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JP2004329764A - 医療器械 - Google Patents

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JP2004329764A
JP2004329764A JP2003133348A JP2003133348A JP2004329764A JP 2004329764 A JP2004329764 A JP 2004329764A JP 2003133348 A JP2003133348 A JP 2003133348A JP 2003133348 A JP2003133348 A JP 2003133348A JP 2004329764 A JP2004329764 A JP 2004329764A
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Chie Yanai
千恵 谷内
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Olympus Corp
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Abstract

【課題】凝固能あるいは切開能を向上させると共に、組立作業を簡易化した安価な医療器械を提供すること
【解決手段】一対の把持部6,7を相対的に開閉する操作部5と、生体組織に加熱処置を施すための熱を発生しかつ一対の把持部6,7間に挟持された生体組織に加熱処置を行うことが可能な処置部12と、この処置部12を一対の把持部6,7の一方に保持する保持手段とを備18え、この保持手段18は、処置部12よりも熱伝導率の小さな材料により、この処置部12と一体構造に形成される処置具1。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対のジョーを相対的に開閉する操作部を備え、生体組織に加熱処置を施す医療器械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、生体組織を一対の把持部で把持し、これらの把持部の一方または両方に設けた発熱体を発熱させることにより、把持した生体組織の凝固や、凝固した生体組織を凝固部位で切開するなどの加熱処置を行う医療器械が知られている。このような医療器械は、通常、生体組織に含まれる血管の止血や、生体組織の表層の病変部や出血部の焼灼、凝固、そして、避妊を目的とした卵管の閉塞等の多様な手術症例に用いられている。
【0003】
この種の医療器械には、少なくとも一方の把持部に発熱板を配置し、この発熱板に固定した薄膜抵抗熱素子やセラミックヒータ等の熱発生素子で熱を発生させ、この熱を発熱板に伝達するものがある。このような医療器械では、発熱板を通じて生体組織の加熱処置を行うもので、このような発熱板が生体組織と接触して生体組織を加熱処置する処置部として作用する(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−198137公報(第3頁、図2,図3)
【0005】
【特許文献2】
特開2001−340349公報(第3−5頁、図3,図4,図7)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の医療器械では、一対の把持部間に生体組織を把持し、熱発生素子から熱を発生させた際に、熱の一部が把持部側に逃げることを防止することができない。これは、把持部が熱伝導率の小さな材料で形成されているためにこの熱発生素子で発生した熱の大部分が発熱板すなわち処置部に伝達されるとしても、生体組織をその間に把持する力により、把持部と、熱発生素子および処置部との間の密着性が高まり、伝熱効率が高まるからである。このような伝熱による熱損失は、処置部の温度上昇速度を低下させ、また、処置部の温度むらを生じさせ、医療器械の凝固能あるいは切開能を劣化させる原因となる。
【0007】
一方、把持部への伝熱を抑制する断熱部材を設けることにより、上述のような熱損失を防止しようとすると、熱源となる熱発生素子、処置部、および断熱部材の相対位置を正確に位置決めし、かつその位置を確実に保持する必要がある。このために、位置決め部材および位置合わせ工程の追加が必要となり、これは、部品点数および労力の増大によるコスト増を招く。更に、位置決め部材が断熱部材よりも熱伝導率の大きい材料で形成されている場合には、この位置決め部材を通して熱が逃げる可能性もある。
【0008】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、凝固能あるいは切開能を向上させると共に、組立作業を簡易化した安価な医療器械を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の医療器械は、一対のジョーを相対的に開閉する操作部と、生体組織に加熱処置を施すための熱を発生しかつ一対のジョー間に挟持された生体組織に加熱処置を行うことが可能な処置部と、を備える医療器械において、前記処置部を前記一対のジョーの一方に保持する保持手段を備え、この保持手段は、前記処置部よりも熱伝導率の小さな材料により、前記処置部と一体構造に形成されることを特徴とする。
【0010】
前記処置部は、生体組織を処置する露出部を有し、この処置部の全長にわたって保持手段と一体に形成され、前記露出部を通じて生体組織に均一な荷重を付与することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1から図4は、本発明の第1の実施形態による医療器械を示す。
図1に医療器械のシステム構成の全体を示すように、本実施形態における医療器械として形成された鋏鉗子型の処置具1は、ケーブル2を介して電源装置3に接続される。この電源装置3にはフットスイッチ4を接続してあり、術者はこのフットスイッチ4を通じて、例えば電源装置3のオンオフ動作あるいは出力調整等の後述する加熱処置に必要な制御を行うことができる。
【0012】
本実施形態の処置具1は、リング状の指掛部を設けた操作部5と、一対のジョーを形成する第1,第2把持部6,7とからなる処置具本体ユニット1aを備える。これらの第1,第2把持部6,7は、枢支軸8を中心にして回動自在に連結された一対の作動腕9,10の先端側に配置してあり、後端側に配置した操作部5を通じて鋏状に開閉操作することができる。
【0013】
これらの作動腕9,10の一方(本実施形態では作動腕10)には、生体組織の加熱処置を行う加熱処置ユニット11が取付けられており、この加熱処置ユニット11は、処置具本体ユニット1aと別体構造に形成されている。この加熱処置ユニット11は、先端側の加熱部11a内に設けられた発熱体(後述する)を、ケーブル2内に延設されたリード線等のエネルギ供給手段を介して、電源装置3に接続され、この加熱部11aを第1把持部6に装着される。
【0014】
図2の(A)および(B)に示すように、加熱部11aは、第2把持部7に対向する側で第1把持部6に形成された凹部6aに取付けられる処置部12を備える。この処置部12により、一対のジョー間、具体的には、第1把持部6に設けられた処置部12と、これに対向した第2把持部7に設けられた受部7aとの間に挟持された生体組織を加熱処置することができる。
【0015】
この処置部12は、先端側の外縁部を第2把持部7に向けて傾斜させた平板状のブレード13を有する。このブレード13は、側面上に薄膜抵抗半導体で形成された発熱部14と、外部から電流を受取る電極15と、発熱部14と電極部15とを結ぶリード部16等と共に一体的に形成され、これにより、処置部12の全体が1つの素子17として形成される。この処置部12のブレード13は、例えば、金、銀、銅、銅合金、アルミ合金、タングステン、モリブデン、あるいはダイアモンド等の熱を伝えやすい材料によって形成されている。そして、発熱部14が熱を発生すると、このブレード13が加熱される。
【0016】
更に、この加熱部11aは、上述の処置部12に加え、処置部12からの熱伝達を遮断する断熱部18と、電極15に接続されるリード線あるいはフレキシブル基板等のエネルギ供給手段である配線部19とを備える。
この断熱部18は、ブレード13の第1把持部6側を発熱部14と電極15とリード線16と配線部19と共に囲み、これらの発熱部14と電極15とリード線16と配線部9とをこのブレード13に強固かつ確実に一体的に保持する。この断熱部18は、ブレード13の第2把持部7側に形成される断面鋭角状の刃部20を、生体組織の加熱処置に十分な接触面積が得られる程度に露出させる。これにより、断熱部18は、このように刃部20を露出させた状態で、処置部12を第1把持部6に強固かつ確実に保持する保持手段を形成する。また、断熱部18から露出した刃部20は、生体組織を加熱処置する露出部を形成する。
【0017】
この断熱部18は、処置部12の素子17と共に以下説明する工程を経て一体的に形成することができる。
予め、素子17と配線部19とを接続しておく。この後、生体組織の凝固切開が十分にできる寸法にわたって刃部20を露出させかつ第1把持部6に対してこの刃部20の反対側が均等にかつ確実に支えられるように、好適な治具等を用いることにより、この素子17を所要位置に位置決めする。そして、型を用いた成型加工によりこれらの素子17と配線部19と断熱部18とを一体構造に形成する。この成型加工の際、断熱部18の外周面は、刃部20から離隔した側を第1把持部6の凹部6aに対応させて形成し、加熱部11aを第1把持部6の凹部6aに密に嵌合可能とすることが好ましい。
【0018】
この断熱部18は、処置部12よりも熱伝導率が小さく、この処置部12を形成する素子17を第1把持部6に確実に保持させることができ、更に、成型可能なものであれば適宜の材料を用いることが可能である。好適な材料には、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、あるいはその他の樹脂等がある。
【0019】
断熱部18から露出する部分、すなわち生体組織を加熱処置する刃部20は特にその露出部の全体に、非粘着性のコーティング21を施し、生体組織を加熱処置する際に、生体組織がこの刃部20に貼り付くのを防止してある。このような非粘着性のコーティング21は、例えばポリテトラフルオロエチレンあるいはセラミックス等で形成することができる。
【0020】
図3に、加熱処置ユニット11の全体を示すように、この本体部24の後端部からはケーブル2が延びる。このケーブル2は、本体部24に隣接する端部に、ケーブル2に作用する負荷を軽減する折れ止め部23を設けられ、先端には、電源装置2に接続されるコネクタ部22を配置してある。この折れ止め部23は、型を用いて一体的にケーブル2に形成するのが好ましい。
【0021】
図4は、このような加熱処置ユニット11の各部の詳細を示す。
図4の(A)に、加熱処置ユニット11の本体部24の内部を概略的に示すように、処置部12を形成する素子17から断熱部18(図2参照)を通して配線部19が延設される。この配線部19は本体部24のカバー26内に延び、半田付け部25でケーブル2と接続されている。
【0022】
また、図4の(B)に示すように、ケーブル2には、略L字状に形成された抜け止め部27が折れ止め部23と共に、型による成型によって一体的に形成されている。この抜け止め部27は、L字状形状を形成する2つの脚部の一方をカバー26の内部に固定されたスナップあるいは突片26aに係止させることでこの本体部24のカバー26内に固定されている。これにより、ケーブル2が引張られたときに、ケーブル2に作用する力が抜け止め部27からカバー26に伝達され、ケーブル2と配線部19との間の強度的に脆弱な半田付け部25に引っ張り力が作用するのを防止する。この抜け止め部27と突片26aとは、抜け止め部27に形成した孔部を、カバー26に設けた突片26aにスナップ止めあるいは係合させることで簡単に固定することができる。本実施形態の突片26aには、拡径された頭部を形成してあり、抜け止め部27の孔部からこの突片26aが簡単に抜出るのを防止する。
【0023】
図4の(C)は、カバー26の組立方法を例示する。本実施形態では、カバー26は、上カバー29と下カバー28とを有しており、上カバー29に設けられたピン30を、下カバー28に対応させて形成した嵌合孔(図示しない)に嵌合させる。これにより、上カバー27と下カバー28とを極めて簡単かつ確実に一体化することができる。これらの上カバー27と下カバー28との接合面間には、図示しないシール材を配置してカバー26内に湿気あるいは水分が浸入するのを防止することが好ましい。なお、このようなピン30と嵌合孔とを用いることに代えて、接合面を接着することも可能である。このようなカバー26は、型を用いた成型工程による大量生産が可能な樹脂等の材料で形成することが好ましい。
【0024】
図5は、カバー26に配線部19およびケーブル2を組立てるときの状態を示す。
下カバー28の内面部には、ケーブル2、配線部19および半田付け部25を配置する部位に予め両面テープ31を貼っておき、この両面テープ31上にケーブル2、配線部19および半田付け部25を固定する。これにより、半田付け部25にかかる負荷を軽減し、上カバー29を被せる際にケーブル2が移動して組立作業が困難となることを防止する。この配線部19は断熱部18から突出させた状態で処置部12からカバー26まで延設したものであってもよい。一方、配線部19は上述の断熱部18と一体成型した状態で処置部12からカバー26まで延設してもよく、この場合には、この断熱部18と本体部24の下カバー28とを直接連結し、配線部19だけを下カバー28内に延設することができる。
【0025】
また、配線部19、ケーブル2およびカバー26を図6に示すように組立てることも可能である。
この場合は、抜け止め部27を成型する際に、抜け止め部27に半田付け部25を一体成型し、下カバー28に抜け止め部27を固定する際に、半田付け部25も同時に固定されるようにしている。これにより、半田付け部25に引っ張り力が作用するのを確実に防止することに加え、抜け止め部27を下カバー28に固定するだけで、半田付け部25も下カバー28に固定されるため、組立て工程を簡素化することができる。この場合の抜け止め部27は、半田付け部25を固定可能なものであれば、その全体を金属で形成することは必要なく、樹脂等の材料を用いることも可能である。
【0026】
このように形成される加熱処置ユニット11は、処置具本体ユニット1aの一方の作動腕10に沿わせて配置し、加熱部11aを第1把持部6の凹部6aに嵌合することにより、処置具本体ユニット1aに取付けることができる。このとき、加熱処置ユニット11の本体部24は、適宜の固定具(図示しない)により、例えば操作部5に近接した位置で作動腕10に固定することが好ましい。
【0027】
なお、加熱部11aを第1把持部6に取付ける位置は、操作部5を操作して第1,第2把持部6,7間に生体組織を把持したときに、ブレード13の特に刃部20を介して生体組織に均一な荷重が作用する位置であることが好ましい。
【0028】
このように加熱処置ユニット11を処置具本体ユニット1aに取付けて組立てを完成した処置具1は、操作部5に指を掛けて開閉操作すると、枢支軸8を中心にして第1,第2把持部6,7が相対的に開閉する。そして、加熱処置する部位をこれらの第1,第2把持部6,7間に挟持し、フットスイッチ4を操作することで電源装置3からケーブル2を介して加熱部11aにエネルギを供給し、これらの第1,第2把持部6,7間に挟持された生体組織を加熱処置することができる。
【0029】
加熱部11aは、処置部12すなわち素子17を刃部20の反対側で囲む断熱部18が、型を用いてこの素子17と一体的に成型された一体構造を有するため、処置部12を形成するブレード13と発熱部14と電極15とリード部16と配線部19とがこの断熱部18に密着した状態で確実に保持される。そして、このように全体を一体化した加熱部11aが第1把持部6の凹部6a内に装着されることにより、この凹部6aの内面に断熱部18の外面が密に嵌合し(図2参照)、この断熱部18により、処置部12が第1把持部6に確実かつ強固に保持される。この第1把持部と処置部12との間では、断熱部18を介して力の伝達が確実かつ滑らかに行われる。これにより、第1,第2把持部6,7間すなわち処置部12の刃部20とこれに対向して第2把持部7に配置された受部7aとの間に挟持される生体組織に、均一な荷重を作用させることができる。刃部20の露出部がその全長にわたって生体組織に均一な荷重を作用させるため、刃部20の全長に沿うどの部位であっても、生体組織を確実かつ容易に加熱処置することができ、処置具1により生体組織を効率良く凝固あるいは切開することができる。
【0030】
更に、この断熱部18により、処置部12から第1把持部6の方向あるいはこの逆方向への熱の伝達が確実に防止される。これにより、電源装置3(図1参照)から供給されるエネルギにより、処置部12の発熱部14が熱を発生すると、この熱はブレード13に伝達され、断熱部18から露出した露出部すなわち刃部20が効率よく加熱される。断熱部18がブレード13から第1把持部6への熱伝達を阻止するため、処置部12の特に刃部20の温度が急速に上昇し、更に、温度むらを生じさせることなく、均等に加熱される。これにより、医療器械すなわち鋏鉗子型処置具1の優れた凝固能あるいは切開能が得られる。
【0031】
このように凝固能あるいは切開能に優れた処置具1は、加熱処置ユニット11の処置部12が、断熱部18を型を用いた成型加工で一体構造の素子17に一体化した構造であるため、少ない部品点数で組立作業が簡易化され、安価に製造することができる。
【0032】
図7は、本発明の第2の実施形態を示す。なお、以下に説明する種々の実施形態も、基本的には上述の第1の実施形態と同様であるため、同様な部位には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図7の(A)から(C)に示すように、本実施形態では、処置部12が互いに別部材として形成されたブレード13と発熱素子32とを有し、この発熱素子32は、発熱部14と電極部15とリード部16とから形成されている。この発熱素子32は、図7の(B)に示すように、発熱部14を配置した部分をブレード13の溝13a内に配置し、図7の(C)に示すように、配線部19をこの溝13aの外側に配置してある。
【0033】
この加熱部11aは、加熱素子32と配線部19とを接続した後、加熱素子32の発熱部14を配置した部分を、ブレード13の溝13a内に配置し、上述のように、断熱部18で一体構造に成型する。このとき、ブレード13の刃部20は、生体組織を処置するために十分な大きさで露出させる。加熱素子32は、ブレード13の溝13a内で、この溝13aを区画する壁面と接触させるのが好ましい。
【0034】
この実施形態における処置具1も上述の処置具と同様に作用し、発熱素子32の発熱部14に電源装置3(図1参照)からエネルギが供給されると、発熱部14で発生した熱は溝13aを区画する壁部を介して、ブレード13したがって刃部20の露出部に伝達される。この発熱素子32は、ブレード13の溝13aから突出する部分、すなわち発熱部14が位置する部位を除く部分が、断熱部18で覆われ、ブレード13と発熱素子32とが強固な一体構造に形成されるため、熱が第1把持部6側に逃げることはほとんどない。発熱素子32がエネルギを供給されると、刃部20の温度が迅速に上昇する。また、発熱素子32がブレード13の溝13a内に配置した状態で断熱部18で一体化されているため、刃部20に大きな力が作用しても、この力が発熱素子32に作用することはない。
【0035】
図8は、第3の実施形態を示す。
この実施形態では、処置部12が発熱部を兼ねる電熱線33で形成してあり、この電熱線33と断熱部18とを型を用いて一体的に形成してある。この断熱部18から露出した露出部34により、生体組織を加熱処置することができる。この電熱線33の露出部34にも、上述のように生体組織の貼り付きを防止する非粘着性コーティングを施すことが好ましい。この電熱線33はニッケルクロム合金、鉄クロム合金等で形成するのが好ましい。
【0036】
図9は、第4の実施形態を示し、この実施形態の処置具35は、ピンセット型に形成してある。
本実施形態の処置具35は、図9の(A)にその全体を示すように、第1把持部36と第2把持部37とを有する。また、図9の(B)にその先端部を拡大して示すように、第1把持部36に、上述の実施形態と同様に断熱部18と一体的に形成された電熱線33が設けられている。この実施形態でも、電熱線33の露出部34に生体組織の貼り付きを防止する非粘着性コーティングを施してある。
【0037】
この処置具35は、第1,第2把持部36,37を細く形成することにより、極めて狭くかつ複雑な部位でも、簡単に加熱処置を施すことができる。
【0038】
以上、本発明について種々の実施形態を参照しつつ説明してきたが、本発明はいずれかの単一の実施形態に特定されるものではなく、種々の実施形態を適宜に組合せあるいは変更することも可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明によると、凝固能あるいは切開能を向上させると共に、組立作業を簡易化した安価な医療器械が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態による医療器械を用いたシステム構成の全体を示す説明図。
【図2】図1に示す医療器械の内部構造を示し、(A)は概略的な縦断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図。
【図3】図1の医療器械に取付け可能な加熱処置ユニットの全体を示す説明図。
【図4】図3に示す加熱処置ユニットの種々の部分を示し、(A)はその本体部の内部の説明図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、(C)はカバーを組立てる際の説明図。
【図5】図3に示す加熱処置ユニットのカバーの組立て方法を説明する説明図。
【図6】組立て方法の変形例を説明する図5と同様な説明図。
【図7】第2の実施形態による医療器械の内部構造を示し、(A)は概略的な縦断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図。
【図8】第3の実施形態による医療器械の内部構造を示す概略的な縦断面図。
【図9】第4の実施形態による医療器械を示し、(A)はピンセット型処置具の説明図、(B)はその先端部の拡大図。
【符号の説明】
1…処置具、5…操作部、6,7…把持部、11…加熱処置ユニット、11a…加熱部、12…処置部、18…断熱部。

Claims (2)

  1. 一対のジョーを相対的に開閉する操作部と、生体組織に加熱処置を施すための熱を発生しかつ一対のジョー間に挟持された生体組織に加熱処置を行うことが可能な処置部と、を備える医療器械において、前記処置部を前記一対のジョーの一方に保持する保持手段を備え、この保持手段は、前記処置部よりも熱伝導率の小さな材料により、前記処置部と一体構造に形成されることを特徴とする医療器械。
  2. 前記処置部は、生体組織を加熱処置する露出部を有し、この処置部の全長にわたって保持手段と一体に形成され、前記露出部を通じて生体組織に均一な荷重を付与することを特徴とする請求項1に記載の医療器械。
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