[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2004311319A - 成膜用マスク装置並びにこれを用いた薄膜デバイスの製造方法 - Google Patents

成膜用マスク装置並びにこれを用いた薄膜デバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004311319A
JP2004311319A JP2003105983A JP2003105983A JP2004311319A JP 2004311319 A JP2004311319 A JP 2004311319A JP 2003105983 A JP2003105983 A JP 2003105983A JP 2003105983 A JP2003105983 A JP 2003105983A JP 2004311319 A JP2004311319 A JP 2004311319A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mask
moving
substrate
opening
masks
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003105983A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi To
洋一 塘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2003105983A priority Critical patent/JP2004311319A/ja
Publication of JP2004311319A publication Critical patent/JP2004311319A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】有機EL素子製造用マスクにおいて、基板にマスクが接触することを防止するとともに、蒸着物の配置位置精度を良好に保持可能とする。
【解決手段】固定マスク101と移動マスク102を重ねた状態で保持するマスク保持部200をマスク装置1に設ける。複数枚マスクとすることでマスク強度を持たせる。マスクを色ごとに交換したり、マスク全体を基板に対してスライドさせたりすることなく、基板に近い側の固定マスク101を基板に固定したままで、蒸着源に近い側の移動マスク102だけをスライドさせる機構とする。さらに、マスク保持部200には、基板に直接接触しない移動マスク102の側面から力を加える機構を持たせることにより、重力や熱膨張によるマスク平面から垂直方向に生ずる撓みをキャンセルできる機構を付与する。このようにすることにより、それぞれの画素の位置精度が大画面であっても良好に保持できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細なパターンを蒸着して形成する際に好適な薄膜形成(製膜)用マスク装置と、これを用いた薄膜デバイスの製造方法に関する。より詳細には、たとえば有機電界発光素子(以下有機EL素子ともいう)など、高温環境下においてマスクを使用して真空蒸着によりパターン形成する必要のあるデバイスへの適用に好適な製膜技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスを製造する際の製膜技術として、たとえば、スパッタリング、CVD(Chemical Vapor Deposition) 、あるいは蒸着などを利用する真空成膜技術の他、リソグラフィ、エッチング、あるいはイオン注入などの工程を組み合わせる技術もある。
【0003】
たとえば、近年、有機EL素子を用いたディスプレイパネルが、液晶には無い高速応答性、自発発光性、低消費電力性、あるいは色品位の良好性などが注目され、生産に向けて多くのデバイスメーカにて開発が進められている。有機EL素子は、たとえばアクティブマトリクス駆動の場合、基板に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor )などの駆動素子や画素素子を、洗浄、アニール、真空成膜(スパッタリング、CVD、蒸着など)、リソグラフィ、エッチング、イオン注入などの工程を組み合わせることにより形成する。この後、画素を構成する第1電極(アノード)を形成し、その上に発光に寄与する有機材料を複数含有する有機層を複数の層に亘って機能別(電荷輸送層、発光層、電荷阻止層などここで電荷とは正孔あるいは電子をいう)にそれぞれ最適な材料を所望の画素位置に積層成膜し、さらに第2電極(カソード)を成膜後、封止用の複数の保護膜を成膜して作成される。
【0004】
この際、発光に係る最も重要な部位である有機層は、材料がプラズマ、湿気、酸素などに脆弱であるため、リソグラフィ法によるレジストパターン形成とそれをマスクに用いるプラズマなどによるドライエッチングや薬液によるウエットエッチングによってパターンを形成することはできない。したがって、通常は金属でできた、形成パターンと等倍のパターン開口を有するマスクを用いて、それらのパターン形成が行なわれる。
【0005】
また第2電極も、それがパターンを有することが必要な場合には、下地に脆弱な発光に寄与する有機層が控えているため、有機層のパターン形成と同様に、パターン開口を有するメタルマスクを用いてパターン形成が行なわれる。
【0006】
一方、有機ELディスプレイのカラー化方式としては、各色(たとえばRGBの3色)の発光素子を基板上に並列配置する方式(各色独立発光方式)、青色発光をEL発光源として、色変換層を光取出面に設置する方式(CCM方式)、白色発光をEL発光源とし、カラーフィルターを使ってフルカラー表示する方式(カラーフィルター方式)などが考案・試作されているが、単純な構造で、発光効率の有効利用という観点からは3色独立発光方式が優れている。
【0007】
ここで、各色独立発光方式を採用して、有機EL素子を用いてマルチカラーもしくはフルカラーのディスプレイを作成するためには、たとえばR(赤),G(緑),B(青)の3原色など、複数の基準色からなる単位を基本の画素として準備しなければならない。そして、たとえばRGBの画素を縦方向と横方向に定められたピッチに複数配置することによりディスプレイパネルは作製される。なお、画素は、通常は等しい間隔(ピッチ)で配置され、縦と横のピッチは等しい場合もあるし、等しくない場合もある。
【0008】
R,G,Bの各色に好適な有機材料は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、あるいは電子注入層などの、有機EL素子を構成する層に応じて決定されるもので、同一の材料でよい場合もあるが、少なくとも発光層についは同一の材料でよい場合はなく、しかも画素を色によって異なる位置に形成する必要もある。このため、通常は、R,G,Bのそれぞれについて、画素位置に対応する開口を有するマスクを順次交換しながら、R,G,Bそれぞれに対応する有機材料を抵抗加熱蒸着法などによって蒸着し、有機層パターンを形成することが行なわれている。
【0009】
このマスク交換は基板とマスクが誤って接触する危険性があり、たとえばマスクを交換する際にパターンが剥がれたりすることが考えられる。これに対し、特許文献1には、マスク取外し時にマスク変形や蒸着パターンの脱落防止用に蒸着熱源に向けて先細りした形状を有するマスクが開示されており、基板とマスクの誤接触を防止する技術として有効な手法であると思われる。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−4034号公報
【0011】
しかしながら、このようにRGBのマスク(最低3枚)を順次交換しながら、画素パターンを形成していく方法は、非常に煩雑である。この問題を解消する技術として、たとえば特許文献2には、パルス制御モータを利用して1枚のマスクを縦横方向に画素ピッチ分だけ移動させながら、RGBに相当する有機層パターンを順次形成していく方法が開示されている。また同じような方法でパターン形成する技術として、たとえば特許文献3には、第2電極を形成する際に、開口を有するマスクを画素ピッチに応じて順次移動させながら第2電極パターンを形成する方法が開示されている。
【0012】
【特許文献2】
特許03019095号公報
【特許文献3】
特開平10−312884号公報
【0013】
この特許文献2,3に記載の技術は、画素パターンは格子状あるいは千鳥状などに配置されているものの、整然と繰り返して配置されているという有機EL素子の特長を利用して、1枚のマスクによって、これを移動させながら、3原色のパターンや電極を形成していく方法として有効な方法であると言える。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、デバイス製造用マスクにおいては、重力変形し易く、またカラーにするのはマスク交換を要するため製造工程が複雑であり、またマスクスライド方式は既蒸着パターンと接触する危険性があるといった問題がある。このため、たとえば、有機EL素子を用いたディスプレイは、大画面のものはなかなか実用化されず、小型のものの量産のみに留まっているのが実情であった。
【0015】
<パターン破壊の問題>
たとえば、マスクを移動させながら、3原色の発光部パターンや電極パターンを形成していく方法では、基板とマスクの誤接触が懸念されるという問題がある。すなわち、マスクを次の蒸着位置へ移動させる際に、基板やマスクに付着していたパーティクルなどを引きずり、既に形成したパターンを傷つけてしまったりする危険性がある。より具体的に説明すると、マスクを移動させながらパターン形成する手法では、蒸着時に基板に最も近い位置に存在するマスクと、既に形成した機械的強度が脆弱な有機層が接触して、パターン破壊などをおこし、欠陥の発生を招く危険性がある。電極層についても同様である。
【0016】
マスクを移動させながらパターン形成する手法におけるパターン破壊などを回避する方法として、たとえば特許文献4には、マスクを断続的に連続して移動させて、3原色を作成させる際に、既に形成したパターンにマスクが接触しないように想定位置に予め窪みを設けておくという工夫が開示されている。また特許文献4と同様の技術としては、逃げ部のあるマスクを利用する技術が特許文献5にも開示されている。
【0017】
【特許文献4】
特開2000−96211号公報
【特許文献5】
特開2000−192224号公報
【0018】
しかしながら、窪みや逃げ部などを設ける手法では、マスクの加工がより煩雑になり、マスク価格の高騰を招く。また、マスク自体の移動精度を確保し、窪み部分に正確に既に形成した出っ張り(凸状)パターン部分を収めるためには、ある程度の窪みの縦横サイズに余裕がなければならず、開示されているような強度確保が可能か疑問が残る。
【0019】
<マスク変形の問題>
一方、大面積のディスプレイを実現するためには、マスク重量に対して、撓みなどの変形を起こさないように、マスクの強度を充分に保つことが必要である。撓みなどの変形が生じると、画面の全面に亘って画素の配置精度を必要なスペック内に維持することが困難となるからである。特に、有機EL素子のように、高温環境下において真空蒸着してパターン形成する必要のあるデバイスでは、重力による撓みに加えて蒸着時の輻射熱による基体の熱膨張によって引き起こされるマスクの撓みなどの変形の問題も加わるので、これら撓みなどの変形に起因する配置精度の問題を避けることができない。
【0020】
また、マスクの開口と形成されるパターン(有機層や第2電極)の形状忠実度を上げるには、ステンシル構造のマスクではマスク厚みをできるだけ薄くすることが望ましいので、大面積化に伴いマスク強度を維持するのが益々困難となる。
【0021】
マスク強度を維持しつつ、パターン形成を行なうために、たとえば特許文献6には、有機層を形成するマスクを、少しでも強度を向上させるために格子状の複数の開口ではなく帯状の開口として形成しておき、この形成された有機層をレーザなどを用いて不要箇所を切断するという複雑な工程も開示されている。この特許文献6に記載の手法は、マスク強度を向上させる手法として有効な方法ではあるが、パターン形成後のレーザ加工という工程を追加する必要があり、工程数の増加による歩留まり低下など、ディスプレイパネル価格の高騰を招き兼ねない。
【0022】
【特許文献6】
特開2002−110345号公報
【0023】
これに対して、マスク自体の強度確保をある程度断念し、その代りに画素パターンの配置精度を確保する方法として、金属マスクを磁石で基板の裏側から保持することでマスクと基板とを密着させる方法が、特許文献7に開示されている。この特許文献7に記載の手法は、マスク変形を避けるのには有効であると思われるが、基板とマスクの密着度がより上がるため、RGBを構成する際に第2や第3の画素の蒸着に用いるマスクには、先に開示した特許文献4,5に記載の窪みなどを設ける必要がある他、マスク交換の煩雑さや、交換に伴う既に形成したパターンの破壊などの欠陥発生を避けるには、相当の工夫が必要であると考えられる。
【0024】
【特許文献7】
特開2002−47560号公報
【0025】
以上述べたように、マスク強度を維持して変形や撓みを避け、かつ、フルカラーディスプレイを実現するための基準色(たとえばRGB3原色)に相当する画素パターンを形成するための従来技術では、欠陥の発生頻度を低減できる有効な手法は存在していない。
【0026】
また、先に述べた従来技術では、全てマスクは1枚の金属で作られており、磁石による保持を行なう特許文献7を除いて、撓みやマスク変形の問題を避け難く、各画素構成要素が基板の所望位置に、正確な位置精度を保持しつつ基板の全ての場所において形成できるようにするのは、中型や大型のディスプレイを作成する場合は非常に困難であった。
【0027】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、蒸着によりパターン形成する際に、基板にマスクが接触することの問題を解消できるとともに、蒸着物の配置位置精度を良好に保持可能な成膜用マスク装置を提供することを目的とする。たとえば、高温環境下において真空蒸着してパターン形成する技術への適用に好適な成膜用マスク装置を提供することを目的とする。
【0028】
また本発明は、本発明の成膜用マスク装置を用いた薄膜デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る成膜用マスク装置は、薄膜パターンを基板面上に蒸着により成膜するために使用される成膜用マスク装置であって、先ず、それぞれが所定形状の開口部が所定ピッチで形成された複数枚のマスクを使用し、複数枚のマスクを保持するマスク保持部を設けることとした。
【0030】
そして、マスク保持部としては、基板に最も近い位置に配されるマスクを基板に対して相対的に固定して保持するとともに、基板に最も近い位置に配されるマスクを挟んで基板とは反対側に配されるマスクの少なくとも1つを交換可能に、もしくは基板に対して相対的に移動可能に保持するものとした。
【0031】
ここで、「基板に対して相対的に固定して保持する」とは、少なくともマスクの平面方向について、基板とマスクとの相対位置に変化が生じないようにすることを意味する。基板とマスクとが動かないように固定することに限らず、基板が動けばその移動に従動してマスクも移動させることで、相対位置に変化が生じないようにすることも含む。
【0032】
また、「基板に対して相対的に移動可能に保持する」とは、マスクの平面方向について、基板とマスクとの相対位置が一定の方向に変化を生じるようにすることを意味する。
【0033】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る成膜用マスク装置のさらなる有利な具体例を規定する。たとえば、各マスクの開口部の形状は、正方形や矩形状、あるいはスリット状とすることができる。そして、各マスクが接触もしくは非接触にて重なることによって、基板に対して実質的に形成される蒸着用の開口部分が画素または画素を駆動する電極を形成可能に設ける。そして、このような基板側のマスクに、移動マスクを重ねる。
【0034】
たとえば、基板側のマスクの開口部を正方形や矩形状とし、かつ、開口部が、移動マスクの移動方向並びにそれと略直交する方向に画素または画素電極の配列ピッチとなるように形成しておく。この場合の移動マスクの開口部は、正方形状もしくは矩形状であって、その移動方向と略直交する方向には画素または画素電極の配列ピッチとなるように形成されてなるものとする。この移動マスクの移動方向と略直交する方向についての開口部の並び方としては、一列状のものとしてもよいし、千鳥状(ジグザグ状)としてもよい。あるいは、移動方向と略直交する方向に沿ってスリット状の開口部分が形成されてなるものを移動マスクとして用いてもよい。
【0035】
また、基板側のマスクの開口部を、移動マスクの移動方向に沿ってスリット状とし、かつ、少なくとも移動マスクの移動方向と略直交する方向には画素または画素電極の配列ピッチとなるように形成しておく。この場合の移動マスクの開口部についても、前述同様に、正方形状や矩形状であって、その移動方向と略直交する方向には画素または画素電極の配列ピッチとなるように形成されてなるものとするか、あるいは、移動方向と略直交する方向に沿ってスリット状の開口部分が形成されてなるものを用いる。
【0036】
なお、何れの場合も、カラーディスプレイ成膜用マスク装置とする場合には、移動マスクの開口部分は、その移動方向には、カラー画像をなすための複数の色成分における、同一色についての配列ピッチとなるように形成されてなるものとするとよい。
【0037】
上記本発明に係る成膜用マスク装置においては、マスク保持部に保持されている移動マスクを移動方向に移動させる制御を実行する移動制御部を備えるものとしてもよい。なお、マスク保持部には、この移動制御部の指示に従って移動マスクを移動させるモータなどの移動駆動部を設ける。
【0038】
また、マスク保持部は、保持している複数のマスクの少なくとも1つに対して、保持しているマスク側縁部の長手方向と略直交する方向に力を加えることでマスク形状を整えるマスク整形機構を有するものとすることが望ましい。
【0039】
マスク変形をキャンセルする際には、マスクの重力に起因する重量変形をキャンセルして、マスクの平面を維持するように、側縁部の長手方向と略直交する方向への力の大きさを制御する。あるいは、マスク温度を検知する温度検知部を設け、この温度検知部により検知された温度に基づいて、熱変形をキャンセルしてマスクの平面を維持するように、側縁部の長手方向と略直交する方向への力の大きさを制御する。
【0040】
また、基板に対して最も外側に位置するマスクを除く全てのマスクについては、一方の側縁部を固定的に保持しつつ、他方の側縁部をその長手方向と略直交する方向には滑り機構を持って保持しておき、基板に対して最も外側に位置する最外部マスクに対してのみマスク変形をキャンセルするように制御するようにしてもよい。この場合、最外部マスクを平坦化することで、その他のマスクも平坦にする。
【0041】
本発明に係る薄膜デバイスの製造方法は、上記本発明に係る成膜用マスク装置を用いて実行するのに好適な製造方法である。すなわち、先ず、それぞれが所定形状の開口部が所定ピッチで形成された複数枚のマスクを使用する。そして、複数枚のマスクのうちの基板に最も近い位置に配されるマスクを、基板に対して相対的に固定して保持しておく。
【0042】
このような状態で、基板に最も近い位置に配されるマスクを挟んで基板とは反対側に、基板上の画素または画素電極を形成可能な適正位置に対して蒸着用の開口部分を実質的に形成するように、所定形状の開口部が設けられている所望のマスクを配置する。この後、蒸着源からの物質を基板面に蒸着することにより、基板面上に薄膜パターンを形成する。
【0043】
たとえば、蒸着用の開口部分を通して有機ELデバイスの第1の発光部材料を基板面に蒸着し、次いで、基板とは反対側に配されているマスクを、蒸着用の開口部分が次の蒸着対象の画素を形成可能な適正位置となるまで移動させる。この後、第2の発光部材料を前記基板面に蒸着する。画素電極の形成についても、発光部の形成と同様の手順を利用することができる。
【0044】
これにより、基板面上に異なる発光部材料からなり、それぞれ異なる色を発する薄膜状の発光部を所定の配列パターンにて配列することで、基板面上に、有機EL発光材料または電極材料からなる複数の薄膜状の発光部が微細な間隙を隔てて配列された、マルチカラーもしくはフルカラーの表示デバイスを製造する。
【0045】
なお、マスク変形による画素配置精度の低下を防止するべく、たとえば、蒸着を開始するに先立って、複数枚のマスクのうちの少なくとも1つに対して、マスク変形をキャンセルする方向に力を加えるとよい。また、蒸着を開始した後(蒸着中)には、複数枚のマスクのうちの少なくとも1つについて、マスク温度を監視し、この監視温度に基づいて、蒸着時のマスクの熱変形をキャンセルする方向に力を加えるとよい。
【0046】
【作用】
本発明に係る上記構成においては、先ず、重力撓みの影響を軽減するために、複数枚のマスクを重ねる構成とし、1枚マスクに比べて剛性を高める。
【0047】
また、基板側に配されるマスクは、基板に対して相対的に固定された状態を維持するように保持するとともに、交換やスライドは、基板とは反対側のマスクのみとするマスク保持機構を設けることで、交換やスライドによるマスクと基板との接触を避けることができるようにする。
【0048】
また、カラー表示デバイス製造用とするべく、基板の異なる各色に応じた適正位置へ蒸着し、パターン形成可能とするために、基板とは反対側のマスクを交換やスライドできる移動保持機構を設けた。
【0049】
つまり、製造マスクを複数枚重ねの構造とし、強度を持たせるとともに、マスクを色ごとに交換したり、マスク全体を基板に対してスライドさせたりすることなく、基板に近い側を基板に固定したままで、蒸着源に近い側だけを交換もしくはスライドさせる機構とする。
【0050】
さらに、この移動保持機構には、たとえば基板に直接接触しない第2のマスクの側面から力を加えられる機構を具備させることにより、重力や熱膨張によるマスク平面から垂直方向に生ずる撓みをキャンセルできる機構を付与する。このようにすることにより、それぞれの画素の位置精度が大画面であっても良好に保持できる。
【0051】
【発明の実施の形態】
<<成膜用マスク装置の構成>>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0052】
図1は、本実施形態の成膜用マスク装置の概要を示した構成図である。本実施形態の成膜用マスク装置(以下単にマスク装置ともいう)は、後述するような所定形状の開口部が形成されたステンシル構造の複数枚のマスクと、この複数枚のマスクのうちの基板側のマスクを基板に相対的に固定した状態を維持しつつ、他のマスク(一部でもよいし、全てでもよい)を所定方向にスライド可能な機構(以下マスク保持部という)とを備えている点に特徴を有する。
【0053】
すなわち、図示するように、マスク装置1は、複数枚のマスクが重ね配置されているマスク部100と、この複数枚のマスクの両サイドに配置され、各マスクを保持する1対のマスク保持部200(それぞれを201,202とする)とを備えている。
【0054】
本実施形態のマスク部100としては、蒸着処理時には基板側に当該基板に対して固定的に配置される固定マスク101と、基板とは反対側に、図中矢指するスライド方向に移動可能に配置される移動マスク102とを含んでいる。
【0055】
マスク保持部200は、図示しない基板に対向して配される固定マスク101を基板に対して固定した状態を維持しつつ、固定マスク101と略平行にかつ基板とは反対側に配される移動マスク102を図示するスライド方向に移動可能に構成されている。
【0056】
たとえば、図1(B)に、スライド方向と直交する切断面を示すように、各マスク保持部201,202は、保持ベース210上に、基板を保持するための基板保持溝212と、固定マスク101を保持するための固定マスク保持溝214と、移動マスクを保持するための移動マスク保持溝216とをそれぞれ異なる位置に備えて構成されている。各保持溝212,214,216は、たとえば押さえバネを使って構成するのがよい。ただし、基板保持溝212と固定マスク保持溝214とは、それぞれ対応する基板や固定マスク101を装着後は移動しないように固定する構造とする一方で、移動マスク保持溝216は、紙面の奥行き方向に移動マスク102をスライド可能に構成する。
【0057】
また、移動マスク102のスライド方向をガイドするガイドレール218が保持ベース210上に設けられている。このガイドレール218は、移動マスク102に対して、図中矢指する方向(マスク保持部200が保持しているマスク側縁部の長手方向と略直交する方向)に、側面から引っ張る力や押す力を加えることでマスク形状を整えるマスク整形機構としても利用されるようになっている。
【0058】
なお、図示しないが、固定マスク101についても、側面から引っ張る力や押す力を加えるための機構を設けてもよい。この場合、固定マスク101に対するマスク整形機構と移動マスク102に対するマスク整形機構とは、それぞれ独立に力を加える機構とするとよい。ただし、マスク変形の度合いが固定マスク101と移動マスク102とでほぼ同程度である場合には、両者に共通の力を加える兼用の機構としてもよい。
【0059】
また、基板に対して最も外側に位置するマスク(本例では移動マスク102)を除く全てのマスク(本例では固定マスク101のみ)について、一方のマスク保持部201は、このマスクの一方の側縁部を固定的に保持しつつ、他方の側縁部を、その長手方向と略直交する方向に滑り機構を持って保持するようにしてもよい。たとえば、図1(C)に示すように、マスク保持部201側の各保持部214a,216aとマスク保持部202側の移動マスク102用の保持部216bとは、図中矢指する方向へは各マスク101,102を自由移動させないように固定保持するとともに、移動マスク102用の保持部216a,216bは紙面の奥行き方向へは移動マスク102をスライド可能に保持する。また、マスク保持部202側の固定マスク101用の保持部214bは、固定マスク101を図中矢指する方向へスライド可能に保持する。マスク保持部202側の移動マスク102用の保持部216bは、図示しないガイドレール218の図中矢指する方向への付勢力により、移動マスク102を側縁部から引っ張るあるいは押すことが可能とする。
【0060】
この場合、ガイドレール218(図1(C)では図示せず)が有するマスク整形機構は、基板に対して最も外側に位置する移動マスク102に対して、その側縁部の長手方向(紙面の奥行き方向)と略直交する方向(図中の矢指方向)に力を加えることで、移動マスク102の重力や熱によるマスク変形(撓みを含む)をキャンセルする方向に力を加える。これにより、移動マスク102が平面となるようにする。そして、移動マスク102が平面となることに連れて、この移動マスク102と固定マスク101とが接触し、これによって固定マスク101が滑り機構側に延び、固定マスク101も平坦化される。
【0061】
たとえば、図1(D)に示すように、マスク間に隙間がある場合、移動マスク102をマスク保持部202側にて外側に引っ張ることで平坦にすることにより、固定マスク101もほぼ平坦化することができる。また、図1(E)に示すように、マスク間に隙間がない場合には、固定マスク101をほぼ完全に平坦化することができる。
【0062】
固定マスク101の一方の側縁部(本例ではマスク保持部201側)は固定されているので、移動マスク102に従動して固定マスク101を平坦化させても、マスク重なり位置のズレ、惹いては蒸着対象部分の位置ズレの問題は起きないと考えてよい。基板に対して最も外側に位置するマスクについてのみ、マスク側縁部の長手方向と略直交する方向に力を加えるマスク整形機構を設けるだけで、全マスクをほぼ平坦に維持することができ、便利である。
【0063】
ここで、基板保持溝212と固定マスク保持溝214とは、対応する基板や固定マスク101を移動可能とする構造を必要としないが、移動マスク保持溝216に関しては、移動マスク102を装着した状態で移動マスク102をスライドさせ得る機構とする必要がある。このため、たとえば2段構造の押さえバネを使用して、移動マスク102を表裏両面から比較的弱い力で挟み込む構造を採用することとした。
【0064】
また、移動駆動部204をマスク保持部201,202に設け(それぞれを204a,204bとする)、この移動駆動部204にドライブ信号を供給する移動制御部206をマスク保持部201,202の外部に用意する。移動制御部206は、移動駆動部204にドライブ信号を入力し、移動マスク102のスライド量や停止位置を制御する。このような構成では、マスク部100とマスク保持部200(移動駆動部204を含む)をマスク製造メーカにて用意し、それらが一体となった状態のマスク装置1として半導体製造メーカに納品し、半導体製造メーカの製造現場にて移動制御部206と接続することで、マスク装置1の全体を完成させる。勿論、半導体製造メーカにて、個々の部材を組み立てることで、移動制御部206を含むマスク装置1を完成させてもよい。
【0065】
移動マスク102を移動させるような構造を実現する手段としては、たとえば、特許文献2に記載のようにステッピングモータなどのパルス制御モータを移動駆動部204として利用して移動マスク102をスライド方向に所望ピッチ分だけ移動させる方法(以下第1の移動方法ともいう)を採ることができる。この第1の移動方法によれば、真空チャンバ内にて、基板側の固定マスク101を固定したままで移動マスク102のみをパルス制御モータを使った精密微動機構によって移動させることができるので、基板と固定マスク101と移動マスク102とで形成される実質的な開口部との正確な位置決めが簡易になる。また、移動マスク102の微動は、パルス制御モータのパルス数に応じた制御によるため、300〜100μm以下のピッチで移動マスク102をスライドさせることで、100〜数10μmピッチといった微小ピッチの発光部の形成が可能になる。また、これを有機ELディスプレイパネルの製造過程に適用すれば、たとえばトリオピッチで300〜100μm以下、サブピクセルピッチで100μm〜数10μmといった高精細の発光部を有する有機ELディスプレイパネルが製造できる。
【0066】
また、移動マスク102を移動可能なマスク保持部200を実現する他の手法としては、リニアモータを移動駆動部204として利用して移動マスク102を縦横方向に所望ピッチ分だけ移動させる方法(以下第2の移動方法ともいう)を採ることができる。この第2の移動方法では、第1の移動方法に比べて、リニアモータの特質上、高精度の移動制御が可能となるので、第1の移動手法よりも、さらに微小ピッチの発光部の形成が可能になる。
【0067】
また、移動マスク102を移動可能なマスク保持部200を実現する他の手法としては、ピエゾ(圧電)素子を移動駆動部204として利用して移動マスク102を縦横方向に所望ピッチ分だけ移動させる方法(以下第3の移動方法ともいう)を採ることができる。この第3の移動方法では、その移動量は、ピエゾ素子の能力に左右され、第1や第2の移動方法に比べると小さいが、その分、微小移動に対する精度は向上する。
【0068】
また、移動マスク102を移動可能なマスク保持部200を実現する他の手法としては、予め決まったピッチ送りであることが明確である場合には凸部とそれを受ける凹部を、どちらか片方を移動マスク102のスライドする両側側面に1つあるいは複数個設けておき、移動駆動部204により機械的に押すあるいは引っ張る方法(以下第4の移動方法ともいう)を採ることができる。この第4の移動方法では、凹部と凸部とを乖離させた状態で移動させて、次の蒸着にかかる所望位置に達した後に凹部と凸部とを接触させて固定するような簡単な移動機構とすることができる。
【0069】
なお、上記第1〜第4の何れの移動方法も、半導体集積回路素子などの重ね合わせに要する必要精度に比べて、はるかに緩い精度(およそ数μm)で移動させればよいので、たとえばレーザ干渉計と鏡面ミラーとを組み合わせたボールねじステージやリニアモータステージなどの高価で高精度のシステムは不要である。
【0070】
マスク保持部200は、固定マスク101と移動マスク102とに対して側面から接触しているため、固定マスク101と移動マスク102とに対して、保持している側縁部の長手方向と略直交する方向に引っ張る力や押す力を加えることも可能である。たとえば、移動マスク102については、それが直接基板とは接触しないことを利用して、側面から引張り力を加えることにより、基板に直接接触させることなく、重力による撓みや蒸着熱源からの輻射熱に伴うマスク基体の熱膨張による撓みをキャンセルすることでマスク形状を整えることができる。固定マスク101についても同様である。
【0071】
たとえば、マスクの中央部が下側に撓む場合、マスク101,102の側面を両側あるいは片側からスライド方向と略直交する方向に引っ張ることにより、マスク101,102の撓みを減らし、平面の状態を維持することができる。ここで、撓み量は有限要素法による数値計算シミュレーションにより、マスク基体の組成(金属)に応じたヤング率などからメッシュを切って求めることもできるし、実測によって求めることも可能である。このようにして求めた撓み量に基づいて、撓み量(変移量)をキャンセルできる力を加えることができる。
【0072】
また蒸着に際し、蒸着熱源からの輻射熱により、マスク基体が熱膨張していくことが、形成される画素の位置精度へ悪影響を及ぼす。この熱膨張もマスク表面温度を監視し、この監視結果に基づいて側面を引っ張るあるいは押すなどフィードバック制御する制御部(図示せず)を設けることにより、撓みを減らし、平面の状態を維持することができる。
【0073】
マスクの表面温度を監視する手法としては、たとえばマスク表面に検出手段が接触してよい場合には熱電対を温度検知部220として利用する方法(以下第1の温度監視方法ともいう)を採ることができる。この第1の温度監視方法では、構造および監視手法が非常に簡便である。
【0074】
また、表面温度を監視する他の手法としては、輻射温度計などを温度検知部220として利用して非接触にてマスクの表面温度を監視する方法(以下第2の温度監視方法ともいう)を採ることができる。この第2の温度監視方法では、マスクに対しての接触が不可である場合に好適なものであるが、測定精度は第1の手法に比べて劣る。
【0075】
何れの温度監視手法を採るかに拘わらず、マスク基体の材質(金属)の体積熱膨張係数や線膨張係数は既知であるため、検知したマスク表面温度を用いて適切な変移量を与える引っ張り力を求めることができる。たとえば有限要素法によって計算機シミュレーションすることで変位量を求めることも可能であるし、実測による変移量を実測してテーブル化しておき、これを用いて引っ張り力を求めることもできる。
【0076】
実用的には、事前に側面から加える力(引っ張り力)を幾つかの水準で振って基板を作成し、蒸着された各画素の、所望位置からの変移量を、たとえば干渉式座標測定器によって測定して求めておき、これに基づいて検量線を引くことにより、最適な加える力の量を見積もることが可能である。
【0077】
何れにしても、スライド方向への移動量に比べれば格段に変位量は少なくて済む一方で、加える力は微妙な制御が必要であるため、たとえば圧電素子(ピエゾ素子)などを用いて力を高精度に制御することが望ましい。固定マスク101と移動マスク102の材質や厚みが異なるときには、それぞれに適した力を独立に加え得る構造を採るのがよい。ただしこの場合でも、材質や厚みの違いによる加える力の最適量の差が小さければ、両者に対して共通の力を加える構造を採ることで、構造の簡易化を図ってもよい。
【0078】
このように、本実施形態のマスク装置1に依れば、先ず、複数枚のマスクを重ねる構成とすることで、1枚マスクに比べて剛性を高め、重力撓みの影響を軽減することが可能となった。また、蒸着処理時には、その内の少なくとも最も基板側に位置するマスク(図では固定マスク101)を基板に対して実質的に固定された状態を維持可能としつつ、残りのマスク(図では移動マスク102)を基板に対して相対的に移動させることで、固定マスク101と移動マスク102との間で形成される実質的な開口部にて発光部や電極部を形成する。基板側を固定マスク101としたことで、基板と固定マスク101の接触による損傷を従来よりも確実に防止することが可能となった。
【0079】
たとえば、固定マスク101と基板との間隔が非常に小さくなり、基板と固定マスク101とが密着するような状態になっても、固定マスク101は基板に対して固定した状態を維持可能であるので、発光部の有機薄膜などを傷つけることなくパターニングすることができる。また、電極形成においても、この発光領域形成後の基板と固定マスク101とが密着しそうな状態になっても、電極や有機膜に損傷を与えずに済む。
【0080】
加えて、上記構成のマスク装置1では、移動マスク102(必要に応じて固定マスク101も)の両側からスライド方向と略直交する方向に引っ張り力を加えることで、マスク101,102が平坦となるようにすることを可能とした。これにより、剛性をさらに強固にすることで、重力撓みの影響を一層軽減することが可能となった。つまり、マスク重量に対して撓みなどの変形を起こさないように、マスクの強度を充分に保つことが可能となり、大面積のディスプレイを製造する上で、非常に有利になる。
【0081】
また、マスク101,102に加える引っ張り力を、環境温度に基づいて、移動マスク102(必要に応じて固定マスク101も)が平坦を維持するように制御するようにしたので、有機EL素子のように、高温環境下において真空蒸着してパターン形成する必要のあるデバイスであっても、重力による撓みや蒸着時の輻射熱による基体の熱膨張によって引き起こされるマスク変形の問題を避けることができる。有機EL素子を用いた大面積のディスプレイを製造する上で、非常に有利になる。
【0082】
<<マスクの詳細例>>
図2は、固定マスク101と移動マスク102の一例を説明する図である。
ここで、図2(A)と図2(B)は、固定マスク101の例であり、図2(C)と図2(D)は、移動マスク102の例である。また、図3は、固定マスク101と移動マスク102との組合せの例を説明する図である。
【0083】
ここで、図3(A)は図2(A)で示す固定マスク101と図2(C)で示す移動マスク102との組合せ、図3(B)は図2(B)で示す固定マスク101と図2(C)で示す移動マスク102との組合せ、図3(C)は図2(A)で示す固定マスク101と図2(D)で示す移動マスク102との組合せ、図3(D)は図2(B)で示す固定マスク101と図2(D)で示す移動マスク102との組合せ、をそれぞれ示している。
【0084】
固定マスク101および移動マスク102は、マルチカラー用の色画素あるいはフルカラーの3原色RGBの画素を構成できる矩形もしくは短冊(ストライプ)状のパターンを開口させたステンシル構造の金属板とした。開口部の大きさは、各マスク101,102が重なることによって基板に対して実質的に形成される蒸着用開口部分が、基板上に形成される画素や画素電極と略等倍の大きさとなるようにする。
【0085】
ここで、図2(A)に示す第1例の固定マスク101の開口パターンでは、固定マスク101は、RGBの画素パターンと同じ縦横方向に配置された複数の矩形(略正方形)の開口を有している。このような開口パターンは、たとえば白色発光をEL発光源とし、カラーフィルターを使ってフルカラー表示する方式(カラーフィルター方式)のものを製造する際に使用される従前のマスクを利用することが可能である。
【0086】
なお、開口部のピッチは、移動マスク102の移動方向並びに当該移動方向と略直交する方向については、画素または画素電極の配列ピッチ(サブピクセルピッチ;ある発光部の端から隣の発光部の端までの距離)となるように形成する。たとえば、3原色RGBとする場合であれば、同一色の1周期であるトリオピッチの1/3とする。
【0087】
また、図2(B)に示す第2例の開口パターンでは、固定マスク101は、その上に重ねられる図2(D)に示す移動マスク102の移動方向(スライド方向)に沿って細長い短冊(スリット)状の開口部分を有している。この開口部分は、少なくとも移動マスク102のスライド方向と略直交する方向には画素または画素電極の配列ピッチ(サブピクセルピッチ)となるように形成する。
【0088】
第1例の開口パターンの方が、第2例の開口パターンよりも開口面積が少なくて済み、マスク変形に対しての強度が増すと考えられる。
【0089】
固定マスク101は、第1例および第2例の何れにおいても、幅(スライド方向の長さ)は移動マスク102より大サイズであることが望ましい。固定マスク101からはみ出した移動マスク102の部分で基板を損傷するという事態を防止するためである。
【0090】
蒸着処理時には固定マスク101の上に移動マスク102を重ねて使用する。そして、この固定マスク101と移動マスク102とが重なることによって基板上の画素または当該画素を駆動する電極を形成可能な適正位置に対して真空蒸着用の開口部分を実質的に形成する。
【0091】
ここで、本実施形態のマスク装置1は、基板側に固定マスク101を配しており、移動マスク102は基板と直接接触することはない。移動マスク102は、固定マスク101の平行な片方の1対の両辺に沿ってスライド可能なマスク保持部200を1対の両辺に備えた上で、固定マスク101に装着する。スムーズなスライド動作を実現するために、パターン形成開口部分以外にスペーサなどを設けてもよい。移動マスク102には、1回のRGBの中から選ばれる任意の色(たとえばある1色)を蒸着するのに必要な開口を備えればよい。
【0092】
具体的には、たとえば図2(C)に示すように、縦横方向に複数配置された矩形(略正方形状)の開口を具備する第1例のものとする。開口部のピッチは、少なくとも当該移動マスク102の移動方向と略直交する方向には画素または画素電極の配列ピッチ(サブピクセルピッチ)なるように形成する。
【0093】
また、本例の移動マスク102は、そのスライド方向における開口部のピッチを、同一色の1周期である色ピッチ(たとえば3原色RGBとする場合であればトリオピッチ)としている。このような開口パターンは、たとえば各色の発光素子を基板上に並列配置する方式(たとえば3色独立発光方式)のものを製造する際に使用される従前のマスクを利用することが可能である。なお、開口部の配置は、図示するように一列配置であるものに限らず、たとえば千鳥型の配置であってもよい。
【0094】
この第1例の移動マスク102では、スライド方向と平行な方向を分離する画素パターンを構成するのに必要な遮蔽部分が移動マスク102単独では存在しており、固定マスク101の開口パターンに拘わらず、図3(A)や図3(B)に示すように固定マスク101と組み合わせることにより、基板に対して独立した開口部を形成でき、画素分離が可能となる。
【0095】
また、移動マスク102は、図2(D)に示すように、スライド方向と直交する方向に長く伸びた短冊状の開口パターンを複数具備する第2例のものであってもよい。この第2例の移動マスク102では、スライド方向と平行な方向を分離する画素パターンを構成するのに必要な遮蔽部分が移動マスク102単独では存在しないが、図3(C)や図3(D)に示すように、固定マスク101と組み合わせることにより、基板に対しては実質的に独立した開口部が形成され、その方向の画素分離が可能となる。なお、固定マスク101と同様に、第1例の開口パターンの方が、第2例の開口パターンよりも開口面積が少なくて済み、マスク変形に対しての強度が増すと考えられる。
【0096】
ここで、固定マスク101の開口部が正方形や矩形である図3(A)や図3(C)に示すマスク組合せの場合、固定マスク101の開口部と移動マスク102の開口部との各位置が合致するように移動マスク102をスライドさせる必要があり、スライド制御時の位置合わせの高精度化が要求されるとともに、スライドピッチに自由度がない。
【0097】
これに対して、固定マスク101の開口部がスリット状である図3(B)や図3(D)に示すマスク組合せの場合、移動マスク102の開口部の位置によってスライド方向の画素位置が規定されるので、スライドピッチを一定に維持することで、画素位置を高精度に維持することが可能となる。加えて、スライドピッチに自由度があるので、少なくともスライド方向への画素解像度を適宜変更可能である。
【0098】
このように、複数枚のマスクを組み合わせて使用する構成とすることで、固定マスク101を基板に対してスライドさせることなく、基板に対して固定したまま、移動マスク102を所定の方向にスライドさせ、適宜蒸着源を変更して蒸着することにより、たとえばRGBの3原色の画素パターンを、定められたピッチで、基板のそれぞれの所望の位置に形成することが可能となる。
【0099】
すなわち、少なくとも固定マスク101についてはスライド方向と直交する方向に発光部や電極部を形成するための開口部が、サブピクセルピッチ(たとえば100μm)分ずれて配列されているので、この固定マスク101と対になる移動マスク102をスライド方向に、たとえばサブピクセルピッチ(たとえば100μm)ずつ2回微動させることにより、3色の発光部を分離して形成することが可能になる。電極部の形成に際しても同様である。
【0100】
<<デバイスの製造方法>>
図4は、上記構成のマスク装置1を使用して、RGB3原色の画素パターンを有する有機EL素子ディスプレイパネルを形成する手順を説明するための概念図である。図示する固定マスク101と移動マスク102は、それぞれ第2例のものである。図中、各マスクの黒塗りで示す部分が、開口部である。
【0101】
蒸着源を下側に配置して蒸着処理を行なう。そして、第1電極まで形成し、必要な前処理が終了した基板に対して、固定マスク101および移動マスク102を装着したマスク装置1をセットする。このマスク装置1をセットされた基板あるいはそれら全体を保持する機構を有するパレットを、第1の色成分を蒸着する蒸着釜(成膜装置内)に装着する。たとえば、有機EL発光材料をモリブテンボートに詰めて、ロードロック式の蒸発源に設置し、1.0×10^−4(“^”はべき乗を示す)パスカルの真空下で、図4(A)に示すように、先ず第1の発光材料を基板真下(基板中心−蒸発源間角度:0度)から0.2〜0.5nm/秒の成膜速度で厚さが50nmとなるように真空蒸着する(第1発光部用の蒸発源からの物質を蒸着する)ことで、第1の色成分に対応する第1発光部の配列を形成する。
【0102】
このようにして第1の色成分を蒸着した後、図4(B)に示すように、基板と固定マスク101とは固定したままで、移動マスク102のみを、第2の色成分について必要な画素位置となるように、サブピクセルピッチ(たとえば100μm)分だけスライドさせる。そして、1.0×10^−4パスカルの真空下で、第2発光材料を基板真下から0.2〜0.5nm/秒の成膜速度で厚さが50nmとなるように真空蒸着する(第2発光部用の蒸発源からの物質を蒸着する)ことで、第2の色成分に対応する第2発光部の配列を形成する。
【0103】
さらに、第2の色成分を蒸着した後、図4(C)に示すように、基板と固定マスク101とは固定したままで、移動マスク102のみを、第3の色成分について必要な画素位置となるように、サブピクセルピッチ(たとえば100μm)分だけスライドさせる。そして、1.0×10^−4パスカルの真空下で、第3発光材料を基板真下から0.2〜0.5nm/秒の成膜速度で厚さが50nmとなるように真空蒸着する(第3発光部用の蒸発源からの物質を蒸着する)ことで、第3の色成分に対応する第3発光部の配列を形成する。
【0104】
RGBの色を構成する有機層は一般には多層構造を有しており、最も重要な発光層はRGBで異なる場合が殆どであるが、それ以外の下層や上層に形成される層成分は共通である場合も多いので、それらは、一括してRGBとも全ての画素に蒸着する場合もある。また、これらのRGB成分の蒸着は、有機EL素子は、酸素や水分などに脆弱であるため、成膜途上で大気開放はせずに、一貫して真空中で成膜されるため、移動マスク102の位置移動は、そのような雰囲気(不活性ガス、望ましくは真空中)で行なわれなければならないことを留意されたい。これらの有機物の蒸着は、一般的には単数あるいは複数の坩堝による抵抗加熱蒸着法で行なわれるが、それ以外の有機物蒸着方法、たとえば有機ガスソースによるCVD法、クラスタイオンビーム法、あるいはスパッタリング法など、どのような方法であってもよい。
【0105】
3原色RGBの蒸着終了後、第2電極層など、残りの層を製膜する。ここで、マルチカラーまたはフルカラーの有機ELデバイスを製造するには、有機EL発光材料からなる発光部は、必ず個々に分離する必要がある一方、たとえば電荷注入輸送層の形成は、発光色ごとに分離しても、あるいは各発光色に対し共通、すなわちベタ膜成膜としてもよい。
【0106】
またたとえば、3原色がパターン化された電極である必要があるパッシブ型デバイスを製造する場合には、さらに上記構成のマスク装置1を使用して、画素を構成するマスクとは若干異なる開口を有するマスク101,102を用いて、同様にRGBの第2電極を蒸着してもよい。
【0107】
一方、アクティブ型デバイスを製造する場合には、一括マスクを使用して第2電極を蒸着することが可能である。また、パターン化された第2電極が必要でない場合には、さらに簡単な構造の遮蔽物(マスクである場合もある)を装着して、蒸着を行なってもよい。この第2電極形成の際も、不活性ガス雰囲気中、望ましくは大気開放を行なわず真空雰囲気で有機層成膜から連続して行なわれるのが望ましい。
【0108】
さらに望ましくは、保護層などの蒸着や封止、基板の貼り合わせなども実施して、有機EL素子によるフルカラーディスプレイパネルは完成に至る。最終製品を製造するには、この後、電極形成、ドライバ集積回路の装着などの工程があるのは言うまでもない。
【0109】
なお、マスク装置1を使った蒸着においては、特に大面積マスクの場合には、中央部分が重力により撓み、基板からの距離が変化することによる、形成画素のぼけや位置ずれなどが発生することが予見できる。この場合には、蒸着を開始するに先立って、複数枚のマスクのうちの少なくとも1つに対して、重力変形をキャンセルする方向に力を加えることで、マスクを平面に維持するようにする。たとえば、複数のマスクのうちの、基板に対して最も外側に位置する、基板と直接接触していない移動マスク102に対して、保持位置からサイド方向に引っ張り力を加えることにより、重力変形をある程度補正することが可能である。固定マスク101についても、同様に引っ張り力を加えてもよい。
【0110】
従来技術である1枚マスクでも引っ張り力を加える手法を適用することも可能であるが、力を加えた際に基板に直接触れる可能性があり、それによる欠陥の発生など、歩留まり低下を招く要因となる。これに対し、本実施形態のマスク装置1では、少なくとも移動マスク102は基板と直接接触することはないので、移動マスク102に対しては安心して力を加えることができる。
【0111】
また、本実施形態のマスク装置1を使った蒸着の際、輻射熱によるマスク基体の熱膨張により、面内の位置によりマスクパターンの位置などがずれることが想定される。この場合、複数枚のマスクのうちの少なくとも1つに対して、マスクの温度を監視し、この監視した温度に基づいて、蒸着時のマスクの熱変形をキャンセルする方向に力を加えることで、マスクを平面に維持するようにする。
【0112】
たとえば、図1(C)に示したように、固定マスク101は移動マスク102に従動して平面化を制御可能なマスク装置1の構成としておくと、移動マスク102が基板と直接接触していないので、保持位置から引っ張り力を加えることにより、移動マスク102を基板に接触させることなく熱輻射によるマスク変形をキャンセルするように補正を加えることが同様に可能である。これに応じて、固定マスク101もほぼ平坦化することができる。
【0113】
結果として、本実施形態のマスク装置1を利用して、薄膜パターン形成や薄膜デバイス製造を実行することで、複数の薄膜状の発光部が微細な間隙を隔ててマトリクス状に配列された有機ELディスプレイパネルを製造する際、大面積でも位置ずれなどが少ない画素パターンを形成することが可能となる。
【0114】
以上詳述したように、上記実施形態のマスク装置1を用いて有機EL素子ディスプレイパネルの製造を行なうと、マスクが2枚構成となっているので1枚マスクの場合と比べ重力による撓みが軽減されることにより、基板全面に亘って画素を形成する有機物などの構成要素の蒸着物の配置位置精度が良好に保持される。
【0115】
また基板に接触していない2番目のマスクパネル(移動マスク102)のみをスライドさせる機構としたことにより、マスク全体をスライドさせて順次RGBを形成する方法やRGBの各色でマスクを交換する方法と比較して、基板にマスクなどが接触して表面を傷つける頻度が低減でき、歩留まりの良い製造工程が提供できることとなった。
【0116】
また、2枚構成としても取り切れないマスク平面より垂直方向の撓みを、力を加えることができる保持移動機構を利用してキャンセルすることができ、大画面であっても相互位置精度および絶対位置精度を確保できる画素パターン形成が可能となった。
【0117】
また、これは、マスクが基板に近い側が短冊状である場合にのみ可能ではあるが、副次的効果として、1枚目の基板に固定される側の固定マスク101の開口ピッチは変更することはできないものの、スライドする側の移動マスク102(蒸着源側)は、移動させるピッチを変更することにより、通常の金属マスクではマスク交換による方法でしか作成できないような狭いピッチで蒸着を行なうことができる他、ピッチを自由に変更できるメリットも有する。
【0118】
また、設定したピッチと形成された画素パターンの配置精度を検査することにより、より最適なピッチ送りを設定したり、場所によってピッチを微妙に調整したりすることなども可能となり、成膜時の熱輻射によるマスクの熱膨張による変形などを考慮したパターン形成が可能となった。
【0119】
なお、上記実施形態のマスク装置1を利用した製造方法が適用できる有機ELデバイスの構成としては、様々なものが考えられる。たとえば、
1)陽極/単層または多層の正孔注入輸送層/単層または多層の発光層/陰極、
2)陽極/単層または多層の発光層/単層または多層の電子注入輸送層/陰極、
3)陽極/単層または多層の正孔注入輸送層/単層または多層の発光層/単層または多層の電子注入輸送層/陰極、
など何れでもよく、さらに必要に応じて、保護層が陰極と陽極の間に挿入されていてもよい。
【0120】
正孔注入輸送層として用いる正孔輸送材料としては特に限定されないが、たとえば、トリアリールアミン誘導体やオキサジアゾール誘導体、あるいはこれらの正孔輸送材料を既知の高分子媒体に分散した系を用いることができる。高分子としては、正孔輸送性を極度に阻害しないものが望ましく、たとえば、ポリ−(N−ビニルカルバゾール)やポリカーボネート、ポリスチレン系重合体などが適用できる。また、正孔注入輸送層は、有機物に限らずたとえば正孔伝導性を有する無機半導体などを用いてもよい。発光層を形成する正孔注入輸送層は単層でも多層(複数層)でもよく、必要に応じて陽極に接する側を正孔注入層、それに隣接する層を正孔輸送層と分離してもよい。
【0121】
図5は、固定マスク101と移動マスク102の組合せの他の事例を説明する図である。この変形例は、移動マスク102のスライド方向の開口部のピッチを、図2に示したものよりもより広くした点に特徴を有する。
【0122】
たとえば、図5(C)に示す第3例の移動マスク102は、図2(C)に示す第1例と同様に、縦横方向に複数配置された開口を具備するが、その開口部のピッチは、同一色の1周期である色ピッチ(たとえば3原色RGBとする場合であればトリオピッチ)の2倍となっている。
【0123】
また、図5(D)に示す第4例の移動マスク102は、図2(D)に示す第2例と同様に、スライド方向と直交する方向に長く伸びた短冊状の開口パターンを複数具備するが、その開口部のピッチは、同一色の1周期である色ピッチ(たとえば3原色RGBとする場合であればトリオピッチ)の2倍となっている。
【0124】
このような第3例や第4例の移動マスク102を第1例や第2例の固定マスク101と組み合わせて使用してデバイスを製造する場合、同一の色成分について必要な画素位置となるように、所定分だけスライドさせて同一蒸着物質における蒸着処理を繰り返すことで、各色成分に対応する各発光部の配列を形成する。この場合、スライド順としては、たとえば、第1色成分→第1色成分→第2色成分→第2色成分→第3色成分→第3色成分となるようにしてもよいし、サブピクセルピッチずつスライドさせる、第1色成分→第2色成分→第3色成分→第1色成分→第2色成分→第3色成分としてもよい。これら以外の順としてもよい。
【0125】
この変形例の移動マスク102を用いる場合、製造タクトが増え処理時間が長くなるものの、開口部分が第1例や第2例のものよりも少なくなるので、移動マスク102の剛性は第1例や第2例のものよりも向上する。よって、蒸着物の配置位置精度をさらに良好に保持可能となる。
【0126】
図6は、固定マスク101と移動マスク102の組合せの他の変形例を説明する図である。この変形例は、移動マスク102のスライド方向の開口部を所定ピッチで遮蔽する遮蔽マスク104を用意し、遮蔽マスク104と移動マスク102とを一体的にして移動させる点に特徴を有する。一体的にして移動させる際には、遮蔽部分を切替える。
【0127】
たとえば、図6(B)に示す第5例の移動マスク102は、RGBの画素パターンと同じ縦横方向に配置された複数の矩形(略方形)の開口を有していて、スライド方向の開口ピッチが第1例の固定マスク101と同様にサブピクセルピッチであるが、色ごとに開口面積が異なるものとしている。そして、遮蔽マスク104は、スライド方向と直交する方向に長く伸びた短冊状の開口パターンを複数具備するとともに、そのスライド方向の開口部のピッチがトリオピッチである。
【0128】
このような組合せは、発光部を形成するための固定マスク101と移動マスク102の各開口部分で形成される、基板に対する実質的な開口面積が、色ごとに異なるものとする必要が生じたときに適用すると好ましい。
【0129】
なお、このような構成は、図2(D)のように、スライド方向と直交する方向に長く伸びた短冊状の開口パターンを、その開口パターンのスライド方向のピッチがサブピクセルピッチとなるように配置するものにも同様に適用可能である。
【0130】
また、ここでは、色ごとに開口面積が異なるものへの適用として説明したが、アクティブ型デバイスの製造時に、発光部(画素)用の開口と第2電極用の開口とを若干異なるものとする場合に適用してもよい。
【0131】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0132】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0133】
たとえば、上記実施形態では、生産性を加味して、基板に接触していないマスクのみをスライドさせる機構を採用したが、スライド機構に代えて、基板に接触していないマスクのみを交換する機構を採用してもよい。この交換対象となるマスクは、従前のものと同様に、各色に応じた適正位置に開口部が形成されたものを使用する。基板側のマスクは固定した状態を維持させつつ交換可能となるので、マスク交換時に基板とマスクが誤って接触する危険性を低減可能となる。
【0134】
また、上記実施形態では、等倍マスクを使用して高温環境下において真空蒸着してパターン形成する有機EL素子製造用マスク装置やこのマスク装置を用いたディスプレイパネルの製造方法の例を説明したが、上記実施形態で示したマスク装置やデバイス製造方法の適用対象デバイスは、有機EL素子に限らない。
【0135】
また、上記実施形態では、等倍マスクを使用することで起こり易い重力や熱膨張による撓みの問題を解消するために複数枚マスクを使用することを提案したが、等倍マスクを使用せず縮小光学系用のマスクを使用する場合においても、重力や熱膨張による撓みの問題が問題となるときには、上記実施形態で示した複数枚マスクを使用する技術思想を適用可能である。
【0136】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、所定形状の開口部が所定ピッチで形成された複数枚のマスクを組合せた構成としたので、1枚マスクの場合と比較して重力による撓みが軽減されることにより、基板全面に亘って、画素を形成する有機物などの構成要素の蒸着物の配置位置精度を良好に保持可能となった。
【0137】
また、基板に接触していないマスクのみをスライドもしくは交換する機構を採用したので、マスク全体をスライドさせて順次RGBを形成する方法やRGBの各色でマスクを交換する方法と比較して、基板にマスクが接触して表面を傷つける頻度を低減でき、歩留まりの良い製造工程が提供できることとなった。
【0138】
また複数枚構成としても取り切れないマスク平面より垂直方向の撓みを、力を加えることができる保持移動機構を利用してキャンセルすることができ、大画面であっても相互および絶対位置精度を確保できる画素パターン形成が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のマスク装置の概要を示した構成図である。
【図2】固定マスクと移動マスクの一例を説明する図である。
【図3】固定マスクと移動マスクとの組合せの例を説明する図である。
【図4】マスク装置を使用して、有機EL素子ディスプレイパネルを形成する手順を説明するための概念図である。
【図5】固定マスクと移動マスクの組合せの他の事例を説明する図である。
【図6】固定マスクと移動マスクの組合せの他の変形例を説明する図である。
【符号の説明】
1…マスク装置、100…マスク部、101…固定マスク、102…移動マスク、200,201,202…マスク保持部、204…移動駆動部、206…移動制御部、218…ガイドレール(マスク整形機構付き)、220…温度検知部

Claims (21)

  1. 薄膜パターンを基板面上に蒸着により成膜するために使用される成膜用マスク装置であって、
    それぞれが所定形状の開口部が所定ピッチで形成された複数枚のマスクと、
    前記複数枚のマスクを保持する機構であって、前記複数枚のマスクのうちの前記基板に最も近い位置に配されるマスクを前記基板に対して相対的に固定して保持するとともに、前記複数枚のマスクのうちの前記基板に最も近い位置に配されるマスクを挟んで前記基板とは反対側に配されるマスクの少なくとも1つを交換可能もしくは前記基板に対して相対的に移動可能に保持するマスク保持部と
    を備えることを特徴とする成膜用マスク装置。
  2. 前記マスク保持部により前記基板に対して相対的に固定して保持されるマスクである固定マスクと、前記マスク保持部により前記基板に対して相対的に移動可能に保持されるマスクである移動マスクの各開口部は、前記固定マスクと前記移動マスクとが重なることによって前記基板に対して実質的に形成される前記蒸着用の開口部分が画素または当該画素を駆動する電極を形成可能に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の成膜用マスク装置。
  3. 前記固定マスクの開口部は、前記移動マスクの移動方向に沿ってスリット状の開口部分が形成されてなるとともに、当該開口部分が、少なくとも前記移動マスクの移動方向と略直交する方向には前記画素または前記電極の配列ピッチとなるように形成されてなり、
    前記移動マスクの開口部は、当該移動マスクの移動方向と略直交する方向に沿ってスリット状の開口部分が形成されてなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の成膜用マスク装置。
  4. 前記固定マスクの開口部は、前記移動マスクの移動方向に沿ってスリット状の開口部分が形成されてなるとともに、当該開口部分が、少なくとも前記移動マスクの移動方向と略直交する方向には前記画素または前記電極の配列ピッチとなるように形成されてなり、
    前記移動マスクの開口部は、正方形状もしくは矩形状の開口部分が形成されてなるとともに、当該開口部分が、少なくとも前記移動マスクの移動方向と略直交する方向には前記画素または前記電極の配列ピッチとなるように形成されてなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の成膜用マスク装置。
  5. 前記固定マスクの開口部は、正方形状もしくは矩形状の開口部分が形成されてなるとともに、当該開口部分が、前記移動マスクの移動方向並びに当該移動方向と略直交する方向に前記画素または前記電極の配列ピッチとなるように形成されてなり、
    前記移動マスクの開口部は、前記移動マスクの移動方向と略直交する方向に沿ってスリット状の開口部分が形成されてなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の成膜用マスク装置。
  6. 前記固定マスクの開口部は、正方形状もしくは矩形状の開口部分が形成されてなるとともに、当該開口部分が、前記移動マスクの移動方向並びに当該移動方向と略直交する方向に前記画素または前記電極の配列ピッチとなるように形成されてなり、
    前記移動マスクの開口部は、正方形状もしくは矩形状の開口部分が形成されてなるとともに、当該開口部分が、少なくとも前記移動マスクの移動方向と略直交する方向には前記画素または前記電極の配列ピッチとなるように形成されてなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の成膜用マスク装置。
  7. 前記固定マスクの前記開口部分は、前記移動マスクの移動方向と略直交する方向には、一列状に配列されている
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の成膜用マスク装置。
  8. 前記固定マスクの前記開口部分は、前記移動マスクの移動方向と略直交する方向には、千鳥状に配列されている
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の成膜用マスク装置。
  9. 前記移動マスクの前記開口部分は、前記移動マスクの移動方向には、カラー画像をなすための複数の色成分における同一色についての配列ピッチとなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項3から6のうちの何れか1項に記載の成膜用マスク装置。
  10. 前記マスク保持部に保持されている前記移動マスクを前記移動方向に移動させる制御を実行する移動制御部
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の成膜用マスク装置。
  11. 前記マスク保持部は、当該マスク保持部に保持されている前記複数のマスクの少なくとも1つに対して、当該マスク保持部が保持しているマスク側縁部の長手方向と略直交する方向に力を加えることでマスク形状を整えるマスク整形機構を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の成膜用マスク装置。
  12. 前記マスク保持部は、前記複数のマスクのうちの、前記基板に対して最も外側に位置するマスクを除く全てのマスクについて、当該マスクの一方の側縁部を固定的に保持しつつ、他方の側縁部を当該側縁部の長手方向と略直交する方向には滑り機構を持って保持し、
    前記マスク保持部の前記マスク整形機構は、前記複数のマスクのうちの、前記基板に対して最も外側に位置するマスクに対して、当該マスクの側縁部の長手方向と略直交する方向に力を加える
    ことを特徴とする請求項11に記載の成膜用マスク装置。
  13. 前記マスク保持部の前記マスク整形機構は、前記マスクの重力による変形をキャンセルして前記マスクの平面を維持するように、前記側縁部の長手方向と略直交する方向への力の大きさを制御する
    ことを特徴とする請求項11に記載の成膜用マスク装置。
  14. 前記マスク保持部に保持されている前記複数のマスクの少なくとも1つの温度を検知する温度検知部を有し、
    前記マスク保持部の前記マスク整形機構は、前記温度検知部により検知された温度に基づいて、熱変形をキャンセルして前記マスクの平面を維持するように、前記側縁部の長手方向と略直交する方向への力の大きさを制御する
    ことを特徴とする請求項11に記載の成膜用マスク装置。
  15. 前記複数枚のマスクが重なることによって前記基板に対して実質的に形成される前記蒸着用の開口部分が、前記基板上に形成される画素または当該画素を駆動する電極と略等倍の大きさである
    ことを特徴とする請求項1に記載の成膜用マスク装置。
  16. 薄膜パターンを基板面上に蒸着により成膜する薄膜デバイスの製造方法であって、
    それぞれが所定形状の開口部が所定ピッチで形成された複数枚のマスクを使用し、
    前記複数枚のマスクのうちの前記基板に最も近い位置に配されるマスクを、前記基板に対して相対的に固定して保持し、
    前記基板に最も近い位置に配されるマスクを挟んで前記基板とは反対側に、前記基板上の画素または当該画素を駆動する電極を形成可能な適正位置に対して前記蒸着用の開口部分を実質的に形成するように、前記基板に最も近い位置に配されるマスクを除く所望のマスクを配置し、
    蒸着源からの物質を前記基板面に蒸着することにより、前記基板面上に前記薄膜パターンを形成する
    ことを特徴とする薄膜デバイスの製造方法。
  17. 前記蒸着用の開口部分を通して有機ELデバイスの第1の発光部材料を前記基板面に蒸着し、
    次いで、前記基板とは反対側に配されているマスクを、前記蒸着用の開口部分が次の蒸着対象の画素を形成可能な適正位置となるまで移動させ、
    この後、第2の発光部材料を前記基板面に蒸着し、
    これにより、前記基板面上に異なる発光部材料からなり、それぞれ異なる色を発する薄膜状の発光部を所定の配列パターンにて配列する
    ことを特徴とする請求項16に記載の薄膜デバイスの製造方法。
  18. 前記蒸着用の開口部分を通して有機ELデバイスの画素を駆動する電極用の物質を前記基板面に蒸着し、
    次いで、前記基板とは反対側に配されているマスクを、前記蒸着用の開口部分が次の蒸着対象の電極を形成可能な適正位置となるまで移動させ、
    この後、前記電極用の物質を前記基板面に蒸着し、
    これにより、前記基板面上に、薄膜状の電極を所定の配列パターンにて配列する
    ことを特徴とする請求項16に記載の薄膜デバイスの製造方法。
  19. 前記蒸着を開始するに先立って、前記複数枚のマスクのうちの少なくとも1つに対して、当該マスクの重力変形をキャンセルする方向に力を加える
    ことを特徴とする請求項16に記載の薄膜デバイスの製造方法。
  20. 前記蒸着を開始した後には、前記複数枚のマスクのうちの少なくとも1つについて、当該マスクの温度を監視し、この監視した温度に基づいて、前記蒸着時の当該マスクの熱変形をキャンセルする方向に力を加える
    ことを特徴とする請求項16に記載の薄膜デバイスの製造方法。
  21. 前記複数のマスクのうちの、前記基板に対して最も外側に位置するマスクに対して、当該マスクの前記変形をキャンセルする方向に力を加える
    ことを特徴とする請求項19または20に記載の薄膜デバイスの製造方法。
JP2003105983A 2003-04-10 2003-04-10 成膜用マスク装置並びにこれを用いた薄膜デバイスの製造方法 Pending JP2004311319A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003105983A JP2004311319A (ja) 2003-04-10 2003-04-10 成膜用マスク装置並びにこれを用いた薄膜デバイスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003105983A JP2004311319A (ja) 2003-04-10 2003-04-10 成膜用マスク装置並びにこれを用いた薄膜デバイスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004311319A true JP2004311319A (ja) 2004-11-04

Family

ID=33468298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003105983A Pending JP2004311319A (ja) 2003-04-10 2003-04-10 成膜用マスク装置並びにこれを用いた薄膜デバイスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004311319A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006147182A (ja) * 2004-11-16 2006-06-08 Eastman Kodak Co 有機elパネルの製造方法、有機elパネルおよび蒸着マスク
WO2010134303A1 (en) * 2009-05-20 2010-11-25 Canon Kabushiki Kaisha Method for manufacturing organic electroluminescent display apparatus
CN104330954A (zh) * 2014-08-25 2015-02-04 京东方科技集团股份有限公司 掩膜版、掩膜版组、像素的制作方法及像素结构
JP2016006636A (ja) * 2014-05-30 2016-01-14 株式会社半導体エネルギー研究所 入力装置
US9349922B2 (en) 2014-08-25 2016-05-24 Boe Technology Group Co., Ltd. Mask, mask group, manufacturing method of pixels and pixel structure
CN109763096A (zh) * 2019-03-19 2019-05-17 光驰科技(上海)有限公司 一种自带膜系切换功能的基板装载板及其镀膜方法
WO2020158566A1 (ja) * 2019-01-31 2020-08-06 大日本印刷株式会社 蒸着マスク群、電子デバイスの製造方法及び電子デバイス
CN113637940A (zh) * 2021-08-30 2021-11-12 重庆翰博显示科技研发中心有限公司 一种能够提高蒸镀品质的oled蒸镀用掩膜板及其应用方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006147182A (ja) * 2004-11-16 2006-06-08 Eastman Kodak Co 有機elパネルの製造方法、有機elパネルおよび蒸着マスク
WO2010134303A1 (en) * 2009-05-20 2010-11-25 Canon Kabushiki Kaisha Method for manufacturing organic electroluminescent display apparatus
CN102428756A (zh) * 2009-05-20 2012-04-25 佳能株式会社 用于制造有机电致发光显示设备的方法
JP2016006636A (ja) * 2014-05-30 2016-01-14 株式会社半導体エネルギー研究所 入力装置
US9349922B2 (en) 2014-08-25 2016-05-24 Boe Technology Group Co., Ltd. Mask, mask group, manufacturing method of pixels and pixel structure
WO2016029610A1 (zh) * 2014-08-25 2016-03-03 京东方科技集团股份有限公司 掩膜板、掩膜板组、像素的制作方法及像素结构
CN104330954B (zh) * 2014-08-25 2016-06-01 京东方科技集团股份有限公司 掩膜版、掩膜版组、像素的制作方法及像素结构
CN104330954A (zh) * 2014-08-25 2015-02-04 京东方科技集团股份有限公司 掩膜版、掩膜版组、像素的制作方法及像素结构
JP2024059747A (ja) * 2019-01-31 2024-05-01 大日本印刷株式会社 蒸着マスク群、電子デバイスの製造方法及び電子デバイス
WO2020158566A1 (ja) * 2019-01-31 2020-08-06 大日本印刷株式会社 蒸着マスク群、電子デバイスの製造方法及び電子デバイス
CN111500979A (zh) * 2019-01-31 2020-08-07 大日本印刷株式会社 蒸镀掩模组、电子器件的制造方法和电子器件
JPWO2020158566A1 (ja) * 2019-01-31 2021-04-30 大日本印刷株式会社 蒸着マスク群、電子デバイスの製造方法及び電子デバイス
CN115125483B (zh) * 2019-01-31 2024-05-31 大日本印刷株式会社 电子器件的制造方法和电子器件
CN111500979B (zh) * 2019-01-31 2022-08-12 大日本印刷株式会社 蒸镀掩模组、电子器件的制造方法和电子器件
CN115125483A (zh) * 2019-01-31 2022-09-30 大日本印刷株式会社 电子器件的制造方法和电子器件
CN109763096A (zh) * 2019-03-19 2019-05-17 光驰科技(上海)有限公司 一种自带膜系切换功能的基板装载板及其镀膜方法
CN113637940A (zh) * 2021-08-30 2021-11-12 重庆翰博显示科技研发中心有限公司 一种能够提高蒸镀品质的oled蒸镀用掩膜板及其应用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7268406B2 (en) Mask, mask chip, manufacturing method of mask, manufacturing method of mask chip, and electronic device
JP5623598B2 (ja) 蒸着装置、蒸着方法、並びに、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法
US8701592B2 (en) Mask frame assembly, method of manufacturing the same, and method of manufacturing organic light-emitting display device using the mask frame assembly
JP5502092B2 (ja) 蒸着方法および蒸着装置
JP6393802B1 (ja) 基板載置装置、基板載置方法、成膜装置、成膜方法、アライメント装置、アライメント方法、および、電子デバイスの製造方法
CN102332539B (zh) 薄膜沉积设备及制造有机发光显示装置的方法
TWI664724B (zh) 有機層沉積裝置
KR101597887B1 (ko) 증착 방법 및 증착 장치
JP2004349101A (ja) 膜形成方法、膜形成装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置
JP5350547B2 (ja) 被成膜基板および有機el表示装置
US20080174235A1 (en) Mask used to fabricate organic light-emitting diode (oled) display device, method of fabricating oled display device using the mask, oled display device fabricated using the mask, and method of fabricating the mask
US20130040047A1 (en) Method for manufacturing el device
US20020102754A1 (en) Integrated mask and method and apparatus for manufacturing organic EL device using the same
US20050130356A1 (en) Method of manufacturing organic electro luminescence panel, manufacturing apparatus of organic electro luminescence panel, and organic electro luminescence panel
JP7271740B2 (ja) 成膜装置、電子デバイスの製造装置、成膜方法、及び電子デバイスの製造方法
US20130137334A1 (en) Film formation apparatus, film formation method, and mask unit to be used for them
CN100379057C (zh) 用于有机发光二极管显示器制造的分离式遮蔽罩幕装置
JP2006309994A (ja) 転写用基板および転写方法ならびに表示装置の製造方法
JP7246598B2 (ja) 吸着装置、成膜装置、吸着方法、成膜方法及び電子デバイスの製造方法
KR101107179B1 (ko) 마스크 정렬 장치 및 마스크 정렬 방법
CN100459222C (zh) 掩模及其制法、薄膜图案的形成方法、电光学装置的制法
JP2004311319A (ja) 成膜用マスク装置並びにこれを用いた薄膜デバイスの製造方法
JP4616667B2 (ja) マスク構造体およびそれを用いた蒸着方法、並びに有機発光素子の製造方法
JP4096567B2 (ja) 統合マスク、ならびに統合マスクを用いた有機el素子の製造方法およびその製造装置
KR20150092421A (ko) 기판 정렬장치 및 기판 정렬방법