JP2004266052A - 重ね合わせ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の重ね合わせの自由度を高めること。
【解決手段】第1基板501と第2基板503とを重ね合わせる重ね合わせ装置であって、前記第1基板501を第1回転軸を中心として回動させる回動機構と、前記第1回転軸の位置を変更する変更機構と、を備え、前記回動機構及び前記変更機構により、第1基板501を移動させて第2基板503に重ね合わせることを特徴とする重ね合わせ装置。
【選択図】 図5
【解決手段】第1基板501と第2基板503とを重ね合わせる重ね合わせ装置であって、前記第1基板501を第1回転軸を中心として回動させる回動機構と、前記第1回転軸の位置を変更する変更機構と、を備え、前記回動機構及び前記変更機構により、第1基板501を移動させて第2基板503に重ね合わせることを特徴とする重ね合わせ装置。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的に基板を重ね合わせる重ね合わせ装置に関し、より詳細には、基板を貼り合せて貼り合わせ基板を作製することに関連する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造プロセスでは、貼り合わせ手法を用いてSOI基板を作製する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この技術は、多孔質Si上に成長させたSiエピタキシャル層を、酸化膜を介して非晶質基板又は単結晶Si基板にはり合せる、ウエハ直接貼り合わせ技術を応用したものである。
【0003】
基板を貼り合わせる際には、貼り合わせ面に気泡を混入させずに貼り合わせことが重要である。貼り合わせの一例としては、図2(a)〜(c)に示すように、第一のウエハ201を保持するウエハ支持具202を、回転中心205を中心として回動させ、第二のウエハ支持具204に保持された第二のウエハ203に重ね合わせる装置がある。また、図3(a)〜(c)に示すように、第一のウエハ301を保持するウエハ支持具302を、第一のウエハ301の端にある回転中心305を中心として回動させ、コンタクトウエーブを制御しながら第二のウエハ支持具304に保持された第二のウエハ303に重ね合わせる装置がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−21338号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図2に示すような位置に回転中心205がある場合には、図2(a)の状態から図2(b)へと第一のウエハ201を回動させ、図2(c)に示す状態となり第一のウエハ201と第二のウエハ203とが面内で同時に重ね合わせられる際に、気泡の混入を招くおそれがある。また、図3に示すように、第一のウエハ301の端に回転中心305がある場合には、第一のウエハ301の端で第二のウエハ203と重ね合った部分において、図3(a)の状態から図3(b)、(c)の状態へと、重ね合わせが進むにつれてストレスがかかり、割れを引き起こす原因となりうる。
【0005】
また、Si基板同士を重ね合わせる場合などでは、図2Cに示すようにSiウエハを重ね合わせる際に、Siウエハ同士の間に数ミクロンのエアーによるギャップを持たせ、その後、図4(a)〜(d)に示すように、Siウエハをピンで押すことによって、コンタクトウエーブ402を順次広げることができる。
【0006】
しかしながら、この場合では、コンタクトウエーブ402の進行を制御することができない。例えば、図4(a)に示すように、Siウエハの表面に、表面が周りと比べて粗い個所401があった場合には、その部分のコンタクトウエーブ402は、周りと比べてその進行が遅くなる(図4(b)参照)。その結果、コンタクトウエーブ402の巻き込み403が生じ(図4(c)参照)、その部分がボイド404となりうる図4(d)参照)。
【0007】
また、この手法では、Siウエハ同士が接触する面積は、コンタクトウエーブの進行に依存するため、Siウエハの外周部の形状によっては、外周部の端まで重なり合わない可能性もあり、歩留まり低下の原因になりうる。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、基板の重ね合わせの自由度を高めることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面は、第1基板と第2基板とを重ね合わせる重ね合わせ装置に係り、前記第1基板を第1回転軸を中心として回動させる回動機構と、前記第1回転軸の位置を変更する変更機構と、を備え、前記回動機構及び前記変更機構により、前記第1基板を移動させて前記第2基板に重ね合わせることを特徴とする。
【0010】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記変更機構は、第2回転軸を中心として前記第1回転軸を回動させる機構を含むことが好ましい。
【0011】
本発明の第2の側面は、第1基板と第2基板とを重ね合わせる重ね合わせ装置に係り、前記第1基板を保持する保持部と、前記保持部に連結され、複数のジョイントを有するアームと、前記複数のジョイントにそれぞれ連結され、前記複数のジョイントの位置をそれぞれ変更する複数のアクチュエータと、を備え、前記複数のアクチュエータによって前記第1基板の姿勢を変化させて前記第2基板に重ね合わせることを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の側面は、半導体基板の製造方法に係り、基板に多孔質層を形成する工程と、前記多孔質層の上に移設層を形成する工程と、上記の重ね合わせ装置を利用して前記基板を他の基板とを重ね合わせて、貼り合わせ基板を作製する工程と、前記貼り合わせ基板を前記多孔質層の部分で分離する工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な第1の実施の形態に係る重ね合わせ装置について説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図5(a)〜(c)は、本発明の好適な第1の実施の形態に係る重ね合わせ装置の例を示す概略図である。
【0015】
この重ね合わせ装置は、第1基板501を保持する第1保持部材502と、第2基板503を保持する第2保持部材504と、第1基板501を移動させて第2保持部材504に重ね合わせる駆動部505と、が設けられている。
【0016】
第1基板501及び第2基板503は、重ね合せ基板の被処理対象である基板の一例であり、第1基板501としては、例えば、Si基板、Si基板上にSiO2層を形成した基板等が用いられ、好適には、単結晶Si基板上の形成された多孔質Si層の上に非多孔質の単結晶Si層がエピタキシャル成長され、更にその表面にSiO2層が形成されたものを用いるのが望ましい。また、第2基板503としては、Si基板、Si基板上にSiO2層を形成した基板、石英等の光透過性の基板、サファイヤ等が好適である。しかしながら、第1基板501及び第2基板503は、これらの材料に限られず、種々の材料を採用することができる。
【0017】
第1保持部材502は、第1基板501の裏面を吸着して保持するように構成されるのが望ましい。これによって、処理すべき基板の表面(重ね合せ面)が汚染されたり、損傷を与えたりすることを防止することができる。また、第2保持部材504は、第2基板503の裏面を吸着して保持するように構成される。このような吸着機構としては、例えば、真空ポンプに接続された吸引孔を有し基板を吸引孔で吸着する真空チャックや、保持部材の上に誘電層を有し基板と保持部材との間に電圧を印加して基板を吸着する静電チャック等を用いることができる。
【0018】
駆動部505は、部材を移動させるためのものであり、第1基板501を第1回転軸506を中心として回動させる回動機構505aと、第1回転軸の位置を変更する変更機構505bと、を備える。また、回動機構505aと変更機構505bとは、別々に動作させてもよいし、同時に動作させてもよい。変更機構505bは、第2回転軸507を中心として、第1基板を移動させるのが好ましいが、これに限定されず、第1基板を任意の方向に移動させてもよい。
【0019】
次に、本発明の好適な第1の実施の形態に係る重ね合わせ装置の動作について説明する。まず、図5(a)に示すように、第1基板501が第1保持部材502に保持され、第2基板503が第2保持部材504に保持される。そして、回動機構505aが第1回転軸506を支点にして、第1保持部材502を回動させ、第1基板501を第2基板503に近づける。
【0020】
次に、図5(b)に示すように、変更機構505bが、第2回転軸507を中心として第1回転軸を回動させ、第1基板501と第2基板503の外周とを接触させる。回動機構505a及び変更機構505bは、第1回転軸506及び第2回転軸507をそれぞれ中心として、順次微量づつ連続して第1保持部材502を回動させていくことによって、ウエハに大きな負荷をかけることなく、最外周まではりあわせ領域を広げることができる(図5(c)参照)。この際に、基板が重ね合わせにくいものであったり、基板の面内で荒さの程度が異なるものであったりする場合等においては、回動機構505a及び変更機構505bが、第1回転軸506及び第2回転軸507の回動の程度をそれぞれ適量に制御し、はり合わせ速度やウエハに与える負荷をコントロールすることができる。
【0021】
以上のように、本実施形態では、変更機構505bが第2回転軸507を中心として第1回転軸を回動させることによって、基板の重ね合わせの自由度を高めることができる。
【0022】
すなわち、第1回転軸506を中心として第1保持部材502を回動させた場合には、第1回転軸506の位置は固定されたままであるのに対して、本実施形態では、第1回転軸506だけでなく第2回転軸507を中心として、第1保持部材502回動させることができるため、基板を重ね合せる際に基板表面の状態に基づいて、第1保持部材502の向きを自由に変化させることができる。また、装置の構成を変えることなく、基板毎に第1保持部材502の向きを自由に変化させることができる。
【0023】
従って、本実施形態によれば、基板を重ね合わせるときに、基板同士が面内で同時に重ね合うことを避けられため、重ね合わせが基板同士の間に気泡が混入する恐れがない。また、基板を重ね合せる際に、基板を保持する保持部の回動中心自体の位置を変更して、重ね合わせ速度や基板に与える負荷を制御しながら重ね合わせが進めることができるため、基板の端で重ね合った部分に対して、基板にストレスがかかることを防止することができる。
【0024】
また、基板表面に表面の荒さが周りと比べて大きい個所がある場合でも、基板を保持する保持部の回動中心自体の位置を変更して、コンタクトウエーブの進行を制御し、外周部の端まで基板を重なり合わせることができる。
【0025】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、駆動部505として、回動機構505aと変更機構505bとを採用したが、駆動部としては、他の回動機構を採用することができる。
【0026】
このような駆動部の一例を、本発明の好適な第2の実施形態として、図6に示す。図6(a)は、本発明の好適な第2の実施形態に係る重ね合わせ装置の駆動部近傍を横から見た断面図であり、図6(a)は、本発明の好適な第2の実施形態に係る重ね合わせ装置の駆動部近傍を正面から見た断面図である。
図6(a)、(b)に示すように、本発明の好適な第2の実施形態に係る重ね合わせ装置は、基板を保持する保持部502’と、保持部502’に連結され、複数のジョイントを有するアーム613とを備え、アーム613は、例えば3つのジョイントを有し、それぞれ3つのユニバーサルジョイント607、608、609に回動自在に接続されている。更に、アクチュエータとしての3つのモータ601、602、603が、ユニバーサルジョイント607、608、609にそれぞれ連結され、ユニバーサルジョイント607、608、609の外周側には、カバー609が設けられている。
【0027】
モータ601、602、603は、それぞれネジ604、605、606に接続されており、このネジ604、605、606の先端部分には、ユニバーサルジョイント607、608、609が連結されている。また、これらのネジ604、605、606の外周側には、それぞれナット610、611、612が配置されている。このような構成において、モータ601、602、603を回転させることによって、保持部502’で保持される基板の姿勢を変化させて、基板を重ね合わせることができる。
【0028】
次に、本発明の好適な第2の実施の形態に係る重ね合わせ装置の動作について説明する。
【0029】
まず、モータ601、602、603が回転すると、モータ601、602、603に直結しているネジ604、605、606が回転し、ネジ604、605、606の外周側に配置されたナット610、611、612がネジ604、605、606の回転により直進し、その結果、ユニバーサルジョイント607、608、609がそれぞれ前進又は後退する。
【0030】
このような回転機構を用いることによって、ユニバーサルジョイント607、608、609に接続された保持部502’が回動するときの中心点を、図7に示すように他の中心点に変更することができる。すなわち、持部502’は、1つの中心点だけでなく、その中心点自体を他の中心点を中心として回動することができるとともに、3つの中心点のそれぞれを中心として回動することもできる。従って、本実施形態によれば、基板の重ね合わせの自由度を更に高めることができる。
【0031】
[重ね合わせ装置の適用例]
以下、本発明の好適な実施の形態に係る重ね合わせ装置を基板の製造方法に適用した例として、SOI基板の製造方法を例示的に説明する。図1(a)〜図1(e)は、本発明の好適な実施の形態に係るSOI基板の製造方法を概略的に説明するための模式図である。
【0032】
図1(a)〜図1(e)は、本発明の好適な実施の形態に係るSOI基板の製造方法を概略的に説明するための模式図である。
【0033】
まず、図1(a)に示す工程では、単結晶Si基板11を準備して、その表面に陽極化成処理等により多孔質Si層12を形成する。
【0034】
次いで、図1(b)に示す工程では、多孔質Si層12の上に非多孔質の単結晶Si層13をエピタキシャル成長法により形成する。その後、その表面を酸化することにより絶縁層(SiO2層)14を形成する。これにより、第1の基板10が形成される。ここで、多孔質Si層12は、例えば、単結晶Si基板11に水素、ヘリウム又は不活性ガス等のイオンを注入する方法(イオン注入法)により形成してもよい。この方法により形成される多孔質Si層は、多数の微小空洞を有し、微小空洞(microcavity)層とも呼ばれる。
【0035】
次に、図1(c)に示す工程では、本発明の好適な実施の形態に係る重ね合わせ装置を用いて、単結晶Siからなる第2の基板20を準備し、第1の基板10と第2の基板20とを、第2の基板20と絶縁層14とが面するように室温で密着させて貼り合わせ基板50を作成する。本発明の好適な実施の形態に係る、基板の重ね合わせの自由度の高い重ね合わせ装置を用いることによって、貼り合わせ基板50の歩留まりを向上させることができる。
【0036】
なお、絶縁層14は、上記のように第1の基板の単結晶Si層13側に形成しても良いし、第2の基板20上に形成しても良く、両者に形成しても良く、結果として、第1の基板と第2の基板を密着させた際に、図1(c)に示す状態になれば良い。しかしながら、上記のように、絶縁層14を活性層となる単結晶Si層13側に形成することにより、第1の基板10と第2の基板20との貼り合わせ界面を活性層から遠ざけることができるため、より高品位のSOI基板を得ることができる。
【0037】
次いで、図1(d)に示す工程では、多孔質Si層12を分離処理して、貼り合わせ基板50を新たな第1の基板10’と新たな第2の基板30に分離する。このときの分離方法としては多孔質Si層12付近にクサビを挿入する方法、高圧流体を多孔質Si層12付近に吹き付ける方法などがある。
【0038】
その後、図1(e)に示す工程では、多孔質層12’’と単結晶Si層13で選択比の高いエッチングを行うことによりによりほぼ単結晶Si層13の膜減りを起こさずに後多孔質層12’を除去しSOI基板40が作成される。以上の方法により移設層としての単結晶Si層13及び絶縁層14を、第2の基板30に移設することができる。更に水素雰囲気中でアニールすることで極めて表面が平坦なSOI基板とすることが可能である。
【0039】
このように、本発明の好適な実施の形態に係る重ね合わせ装置を基板の製造方法に適用することによって、貼り合わせ基板50の歩留まりを向上させることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板の重ね合わせの自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態に係るSOI基板の製造方法を概略的に説明するための模式図である。
【図2】従来の重ね合わせ装置の構成を示す概略図である。
【図3】従来の重ね合わせ装置の構成を示す概略図である。
【図4】コンタクトウエーブの進行を示す概略図である。
【図5】本発明の好適な第1の実施の形態に係る重ね合わせ装置の構成を示す概略図である。
【図6】本発明の好適な第2の実施形態に係る重ね合わせ装置の駆動部近傍の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の好適な第2の実施形態に係る重ね合わせ装置の駆動部近傍の構成を示す概略図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的に基板を重ね合わせる重ね合わせ装置に関し、より詳細には、基板を貼り合せて貼り合わせ基板を作製することに関連する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造プロセスでは、貼り合わせ手法を用いてSOI基板を作製する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この技術は、多孔質Si上に成長させたSiエピタキシャル層を、酸化膜を介して非晶質基板又は単結晶Si基板にはり合せる、ウエハ直接貼り合わせ技術を応用したものである。
【0003】
基板を貼り合わせる際には、貼り合わせ面に気泡を混入させずに貼り合わせことが重要である。貼り合わせの一例としては、図2(a)〜(c)に示すように、第一のウエハ201を保持するウエハ支持具202を、回転中心205を中心として回動させ、第二のウエハ支持具204に保持された第二のウエハ203に重ね合わせる装置がある。また、図3(a)〜(c)に示すように、第一のウエハ301を保持するウエハ支持具302を、第一のウエハ301の端にある回転中心305を中心として回動させ、コンタクトウエーブを制御しながら第二のウエハ支持具304に保持された第二のウエハ303に重ね合わせる装置がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−21338号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図2に示すような位置に回転中心205がある場合には、図2(a)の状態から図2(b)へと第一のウエハ201を回動させ、図2(c)に示す状態となり第一のウエハ201と第二のウエハ203とが面内で同時に重ね合わせられる際に、気泡の混入を招くおそれがある。また、図3に示すように、第一のウエハ301の端に回転中心305がある場合には、第一のウエハ301の端で第二のウエハ203と重ね合った部分において、図3(a)の状態から図3(b)、(c)の状態へと、重ね合わせが進むにつれてストレスがかかり、割れを引き起こす原因となりうる。
【0005】
また、Si基板同士を重ね合わせる場合などでは、図2Cに示すようにSiウエハを重ね合わせる際に、Siウエハ同士の間に数ミクロンのエアーによるギャップを持たせ、その後、図4(a)〜(d)に示すように、Siウエハをピンで押すことによって、コンタクトウエーブ402を順次広げることができる。
【0006】
しかしながら、この場合では、コンタクトウエーブ402の進行を制御することができない。例えば、図4(a)に示すように、Siウエハの表面に、表面が周りと比べて粗い個所401があった場合には、その部分のコンタクトウエーブ402は、周りと比べてその進行が遅くなる(図4(b)参照)。その結果、コンタクトウエーブ402の巻き込み403が生じ(図4(c)参照)、その部分がボイド404となりうる図4(d)参照)。
【0007】
また、この手法では、Siウエハ同士が接触する面積は、コンタクトウエーブの進行に依存するため、Siウエハの外周部の形状によっては、外周部の端まで重なり合わない可能性もあり、歩留まり低下の原因になりうる。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、基板の重ね合わせの自由度を高めることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面は、第1基板と第2基板とを重ね合わせる重ね合わせ装置に係り、前記第1基板を第1回転軸を中心として回動させる回動機構と、前記第1回転軸の位置を変更する変更機構と、を備え、前記回動機構及び前記変更機構により、前記第1基板を移動させて前記第2基板に重ね合わせることを特徴とする。
【0010】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記変更機構は、第2回転軸を中心として前記第1回転軸を回動させる機構を含むことが好ましい。
【0011】
本発明の第2の側面は、第1基板と第2基板とを重ね合わせる重ね合わせ装置に係り、前記第1基板を保持する保持部と、前記保持部に連結され、複数のジョイントを有するアームと、前記複数のジョイントにそれぞれ連結され、前記複数のジョイントの位置をそれぞれ変更する複数のアクチュエータと、を備え、前記複数のアクチュエータによって前記第1基板の姿勢を変化させて前記第2基板に重ね合わせることを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の側面は、半導体基板の製造方法に係り、基板に多孔質層を形成する工程と、前記多孔質層の上に移設層を形成する工程と、上記の重ね合わせ装置を利用して前記基板を他の基板とを重ね合わせて、貼り合わせ基板を作製する工程と、前記貼り合わせ基板を前記多孔質層の部分で分離する工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な第1の実施の形態に係る重ね合わせ装置について説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図5(a)〜(c)は、本発明の好適な第1の実施の形態に係る重ね合わせ装置の例を示す概略図である。
【0015】
この重ね合わせ装置は、第1基板501を保持する第1保持部材502と、第2基板503を保持する第2保持部材504と、第1基板501を移動させて第2保持部材504に重ね合わせる駆動部505と、が設けられている。
【0016】
第1基板501及び第2基板503は、重ね合せ基板の被処理対象である基板の一例であり、第1基板501としては、例えば、Si基板、Si基板上にSiO2層を形成した基板等が用いられ、好適には、単結晶Si基板上の形成された多孔質Si層の上に非多孔質の単結晶Si層がエピタキシャル成長され、更にその表面にSiO2層が形成されたものを用いるのが望ましい。また、第2基板503としては、Si基板、Si基板上にSiO2層を形成した基板、石英等の光透過性の基板、サファイヤ等が好適である。しかしながら、第1基板501及び第2基板503は、これらの材料に限られず、種々の材料を採用することができる。
【0017】
第1保持部材502は、第1基板501の裏面を吸着して保持するように構成されるのが望ましい。これによって、処理すべき基板の表面(重ね合せ面)が汚染されたり、損傷を与えたりすることを防止することができる。また、第2保持部材504は、第2基板503の裏面を吸着して保持するように構成される。このような吸着機構としては、例えば、真空ポンプに接続された吸引孔を有し基板を吸引孔で吸着する真空チャックや、保持部材の上に誘電層を有し基板と保持部材との間に電圧を印加して基板を吸着する静電チャック等を用いることができる。
【0018】
駆動部505は、部材を移動させるためのものであり、第1基板501を第1回転軸506を中心として回動させる回動機構505aと、第1回転軸の位置を変更する変更機構505bと、を備える。また、回動機構505aと変更機構505bとは、別々に動作させてもよいし、同時に動作させてもよい。変更機構505bは、第2回転軸507を中心として、第1基板を移動させるのが好ましいが、これに限定されず、第1基板を任意の方向に移動させてもよい。
【0019】
次に、本発明の好適な第1の実施の形態に係る重ね合わせ装置の動作について説明する。まず、図5(a)に示すように、第1基板501が第1保持部材502に保持され、第2基板503が第2保持部材504に保持される。そして、回動機構505aが第1回転軸506を支点にして、第1保持部材502を回動させ、第1基板501を第2基板503に近づける。
【0020】
次に、図5(b)に示すように、変更機構505bが、第2回転軸507を中心として第1回転軸を回動させ、第1基板501と第2基板503の外周とを接触させる。回動機構505a及び変更機構505bは、第1回転軸506及び第2回転軸507をそれぞれ中心として、順次微量づつ連続して第1保持部材502を回動させていくことによって、ウエハに大きな負荷をかけることなく、最外周まではりあわせ領域を広げることができる(図5(c)参照)。この際に、基板が重ね合わせにくいものであったり、基板の面内で荒さの程度が異なるものであったりする場合等においては、回動機構505a及び変更機構505bが、第1回転軸506及び第2回転軸507の回動の程度をそれぞれ適量に制御し、はり合わせ速度やウエハに与える負荷をコントロールすることができる。
【0021】
以上のように、本実施形態では、変更機構505bが第2回転軸507を中心として第1回転軸を回動させることによって、基板の重ね合わせの自由度を高めることができる。
【0022】
すなわち、第1回転軸506を中心として第1保持部材502を回動させた場合には、第1回転軸506の位置は固定されたままであるのに対して、本実施形態では、第1回転軸506だけでなく第2回転軸507を中心として、第1保持部材502回動させることができるため、基板を重ね合せる際に基板表面の状態に基づいて、第1保持部材502の向きを自由に変化させることができる。また、装置の構成を変えることなく、基板毎に第1保持部材502の向きを自由に変化させることができる。
【0023】
従って、本実施形態によれば、基板を重ね合わせるときに、基板同士が面内で同時に重ね合うことを避けられため、重ね合わせが基板同士の間に気泡が混入する恐れがない。また、基板を重ね合せる際に、基板を保持する保持部の回動中心自体の位置を変更して、重ね合わせ速度や基板に与える負荷を制御しながら重ね合わせが進めることができるため、基板の端で重ね合った部分に対して、基板にストレスがかかることを防止することができる。
【0024】
また、基板表面に表面の荒さが周りと比べて大きい個所がある場合でも、基板を保持する保持部の回動中心自体の位置を変更して、コンタクトウエーブの進行を制御し、外周部の端まで基板を重なり合わせることができる。
【0025】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、駆動部505として、回動機構505aと変更機構505bとを採用したが、駆動部としては、他の回動機構を採用することができる。
【0026】
このような駆動部の一例を、本発明の好適な第2の実施形態として、図6に示す。図6(a)は、本発明の好適な第2の実施形態に係る重ね合わせ装置の駆動部近傍を横から見た断面図であり、図6(a)は、本発明の好適な第2の実施形態に係る重ね合わせ装置の駆動部近傍を正面から見た断面図である。
図6(a)、(b)に示すように、本発明の好適な第2の実施形態に係る重ね合わせ装置は、基板を保持する保持部502’と、保持部502’に連結され、複数のジョイントを有するアーム613とを備え、アーム613は、例えば3つのジョイントを有し、それぞれ3つのユニバーサルジョイント607、608、609に回動自在に接続されている。更に、アクチュエータとしての3つのモータ601、602、603が、ユニバーサルジョイント607、608、609にそれぞれ連結され、ユニバーサルジョイント607、608、609の外周側には、カバー609が設けられている。
【0027】
モータ601、602、603は、それぞれネジ604、605、606に接続されており、このネジ604、605、606の先端部分には、ユニバーサルジョイント607、608、609が連結されている。また、これらのネジ604、605、606の外周側には、それぞれナット610、611、612が配置されている。このような構成において、モータ601、602、603を回転させることによって、保持部502’で保持される基板の姿勢を変化させて、基板を重ね合わせることができる。
【0028】
次に、本発明の好適な第2の実施の形態に係る重ね合わせ装置の動作について説明する。
【0029】
まず、モータ601、602、603が回転すると、モータ601、602、603に直結しているネジ604、605、606が回転し、ネジ604、605、606の外周側に配置されたナット610、611、612がネジ604、605、606の回転により直進し、その結果、ユニバーサルジョイント607、608、609がそれぞれ前進又は後退する。
【0030】
このような回転機構を用いることによって、ユニバーサルジョイント607、608、609に接続された保持部502’が回動するときの中心点を、図7に示すように他の中心点に変更することができる。すなわち、持部502’は、1つの中心点だけでなく、その中心点自体を他の中心点を中心として回動することができるとともに、3つの中心点のそれぞれを中心として回動することもできる。従って、本実施形態によれば、基板の重ね合わせの自由度を更に高めることができる。
【0031】
[重ね合わせ装置の適用例]
以下、本発明の好適な実施の形態に係る重ね合わせ装置を基板の製造方法に適用した例として、SOI基板の製造方法を例示的に説明する。図1(a)〜図1(e)は、本発明の好適な実施の形態に係るSOI基板の製造方法を概略的に説明するための模式図である。
【0032】
図1(a)〜図1(e)は、本発明の好適な実施の形態に係るSOI基板の製造方法を概略的に説明するための模式図である。
【0033】
まず、図1(a)に示す工程では、単結晶Si基板11を準備して、その表面に陽極化成処理等により多孔質Si層12を形成する。
【0034】
次いで、図1(b)に示す工程では、多孔質Si層12の上に非多孔質の単結晶Si層13をエピタキシャル成長法により形成する。その後、その表面を酸化することにより絶縁層(SiO2層)14を形成する。これにより、第1の基板10が形成される。ここで、多孔質Si層12は、例えば、単結晶Si基板11に水素、ヘリウム又は不活性ガス等のイオンを注入する方法(イオン注入法)により形成してもよい。この方法により形成される多孔質Si層は、多数の微小空洞を有し、微小空洞(microcavity)層とも呼ばれる。
【0035】
次に、図1(c)に示す工程では、本発明の好適な実施の形態に係る重ね合わせ装置を用いて、単結晶Siからなる第2の基板20を準備し、第1の基板10と第2の基板20とを、第2の基板20と絶縁層14とが面するように室温で密着させて貼り合わせ基板50を作成する。本発明の好適な実施の形態に係る、基板の重ね合わせの自由度の高い重ね合わせ装置を用いることによって、貼り合わせ基板50の歩留まりを向上させることができる。
【0036】
なお、絶縁層14は、上記のように第1の基板の単結晶Si層13側に形成しても良いし、第2の基板20上に形成しても良く、両者に形成しても良く、結果として、第1の基板と第2の基板を密着させた際に、図1(c)に示す状態になれば良い。しかしながら、上記のように、絶縁層14を活性層となる単結晶Si層13側に形成することにより、第1の基板10と第2の基板20との貼り合わせ界面を活性層から遠ざけることができるため、より高品位のSOI基板を得ることができる。
【0037】
次いで、図1(d)に示す工程では、多孔質Si層12を分離処理して、貼り合わせ基板50を新たな第1の基板10’と新たな第2の基板30に分離する。このときの分離方法としては多孔質Si層12付近にクサビを挿入する方法、高圧流体を多孔質Si層12付近に吹き付ける方法などがある。
【0038】
その後、図1(e)に示す工程では、多孔質層12’’と単結晶Si層13で選択比の高いエッチングを行うことによりによりほぼ単結晶Si層13の膜減りを起こさずに後多孔質層12’を除去しSOI基板40が作成される。以上の方法により移設層としての単結晶Si層13及び絶縁層14を、第2の基板30に移設することができる。更に水素雰囲気中でアニールすることで極めて表面が平坦なSOI基板とすることが可能である。
【0039】
このように、本発明の好適な実施の形態に係る重ね合わせ装置を基板の製造方法に適用することによって、貼り合わせ基板50の歩留まりを向上させることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板の重ね合わせの自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態に係るSOI基板の製造方法を概略的に説明するための模式図である。
【図2】従来の重ね合わせ装置の構成を示す概略図である。
【図3】従来の重ね合わせ装置の構成を示す概略図である。
【図4】コンタクトウエーブの進行を示す概略図である。
【図5】本発明の好適な第1の実施の形態に係る重ね合わせ装置の構成を示す概略図である。
【図6】本発明の好適な第2の実施形態に係る重ね合わせ装置の駆動部近傍の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の好適な第2の実施形態に係る重ね合わせ装置の駆動部近傍の構成を示す概略図である。
Claims (1)
- 第1基板と第2基板とを重ね合わせる重ね合わせ装置であって、
前記第1基板を第1回転軸を中心として回動させる回動機構と、
前記第1回転軸の位置を変更する変更機構と、
を備え、前記回動機構及び前記変更機構により、前記第1基板を移動させて前記第2基板に重ね合わせることを特徴とする重ね合わせ装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003053895A JP2004266052A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 重ね合わせ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003053895A JP2004266052A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 重ね合わせ装置 |
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ID=33118379
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JP2003053895A Withdrawn JP2004266052A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 重ね合わせ装置 |
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JP (1) | JP2004266052A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011249781A (ja) * | 2010-04-26 | 2011-12-08 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | Soi基板の作製方法 |
JP2013102118A (ja) * | 2011-06-14 | 2013-05-23 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | Soi基板の作製方法および作製装置 |
JP2014216632A (ja) * | 2013-04-30 | 2014-11-17 | 東京応化工業株式会社 | 支持体分離装置及び支持体分離方法 |
-
2003
- 2003-02-28 JP JP2003053895A patent/JP2004266052A/ja not_active Withdrawn
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