JP2004152705A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】メタルマスクと基板とを高精度で位置合わせすることができ、それによりメタルマスクのパターンを正確に転写できる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供する。
【解決手段】透明な基板とメタルマスクとに回折格子状の位置合わせ用マーク1,2(2A,2B,2C)を形成しておき、成膜に先だってメタルマスクと基板とを近接させ位置合わせする際に、メタルマスクに背反する基板の背面側からマーク1,2を検出して、一方のマーク1の線部1a,1bがたとえばマーク2Aの線部2a間,2b間の間隙に重なるようにメタルマスクまたは基板の位置を調整する。何本の線部が重なっているのか、その重なりがどの程度であるのか、を画像や戻り光量として捕らえることができるので、画像や戻り光量を参照しながら、位置調整することにより、メタルマスクと基板とを精度よく位置合わせできる。
【選択図】 図1
【解決手段】透明な基板とメタルマスクとに回折格子状の位置合わせ用マーク1,2(2A,2B,2C)を形成しておき、成膜に先だってメタルマスクと基板とを近接させ位置合わせする際に、メタルマスクに背反する基板の背面側からマーク1,2を検出して、一方のマーク1の線部1a,1bがたとえばマーク2Aの線部2a間,2b間の間隙に重なるようにメタルマスクまたは基板の位置を調整する。何本の線部が重なっているのか、その重なりがどの程度であるのか、を画像や戻り光量として捕らえることができるので、画像や戻り光量を参照しながら、位置調整することにより、メタルマスクと基板とを精度よく位置合わせできる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表示素子に関わり、特に自発光のフルカラー有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報化社会の進展により、情報を表示する表示素子のニーズがとみに高まっている。現在までに実用化されているものとしては、CRT(Cathod Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)等がある。しかし、CRTはサイズ並びに消費電力が大きい、LCDは大画面化が難しくかつ高価である、PDPは薄型化が難しくかつ高価である、というようにそれぞれ欠点を抱えている。これらの欠点を克服して、ここ数年、次世代表示装置の主役と目されるようになってきたのが、有機エレクトロルミネッセンス(以下有機EL)ディスプレイである。有機ELディスプレイの特徴は、製造コストが低い、大画面化が容易、消費電力が小さい、素子の動作速度が速い、等である。
【0003】
有機EL素子は、有機材料よりなる微少領域に電流が流すと自発光するものである。一般的な有機EL素子の構成を図3に示す。ガラス基板21上にITO膜などの透明電極22が形成され、この透明電極22と陰極23との間に正電荷と電子との再結合により発光する発光層24が配されている。透明電極22と発光層24との間には、透明電極22側より順に、透明電極22からの正電荷が入りやすくするための正孔注入層25、注入された正電荷を発光層24まで運ぶための正孔輸送層26が形成されており、発光層24と陰極23との間には、陰極23側より順に、陰極23からの電子が入りやすくするための電子注入層27電子を発光層24まで運ぶための電子輸送層28が形成されている。
【0004】
これらの層の中で、正孔注入層25、正孔輸送層26、電子輸送層28、電子注入層27、陰極23は、共通、つまり、それぞれ単一の膜を使用できる。それに対して透明電極22と発光層24は、発光色ごとに分離して成膜する必要がある。つまり、1画素にR(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色の発光を要するのであるが、透明電極22と発光層24では画素ごと、発光色ごとに分離して成膜する必要がある。透明電極22は、有機EL素子を駆動するTFT(Thin Film Transistor)を基板21に作り込む際に同時に各色ごとに個別に形成されており、発光層24は、独自の工程で各色ごとに個別に形成されている。
【0005】
有機EL素子の製造方法を具体的に説明する。正孔注入層25、正孔輸送層26、発光層24、電子輸送層28、電子注入層27、陰極23は、真空蒸着法という薄膜形成方法で形成される。図4は一般的な真空蒸着装置を示し、成膜室31、真空ポンプ32、蒸着源33、金属板よりなるシャッター34を備えている。真空ポンプ32はロータリーポンプ35、ターボ分子ポンプ36等で構成されている。蒸着源33は、ヒータ37を巻装した坩堝38などで構成され、蒸着物質39を保持するものである。
【0006】
このような真空蒸着装置において、成膜室31の蒸着源33の上方に基板40を成膜面を下向きにして設置し、次いで成膜室31を気密状態にしてロータリーポンプ35を動作させて排気し、それにより到達する0.1Pa程度の真空度では不足なので、さらにターボ分子ポンプ36を動作させて10−3Paまで排気し、その後に蒸着源33で蒸着物質39を加熱する。
【0007】
このようなほぼ真空状態では、蒸着物質39が容易に蒸発して、蒸着源33よりも温度の低い基板40の上に堆積し膜を形成するのであるが、その際に蒸着源33と基板40との間のシャッター34を必要な時間だけ開けることで、蒸着物質39の膜厚をコントロールする。また、このような蒸着方法では基板40全面に均一に膜が形成されるので、膜を付着させたくない部分をマスクで遮蔽する。
【0008】
正孔注入層25、正孔輸送層26、電子輸送層28、電子注入層27、陰極23では、膜を形成する部分と形成しない部分とを大きく分ければよいので、図5に示すようなメタルマスク41、すなわち金属製の板(厚さ0.2〜0.5mm)に大きな開口部41aを形成しその周囲を遮蔽部41bとしたものが用いられる。
【0009】
それに対し、発光層24のRGB塗り分けに要求されるような数十〜数百μmサイズの微小なパターンを形成するためには、図6(a)(b)に示すような、多数の微小穴42aが周期性を持って形成されているメタルマスク42を用い、その全ての微小穴42aを正確に成膜位置に合わせる必要がある。そのために、たとえば図7に示すように、X、Y、Z、θ方向に移動可能な基板ホルダー43に基板40を載せて、メタルマスク42に対する基板40の位置を調整できるようになっている。
【0010】
RGBを塗り分ける手順を図8に基いて説明すると、まず、図8(a) に示すように、メタルマスク42の穴42aを基板40上のRの成膜位置に正確に対応させ、上述した蒸着物質39であるRの発光材料を付着させて発光層24Rを形成する。この時にはGBの部分はメタルマスク42の遮蔽部42bで塞がれているため、Rの発光材料が付着することはない。次に、図8(b) に示すように、メタルマスク42の穴42aをGの成膜位置に対応させ、Gの発光材料を付着させて発光層24Gを形成する。この時にはRBの部分はメタルマスク42の遮蔽部42bで塞がれているため、Gの発光材料が付着することはない。さらに、図8(c) に示すように、メタルマスク42の穴42aをBの成膜位置に対応させ、Bの発光材料を付着させて発光層24Bを形成する。
【0011】
なおその際に、全ての穴42aを正確に成膜位置に合わせるために、通常は、図9(a) に示すような位置合わせマーク40M,42Mがそれぞれ基板40とメタルマスク42に刻まれている。これらマーク40M,42Mはメタルマスク42のパターンよりも外周側に相応する位置に刻まれており、上述した図6のメタルマスク42では、互いに隣接する2つの隅部の近傍に刻まれている。一般に、基板40のマーク40Mは十字形、メタルマスク42のマーク42Mは、基板40のマーク40Mよりも一回り大きい十字形を複数個並べた形状、図示した例では3個の十字形を一部ずつ重ねて並べた形状である。
【0012】
位置合わせの手順を説明すると、まず、基板40をメタルマスク42の上方0.1〜0.5mm離れた位置に配置する。この位置は、位置合わせを観察するために基板40の上方に設置される光学式検出手段44の一例であるCCDカメラにとって、基板40のマーク40Mとメタルマスク42のマーク42Mが同じ視野で十分に焦点が合う位置である。この際のCCDカメラが捕らえる画像は、初期では図9(b) のようにマーク40M,42Mの位置は互いにずれている。このずれをなくすようにX、Y、θの微調機構を用いて調整して、図9(c) のようにマーク40M,42Mの位置を合わせる。その後に、基板40を降下させてメタルマスク42の上に載せる。わずかな距離を直線的に降下させるだけなので、この基板40の移動によってメタルマスク42との位置関係がずれることはない。この状態で、上述したような下方からの蒸着物質39を堆積させて膜形成を行なうのである(たとえば特許文献1参照)。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−36384号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来のマークでは、十分な位置合わせ精度を出すのが難しい。つまり従来は、CCDカメラにより近い基板40のマーク40Mの十字形をメタルマスク42のマーク42Mの十字形よりも小さく刻むことで、2つのマーク40M,42Mを合わせた時の明暗差をとらえ、位置合わせの合否を判定しているのであるが、目視での判断であることや、画像上でのぼけ等を考慮すると、図9に示すように、基板40のマーク40Mの線幅d1はメタルマスク42のマーク42Mの線幅d2の2/3倍が最大の限界である。この最大限の場合(d1=d2×2/3)に、マーク40M,42Mをd2の±1/6倍の位置精度で位置合わせすることが可能であり、通常のd2は100〜60μmであるため、マーク40M,42M(したがって基板40,メタルマスク42)の位置合わせ精度は10〜16μmになる。この位置合わせ精度では、将来的に必要になると言われている位置合わせ精度1〜5μmを達成することは難しいのである。
【0015】
本発明は上記問題点を解決するもので、メタルマスクと基板とを高精度で位置合わせすることができ、それによりメタルマスクのパターンを正確に転写できる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、基板とメタルマスクに回折格子状の位置合わせ用マークを設けることにより、高精度の位置合わせを実現する。
【0017】
ここで回折格子状とは、それぞれのマークの線部を所定方向に沿って一定のピッチで配置するとともに、一方のマークの線部を他方のマークの線部間の間隙に重なり合うように配置した状態を言う。回折格子は、刻み幅(線幅および間隙幅)が10μm以下となるように、溝状(凹状)に刻んだり、あるいはペイントすることで形成される。
【0018】
このような回折格子状のマークを互いに対応する位置に形成しておくことで、2つのマークを光学的に観察することにより、何本の線部が重なっているのか、その重なりがどの程度であるのか、を画像や戻り光量として捕らえることができる。このため、画像や戻り光量を参照しながら、一方のマークの線部が他方のマークの線部間の間隙に完全に重なるように位置調整することにより、メタルマスクと基板とを精度よく位置合わせすることができる。
【0019】
この原理を図面を用いて説明する。図10において、メタルマスクの回折格子状のマーク51は、同一形状(ほぼ長方形)の5本の線部51a〜51eを平行に同一ピッチで配列して形成したものであり、基板の回折格子状のマーク52は、メタルマスクの線部51a〜51eと同一形状,同一ピッチで4本の線部52a〜52dを平行に配列して形成したものである。
【0020】
図11(a)〜(e)はそれぞれ、基板を位置A〜位置Eに移動させた時のマーク51,52の重なり状態(マーク52に添えた符号(A)〜(E)は基板の位置を表わす)の変化を示し、これは、たとえばCCDカメラで撮像した画像上で観察される。図12は、図11と同様に基板を位置A〜位置Eに移動させた時のマーク51,52の重なり状態の変化を画像データから、あるいはレーザ光を照射することにより、計測した戻り光量を示す。
【0021】
図11および図12からわかるように、A,E位置では2つのマーク51,52のずれが大きいため戻り光量が大きく、B,D位置では2つのマーク51,52は概ね位置が合っているが格子の刻み幅以下のずれがあり、C位置では2つのマークはほぼ完全に位置が合っていて、一方のマーク52の線部が他方のマーク51の線部間の間隙に完全に重なっているため、戻り光量は最低になる。
【0022】
このように、回折格子状のマークを利用すると、戻り光量と位置ずれとの間に相関式が成り立つため、戻り光量からマークの位置ずれ量を定量的に測定できる。この原理によれば、理論上は位置ずれ量の測定に限界はなくなり、従来は不可能であった位置合わせ精度1〜5μmも可能である。
【0023】
請求項1記載の発明は、微小穴よりなるパターンが形成された金属箔製のメタルマスクを蒸着源と基板との間に配置し、前記メタルマスクと基板とをそれぞれに形成された位置合わせ用マークにより位置合わせし密着させた後に、前記蒸着源に保持された発光用有機材料などの蒸着物質を前記メタルマスクの微小穴を通して基板表面に堆積させて、微小穴に対応する蒸着物質のパターンを成膜する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記メタルマスクおよび透明な前記基板の位置合わせ用マークをそれぞれ、複数本の線部により回折格子状に形成しておき、前記メタルマスクと基板とを近接させ位置合わせする際に、メタルマスクに背反する基板の背面側から前記マークを検出して、一方のマークの線部が他方のマークの線部間の間隙に重なるように、メタルマスクまたは基板の位置を調整することを特徴とする。
【0024】
請求項2記載の発明は、画素を構成する3色のパターンを各色ごとに成膜する都度に、前記回折格子状のマークを用いてメタルマスクと基板とを位置合わせすることを特徴とする。
【0025】
請求項3記載の発明は、メタルマスクおよび基板のマークをCCDカメラで撮像し、撮像画像上で一方のマークの線部と他方のマークの線部間の間隙との重なりを認識することを特徴とする。
【0026】
請求項4記載の発明は、メタルマスクおよび基板のマーク部分にレーザ光を照射し、戻り光量で一方のマークの線部と他方のマークの線部間の間隙との重なりを認識することを特徴とする。
【0027】
請求項5記載の発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造に用いられる透明な基板であって、蒸着の際に密着配置されるメタルマスクに形成された回折格子状の位置合わせ用マークに対応する位置に、このメタルマスクの位置合わせ用マークの線部に対し自身の線部間の間隙が重なり得るように形成された回折格子状の位置合わせ用マークを少なくとも1個有することを特徴とする。
【0028】
請求項6記載の発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する蒸着工程で用いられるメタルマスクであって、成膜対象の透明な基板に形成された回折格子状の位置合わせ用マークに対応する位置に、この基板の位置合わせ用マークの線部に対し自身の線部間の間隙が重なり得るように形成された回折格子状の位置合わせ用マークを少なくとも1個有することを特徴とする。
【0029】
メタルマスクと基板の一方に1個のマークを形成し、他方に3個のマークを並列に形成しておけば、画素を構成する3色のパターンを各色ごとに成膜する際に、1種類のメタルマスクを準備するだけで、換言すると、各色に対応する位置にマークを付した3種類のメタルマスクを準備することなく、メタルマスクと基板とを位置合わせできる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法の蒸着工程で使用する基板およびメタルマスクの位置合わせ用マークを示す。この蒸着工程を実施する蒸着装置の構成、および基板,メタルマスクの配置は先に図4を用いて説明した従来のものと同様なので、図4を援用して詳しい説明を省略する。
【0031】
図1において、1は成膜対象の基板40に形成された位置合わせ用の回折格子状のマークである。2は基板40に密着配置されるメタルマスク42に形成された位置合わせ用の回折格子状のマークである。基板40は透明なガラス基板であり、メタルマスク42は、金属箔(SUS430など)を材料として、基板40とほぼ同じ大きさに形成されており、発光層のパターンを形成するための微小穴よりなるパターンを有している(図6参照)。
【0032】
基板40の位置合わせ用マーク1(以下、基板マーク1という)は、同一形状(ほぼ長方形)かつ一定間隔をなす線部を2本1組として、中央部を空けて十字形に配したものであり、その結果、上下方向の線部1aが2本ずつ互いに上下段に並び、また横方向の線部1bが2本ずつ互いに左右に並んでいる。
【0033】
メタルマスク42の位置合わせ用マーク2(以下、マスクマーク2という)は、3個のマーク2A,2B,2Cを並列に配したものである。これら3個のマーク2A,2B,2Cは、1つの画素を構成する発色層の3色のパターンの並び方向およびピッチに対応している。各マーク2A,2B,2Cは、基板マーク1の線部1a,1bと同一形状(ほぼ長方形)かつ同一間隔をなす線部を3本1組として、中央部を空けて十字形に配したものであり、その結果、上下方向の線部2aが3本ずつ互いに上下段に並び、また横方向の線部2bが3本ずつ互いに左右に並んでいる。ただしここでは、隣接するマーク2A,2Bどうし、またマーク2B,2Cどうし、横方向の線部2bを共有している。3色のパターンのピッチによっては線部2bを共有することなくそれぞれに形成することになる。
【0034】
このような位置合わせ用の基板マーク1,マスクマーク2をそれぞれ有した基板40とメタルマスク42とを用いて成膜する蒸着工程、すなわち上述した発光層を成膜する蒸着工程では、従来と同様に、真空引きされた成膜室31内で、微調機構に保持された基板40をメタルマスク42の上方約0.1mmの位置に配置する。
【0035】
次いで、基板40の上方に設置した光学式検出手段44の内の1つであるCCDカメラにより、基板マーク1,マスクマーク2の両方を同一視野内に見る。そして、CCDカメラがとらえた画像を目視しながら、基板マーク1と、マスクマーク2Aとがほぼ重なるように、つまり、基板マーク1の線部1a,1bがマスクマーク2の線部2a,2b間の間隙に重なるように、基板40(あるいはメタルマスク42)の位置を粗調整する。
【0036】
次いで、基板マーク1,マスクマーク2の部分に、光学式検出手段44の内の1つであるレーザ装置よりレーザ光を照射して両マーク1,2からの戻り光量を測定し、戻り光量が最低になるように基板40(あるいはメタルマスク42)の位置微調整する。
【0037】
その後に、基板40を降下させてメタルマスク42の上に載せ、マグネットなどを用いて適正に密着させる。この状態で、上述した下方からの蒸着物質39をメタルマスク42の微小穴を通じて基板40の表面に堆積させて成膜する。成膜終了後にメタルマスク42と基板40とを離間させる。
【0038】
更に、同じ成膜室31の内部で、上記したのと同様の蒸着工程を蒸着物質39を換えて繰り返すことで、発光層のRGBを塗り分けする。その際には、上記したようにメタルマスク42に3個のマーク2A,2B,2Cが形成されているので、順次にマーク2B,2Cを用いて基板40を位置合わせできる。
【0039】
成膜終了後に、メタルマスク42と基板40とを離間させ、成膜室31から取り出す。
RGBの成膜を終了した後に、基板40の成膜部分の位置精度を顕微鏡を用いて測定したところ、3μmのずれがあることが分かった。しかし、このようなずれがある成膜を用いて有機EL素子を作製し評価した時には、発色部に色の滲みや混色は観測されなかった。
(実施の形態2)
図1は本発明の実施の形態1におけるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法の蒸着工程で使用する基板およびメタルマスクの位置合わせ用マークを示す。
【0040】
基板40の位置合わせ用マーク3(以下、基板マーク3という)は、四角枠状の線部3aを同心状かつ同一方向を向けて、また一定幅かつ一定間隔で配したものである。
【0041】
メタルマスク42の位置合わせ用マーク4(以下、マスクマーク4という)は、3個のマーク4A,4B,4Cを並列に配したものである。これら3個のマーク4A,4B,4Cは、1つの画素を構成する発色層の3色のパターンの並び方向およびピッチに対応している。各マーク4A,4B,4Cは、基板マーク3の最内周の線部3aの内側と同じ大きさの四角部4aを配し、この四角部4aの周りに、四角枠状の線部4bを同心状かつ同一方向を向けて、また基板マーク3の線部3aと同一の幅および間隔で配したものである。
【0042】
このような基板40、メタルマスク42を用いて成膜する際も、上記した実施の形態1と同様にして、基板マーク3と、たとえばマスクマーク4Aとがほぼ重なるように、つまり、基板マーク3の線部3aがマスクマーク4Aの線部4a間の間隙に重なるように、基板40(あるいはメタルマスク42)の位置を粗調整する。
【0043】
次いで、基板マーク3,マスクマーク4の部分に、光学式検出手段44の内の1つであるレーザ発振器よりレーザ光を照射して両マーク3,4からの戻り光量を測定し、戻り光量が最低になるように基板40(あるいはメタルマスク42)の位置を微調整する。
【0044】
その後に、基板40を降下させてメタルマスク42の上に載せ、マグネットなどを用いて適正に密着させる。この状態で、上述した下方からの蒸着物質39をメタルマスク42の微小穴を通じて基板40の表面に堆積させて成膜する。成膜終了後にメタルマスク42と基板40とを離間させる。
【0045】
更にその後に、上記したのと同様の蒸着工程を、マスクマーク4Aに変えてマスクマーク4B,4Cを用いて繰り返すことで、発光層のRGBを塗り分けする。
【0046】
成膜終了後に、メタルマスク42と基板40とを離間させ、成膜室31から取り出す。
RGBの成膜を終了した後に、基板40の成膜部分の位置精度を顕微鏡を用いて測定したところ、3μmのずれがあることが分かった。しかし、このようなずれがある成膜を用いて有機EL素子を作製し評価した時には、発色部に色の滲みや混色は観測されなかった。
【0047】
比較のために、図9に示したような従来の位置合わせ用マーク40M,42Mを用いたこと以外は上記した実施の形態1,2と同様にして、発光層を成膜し、基板40の成膜部分の位置精度を顕微鏡を用いて測定したところ、15μmのずれがあることが分かった。このようなずれがある成膜を用いて有機EL素子を作製し評価した時には、発色部に色の滲みや混色が観測された。
【0048】
【発明の効果】
以上の発明によれば、基板とメタルマスクとに回折格子状の位置合わせ用マークを設けるようにしたため、メタルマスクの位置合わせ精度が向上し、メタルマスクのパターンを基板に正確に転写できるようになり、混色や滲みのない有機EL素子の製造が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法の蒸着工程で使用する基板およびメタルマスク上の位置合わせ用マークの平面図
【図2】本発明の実施の形態2におけるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法の蒸着工程で使用する基板およびメタルマスク上の位置合わせ用マークの平面図
【図3】従来の一般的な有機EL素子の構成を示す断面図
【図4】従来より用いられている蒸着装置の構成を示す断面図
【図5】開口部が大きな従来のメタルマスク
【図6】微小穴よりなるパターンが形成された従来のメタルマスクの(a) 平面図および(b) 一部拡大図
【図7】従来より行なわれている基板とメタルマスクとの位置合わせを説明する斜視図
【図8】従来より行なわれている発光層の塗り分けを説明する工程断面図
【図9】従来より行なわれているマークによる位置合わせの説明図
【図10】本発明による位置合わせの原理を説明するための基板およびメタルマスク上の回折格子状のマーク位置合わせ用マークの平面図
【図11】メタルマスクに対して基板を移動させた時の上記マークの重なり状態の変化を示す模式図
【図12】図11の基板位置とその時のマークの重なり状態で画像データあるいはレーザ照射により計測される戻り光量との関係を示すグラフ
【符号の説明】
1・・基板の位置合わせ用マーク
1a,1b・・線部
2A,2B,2C・・メタルマスクの位置合わせ用マーク
2a,2b・・線部
3・・基板の位置合わせ用マーク
3a・・線部
4A,4B,4C・・メタルマスクの位置合わせ用マーク
4b・・線部
【発明の属する技術分野】
本発明は表示素子に関わり、特に自発光のフルカラー有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報化社会の進展により、情報を表示する表示素子のニーズがとみに高まっている。現在までに実用化されているものとしては、CRT(Cathod Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)等がある。しかし、CRTはサイズ並びに消費電力が大きい、LCDは大画面化が難しくかつ高価である、PDPは薄型化が難しくかつ高価である、というようにそれぞれ欠点を抱えている。これらの欠点を克服して、ここ数年、次世代表示装置の主役と目されるようになってきたのが、有機エレクトロルミネッセンス(以下有機EL)ディスプレイである。有機ELディスプレイの特徴は、製造コストが低い、大画面化が容易、消費電力が小さい、素子の動作速度が速い、等である。
【0003】
有機EL素子は、有機材料よりなる微少領域に電流が流すと自発光するものである。一般的な有機EL素子の構成を図3に示す。ガラス基板21上にITO膜などの透明電極22が形成され、この透明電極22と陰極23との間に正電荷と電子との再結合により発光する発光層24が配されている。透明電極22と発光層24との間には、透明電極22側より順に、透明電極22からの正電荷が入りやすくするための正孔注入層25、注入された正電荷を発光層24まで運ぶための正孔輸送層26が形成されており、発光層24と陰極23との間には、陰極23側より順に、陰極23からの電子が入りやすくするための電子注入層27電子を発光層24まで運ぶための電子輸送層28が形成されている。
【0004】
これらの層の中で、正孔注入層25、正孔輸送層26、電子輸送層28、電子注入層27、陰極23は、共通、つまり、それぞれ単一の膜を使用できる。それに対して透明電極22と発光層24は、発光色ごとに分離して成膜する必要がある。つまり、1画素にR(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色の発光を要するのであるが、透明電極22と発光層24では画素ごと、発光色ごとに分離して成膜する必要がある。透明電極22は、有機EL素子を駆動するTFT(Thin Film Transistor)を基板21に作り込む際に同時に各色ごとに個別に形成されており、発光層24は、独自の工程で各色ごとに個別に形成されている。
【0005】
有機EL素子の製造方法を具体的に説明する。正孔注入層25、正孔輸送層26、発光層24、電子輸送層28、電子注入層27、陰極23は、真空蒸着法という薄膜形成方法で形成される。図4は一般的な真空蒸着装置を示し、成膜室31、真空ポンプ32、蒸着源33、金属板よりなるシャッター34を備えている。真空ポンプ32はロータリーポンプ35、ターボ分子ポンプ36等で構成されている。蒸着源33は、ヒータ37を巻装した坩堝38などで構成され、蒸着物質39を保持するものである。
【0006】
このような真空蒸着装置において、成膜室31の蒸着源33の上方に基板40を成膜面を下向きにして設置し、次いで成膜室31を気密状態にしてロータリーポンプ35を動作させて排気し、それにより到達する0.1Pa程度の真空度では不足なので、さらにターボ分子ポンプ36を動作させて10−3Paまで排気し、その後に蒸着源33で蒸着物質39を加熱する。
【0007】
このようなほぼ真空状態では、蒸着物質39が容易に蒸発して、蒸着源33よりも温度の低い基板40の上に堆積し膜を形成するのであるが、その際に蒸着源33と基板40との間のシャッター34を必要な時間だけ開けることで、蒸着物質39の膜厚をコントロールする。また、このような蒸着方法では基板40全面に均一に膜が形成されるので、膜を付着させたくない部分をマスクで遮蔽する。
【0008】
正孔注入層25、正孔輸送層26、電子輸送層28、電子注入層27、陰極23では、膜を形成する部分と形成しない部分とを大きく分ければよいので、図5に示すようなメタルマスク41、すなわち金属製の板(厚さ0.2〜0.5mm)に大きな開口部41aを形成しその周囲を遮蔽部41bとしたものが用いられる。
【0009】
それに対し、発光層24のRGB塗り分けに要求されるような数十〜数百μmサイズの微小なパターンを形成するためには、図6(a)(b)に示すような、多数の微小穴42aが周期性を持って形成されているメタルマスク42を用い、その全ての微小穴42aを正確に成膜位置に合わせる必要がある。そのために、たとえば図7に示すように、X、Y、Z、θ方向に移動可能な基板ホルダー43に基板40を載せて、メタルマスク42に対する基板40の位置を調整できるようになっている。
【0010】
RGBを塗り分ける手順を図8に基いて説明すると、まず、図8(a) に示すように、メタルマスク42の穴42aを基板40上のRの成膜位置に正確に対応させ、上述した蒸着物質39であるRの発光材料を付着させて発光層24Rを形成する。この時にはGBの部分はメタルマスク42の遮蔽部42bで塞がれているため、Rの発光材料が付着することはない。次に、図8(b) に示すように、メタルマスク42の穴42aをGの成膜位置に対応させ、Gの発光材料を付着させて発光層24Gを形成する。この時にはRBの部分はメタルマスク42の遮蔽部42bで塞がれているため、Gの発光材料が付着することはない。さらに、図8(c) に示すように、メタルマスク42の穴42aをBの成膜位置に対応させ、Bの発光材料を付着させて発光層24Bを形成する。
【0011】
なおその際に、全ての穴42aを正確に成膜位置に合わせるために、通常は、図9(a) に示すような位置合わせマーク40M,42Mがそれぞれ基板40とメタルマスク42に刻まれている。これらマーク40M,42Mはメタルマスク42のパターンよりも外周側に相応する位置に刻まれており、上述した図6のメタルマスク42では、互いに隣接する2つの隅部の近傍に刻まれている。一般に、基板40のマーク40Mは十字形、メタルマスク42のマーク42Mは、基板40のマーク40Mよりも一回り大きい十字形を複数個並べた形状、図示した例では3個の十字形を一部ずつ重ねて並べた形状である。
【0012】
位置合わせの手順を説明すると、まず、基板40をメタルマスク42の上方0.1〜0.5mm離れた位置に配置する。この位置は、位置合わせを観察するために基板40の上方に設置される光学式検出手段44の一例であるCCDカメラにとって、基板40のマーク40Mとメタルマスク42のマーク42Mが同じ視野で十分に焦点が合う位置である。この際のCCDカメラが捕らえる画像は、初期では図9(b) のようにマーク40M,42Mの位置は互いにずれている。このずれをなくすようにX、Y、θの微調機構を用いて調整して、図9(c) のようにマーク40M,42Mの位置を合わせる。その後に、基板40を降下させてメタルマスク42の上に載せる。わずかな距離を直線的に降下させるだけなので、この基板40の移動によってメタルマスク42との位置関係がずれることはない。この状態で、上述したような下方からの蒸着物質39を堆積させて膜形成を行なうのである(たとえば特許文献1参照)。
【0013】
【特許文献1】
特開2000−36384号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来のマークでは、十分な位置合わせ精度を出すのが難しい。つまり従来は、CCDカメラにより近い基板40のマーク40Mの十字形をメタルマスク42のマーク42Mの十字形よりも小さく刻むことで、2つのマーク40M,42Mを合わせた時の明暗差をとらえ、位置合わせの合否を判定しているのであるが、目視での判断であることや、画像上でのぼけ等を考慮すると、図9に示すように、基板40のマーク40Mの線幅d1はメタルマスク42のマーク42Mの線幅d2の2/3倍が最大の限界である。この最大限の場合(d1=d2×2/3)に、マーク40M,42Mをd2の±1/6倍の位置精度で位置合わせすることが可能であり、通常のd2は100〜60μmであるため、マーク40M,42M(したがって基板40,メタルマスク42)の位置合わせ精度は10〜16μmになる。この位置合わせ精度では、将来的に必要になると言われている位置合わせ精度1〜5μmを達成することは難しいのである。
【0015】
本発明は上記問題点を解決するもので、メタルマスクと基板とを高精度で位置合わせすることができ、それによりメタルマスクのパターンを正確に転写できる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、基板とメタルマスクに回折格子状の位置合わせ用マークを設けることにより、高精度の位置合わせを実現する。
【0017】
ここで回折格子状とは、それぞれのマークの線部を所定方向に沿って一定のピッチで配置するとともに、一方のマークの線部を他方のマークの線部間の間隙に重なり合うように配置した状態を言う。回折格子は、刻み幅(線幅および間隙幅)が10μm以下となるように、溝状(凹状)に刻んだり、あるいはペイントすることで形成される。
【0018】
このような回折格子状のマークを互いに対応する位置に形成しておくことで、2つのマークを光学的に観察することにより、何本の線部が重なっているのか、その重なりがどの程度であるのか、を画像や戻り光量として捕らえることができる。このため、画像や戻り光量を参照しながら、一方のマークの線部が他方のマークの線部間の間隙に完全に重なるように位置調整することにより、メタルマスクと基板とを精度よく位置合わせすることができる。
【0019】
この原理を図面を用いて説明する。図10において、メタルマスクの回折格子状のマーク51は、同一形状(ほぼ長方形)の5本の線部51a〜51eを平行に同一ピッチで配列して形成したものであり、基板の回折格子状のマーク52は、メタルマスクの線部51a〜51eと同一形状,同一ピッチで4本の線部52a〜52dを平行に配列して形成したものである。
【0020】
図11(a)〜(e)はそれぞれ、基板を位置A〜位置Eに移動させた時のマーク51,52の重なり状態(マーク52に添えた符号(A)〜(E)は基板の位置を表わす)の変化を示し、これは、たとえばCCDカメラで撮像した画像上で観察される。図12は、図11と同様に基板を位置A〜位置Eに移動させた時のマーク51,52の重なり状態の変化を画像データから、あるいはレーザ光を照射することにより、計測した戻り光量を示す。
【0021】
図11および図12からわかるように、A,E位置では2つのマーク51,52のずれが大きいため戻り光量が大きく、B,D位置では2つのマーク51,52は概ね位置が合っているが格子の刻み幅以下のずれがあり、C位置では2つのマークはほぼ完全に位置が合っていて、一方のマーク52の線部が他方のマーク51の線部間の間隙に完全に重なっているため、戻り光量は最低になる。
【0022】
このように、回折格子状のマークを利用すると、戻り光量と位置ずれとの間に相関式が成り立つため、戻り光量からマークの位置ずれ量を定量的に測定できる。この原理によれば、理論上は位置ずれ量の測定に限界はなくなり、従来は不可能であった位置合わせ精度1〜5μmも可能である。
【0023】
請求項1記載の発明は、微小穴よりなるパターンが形成された金属箔製のメタルマスクを蒸着源と基板との間に配置し、前記メタルマスクと基板とをそれぞれに形成された位置合わせ用マークにより位置合わせし密着させた後に、前記蒸着源に保持された発光用有機材料などの蒸着物質を前記メタルマスクの微小穴を通して基板表面に堆積させて、微小穴に対応する蒸着物質のパターンを成膜する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記メタルマスクおよび透明な前記基板の位置合わせ用マークをそれぞれ、複数本の線部により回折格子状に形成しておき、前記メタルマスクと基板とを近接させ位置合わせする際に、メタルマスクに背反する基板の背面側から前記マークを検出して、一方のマークの線部が他方のマークの線部間の間隙に重なるように、メタルマスクまたは基板の位置を調整することを特徴とする。
【0024】
請求項2記載の発明は、画素を構成する3色のパターンを各色ごとに成膜する都度に、前記回折格子状のマークを用いてメタルマスクと基板とを位置合わせすることを特徴とする。
【0025】
請求項3記載の発明は、メタルマスクおよび基板のマークをCCDカメラで撮像し、撮像画像上で一方のマークの線部と他方のマークの線部間の間隙との重なりを認識することを特徴とする。
【0026】
請求項4記載の発明は、メタルマスクおよび基板のマーク部分にレーザ光を照射し、戻り光量で一方のマークの線部と他方のマークの線部間の間隙との重なりを認識することを特徴とする。
【0027】
請求項5記載の発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造に用いられる透明な基板であって、蒸着の際に密着配置されるメタルマスクに形成された回折格子状の位置合わせ用マークに対応する位置に、このメタルマスクの位置合わせ用マークの線部に対し自身の線部間の間隙が重なり得るように形成された回折格子状の位置合わせ用マークを少なくとも1個有することを特徴とする。
【0028】
請求項6記載の発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する蒸着工程で用いられるメタルマスクであって、成膜対象の透明な基板に形成された回折格子状の位置合わせ用マークに対応する位置に、この基板の位置合わせ用マークの線部に対し自身の線部間の間隙が重なり得るように形成された回折格子状の位置合わせ用マークを少なくとも1個有することを特徴とする。
【0029】
メタルマスクと基板の一方に1個のマークを形成し、他方に3個のマークを並列に形成しておけば、画素を構成する3色のパターンを各色ごとに成膜する際に、1種類のメタルマスクを準備するだけで、換言すると、各色に対応する位置にマークを付した3種類のメタルマスクを準備することなく、メタルマスクと基板とを位置合わせできる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法の蒸着工程で使用する基板およびメタルマスクの位置合わせ用マークを示す。この蒸着工程を実施する蒸着装置の構成、および基板,メタルマスクの配置は先に図4を用いて説明した従来のものと同様なので、図4を援用して詳しい説明を省略する。
【0031】
図1において、1は成膜対象の基板40に形成された位置合わせ用の回折格子状のマークである。2は基板40に密着配置されるメタルマスク42に形成された位置合わせ用の回折格子状のマークである。基板40は透明なガラス基板であり、メタルマスク42は、金属箔(SUS430など)を材料として、基板40とほぼ同じ大きさに形成されており、発光層のパターンを形成するための微小穴よりなるパターンを有している(図6参照)。
【0032】
基板40の位置合わせ用マーク1(以下、基板マーク1という)は、同一形状(ほぼ長方形)かつ一定間隔をなす線部を2本1組として、中央部を空けて十字形に配したものであり、その結果、上下方向の線部1aが2本ずつ互いに上下段に並び、また横方向の線部1bが2本ずつ互いに左右に並んでいる。
【0033】
メタルマスク42の位置合わせ用マーク2(以下、マスクマーク2という)は、3個のマーク2A,2B,2Cを並列に配したものである。これら3個のマーク2A,2B,2Cは、1つの画素を構成する発色層の3色のパターンの並び方向およびピッチに対応している。各マーク2A,2B,2Cは、基板マーク1の線部1a,1bと同一形状(ほぼ長方形)かつ同一間隔をなす線部を3本1組として、中央部を空けて十字形に配したものであり、その結果、上下方向の線部2aが3本ずつ互いに上下段に並び、また横方向の線部2bが3本ずつ互いに左右に並んでいる。ただしここでは、隣接するマーク2A,2Bどうし、またマーク2B,2Cどうし、横方向の線部2bを共有している。3色のパターンのピッチによっては線部2bを共有することなくそれぞれに形成することになる。
【0034】
このような位置合わせ用の基板マーク1,マスクマーク2をそれぞれ有した基板40とメタルマスク42とを用いて成膜する蒸着工程、すなわち上述した発光層を成膜する蒸着工程では、従来と同様に、真空引きされた成膜室31内で、微調機構に保持された基板40をメタルマスク42の上方約0.1mmの位置に配置する。
【0035】
次いで、基板40の上方に設置した光学式検出手段44の内の1つであるCCDカメラにより、基板マーク1,マスクマーク2の両方を同一視野内に見る。そして、CCDカメラがとらえた画像を目視しながら、基板マーク1と、マスクマーク2Aとがほぼ重なるように、つまり、基板マーク1の線部1a,1bがマスクマーク2の線部2a,2b間の間隙に重なるように、基板40(あるいはメタルマスク42)の位置を粗調整する。
【0036】
次いで、基板マーク1,マスクマーク2の部分に、光学式検出手段44の内の1つであるレーザ装置よりレーザ光を照射して両マーク1,2からの戻り光量を測定し、戻り光量が最低になるように基板40(あるいはメタルマスク42)の位置微調整する。
【0037】
その後に、基板40を降下させてメタルマスク42の上に載せ、マグネットなどを用いて適正に密着させる。この状態で、上述した下方からの蒸着物質39をメタルマスク42の微小穴を通じて基板40の表面に堆積させて成膜する。成膜終了後にメタルマスク42と基板40とを離間させる。
【0038】
更に、同じ成膜室31の内部で、上記したのと同様の蒸着工程を蒸着物質39を換えて繰り返すことで、発光層のRGBを塗り分けする。その際には、上記したようにメタルマスク42に3個のマーク2A,2B,2Cが形成されているので、順次にマーク2B,2Cを用いて基板40を位置合わせできる。
【0039】
成膜終了後に、メタルマスク42と基板40とを離間させ、成膜室31から取り出す。
RGBの成膜を終了した後に、基板40の成膜部分の位置精度を顕微鏡を用いて測定したところ、3μmのずれがあることが分かった。しかし、このようなずれがある成膜を用いて有機EL素子を作製し評価した時には、発色部に色の滲みや混色は観測されなかった。
(実施の形態2)
図1は本発明の実施の形態1におけるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法の蒸着工程で使用する基板およびメタルマスクの位置合わせ用マークを示す。
【0040】
基板40の位置合わせ用マーク3(以下、基板マーク3という)は、四角枠状の線部3aを同心状かつ同一方向を向けて、また一定幅かつ一定間隔で配したものである。
【0041】
メタルマスク42の位置合わせ用マーク4(以下、マスクマーク4という)は、3個のマーク4A,4B,4Cを並列に配したものである。これら3個のマーク4A,4B,4Cは、1つの画素を構成する発色層の3色のパターンの並び方向およびピッチに対応している。各マーク4A,4B,4Cは、基板マーク3の最内周の線部3aの内側と同じ大きさの四角部4aを配し、この四角部4aの周りに、四角枠状の線部4bを同心状かつ同一方向を向けて、また基板マーク3の線部3aと同一の幅および間隔で配したものである。
【0042】
このような基板40、メタルマスク42を用いて成膜する際も、上記した実施の形態1と同様にして、基板マーク3と、たとえばマスクマーク4Aとがほぼ重なるように、つまり、基板マーク3の線部3aがマスクマーク4Aの線部4a間の間隙に重なるように、基板40(あるいはメタルマスク42)の位置を粗調整する。
【0043】
次いで、基板マーク3,マスクマーク4の部分に、光学式検出手段44の内の1つであるレーザ発振器よりレーザ光を照射して両マーク3,4からの戻り光量を測定し、戻り光量が最低になるように基板40(あるいはメタルマスク42)の位置を微調整する。
【0044】
その後に、基板40を降下させてメタルマスク42の上に載せ、マグネットなどを用いて適正に密着させる。この状態で、上述した下方からの蒸着物質39をメタルマスク42の微小穴を通じて基板40の表面に堆積させて成膜する。成膜終了後にメタルマスク42と基板40とを離間させる。
【0045】
更にその後に、上記したのと同様の蒸着工程を、マスクマーク4Aに変えてマスクマーク4B,4Cを用いて繰り返すことで、発光層のRGBを塗り分けする。
【0046】
成膜終了後に、メタルマスク42と基板40とを離間させ、成膜室31から取り出す。
RGBの成膜を終了した後に、基板40の成膜部分の位置精度を顕微鏡を用いて測定したところ、3μmのずれがあることが分かった。しかし、このようなずれがある成膜を用いて有機EL素子を作製し評価した時には、発色部に色の滲みや混色は観測されなかった。
【0047】
比較のために、図9に示したような従来の位置合わせ用マーク40M,42Mを用いたこと以外は上記した実施の形態1,2と同様にして、発光層を成膜し、基板40の成膜部分の位置精度を顕微鏡を用いて測定したところ、15μmのずれがあることが分かった。このようなずれがある成膜を用いて有機EL素子を作製し評価した時には、発色部に色の滲みや混色が観測された。
【0048】
【発明の効果】
以上の発明によれば、基板とメタルマスクとに回折格子状の位置合わせ用マークを設けるようにしたため、メタルマスクの位置合わせ精度が向上し、メタルマスクのパターンを基板に正確に転写できるようになり、混色や滲みのない有機EL素子の製造が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法の蒸着工程で使用する基板およびメタルマスク上の位置合わせ用マークの平面図
【図2】本発明の実施の形態2におけるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法の蒸着工程で使用する基板およびメタルマスク上の位置合わせ用マークの平面図
【図3】従来の一般的な有機EL素子の構成を示す断面図
【図4】従来より用いられている蒸着装置の構成を示す断面図
【図5】開口部が大きな従来のメタルマスク
【図6】微小穴よりなるパターンが形成された従来のメタルマスクの(a) 平面図および(b) 一部拡大図
【図7】従来より行なわれている基板とメタルマスクとの位置合わせを説明する斜視図
【図8】従来より行なわれている発光層の塗り分けを説明する工程断面図
【図9】従来より行なわれているマークによる位置合わせの説明図
【図10】本発明による位置合わせの原理を説明するための基板およびメタルマスク上の回折格子状のマーク位置合わせ用マークの平面図
【図11】メタルマスクに対して基板を移動させた時の上記マークの重なり状態の変化を示す模式図
【図12】図11の基板位置とその時のマークの重なり状態で画像データあるいはレーザ照射により計測される戻り光量との関係を示すグラフ
【符号の説明】
1・・基板の位置合わせ用マーク
1a,1b・・線部
2A,2B,2C・・メタルマスクの位置合わせ用マーク
2a,2b・・線部
3・・基板の位置合わせ用マーク
3a・・線部
4A,4B,4C・・メタルマスクの位置合わせ用マーク
4b・・線部
Claims (6)
- 微小穴よりなるパターンが形成された金属箔製のメタルマスクを蒸着源と基板との間に配置し、前記蒸着源に保持された発光用有機材料などの蒸着物質を前記メタルマスクの微小穴を通して基板表面に堆積させて、微小穴に対応する蒸着物質のパターンを成膜する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
前記メタルマスクおよび透明な前記基板の位置合わせ用マークをそれぞれ、複数本の線部により回折格子状に形成しておき、
前記成膜に先だってメタルマスクと基板とを近接させ位置合わせする際に、メタルマスクに背反する基板の背面側から前記マークを検出して、一方のマークの線部が他方のマークの線部間の間隙に重なるようにメタルマスクまたは基板の位置を調整する
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 画素を構成する3色のパターンを各色ごとに成膜する都度に、前記回折格子状のマークを用いてメタルマスクと基板とを位置合わせする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- メタルマスクおよび基板のマークをCCDカメラで撮像し、撮像画像上で一方のマークの線部と他方のマークの線部間の間隙との重なりを認識する請求項1または請求項2のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- メタルマスクおよび基板のマーク部分にレーザ光を照射し、戻り光量で一方のマークの線部と他方のマークの線部間の間隙との重なりを認識する請求項1または請求項2のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造に用いられる透明な基板であって、蒸着の際に密着配置されるメタルマスクに形成された回折格子状の位置合わせ用マークに対応する位置に、前記メタルマスクの位置合わせ用マークの線部に対し自身の線部間の間隙が重なり得るように形成された回折格子状の位置合わせ用マークを少なくとも1個有する基板。
- 有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する蒸着工程で用いられるメタルマスクであって、成膜対象の透明な基板に形成された回折格子状の位置合わせ用マークに対応する位置に、前記基板の位置合わせ用マークの線部に対し自身の線部間の間隙が重なり得るように形成された回折格子状の位置合わせ用マークを少なくとも1個有するメタルマスク。
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