして内蓋の装着忘れを防止できるようにするとともに、内鍋や炊飯器本体の内部を常に清潔に保つことができる炊飯器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、内鍋を収納する炊飯器本体と、この炊飯器本体の上部開口を覆う蓋体とを含み、蓋体は炊飯器本体の後端部に回動自在に取り付けられて開方向に常時付勢されている外蓋と、この外蓋の内側に着脱自在に取り付けられた内蓋とを有する炊飯器において、次の構成を採用している。
【0010】
すなわち、本発明に係る炊飯器は、前記内蓋が外蓋に取り付けられた状態では前記外蓋を内蓋と共に前記炊飯器本体に対して全閉状態に係止し、前記内蓋が外蓋から取り外された状態では外蓋を前記炊飯器本体に対して半開き状態に係止する蓋係止状態切換手段を備えることを特徴としている。
【0011】
これにより、内蓋を外蓋に装着すれば炊飯器本体に対して蓋体を全閉状態に保持できるため、炊飯することができる。一方、内蓋を外蓋に装着していない状態では、炊飯器本体に対して外蓋を半開きの状態に保持できるため、目視でもって容易に内蓋が未装着状態にあることを確認することができ、内蓋の装着忘れを防止することができる。また、内蓋の未装着状態では外蓋は半開き状態に保持されるため、内鍋や炊飯器本体内にゴミや塵等が侵入し難く、したがって器内を常に清潔に保つことができる。さらに、外蓋が大きく開かないので炊飯器の占有空間は小さくて済み、調理の際に邪魔にならず、見栄えも良い。
【0012】
前記蓋係止状態切換手段としては、請求項2に記載するように、炊飯器本体の前方側上部に揺動可能に設けられた蓋開閉レバーと、前記外蓋の前端部から延設されて前記蓋開閉レバーに係合する蓋フック部と、この蓋フック部の上下方向の途中位置に形成された挿入孔と、前記内蓋の前端部に設けられて内蓋の外蓋への装着に応じて前記挿入孔を通じて前方に突出して前記蓋開閉レバーに係合するラッチ片と、を備えて構成することができる。これにより、炊飯器本体の前方側上部に蓋開閉ボタンを設けた構成の炊飯器に対して本発明を適用することが可能になる。
【0013】
また、この場合において、内蓋の前端部にラッチ片ホルダを固定し、このラッチ片ホルダに前記ラッチ片を摺動自在に設けるとともに、前記ラッチ片とラッチ片ホルダとの間に復帰バネを介在させた構成とすることができる。これにより、内蓋を外蓋に対して着脱する際にラッチ片も蓋フック部の挿入孔に対して容易に係脱することができるため、内蓋の着脱が容易に行える。
【0014】
さらに、前記蓋係止状態切換手段としては、請求項4に記載するように、炊飯器本体の前方側上部に揺動可能に設けられた蓋開閉レバーと、外蓋の前方内面側に上下動可能に設けられて前記蓋開閉レバーに係合する蓋フック部材と、前記外蓋と蓋フック部材との間に介在されて前記蓋フック部材を下に向けて付勢する圧縮バネとを備え、かつ、前記内蓋の外蓋への装着に応じて前記蓋フック部材が内蓋によって圧縮バネの力に抗して外蓋側に押圧されるように構成することができる。これにより、炊飯器本体の前方側上部に蓋開閉ボタンを設けた構成の炊飯器に対して本発明を適用することが可能になるとともに、内蓋の構成を何ら変更せずに、外蓋側の構造を一部変更するだけで蓋係止状態切換手段を構成することができるため、設計変更が容易でコスト削減を図ることができる。
【0015】
また、この場合において、前記炊飯器本体および前記蓋開閉レバーの上面が共に面一になるように形成することが可能で、これにより、炊飯器本体の周囲部分が平坦面になって炊飯器の手入れが容易になる。
【0016】
さらにまた、前記蓋係止状態切換手段としては、請求項6に記載するように、外蓋の前方側上部に上下動可能に設けられた蓋開閉ボタンと、外蓋に揺動可能かつ上下移動可能に設けられて前記蓋開閉ボタンの操作に応じて前記炊飯器本体に係脱される蓋フック部材と、前記外蓋と蓋フック部材との間に介在されて前記蓋フック部材を下に向けて付勢する圧縮バネとを備え、かつ、前記内蓋の外蓋への装着に応じて前記蓋フック部材が内蓋によって前記圧縮バネの力に抗して外蓋側に押圧されるように構成することができる。これにより、外蓋の前方側上部に蓋開閉ボタンを設けた構成の炊飯器に対しても、本発明を適用することが可能になる。
【0017】
また、この場合において、前記蓋フック部材には支軸を取り付ける一方、前記外蓋には上下方向に沿った長穴が形成されたガイド部材を固定し、このガイド部材の前記長穴に前記支軸を嵌合した構成とすることができる。これにより、蓋開閉ボタンの操作による蓋体の開閉機能を何ら損なうことなく、内蓋を取り外した状態では外蓋を炊飯器本体に対して半開き状態に保持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1における電気炊飯器の全体を示す一部切欠側面図、図2は同炊飯器において蓋を閉じた状態を示す側面図である。また、図3は図2の状態における同炊飯器の要部を示す縦断面図、図4は同炊飯器において蓋が半開きの状態を示す側面図、図5は図4の状態における同炊飯器の要部を示す縦断面図である。
【0019】
この実施の形態1における電気炊飯器は、内鍋1を収納する炊飯器本体2と、この炊飯器本体2の上部開口を覆う蓋体3とを備える。なお、4は炊飯器本体2に設けられた把手である。
【0020】
炊飯器本体2は、内鍋1が着脱自在に装着される内ケース7と、この内ケース7の外側において内ケース7との間に所定の空間部を存して配置された外ケース8とを備えている。そして、内ケース7の外側には内鍋1加熱用の図示しない誘導コイルが配設されるとともに、内ケース7の上端部を外囲する状態でヒータリング9が配置され、このヒータリング9内に肩ヒータ10が設けられている。
【0021】
一方、蓋体3は外蓋13と内蓋14とからなる。外蓋13は炊飯器本体2の後端部において支軸15を有するヒンジ部16を介して回動自在に取り付けられるとともに、支軸15に巻回されたコイルバネ17によって開方向に常時付勢されている。また、内蓋14は、炊飯時に発生する御粘などが付着するため、手入れの容易なように外蓋13の内側に着脱自在に設けられている。
【0022】
すなわち、内蓋14は、アルミ等からなる金属製の放熱板20を有し、この放熱板20の中央部に蒸気逃し穴20aが形成されるとともに、蒸気逃し穴20aを外囲して蒸気逃しリング21が固定されている。そして、この蒸気逃しリング21を外蓋13に設けられた蒸気逃し弁22の外周に差し込み嵌合することで内蓋14が外蓋13に着脱自在に取り付けられる。また、放熱板20の外周部にはフランジ部20bが形成され、このフランジ部20bに蓋パッキン23が装着されている。このため、蓋体3を閉じたときには蓋パッキン23が内鍋1の上端のつば部1aに当接する。なお、24,25は内蓋14から外蓋13へと蒸気が漏れるを防ぐためのシール部である。
【0023】
この実施の形態1における電気炊飯器の特徴は、内蓋14が外蓋13に取り付けられた状態では外蓋13を内蓋14と共に炊飯器本体2に対して全閉状態に係止し、内蓋14が外蓋13から取り外された状態では外蓋13を炊飯器本体2に対して半開き状態に係止する蓋係止状態切換手段26を備えていることである。
【0024】
すなわち、この実施の形態1における蓋係止状態切換手段26は、炊飯器本体2の前方側上部に設けられた蓋開閉レバー27、外蓋13の前端部から下方に向けて一体に延設された蓋フック部13a、および内蓋14を構成する放熱板20の前端部に設けられたラッチ片28を主体に構成されている。
【0025】
上記の蓋開閉レバー27は、外ケース8に取り付けられ支軸29によって揺動可能に支持されるとともに、この支軸29に巻回されたバネ30によって外蓋13側に向かうように常時付勢されており、この蓋開閉レバー27の後方側端部には保持爪27aが下方斜めに向けて屈曲形成されている。また、外蓋13の前端部に設けられた蓋フック部13aは、その下側先端部分に蓋開閉レバー27の保持爪27aに係合する鉤形の係合爪13bを有し、さらに、蓋フック部13aの上下方向の途中位置にはラッチ片28の挿入孔13cが形成されている。
【0026】
一方、放熱板20のフランジ部20bの前端部分にはラッチ片ホルダ33がビス34でかしめ止めされている。また、上記のラッチ片28は、挿入孔13cを通して前方側に突出する突出部28a、外蓋13前端の挿入孔13cの周壁に当接するストッパ部28b、およびストッパ部28bよりも後方側に位置する支持部28cとからなる。そして、ラッチ片ホルダ33に形成された凹所33aにラッチ片28の支持部28cが摺動自在に嵌合されるとともに、この支持部28cと凹所33aとの間に復帰バネ35が介在されている。
【0027】
これにより、内蓋14を外蓋13に装着した状態では、ラッチ片28の突出部28aが挿入孔13cを通して蓋開閉レバー27の保持爪27aに係合し、また、内蓋14を取り外すときには、突出部28aを復帰バネ35のバネ力に抗して後方に押し込むことでラッチ片28が挿入孔13cから外れる。このように、内蓋14を外蓋13に対して着脱する際、ラッチ片28を蓋フック部13aに形成されている挿入孔13cに対して容易に係脱できるので、内蓋14の着脱が容易になる。
【0028】
ここで、内蓋14を外蓋13に装着した状態では、図2および図3に示すように、ラッチ片28の突出部28aが復帰バネ35のバネ力によって挿入孔13cを通じて前方に突出している。このため、外蓋13を閉じてから手を離すと、このラッチ片28の突出部28aが蓋開閉レバー27の保持爪27aによって係止されるので、外蓋13は内蓋14と共に全閉状態に保持される。その際、内蓋14の蓋パッキン23が内鍋1の上端のつば部1aに当接して内鍋1内が閉鎖されるため炊飯を行うことができる。なお、図2および図3に示した状態において、蓋開閉レバー27を操作してラッチ片28の突出部28aとの係合を解除すれば、外蓋13は内蓋14と共にヒンジ部16に設けられたコイルバネ17のバネ力によって全開される。
【0029】
一方、内蓋14を外蓋13から取り外している状態では、図4および図5に示すように、外蓋13を一旦閉じてから手を離すと、外蓋13の蓋フック部13a先端にある係合爪13bが蓋開閉レバー27の保持爪27aによって係止されるため、外蓋13が炊飯器本体2に対して一定角度θ1だけ開いた半開きの状態に保持される。
【0030】
したがって、目視でもって容易に内蓋14が未装着状態にあることを確認することができ、内蓋14の装着忘れを防止することができる。また、その際、内鍋1や炊飯器本体2内にゴミや塵等が侵入し難く、器内を常に清潔に保つことができる。さらに、外蓋13が大きく開かないので炊飯器の占有空間は小さくて済み、調理の際に邪魔にならず、見栄えも良い。なお、図4および図5に示した状態において、蓋開閉レバー27を操作して蓋フック部13aの係合爪13bとの係合を解除すれば、外蓋13はヒンジ部16に設けたコイルバネ17のバネ力によって全開される。
【0031】
[実施の形態2]
図6は本発明の実施の形態2における電気炊飯器において蓋が全閉状態にあるときの要部を示す縦断面図、図7は同炊飯器において蓋が半開きの状態にあるときの要部を示す縦断面図であり、図1ないし図5に示した実施の形態1と対応する構成部分には同一の符号を付す。
【0032】
この実施の形態2においても、実施の形態1の場合と同様に、蓋係止状態切換手段38を備えているが、その構成が実施の形態1の場合と異なっている。
【0033】
すなわち、この実施の形態2における蓋係止状態切換手段38は、炊飯器本体2の前方側上部に設けられた蓋開閉レバー27、外蓋13の前方内面側において上下動可能に設けられた蓋フック部材39、および外蓋13の内面部と蓋フック部材39との間に介在されて蓋フック部材39を下に向けて付勢する圧縮バネ40を主体に構成されている。
【0034】
上記の蓋開閉レバー27は、実施の形態1の場合と同様、外ケース8に取り付けられ支軸29によって揺動可能に支持されるとともに、この支軸29に巻回されたバネ30によって外蓋13側に向かうように常時付勢されており、この蓋開閉レバー27の後方側端部には保持爪27aが形成されている。
【0035】
一方、上記の蓋フック部材39は、水平配置された内蓋当接部39aと、この内蓋当接部39aと直交するアーム部39bとで逆L字形に一体形成されており、内蓋当接部39aの上面と外蓋13の前方内面との間に前述の圧縮バネ40が介在されている。また、アーム部39bは外蓋13に形成された挿通孔13dを通じて下方に突出しており、その突出部分の下端に蓋開閉レバー27の保持爪27aと係合する鉤形の係合爪39cが形成されている。そして、内蓋14を外蓋13に装着したときには、これに応じて蓋フック部材39の内蓋当接部39aが内蓋14を構成する放熱板20のフランジ部20bによって圧縮バネ40の力に抗して外蓋13側に押圧されるようになっている。
【0036】
また、この実施の形態2では、炊飯器本体2の外ケース8と内ケース7、および蓋開閉レバー27の各々の上面が共に面一になるように形成されており、これによって、炊飯器の手入れを容易に行えるように構成されている。
【0037】
さらに、この実施の形態2では、実施の形態1の場合と比較すると、蓋係止状態切換手段38を構成するためには、内蓋14は従来品の構造を変更せずに、外蓋13に対してのみ蓋フック部材39や圧縮バネ40を設けるだけでよいので、設計変更が容易でコスト削減を図ることができる。
【0038】
その他の構成は、実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0039】
ここで、内蓋14を外蓋13に装着した状態では、図6に示すように、蓋フック部材39の内蓋当接部39aが放熱板20のフランジ部20bによって外蓋13側に向けて押圧されているため、圧縮バネ40は縮んだ状態に保持される。このため、蓋フック部材39の係合爪39cは外蓋13の下面に対して近接した位置にある。ここで、外蓋13を閉じてから手を離すと、この蓋フック部材39の係合爪39cが蓋開閉レバー27の保持爪27aによって係止され、外蓋13は内蓋14と共に全閉状態に保持される。その際、放熱板20に取り付けられた蓋パッキン23が内鍋1の上端のつば部1aに当接して内鍋1内が閉鎖されるため炊飯を行うことができる。なお、図6に示した状態で蓋開閉レバー27を操作して蓋フック部材39の係合爪39cとの係合を解除すれば、外蓋13は内蓋14と共にヒンジ部16に設けられたコイルバネ17のバネ力によって全開される。
【0040】
一方、内蓋14を外蓋13から取り外している状態では、図7に示すように、蓋フック部材39の内蓋当接部39aは放熱板20のフランジ部20bによって押圧されていないので、圧縮バネ40は下方に向けて伸長し、その結果、蓋フック部材39の係合爪39cは外蓋13の下面に対して所定距離L2だけ離間した位置にある。したがって、外蓋13を一旦閉じてから手を離すと、蓋フック部材39の係合爪39cが蓋開閉レバー27の保持爪27aによって係止されるため、外蓋13が炊飯器本体2に対して半開きの状態に保持される。
【0041】
したがって、目視でもって容易に内蓋14が未装着状態にあることを確認することができ、内蓋14の装着忘れを防止することができる。また、その際、内鍋1や炊飯器本体2内にゴミや塵等が侵入し難く、器内を常に清潔に保つことができる。さらに、外蓋13が大きく開かないので炊飯器の占有空間は小さくて済み、調理の際に邪魔にならず、見栄えも良い。なお、図7に示した状態で蓋開閉レバー27を操作して蓋フック部材39の係合爪39cとの係合を解除すれば、外蓋13は内蓋14と共にヒンジ部16に設けられたコイルバネ17のバネ力によって全開される。
【0042】
[実施の形態3]
図8は本発明の実施の形態3における電気炊飯器において蓋が全閉状態にあるときの要部を示す縦断面図、図9は同炊飯器において蓋が半開きの状態にあるときの要部を示す縦断面図であり、図1ないし図5に示した実施の形態1と対応する構成部分には同一の符号を付す。
【0043】
この実施の形態3においても、実施の形態1,2の場合と同様に、蓋係止状態切換手段42を備えているが、その構成が実施の形態1,2の場合と異なっている。
【0044】
すなわち、この実施の形態3における蓋係止状態切換手段42は、外蓋13の前方側上部に設けられた蓋開閉ボタン43、外蓋13の前方内面側において上下動可能かつ揺動可能に設けられた蓋フック部材44、蓋フック部材44を下に向けて付勢する圧縮バネ45、および蓋フック部材44の動きを規制するガイド部材49を主体に構成されている。
【0045】
上記の蓋開閉ボタン43は、押圧操作される操作部43aとこの操作部43aから下方に延出された足部43bとが一体形成されてなる。そして、蓋開閉ボタン43の操作部43aが外蓋13の前方側上部に形成された凹部13eに嵌合され、また、足部43bが凹部13eの底部に形成されたガイド孔13fを貫通して下方に突出している。さらに、凹部13eの内底面と蓋開閉ボタン43の操作部43aとの間には復帰バネ46が介在されている。
【0046】
上記のガイド部材49は、外蓋13の内面部に左右一対配設されており、各ガイド部材49には上下方向に沿った長穴49aが形成されている。また、蓋フック部材44は、平板状のレバー部44aと、このレバー部44aと直交するアーム部44bとで逆L字形に一体形成されており、レバー部44aの上面と外蓋13の凹部13eの底部との間に前述の圧縮バネ45が介在されている。また、アーム部44bの下端には炊飯器本体2の外ケース8の上端部に設けられた係合突起8aと係合する鉤形の係合爪44cが形成されている。さらに、蓋フック部材44のレバー部44aには支持ピン50が一体に取り付けられており、この支持ピン50が左右に配置されたガイド部材49の長穴49aに挿通されている。そして、内蓋14を外蓋13に装着したときには、これに応じて蓋フック部材44のレバー部44aが内蓋14を構成する放熱板20のフランジ部20bによって圧縮バネ45の力に抗して外蓋13側に押圧されて蓋開閉ボタン43の足部43bに当接するようになっている。
【0047】
その他の構成は、実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0048】
ここで、内蓋14を外蓋13に装着した状態では、図8に示すように、蓋フック部材44のレバー部44aが放熱板20のフランジ部20bによって外蓋13側に押圧されているため、圧縮バネ45は縮んだ状態に保持されている。このため、蓋フック部材39の係合爪39cは外蓋13の下面に対して近接した位置にある。したがって、外蓋13を閉じてから手を離すと、蓋フック部材44の係合爪44cが外ケース8の係合突起8aによって係止されるため、外蓋13は内蓋14と共に全閉状態に保持される。その際、放熱板20に取り付けられた蓋パッキン23が内鍋1の上端のつば部1aに当接して内鍋1内が閉鎖されるため炊飯を行うことができる。
【0049】
なお、図6に示した状態において、蓋開閉ボタン43を下方に押すと、その足部43bが蓋フック部材44のレバー部44aを押圧し、これに伴って放熱板20および蓋パッキン23が僅かに撓んで変形するため、蓋フック部材44が支持ピン50を中心にして回動し、蓋フック部材44の係合爪44cと外ケース8の係合突起8aとの係合が解除される。その結果、外蓋13は内蓋14と共にヒンジ部16に設けられたコイルバネ17のバネ力によって全開される。
【0050】
一方、内蓋14を外蓋13から取り外している状態では、図9に示すように、蓋フック部材44のレバー部44aは放熱板20のフランジ部20bによって押圧されていないので、圧縮バネ45は伸長し、その結果、蓋フック部材44は、支持ピン50がガイド部材49の長穴49aに沿った状態で下方に向けて所定距離L3だけ移動する。そして、外蓋13を一旦閉じてから手を離すと、蓋フック部材44の係合爪44cが外ケース8の係合突起8aによって係止されるため、外蓋13が炊飯器本体2に対して半開きの状態に保持される。
【0051】
したがって、目視でもって容易に内蓋14が未装着状態にあることを確認することができ、内蓋14の装着忘れを防止することができる。また、その際、内鍋1や炊飯器本体2内にゴミや塵等が侵入し難く、器内を常に清潔に保つことができる。さらに、外蓋13が大きく開かないので炊飯器の占有空間は小さくて済み、調理の際に邪魔になることがなく、見栄えも良い。
【0052】
なお、図9に示す状態において、蓋開閉ボタン43を下方に押すと、復帰バネ46が縮んで足部43bが蓋フック部材44のレバー部44aの上面を押圧するので、蓋フック部材44が支持ピン50を中心にして回動する結果、蓋フック部材44の係合爪44cと外ケース8の係合突起8aとの係合が解除される。このため、外蓋13は、ヒンジ部16に設けられたコイルバネ17のバネ力によって全開される。
【0053】
なお、上記の実施の形態1〜3においては、内蓋14は、その蒸気逃しリング21を外蓋13の蒸気逃し弁22の外周に差し込み嵌合することで外蓋13に一体的に固定されるようにしているが、図10に示すように、内蓋14の後端部に係止片52をそれぞれ突設し、その係止片52を外蓋13に設けた図示しない保持穴に差し込んで固定する構造のものにも本発明を適用することができる。また、本発明を電気炊飯器に適用した場合について説明したが、これに限らず炊飯ジャーにも適用できるのは勿論である。
【0054】
さらに、本発明の各蓋係止状態切換手段26,38,42は、上記の実施の形態1〜3で示した構成のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して実施することができるのは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係る炊飯器は、内蓋を外蓋に装着すれば炊飯器本体に対して蓋体を全閉状態にできるため、炊飯を行うことができる。一方、内蓋を外蓋に装着していない状態では炊飯器本体に対して外蓋を半開きの状態に保持できるため、目視でもって容易に内蓋が未装着状態にあることを確認することができ、内蓋の装着忘れを防止することができる。また、内蓋の未装着状態では外蓋を半開き状態に保持できるため、内鍋や炊飯器本体内にゴミや塵等が侵入し難く、したがって器内を常に清潔に保つことができる。さらに、外蓋が大きく開かないので炊飯器の占有空間は小さくて済み、調理の際に邪魔にならず、見栄えも良い。
【0056】
特に、請求項2記載の発明に係る構成にすると、炊飯器本体の前方側上部に蓋開閉ボタンを設けた構成の場合にも本発明を適用することが可能になる。この場合、さらに請求項3記載の構成を採用すれば、内蓋を外蓋に対して着脱する際にラッチ片も蓋フック部の挿入孔に対して容易に係脱できるため、内蓋の着脱が容易になる。
【0057】
また、請求項4記載の発明に係る構成にすると、請求項2記載の発明と同様に炊飯器本体の前方側上部に蓋開閉ボタンを設けた構成の炊飯器に対して本発明を適用できるだけでなく、内蓋の構成を何ら変更せずに、外蓋側の構造を一部変更するだけで蓋係止状態切換手段を構成することができるため、設計変更が容易でコスト削減を図ることができる。この場合、さらに請求項5記載の構成を採用すれば、炊飯器本体の周囲部分が平坦面になるため、炊飯器の手入れを容易に行うことができる。
【0058】
さらにまた、請求項6記載の発明に係る構成にすると、外蓋の前方側上部に蓋開閉ボタンを設けた構成の炊飯器に対しても、本発明を適用することが可能になる。この場合、さらに請求項7記載の構成を採用すれば、蓋開閉ボタンの操作による蓋体の開閉機能を何ら損なうことなく、内蓋を取り外した状態では外蓋を炊飯器本体に対して半開き状態に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における電気炊飯器の全体を示す一部切欠側面図である。
【図2】同炊飯器において蓋が全閉状態にあるときの側面図である。
【図3】図2の状態における同炊飯器の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図4】同炊飯器において蓋が半開きの状態を示す側面図である。
【図5】図4の状態における同炊飯器の要部を示す縦断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2における電気炊飯器において蓋が全閉状態にあるときの要部を示す縦断面図である。
【図7】同炊飯器において蓋が半開きの状態にあるときの要部を示す縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3における電気炊飯器において蓋が全閉状態にあるときの要部を示す縦断面図である。
【図9】同炊飯器において蓋が半開きの状態にあるときの要部を示す縦断面図である。
【図10】本発明の変形例に係る内蓋の斜視図である。
【図11】従来の電気炊飯器の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1…内鍋、2…炊飯器本体、7…内ケース、8…外ケース、13…外蓋、13a…蓋フック部、13c…挿入孔、14…内蓋、16…ヒンジ部、20…放熱板、26…蓋係止状態切換手段、27…蓋開閉レバー、28…ラッチ片、38…蓋係止状態切換手段、33…ラッチ片ホルダ、35…復帰バネ、39…蓋フック部材、40…圧縮バネ、42…蓋係止状態切換手段、43…蓋開閉ボタン、44…蓋フック部材、45…圧縮バネ、49…ガイド部材、49a…長穴、50…支持ピン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気炊飯器や炊飯ジャーなどの炊飯器に係り、特には、炊飯器本体の上部開口を覆う外蓋の下面側に内蓋が着脱自在に取り付けられている構造を有する炊飯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の炊飯器としては、たとえば図11に示す構成のものが提供されている(たとえば、特許文献1,2等参照)。この炊飯器は、内鍋101を収納する炊飯器本体102と、この炊飯器本体102の上部開口を覆う蓋体103とを備える。蓋体103は外蓋104と内蓋105とからなり、外蓋104は炊飯器本体102の後端部においてヒンジ106により回動自在に取り付けられるとともに、図示しないコイルバネによって開方向に常時付勢されている。また、内蓋105は、炊飯時に発生する御粘などが付着するので、手入れの容易なように外蓋104の内側に着脱自在に取り付けられている。さらに、炊飯時には蓋体103を炊飯器本体102に確実にロックするためのロック機構110が設けられている。
【0003】
上記のロック機構110は、炊飯器本体102の前方側上部に設けられた蓋開閉レバー111と、外蓋104の前端部に設けられた蓋フック112とを備え、外蓋104と蓋フック112との間には図示しない圧縮バネが介在されている。そして、内蓋105が外蓋104に装着されたときには蓋フック112が圧縮バネのバネ力に抗して外蓋104の外周部から外方に突出する一方、内蓋105が外蓋104に装着されないときには蓋フック112が圧縮バネのバネ力によって外蓋104の外周部よりも内方に後退するように構成されている。
【0004】
したがって、このような従来の炊飯器にあっては、内蓋105を外蓋104に装着した状態では蓋フック112が外蓋104よりも外方に突出しているので、蓋体103を閉じると蓋フック112が蓋開閉レバー111と係合して蓋体103が炊飯器本体102に係止される。一方、内蓋105を外蓋104から取り外しているときには、蓋フック112が外蓋104よりも内方に後退しているため、外蓋104を閉じても蓋フック112は蓋開閉レバー111と係合しないため外蓋104は全開状態になる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−95580号公報(第1−3頁、図1−図5)
【特許文献2】
特開2003−38343号公報(第1−4頁、図1−図7)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の炊飯器においては、内蓋105を外蓋104から取り外しているときには、常に外蓋104が全開状態になるため、内蓋105を外蓋104に装着するのを忘失したまま炊飯を開始するなどの不具合を防止できるという利点があるものの、次の点で未だ改善の余地がある。
【0007】
▲1▼ 内蓋105の手入れのために外蓋104から取り外しているときには、外蓋104が常に全開状態になるため、その間に内鍋101や炊飯器本体102内にゴミや塵等が侵入して不潔になり易い。
▲2▼ また、外蓋104が大きく開いていると、炊飯器の占有空間が大きくなるために、その周囲で調理などをする際に邪魔になり易く、また、見栄えも悪い。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、内蓋を外蓋から取り外しているとにきは、目視でもって容易に内蓋が未装着状態にあることを確認できるようにして内蓋の装着忘れを防止できるようにするとともに、内鍋や炊飯器本体の内部を常に清潔に保つことができる炊飯器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために、内鍋を収納する炊飯器本体と、この炊飯器本体の上部開口を覆う蓋体とを含み、蓋体は炊飯器本体の後端部に回動自在に取り付けられて開方向に常時付勢されている外蓋と、この外蓋の内側に着脱自在に取り付けられた内蓋とを有する炊飯器において、次の構成を採用している。
【0010】
すなわち、本発明に係る炊飯器は、前記内蓋が外蓋に取り付けられた状態では前記外蓋を内蓋と共に前記炊飯器本体に対して全閉状態に係止し、前記内蓋が外蓋から取り外された状態では外蓋を前記炊飯器本体に対して半開き状態に係止する蓋係止状態切換手段を備えることを特徴としている。
【0011】
これにより、内蓋を外蓋に装着すれば炊飯器本体に対して蓋体を全閉状態に保持できるため、炊飯することができる。一方、内蓋を外蓋に装着していない状態では、炊飯器本体に対して外蓋を半開きの状態に保持できるため、目視でもって容易に内蓋が未装着状態にあることを確認することができ、内蓋の装着忘れを防止することができる。また、内蓋の未装着状態では外蓋は半開き状態に保持されるため、内鍋や炊飯器本体内にゴミや塵等が侵入し難く、したがって器内を常に清潔に保つことができる。さらに、外蓋が大きく開かないので炊飯器の占有空間は小さくて済み、調理の際に邪魔にならず、見栄えも良い。
【0012】
前記蓋係止状態切換手段としては、請求項2に記載するように、炊飯器本体の前方側上部に揺動可能に設けられた蓋開閉レバーと、前記外蓋の前端部から延設されて前記蓋開閉レバーに係合する蓋フック部と、この蓋フック部の上下方向の途中位置に形成された挿入孔と、前記内蓋の前端部に設けられて内蓋の外蓋への装着に応じて前記挿入孔を通じて前方に突出して前記蓋開閉レバーに係合するラッチ片と、を備えて構成することができる。これにより、炊飯器本体の前方側上部に蓋開閉ボタンを設けた構成の炊飯器に対して本発明を適用することが可能になる。
【0013】
また、この場合において、内蓋の前端部にラッチ片ホルダを固定し、このラッチ片ホルダに前記ラッチ片を摺動自在に設けるとともに、前記ラッチ片とラッチ片ホルダとの間に復帰バネを介在させた構成とすることができる。これにより、内蓋を外蓋に対して着脱する際にラッチ片も蓋フック部の挿入孔に対して容易に係脱することができるため、内蓋の着脱が容易に行える。
【0014】
さらに、前記蓋係止状態切換手段としては、請求項4に記載するように、炊飯器本体の前方側上部に揺動可能に設けられた蓋開閉レバーと、外蓋の前方内面側に上下動可能に設けられて前記蓋開閉レバーに係合する蓋フック部材と、前記外蓋と蓋フック部材との間に介在されて前記蓋フック部材を下に向けて付勢する圧縮バネとを備え、かつ、前記内蓋の外蓋への装着に応じて前記蓋フック部材が内蓋によって圧縮バネの力に抗して外蓋側に押圧されるように構成することができる。これにより、炊飯器本体の前方側上部に蓋開閉ボタンを設けた構成の炊飯器に対して本発明を適用することが可能になるとともに、内蓋の構成を何ら変更せずに、外蓋側の構造を一部変更するだけで蓋係止状態切換手段を構成することができるため、設計変更が容易でコスト削減を図ることができる。
【0015】
また、この場合において、前記炊飯器本体および前記蓋開閉レバーの上面が共に面一になるように形成することが可能で、これにより、炊飯器本体の周囲部分が平坦面になって炊飯器の手入れが容易になる。
【0016】
さらにまた、前記蓋係止状態切換手段としては、請求項6に記載するように、外蓋の前方側上部に上下動可能に設けられた蓋開閉ボタンと、外蓋に揺動可能かつ上下移動可能に設けられて前記蓋開閉ボタンの操作に応じて前記炊飯器本体に係脱される蓋フック部材と、前記外蓋と蓋フック部材との間に介在されて前記蓋フック部材を下に向けて付勢する圧縮バネとを備え、かつ、前記内蓋の外蓋への装着に応じて前記蓋フック部材が内蓋によって前記圧縮バネの力に抗して外蓋側に押圧されるように構成することができる。これにより、外蓋の前方側上部に蓋開閉ボタンを設けた構成の炊飯器に対しても、本発明を適用することが可能になる。
【0017】
また、この場合において、前記蓋フック部材には支軸を取り付ける一方、前記外蓋には上下方向に沿った長穴が形成されたガイド部材を固定し、このガイド部材の前記長穴に前記支軸を嵌合した構成とすることができる。これにより、蓋開閉ボタンの操作による蓋体の開閉機能を何ら損なうことなく、内蓋を取り外した状態では外蓋を炊飯器本体に対して半開き状態に保持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1における電気炊飯器の全体を示す一部切欠側面図、図2は同炊飯器において蓋を閉じた状態を示す側面図である。また、図3は図2の状態における同炊飯器の要部を示す縦断面図、図4は同炊飯器において蓋が半開きの状態を示す側面図、図5は図4の状態における同炊飯器の要部を示す縦断面図である。
【0019】
この実施の形態1における電気炊飯器は、内鍋1を収納する炊飯器本体2と、この炊飯器本体2の上部開口を覆う蓋体3とを備える。なお、4は炊飯器本体2に設けられた把手である。
【0020】
炊飯器本体2は、内鍋1が着脱自在に装着される内ケース7と、この内ケース7の外側において内ケース7との間に所定の空間部を存して配置された外ケース8とを備えている。そして、内ケース7の外側には内鍋1加熱用の図示しない誘導コイルが配設されるとともに、内ケース7の上端部を外囲する状態でヒータリング9が配置され、このヒータリング9内に肩ヒータ10が設けられている。
【0021】
一方、蓋体3は外蓋13と内蓋14とからなる。外蓋13は炊飯器本体2の後端部において支軸15を有するヒンジ部16を介して回動自在に取り付けられるとともに、支軸15に巻回されたコイルバネ17によって開方向に常時付勢されている。また、内蓋14は、炊飯時に発生する御粘などが付着するため、手入れの容易なように外蓋13の内側に着脱自在に設けられている。
【0022】
すなわち、内蓋14は、アルミ等からなる金属製の放熱板20を有し、この放熱板20の中央部に蒸気逃し穴20aが形成されるとともに、蒸気逃し穴20aを外囲して蒸気逃しリング21が固定されている。そして、この蒸気逃しリング21を外蓋13に設けられた蒸気逃し弁22の外周に差し込み嵌合することで内蓋14が外蓋13に着脱自在に取り付けられる。また、放熱板20の外周部にはフランジ部20bが形成され、このフランジ部20bに蓋パッキン23が装着されている。このため、蓋体3を閉じたときには蓋パッキン23が内鍋1の上端のつば部1aに当接する。なお、24,25は内蓋14から外蓋13へと蒸気が漏れるを防ぐためのシール部である。
【0023】
この実施の形態1における電気炊飯器の特徴は、内蓋14が外蓋13に取り付けられた状態では外蓋13を内蓋14と共に炊飯器本体2に対して全閉状態に係止し、内蓋14が外蓋13から取り外された状態では外蓋13を炊飯器本体2に対して半開き状態に係止する蓋係止状態切換手段26を備えていることである。
【0024】
すなわち、この実施の形態1における蓋係止状態切換手段26は、炊飯器本体2の前方側上部に設けられた蓋開閉レバー27、外蓋13の前端部から下方に向けて一体に延設された蓋フック部13a、および内蓋14を構成する放熱板20の前端部に設けられたラッチ片28を主体に構成されている。
【0025】
上記の蓋開閉レバー27は、外ケース8に取り付けられ支軸29によって揺動可能に支持されるとともに、この支軸29に巻回されたバネ30によって外蓋13側に向かうように常時付勢されており、この蓋開閉レバー27の後方側端部には保持爪27aが下方斜めに向けて屈曲形成されている。また、外蓋13の前端部に設けられた蓋フック部13aは、その下側先端部分に蓋開閉レバー27の保持爪27aに係合する鉤形の係合爪13bを有し、さらに、蓋フック部13aの上下方向の途中位置にはラッチ片28の挿入孔13cが形成されている。
【0026】
一方、放熱板20のフランジ部20bの前端部分にはラッチ片ホルダ33がビス34でかしめ止めされている。また、上記のラッチ片28は、挿入孔13cを通して前方側に突出する突出部28a、外蓋13前端の挿入孔13cの周壁に当接するストッパ部28b、およびストッパ部28bよりも後方側に位置する支持部28cとからなる。そして、ラッチ片ホルダ33に形成された凹所33aにラッチ片28の支持部28cが摺動自在に嵌合されるとともに、この支持部28cと凹所33aとの間に復帰バネ35が介在されている。
【0027】
これにより、内蓋14を外蓋13に装着した状態では、ラッチ片28の突出部28aが挿入孔13cを通して蓋開閉レバー27の保持爪27aに係合し、また、内蓋14を取り外すときには、突出部28aを復帰バネ35のバネ力に抗して後方に押し込むことでラッチ片28が挿入孔13cから外れる。このように、内蓋14を外蓋13に対して着脱する際、ラッチ片28を蓋フック部13aに形成されている挿入孔13cに対して容易に係脱できるので、内蓋14の着脱が容易になる。
【0028】
ここで、内蓋14を外蓋13に装着した状態では、図2および図3に示すように、ラッチ片28の突出部28aが復帰バネ35のバネ力によって挿入孔13cを通じて前方に突出している。このため、外蓋13を閉じてから手を離すと、このラッチ片28の突出部28aが蓋開閉レバー27の保持爪27aによって係止されるので、外蓋13は内蓋14と共に全閉状態に保持される。その際、内蓋14の蓋パッキン23が内鍋1の上端のつば部1aに当接して内鍋1内が閉鎖されるため炊飯を行うことができる。なお、図2および図3に示した状態において、蓋開閉レバー27を操作してラッチ片28の突出部28aとの係合を解除すれば、外蓋13は内蓋14と共にヒンジ部16に設けられたコイルバネ17のバネ力によって全開される。
【0029】
一方、内蓋14を外蓋13から取り外している状態では、図4および図5に示すように、外蓋13を一旦閉じてから手を離すと、外蓋13の蓋フック部13a先端にある係合爪13bが蓋開閉レバー27の保持爪27aによって係止されるため、外蓋13が炊飯器本体2に対して一定角度θ1だけ開いた半開きの状態に保持される。
【0030】
したがって、目視でもって容易に内蓋14が未装着状態にあることを確認することができ、内蓋14の装着忘れを防止することができる。また、その際、内鍋1や炊飯器本体2内にゴミや塵等が侵入し難く、器内を常に清潔に保つことができる。さらに、外蓋13が大きく開かないので炊飯器の占有空間は小さくて済み、調理の際に邪魔にならず、見栄えも良い。なお、図4および図5に示した状態において、蓋開閉レバー27を操作して蓋フック部13aの係合爪13bとの係合を解除すれば、外蓋13はヒンジ部16に設けたコイルバネ17のバネ力によって全開される。
【0031】
[実施の形態2]
図6は本発明の実施の形態2における電気炊飯器において蓋が全閉状態にあるときの要部を示す縦断面図、図7は同炊飯器において蓋が半開きの状態にあるときの要部を示す縦断面図であり、図1ないし図5に示した実施の形態1と対応する構成部分には同一の符号を付す。
【0032】
この実施の形態2においても、実施の形態1の場合と同様に、蓋係止状態切換手段38を備えているが、その構成が実施の形態1の場合と異なっている。
【0033】
すなわち、この実施の形態2における蓋係止状態切換手段38は、炊飯器本体2の前方側上部に設けられた蓋開閉レバー27、外蓋13の前方内面側において上下動可能に設けられた蓋フック部材39、および外蓋13の内面部と蓋フック部材39との間に介在されて蓋フック部材39を下に向けて付勢する圧縮バネ40を主体に構成されている。
【0034】
上記の蓋開閉レバー27は、実施の形態1の場合と同様、外ケース8に取り付けられ支軸29によって揺動可能に支持されるとともに、この支軸29に巻回されたバネ30によって外蓋13側に向かうように常時付勢されており、この蓋開閉レバー27の後方側端部には保持爪27aが形成されている。
【0035】
一方、上記の蓋フック部材39は、水平配置された内蓋当接部39aと、この内蓋当接部39aと直交するアーム部39bとで逆L字形に一体形成されており、内蓋当接部39aの上面と外蓋13の前方内面との間に前述の圧縮バネ40が介在されている。また、アーム部39bは外蓋13に形成された挿通孔13dを通じて下方に突出しており、その突出部分の下端に蓋開閉レバー27の保持爪27aと係合する鉤形の係合爪39cが形成されている。そして、内蓋14を外蓋13に装着したときには、これに応じて蓋フック部材39の内蓋当接部39aが内蓋14を構成する放熱板20のフランジ部20bによって圧縮バネ40の力に抗して外蓋13側に押圧されるようになっている。
【0036】
また、この実施の形態2では、炊飯器本体2の外ケース8と内ケース7、および蓋開閉レバー27の各々の上面が共に面一になるように形成されており、これによって、炊飯器の手入れを容易に行えるように構成されている。
【0037】
さらに、この実施の形態2では、実施の形態1の場合と比較すると、蓋係止状態切換手段38を構成するためには、内蓋14は従来品の構造を変更せずに、外蓋13に対してのみ蓋フック部材39や圧縮バネ40を設けるだけでよいので、設計変更が容易でコスト削減を図ることができる。
【0038】
その他の構成は、実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0039】
ここで、内蓋14を外蓋13に装着した状態では、図6に示すように、蓋フック部材39の内蓋当接部39aが放熱板20のフランジ部20bによって外蓋13側に向けて押圧されているため、圧縮バネ40は縮んだ状態に保持される。このため、蓋フック部材39の係合爪39cは外蓋13の下面に対して近接した位置にある。ここで、外蓋13を閉じてから手を離すと、この蓋フック部材39の係合爪39cが蓋開閉レバー27の保持爪27aによって係止され、外蓋13は内蓋14と共に全閉状態に保持される。その際、放熱板20に取り付けられた蓋パッキン23が内鍋1の上端のつば部1aに当接して内鍋1内が閉鎖されるため炊飯を行うことができる。なお、図6に示した状態で蓋開閉レバー27を操作して蓋フック部材39の係合爪39cとの係合を解除すれば、外蓋13は内蓋14と共にヒンジ部16に設けられたコイルバネ17のバネ力によって全開される。
【0040】
一方、内蓋14を外蓋13から取り外している状態では、図7に示すように、蓋フック部材39の内蓋当接部39aは放熱板20のフランジ部20bによって押圧されていないので、圧縮バネ40は下方に向けて伸長し、その結果、蓋フック部材39の係合爪39cは外蓋13の下面に対して所定距離L2だけ離間した位置にある。したがって、外蓋13を一旦閉じてから手を離すと、蓋フック部材39の係合爪39cが蓋開閉レバー27の保持爪27aによって係止されるため、外蓋13が炊飯器本体2に対して半開きの状態に保持される。
【0041】
したがって、目視でもって容易に内蓋14が未装着状態にあることを確認することができ、内蓋14の装着忘れを防止することができる。また、その際、内鍋1や炊飯器本体2内にゴミや塵等が侵入し難く、器内を常に清潔に保つことができる。さらに、外蓋13が大きく開かないので炊飯器の占有空間は小さくて済み、調理の際に邪魔にならず、見栄えも良い。なお、図7に示した状態で蓋開閉レバー27を操作して蓋フック部材39の係合爪39cとの係合を解除すれば、外蓋13は内蓋14と共にヒンジ部16に設けられたコイルバネ17のバネ力によって全開される。
【0042】
[実施の形態3]
図8は本発明の実施の形態3における電気炊飯器において蓋が全閉状態にあるときの要部を示す縦断面図、図9は同炊飯器において蓋が半開きの状態にあるときの要部を示す縦断面図であり、図1ないし図5に示した実施の形態1と対応する構成部分には同一の符号を付す。
【0043】
この実施の形態3においても、実施の形態1,2の場合と同様に、蓋係止状態切換手段42を備えているが、その構成が実施の形態1,2の場合と異なっている。
【0044】
すなわち、この実施の形態3における蓋係止状態切換手段42は、外蓋13の前方側上部に設けられた蓋開閉ボタン43、外蓋13の前方内面側において上下動可能かつ揺動可能に設けられた蓋フック部材44、蓋フック部材44を下に向けて付勢する圧縮バネ45、および蓋フック部材44の動きを規制するガイド部材49を主体に構成されている。
【0045】
上記の蓋開閉ボタン43は、押圧操作される操作部43aとこの操作部43aから下方に延出された足部43bとが一体形成されてなる。そして、蓋開閉ボタン43の操作部43aが外蓋13の前方側上部に形成された凹部13eに嵌合され、また、足部43bが凹部13eの底部に形成されたガイド孔13fを貫通して下方に突出している。さらに、凹部13eの内底面と蓋開閉ボタン43の操作部43aとの間には復帰バネ46が介在されている。
【0046】
上記のガイド部材49は、外蓋13の内面部に左右一対配設されており、各ガイド部材49には上下方向に沿った長穴49aが形成されている。また、蓋フック部材44は、平板状のレバー部44aと、このレバー部44aと直交するアーム部44bとで逆L字形に一体形成されており、レバー部44aの上面と外蓋13の凹部13eの底部との間に前述の圧縮バネ45が介在されている。また、アーム部44bの下端には炊飯器本体2の外ケース8の上端部に設けられた係合突起8aと係合する鉤形の係合爪44cが形成されている。さらに、蓋フック部材44のレバー部44aには支持ピン50が一体に取り付けられており、この支持ピン50が左右に配置されたガイド部材49の長穴49aに挿通されている。そして、内蓋14を外蓋13に装着したときには、これに応じて蓋フック部材44のレバー部44aが内蓋14を構成する放熱板20のフランジ部20bによって圧縮バネ45の力に抗して外蓋13側に押圧されて蓋開閉ボタン43の足部43bに当接するようになっている。
【0047】
その他の構成は、実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0048】
ここで、内蓋14を外蓋13に装着した状態では、図8に示すように、蓋フック部材44のレバー部44aが放熱板20のフランジ部20bによって外蓋13側に押圧されているため、圧縮バネ45は縮んだ状態に保持されている。このため、蓋フック部材39の係合爪39cは外蓋13の下面に対して近接した位置にある。したがって、外蓋13を閉じてから手を離すと、蓋フック部材44の係合爪44cが外ケース8の係合突起8aによって係止されるため、外蓋13は内蓋14と共に全閉状態に保持される。その際、放熱板20に取り付けられた蓋パッキン23が内鍋1の上端のつば部1aに当接して内鍋1内が閉鎖されるため炊飯を行うことができる。
【0049】
なお、図6に示した状態において、蓋開閉ボタン43を下方に押すと、その足部43bが蓋フック部材44のレバー部44aを押圧し、これに伴って放熱板20および蓋パッキン23が僅かに撓んで変形するため、蓋フック部材44が支持ピン50を中心にして回動し、蓋フック部材44の係合爪44cと外ケース8の係合突起8aとの係合が解除される。その結果、外蓋13は内蓋14と共にヒンジ部16に設けられたコイルバネ17のバネ力によって全開される。
【0050】
一方、内蓋14を外蓋13から取り外している状態では、図9に示すように、蓋フック部材44のレバー部44aは放熱板20のフランジ部20bによって押圧されていないので、圧縮バネ45は伸長し、その結果、蓋フック部材44は、支持ピン50がガイド部材49の長穴49aに沿った状態で下方に向けて所定距離L3だけ移動する。そして、外蓋13を一旦閉じてから手を離すと、蓋フック部材44の係合爪44cが外ケース8の係合突起8aによって係止されるため、外蓋13が炊飯器本体2に対して半開きの状態に保持される。
【0051】
したがって、目視でもって容易に内蓋14が未装着状態にあることを確認することができ、内蓋14の装着忘れを防止することができる。また、その際、内鍋1や炊飯器本体2内にゴミや塵等が侵入し難く、器内を常に清潔に保つことができる。さらに、外蓋13が大きく開かないので炊飯器の占有空間は小さくて済み、調理の際に邪魔になることがなく、見栄えも良い。
【0052】
なお、図9に示す状態において、蓋開閉ボタン43を下方に押すと、復帰バネ46が縮んで足部43bが蓋フック部材44のレバー部44aの上面を押圧するので、蓋フック部材44が支持ピン50を中心にして回動する結果、蓋フック部材44の係合爪44cと外ケース8の係合突起8aとの係合が解除される。このため、外蓋13は、ヒンジ部16に設けられたコイルバネ17のバネ力によって全開される。
【0053】
なお、上記の実施の形態1〜3においては、内蓋14は、その蒸気逃しリング21を外蓋13の蒸気逃し弁22の外周に差し込み嵌合することで外蓋13に一体的に固定されるようにしているが、図10に示すように、内蓋14の後端部に係止片52をそれぞれ突設し、その係止片52を外蓋13に設けた図示しない保持穴に差し込んで固定する構造のものにも本発明を適用することができる。また、本発明を電気炊飯器に適用した場合について説明したが、これに限らず炊飯ジャーにも適用できるのは勿論である。
【0054】
さらに、本発明の各蓋係止状態切換手段26,38,42は、上記の実施の形態1〜3で示した構成のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して実施することができるのは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係る炊飯器は、内蓋を外蓋に装着すれば炊飯器本体に対して蓋体を全閉状態にできるため、炊飯を行うことができる。一方、内蓋を外蓋に装着していない状態では炊飯器本体に対して外蓋を半開きの状態に保持できるため、目視でもって容易に内蓋が未装着状態にあることを確認することができ、内蓋の装着忘れを防止することができる。また、内蓋の未装着状態では外蓋を半開き状態に保持できるため、内鍋や炊飯器本体内にゴミや塵等が侵入し難く、したがって器内を常に清潔に保つことができる。さらに、外蓋が大きく開かないので炊飯器の占有空間は小さくて済み、調理の際に邪魔にならず、見栄えも良い。
【0056】
特に、請求項2記載の発明に係る構成にすると、炊飯器本体の前方側上部に蓋開閉ボタンを設けた構成の場合にも本発明を適用することが可能になる。この場合、さらに請求項3記載の構成を採用すれば、内蓋を外蓋に対して着脱する際にラッチ片も蓋フック部の挿入孔に対して容易に係脱できるため、内蓋の着脱が容易になる。
【0057】
また、請求項4記載の発明に係る構成にすると、請求項2記載の発明と同様に炊飯器本体の前方側上部に蓋開閉ボタンを設けた構成の炊飯器に対して本発明を適用できるだけでなく、内蓋の構成を何ら変更せずに、外蓋側の構造を一部変更するだけで蓋係止状態切換手段を構成することができるため、設計変更が容易でコスト削減を図ることができる。この場合、さらに請求項5記載の構成を採用すれば、炊飯器本体の周囲部分が平坦面になるため、炊飯器の手入れを容易に行うことができる。
【0058】
さらにまた、請求項6記載の発明に係る構成にすると、外蓋の前方側上部に蓋開閉ボタンを設けた構成の炊飯器に対しても、本発明を適用することが可能になる。この場合、さらに請求項7記載の構成を採用すれば、蓋開閉ボタンの操作による蓋体の開閉機能を何ら損なうことなく、内蓋を取り外した状態では外蓋を炊飯器本体に対して半開き状態に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における電気炊飯器の全体を示す一部切欠側面図である。
【図2】同炊飯器において蓋が全閉状態にあるときの側面図である。
【図3】図2の状態における同炊飯器の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図4】同炊飯器において蓋が半開きの状態を示す側面図である。
【図5】図4の状態における同炊飯器の要部を示す縦断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2における電気炊飯器において蓋が全閉状態にあるときの要部を示す縦断面図である。
【図7】同炊飯器において蓋が半開きの状態にあるときの要部を示す縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3における電気炊飯器において蓋が全閉状態にあるときの要部を示す縦断面図である。
【図9】同炊飯器において蓋が半開きの状態にあるときの要部を示す縦断面図である。
【図10】本発明の変形例に係る内蓋の斜視図である。
【図11】従来の電気炊飯器の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1…内鍋、2…炊飯器本体、7…内ケース、8…外ケース、13…外蓋、13a…蓋フック部、13c…挿入孔、14…内蓋、16…ヒンジ部、20…放熱板、26…蓋係止状態切換手段、27…蓋開閉レバー、28…ラッチ片、38…蓋係止状態切換手段、33…ラッチ片ホルダ、35…復帰バネ、39…蓋フック部材、40…圧縮バネ、42…蓋係止状態切換手段、43…蓋開閉ボタン、44…蓋フック部材、45…圧縮バネ、49…ガイド部材、49a…長穴、50…支持ピン。
Claims (7)
- 内鍋を収納する炊飯器本体と、この炊飯器本体の上部開口を覆う蓋体とを含み、前記蓋体は、前記炊飯器本体の後端部に回動自在に取り付けられて開方向に常時付勢されている外蓋と、この外蓋の内側に着脱自在に取り付けられた内蓋とを有する炊飯器において、
前記内蓋が外蓋に取り付けられた状態では前記外蓋を内蓋と共に前記炊飯器本体に対して全閉状態に係止し、前記内蓋が外蓋から取り外された状態では前記外蓋を前記炊飯器本体に対して半開き状態に係止する蓋係止状態切換手段を備えることを特徴とする炊飯器。 - 前記蓋係止状態切換手段は、炊飯器本体の前方側上部に揺動可能に設けられた蓋開閉レバーと、前記外蓋の前端部から延設されて前記蓋開閉レバーに係合する蓋フック部と、この蓋フック部の上下方向の途中位置に形成された挿入孔と、前記内蓋の前端部に設けられて内蓋の外蓋への装着に応じて前記挿入孔を通じて前方に突出して前記蓋開閉レバーに係合するラッチ片と、を備えて構成していることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
- 前記内蓋の前端部にラッチ片ホルダを固定し、このラッチ片ホルダに前記ラッチ片を摺動自在に設けるとともに、前記ラッチ片とラッチ片ホルダとの間に復帰バネを介在させていることを特徴とする請求項2に記載の炊飯器。
- 前記蓋係止状態切換手段は、炊飯器本体の前方側上部に揺動可能に設けられた蓋開閉レバーと、外蓋の前方内面側に上下動可能に設けられて前記蓋開閉レバーに係合する蓋フック部材と、前記外蓋と蓋フック部材との間に介在されて前記蓋フック部材を下に向けて付勢する圧縮バネとを備え、かつ、前記内蓋の外蓋への装着に応じて前記蓋フック部材が内蓋によって圧縮バネの力に抗して外蓋側に押圧されるように構成していることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
- 前記炊飯器本体および前記蓋開閉レバーの上面が共に面一になるように形成したことを特徴とする請求項4に記載の炊飯器。
- 前記蓋係止状態切換手段は、外蓋の前方側上部に上下動可能に設けられた蓋開閉ボタンと、外蓋に揺動可能かつ上下移動可能に設けられて前記蓋開閉ボタンの操作に応じて前記炊飯器本体に係脱される蓋フック部材と、前記外蓋と蓋フック部材との間に介在されて前記蓋フック部材を下に向けて付勢する圧縮バネとを備え、かつ、前記内蓋の外蓋への装着に応じて前記蓋フック部材が内蓋によって前記圧縮バネの力に抗して外蓋側に押圧されるように構成していることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
- 前記蓋フック部材に支持ピンを取り付ける一方、前記外蓋には上下方向に沿った長穴が形成されたガイド部材を固定し、このガイド部材の前記長穴に前記支持ピンを嵌合していることを特徴とする請求項6に記載の炊飯器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003140262A JP2004337505A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 炊飯器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003140262A JP2004337505A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 炊飯器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004337505A true JP2004337505A (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=33529025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003140262A Pending JP2004337505A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 炊飯器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004337505A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007068594A (ja) * | 2005-09-05 | 2007-03-22 | Sanyo Electric Co Ltd | 高圧蒸気滅菌器 |
JP2008110771A (ja) * | 2006-10-30 | 2008-05-15 | Japan Crown Cork Co Ltd | ヒンジキャップ |
CN108158418A (zh) * | 2018-01-25 | 2018-06-15 | 德奥通用航空股份有限公司 | 配置功能锅盖的多功能锅具 |
-
2003
- 2003-05-19 JP JP2003140262A patent/JP2004337505A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007068594A (ja) * | 2005-09-05 | 2007-03-22 | Sanyo Electric Co Ltd | 高圧蒸気滅菌器 |
JP4562623B2 (ja) * | 2005-09-05 | 2010-10-13 | 三洋電機株式会社 | 高圧蒸気滅菌器 |
JP2008110771A (ja) * | 2006-10-30 | 2008-05-15 | Japan Crown Cork Co Ltd | ヒンジキャップ |
CN108158418A (zh) * | 2018-01-25 | 2018-06-15 | 德奥通用航空股份有限公司 | 配置功能锅盖的多功能锅具 |
CN108158418B (zh) * | 2018-01-25 | 2023-11-28 | 伊立浦集团股份有限公司 | 配置功能锅盖的多功能锅具 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004337505A (ja) | 炊飯器 | |
JP4297064B2 (ja) | 炊飯器 | |
JP4762931B2 (ja) | 炊飯器 | |
JP3548093B2 (ja) | 炊飯ジャーの蓋 | |
JP3241354B2 (ja) | 炊飯器における内蓋付け忘れ防止機構 | |
JP5582886B2 (ja) | 炊飯器 | |
JP3607590B2 (ja) | 炊飯器の蓋 | |
JP2953357B2 (ja) | 電気炊飯器 | |
JP3380445B2 (ja) | 容器の蓋体構造 | |
JP3595236B2 (ja) | 容器の蓋体構造 | |
JP6855937B2 (ja) | 電気炊飯器 | |
JP3683244B2 (ja) | 蓋付き鍋 | |
JP2000023834A (ja) | 炊飯器 | |
JP2019076778A (ja) | 炊飯器 | |
JP2015100624A (ja) | 調理器 | |
JP4044070B2 (ja) | 炊飯器の蓋 | |
CN110811362B (zh) | 盖单元以及带盖容器 | |
JP2715880B2 (ja) | 電気炊飯器 | |
JP2008012089A (ja) | 炊飯器 | |
JPH0736592Y2 (ja) | 蓋装置 | |
JPS6317440Y2 (ja) | ||
JP3782806B2 (ja) | 炊飯器 | |
JPH0720453B2 (ja) | 炊飯器 | |
JPH07102178B2 (ja) | 電気炊飯器 | |
JP2001340212A (ja) | 炊飯ジャーの蓋 |