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JP2004107235A - マスカラ剤 - Google Patents

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JP2004107235A
JP2004107235A JP2002270598A JP2002270598A JP2004107235A JP 2004107235 A JP2004107235 A JP 2004107235A JP 2002270598 A JP2002270598 A JP 2002270598A JP 2002270598 A JP2002270598 A JP 2002270598A JP 2004107235 A JP2004107235 A JP 2004107235A
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JP
Japan
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mascara
powder
oil
amount
plate
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JP2002270598A
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English (en)
Inventor
Shinsuke Okuda
奥田 真介
Tomoko Yamashita
山下 智子
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】マスカラ剤を、耐水性等に優れた油中水型乳化組成物から構成するにあたり、キャッチアップ効果やカールアップ効果を向上させる。
【解決手段】油中水型乳化組成物からなるマスカラ剤において、疎水化処理された平均粒径20μm以上の板状粉体を5重量%以上含有させ、粉体を除く油相量を水相量よりも少なくする。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャッチアップ効果及びカールアップ効果に優れるマスカラ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
耐水性、耐擦れ性、まつ毛のセット力の高いマスカラ剤としては、揮発性油を使った油中水型乳化組成物があげられる。これらの油中水型マスカラ剤では、感触を向上させるため、水相量よりも油相量を多くしている。また、マスカラ剤には、タルクやセリサイト等の平均粒径10μm程度の比較的小さい粉体が、耐水性、皮膚への親和性等を高めるために疎水化処理されて使用されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−5714号公報
【特許文献2】特開2001−139423号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の油中水型マスカラ剤は、まつ毛をカールさせるキャッチアップ効果が不十分であった。
【0005】
そこで、本発明は、キャッチアップ効果及びカールアップ効果が向上し、かつ耐水性等に優れた油中水型乳化組成物からなるマスカラ剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、油中水型乳化組成物からなるマスカラ剤において、特定粒径以上の疎水化処理された板状粉体を配合し、油相量を水相量よりも少なくすると、キャッチアップ効果並びにカールアップ効果が向上することを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、油中水型乳化組成物からなるマスカラ剤であって、疎水化処理された平均粒径20μm以上の板状粉体を5重量%以上含有し、粉体を除く油相量が水相量よりも少ないマスカラ剤を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のマスカラ剤は、連続相となっている油相中に、界面活性剤により水相が分散している油中水型乳化物であり、この油相中には板状粉体が分散している。
【0009】
本発明において、板状粉体とは、厚みに対して面積が十分に大きく、アスペクト比(面積/厚み)が100以上の扁平な形状をいい、その平面形状は円形、矩形、不定形等である。
【0010】
このような板状粉体としては、平均粒径が20μm以上、好ましくは25〜150μmであり、疎水化処理を施したものを使用する。平均粒径を20μm以上とすることにより十分なキャッチアップ感を得られ、また、粉体を疎水化処理することにより、板状粉体の油相中での分散性が向上する。なお、平均粒径は、レーザー散乱法により求められる。
【0011】
板状粉体の例としては、上述のアスペクト比と平均粒径を有するケイ酸、ケイ酸マグネシウム、シリカ、タルク、セリサイト、カオリン、マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等の天然又は合成の無機粉体、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸、モノアルキルリン酸亜鉛等の有機粉体が含まれる。さらに、二酸化チタン、酸化鉄、無水ケイ酸等の金属酸化物を表面に被覆した被覆粉体も使用することができる。
【0012】
特に、板状粉体は表面が粗いものが好ましい。表面が粗いと、マスカラ剤を塗布する際に、粉体相互の摩擦力が大きくなり、一定の歪みが加えられた場合に粘度上昇が生じる所謂ダイラタンシーが発現すると考えられ、まつ毛にボリューム感をもたせつつ均一に塗布することが容易になる。粉体表面の粗さの点から、単体としては天然マイカが好ましく、被覆粉体としては二酸化チタンを天然マイカに被覆した雲母チタンが好ましい。
【0013】
板状粉体に施す疎水化処理は、油相中への板状粉体の分散性を上げるために行われる。本発明においては、板状粉体が油相中に均一に分散することにより、マスカラ剤を塗布した際に十分なキャッチアップ効果を得ることができる。
【0014】
疎水化処理としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン等に上述の板状粉体を分散、撹拌後、乾燥させるシリコーン処理や、金属石鹸処理、レシチン処理、油脂処理、アルキルシラン処理等をあげることができる。
【0015】
マスカラ剤への板状粉体の配合量は5重量%以上、好ましくは6〜10重量%である。板状粉体の配合量がこの範囲内にあるとマスカラ剤をまつ毛に十分に塗布でき、キャッチアップ効果を向上させることができるが、少なすぎると十分に塗布できず、多すぎると粉っぽい仕上がりとなる。
【0016】
油相を構成する油性成分としては、化粧料に一般的に用いられる、25℃で液状の天然若しくは合成の油性成分、例えば、炭化水素油、シリコーン油、エステル油、フッ素油等が含まれる。このうち、まつ毛上での被膜強度、セット力の点から、特に揮発性油を使用することが好ましい。揮発性油としては、例えば、一般式(1)で表される揮発性ジメチルポリシロキサン、又は一般式(2)で表されるジメチルシクロポリシロキサン、揮発性炭化水素が挙げられる。
【0017】
【化1】
Figure 2004107235
【0018】
【化2】
Figure 2004107235
【0019】
(式中、aは0〜3の整数を表し、bは4〜6の整数を表す)
【0020】
特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の揮発性シリコーン油が好ましい。
【0021】
また、本発明の油相は、液状油に溶解、分散可能な界面活性剤等の添加剤を含むことができる。
【0022】
界面活性剤としては、アルキルグリセリルエーテル変性シリコーン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ジメチコーンポリオール、アルキルジメチコーンポリオール、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン等を使用することができる。中でも、アルキルグリセリルエーテル変性シリコーンを使用することが好ましい。
【0023】
さらに、油相には、まつ毛をカールアップし、それを保持するため、ロウや油溶性樹脂等の固型若しくは半固型の油性成分を配合することができる。ロウとしては、米ぬかワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ミツロウ、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、セレシン等が挙げられる。油溶性樹脂としては、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0024】
また、油相には、使用感と仕上がり性のため、不揮発性の炭化水素油、エステル油、シリコーン油等を配合することができる。
【0025】
水相は、水、炭素数1〜4の低級アルコール等の水性媒体からなり、被膜形成ポリマーその他種々の添加剤を含有することができる。例えば、カールアップ効果をより向上させるため、乾燥の速い被膜形成ポリマーエマルジョンを含有させることが好ましい。被膜形成ポリマーエマルジョンとしては、アクリル酸やメタクリル酸のアルキルエステルのホモポリマーエマルジョンや共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョン、ポリ酢酸ビニルポリマーエマルジョン、シリコン系ポリマーエマルジョン等を配合することができる。中でも、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョンが好ましい。
【0026】
また、耐擦れ性の向上のため、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性被膜形成ポリマーを配合することができる。
【0027】
さらに、安定性の向上のため、親水性界面活性剤を含むことができる。親水性界面活性剤としては、高級アルキル硫酸エステル塩、POEソルビタンモノオレエート、HLB7以上のポリエーテル変性シリコーン等の非イオン界面活性剤が含まれる。
【0028】
本発明においては、板状粉体、顔料等の粉体を除いた油相量と水相量との関係につき、油相量は水相量よりも少ない。特に、油相量と水相量との比を0.5:1〜0.9:1とすることが好ましい。
【0029】
本発明のマスカラ剤には、上述の板状粉体、油相と水相の構成成分の他に、ロングラッシュ効果を高めるため、繊維を配合してもよい。また、PMMA、ナイロンパウダー、シリカなどの球状粉体、白色顔料、有機顔料、黒酸化鉄、雲母チタン等の顔料粉体、ベントナイト、タルク、カオリン等の粉体を配合することができる。更に、増粘剤、紫外線吸収剤、保湿剤、色素、香料、防腐剤、酸化防止剤等を配合することができる。これらは、各成分の表面性状、化学構造等によって油相又は水相に分散する。
【0030】
本発明のマスカラ剤は、上述の成分を混合し撹拌することにより得ることができる。
【0031】
こうして得られたマスカラ剤は、油中水型乳化組成物であるために耐水性、耐擦れ性、まつ毛のセット力が高い。
【0032】
さらに、キャッチアップ効果やカールアップ効果が高い。このキャッチアップ効果やカールアップ効果の向上の理由は次のように考えられる。マスカラ剤は、疎水化処理された平均粒径20μm以上の板状粉体を5重量%以上含有し、油相の量が水相の量よりも少ないため、マスカラ剤のまつ毛への塗布時にマスカラ剤にわずかな歪みが加えられると組成物の粘度が上昇する。特に、油相が少量の場合には板状粉体が相互に接触し、そこに摩擦力が生じ、ダイラタンシーが発現する。マスカラ剤がダイラタンシー的挙動を有すると、マスカラ剤のまつ毛への塗布時に、まず、マスカラ塗布具にマスカラ剤を保持させ、それをまつ毛に押しあて、次に、カールアップ効果やキャッチアップ効果を得るためにマスカラ剤を保持したマスカラ塗布具をまつ毛に沿わせて持ち上げるときに、マスカラ剤に歪みがかかり、マスカラ塗布具とまつ毛との抵抗が大きくなり、キャッチアップ効果やカールアップ効果が向上する。
【0033】
この粘度特性は、組成物の動的粘弾性を測定した場合におけるある歪み領域での損失弾性率の明らかな増加により確認することができる。より具体的には、板状粉体の含量の異なる複数の組成物について、振動式粘度計で粘弾性を測定した場合の、板状粉体の量の違いによる損失弾性率の差から確認できる。
【0034】
【実施例】
実施例1〜4、比較例1〜3
表1の組成の各成分を撹拌混合することにより、実施例1〜4、比較例1〜3のマスカラ組成物を調製した。
【0035】
【表1】
Figure 2004107235
【0036】
表注
(*1)東レ・ダウコーニング社、SH3775
(*2)花王社(特開平4−108795号公報参照)
(*3)日本エヌエスシー社、ヨドゾールGH34
(*4)日本エヌエスシー社、ヨドゾールGH840
【0037】
評価
各実施例、比較例のマスカラ剤に対して、キャッチアップ感を次のように評価した。結果を表1に示す。
【0038】
組成物をブラシに取り、まつ毛に塗布した場合のキャッチアップ感を次の基準により4段階に評価した。
◎:キャッチアップ感を強く感じる
○:キャッチアップ感を感じる
△:キャッチアップ感を僅かに感じる
×:キャッチアップ感を全く感じない
【0039】
表1の結果から、平均粒径20μm以上の板状粉体を含有しない比較例1、平均粒径は20μm以上であるが、疎水化処理されていない板状粉体を含有する比較例2、油相量が水相量よりも多い比較例3はいずれもキャッチアップ感が劣ることがわかる。
【0040】
また、実施例1と実施例2から、板状粉体としては、マイカを単に疎水化処理したものよりも、金属酸化物で被覆した後に疎水化処理したものを用いる方が、さらにキャッチアップ感を高められることがわかる。
【0041】
【発明の効果】
本発明のマスカラ剤によれば、塗布時にマスカラ塗布具とまつ毛との抵抗が大きくなり、キャッチアップ感並びにカールアップ効果が向上する。

Claims (5)

  1. 油中水型乳化組成物からなるマスカラ剤であって、疎水化処理された平均粒径20μm以上の板状粉体を5重量%以上含有し、粉体を除く油相量が水相量よりも少ないマスカラ剤。
  2. 板状粉体が、マイカを金属酸化物で被覆し、さらに疎水化処理したものからなる請求項1記載のマスカラ剤。
  3. 油相に揮発性シリコーン油を含む請求項1記載のマスカラ剤。
  4. 界面活性剤として、アルキルグリセリルエーテル変性シリコーンを含有する請求項1記載のマスカラ剤。
  5. 水相が被膜形成ポリマーエマルジョンを含有する請求項1記載のマスカラ剤。
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