JP2004316708A - ラバーガスケットの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラバーガスケットの引掛部を確実に係止させ、しかも、ラバーガスケットのシール作用を安定できるラバーガスケットの取付構造を提供する。
【解決手段】一対のシール部材1、2間にラバーガスケット3を介装し、これら一対のシール部材1、2を嵌合密封してなるラバーガスケットの取付構造において、上記一対のシール部材1、2の何れか一方のシール部21には、内方及び/又は外方に向けて突出された係止部22が形成され、且つ上記ラバーガスケット3には、上記係止部22に係止される引掛部4をリング状に形成している。
【選択図】図1
【解決手段】一対のシール部材1、2間にラバーガスケット3を介装し、これら一対のシール部材1、2を嵌合密封してなるラバーガスケットの取付構造において、上記一対のシール部材1、2の何れか一方のシール部21には、内方及び/又は外方に向けて突出された係止部22が形成され、且つ上記ラバーガスケット3には、上記係止部22に係止される引掛部4をリング状に形成している。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対のシール部材間にラバーガスケットを介装し、これら一対のシール部材を嵌合密封してなるラバーガスケットの取付構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等に搭載されるエンジンのシリンダヘッドとシリンダヘッドカバー、或いはオイルパン、さらにはインテークマニホールドなどのカバー部材のように、一対のシール部材が嵌合密封される箇所には、合成ゴム材等の弾性体で形成されたラバーガスケットが介装されている。
【0003】
例えば、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間に介装されるラバーガスケットの取付構造としては、シリンダヘッドカバーのシール部内面に沿って環状の保持溝が形成されると共に、そのシール部の外方には係止部を形成しているものが既に知られている。
【0004】
また、ラバーガスケットは、上記保持溝に嵌合される嵌合部と、この嵌合部に連続形成され、上記他方のシール部材に当接し圧接されてシール作用を奏するシール本体部とを備え、このシール本体部のシール部外側に、連続的又は非連続的に上記係止部に係止される引掛部が形成されている。
【0005】
そして、その取付けに際しては、上記シリンダヘッドカバーのフランジ面を上面に向け、上記ラバーガスケットの引掛部を、シリンダヘッドカバーの係止部に仮留めし、上記保持溝へ環状のラバーガスケットの嵌合部を嵌め込み圧入した後、このシリンダヘッドカバー部材を反転させてシリンダヘッドなどの相手部材の密封面へラバーガスケットのシール本体部を接触せしめるよう載置し、ボルト・ナットなどの締付け手段を用いて両者を締め付ければ、ラバーガスケットに適当な圧縮が与えられることによって、ラバーガスケットの変形密着を促し、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとのシール作用を奏することができる。(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
実開平4−64662号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構造では、ラバーガスケットの引掛部は、シリンダヘッドカバーの係止部に係合させて仮留めするだけであるため、シリンダヘッドカバー部材を反転させて取付ける際などに、ラバーガスケットの引掛部が外れ易いという問題がある。
【0008】
また、ラバーガスケットの引掛部は、環状のラバーガスケットの外側にしか形成されていないため、ラバーガスケットを取付ける際に、内外に向けての張力が不均衡となり、ラバーガスケットのシール作用が不安定になる恐れもあった。
【0009】
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするもので、ラバーガスケットの引掛部を確実に係止させ、しかも、ラバーガスケットのシール作用を安定できるラバーガスケットの取付構造を提供している。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、
請求項1に係るラバーガスケットの取付構造は、一対のシール部材間にラバーガスケットを介装し、これら一対のシール部材を嵌合密封してなるラバーガスケットの取付構造において、上記一対のシール部材の何れか一方のシール部には、内方及び/又は外方に向けて突出された係止部が形成され、且つ上記ラバーガスケットには、上記係止部に係止される引掛部がリング状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
このものでは、ラバーガスケットの引掛部は、シリンダヘッドカバーの係止部に確実に係止され、ラバーガスケットの抜け外れを防止できる。
【0012】
また、ラバーガスケットの引掛部を両側に形成した場合には、このラバーガスケットを取付ける際に、内、外に向けての張力を均一化し、そのシール作用を安定させることができる。
【0013】
請求項2に係るラバーガスケットの取付構造は、一対のシール部材間にラバーガスケットを介装し、これら一対のシール部材を嵌合密封してなるラバーガスケットの取付構造において、上記一対のシール部材の何れか一方のシール部内面には、このシール部に沿って環状の保持溝が形成されると共に、そのシール部には、内方及び/又は外方に向けて突出された係止部が形成され、且つ上記ラバーガスケットには、上記係止部に係止される引掛部がリング状に形成されていることを特徴とする。
【0014】
このものでは、シール部材の何れか一方のシール部内面には、このシール部に沿って環状の保持溝が形成された構造のものを示しており、このような保持溝を備えた構造のものであっても請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0015】
請求項3に係るラバーガスケットの取付構造は、請求項1又は2の何れかにおいて、上記ラバーガスケットは、上記一対のシール部材間に密着されるシール本体部を少なくとも備え、このシール本体部には、少なくとも一方のシール部材に向けて突設されたビート部を形成したことを特徴とする。
【0016】
このものでは、ビート部を形成することで、そのシール作用をより安定させることができる。
【0017】
請求項4に係るラバーガスケットの取付構造は、請求項3において、上記引掛部は、上記シール本体部の両側に、連続的又は断続的に形成されていることを特徴とする。
【0018】
このものでは、引掛部がシール本体部の両側に連続的に形成された梯子状に形成することで、ラバーガスケットの引掛部を、より確実に係止部に係止できる。
【0019】
また、引掛部がシール本体部の両側に断続的に形成することで、その係止作業をスムーズに行うことができる。
【0020】
請求項5に係るラバーガスケットの取付構造は、請求項3又は4の何れかにおいて、上記引掛部は、上記シール本体部を中心にして左右対称に形成されていることを特徴とする。
【0021】
このものでは、引掛部をシール本体部を中心にして左右対称に形成しているので、ラバーガスケットを取付ける際に、内外に向けての張力をより均一化することができ、そのシール作用を一層安定させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るラバーガスケットの取付構造を図面に基づき説明する。
【0023】
図1は、本発明に係るラバーガスケットの取付構造Aの使用例を示す分解斜視図、図2(a)、(b)は、図1の要部を示す拡大断面図である。
【0024】
ここで、本発明に係るラバーガスケットの取付構造Aは、一対のシール部材が嵌合密封される箇所に適用可能であるが、本実施例では、自動車等に搭載されるエンジンのシリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2を代表例として説明する。
【0025】
図1で示すように、自動車等に搭載されるエンジンのシリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2には、ラバーガスケット3が介装され、これら一対のシリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2を、ボルト・ナット(不図示)などの締付け手段を用いて両者を嵌合密封している。
【0026】
シリンダヘッドカバー2のシール部21には、内方及び外方に向けて突出された係止部22を形成している。
【0027】
この係止部22は、シール部21の内縁及び外縁から、各々内、外に向けて突設され、その先端を上方に向けて形成された釣針状に形成している。
【0028】
また係止部22の位置は、後述するラバーガスケットの引掛部に対応しており、本実施例では、シール部21を中心にして左右対称に形成している。
【0029】
ラバーガスケット3は、従来同様、合成ゴム材、合成樹脂材等の弾性体で形成され、具体的には、ゴム材や熱可塑性エラストマー・樹脂材等が好適であり、例えばゴム材を挙げれば、ブチルゴムスチレンーブタジエン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸メチル共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムなどが採用可能である。
【0030】
また、ラバーガスケット3は、シリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2間に密着されるシール本体部31を少なくとも備えた断面略偏平状に形成している。
【0031】
また、シール本体部31の上、下面には、各々シリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2に向けて、図2(a)で示すように、復数の突設されたビート部32を形成するか又は、図2(b)で示すように、1つの突設されたビート部32を形成している。
【0032】
そして、このようなシール本体部31の内、外面には、上記シリンダヘッドカバー2の係止部22に係止される弾性力を備えたリング状の引掛部4を連続して一体形成している。
【0033】
図3は、本発明に係るラバーガスケットの取付構造の他の実施例を示す要部の部分拡大断面図である。
【0034】
なお、図1、図2と共通する部材には同一番号を付し、重複する説明は省略している。
【0035】
このラバーガスケットの取付構造Bは、シリンダヘッドカバー2のシール部21内面には、このシール部21に沿って環状の保持溝23が形成されると共に、そのシール部21には、内方及び外方に向けて突出された係止部22が形成している。
【0036】
また、ラバーガスケット3は、保持溝23に嵌合される嵌合部33と、この嵌合部33に連続形成され、シリンダヘッド1の上面に当接し圧接されてシール作用を奏するシール本体部31とを備えた断面略T状に形成している。
【0037】
そして、このラバーガスケットの取付構造Bでも、そのシール本体部31の内、外面には、シリンダヘッドカバー2の係止部22に係止される弾性力を備えたリング状の引掛部4を連続して一体形成している。
【0038】
図4(a)、(b)は、本発明に係るラバーガスケットの一例を示す部分平面図である。
この図4(a)で示すラバーガスケット3は、シール本体部31の両側に引掛部4を断続的に形成したものを示し、図4(b)で示すラバーガスケット3は、シール本体部31の両側に引掛部4を連続的に形成したものを示している。
【0039】
図5(a)、(b)は、本発明に係るラバーガスケットの他の例を示す部分平面図である。
この図5(a)で示すラバーガスケット3は、シール本体部31の片側に引掛部4を断続的に形成したものを示し、図5(b)で示すラバーガスケット3は、シール本体部31の両側に引掛部4を千鳥状に形成したものを示している。
【0040】
このように引掛部4は、様々な構造のものを形成することができるが、何れの構造であっても、シリンダヘッドカバー2の係止部22に係止される弾性力を備えたリング状の引掛部4をリング状に形成している点では同じである。
【0041】
図6(a)、(b)は、図3で示したラバーガスケットの取付構造の変形例を示す要部の部分拡大断面図及びそのラバーガスケットを示す部分平面図である。
【0042】
なお、図3と共通する部材には同一番号を付し、重複する説明は省略している。
【0043】
このラバーガスケットの取付構造Cでは、図3で示した係止部22に代えて、図6(b)で示すように、シリンダヘッドカバー2のシール部21に、下方に向けて突出された柱状の係止部22’を断続的に形成すると共に、ラバーガスケット3は、図6(a)で示すように、上記係止部22’に対応する位置に、この係止部22’の外径よりも略小径な取付孔41を開設することでリング状に形成した引掛部4を設けている点で特徴がある。
【0044】
このように構成された本発明のラバーガスケットの取付構造A〜Cでは、以下の要領でラバーガスケット3を取付ける。
【0045】
先ず、図1で示すように、シリンダヘッドカバー2のフランジ面を上面に向けた状態でその係止部22に、対応するラバーガスケット3の引掛部4を順次係止する。なお、この係止がし難い場合には、リング状の引掛部4を適宜引き伸ばし、その弾性力に抗しながら係止部22に係止すれば良い。
【0046】
そして、全ての引掛部4が係止されていることを確認したうえで、シリンダヘッドカバー2を反転させて、シリンダヘッド1の上面に被せるだけで、ラバーガスケット3のシール本体部31に接触せしめるよう載置される。
【0047】
そして、ボルト・ナット(不図示)などの締付け手段を用いて両者を締め付ければ、ラバーガスケット3に適当な圧縮が与えられることによって、ラバーガスケット3の変形密着を促し、シリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2とのシール作用を奏することができる。
【0048】
本発明によれば、引掛部4がリング状に形成されているので、シリンダヘッドカバー2を反転させて取付ける際などに、ラバーガスケット3の引掛部4は、シリンダヘッドカバー2の係止部22に確実に係止され、ラバーガスケット3の抜け外れを防止できる。
【0049】
また、ラバーガスケット3の引掛部4を両側に形成すれば、このラバーガスケット3を取付ける際に、内、外に向けての張力を均一化し、そのシール作用を安定させることができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果がある。
【0051】
請求項1に係るラバーガスケットの取付構造によれば、ラバーガスケットの引掛部は、シリンダヘッドカバーの係止部に確実に係止され、ラバーガスケットの抜け外れを防止できる。
【0052】
また、ラバーガスケットの引掛部を両側に形成した場合には、このラバーガスケットを取付ける際に、内、外に向けての張力を均一化し、そのシール作用を安定させることができる。
【0053】
請求項2に係るラバーガスケットの取付構造によれば、シール部材の何れか一方のシール部内面には、このシール部に沿って環状の保持溝が形成された構造のものであっても、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0054】
請求項3に係るラバーガスケットの取付構造によれば、ビート部を形成することで、そのシール作用をより安定させることができる。
【0055】
請求項4に係るラバーガスケットの取付構造によれば、引掛部がシール本体部の両側に連続的に形成された梯子状に形成することで、ラバーガスケットの引掛部を、より確実に係止部に係止できる。
【0056】
また、引掛部がシール本体部の両側に断続的に形成することで、その係止作業をスムーズに行うことができる。
【0057】
請求項5に係るラバーガスケットの取付構造によれば、引掛部をシール本体部を中心にして左右対称に形成しているので、ラバーガスケットを取付ける際に、内外に向けての張力をより均一化することができ、そのシール作用を一層安定させることができる。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラバーガスケットの取付構造Aの使用例を示す分解斜視図である。
【図2】(a)、(b)は、図1の要部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明に係るラバーガスケットの取付構造の他の実施例を示す要部の部分拡大断面図である。
【図4】(a)、(b)は、本発明に係るラバーガスケットの一例を示す部分平面図である。
【図5】(a)、(b)は、本発明に係るラバーガスケットの他の例を示す部分平面図である。
【図6】(a)、(b)は、図3で示したラバーガスケットの取付構造の変形例を示す要部の部分拡大断面図及びそのラバーガスケットを示す部分平面図である。
【符号の説明】
A ラバーガスケットの取付構造
1 一対のシール部材(シリンダヘッド)
2 一対のシール部材(シリンダヘッドカバー)
21 シール部
22 係止部
23 保持溝
3 ラバーガスケット
31 シール本体部
32 ビート部
33 嵌合部
4 引掛部
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対のシール部材間にラバーガスケットを介装し、これら一対のシール部材を嵌合密封してなるラバーガスケットの取付構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等に搭載されるエンジンのシリンダヘッドとシリンダヘッドカバー、或いはオイルパン、さらにはインテークマニホールドなどのカバー部材のように、一対のシール部材が嵌合密封される箇所には、合成ゴム材等の弾性体で形成されたラバーガスケットが介装されている。
【0003】
例えば、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間に介装されるラバーガスケットの取付構造としては、シリンダヘッドカバーのシール部内面に沿って環状の保持溝が形成されると共に、そのシール部の外方には係止部を形成しているものが既に知られている。
【0004】
また、ラバーガスケットは、上記保持溝に嵌合される嵌合部と、この嵌合部に連続形成され、上記他方のシール部材に当接し圧接されてシール作用を奏するシール本体部とを備え、このシール本体部のシール部外側に、連続的又は非連続的に上記係止部に係止される引掛部が形成されている。
【0005】
そして、その取付けに際しては、上記シリンダヘッドカバーのフランジ面を上面に向け、上記ラバーガスケットの引掛部を、シリンダヘッドカバーの係止部に仮留めし、上記保持溝へ環状のラバーガスケットの嵌合部を嵌め込み圧入した後、このシリンダヘッドカバー部材を反転させてシリンダヘッドなどの相手部材の密封面へラバーガスケットのシール本体部を接触せしめるよう載置し、ボルト・ナットなどの締付け手段を用いて両者を締め付ければ、ラバーガスケットに適当な圧縮が与えられることによって、ラバーガスケットの変形密着を促し、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとのシール作用を奏することができる。(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
実開平4−64662号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構造では、ラバーガスケットの引掛部は、シリンダヘッドカバーの係止部に係合させて仮留めするだけであるため、シリンダヘッドカバー部材を反転させて取付ける際などに、ラバーガスケットの引掛部が外れ易いという問題がある。
【0008】
また、ラバーガスケットの引掛部は、環状のラバーガスケットの外側にしか形成されていないため、ラバーガスケットを取付ける際に、内外に向けての張力が不均衡となり、ラバーガスケットのシール作用が不安定になる恐れもあった。
【0009】
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするもので、ラバーガスケットの引掛部を確実に係止させ、しかも、ラバーガスケットのシール作用を安定できるラバーガスケットの取付構造を提供している。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、
請求項1に係るラバーガスケットの取付構造は、一対のシール部材間にラバーガスケットを介装し、これら一対のシール部材を嵌合密封してなるラバーガスケットの取付構造において、上記一対のシール部材の何れか一方のシール部には、内方及び/又は外方に向けて突出された係止部が形成され、且つ上記ラバーガスケットには、上記係止部に係止される引掛部がリング状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
このものでは、ラバーガスケットの引掛部は、シリンダヘッドカバーの係止部に確実に係止され、ラバーガスケットの抜け外れを防止できる。
【0012】
また、ラバーガスケットの引掛部を両側に形成した場合には、このラバーガスケットを取付ける際に、内、外に向けての張力を均一化し、そのシール作用を安定させることができる。
【0013】
請求項2に係るラバーガスケットの取付構造は、一対のシール部材間にラバーガスケットを介装し、これら一対のシール部材を嵌合密封してなるラバーガスケットの取付構造において、上記一対のシール部材の何れか一方のシール部内面には、このシール部に沿って環状の保持溝が形成されると共に、そのシール部には、内方及び/又は外方に向けて突出された係止部が形成され、且つ上記ラバーガスケットには、上記係止部に係止される引掛部がリング状に形成されていることを特徴とする。
【0014】
このものでは、シール部材の何れか一方のシール部内面には、このシール部に沿って環状の保持溝が形成された構造のものを示しており、このような保持溝を備えた構造のものであっても請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0015】
請求項3に係るラバーガスケットの取付構造は、請求項1又は2の何れかにおいて、上記ラバーガスケットは、上記一対のシール部材間に密着されるシール本体部を少なくとも備え、このシール本体部には、少なくとも一方のシール部材に向けて突設されたビート部を形成したことを特徴とする。
【0016】
このものでは、ビート部を形成することで、そのシール作用をより安定させることができる。
【0017】
請求項4に係るラバーガスケットの取付構造は、請求項3において、上記引掛部は、上記シール本体部の両側に、連続的又は断続的に形成されていることを特徴とする。
【0018】
このものでは、引掛部がシール本体部の両側に連続的に形成された梯子状に形成することで、ラバーガスケットの引掛部を、より確実に係止部に係止できる。
【0019】
また、引掛部がシール本体部の両側に断続的に形成することで、その係止作業をスムーズに行うことができる。
【0020】
請求項5に係るラバーガスケットの取付構造は、請求項3又は4の何れかにおいて、上記引掛部は、上記シール本体部を中心にして左右対称に形成されていることを特徴とする。
【0021】
このものでは、引掛部をシール本体部を中心にして左右対称に形成しているので、ラバーガスケットを取付ける際に、内外に向けての張力をより均一化することができ、そのシール作用を一層安定させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るラバーガスケットの取付構造を図面に基づき説明する。
【0023】
図1は、本発明に係るラバーガスケットの取付構造Aの使用例を示す分解斜視図、図2(a)、(b)は、図1の要部を示す拡大断面図である。
【0024】
ここで、本発明に係るラバーガスケットの取付構造Aは、一対のシール部材が嵌合密封される箇所に適用可能であるが、本実施例では、自動車等に搭載されるエンジンのシリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2を代表例として説明する。
【0025】
図1で示すように、自動車等に搭載されるエンジンのシリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2には、ラバーガスケット3が介装され、これら一対のシリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2を、ボルト・ナット(不図示)などの締付け手段を用いて両者を嵌合密封している。
【0026】
シリンダヘッドカバー2のシール部21には、内方及び外方に向けて突出された係止部22を形成している。
【0027】
この係止部22は、シール部21の内縁及び外縁から、各々内、外に向けて突設され、その先端を上方に向けて形成された釣針状に形成している。
【0028】
また係止部22の位置は、後述するラバーガスケットの引掛部に対応しており、本実施例では、シール部21を中心にして左右対称に形成している。
【0029】
ラバーガスケット3は、従来同様、合成ゴム材、合成樹脂材等の弾性体で形成され、具体的には、ゴム材や熱可塑性エラストマー・樹脂材等が好適であり、例えばゴム材を挙げれば、ブチルゴムスチレンーブタジエン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸メチル共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムなどが採用可能である。
【0030】
また、ラバーガスケット3は、シリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2間に密着されるシール本体部31を少なくとも備えた断面略偏平状に形成している。
【0031】
また、シール本体部31の上、下面には、各々シリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2に向けて、図2(a)で示すように、復数の突設されたビート部32を形成するか又は、図2(b)で示すように、1つの突設されたビート部32を形成している。
【0032】
そして、このようなシール本体部31の内、外面には、上記シリンダヘッドカバー2の係止部22に係止される弾性力を備えたリング状の引掛部4を連続して一体形成している。
【0033】
図3は、本発明に係るラバーガスケットの取付構造の他の実施例を示す要部の部分拡大断面図である。
【0034】
なお、図1、図2と共通する部材には同一番号を付し、重複する説明は省略している。
【0035】
このラバーガスケットの取付構造Bは、シリンダヘッドカバー2のシール部21内面には、このシール部21に沿って環状の保持溝23が形成されると共に、そのシール部21には、内方及び外方に向けて突出された係止部22が形成している。
【0036】
また、ラバーガスケット3は、保持溝23に嵌合される嵌合部33と、この嵌合部33に連続形成され、シリンダヘッド1の上面に当接し圧接されてシール作用を奏するシール本体部31とを備えた断面略T状に形成している。
【0037】
そして、このラバーガスケットの取付構造Bでも、そのシール本体部31の内、外面には、シリンダヘッドカバー2の係止部22に係止される弾性力を備えたリング状の引掛部4を連続して一体形成している。
【0038】
図4(a)、(b)は、本発明に係るラバーガスケットの一例を示す部分平面図である。
この図4(a)で示すラバーガスケット3は、シール本体部31の両側に引掛部4を断続的に形成したものを示し、図4(b)で示すラバーガスケット3は、シール本体部31の両側に引掛部4を連続的に形成したものを示している。
【0039】
図5(a)、(b)は、本発明に係るラバーガスケットの他の例を示す部分平面図である。
この図5(a)で示すラバーガスケット3は、シール本体部31の片側に引掛部4を断続的に形成したものを示し、図5(b)で示すラバーガスケット3は、シール本体部31の両側に引掛部4を千鳥状に形成したものを示している。
【0040】
このように引掛部4は、様々な構造のものを形成することができるが、何れの構造であっても、シリンダヘッドカバー2の係止部22に係止される弾性力を備えたリング状の引掛部4をリング状に形成している点では同じである。
【0041】
図6(a)、(b)は、図3で示したラバーガスケットの取付構造の変形例を示す要部の部分拡大断面図及びそのラバーガスケットを示す部分平面図である。
【0042】
なお、図3と共通する部材には同一番号を付し、重複する説明は省略している。
【0043】
このラバーガスケットの取付構造Cでは、図3で示した係止部22に代えて、図6(b)で示すように、シリンダヘッドカバー2のシール部21に、下方に向けて突出された柱状の係止部22’を断続的に形成すると共に、ラバーガスケット3は、図6(a)で示すように、上記係止部22’に対応する位置に、この係止部22’の外径よりも略小径な取付孔41を開設することでリング状に形成した引掛部4を設けている点で特徴がある。
【0044】
このように構成された本発明のラバーガスケットの取付構造A〜Cでは、以下の要領でラバーガスケット3を取付ける。
【0045】
先ず、図1で示すように、シリンダヘッドカバー2のフランジ面を上面に向けた状態でその係止部22に、対応するラバーガスケット3の引掛部4を順次係止する。なお、この係止がし難い場合には、リング状の引掛部4を適宜引き伸ばし、その弾性力に抗しながら係止部22に係止すれば良い。
【0046】
そして、全ての引掛部4が係止されていることを確認したうえで、シリンダヘッドカバー2を反転させて、シリンダヘッド1の上面に被せるだけで、ラバーガスケット3のシール本体部31に接触せしめるよう載置される。
【0047】
そして、ボルト・ナット(不図示)などの締付け手段を用いて両者を締め付ければ、ラバーガスケット3に適当な圧縮が与えられることによって、ラバーガスケット3の変形密着を促し、シリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2とのシール作用を奏することができる。
【0048】
本発明によれば、引掛部4がリング状に形成されているので、シリンダヘッドカバー2を反転させて取付ける際などに、ラバーガスケット3の引掛部4は、シリンダヘッドカバー2の係止部22に確実に係止され、ラバーガスケット3の抜け外れを防止できる。
【0049】
また、ラバーガスケット3の引掛部4を両側に形成すれば、このラバーガスケット3を取付ける際に、内、外に向けての張力を均一化し、そのシール作用を安定させることができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果がある。
【0051】
請求項1に係るラバーガスケットの取付構造によれば、ラバーガスケットの引掛部は、シリンダヘッドカバーの係止部に確実に係止され、ラバーガスケットの抜け外れを防止できる。
【0052】
また、ラバーガスケットの引掛部を両側に形成した場合には、このラバーガスケットを取付ける際に、内、外に向けての張力を均一化し、そのシール作用を安定させることができる。
【0053】
請求項2に係るラバーガスケットの取付構造によれば、シール部材の何れか一方のシール部内面には、このシール部に沿って環状の保持溝が形成された構造のものであっても、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0054】
請求項3に係るラバーガスケットの取付構造によれば、ビート部を形成することで、そのシール作用をより安定させることができる。
【0055】
請求項4に係るラバーガスケットの取付構造によれば、引掛部がシール本体部の両側に連続的に形成された梯子状に形成することで、ラバーガスケットの引掛部を、より確実に係止部に係止できる。
【0056】
また、引掛部がシール本体部の両側に断続的に形成することで、その係止作業をスムーズに行うことができる。
【0057】
請求項5に係るラバーガスケットの取付構造によれば、引掛部をシール本体部を中心にして左右対称に形成しているので、ラバーガスケットを取付ける際に、内外に向けての張力をより均一化することができ、そのシール作用を一層安定させることができる。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラバーガスケットの取付構造Aの使用例を示す分解斜視図である。
【図2】(a)、(b)は、図1の要部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明に係るラバーガスケットの取付構造の他の実施例を示す要部の部分拡大断面図である。
【図4】(a)、(b)は、本発明に係るラバーガスケットの一例を示す部分平面図である。
【図5】(a)、(b)は、本発明に係るラバーガスケットの他の例を示す部分平面図である。
【図6】(a)、(b)は、図3で示したラバーガスケットの取付構造の変形例を示す要部の部分拡大断面図及びそのラバーガスケットを示す部分平面図である。
【符号の説明】
A ラバーガスケットの取付構造
1 一対のシール部材(シリンダヘッド)
2 一対のシール部材(シリンダヘッドカバー)
21 シール部
22 係止部
23 保持溝
3 ラバーガスケット
31 シール本体部
32 ビート部
33 嵌合部
4 引掛部
Claims (5)
- 一対のシール部材間に介装し、これら一対のシール部材を嵌合密封してなるラバーガスケットの取付構造において、
上記一対のシール部材の何れか一方のシール部には、内方及び/又は外方に向けて突出された係止部が形成され、且つ
上記ラバーガスケットには、上記係止部に係止される引掛部がリング状に形成されていることを特徴とするラバーガスケットの取付構造。 - 一対のシール部材間にラバーガスケットを介装し、これら一対のシール部材を嵌合密封してなるラバーガスケットの取付構造において、
上記一対のシール部材の何れか一方のシール部内面には、このシール部に沿って環状の保持溝が形成されると共に、そのシール部には、内方及び/又は外方に向けて突出された係止部が形成され、且つ
上記ラバーガスケットには、上記係止部に係止される引掛部がリング状に形成されていることを特徴とするラバーガスケットの取付構造。 - 請求項1又は2の何れかにおいて、
上記ラバーガスケットは、上記一対のシール部材間に密着されるシール本体部を少なくとも備え、このシール本体部には、少なくとも一方のシール部材に向けて突設されたビート部を形成したことを特徴とするラバーガスケットの取付構造。 - 請求項3において、
上記引掛部は、上記シール本体部の両側に、連続的又は断続的に形成されていることを特徴とするラバーガスケットの取付構造。 - 請求項3又は4の何れかにおいて、
上記引掛部は、上記シール本体部を中心にして左右対称に形成されていることを特徴とするラバーガスケットの取付構造。
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-
2003
- 2003-04-14 JP JP2003108744A patent/JP2004316708A/ja active Pending
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