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JP2004112588A - 無線基地装置、移動端末装置、参照信号制御方法および参照信号制御プログラム - Google Patents

無線基地装置、移動端末装置、参照信号制御方法および参照信号制御プログラム Download PDF

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JP2004112588A
JP2004112588A JP2002274630A JP2002274630A JP2004112588A JP 2004112588 A JP2004112588 A JP 2004112588A JP 2002274630 A JP2002274630 A JP 2002274630A JP 2002274630 A JP2002274630 A JP 2002274630A JP 2004112588 A JP2004112588 A JP 2004112588A
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Abstract

【課題】多重接続するユーザ数の変化に関わらず、ユーザごとの信号を精度良く同期位置を推定するとともに、所望のユーザの信号を安定的に分離抽出することが可能な無線基地装置、移動端末装置、参照信号制御方法および参照信号制御プログラムを提供する。
【解決手段】他のPSからの接続要求がCSに対して行なわれたこと等により、CSと接続するPSの多重数が変更すると、CSは、新たな多重数にとって最適なユニークワードパターン(新ユニークワード)を選出して、旧ユニークワードから新ユニークワードへの切り替え要求を多重するユーザの各PSに対して行なう。各ユーザのPSから、切り替え要求に対する応答を受信すると、CSは、新ユニークワードを含む同期バースト信号をPS側に送信し、PSからも、新ユニークワードを含む同期バースト信号を返信して同期確立を完了する。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線基地装置、移動端末装置、参照信号制御方法および参照信号制御プログラムに関し、より特定的には、空間多重接続方式における無線基地装置、移動端末装置、参照信号制御方法および参照信号制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、急速に発達しつつある移動体通信システム(たとえば、Personal Handyphone System:以下、PHS)では、電波の周波数利用効率を高めるために、同一周波数の同一タイムスロットを空間的に分割することにより複数ユーザの移動端末装置を無線基地システムに空間多重接続させることができるSDMA(Space Division Multiple Access)方式が提案されている。
【0003】
SDMA方式では、すでに実用化されているTDMA(Time Division Multiple Access)方式と同様に、1つの周波数を使用する時間(1フレーム)をいくつかのタイムスロットで分割し、各ユーザは異なるタイムスロットを使用することから、送信時に他のユーザの送信と信号が重ならないように正確に割当てられたタイムスロットに信号を送出するための時間位置制御(バースト同期制御)が必要とされる。
【0004】
そこで、PHSでは、基地局(Cell Station:以下、CS)において移動端末装置(Personal Station:以下、PS)から受信した信号の同期位置を見つける方法として、いわゆる相関同期による同期位置検出が従来から知られている。
【0005】
この相関同期による同期位置検出とは、PSからの受信信号は、各フレームにすべてのユーザに共通の既知のビット列からなる参照信号(ユニークワード信号:UW信号)区間を含むことに鑑み、CSは、予めメモリに記憶している参照信号の既知の波形と、PSからの一定長の受信信号の波形をずらしながら切り出したものとの相関値(自己相関値)を計算し、自己相関値がピークとなる時間位置を同期位置として特定するというものである。
【0006】
しかしながら、このような相関同期による同期位置検出は、1つのPSからの信号が単独でCSで受信されることを前提としたものであり、2つ以上のPSからの同じ周波数の信号が重なり合ってCSで受信される場合に対応したものではない。
【0007】
特に、SDMA方式では、同じ周波数の1つのタイムスロットを空間的に分割して複数のPSにチャネルを割当てることから、同一周波数の2つ以上の信号が重なり合ってCSへ飛来する可能性が高い。
【0008】
したがって、複数ユーザのPSからの受信信号の同期位置が一致するようなことになれば、受信信号の参照信号区間が重なってユーザ同士を識別分離することができなくなり、ユーザ間の混信を引き起こすことになる。
【0009】
そこで、かかる問題を解決すべく、CSにおいては、これまで、アダプティブアレイ装置によってPSの方向に応じた指向性パターンを形成したり、空間多重する複数のPS毎に微小時間だけ信号の送信時間をずらす等の制御が行なわれていた。
【0010】
さらに、最近では、CSにおいて、PSごとに異なる参照信号を指定し、それぞれのユーザは指定された参照信号を利用することによって、各PSの通信データを適切に分離抽出して複数ユーザ間の相互干渉を防止する手段が提案されている(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。
【0011】
ここで、従来のCSがPSに対して行なう参照信号の割当ての制御動作について図7を用いて説明する。
【0012】
図7は、通話やデータ通信を開始するためにPSからリンクチャネル確立要求を受けた場合において、CS内部の制御部が行なう動作を説明するフロー図である。
【0013】
なお、図7の動作の前提として、参照番号は、ユニークワード情報として、CS内のユニークワード記憶部に予め固定的に格納されている。
【0014】
ユニークワード情報とは、ユニークワードの値と、そのユニークワードが割当てられている状態を示す情報とが対応付けられたものである。ユニークワードは、2進数で例えば「0011110101000110」等の16ビットの値、又は、32ビットの値をとる。また、割当てられている状態を示す値として、ユーザ1、ユーザ2等のPSを特定する値あるいは未だ割当てられていない旨を示す値をとる。
【0015】
図7を参照して、まず、制御部は、PSからのリンクチャネル確立要求を受信した場合(ステップS301)、またはリンクチャネル再確立要求を受信した場合(ステップS302)、そのPSに対して割当て可能なチャネルを探す(ステップS303)。
【0016】
ここで、割当て可能なチャネルがない場合は(ステップS304)、リンクチャネル割当て拒否通知をそのPSに対して送信するよう制御する(ステップS308)。
【0017】
一方、割当て可能なチャネルがある場合は(ステップS304)、制御部は、ユニークワード記憶部に保持されているユニークワードを参照して、未だ割当てられていないユニークワードをそのPSに対して割当てることを決定し、ユニークワードとそのPSとを対応付けるようにユニークワード情報を更新する(ステップS305)。
【0018】
さらに、制御部は、その決定した1つのユニークワードの通知を含めたリンクチャネル割当て通知をそのPSに送信する(ステップS306)。
【0019】
これによって、従来のCSでは、複数のPSから、相互に異なるユニークワードを含む形式で通信データが送信されるので、各ユニークワードを参照信号として利用して最小二乗平均誤差方式(MMSE方式)に基づくアダプティブアレイにより、各PSの通信データを空間多重された信号の中から適切に分離抽出することが可能となる。
【0020】
したがって、CSは、他のPSとの干渉を回避し、通話品質を維持して当該PSとSDMA方式での通話することができる。
【0021】
【特許文献1】
特開2001−231072号公報(第4〜8頁、第5図)
【0022】
【非特許文献1】
宮田健雄、他3名,「SDMA方式に適したトレーニング信号の初期検討」,信学技報,Vol.RCS2002−47,p.177−182,2002
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、図8に示すCSでは、接続要求をしてきたPSに対して、リンクチャネル確立フェーズにおいて、ユニークワード記憶部に保持されている複数のユニークワードの中から未使用のユニークワードが割当てられると、その後の通信に用いるユニークワードは、この割当てたユニークワードに固定されることとなる。
【0024】
しかしながら、SDMA方式における通信環境下においては、常に干渉が高い状況であり、さらに、同一チャネルに多重接続するユーザ数の増減によってユーザ同士の空間相関値が刻々と変化することから、接続要求時に割当てられたユニークワードを含む参照信号では、その後の多重数の変化によって、同期位置推定精度およびアダプティブアレイによる干渉除去性能が劣化してしまうという問題があった。
【0025】
それゆえに、この発明の目的は、多重接続するユーザ数の変化に関わらず、ユーザごとの信号を精度良く同期位置を推定するとともに、所望のユーザの信号を安定的に分離抽出することが可能な無線基地装置、移動端末装置、参照信号制御方法および参照信号制御プログラムを提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
この発明のある局面に従えば、複数の移動端末装置が空間多重接続することができる無線基地装置であって、複数の移動端末装置の各々と無線基地装置との間で送受信される信号は、互いに異なる既知の参照信号をそれぞれ含む。無線基地装置は、空間多重接続する移動端末装置の多重数を検出する多重数検出手段と、多重数検出手段において、多重数の変更が検出されると、変更前に空間多重接続する移動端末装置のそれぞれに割当てていた参照信号を、変更後の多重数においても通話品質の維持が可能な参照信号に切り替えて、複数の移動端末装置のそれぞれに割当てる手段とを備える。
【0027】
好ましくは、空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶する記憶手段をさらに備える。参照信号割当手段は、空間多重接続する移動端末装置の多重数が変更されると、記憶手段から、変更後の多重数において最適な参照信号を選出して、複数の移動端末装置のそれぞれに割当てる。
【0028】
より好ましくは、記憶手段の記憶する参照信号は、高い自己相関特性および低い相互相関特性を基準として、各多重数ごとに算出される。
【0029】
この発明の別の局面に従えば、無線基地装置に空間多重接続する移動端末装置であって、移動端末装置と前記無線基地装置との間で送受信される信号は、移動端末装置間で互いに異なる既知の参照信号を含む。移動端末装置は、空間多重接続する移動端末装置の多重数の変更に応じて、無線基地装置から参照信号の切り替え要求を受信する手段と、変更後の多重数においても通話品質の維持が可能な参照信号に切り替えて、無線基地装置に切り替え応答を送信する手段とを備える。
【0030】
好ましくは、空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶する記憶手段をさらに備える。無線基地装置から参照信号の切り替え要求を受信すると、記憶手段から変更後の多重数において最適な参照信号を選出し、選出した参照信号を含む切り替え応答を無線基地装置に送信する。
【0031】
より好ましくは、記憶手段の記憶する参照信号は、高い自己相関特性および低い相互相関特性を基準として、各多重数ごとに算出される。
【0032】
この発明のさらに別の局面に従えば、複数の移動端末装置が空間多重接続することができる無線基地装置の行なう参照信号制御方法であって、複数の移動端末装置の各々と無線基地装置との間で送受信される信号は、互いに異なる既知の参照信号をそれぞれ含む。参照信号制御方法は、空間多重接続する移動端末装置の多重数を検出するステップと、多重数を検出するステップにおいて、多重数の変更が検出されると、変更前に空間多重接続する移動端末装置のそれぞれに割当てていた参照信号を、変更後の多重数においても通話品質の維持が可能な参照信号に切り替えて、複数の移動端末装置のそれぞれに割当てるステップとを備える。
【0033】
好ましくは、空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップをさらに備える。空間多重接続する移動端末装置の多重数が変更されると、記憶されている変更後の多重数において最適な参照信号を選出して、複数の移動端末装置のそれぞれに割当てる。
【0034】
より好ましくは、空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップは、高い自己相関特性および低い相互相関特性を基準として、各多重数ごとに参照信号を算出するステップをさらに備える。
【0035】
この発明のさらに別の局面に従えば、無線基地装置に空間多重接続する移動端末装置の行なう参照信号制御方法であって、移動端末装置と無線基地装置との間で送受信される信号は、移動端末装置間で互いに異なる既知の参照信号を含む。空間多重接続する移動端末装置の多重数の変更に応じて、無線基地装置から参照信号の切り替え要求を受信するステップと、変更後の多重数においても通話品質の維持が可能な参照信号に切り替えて、無線基地装置に切り替え応答を送信するステップとを備える。
【0036】
好ましくは、空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップをさらに備える。無線基地装置から参照信号の切り替え要求を受信すると、記憶されている変更後の多重数において最適な参照信号を選出し、選出した参照信号を含む切り替え応答を無線基地装置に送信する。
【0037】
より好ましくは、空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップは、高い自己相関特性および低い相互相関特性を基準として、各多重数ごとに参照信号を算出するステップをさらに備える。
【0038】
この発明のさらに別の局面に従えば、複数の移動端末装置が空間多重接続することができる無線基地装置の行なう参照信号制御プログラムであって、複数の移動端末装置の各々と無線基地装置との間で送受信される信号は、互いに異なる既知の参照信号をそれぞれ含む。コンピュータに、空間多重接続する移動端末装置の多重数を検出するステップと、多重数の検出するステップにおいて、多重数の変更が検出されると、変更前に空間多重接続する移動端末装置のそれぞれに割当てていた参照信号を、変更後の多重数においても通話品質の維持が可能な参照信号に切り替えて、複数の移動端末装置のそれぞれに割当てるステップとを実行させる。
【0039】
好ましくは、空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップをさらにコンピュータに実行させる。空間多重接続する移動端末装置の多重数が変更されると、記憶されている変更後の多重数において最適な参照信号を選出して、複数の移動端末装置のそれぞれに割当てる。
【0040】
より好ましくは、空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップは、高い自己相関特性および低い相互相関特性を基準として、各多重数ごとに参照信号を算出するステップをさらにコンピュータに実行させる。
【0041】
この発明のさらに別の局面に従えば、無線基地装置に空間多重接続する移動端末装置の行なう参照信号制御プログラムであって、移動端末装置と無線基地装置との間で送受信される信号は、移動端末装置間で互いに異なる既知の参照信号を含む。コンピュータに、空間多重接続する移動端末装置の多重数の変更に応じて、無線基地装置から参照信号の切り替え要求を受信するステップと、変更後の多重数においても通話品質の維持が可能な参照信号に切り替えて、無線基地装置に切り替え応答を送信するステップとを実行させる。
【0042】
好ましくは、空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップをさらにコンピュータに実行させる。無線基地装置から参照信号の切り替え要求を受信すると、記憶されている変更後の多重数において最適な参照信号を選出し、選出した参照信号を含む切り替え応答を無線基地装置に送信する。
【0043】
より好ましくは、空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップは、高い自己相関特性および低い相互相関特性を基準として、各多重数ごとに参照信号を算出するステップをさらにコンピュータに実行させる。
【0044】
したがって、この発明によれば、空間多重接続するユーザ数の変化に応じて、その多重数に最適なユニークワードを含む参照信号に随時切り替えて各ユーザと通信を行なうことにより、ユーザごとの信号を精度良く同期位置を推定するとともに、所望のユーザの信号を安定的に分離抽出することが可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0046】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1の無線基地装置における基地局の構成を示す機能ブロック図である。
【0047】
図1を参照して、無線基地局は、無線部10と、複数本のアンテナ(例えばアンテナ#1〜#4からなる4本のアンテナ)と、送信部20と、復調部30と、制御部40と、記憶部50と、変調部60と、送信部70とを備える。
【0048】
アンテナ#1〜#4は、それぞれ無線部10に接続される。
受信時には、アンテナ#1〜#4で受信した信号が無線部10を介して受信部20に与えられる。受信部20に与えられた受信信号は、そこで、増幅、周波数変換などの各種のアナログ信号処理が施され、A/D変換器(図示せず)によりデジタル信号に変換される。さらに、受信部20では、制御部40により制御されて、各ユーザの信号を分離抽出する。分離抽出された各ユーザの受信信号は、復調部30に与えられて、必要な復調処理および時分割処理が施され、元の信号に復元され、制御部40を介して公衆回路網(図示せず)に対して出力される。
【0049】
一方、送信時には、公衆回路網(図示せず)から与えられた送信信号は、制御部40を介して変調部60に与えられて必要な時分割処理および変調処理が施され、送信部70に与えられる。送信部70においては、送信信号に対して、D/A変換器(図示せず)でアナログ信号に変換され、増幅、周波数変換など、無線送信に必要な各種のアナログ信号処理が施される。
【0050】
送信時には、送信部70からの信号が無線部10を介してアンテナ#1〜#4に供給されて、アンテナ#1〜#4から所望のPSに対して送信される。
【0051】
制御部40は、具体的にはCPUで構成され、CS全体の制御、特に制御チャネルを介してPSから発信を受けたとき、および公衆回路網(図示せず)からの着信を受けたとき、PSに対して通信チャネルを割当てる。
【0052】
記憶部50は、具体的にはメモリで構成され、後述するように、多重数ごとに最適化されたユニークワードパターンを保持するためのテーブルを有する。なお、ユニークワードパターンの保持および読出しは、制御部40の指示により行なわれる。
【0053】
図2は、図1の記憶部50に保持されている多重数のそれぞれに対応する最適ユニークワードパターンのテーブルを示す図である。
【0054】
図2を参照して、ユニークワードパターンは、多重数ごとに最適化されて格納されている。
【0055】
例えば、多重数が2の場合は、ユニークワード番号「UWP−2A」と、「UWP−2B」とに相当するユニークワードパターンが格納されている。
【0056】
なお、それぞれのユニークワードパターンは、16ビットからなる上り回線(アップリンク)用、16ビットの下り回線(ダウンリンク)用、32ビットのアップリンク用および32ビットのダウンリンク用の合計4パターンで構成される。
【0057】
これは、CSとPSとの間の通信チャネルは、上り/下りの各回線ともに、呼接続に必要な情報を伝送するための共通双方向制御チャネル(Signal Control Channel:以下、SCCH)と、通信に使用するための情報チャネル(Traffic Channel:以下、TCH)とから構成されており、かつ、SCCHおよびTCHは、それぞれ32ビットおよび16ビットからなるユニークワードを含んでいることによる。
【0058】
ここで、それぞれの多重数における最適なユニークワードパターンは、ランダムに作成した16ビットまたは32ビットの信号列から、自己相関特性が優れ、かつ、パターン同士の相互相関特性が低いことを条件として、これらの条件を満たすビットパターンが選出されることによって決定される。
【0059】
これは、アダプティブアレイを使用したSDMA方式において、高精度に同期位置を推定するためには、参照信号自体の自己相関性が優れていることに加えて、通信時には干渉ユーザ信号と相互相関特性が優れていることが望まれることによる。
【0060】
さらに、性能良くウェイト学習を行なうためには、各ユーザ同士の信号列の相互相関値が高くならないことが求められることによる。なお、無線通信の場合は、端末と基地局との間の距離に応じて、各ユーザごとに異なる距離遅延が発生しうることから、ユーザ同士にタイミング差がある場合においても常に低い相互相関特性であることが望ましい。
【0061】
例えば、上記の条件のうち、優れた自己相関特性としては、自己相関値が、ピーク値となる同一タイミングから±1シンボル以外を判定区間として、この区間において自己相関値が閾値(例えば、0.3とする)以下であることを基準として判断される。
【0062】
また、低い相互相関特性としては、例えば、広い区間において、常に相互相関値が閾値(例えば、0.5とする)以下であることを基準として判断される。
【0063】
以上の規格に基づいて、多重数ごとに選出されたユニークワードパターンは、図1の記憶部50内の図2に示すテーブルに保持される。
【0064】
さらに、このパターンは、先述したように、基地局と多重接続するユーザ数の増減に応じて、図1の制御部40によって抽出されて、ユーザに切り替え要求とともに通知される。
【0065】
図3は、この発明の実施の形態1におけるCSとPSとの間の通話シーケンスを示す図である。
【0066】
図3を参照して、まず、PSとCSとは、リンクチャネルを確立した後、CSが指定したその多重数において最適なユニークワードパターンで通話を行なっている。
【0067】
例えば、多重数が2である場合は、2ユーザのそれぞれに対して、図2に示すパターンから2多重用のパターンとして「UWP−2A」もしくは「UWP−2B」に相当するユニークワードパターンが指定される。
【0068】
ここで、他のPSからの接続要求が該CSに対して行なわれたことにより、CSと接続するPSの多重数が変更したものとする。上記の例では、多重数は2から3に増加することとなる。
【0069】
次に、CSは、新たな多重数にとって最適なユニークワードパターンを図2のテーブルから選出して、旧ユニークワードから新ユニークワードへの切り替え要求を多重するユーザの各PSに対して行なう。
【0070】
続いて、各ユーザのPSから、切り替え要求に対する応答を受信すると、CSは、新ユニークワードを含む同期バースト信号をPS側に送信し、PSからも、新ユニークワードを含む同期バースト信号を返信して同期確立を完了する。例えば、多重数が3となった場合は、図2に示すパターンから3多重用のパターンとして、「UWP−3A」、「UWP−3B」および「UWP−3C」に相当するパターンが選出され、それぞれのユーザに新ユニークワードとして割当てられる。
【0071】
これにより、同期確立以降は、CSと各PSとは、その多重数に最適なユニークワードを含む参照信号によって通信を行なうことから、ユーザごとの同期位置の推定を精度良く行なうことができるとともに、所望のユーザの信号を安定的に分離抽出でき、通話品質の維持が可能となる。
【0072】
図4は、図3のユニークワード切り替え処理において、基地局が実行する動作を説明するフロー図である。
【0073】
図1に示した基地局の機能ブロック図の構成は、実際には図示しないデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)によって、図4に示すフロー図にしたがってソフトウェアで実行されるものである。このDSPは、図4に示すフロー図の各ステップを備えるプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、図示しない回路制御部および公衆回線を介してセンタ(図示せず)からダウンロードすることができる。
【0074】
図4を参照して、まず、CSは、多重するユーザのPSのそれぞれと、その多重数において最適なユニークワードパターンを用いて通信を行なっているものとする(ステップS110)。
【0075】
これと並行して、図1に示すCSの制御部40は、新たなユーザからの接続要求があったこと、または他のユーザが通信を終了したことによって、多重数が変更したか否かを常時判断する(ステップS120)。
【0076】
ここで、多重数が変更したことを確認すると、CSの制御部40は、変更後の多重数にとって最適なユニークワードパターンを記憶部50のテーブルから選出する(ステップS130)。
【0077】
次に、CSは、選出した新しいユニークワードパターンをユニークワード切り替え要求とともに各PSに通知する(ステップS140)。
【0078】
さらに、ステップS150において、PSからユニークワード切り替え要求に対する応答があった場合は、CSと当該PSとは、新しいユニークワードを含む参照信号を用いて同期バーストを行ない、その後通信を開始する(ステップS160)。
【0079】
一方、ステップS150において、PSからのユニークワード切り替え要求に対する応答がない場合は、CSは、応答が得られるまで当該PSに対して切り替え要求を送信する。
【0080】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、多重数の変化に対応してユニークワードをその多重数に最適なパターンに随時切り替えることにより、CSは、各ユーザの同期位置推定の精度を高めるとともに、安定的に各ユーザからの信号の分離抽出を行なうことができ、通話品質の維持が可能となる。
【0081】
[実施の形態2]
図5は、この発明の実施の形態2におけるCSとPSとの間の通話シーケンスを示す図である。
【0082】
図5の通話シーケンスの前提として、実施の形態2におけるCSおよびPSは、ともに内部に図1の記憶部50と同じ構成からなる記憶部を有しており、この点で実施の形態1におけるCSおよびPSと異なる。
【0083】
なお、CSおよびPSの記憶部は、いずれも実施の形態1の図2に示す多重数ごとに最適化されたユニークワードパターンのテーブルを備えている。これによって、PS側においても多重数の変更に応じて新たなユニークワードの選出が可能となる。
【0084】
図5を参照して、まず、PSとCSとは、リンクチャネルを確立した後、CSが指定したその多重数において最適なユニークワードパターンで通話を行なっている。
【0085】
ここで、他のPSからの接続要求が該CSに対して行なわれたこと、あるいは、他のPSが通信を終了したことにより、CSと接続するPSの多重数が変更したものとする。
【0086】
次に、CSは、多重数の変更情報を含む旧ユニークワードから新ユニークワードへの切り替え要求を多重するユーザの各PSに対して行なう。
【0087】
続いて、各ユーザのPSは、CSから切り替え要求を受信すると、記憶部のユニークワードパターンテーブルから、変更後の多重数に最適なユニークワードパターンを選出し、新ユニークワードを含む参照信号を用いて、CSに対して切り替え要求に対して応答する。
【0088】
これによって、CSとPSとの間でのユニークワード切り替え処理は終了し、以降は、CSと各PSとは、その多重数に最適なユニークワードを含む参照信号によって通信を行なうこととなる。
【0089】
したがって、実施の形態2では、基地局と端末とがともに、ユニークワードパターンのテーブルを所有することにより、実施の形態1の基地局および端末と比較して、ユニークワードの切り替え要求を行なうのみで新ユニークワードへの移行が可能となり、同期バースト処理を行なうことなく、通信を継続することが可能となる。
【0090】
図6は、図5のユニークワード切り替え処理において、端末が実行する動作を説明するフロー図である。
【0091】
なお、端末においても、図示は省略するが、DSPは、図6に示すフロー図にしたがってソフトウェアで実行する。このDSPは、図6に示すフロー図の各ステップを備えるプログラムをメモリから読み出して実行する。このプログラムは、回路制御部および公衆回線を介してセンタ(図示せず)からダウンロードすることができる。
【0092】
図6を参照して、まず、多重するPSの各々は、CSと、その多重数において最適なユニークワードパターンを用いて通信を行なっているものとする(ステップS210)。
【0093】
このとき、PSは、CSからの多重数が変更したことによるユニークワードの切り替え要求の有無を常時判断している(ステップS220)。
【0094】
ここで、CSからの切り替え要求を確認すると、PSの制御部は、変更後の多重数にとって最適なユニークワードパターンを記憶部のテーブルから選出し、新たなユニークワードを含む参照信号を用いて、切り替え要求に応答する(ステップS230)。
【0095】
さらに、CSにおいて、新ユニークワードを含む応答が受信されると、以降は新ユニークワードを含む参照信号を用いて通信が行なわれる(ステップS240)。
【0096】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、多重数の変化に応じて最適なユニークワードに随時変更して通信を行なうことにより、各ユーザの同期位置を精度良く推定できるとともに、各ユーザからの信号を安定的に分離抽出することが可能となる。
【0097】
また、端末側においても最適ユニークワードパターンのテーブルを備えることにより、ユニークワード切り替え要求の応答は新ユニークワードパターンによって行なわれることから、改めて同期バーストを行なうことなく、継続して通信を行なうことが可能となる。
【0098】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、多重数の変化に対応してユニークワードをその多重数に最適なパターンに随時切り替えることにより、CSは、各ユーザの同期位置を精度良く推定できるとともに、各ユーザからの信号を安定的に分離抽出することができ、通話品質の維持が可能となる。
【0100】
なお、これまで多重するユーザのPSごとに固定されていたユニークワードは、多重数の変化に対応して可変値となることから、多重数の増減に関わりなく、高い通話品質で通信を行なうことができる。
【0101】
さらに、この発明によれば、端末側においても多重数ごとに最適化されたユニークワードパターンのテーブルを備えることにより、ユニークワード切り替え要求の応答は、新ユニークワードパターンによって行なわれることから、改めて同期バーストを行なうことなく、継続して通信を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における無線基地局の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1の記憶部50に保持されている多重数のそれぞれに対応する最適ユニークワードパターンのテーブルを示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1におけるCSとPSとの間の通話シーケンスを示す図である。
【図4】図3のユニークワード切り替え処理において、基地局が実行する動作を説明するフロー図である。
【図5】この発明の実施の形態2におけるCSとPSとの間の通話シーケンスを示す図である。
【図6】図5のユニークワード切り替え処理において、端末が実行する動作を説明するフロー図である。
【図7】従来のCSの制御部が行なう動作を説明するフロー図である。
【符号の説明】
#1〜#4 アンテナ、10 無線部、20 受信部、30 復調部、40 制御部、50 記憶部、60 変調部、70 送信部。

Claims (18)

  1. 複数の移動端末装置が空間多重接続することができる無線基地装置であって、
    前記複数の移動端末装置の各々と前記無線基地装置との間で送受信される信号は、互いに異なる既知の参照信号をそれぞれ含み、
    前記無線基地装置は、
    前記空間多重接続する移動端末装置の多重数を検出する多重数検出手段と、
    前記多重数検出手段において、多重数が変更されたことを検出すると、変更前に空間多重接続する移動端末装置のそれぞれに割当てていた参照信号を、変更後の多重数においても通話品質の維持が可能な参照信号に切り替えて、前記複数の移動端末装置のそれぞれに割当てる手段とを備える、無線基地装置。
  2. 前記空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記参照信号割当手段は、前記空間多重接続する移動端末装置の多重数が変更されると、前記記憶手段から、変更後の多重数において最適な参照信号を選出して、前記複数の移動端末装置のそれぞれに割当てる、請求項1に記載の無線基地装置。
  3. 前記記憶手段の記憶する参照信号は、高い自己相関特性および低い相互相関特性を基準として、各多重数ごとに算出される、請求項2に記載の無線基地装置。
  4. 無線基地装置に空間多重接続する移動端末装置であって、
    前記移動端末装置と前記無線基地装置との間で送受信される信号は、移動端末装置間で互いに異なる既知の参照信号を含み、
    前記移動端末装置は、
    前記空間多重接続する移動端末装置の多重数の変更に応じて、前記無線基地装置から参照信号の切り替え要求を受信する手段と、
    変更後の多重数においても通話品質の維持が可能な参照信号に切り替えて、前記無線基地装置に切り替え応答を送信する手段とを備える、移動端末装置。
  5. 前記空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記無線基地装置から参照信号の切り替え要求を受信すると、前記記憶手段から変更後の多重数において最適な参照信号を選出し、選出した参照信号を含む切り替え応答を前記無線基地装置に送信する、請求項4に記載の移動端末装置。
  6. 前記記憶手段の記憶する参照信号は、高い自己相関特性および低い相互相関特性を基準として、各多重数ごとに算出される、請求項5に記載の移動端末装置。
  7. 複数の移動端末装置が空間多重接続することができる無線基地装置の行なう参照信号制御方法であって、
    前記複数の移動端末装置の各々と前記無線基地装置との間で送受信される信号は、互いに異なる既知の参照信号をそれぞれ含み、
    前記空間多重接続する移動端末装置の多重数を検出するステップと、
    前記多重数を検出するステップにおいて、多重数が変更されたことを検出すると、変更前に空間多重接続する移動端末装置のそれぞれに割当てていた参照信号を、変更後の多重数においても通話品質の維持が可能な参照信号に切り替えて、前記複数の移動端末装置のそれぞれに割当てるステップとを備える、参照信号制御方法。
  8. 前記空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップをさらに備え、
    前記空間多重接続する移動端末装置の多重数が変更されると、前記記憶されている変更後の多重数において最適な参照信号を選出して、前記複数の移動端末装置のそれぞれに割当てる、請求項7に記載の参照信号制御方法。
  9. 前記空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップは、
    高い自己相関特性および低い相互相関特性を基準として、各多重数ごとに参照信号を算出するステップをさらに備える、請求項8に記載の参照信号制御方法。
  10. 無線基地装置に空間多重接続する移動端末装置の行なう参照信号制御方法であって、
    前記移動端末装置と前記無線基地装置との間で送受信される信号は、移動端末装置間で互いに異なる既知の参照信号を含み、
    前記空間多重接続する移動端末装置の多重数の変更に応じて、前記無線基地装置から参照信号の切り替え要求を受信するステップと、
    変更後の多重数においても通話品質の維持が可能な参照信号に切り替えて、前記無線基地装置に切り替え応答を送信するステップとを備える、参照信号制御方法。
  11. 前記空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップをさらに備え、
    前記無線基地装置から参照信号の切り替え要求を受信すると、前記記憶されている変更後の多重数において最適な参照信号を選出し、選出した参照信号を含む切り替え応答を前記無線基地装置に送信する、請求項10に記載の参照信号制御方法。
  12. 前記空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップは、
    高い自己相関特性および低い相互相関特性を基準として、各多重数ごとに参照信号を算出するステップをさらに備える、請求項11に記載の参照信号制御方法。
  13. 複数の移動端末装置が空間多重接続することができる無線基地装置の行なう参照信号制御プログラムであって、
    前記複数の移動端末装置の各々と前記無線基地装置との間で送受信される信号は、互いに異なる既知の参照信号をそれぞれ含み、コンピュータに、
    前記空間多重接続する移動端末装置の多重数を検出するステップと、
    前記多重数を検出するステップにおいて、多重数が変更されたことを検出すると、変更前に空間多重接続する移動端末装置のそれぞれに割当てていた参照信号を、変更後の多重数においても通話品質の維持が可能な参照信号に切り替えて、前記複数の移動端末装置のそれぞれに割当てるステップとを実行させる、参照信号制御プログラム。
  14. 前記空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップをさらにコンピュータに実行させ、
    前記空間多重接続する移動端末装置の多重数が変更されると、前記記憶されている変更後の多重数において最適な参照信号を選出して、前記複数の移動端末装置のそれぞれに割当てる、請求項13に記載の参照信号制御プログラム。
  15. 前記空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップは、
    高い自己相関特性および低い相互相関特性を基準として、各多重数ごとに参照信号を算出するステップをさらにコンピュータに実行させる、請求項14に記載の参照信号制御プログラム。
  16. 無線基地装置に空間多重接続する移動端末装置の行なう参照信号制御プログラムであって、
    前記移動端末装置と前記無線基地装置との間で送受信される信号は、移動端末装置間で互いに異なる既知の参照信号を含み、コンピュータに、
    前記空間多重接続する移動端末装置の多重数の変更に応じて、前記無線基地装置から参照信号の切り替え要求を受信するステップと、
    変更後の多重数においても通話品質の維持が可能な参照信号に切り替えて、前記無線基地装置に切り替え応答を送信するステップとを実行させる、参照信号制御プログラム。
  17. 前記空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップをさらにコンピュータに実行させ、
    前記無線基地装置から参照信号の切り替え要求を受信すると、前記記憶されている変更後の多重数において最適な参照信号を選出し、選出した参照信号を含む切り替え応答を前記無線基地装置に送信する、請求項16に記載の参照信号制御プログラム。
  18. 前記空間多重接続する移動端末装置の多重数ごとに最適化された参照信号を記憶するステップは、
    高い自己相関特性および低い相互相関特性を基準として、各多重数ごとに参照信号を算出するステップをさらにコンピュータに実行させる、請求項17に記載の参照信号制御プログラム。
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