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JP2004308549A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

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JP2004308549A
JP2004308549A JP2003102897A JP2003102897A JP2004308549A JP 2004308549 A JP2004308549 A JP 2004308549A JP 2003102897 A JP2003102897 A JP 2003102897A JP 2003102897 A JP2003102897 A JP 2003102897A JP 2004308549 A JP2004308549 A JP 2004308549A
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exhaust gas
fuel
pressurized
nox
passage
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Application number
JP2003102897A
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Inventor
Shinya Hirota
信也 広田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】排気ガスの空燃比への影響を抑えつつ添加燃料の霧化または気化を促進することが可能な排気浄化装置を提供する。
【解決手段】排気ガス通路6に配置された排気ガス浄化手段12と、該排気ガス浄化手段12の上流側において上記排気ガス通路6に燃料を添加する燃料添加手段24と、上記排気ガス通路6から排気ガスの一部を取り出して加圧し加圧排気ガスを生成すると共に、該加圧排気ガスを上記燃料添加手段24により添加される燃料と共に上記排気ガス通路6の上記排気ガス浄化手段12の上流側に供給する加圧排気ガス供給手段15、16、18、21、22、24と、を備える内燃機関の排気浄化装置20を提供する。これによれば、排気ガス中の酸素量は空気中のそれよりも少ないので、上記排気ガス浄化手段12を流通する排気ガスの空燃比への影響を抑えつつ添加燃料の霧化を促進することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気ガスを浄化する排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等に搭載される筒内噴射型の内燃機関、例えばディーゼルエンジンでは、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を除去することが要求されている。そしてこのような要求に対し、NOx吸蔵剤を内燃機関の排気ガス通路に配置する方式の排気浄化装置が提案されている。
【0003】
このような排気浄化装置に用いられるNOx吸蔵剤は、排気ガスの空燃比がリーンの時にはNOxを吸蔵し、排気ガス中の空燃比が小さくなり、且つ排気ガス中にHCやCO等の還元剤が存在していれば吸蔵したNOxを離脱させ還元浄化する作用(NOxの吸蔵離脱及び還元浄化作用)を有する。そしてこの作用を利用して、排気ガスの空燃比がリーンの時に排気ガス中のNOxをNOx吸蔵剤に吸蔵させ、一定期間使用してNOx吸蔵剤の吸蔵効率が低下した時または低下する前に、NOx吸蔵剤に流入する排気ガスの空燃比を一時的にリッチにする制御(以下、この制御をリッチスパイク制御という)を行って、NOx吸蔵剤に吸蔵したNOxを離脱させ還元浄化するようにしている。
【0004】
なお、本明細書において「吸蔵」という語は「吸収」及び「吸着」の両方の意味を含むものとして用いる。したがって、「NOx吸蔵剤」は、「NOx吸収剤」と「NOx吸着剤」の両方を含み、前者はNOxを硝酸塩等の形で蓄積し、後者はNO等の形で吸着する。また、NOx吸蔵剤からの「離脱」という語についても、「吸収」に対応する「放出」の他、「吸着」に対応する「脱離」の意味も含むものとして用いる。
【0005】
ところで、内燃機関の燃料には硫黄(S)成分が含まれている場合があり、この場合には排気ガス中に硫黄酸化物(SOx)が含まれることとなる。排気ガス中にSOxが存在するとNOx吸蔵剤はNOxの吸蔵作用を行うのと全く同じメカニズムで排気ガス中のSOxの吸蔵を行う。
【0006】
ところが、NOx吸蔵剤に吸蔵されたSOxは比較的安定であり、一般にNOx吸蔵剤に蓄積されやすい傾向がある。NOx吸蔵剤のSOx蓄積量が増大すると、NOx吸蔵剤のNOx吸蔵容量が減少して排気ガス中のNOxの除去を十分に行うことができなくなるため、NOxの浄化効率が低下するいわゆる硫黄被毒(S被毒)の問題が生じる。特に、燃料として比較的硫黄成分を多く含む軽油を使用するディーゼルエンジンにおいてはこの硫黄被毒の問題が生じやすい。
【0007】
一方、NOx吸蔵剤に吸蔵されたSOxについても、NOxと同じメカニズムで離脱させることが可能であることが知られている。従って、この場合にも上述したリッチスパイク制御が実施される。但し、SOxは比較的安定した形でNOx吸蔵剤に吸蔵されるため、通常のNOxの離脱及び還元浄化が行われる温度(例えば250℃程度以上)でリッチスパイク制御を行ってもNOx吸蔵剤に吸蔵されたSOxを放出等させることは困難である。このため、硫黄被毒を解消する(すなわち、硫黄被毒再生する)ためには、NOx吸蔵剤を通常のNOxの離脱及び還元浄化時よりも高い温度、すなわち硫黄分放出温度(例えば600℃以上)に昇温してリッチスパイク制御が実施される。
【0008】
以上のように、上記のようなNOx吸蔵剤を利用した排気浄化装置においては、そのNOx吸蔵剤を浄化(NOxの放出還元、硫黄被毒再生等)するための制御においてリッチスパイク制御もしくはNOx吸蔵剤を昇温してのリッチスパイク制御(以下、これらをまとめて単に「リッチスパイク制御」という)を実施する場合がある。そして、このリッチスパイク制御を行う方法として、NOx吸蔵剤の上流側において排気ガス通路内に燃料(軽油)を添加する方法が公知である。
【0009】
しかしながら、この方法は添加される燃料である軽油が霧化及び気化され難く、NOx吸蔵剤のうちの上流側部分に多く付着してしまうという問題がある。すなわち、燃料(軽油)がNOx吸蔵剤全体に供給されず、その結果、浄化(NOxの放出還元、硫黄被毒再生等)が不充分になってしまう場合がある。またその一方、燃料をNOx吸蔵剤の下流側部分まで供給しようとすると、燃料の添加量が増えて燃費が悪化する上、添加された燃料が外部へ排出されて白煙を生じてしまう場合がある。
【0010】
このような問題に対して、特許文献1には、過給空気の一部を利用して燃料(軽油)を噴霧することにより、燃料の霧化を促進する方法が開示されている。また、エアコンプレッサを備えていて同コンプレッサにより供給される圧縮空気を利用して燃料を噴霧し、燃料の霧化を促進する方法も公知である。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−200047号公報
【特許文献2】
特開2002−70600号公報
【特許文献3】
特開平6−28218号公報
【特許文献4】
特開平6−93842号公報
【特許文献5】
特開2000−110552号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これらの空気を用いた霧化促進方法においては、霧化促進効果は得られるものの、燃料と共に供給される空気により排気ガスの空燃比が大きな影響を受け、排気ガスの空燃比をリッチ化する(リッチスパイク制御を実施する)ことがより困難になる。これは、霧化促進のために燃料と共に供給される空気により排気ガス中の空気量が多くなるので、目標とするリッチ空燃比とするために必要な燃料の量が多くなるためである。したがって、空気を用いた霧化促進を行いながらリッチスパイク制御を実施すると、燃費が悪化してしまう。
【0013】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、NOx吸蔵剤等の排気ガス浄化手段の上流側において排気ガス通路内に燃料を添加することのある排気浄化装置において、排気ガスの空燃比への影響を抑えつつ添加燃料の霧化または気化を促進することが可能な排気浄化装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載された排気浄化装置を提供する。
1番目の発明は、排気ガス通路に配置された排気ガス浄化手段と、該排気ガス浄化手段の上流側において上記排気ガス通路に燃料を添加する燃料添加手段と、上記排気ガス通路から排気ガスの一部を取り出して加圧し加圧排気ガスを生成すると共に、該加圧排気ガスを上記燃料添加手段により添加される燃料と共に上記排気ガス通路の上記排気ガス浄化手段の上流側に供給する加圧排気ガス供給手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【0015】
排気ガス浄化手段の上流側において排気ガス通路内に燃料を添加する場合、添加する燃料が霧化及び気化され難いと、添加燃料が排気ガス浄化手段の上流側部分に付着してしまって排気ガス浄化手段全体に供給されず、所期の目的を充分に果たせない場合がある。そしてこのような場合に、燃料の霧化促進のために空気を添加燃料と共に供給するようにすると、目標の排気ガス空燃比とするために必要な燃料量が増加し、燃費が悪化してしまう。
【0016】
これに対し、1番目の発明によれば、上記燃料添加手段により添加される燃料と共に加圧排気ガスが供給される。排気ガス中の酸素量は空気中のそれよりも少ないので、1番目の発明のようにすれば、上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの空燃比への影響を抑えつつ添加燃料の霧化を促進することができる。また、供給される加圧排気ガスの温度が高ければ添加燃料の気化を促進する効果もある。そしてこれらにより、例えば燃費悪化を抑制しつつ添加燃料の霧化または気化を促進してリッチスパイク制御を実施することができる。この場合、霧化または気化の促進により燃料は排気ガス浄化手段全体もしくは排気ガス浄化手段のより広い範囲に供給されるようになるので、結果として燃費悪化を抑制しつつリッチスパイク制御の目的(例えば、排気ガス浄化手段の浄化(NOxの放出還元、硫黄被毒再生等)等を行うこと)を充分に果たすことが可能になる。
【0017】
2番目の発明では1番目の発明において、上記加圧排気ガス供給手段は、上記排気ガス通路に設けられた排気ガス取り出し口を介して排気ガスを吸引し加圧する排気ガス吸引加圧手段と、加圧された上記排気ガスを貯蔵する加圧排気ガス貯蔵手段と、該加圧排気ガス貯蔵手段に貯蔵された加圧排気ガスの上記排気ガス通路への供給方法を制御する加圧排気ガス供給方法制御手段と、を備える。
2番目の発明によれば、比較的簡単な構成により1番目の発明と同様の作用及び効果を得ることができる。特に加圧排気ガスを貯蔵していることにより、応答性良く加圧排気ガスを供給することが可能となる。
【0018】
3番目の発明では2番目の発明において、上記排気ガス取り出し口は、上記排気ガス浄化手段よりも下流側に設けられる。
3番目の発明によれば、上記排気ガス浄化手段により浄化された排気ガスの一部が再度上記排気ガス浄化手段の上流側に供給されることになるので、エミッションの向上を図ることができる。また、上記加圧排気ガス供給手段へ導入される排気ガスが上記排気ガス浄化手段によって浄化されたものとなるので、上記加圧排気ガス供給手段を構成する各構成要素における詰り等の発生を低減する効果もある。
【0019】
4番目の発明では2番目または3番目の発明において、上記燃料添加手段による燃料添加が間欠的な複数回の燃料の噴射によって行われる場合に、上記加圧排気ガスの供給が、最初の燃料の噴射が開始される時から最後の燃料の噴射が終了するまでの間継続されるように上記加圧排気ガス供給方法制御手段によって制御される。
4番目の発明によれば、簡単化された制御により、排気ガスの空燃比への影響を抑えつつ確実に添加燃料の霧化または気化を促進することができる。
【0020】
5番目の発明では2番目または3番目の発明において、上記加圧排気ガス供給方法制御手段が、上記加圧排気ガスの供給タイミングを制御し、該供給タイミングが上記燃料添加手段による燃料添加のための燃料噴射のタイミングと同期せしめられる。
5番目の発明によれば、上記加圧排気ガスを無駄なく使用して、排気ガスの空燃比への影響を抑えつつ添加燃料の霧化または気化を促進することができる。
【0021】
6番目の発明では1番目から5番目の何れかの発明において、更に上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を制御する流量制御手段を有していて、上記燃料添加手段によって上記排気ガス通路に燃料を添加する時には、上記流量制御手段によって上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量が低減せしめられると共に、上記加圧排気ガスが上記燃料添加手段により添加される燃料と共に上記排気ガス通路の上記排気ガス浄化手段の上流側に供給される。
【0022】
上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を制御できる場合には、排気ガスの流量を低減して燃料添加を行うことにより、目標の排気ガス空燃比とするために必要な燃料量を低減することができるので燃費悪化を抑制することができる。しかしながら、この場合、排気ガスの流量が低下するので添加燃料の霧化を充分に行うことは一層困難になると考えられる。そしてその結果、添加燃料を排気ガス浄化手段全体に供給することも難しくなると考えられる。
【0023】
6番目の発明によれば、このような上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を低減して燃料添加を行う場合において、上記加圧排気ガスが、燃料と共に上記排気ガス通路の上記排気ガス浄化手段の上流側に供給される。このようにすることにより、加圧排気ガスが燃料の霧化または気化を促進し、燃料の分散性を改善することができる。そしてその結果、添加燃料を排気ガス浄化手段全体もしくは排気ガス浄化手段のより広い範囲に供給することが可能になる。
【0024】
7番目の発明では1番目から6番目の何れかの発明において、上記排気ガス浄化手段がNOx吸蔵剤を含み、該NOx吸蔵剤に吸蔵されたNOxまたはSOxを離脱させる時に、上記加圧排気ガスが上記燃料添加手段により添加される燃料と共に上記排気ガス通路の上記排気ガス浄化手段の上流側に供給される。
【0025】
7番目の発明によれば、燃費悪化を抑制しつつ添加燃料の霧化または気化を促進してリッチスパイク制御を実施することができる。そしてこの場合、霧化または気化の促進により燃料はNOx吸蔵剤を含む排気ガス浄化手段全体もしくは排気ガス浄化手段のより広い範囲に供給されるようになるので、結果として燃費悪化を抑制しつつNOx吸蔵剤のNOx放出還元または硫黄被毒再生を充分に行うことが可能になる。
【0026】
8番目の発明では1番目から7番目の何れかの発明において、上記加圧排気ガス供給手段が、上記排気ガス通路から取り出した排気ガスの酸素濃度を低減する酸素濃度低減手段を有している。
8番目の発明によれば、酸素濃度の低減された加圧排気ガスが生成されるので、上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの空燃比への影響をより一層抑制しつつ添加燃料の霧化または気化を促進することができる。そしてこれにより、例えば、燃費悪化をより一層抑制しつつ添加燃料の霧化または気化を促進してリッチスパイク制御を実施することができる。
【0027】
9番目の発明では8番目の発明において、上記酸素濃度低減手段は、上記排気ガス通路から取り出した排気ガスが通る通路に配置された酸化触媒と、該酸化触媒の上流側において燃料を添加する前記燃料添加手段とは異なる燃料添加手段とを備える。
上記の前記燃料添加手段とは異なる燃料添加手段から燃料を添加し上記酸化触媒において反応させることによって上記排気ガス通路から取り出した排気ガス中の酸素を消費し、上記排気ガス通路から取り出した排気ガスの酸素濃度を低減することができる。すなわち、9番目の発明によれば、比較的簡単に上記酸素濃度低減手段を構成し、8番目の発明と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明はNOx吸蔵剤であるNOx吸収剤とNOx吸着剤のどちらを用いても実施可能であるが、以下ではNOx吸収剤を用いた場合について説明する。また、各図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照番号を付す。
【0029】
図1は本発明をディーゼルエンジンへ適用した場合を示している。なお、本発明はガソリンエンジン等その他のタイプの内燃機関へ適用することも可能である。
図1において、2は機関(エンジン)本体、4は吸気通路、6は排気ガス通路をそれぞれ示す。排気ガス通路6には本発明の排気浄化装置10が設けられるが、この部分に設置される排気浄化装置10については後に三つの異なる構成の排気浄化装置20、30、40を挙げて詳細に説明する。
【0030】
電子制御ユニット(ECU)8は、CPU(中央演算装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、入出力ポートを双方向バスで接続した公知の形式のディジタルコンピュータからなり、機関本体2と信号をやり取りして燃料噴射量制御等のエンジンの基本制御を行う他、以下で述べるように本発明の各実施形態においては、排気浄化装置の各構成要素とも信号のやり取りを行いその制御も行う。
【0031】
図2は、図1に示されている排気浄化装置10の部分に設置されて排気ガス通路6の一部を構成する、排気浄化装置20について示した図である。図2に示したように排気浄化装置20は、排気ガス通路6に配置されたフィルタ14を備え、同フィルタ14は排気ガス中の排気微粒子を除去する機能を有する。フィルタ14には後述するようにNOx吸収剤12が担持され、排気ガス浄化手段が構成される。
【0032】
NOx吸収剤12が担持されたフィルタ14の上流側には、NOx吸収剤12等の浄化制御等の際に燃料(軽油)を排気ガス通路6内に添加するためのノズル24が設けられている。ノズル24は、添加する燃料の霧化または気化を促進するために添加燃料と共に後述する加圧排気ガスを供給できるような構成となっている。ノズル24は、例えば公知の2流体ノズルあるいはエアーアシストノズルのような構成であってもよい。燃料の添加方法、すなわち添加燃料量や添加タイミング(噴射タイミング)等はノズル24の動作をECU8によって制御することで調整される。
【0033】
NOx吸収剤12が担持されたフィルタ14の下流側には排気ガス通路6から排気ガスの一部を取り出すための排気ガス取り出し口15が設けられており、同取り出し口15に接続されたポンプまたはコンプレッサ(以下、単に「ポンプ」という)16によって排気ガスが上記取り出し口15を介して吸引され加圧される。ポンプ16はECU8によって制御される。
【0034】
ポンプ16により吸引され加圧された排気ガスはタンク21へ送られ加圧排気ガスとして貯蔵される。図1の実施形態においてはポンプ16とタンク21との間の加圧排気ガス通路にタンク21からの逆流を防止するための逆止弁18が設けられている。
タンク21に貯蔵された加圧排気ガスは上述のノズル24へと送られ添加燃料と共に排気ガス通路6内へと供給されることとなるが、この場合の加圧排気ガスの供給方法、すなわち供給量や供給タイミング等は、タンク21とノズル24との間に設けられた制御弁22の動作をECU8によって制御することで調整される。なお、制御弁22に相当する制御手段をノズル24内に組み込み、ECU8によってノズル24を制御することによって燃料の添加方法と加圧排気ガスの供給方法の両方を制御するようにしてもよい。
【0035】
図3にフィルタ14の拡大断面図を示す。図3を参照すると、フィルタ14は多孔質セラミックから成り、排気ガスは矢印で示されるように図中左から右に向かって流れる。フィルタ14内には、上流側に栓34が施された第1通路38と下流側に栓42が施された第2通路44とが交互に配置されハニカム状をなしている。排気ガスが図中左から右に向かって流れると、排気ガスは第2通路44から多孔質セラミックの隔壁を通過して第1通路38に流入し、下流側に流れる。この時、排気ガス中の排気微粒子(パティキュレート)は多孔質セラミックによって捕集されて排気ガス中から除去され、排気微粒子の大気への放出が防止される。
【0036】
また、第1通路38および第2通路44の隔壁の表面及び内部の細孔内にはNOx吸収剤12が担持されている。NOx吸収剤12は、例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属とから成る。NOx吸収剤12は流入排気ガスの空燃比がリーンの時にはNOxを吸収し、NOx吸収剤流入排気ガスの空燃比が小さくなり、且つ還元剤が存在していれば吸収したNOxを放出して還元浄化する作用(NOxの吸収放出及び還元浄化作用)を有する。
【0037】
図1に示した構成ではディーゼルエンジンが使用されているため、通常状態の時の排気ガス空燃比はリーンであり、NOx吸収剤12は通常状態の時には排気ガス中のNOxの吸収を行う。そして、一定期間使用してNOx吸収剤12のNOx吸収効率が低下する等した場合には、NOx吸収剤12からNOxを放出し還元する必要が生じる。本排気浄化装置20においては、このようなNOx吸収剤12からのNOxの放出及び還元浄化が必要になった場合には、ノズル24からNOx吸収剤12(フィルタ14)の上流側の排気ガス通路6に燃料(軽油)を供給することでリッチスパイク制御を行い、NOx吸収剤12が吸収したNOxを放出すると共に放出したNOxを還元浄化するようにする。
【0038】
この吸収放出及び還元浄化作用の詳細なメカニズムについては明らかでない部分もあるが、この吸収放出及び還元浄化作用は図4に示すようなメカニズムで行われているものと考えられる。次にこのメカニズムについて白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例にとって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0039】
すなわち、NOx吸収剤流入排気ガスの空燃比がかなりリーンになるとNOx吸収剤流入排気ガス中の酸素濃度が大幅に増大し、図4(A)に示されるようにこれら酸素OがO またはO2−の形で白金Ptの表面に付着する。一方、NOx吸収剤流入排気ガス中のNOは白金Ptの表面上でO またはO2−と反応し、NOとなる(2NO+O→2NO)。次いで生成されたNOの一部は白金Pt上で更に酸化されつつNOx吸収剤12内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、図4(A)に示されるように硝酸イオンNO の形でNOx吸収剤12内に拡散する。このようにしてNOxがNOx吸収剤12内に吸収される。
【0040】
NOx吸収剤流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金Ptの表面でNOが生成され、NOx吸収剤12のNOx吸収能力が飽和しない限りNOがNOx吸収剤12内に吸収されて硝酸イオンNO が生成される。これに対してNOx吸収剤流入排気ガス中の酸素濃度が低下してNOの生成量が低下すると反応が逆方向(NO →NO)に進み、斯くしてNOx吸収剤12内の硝酸イオンNO がNOの形でNOx吸収剤12から放出される。すなわち、NOx吸収剤流入排気ガス中の酸素濃度が低下するとNOx吸収剤12からNOxが放出されることになる。NOx吸収剤流入排気ガスのリーンの度合いが低くなればNOx吸収剤流入排気ガス中の酸素濃度が低下し、したがってNOx吸収剤流入排気ガスのリーンの度合いを低くすればNOx吸収剤12からNOxが放出されることになる。
【0041】
一方、この時NOx吸収剤流入排気ガスの空燃比を小さくすると、HC、COは白金Pt上の酸素O またはO2−と反応して酸化せしめられる。また、NOx吸収剤流入排気ガスの空燃比を小さくするとNOx吸収剤流入排気ガス中の酸素濃度が極度に低下するためにNOx吸収剤12からNOが放出され、このNOは図4(B)に示されるように未燃HC、COと反応して還元浄化せしめられる。このようにして白金Ptの表面上にNOが存在しなくなるとNOx吸収剤12から次から次へとNOが放出される。したがってNOx吸収剤流入排気ガスの空燃比を小さくすると短時間のうちにNOx吸収剤12からNOxが放出されて還元浄化されることになる。
【0042】
なお、ここでいう排気ガスの空燃比とはNOx吸収剤12上流側の排気ガス通路6とエンジン燃焼室または吸気通路4に供給された空気と燃料との比率をいうものとする。したがって排気ガス通路6に空気や燃料が供給されていない時には排気ガスの空燃比はエンジンの運転空燃比(エンジン燃焼室内の燃焼空燃比)に等しくなる。
【0043】
次にNOx吸収剤12の硫黄被毒のメカニズムについて説明する。排気ガス中にSOx成分が含まれていると、NOx吸収剤12は上述のNOxの吸収と同じメカニズムで排気ガス中のSOxを吸収する。すなわち、排気ガスの空燃比がリーンの時、排気ガス中のSOx(例えばSO)は白金Pt上で酸化されてSO 、SO となり、酸化バリウムBaOと結合してBaSOを形成する。BaSOは比較的安定であり、また、結晶が粗大化しやすいため一旦生成されると分解放出されにくい。このため、NOx吸収剤12中のBaSOの生成量が増大するとNOxの吸収に関与できるBaOの量が減少してしまいNOxの吸収能力が低下してしまう。
【0044】
この硫黄被毒を解消するためには、NOx吸収剤12中に生成されたBaSOを高温で分解するとともに、これにより生成されるSO 、SO の硫酸イオンをスライトリーンを含むほぼ理論空燃比またはリッチ雰囲気(以下、単にリッチ雰囲気という)下で還元し、気体状のSOに転換してNOx吸収剤12から放出させる必要がある。すなわち、硫黄被毒を解消するためには、NOx吸収剤12を高温且つリッチ雰囲気の状態にする必要がある。
【0045】
本排気浄化装置20においては、このような硫黄被毒を解消する必要が生じた場合には、ノズル24からNOx吸収剤12(フィルタ14)の上流側の排気ガス通路6に燃料(軽油)を供給し、その反応によってNOx吸収剤12を昇温すると共にリッチ雰囲気を作り出すようにし、NOx吸収剤12から硫黄分を放出するようにする。すなわち、ノズル24から排気ガス通路に燃料(軽油)を添加することでリッチスパイク制御が実施され、硫黄分の放出が図られる。
【0046】
以上のように、本排気浄化装置20においては、NOx吸収剤12を浄化(上述のようなNOxの放出還元、硫黄被毒再生等)する必要が生じた場合には、リッチスパイク制御を実施するためにNOx吸収剤12(フィルタ14)の上流側においてノズル24から排気ガス通路6内に燃料(軽油)の添加が行われる。より詳細には、予め定めたリッチスパイク制御開始条件が成立した時に燃料添加が開始され、その後予め定めたリッチスパイク制御終了条件が成立した時に燃料添加が終了するようになっている。ここでのリッチスパイク制御開始条件は、すなわち上述したようなNOx吸収剤の浄化が必要となったことを示すものであり、例えば、前回NOx吸収剤の浄化(NOxの放出還元または硫黄被毒再生等)を行った時からの車両走行距離が予め定めた値になった時にこの条件が成立するものとしてもよい。また、ここでのリッチスパイク制御終了条件はNOx吸収剤12の浄化が完了したことを示すものであり、例えば今回のリッチスパイク制御の継続時間が予め定めた値になった時にこの条件が成立したものとすることができる。
【0047】
そしてこのようなリッチスパイク制御を実施するために燃料添加を行う際、本排気浄化装置20においては、予めポンプ16によって吸引、加圧されてタンク20に貯蔵されていた加圧排気ガスが添加燃料(軽油)と共にNOx吸収剤12(フィルタ14)の上流側に供給されるようになっている。これは、NOx吸収剤12を流通する排気ガスの空燃比への影響を抑えつつ添加燃料(軽油)の霧化または気化を促進し、その結果として燃費悪化を抑制しつつ上述したようなNOx吸収剤12の浄化を効果的に行えるようにすることを目的とするものである。
【0048】
すなわち、上述したようなNOx吸収剤12の浄化を目的としてNOx吸収剤12の上流側において排気ガス通路6内に燃料(軽油)を添加する場合、添加する燃料である軽油は一般に霧化及び気化され難いので、添加燃料がNOx吸収剤12(フィルタ14)の上流側部分に付着してしまってNOx吸収剤全体に供給されず、NOx吸収剤12の浄化を充分に行うことが困難である。そしてこのような場合に燃料の霧化促進のために空気を添加燃料と共に供給するようにすると、目標の排気ガス空燃比(もしくはリッチ雰囲気)とするために必要な燃料量が増加し、燃費が悪化してしまう。つまり、霧化促進のために供給される空気により排気ガス中の空気量が多くなるので、目標とする排気ガス空燃比(もしくはリッチ雰囲気)を実現するために必要な燃料の量が多くなってしまうのである。
【0049】
これに対し、本排気浄化装置20においては、添加燃料と共に加圧排気ガスが供給される。排気ガス中の酸素量は空気中のそれよりも少ないので、このようにすれば、NOx吸収剤12(フィルタ14)を流通する排気ガスの空燃比への影響を抑えつつ添加燃料の霧化を促進することができる。また、排気ガスはある程度温度が高く、加圧される際にも温度が上昇するが、供給される際の加圧排気ガスの温度を高く維持しておけば添加燃料の気化を促進する効果も得られる。そしてこれらにより、燃費悪化を抑制しつつ添加燃料の霧化または気化を促進してリッチスパイク制御を実施することが可能となる。そうすると、霧化または気化の促進により燃料はNOx吸収剤12(フィルタ14)全体もしくはそのより広い範囲に供給されるようになるので、結果として燃費悪化を抑制しつつリッチスパイク制御の目的であるNOx吸収剤12の浄化(NOxの放出還元、硫黄被毒再生等)を充分且つ効果的に行うことが可能になる。
【0050】
また、燃料の添加タイミング(噴射タイミング)と加圧排気ガスの供給タイミングとの関係については、添加燃料の霧化または気化の促進の観点から適切に決定され得るが、通常、添加燃料の霧化または気化の促進の観点からは、燃料の添加(噴射)が実際に行われている間は加圧排気ガスの供給が行われていることが好ましい。すなわち、例えば、リッチスパイク制御のための燃料添加が間欠的な複数回の燃料噴射で行われる場合において、図5(a)に示したように、加圧排気ガスの供給が、最初の燃料の噴射が開始される時から最後の燃料の噴射が終了するまでの間継続されるようにする。この場合、簡単化された加圧排気ガス供給制御により、排気ガスの空燃比への影響を抑えつつ確実に添加燃料の霧化または気化を促進することができる。あるいは、図5(b)に示したように、加圧排気ガスの供給タイミングと燃料噴射のタイミングとを同期させるようにしてもよい。この場合には加圧排気ガスを無駄なく使用して、排気ガスの空燃比への影響を抑えつつ添加燃料の霧化または気化を促進することができる。
【0051】
なお、燃料の添加タイミング(噴射タイミング)と加圧排気ガスの供給タイミングとの関係は、上述の説明からも明らかなように制御弁22とノズル24との動作をECU8によって制御することにより調整される。本排気浄化装置20においては、加圧排気ガスを予め生成してタンク21に貯蔵しているので、制御弁22を制御することのみにより加圧排気ガスの供給が可能であり、必要な時になって加圧排気ガスを生成する場合に比べ、加圧排気ガスを応答性良く供給することができる。また、タンク21内に貯蔵された加圧排気ガスは、排気ブレーキのためのバルブアクチュエータの駆動やその他の補機類の駆動等、通常、圧縮空気を用いている用途へも応用することができる。
【0052】
また、本排気浄化装置20においては、上記排気ガス取り出し口15が、NOx吸収剤12が担持されたフィルタ14よりも下流側に設けられている。そのため、NOx吸収剤12及びフィルタ14により浄化された排気ガスの一部が再度これらによって浄化されることになるので、エミッションの向上を図ることができる。また、上記のポンプ16、逆止弁18、タンク21、制御弁22等を通る排気ガスがNOx吸収剤12及びフィルタ14により浄化されたものとなるので、これらの機器における詰りや固着等の発生を低減する効果もある。
【0053】
次に図6を参照して別の構成の排気浄化装置30について説明する。なお、ここでは上述の排気浄化装置20と共通する構成、作用及び効果については原則として説明を省略する。
図6に示された排気浄化装置30は、上述の排気浄化装置20(図2参照)と同様、図1に示されている排気浄化装置10の部分に設置されて排気ガス通路6の一部を構成する。排気浄化装置30の構成を上述の排気浄化装置20の構成と比較すると、排気浄化装置30においては、NOx吸収剤12(フィルタ14)をバイパスするバイパス通路6Bが設けられ、且つ、主通路6Aとバイパス通路6BとのNOx吸収剤12(フィルタ14)の下流側合流部分に流量制御弁26が設けられている点で異なっている。この流量制御弁26はECU8によって作動が制御され、必要に応じて両通路6A、6Bを流れる排気ガスの流量の割合を制御してNOx吸収剤12(フィルタ14)を流通する排気ガスの流量を調整することができる。
【0054】
本排気浄化装置30において流量制御弁26は、通常状態においては、図6に実線で示された位置にあり、ほぼ全ての排気ガスがNOx吸収剤12(フィルタ14)を通過するようにされているが、上述したような燃料添加によるリッチスパイク制御が実施される時にはその位置が調整されてNOx吸収剤12(フィルタ14)を流通する排気ガスの流量が低減される。これは、排気ガスの流量を低減して燃料添加を行うことにより、目標の排気ガス空燃比とするために必要な燃料量を低減しようとするものである。そして通常、このように排気ガスの流量が低下すると添加燃料の霧化を充分に行うことは一層困難になり、燃料の霧化もしく気化を促進する必要性はより高まることになる。
【0055】
本排気浄化装置30においては、このようにNOx吸収剤12(フィルタ14)を流通する排気ガスの流量を低減して燃料添加を行う場合において、タンク21に貯蔵されている加圧排気ガスが、上記排気浄化装置20の場合と同様、添加燃料と共に上記主通路6AのNOx吸収剤12の上流側に供給されるようになっている。このようにすることにより、燃料の霧化または気化を促進する必要性のより高い状況において、加圧排気ガスにより燃料の霧化または気化が促進され、燃料の分散性が改善される。そしてその結果、添加燃料をNOx吸収剤12(フィルタ14)全体もしくはそのより広い範囲に供給することが可能になり、燃費悪化を抑制しつつリッチスパイク制御の目的であるNOx吸収剤12の浄化(NOxの放出還元、硫黄被毒再生等)を充分且つ効果的に行うことが可能になる。
【0056】
次に図7を参照して更に別の構成の排気浄化装置40について説明する。なお、ここでも上述の排気浄化装置20と共通する構成、作用及び効果については原則として説明を省略する。
図7に示された排気浄化装置40は、上述の排気浄化装置20(図2参照)及び排気浄化装置30(図6参照)と同様、図1に示されている排気浄化装置10の部分に設置されて排気ガス通路6の一部を構成する。排気浄化装置40の基本的な構成は上述の排気浄化装置20の構成とほぼ同様であるが、排気浄化装置40においては、ポンプ16と逆止弁18との間に酸化触媒27と、その酸化触媒27の上流において燃料を添加するための燃料添加ノズル29とが設けられている点で異なっている。
【0057】
この燃料添加ノズル29はECU8によってその作動が制御され、必要に応じて、すなわち、ポンプ16が作動されて加圧排気ガスが生成される時に、上記酸化触媒27の上流に燃料を添加するように制御される。このようにすることによって、燃料添加ノズル29から添加された燃料が酸化触媒27で反応して排気ガス中の酸素が消費されるので、酸素濃度の低減された加圧排気ガスを得ることができる。
【0058】
そして、このようにして酸素濃度の低減された加圧排気ガスはタンク21に貯蔵され、上述した他の排気浄化装置20、30の場合と同様にリッチスパイク制御のための燃料添加において添加燃料と共に排気ガス通路へ供給され添加燃料の霧化または気化を促進するために利用される。このように酸素濃度の低減された加圧排気ガスを用いることによって、NOx吸収剤12を流通する排気ガスの空燃比への影響をより一層抑制しつつ添加燃料の霧化または気化を促進することができる。つまり、これによって、燃費悪化をより一層抑制しつつリッチスパイク制御を実施することができる。
【0059】
なお、図7に示した排気浄化装置40の構成では、酸化触媒27と燃料添加ノズル29がポンプ16と逆止弁18との間に設けられているが、酸化触媒27と燃料添加ノズル29は、燃料添加ノズル29が酸化触媒27の上流側にあれば排気ガス取り出し口15とタンク21との間のどこに設けられてもよく、例えば排気ガス取り出し口15とポンプ16との間に設けられてもよい。また、酸化触媒27については、それを迅速に昇温して活性化させるため、排気ガス取り出し口15とタンク21との間のどこに設けられる場合においても、配管形状の工夫等によって排気ガス通路6(すなわち排気管)の近くに位置するようにすることが好ましい。
【0060】
なお、上述の各排気浄化装置においては、排気ガス浄化手段としてNOx吸収剤12が担持されたフィルタ14が用いられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その代わりにNOx吸収剤のみ、NOx吸蔵剤のみ、あるいはフィルタのみ、もしくはこれらの任意の組合せが用いられてもよい。
排気ガス浄化手段を燃料添加によって昇温しようとする場合には、加圧排気ガスによる添加燃料の霧化または気化の促進によって燃料が排気ガス浄化手段全体もしくは排気ガス浄化手段のより広い範囲に供給されることによって、排気ガス浄化手段の各部分間での温度差を抑制しつつ昇温することが可能になる。したがって、例えば、フィルタのみが用いられた場合においても、上述の各排気浄化装置についての説明のようにすれば、フィルタ全体もしくはフィルタのより広い範囲に燃料が供給され、フィルタの全体もしくはそのより広い範囲について温度差の発生を抑制しつつ昇温することが可能になる。そしてこれによりフィルタに捕集されていた排気微粒子をフィルタの全体もしくはそのより広い範囲について効率良く酸化除去することが可能になる。また、供給される加圧排気ガスの温度が高い場合には、添加燃料の気化が促進されるのに加え、迅速な昇温が可能になる。
【0061】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明によれば、NOx吸蔵剤等の排気ガス浄化手段の上流側において排気ガス通路内に燃料を添加することのある排気浄化装置において、排気ガスの空燃比への影響を抑えつつ添加燃料の霧化または気化を促進することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の排気浄化装置をディーゼルエンジンに適用した場合を示す図である。
【図2】図2は、本発明の排気浄化装置を示した説明図である。
【図3】図3は、NOx吸収剤が担持されたフィルタの拡大断面図である。
【図4】図4は、NOxの吸収放出及び還元浄化作用を説明するための図である。
【図5】図5は、燃料の添加タイミング(噴射タイミング)と加圧排気ガスの供給タイミングとの関係について説明するための図である。
【図6】図6は、本発明の別の排気浄化装置を示した説明図である。
【図7】図7は、本発明の更に別の排気浄化装置を示した説明図である。
【符号の説明】
10、20、30、40…排気浄化装置
2…機関(エンジン)本体
4…吸気通路
6…排気ガス通路
8…電子制御ユニット(ECU)
12…NOx吸収剤
14…フィルタ
15…排気ガス取り出し口
16…ポンプまたはコンプレッサ
18…逆止弁
21…タンク
24…ノズル

Claims (9)

  1. 排気ガス通路に配置された排気ガス浄化手段と、
    該排気ガス浄化手段の上流側において上記排気ガス通路に燃料を添加する燃料添加手段と、
    上記排気ガス通路から排気ガスの一部を取り出して加圧し加圧排気ガスを生成すると共に、該加圧排気ガスを上記燃料添加手段により添加される燃料と共に上記排気ガス通路の上記排気ガス浄化手段の上流側に供給する加圧排気ガス供給手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置。
  2. 上記加圧排気ガス供給手段は、
    上記排気ガス通路に設けられた排気ガス取り出し口を介して排気ガスを吸引し加圧する排気ガス吸引加圧手段と、
    加圧された上記排気ガスを貯蔵する加圧排気ガス貯蔵手段と、
    該加圧排気ガス貯蔵手段に貯蔵された加圧排気ガスの上記排気ガス通路への供給方法を制御する加圧排気ガス供給方法制御手段と、を備える請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 上記排気ガス取り出し口は、上記排気ガス浄化手段よりも下流側に設けられる、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 上記燃料添加手段による燃料添加が間欠的な複数回の燃料の噴射によって行われる場合に、上記加圧排気ガスの供給が、最初の燃料の噴射が開始される時から最後の燃料の噴射が終了するまでの間継続されるように上記加圧排気ガス供給方法制御手段によって制御される、請求項2または3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 上記加圧排気ガス供給方法制御手段は、上記加圧排気ガスの供給タイミングを制御し、該供給タイミングが上記燃料添加手段による燃料添加のための燃料噴射のタイミングと同期せしめられる、請求項2または3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を制御する流量制御手段を有していて、上記燃料添加手段によって上記排気ガス通路に燃料を添加する時には、上記流量制御手段によって上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量が低減せしめられると共に、上記加圧排気ガスが上記燃料添加手段により添加される燃料と共に上記排気ガス通路の上記排気ガス浄化手段の上流側に供給される、請求項1から5に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 上記排気ガス浄化手段がNOx吸蔵剤を含み、該NOx吸蔵剤に吸蔵されたNOxまたはSOxを離脱させる時に、上記加圧排気ガスが上記燃料添加手段により添加される燃料と共に上記排気ガス通路の上記排気ガス浄化手段の上流側に供給される、請求項1から6の何れか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 上記加圧排気ガス供給手段は、上記排気ガス通路から取り出した排気ガスの酸素濃度を低減する酸素濃度低減手段を有している、請求項1から7の何れか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 上記酸素濃度低減手段は、上記排気ガス通路から取り出した排気ガスが通る通路に配置された酸化触媒と、該酸化触媒の上流側において燃料を添加する前記燃料添加手段とは異なる燃料添加手段とを備える、請求項8に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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