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JP2004175122A - ハンドル操舵状態検出装置 - Google Patents

ハンドル操舵状態検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より正確なハンドル操舵状態を検出可能なハンドル操舵状態検出装置を提供する。
【解決手段】運転者の直接のハンドル22の操舵動作というものは、ハンドル22に対する仕事量であり、この仕事量を検出すれば、より正確なハンドル操舵状態を検出することができる。この仕事量Wとは、操舵角の時間微分値Δθ/Δt及びトルクTpの「積」であるため、ECU50によって仕事量Wを演算することで、運転者の直接のハンドル操舵動作、すなわち、正確なハンドル操舵状態を検出することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハンドル操舵状態検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ハンドルの操舵による出力軸の回転をモータで助勢する電気パワーステアリング装置が知られている。このようなパワーステアリング装置においては、ハンドルの操舵角や出力軸に与えられるトルクを検出し、当該検出値に基づいて出力軸の回転助勢を行っている。
【0003】
運転者によるハンドルの操舵状態を検出するハンドル操舵状態検出装置としては、下記▲1▼〜▲4▼のようなものが提案されている。
【0004】
▲1▼1つのハンドル操舵状態検出装置は、状態判定部で推定された操舵トルクの絶対値が閾値未満になり、所定時間経過した時にハンドルの手放し状態を判定している(下記、特許文献1参照)。
【0005】
▲2▼また、運転者がハンドルに加える手動操作力を推定し、この手動操作力が設定値以下の場合にのみハンドルに回転を阻止する方向に作用する抵抗力を付与して操舵感の向上を図るものも知られている(下記、特許文献2参照)。
【0006】
▲3▼更に、アクチュエータの駆動力により操舵ハンドルの操舵角と車輪の転舵角との間の伝達比を変化させる伝達比可変機構を備えたものも知られている(下記、特許文献3参照)。
【0007】
▲4▼また、操舵角センサの出力から操舵速度を検出し、操舵速度がゼロから所定値までの保持状態から緩操舵状態ではハンドルに微振動が伝わることなく、操舵速度が増加するに伴って素早いパワーアシストモータの応答性得ることができるものが知られている(下記、特許文献4参照)。
【0008】
関連する文献は以下の通りである。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−104223号公報
【特許文献2】
特開平4−176781号公報
【特許文献3】
特開平11−321684号公報
【特許文献4】
特開2000−142433号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、出力軸の回転助勢を行うためには、運転者によるハンドルの操舵状態が重要であるのだが、上述の制御は運転者の直接の操舵意思を反映したものではなく、回転助勢が正確に行われない場合がある。
【0011】
例えば、ハンドルを保舵した状態で、路面からの外力が、車輪及び出力軸を介してハンドルに伝達されると、トルクが発生し、当該トルクを運転者による操舵時であると判定した場合には、運転者の意思に拘らず上記助勢が行われてしまう。
【0012】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、より正確なハンドル操舵状態を検出可能なハンドル操舵状態検出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明に係るハンドル操舵状態検出装置は、ハンドルに連結された入力軸と、この入力軸に連結した出力軸と、前記ハンドルの操舵角を検出する操舵角センサと、前記入力軸及び前記出力軸間のトルクを検出するトルクセンサとを備えたハンドル操舵状態検出装置において、前記操舵角センサから出力される前記操舵角の時間微分値及び前記トルクセンサから出力される前記トルクの積に応じて、前記ハンドルの操舵状態を検出する検出手段を備えることを特徴とする。
【0014】
このハンドル操舵状態検出装置によれば、検出手段が、前記操舵角の時間微分値及びトルクの「積」に応じてハンドル操舵状態を検出する。すなわち、運転者の直接の操舵動作というものは、ハンドルに対する仕事量であり、この仕事量を検出すれば、より正確なハンドル操舵状態を検出することができる。すなわち、この仕事量とは、操舵角の時間微分値及びトルクの「積」であるため、この装置おいては、正確なハンドル操舵状態を検出することができる。
【0015】
好適な操舵状態の判定例としては、検出手段が、前記「積」が所定の仕事量閾値を超えた場合にハンドル操舵時と判定することを特徴とする。すなわち、仕事量が、仕事量閾値を超えた場合には、▲1▼ハンドルを操舵しているものと判定することができる。すなわち、この場合、検出手段はハンドル実操舵状態(ハンドルを実際に動かしている状態)であると判定する。
【0016】
もう1つの好適な操舵状態の判定例としては、検出手段が、前記「積」が所定の仕事量閾値以下であって、且つ、前記トルクが所定のトルク閾値以下である場合に、前記ハンドルの手放し状態であると判定することを特徴とする。
【0017】
すなわち、仕事量が、所定の仕事量閾値以下であるので、ハンドルを操舵していないのであるが、このような場合においては、ハンドルの▲2▼手放し状態か▲3▼保舵状態のいずれかの状態である。
【0018】
▲3▼保舵状態であるのであれば、路面からの外力によって、出力軸が入力軸に対して捻れ、トルクが検出されるであろう。したがって、検出されるトルクがトルク閾値以下であれば、検出手段は▲2▼手放し状態であると判定することができる。
【0019】
残りの好適な操舵状態の判定例としては、検出手段が、前記「積」が所定の仕事量閾値以下であって、且つ、前記操舵角が所定の操舵角閾値以下である場合に、ハンドルの保舵状態であると判定することを特徴とする。
【0020】
すなわち、上記と同様に、仕事量が所定の仕事量閾値以下であるので、ハンドルを操舵していないのであるが、このような場合においては、ハンドルの▲2▼手放し状態か▲3▼保舵状態のいずれかの状態である。
【0021】
▲2▼手放し状態であるのであれば、トルクは発生しないが、路面からの外力によって、操舵角はずれるであろう。したがって、検出される操舵角が操舵角閾値以下であれば、検出手段は▲3▼保舵状態であると判定することができる。
【0022】
また、本発明のハンドル操舵状態検出装置は、検出手段による操舵状態の検出結果に応じて、前記出力軸の回転助勢を行うモータを更に備えることを特徴とする。ハンドルの操舵状態が検出された場合、実操舵状態にのみ、原則的に出力軸の回転助勢を行うことができ、したがって、運転者の意思に反した回転助勢を抑制することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は車両に搭載された操舵装置20の構成の概略を示す構成図である。
【0024】
操舵装置20は、ハンドル22と、ハンドル22の操舵トルクをピニオンギヤ(出力軸)26を介してラック28に伝達して操舵輪30,32の切り角を変更するステアリングシャフト(入力軸)24と、出力トルクを減速機36とピニオンギヤ38とを介してラック28に出力するモータ34と、装置全体をコントロールする電子制御ユニット(ECU:検出手段)50とを備えている。
【0025】
ECU50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM54と、一時的にデータを記憶するRAM56と、入出力ポート(図示せず)とを備えている。
【0026】
ECU50には、ステアリングシャフト24に取り付けられたトルクセンサ42からの軸トルクTp、ステアリングシャフト24に取り付けられた操舵角センサ40からの操舵角θh、車速センサ58からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、電子制御ユニット50からは、モータ34への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。
【0027】
すなわち、このハンドル操舵状態検出装置は、ハンドル22に連結されたステアリングシャフト24と、このステアリングシャフト24に連結したピニオンギヤ26と、ハンドル22の操舵角を検出する操舵角センサ40と、ステアリングシャフト24及びピニオンギヤ26間のトルクを検出するトルクセンサ42とを備えている。
【0028】
操舵角センサ40出力される操舵角θhの値はECU50によって時間微分される。また、トルクセンサ42から出力されるトルクTpの値はECU50によって、操舵角θhの時間微分値Δθh/Δtと掛け合わされる(tは時間)。すなわち、ECU50は、時間微分値Δθh/ΔtとトルクTpの積W(=Δθh/Δt×Tp)に応じて、ハンドルの操舵状態を検出する。
【0029】
運転者の直接のハンドル22の操舵動作というものは、ハンドル22に対する仕事量であり、この仕事量を検出すれば、より正確なハンドル操舵状態を検出することができる。この仕事量Wとは、操舵角の時間微分値Δθh/Δt及びトルクTpの「積」であるため、ECU50によって仕事量Wを演算することで、運転者の直接のハンドル操舵動作、すなわち、正確なハンドル操舵状態を検出することができる。
【0030】
このハンドル操舵状態検出装置は、ECU50による操舵状態の検出結果に応じて、ピニオンギア26の回転助勢を行うモータ34を更に備えている。ハンドル22の操舵状態が検出された場合、実操舵状態(ハンドルを実際に動かしている状態)にのみ、ピニオンギア26の回転助勢を行うことができ、したがって、運転者の意思に反した回転助勢を抑制することができる。
【0031】
運転者によるハンドル操舵状態には、ハンドルの▲1▼実操舵状態、▲2▼手放し状態、▲3▼保舵状態の3種類がある。
【0032】
ECU50は、これに入力される操舵角θh及びトルクTpに応じて、仕事量W(=Δθh/Δt×Tp)を演算した後、仕事量Wからハンドル操舵状態を判定し、当該判定結果とトルクTpに応じてモータ34を制御する。この制御手法は以下の通りである。
【0033】
判定結果が▲1▼実操舵状態である場合には、トルクTpや操舵角θhに応じてモータ34を回転させればよい。モータ34は仕事量Wに応じて回転させることもでき、或いは、従来から知られているように、車速やヨーレートに応じてモータ34の回転制御量を変化させることもできるが、いずれにしても、実操舵状態ではモータ34を駆動する。
【0034】
判定結果がハンドルの▲2▼手放し状態である場合には、原則的には、トルクTpや操舵角θhに応じては、モータ34を回転させない。すなわち、ハンドル22は路面からの外力によって回転するので、例えば、操舵角θhに比例させてモータ34による助勢を行うと、運転者の意図とは無関係に助勢が行われてしまうからである。
【0035】
ここで、「原則的」というのは、運転者の操作ミスを補助するロジック、例えば、緊急時に手放し状態となることによって車両が横転する可能性がある場合等には、車両横転を回避する方向にモータ34を回転させる等の制御を行うことはできる。
【0036】
判定結果がハンドルの▲3▼保舵状態である場合には、原則的には、トルクTpや操舵角θhに応じては、モータ34を回転させない。すなわち、ハンドル22は路面からの外力によって回転するので、例えば、トルクTpに比例させてモータ34による助勢を行うと、運転者の意図とは無関係に助勢が行われてしまうからである。
【0037】
ここで、「原則的」というのは、車両旋回中に旋回方向とは逆方向にハンドルに力を加えている場合、所謂逆ハンドルを当てている場合等においては、ハンドルの保舵に大きな力が必要であり、この場合には助勢を行うことが運転者の意図であるため、保舵状態であっても助勢を行うことができる。
【0038】
さて、ECU10によるハンドルの操舵状態判定は、以下のようにして行う。
【0039】
図2は、時間tに対するトルクTp、操舵角θh、操舵角時間微分値Δθh/Δt及び仕事量Wの関係を示すグラフである。
【0040】
ECU50においては、上述の「積」=仕事量Wが、所定の仕事量閾値W1を正方向に超えた場合、又は、所定の仕事量閾値−W1を負方向に超えた場合には、ハンドル操舵時と判定する。ここで規定される仕事量Wの符号は、演算上導かれる方向を示す値であり、演算上では仕事量の絶対値が仕事量閾値W1を超えたかどうかを判定していると表現することもできる。このように、ECU50において求められた仕事量Wが、仕事量閾値W1を超えた場合には、運転者がハンドル22を操舵しているものと判定することができる。すなわち、この期間は▲1▼実操舵状態(操舵期間)であると判定する。
【0041】
ECU50は、上述の「積」=仕事量W(絶対値)が所定の仕事量閾値W1以下であって、且つ、トルクTp(絶対値)が所定のトルク閾値Tp1以下である場合に、ハンドルの▲2▼手放し状態(手放し期間)であると判定する。
【0042】
すなわち、仕事量W(絶対値)が、所定の仕事量閾値W1以下であるので、運転者はハンドル22を操舵していないのであるが、このような場合においては、ハンドルの▲2▼手放し状態か▲3▼保舵状態のいずれかの状態である。
【0043】
▲3▼保舵状態であるのであれば、路面からの外力によって、ピニオンギア26がステアリングシャフト24に対して捻れ、トルクTpが検出されるであろう。したがって、検出されるトルクTpがトルク閾値Tp1以下であれば、ECU50は▲2▼手放し状態であると判定することができる。
【0044】
また、ECU50は、上述の「積」が所定の仕事量閾値W1以下であって、且つ、操舵角θh(絶対値)が所定の操舵角閾値θh1以下である場合に、ハンドルの▲3▼保舵状態であると判定する。
【0045】
すなわち、上記と同様に、仕事量Wが所定の仕事量閾値W1以下であるので、ハンドル22を操舵していないのであるが、このような場合においては、ハンドルの▲2▼手放し状態か▲3▼保舵状態のいずれかの状態である。
【0046】
▲2▼手放し状態であるのであれば、トルクは発生しないが、路面からの外力によって、操舵角θhはずれるであろう。したがって、検出される操舵角θhが操舵角閾値θh1以下であれば、ECU50は▲3▼保舵状態であると判定することができる。
【0047】
また、上記判定は、それぞれの状態判定の条件を満たした状態が所定期間続いた場合に確定される。また、上述の各閾値や所定期間は、実際の車両で動作させた場合のサンプルデータから好適なものを選択して予め決定する。
【0048】
また、実操舵期間においては、特異な操舵状態を判定することができる。
【0049】
すなわち、同図中の時刻P1、P2においては、以下の条件1を満たし、仕事量Wは、ハンドル切り角が最大値のところの値を示す。
(条件1)
仕事量W=0
トルクTp(操舵角θh)≠0
微分値Δθh/Δt=0
【0050】
時刻P3においては、以下の条件2を満たし、ハンドル22が正方向から逆方向に切り変えられる変位点であることを示している。
(条件2)
仕事量W=0、
トルクTp=0、
操舵角θh=0、
微分値Δθh/Δt≠0
【0051】
時刻P4、P5においては、以下の条件3を満たし、ハンドル22が中点近傍に位置するものと判定できる。
(条件3)
仕事量W=0、
トルクTp=0、
操舵角θh=0、
微分値Δθh/Δt≒0
【0052】
このように、上述の判定制御によれば、様々なハンドルの操舵状態を判定することができるので、各種の制御にこれを応用することができる。
【0053】
以上、説明したように、上述のハンドル操舵状態検出装置によれば、運転者がハンドル22に与えた直接の仕事量をECU50が検出するので、より正確なハンドル操舵状態を検出することができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明のハンドル操舵状態検出装置によれば、運転者の直接の仕事量を検出するので、より正確なハンドル操舵状態を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両に搭載された操舵装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】時間tに対するトルクTp、操舵角θh、操舵角時間微分値Δθh/Δt及び仕事量Wの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
20…操舵装置、22…ハンドル、24…ステアリングシャフト、24…入力軸、26…出力軸、28…ラック、30,32…操舵輪、34…モータ、36…減速機、38…ピニオンギヤ、40…操舵角センサ、42…トルクセンサ、42…操舵角センサ、50…電子制御ユニット、58…車速センサ。

Claims (5)

  1. ハンドルに連結された入力軸と、
    この入力軸に連結した出力軸と、
    前記ハンドルの操舵角を検出する操舵角センサと、
    前記入力軸及び前記出力軸間のトルクを検出するトルクセンサとを備えたハンドル操舵状態検出装置において、
    前記操舵角センサから出力される前記操舵角の時間微分値及び前記トルクセンサから出力される前記トルクの積に応じて、前記ハンドルの操舵状態を検出する検出手段を備えることを特徴とするハンドル操舵状態検出装置。
  2. 前記検出手段は、
    前記積が所定の仕事量閾値を超えた場合に、ハンドル操舵時と判定することを特徴とする請求項1に記載のハンドル操舵状態検出装置。
  3. 前記検出手段は、
    前記積が所定の仕事量閾値以下であって、且つ、前記トルクが所定のトルク閾値以下である場合に、前記ハンドルの手放し状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載のハンドル操舵状態検出装置。
  4. 前記検出手段は、
    前記積が所定の仕事量閾値以下であって、且つ、前記操舵角が所定の操舵角閾値以下である場合に、前記ハンドルの保舵状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載のハンドル操舵状態検出装置。
  5. 前記検出手段による操舵状態の検出結果に応じて、前記出力軸の回転助勢を行うモータを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のハンドル操舵状態検出装置。
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