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JP2004288348A - 垂直磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

垂直磁気記録媒体及びその製造方法 Download PDF

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JP2004288348A JP2003331867A JP2003331867A JP2004288348A JP 2004288348 A JP2004288348 A JP 2004288348A JP 2003331867 A JP2003331867 A JP 2003331867A JP 2003331867 A JP2003331867 A JP 2003331867A JP 2004288348 A JP2004288348 A JP 2004288348A
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Abstract

【課題】 磁気記録層の保磁力が増大し、媒体の角型比が向上し、非磁性中間層であるRuまたはRu基合金膜厚を低減する垂直磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】 非磁性基体1と、非磁性基体1の上に設けられる軟磁性裏打ち層2と、軟磁性パーマロイ系下地層3と、Co層またはCo基合金層4と、RuまたはRu基合金中間層5と、磁気記録層6と、保護膜7と、液体潤滑材層8とから構成されている。下地層3は、軟磁性を有するパーマロイ系材料である。Co層またはCo基合金層4には、純Co、CoFe、またはCoあるいはCoFe中にB、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる材料を1種類以上添加した合金からなる軟磁性材料を用いる。軟磁性パーマロイ系材料の下地層3と、RuまたはRu基合金材料の中間層5の間に軟磁性のCo層またはCo基合金層4を挿入することで、磁気記録層6の保磁力が増大して媒体の角型比が向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、垂直磁気記録媒体及びその製造方法に関し、より詳細には、各種磁気記録装置に搭載される垂直磁気記録媒体及びその製造方法に関する。
近年、磁気記録の高密度化を実現する技術として、従来の長手磁気記録方式に代えて、垂直磁気記録方式が注目されつつある。
垂直磁気記録媒体は主に、硬質磁性材料の磁気記録層と、この磁気記録層を目的の方向に配向させるための下地層と、磁気記録層の表面を保護する保護膜と、そしてこの記録層への記録に用いられる磁気ヘッドが発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性材料の裏打ち層とから構成されている。
垂直磁気記録媒体の磁気記録層材料としては、これまで主にCoCrPtやCoCrTaなどの合金材料が用いられてきた。これらの合金材料では、結晶粒界に非磁性材料であるCrが偏析することにより、個々の結晶粒が磁気的に分離され、高い保磁力(Hc)など磁気記録媒体として必要な特性を発現する。このような結晶粒界へのCrの偏析は、面内媒体では、加熱や基板バイアス印加など成膜プロセスの工夫により促進されてきた。しかしながら、垂直磁気記録媒体では、面内媒体と同様に加熱や基板バイアス印加を施してもCrの偏析量が少なく、それが原因で媒体ノイズが高くなってしまうことが問題となっていた。
この問題の解決方法として、酸化物を結晶粒界に偏析させることにより、結晶粒の磁気的な分離を促進するCoPtCrO磁気記録層(例えば、非特許文献1参照)やCoCrPt−SiO磁気記録層(例えば、非特許文献2参照)を用いたグラニュラー媒体が提案されている。例えば、CoCrPt−SiOグラニュラー膜では、CoCrPt結晶粒の周囲をSiOが取り囲むように偏析し、それにより個々のCoCrPt結晶粒は磁気的に分離される。
このように、グラニュラー膜では、合金材料の相分離(磁気相分離)を利用するのではなく、酸化物や窒化物など合金材料と固溶しにくい非晶質材料を加えることが特徴である。上述した文献において、グラニュラー媒体では、従来のCoCr系材料を磁気記録層とする垂直磁気記録媒体と比較して媒体ノイズが低減できることが確認されており、将来有望な方式として期待されている。
垂直磁気記録媒体の性能や記録密度を向上させるために必要なこととしては、上述した磁気記録層のノイズ低減に加え、軟磁性裏打ち層と磁気ヘッド間の距離低減が挙げられる。軟磁性裏打ち層は、磁気ヘッドの一部とも言われており、記録ヘッドが発生する磁束の発散を防止し、磁気記録層への書込みを補助する役割を有している。
垂直磁気記録媒体の遷移ノイズ低減や記録密度の向上のためには、急峻な記録磁界を確保して、遷移ができる限り直線的で小さな記録ビットを形成する必要があるが、そのためには軟磁性裏打ち層と磁気ヘッド間の距離をできる限り小さくする必要がある。磁気記録層と軟磁性裏打ち層が直接接触すると、相互作用によりノイズが発生することが知られており、下地層には非磁性材料が使用されることから、磁気ヘッドと軟磁性裏打ち層の距離を低減するには、保護膜の膜厚の低減や磁気ヘッドの浮上量の低減に加え、非磁性下地層あるいは中間層の膜厚を低減することが重要となる。
一方、グラニュラー膜では、基板を加熱して成膜すると、Coの酸化や合金相と非磁性相の混合などの問題を生じることから、非加熱で成膜することが必要である。磁気記録層を適切な方向に配向させるためには、下地層や中間層と呼ばれる磁気記録層の配向を制御する層が必要であるが、グラニュラー膜を磁気記録層に用いる場合、上述した理由から、下地層や中間層も非加熱で成膜する必要がある。しかしながら、非加熱で配向性や結晶性に優れた薄膜を得ることは難しく、磁気記録層の特性を維持しつつ、非磁性中間層の膜厚を如何に低減するかということが課題であった。
上述したようなグラニュラー媒体の下地層あるいは中間層として、従来は、Fe,Cr,Co合金とRuとの2層の下地層を用いる方法(例えば、特許文献1参照)や、軟磁性裏打ち層をCoFe合金としてRuを下地層とする方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。これらの提案では、磁気特性の向上や軟磁性層に起因するノイズの低減による電磁変換特性の向上がなされているが、何れにおいても非磁性中間層は35nm以上と厚く、磁気ヘッドと軟磁性裏打ち層との間の距離を短縮するという点では不十分であった。
特開2002−100030号公報 特開2002−298323号公報 特開2002−358617号公報 特開2003−123239号公報 S.Oikawa, A.Takeo, T.Hikosaka, and Y.Tanaka,"High performance CoPtCrO single layered perpendicular media with no recording demagnetization,"IEEE Trans.Magn., vol. 36, pp. 2393-2395,2000. T. Oikawa, M.Nakamura, H.Uwazumi, T.Shimatsu, H.Muraoka, and Y.Nakamura,"Microstructure and Magnetic Properties of CoPtCr−SiO2Perpendicular Recording Media,"IEEE Trans.Magn., vol.38,pp1976-1978,2002.
上述したように、グラニュラー媒体では、媒体ノイズを下げることができる反面、非磁性中間層の膜厚を薄くすることが難しく、記録分解能の点で従来のCoCr系材料を磁気記録層とする垂直磁気記録媒体と比較して不利であった。非磁性中間層膜厚は単に薄くすれば良いというものではなく、磁気記録層の特性を維持あるいは向上させつつ膜厚を下げる必要がある。この時、保磁力や角型比と言った磁気記録層の磁気特性の向上のためには、下地層あるいは中間層の結晶性や配向性の確保が重要となる。また、磁気記録層が下地層あるいは中間層にエピタキシャルに成長した場合、磁気記録層の結晶粒径が下地層あるいは中間層の結晶粒径に従うことはよく知られている。そのため、磁気記録層の結晶粒径を低減するには、下地層あるいは中間層の結晶粒径を低減することが重要となる。
グラニュラー磁性膜の下地層および中間層には、上述した配向性や結晶性の他に、結晶の分離性が良いことが要求される。下地層あるいは中間層の結晶が広い結晶粒界を挟んで分離することで、下地層あるいは中間層の結晶上に磁気記録層の結晶が成長し、結晶粒界上に酸化物等の非磁性層を成長させることができる。このような手法により、非加熱でも分離性の良い磁気記録層を得ることが可能となる。
従来のCoCrPtやCoCrTa等のCoCr系合金材料を磁気記録層とする垂直磁気記録媒体では、下地層としてTiやTiCrなどのTi系合金が用いられてきた。それは、Ti系合金が、磁気記録層としてしばしば用いられるCo系合金と同じ結晶構造であるhcp(六方最密充填)構造をとり、格子定数のマッチングも比較的良いという理由からである。しかしながら、Ti系合金は、非加熱成膜した場合に結晶性が悪いことに加え、結晶粒の分離性が悪く、グラニュラー媒体の下地層としては不適格であった。
一方、本発明者らはこれまでに軟磁性パーマロイ系材料を下地層とし、非磁性中間層としてRuまたはRu基合金を用いることで、磁気記録層の配向性の改善や磁気記録層における初期成長層の低減、結晶粒径の低減などを達成できることを報告してきた(例えば、特許文献3または4参照)。これらの発明に基づくパーマロイ系下地層およびRuあるいはRu基合金中間層は、非加熱でもある程度良好な結晶性および配向性が得られ、グラニュラー媒体の下地層や中間層として使用することが可能である。しかしながら、RuあるいはRu基合金中間層を十分に厚くして結晶性や結晶の分離性を良好にした場合には、十分な磁気特性が得られるものの、中間層の膜厚が薄い場合には、磁気特性が大きく落ち込んでしまうという問題点があった。
そこで、グラニュラー媒体において、非磁性中間層の膜厚を20nm以下に低減し、さらに、磁気記録層の保磁力や角型比を向上させることで、高出力化や低ノイズ化といった垂直磁気記録媒体の性能の向上を実現することが望まれている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、磁気記録層の保磁力が増大し、媒体の角型比が向上し、また、非磁性中間層であるRuまたはRu基合金膜厚を低減することが可能になるような垂直磁気記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、非磁性基体上に、軟磁性裏打ち層と、下地層と、Co層またはCo基合金層と、中間層と、磁気記録層と、保護膜と、液体潤滑材層とを順次積層してなる垂直磁気記録媒体であって、前記下地層が軟磁性を有するパーマロイ系材料を含み、前記Co層および前記Co基合金層が軟磁性を有し、前記中間層がRuまたはRu基合金を含むことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記Co基合金層が、Co中に、B、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる元素を1種類以上添加した合金からなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記Co基合金層中に含まれる添加元素の量を、当該Co基合金層が軟磁性を失わない範囲で、Bでは50at%以下、Alでは40at%以下、Zrでは15at%以下、Mgでは52at%以下、Siでは33at%以下とすることを特徴とする。好ましくは、Bでは3at%以上、50at%以下、Alでは0.3at%以上、40at%以下、Zrでは0.5at%以上、15at%以下、Mgでは0.3at%以上、52at%以下、Siでは1at%以上、33at%以下とすることが望ましい。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記Co基合金層が、CoFe合金、またはCoFe中に、B、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる元素を1種類以上添加したCoFe基合金からなることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記CoFe合金および前記CoFe基合金中に含まれるFeの量を10at%以下とすることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記CoFe基合金中に含まれる添加元素の量を、当該CoFe基合金が軟磁性を失わない範囲で、Bでは50at%以下、Alでは40at%以下、Zrでは15at%以下、Mgでは52at%以下、Siでは33at%以下とすることを特徴とする。好ましくは、Bでは3at%以上、50at%以下、Alでは0.3at%以上、40at%以下、Zrでは0.5at%以上、15at%以下、Mgでは0.3at%以上、52at%以下、Siでは1at%以上、33at%以下とすることが望ましい。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の発明において、前記Co層または前記Co基合金層の膜厚を30nm以下、前記RuまたはRu基合金を含む中間層の膜厚を20nm以下とすることを特徴とする。好ましくは、Co層またはCo基合金層の膜厚を3nm以上、30nm以下、RuまたはRu基合金を含む中間層の膜厚を1nm以上、15nm以下にすることが望ましい。
請求項8に記載の発明は、非磁性基体上に、軟磁性裏打ち層と、下地層と、Co層またはCo基合金層と、中間層と、磁気記録層と、保護膜と、液体潤滑材層とを順次積層してなる垂直磁気記録媒体の製造方法であって、前記下地層が軟磁性を有するパーマロイ系材料を含み、前記Co層および前記Co基合金層が軟磁性を有し、前記中間層がRuまたはRu基合金を含み、前記Co層および前記Co基合金層の成膜時に、2%以下の酸素または10%以下の窒素を添加することを特徴とする。好ましくは、0.05%以上、2%以下の酸素、または、0.05%以上、10%以下の窒素を添加することが望ましい。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記Co基合金層が、Co中に、B、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる元素を1種類以上添加した合金からなることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の発明において、前記Co基合金層中に含まれる添加元素の量を、当該Co基合金層が軟磁性を失わない範囲で、Bでは50at%以下、Alでは40at%以下、Zrでは15at%以下、Mgでは52at%以下、Siでは33at%以下とすることを特徴とする。好ましくは、Bでは3at%以上、50at%以下、Alでは0.3at%以上、40at%以下、Zrでは0.5at%以上、15at%以下、Mgでは0.3at%以上、52at%以下、Siでは1at%以上、33at%以下とすることが望ましい。
請求項11に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記Co基合金層が、CoFe合金、またはCoFe中に、B、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる元素を1種類以上添加したCoFe基合金からなることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、前記CoFe合金および前記CoFe基合金中に含まれるFeの量を10at%以下としたことを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項11または12に記載の発明において、前記CoFe基合金中に含まれる添加元素の量を、当該CoFe基合金が軟磁性を失わない範囲で、Bでは50at%以下、Alでは40at%以下、Zrでは15at%以下、Mgでは52at%以下、Siでは33at%以下とすることを特徴とする。好ましくは、Bでは3at%以上、50at%以下、Alでは0.3at%以上、40at%以下、Zrでは0.5at%以上、15at%以下、Mgでは0.3at%以上、52at%以下、Siでは1at%以上、33at%以下とすることが望ましい。
請求項14に記載の発明は、請求項8ないし13のいずれかに記載の発明において、前記Co層および前記Co基合金層の成膜時に、純Arガスを使用し、ガス圧を4.0Pa以上とすることを特徴とする。好ましくは、ガス圧を4.0Pa以上、15Pa以下とすることが望ましい。
このように本発明は、上述した条件を満たし、従来の問題を解決する手段として、本発明者らは検討を繰り返し、軟磁気特性を有するCoまたはCo基合金からなる層を、軟磁気特性を有するパーマロイ系下地層とRuあるいはRu基合金中間層の間に設けることにより、磁気記録層の磁気特性を維持しつつ非磁性中間層(RuあるいはRu基合金)の膜厚を従来の1/2以下に低減できることを見出した。CoまたはCo基合金としては、純Co、CoFe合金、Co中にB、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる元素を1種類以上添加した合金、またはCoFe中にB、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる元素を1種類以上添加したCoFe基合金が好ましい。B、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる添加元素に関しては、軟磁性となるように添加物組成を調整すること、すなわち、膜中に占める添加物の組成をBでは3at%以上、50at%以下、Alでは0.3at%以上、40at%以下、Zrでは0.5at%以上、15at%以下、Mgでは0.3at%以上、52at%以下、Siでは1at%以上、33at%以下とすることで、軟磁性裏打ち層と同様に機能することができる。
上述したCo層またはCo基合金層は、パーマロイ系下地層を用いる場合には面心立方格子(fcc)の(111)配向単相になるが、用いない場合にはhcpの(100)、(101)などの配向が現れ、中間層及び磁気記録層の配向(hcpの(002)配向が望ましい)の劣化を引き起こし、磁気特性及び電磁変換特性の低下に繋がる。つまり、本発明におけるCo層またはCo基合金層を用いる場合には、パーマロイ系下地層が必須となる。
また、CoFe合金またはCoFe基合金を用いる場合には、パーマロイ系下地層に積層した際に、CoFe合金層またはCoFe基合金層を面心立方格子(fcc)単相とするために、Feの添加量は10at%以下とすることが好ましい。
また、上述したCo層またはCo基合金層は、媒体におけるスパッタリングプロセスで通常よく用いられる成膜雰囲気であるArガス0.1Pa以上、0.7Pa以下のような条件下で成膜した場合、その効果を十分に発揮することができない。成膜雰囲気として、0.05%以上、2%以下程度の微量の酸素を添加する、または0.05%以上、10%以下の窒素を添加する、あるいは数Pa程度の高い圧力下で成膜することで、結晶粒の分離が促進され、磁気記録層の磁気特性や電磁変換特性を向上させることが可能となる。
本発明によれば、非加熱成膜を必要とするグラニュラー媒体において、軟磁性パーマロイ系材料を下地層とし、RuまたはRu基合金材料を中間層として用い、下地層と中間層の間に軟磁性Co層または軟磁性Co基合金層を挿入することで、磁気記録層の保磁力が増大し、媒体の角型比が向上する。また同時に、非磁性中間層であるRuまたはRu基合金膜厚を低減することが可能になる。その結果、媒体ノイズを低減し、SNRを向上することができる。また、磁気記録層の熱安定性が向上し、媒体の信頼性向上につながる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る垂直記録媒体を説明するための断面模式図で、図中符号1は非磁性基体、2は軟磁性裏打ち層、3は軟磁性パーマロイ系材料からなる下地層、4は軟磁性Co層または軟磁性Co基合金層、5はRuまたはRu基合金中間層、6は磁気記録層、7は保護膜、8は液体潤滑材層を示している。
本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基体1と、非磁性基体1の上に設けられる軟磁性裏打ち層2と、軟磁性パーマロイ系下地層3と、軟磁性Co層または軟磁性Co基合金層4と、RuまたはRu基合金中間層5と、磁気記録層6と、保護膜7と、液体潤滑材層8とから構成されている。
非磁性基体1としては、表面が平滑である様々な基体であってよく、例えば、磁気記録媒体用に用いられる、NiPメッキを施したAl合金や強化ガラス、結晶化ガラスなどを用いることができる。
軟磁性裏打ち層2としては、結晶のFeTaCやセンダスト(FeSiAi)合金など、また非晶質のCo合金であるCoZrNb、CoTaZrなどを用いることができる。軟磁性裏打ち層2の膜厚は、記録に使用する磁気ヘッドの構造や特性によって最適値が変化するが、おおむね10nm以上、500nm以下程度であることが、生産性との兼ね合いから望ましい。
下地層3は、軟磁性を有するパーマロイ系材料である、NiFeAl、NiFeSi、NiFeNb、NiFeB、NiFeNbB、NiFeMo、NiFeCrなどを用いることができる。パーマロイ系下地層3の膜厚は、磁気記録層6の磁気特性や電磁変換特性が最適になるように膜厚を調整することが望ましいが、おおむね3nm以上、50nm以下程度であることが、生産性との兼ね合いから望ましい。
Co層またはCo基合金層4には、純Co、CoFe合金、Co中にB、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる材料を1種類以上添加した合金、またはCoFe中にB、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる材料を1種類以上添加した合金からなる軟磁性材料を用いる。また成膜に際しては、成膜ガスに2%以下の微量の酸素を添加するか、あるいは10%以下の窒素を添加する。酸素濃度1%程度か、あるいは窒素濃度5%程度が最も好ましい。酸素または窒素を添加して成膜する際のガス圧は、0.5Pa以上、8Pa以下とすることが好ましく、1〜2Pa程度の圧力下で成膜することが最も好ましい。また、酸素や窒素を添加せずに、純Arのみとしてより高圧で成膜することで、同様の効果を得ることも可能である。純Arの場合、成膜の際のガス圧は4.0Pa以上、15Pa以下の通常よりも高い圧力下で膜を形成する。8.0Pa程度の圧力下で成膜することが最も好ましい。Co層またはCo基合金層4の膜厚は、磁気記録層の磁気特性や電磁変換特性が最適になるように調整することが望ましいが、膜厚が増加するに連れ結晶粒径が大きくなる点、および生産性を考慮し、3nm以上、30nm以下とすることが望ましい。
中間層5は、RuまたはRu中にC、Cu、W、Mo、Cr、Ir、Pt、Re、Rh、Ta、Vからなる群から選択される材料を1種類以上添加したRu基合金を用いて形成される。これらRuまたはRu基合金は、上述した下地層3、Co層またはCo基合金層4上に形成された時に配向性に優れ、結晶粒径が微細となる。また磁気記録層6との接合性に優れ、磁気記録層6の初期層を低減する作用がある。RuまたはRu基合金中間層5の膜厚は、磁気記録層6の磁気特性や電磁変換特性を劣化させない範囲でできる限り薄くすることが、高密度記録を実現するためには必要であり、具体的には、1nm以上、20nm以下とすることが望ましい。
磁気記録層6は、少なくともCoとCrを含む合金の強磁性材料が好適に用いられ、その六方最密充填構造のc軸が膜面に垂直方向に配向していることが垂直磁気記録媒体として用いるために必要である。磁気記録層6としては、CoPt−SiO、CoCrPtO、CoCrPt−SiO、CoCrPt−Al、CoPt−Crなどのグラニュラー材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
保護膜7は、例えば、カーボンを主体とする薄膜が用いられる。その他、垂直磁気記録媒体の保護膜として一般的に用いられる様々な薄膜材料を使用しても良い。
液体潤滑材層8は、例えば、パーフルオロポリエーテル系の潤滑材を用いることができる。その他、磁気記録媒体の液体潤滑材層の材料として一般的に用いられる様々な潤滑材料を使用しても良い。
非磁性基体1の上に積層される各層は、垂直磁気記録媒体の分野で通常用いられる様々な成膜技術によって形成することが可能である。液体潤滑材層8を除く各層の形成には、例えば、DCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、真空蒸着法を用いることが出来る。また、液体潤滑材層8の形成には、例えば、ディップ法、スピンコート法を用いることができる。しかしながら、これらに限定されるものではない。
以下に本発明の垂直磁気記録媒体の具体的な実施例について説明するが、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
[実施例1]
本実施例1の垂直磁気記録媒体は、非磁性基体1と、軟磁性裏打ち層2と、その上に順次設けられる軟磁性NiFeSi下地層3と、軟磁性CoB層4と、Ru中間層5と、磁気記録層6と、保護膜7と、液体潤滑材層8とから構成されている。
非磁性基体1として表面が平滑な化学強化ガラス基板(例えばHOYA社製N−10ガラス基板)を用い、これを洗浄後にスパッタ装置内に導入し、Co87ZrNbターゲットを用いてCoZrNb非晶質軟磁性裏打ち層2を200nm成膜した。次に、パーマロイ系合金であるNi82Fe12Siターゲットを用いてNiFeSi下地層3を20nm成膜した。次に、Co9010ターゲットを用いてAr−1%Oガス1.3Pa下において軟磁性CoB層4を10nm成膜した。引き続いて、Ruターゲットを用いて、Arガス圧4.0Pa下でRu中間層5を5nm成膜した。
引き続いて、(Co79CrPt1488(SiO12ターゲットを用いてCoCrPt−SiO磁気記録層6を10nm成膜した。最後に、カーボンターゲットを用いてカーボンからなる保護膜7を10nm成膜後、真空装置から取り出した。軟磁性CoB層4およびRu中間層5の成膜を除くこれらの成膜は、すべてArガス圧0.67Pa下でDCマグネトロンスパッタリング法により行なった。
その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑材料層8を2nmディップ法により形成して垂直磁気記録媒体とした。また、磁気特性を比較するために、Ru中間層5の膜厚を10nm、15nm、20nmとすることを除き、層構成が全く同様の垂直磁気記録媒体を製作した。
[比較例1]
本比較例1は、従来のCoCr系垂直磁気記録媒体である、TiCrを中間層としてCoCrPtBを磁気記録層とする垂直磁気記録媒体に関する。
非磁性基体として表面が平滑な化学強化ガラス基板(例えば、HOYA社製N−10ガラス基板)を用い、これを洗浄後にスパッタ装置内に導入し、Co87ZrNbターゲットを用いてCoZrNb非晶質軟磁性裏打ち層を200nm成膜した。引き続いて、ランプヒータを用いて基板の表面温度が300℃になるように加熱を行なった後、Ti90Cr10ターゲットを用いて、TiCr中間層を15nm成膜した。
引き続いて、Co66Cr20Pt10ターゲットを用いてCoCrPtB磁気記録層を20nm成膜した。最後に、カーボンターゲットを用いてカーボンからなる保護膜を10nm成膜後、真空装置から取り出した。ヒーター加熱後を除くこれらの成膜は、すべてArガス圧0.67Pa下でDCマグネトロンスパッタリング法により行なった。その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑材層2nmをディップ法により形成して垂直磁気記録媒体とした。
[比較例2]
軟磁性CoB層を設けないことを除き、実施例1と全く同様の垂直磁気記録媒体を製作した。また、本比較例2においても、実施例1と同様に、磁気特性を比較するために、Ru中間層の膜厚を10nm、15nm、20nmとすることを除き、層構成が全く同様の垂直磁気記録媒体を製作した。
上述のようにして得られた二層媒体について、磁気カー効果により保磁力Hcおよび角型比Sを測定した。実施例1及び比較例1,2に係る垂直磁気記録媒体のHcのRu中間層膜厚依存(比較例1に関しては、図中に一点鎖線で示す)を図2に、図3に角型比SのRu中間層膜厚依存を示す(図2と同様に、比較例1に関しては図中に一点鎖線で示す)。また、中間層の膜厚15nm時(実施例1及び比較例2ではRu膜厚15nm、比較例1ではTiCr膜厚15nm)のHc及びSを表1に示す。
Figure 2004288348
表1から明らかなように、同じ非磁性中間層の膜厚で比較した場合、実施例1及び比較例2の垂直磁気記録媒体は、従来の垂直磁気記録媒体である比較例1の垂直磁気記録媒体を大きく上回るHcが得られている。また、角型比Sも比較例1では0.8程度であるのに対し、実施例1及び比較例2では1.0の角型比Sが得られている。垂直磁気記録媒体において角型比Sが1.0になるということは、垂直磁気記録媒体の熱安定性が高いことを意味する。このように、実施例1及び比較例2に係る、軟磁性パーマロイ系下地層とRu中間層を有するグラニュラー媒体では、従来のTiCrを中間層とするCoCr系媒体に比べて優れた磁気特性が得られた。
次に、グラニュラー媒体である実施例1と比較例2を比較する。図2及び図3から、比較例2の垂直磁気記録媒体ではRu膜厚が10nm以下になるとHc及び角型比Sが大きく低下するのに対し、実施例1の垂直磁気記録媒体では、その低下の度合いが小さいことがわかる。実施例1におけるRu膜厚5nmの垂直磁気記録媒体と比較例2におけるRu膜厚10nmの垂直磁気記録媒体を比較すると、Hc、Sともに実施例1における垂直磁気記録媒体の方が高くなっており、本発明による軟磁性CoB合金層の挿入により、非磁性中間層であるRu膜厚を1/2以下とすることが可能であることが明らかとなった。
次に、リード・ライトテスタを用いて、記録密度を変化させ、その時の媒体ノイズを測定して比較した。なお、実施例1及び比較例2の垂直磁気記録媒体に関しては、Ru中間層の膜厚10nmのものを用いた。媒体ノイズの線記録密度依存を図4に示す。図4から、実施例1及び比較例2に係る、軟磁性パーマロイ系下地層とRu中間層を有するグラニュラー媒体では、従来のTiCrを中間層とするCoCr系媒体に比べて媒体ノイズが約1/2程度に大きく低下していることがわかる。また、実施例1と比較例2の垂直磁気記録媒体を比較すると、ばらつきはあるものの、実施例1の垂直磁気記録媒体が比較例2の垂直磁気記録媒体よりも約2割、低ノイズになっている。400kFClにおけるSNR(信号・ノイズ比)を比較すると、実施例1,比較例1,比較例2の垂直磁気記録媒体で、それぞれ5.85、1.90、3.83[dB]であり、実施例1の垂直磁気記録媒体において優れたSNRが得られている。
以上のように、実施例1に係る軟磁性CoB層の挿入により、垂直磁気記録媒体の磁気特性が向上し、低ノイズ化が達成されるとともに、垂直磁気記録媒体のSNRが向上した。
[実施例2]
非磁性基体1として表面が平滑な化学強化ガラス基板(例えば、HOYA社製N−10ガラス基板)を用い、これを洗浄後にスパッタ装置内に導入し、Co87ZrNbターゲットを用いてCoZrNb非晶質軟磁性裏打ち層2を200nm成膜した。次に、パーマロイ系合金であるNi82Fe12Siターゲットを用いてNiFeSi下地層3を20nm成膜した。次に、Co85Al15ターゲットを用いて純Arガス8.0Pa下において軟磁性CoAl層4を10nm成膜した。
引き続いて、Ru8020ターゲットを用いて、Arガス圧4.0Pa下でRuW中間層5を10nm成膜した。引き続いて、(Co79CrPt1488(SiO12ターゲットを用いてCoCrPt−SiO磁気記録層6を10nm成膜した。最後に、カーボンターゲットを用いてカーボンからなる保護膜7を10nm成膜後、真空装置から取り出した。軟磁性CoB層4及びRu中間層5の成膜を除くこれらの成膜は、すべてArガス圧0.67Pa下でDCマグネトロンスパッタリング法により行なった。その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑材層8を2nmディップ法により形成して垂直磁気記録媒体とした。
[実施例3]
軟磁性Co基合金層4の組成をCo85Si15としたことを除き、実施例2と全く同様にして垂直磁気記録媒体を作製した。
上述のようにして得られた二層媒体について、磁気カー効果により保磁力Hc及び角型比Sを、媒体ノイズ及びSNRをリード・ライトテスタを用いて測定した。表2に、実施例2及び実施例3に係る垂直磁気記録媒体及び比較例1の垂直磁気記録媒体の、Hc、S、250kFClにおける媒体ノイズ、400kFClにおけるSNR、垂直磁気記録媒体の信号出力の減衰特性(25kFClにて測定)を示す。実施例2及び実施例3では、比較例1の垂直磁気記録媒体と比較して、中間層の膜厚が薄いにも係らず高いHc及びSが得られている。また、電磁変換特性に関しては、実施例2,3とも媒体ノイズは、比較例1の1/2以下に低下し、SNRは3倍以上に向上している。角型比Sが高いことからも予測されるが、実際に測定した信号出力の減衰特性は、実施例2及び3で比較例1よりもそれぞれ2桁及び1桁向上しており、熱安定性が大きく改善されていることがわかる。
Figure 2004288348
以上のように、本発明に係る実施例2及び3の垂直磁気記録媒体は、従来の垂直磁気記録媒体と比較して、磁気特性や電磁変換特性の双方において優れていることがわかった。
[実施例4]
非磁性基体1として表面が平滑な化学強化ガラス基板(例えば、HOYA社製N−10ガラス基板)を用い、これを洗浄後にスパッタ装置内に導入し、Co87ZrNbターゲットを用いてCoZrNb非晶質軟磁性裏打ち層2を200nm成膜した。次に、パーマロイ系合金であるNi82Fe12Siターゲットを用いてNiFeSi下地層3を20nm成膜した。次に、Coターゲットを用いてAr−5%Nガス1.3Pa下において軟磁性Co層4を10nm成膜した。引き続いて、Ruターゲットを用いて、Arガス圧4.0Pa下でRu中間層5を5nm成膜した。引き続いて、(Co70Cr10Pt2088(SiO12ターゲットを用いてCoCrPt−SiO磁気記録層6を10nm成膜した。最後に、カーボンターゲットを用いてカーボンからなる保護膜7を10nm成膜後、真空装置から取り出した。軟磁性Co層4およびRu中間層5の成膜を除くこれらの成膜は、すべてArガス圧0.67Pa下でDCマグネトロンスパッタリング法により行なった。その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑材料層8を2nmディップ法により形成して垂直磁気記録媒体とした。また、磁気特性を比較するために、Ru中間層5の膜厚を3nm、8nm、10nmとすることを除き、層構成が全く同様の垂直磁気記録媒体を製作した。
[実施例5]
軟磁性Co基合金層4の材料をCo90Fe10とし、Ar−7%Nガス1.3Pa下において軟磁性CoFe層4を10nm成膜したことを除き、実施例4と全く同様の垂直磁気記録媒体を製作した。また、実施例5においても、実施例4と同様に、磁気特性を比較するために、Ru中間層の膜厚を3nm、8nm、10nmとすることを除き、層構成が全く同様の垂直磁気記録媒体を製作した。
[比較例3]
軟磁性Co層4を設けないことを除き、実施例4と全く同様の垂直磁気記録媒体を製作した。また、本比較例3においても、実施例4と同様に、磁気特性を比較するために、Ru中間層の膜厚を3nm、8nm、10nmとすることを除き、層構成が全く同様の垂直磁気記録媒体を製作した。
上述のようにして得られた二層媒体について、磁気カー効果により保磁力Hcおよび角型比Sを測定した。図5に実施例4,5及び比較例1,3に係る垂直磁気記録媒体のHcのRu中間層膜厚依存(比較例1に関しては、図中に一点鎖線で示す)を示す。図から明らかなように、実施例4,5および比較例3の媒体では、非磁性中間層膜厚が10nm程度と薄くなった場合でも、従来の垂直磁気記録媒体である比較例1の垂直磁気記録媒体(非磁性中間層膜厚は15nm)を大きく上回るHcが得られている。このように、実施例4、5及び比較例3に係る、軟磁性パーマロイ系下地層とRu中間層を有するグラニュラー媒体では、従来のTiCrを中間層とするCoCr系媒体に比べて優れた磁気特性が得られた。
グラニュラー媒体である実施例4,5と比較例3を比較すると、比較例3の垂直磁気記録媒体ではRu膜厚が10nm以下になるとHcが大きく低下するのに対し、実施例4,5の垂直磁気記録媒体では、その低下の度合いが小さく、実施例4におけるRu膜厚3nmの垂直磁気記録媒体および実施例5におけるRu膜厚5nmの垂直磁気記録媒体と、比較例3におけるRu膜厚10nmの垂直磁気記録媒体のHcがほぼ同等であることが分かる。このように、本発明による軟磁性Co層または軟磁性CoFe層の挿入により、非磁性中間層であるRu膜厚を1/2以下とすることが可能であることが明らかとなった。
次に、実施例4,5及び比較例1,3に係る垂直磁気記録媒体の媒体ノイズ及びSNRをリード・ライトテスタにより測定した。なお、測定に使用したヘッドは、書込み/読み出しトラック幅:0.3/0.2μmの単磁極/GMRヘッドである。表3に、実施例4,5及び比較例1,3に係る垂直磁気記録媒体の300kFClにおける媒体ノイズおよびSNR、25kFCIにおける信号出力の減衰特性を示す。
実施例4,5及び比較例3に係る垂直磁気記録媒体では、比較例1の垂直磁気記録媒体と比較して、媒体ノイズが大きく低下し、SNRが2倍程度に向上していることが分かる。また、実施例4,5と比較例3を比べると、実施例4,5では中間層膜厚が比較例3の半分であるにもかかわらず、比較例3よりも媒体ノイズが低減され、SNRが向上している。このように、電磁変換特性からみても、軟磁性Co層または軟磁性CoFe層の挿入により、非磁性中間層であるRu膜厚を1/2以下とすることが可能であることが分かった。
また、信号出力の減衰特性は、実施例4及び5で比較例1、3よりも大きく改善されており、実施例4、5の媒体が熱安定性にも優れていることが分かる。
Figure 2004288348
本発明に係る垂直磁気記録媒体を説明するための断面模式図である。 実施例1及び比較例1,2に係る保磁力HcのRu中間層膜厚依存を示す図である。 実施例1及び比較例1,2に係る角型比SのRu中間層膜厚依存を示す図である。 実施例1及び比較例1,2に係る媒体ノイズの線記録密度依存を示す図である。 実施例4、5及び比較例1,3に係る保磁力HcのRu中間層膜厚依存を示す図である。
符号の説明
1 非磁性基体
2 軟磁性裏打ち層
3 軟磁性パーマロイ系材料からなる下地層
4 軟磁性Co層または軟磁性Co基合金層

5 RuまたはRu基合金中間層 6 磁気記録層
7 保護膜
8 液体潤滑材層

Claims (14)

  1. 非磁性基体上に、軟磁性裏打ち層と、下地層と、Co層またはCo基合金層と、中間層と、磁気記録層と、保護膜と、液体潤滑材層とを順次積層してなる垂直磁気記録媒体であって、前記下地層が軟磁性を有するパーマロイ系材料を含み、前記Co層および前記Co基合金層が軟磁性を有し、前記中間層がRuまたはRu基合金を含むことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 前記Co基合金層が、Co中に、B、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる元素を1種類以上添加した合金からなることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 前記Co基合金層中に含まれる添加元素の量を、当該Co基合金層が軟磁性を失わない範囲で、Bでは50at%以下、Alでは40at%以下、Zrでは15at%以下、Mgでは52at%以下、Siでは33at%以下とすることを特徴とする請求項2に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記Co基合金層が、CoFe合金、またはCoFe中に、B、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる元素を1種類以上添加したCoFe基合金からなることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 前記CoFe合金および前記CoFe基合金中に含まれるFeの量を10at%以下とすることを特徴とする請求項4に記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 前記CoFe基合金中に含まれる添加元素の量を、当該CoFe基合金が軟磁性を失わない範囲で、Bでは50at%以下、Alでは40at%以下、Zrでは15at%以下、Mgでは52at%以下、Siでは33at%以下とすることを特徴とする請求項4または5に記載の垂直磁気記録媒体。
  7. 前記Co層または前記Co基合金層の膜厚を30nm以下、前記RuまたはRu基合金を含む中間層の膜厚を20nm以下とすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体。
  8. 非磁性基体上に、軟磁性裏打ち層と、下地層と、Co層またはCo基合金層と、中間層と、磁気記録層と、保護膜と、液体潤滑材層とを順次積層してなる垂直磁気記録媒体の製造方法であって、前記下地層が軟磁性を有するパーマロイ系材料を含み、前記Co層および前記Co基合金層が軟磁性を有し、前記中間層がRuまたはRu基合金を含み、前記Co層および前記Co基合金層の成膜時に、2%以下の酸素または10%以下の窒素を添加することを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  9. 前記Co基合金層が、Co中に、B、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる元素を1種類以上添加した合金からなることを特徴とする請求項8に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  10. 前記Co基合金層中に含まれる添加元素の量を、当該Co基合金層が軟磁性を失わない範囲で、Bでは50at%以下、Alでは40at%以下、Zrでは15at%以下、Mgでは52at%以下、Siでは33at%以下とすることを特徴とする請求項8または9に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  11. 前記Co基合金層が、CoFe合金、またはCoFe中に、B、Al、Zr、Mg、Siから選ばれる元素を1種類以上添加したCoFe基合金からなることを特徴とする請求項8に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  12. 前記CoFe合金および前記CoFe基合金中に含まれるFeの量を10at%以下としたことを特徴とする請求項11に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  13. 前記CoFe基合金中に含まれる添加元素の量を、当該CoFe基合金が軟磁性を失わない範囲で、Bでは50at%以下、Alでは40at%以下、Zrでは15at%以下、Mgでは52at%以下、Siでは33at%以下とすることを特徴とする請求項11または12に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  14. 前記Co層および前記Co基合金層の成膜時に、純Arガスを使用し、ガス圧を4.0Pa以上とすることを特徴とする請求項8ないし13のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
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