JP2004147075A - 信号多重化回路及び光通信システム送信器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、消費電力及び回路面積を必要最小限に抑えながら、高速で確実な動作の可能な信号多重化回路を提供することを目的とする。
【解決手段】信号多重化回路は、第1のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第1のセレクタ回路と、第2のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第2のセレクタ回路と、第1のクロック信号と第2のクロック信号とを互いに90°位相のずれた信号として生成するクロック制御回路を含むことを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】信号多重化回路は、第1のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第1のセレクタ回路と、第2のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第2のセレクタ回路と、第1のクロック信号と第2のクロック信号とを互いに90°位相のずれた信号として生成するクロック制御回路を含むことを特徴とする。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に信号多重化回路に関し、詳しくは光通信システム送信部等で使用される高速に動作可能な信号多重化回路に関する。
【従来の技術】
光通信システム送信部では、信号多重化回路によりデータ信号を多重化し、多重化後のデータ信号に基づいて光信号を変調することにより、光ファイバを介して受信端にデータ送信を行う。このような光通信システムは高い周波数での高速な動作を行う必要があり、高い周波数で充分な信頼性をもって動作可能な信号多重化回路が要求される。
【0002】
図1は、光通信システム送信部の一般的な構成を示す図である。
【0003】
図1の光通信システム送信部10は、信号多重化回路11、PLL回路12、増幅器13、レーザーダイオード14、及び変調器15を含む。PLL回路12は、データ信号に同期する参照クロック信号CLKに基づいてフィードバックループによる位相固定動作を実行し、クロック信号CLKを生成する。クロック信号CLKは、信号多重化回路11に供給される。
【0004】
信号多重化回路11は、Nチャネルの入力データを受け取り、クロック信号CLKに基づいて入力データを多重化する。多重化された信号は、増幅器13により増幅され変調器15に供給される。変調器15は、増幅器13から供給される多重化信号に基づいて、レーザーダイオード14が発生するレーザー光を多重化する。多重化された信号は、光ファイバ16を介して受信端に伝送される。
【0005】
図2は、従来の信号多重化回路11の構成の一例を示す回路図である。
【0006】
図2の信号多重化回路11は、セレクタ回路21乃至23、トグルフリップフロップ24、Dラッチ25乃至29、及びバッファ30乃至34を含む。
【0007】
図3は、図2の信号多重化回路11の動作を示す信号タイミング図である。以下に、図3を参照して図2の回路の動作を説明する。
【0008】
図3(k)或いは(n)に示されるクロック信号CLKが、トグルフリップフロップ24により1/2分周されて、図3(c)又は(g)に示されるクロック信号Eが生成される。このクロック信号Eは、セレクタ回路21及び22に供給される。セレクタ回路21にバッファ30及び31を介して入力されるデータ信号D1及びD3(図3(a)及び(b))は、クロック信号E(図3(c))と同期がとれている。セレクタ回路21は、クロック信号Eに基づいてデータ選択し、データ信号D1及びD3が多重化された多重化信号A(図3(d))を生成する。またセレクタ回路22にバッファ32及び33を介して入力されるデータ信号D2及びD4(図3(e)及び(f))は、クロック信号E(図3(g))と同期がとれている。セレクタ回路22は、クロック信号Eに基づいてデータ選択し、データ信号D2及びD4が多重化された多重化信号B(図3(h))を生成する。
【0009】
多重化信号A(図3(i))は、クロック信号CLKをタイミング信号とするDラッチ25及び26によりラッチされ、クロック信号CLK(図3(k))の立ち下がりに同期した多重化信号C(図3(l))となる。また多重化信号B(図3(j))は、クロック信号CLKをタイミング信号とするDラッチ27乃至29によりラッチされ、クロック信号CLK(図3(k))の立ち上がりに同期した多重化信号D(図3(m))となる。このようにして生成された多重化信号C及びDは、セレクタ回路23に供給される。
【0010】
セレクタ回路23は、クロック信号CLK(図3(n))に基づいてデータ選択することで、多重化信号C及びDを更に多重化した多重化信号Q(図3(o))を生成する。このようにして、信号D1乃至D4が多重化された信号である多重化信号Qが得られる。
【0011】
上記構成において、Dラッチ25乃至29は、互いに同位相である多重化信号A及びBから、互いに90°位相がずれた多重化信号C及びDを生成するために設けられる。このように互いに90°位相をずらすことで、セレクタ回路23において、クロック信号CLKに対して選択対象の信号C及びDにタイミング余裕が生じる。この結果、例えばクロック信号CLKの位相が多少早くなっても、正しく信号を多重化することができる。即ち、互いに同位相である多重化信号A及びBを、これらの信号にエッジタイミングが揃ったクロック信号CLKにより選択する場合には、少しでもクロック信号CLKのタイミングがずれると正しい信号多重化結果が得られない。それに対して、図2の構成のように選択対象の信号を互いに90°位相をずらすことで、タイミング余裕が生じ、高速な動作においても信頼性のあるデータ多重化を行うことができる。
【0012】
なお図2及び図3に示すのは、4つのデータ信号D1乃至D4を多重化する回路の例であるが、同様にして任意の数のデータ信号を多重化することができる。例えば、図2に示す信号多重化回路を2つ並列に並べ、それぞれの信号多重化回路で4つのデータ信号を多重化し、得られた2つの多重化信号を2対1のセレクタ回路により選択することで、8対1の多重化を行うことができる。その際、最終段の2対1のセレクタ回路の前段にも、90°位相調整を行うDラッチを必要に応じて設けることができる。
【0013】
またデジタルデータの並列直列変換に関連して、高速に動作可能な並列直列変換回路が従来技術にある(特許文献1)。
【0014】
【特許文献1】
特開平9−6591号公報。
【発明が解決しようとする課題】
上記の信号多重化回路11においては、Dラッチが5つ必要となり、その分の消費電力及び回路面積が増大する。またこれらのDラッチには高速で確実に動作することが要求されると共に、Dラッチにより生じる信号遅延に対して、次段におけるクロック信号CLKとのタイミング合わせが必要になる。
【0015】
以上を鑑みて、本発明は、消費電力及び回路面積を必要最小限に抑えながら、高速で確実な動作の可能な信号多重化回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明による信号多重化回路は、第1のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第1のセレクタ回路と、第2のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第2のセレクタ回路と、該第1のクロック信号と該第2のクロック信号とを互いに90°位相のずれた信号として生成するクロック制御回路を含むことを特徴とする。
【0016】
上記信号多重化回路においては、互いに90°位相がずれたクロック信号を使用するので、従来の構成のようにデータ信号の位相を90°ずらすためのDラッチ群を設ける必要が無く、その分の電力消費及び回路面積を削減しながらも選択対象の信号を互いに90°位相をずらすことが可能となり、タイミングに余裕を持たせ、高速な動作において信頼性のあるデータ多重化を行うことができる。
【0017】
また本発明による光通信システム送信器は、信号多重化回路と、該信号多重化回路の出力を増幅する増幅回路と、該増幅回路の出力により光信号を変調する変調回路を含み、該信号多重化回路は、第1のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第1のセレクタ回路と、第2のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第2のセレクタ回路と、該第1のクロック信号と該第2のクロック信号とを互いに90°位相のずれた信号として生成するクロック制御回路を含むことを特徴とする。
【0018】
上記光通信システム送信器においては、電力消費及び回路面積を削減しながらもタイミングに余裕を持たせ、高速な動作において信頼性のあるデータ多重化を行うことができる。
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
図4は、本発明による信号多重化回路の構成の一例を示す回路図である。この信号多重化回路は、例えば、図1の光通信システム送信部10における信号多重化回路として用いられる。
【0020】
図4の信号多重化回路は、セレクタ回路41乃至43、トグルフリップフロップ44、及びバッファ45乃至49を含む。
【0021】
図5は、図4の信号多重化回路の動作を示す信号タイミング図である。以下に、図5を参照して図4の回路の動作を説明する。
【0022】
図4(a)に示されるクロック信号CLKが、トグルフリップフロップ44により1/2分周されて、クロック信号CLKと同位相関係にあるクロック信号E(図4(b))と、クロック信号Eとは位相が90°ずれたクロック信号F(図4(c))とが生成される。クロック信号Eはセレクタ回路41に供給され、クロック信号Fはセレクタ回路42に供給される。セレクタ回路41にバッファ45及び46を介して入力されるデータ信号D1及びD3(図4(d)及び(e))は、クロック信号E(図4(f))と同期がとれている。セレクタ回路41は、クロック信号Eに基づいてデータ選択し、データ信号D1及びD3が多重化された多重化信号A(図4(g))を生成する。またセレクタ回路42にバッファ47及び48を介して入力されるデータ信号D2及びD4(図4(h)及び(i))は、クロック信号F(図4(j))と同期がとれている。セレクタ回路42は、クロック信号Fに基づいてデータ選択し、データ信号D2及びD4が多重化された多重化信号B(図4(k))を生成する。
【0023】
このようにして生成された多重化信号A及びBは、互いに位相が90°ずれた信号であり、セレクタ回路43に供給される。
【0024】
セレクタ回路43は、クロック信号CLK(図4(n))に基づいてデータ選択することで、多重化信号A及びBを更に多重化した多重化信号Q(図4(o))を生成する。このようにして、信号D1乃至D4が多重化された信号である多重化信号Qが得られる。
【0025】
上記構成において、トグルフリップフロップ44が互いに90°位相がずれたクロック信号E及びFを生成し、これらのクロック信号に基づいてセレクタ回路41及び42がデータ選択することで、互いに90°位相がずれた多重化信号A及びBを生成する。このように互いに90°位相をずらすことで、セレクタ回路43において、クロック信号CLKに対して選択対象の信号A及びBにタイミング余裕が生じる。この結果、例えばクロック信号CLKの位相が多少早くなっても、正しく信号を多重化することができる。即ち、高速な動作においても信頼性のあるデータ多重化を行うことができる。
【0026】
なお図4及び図5に示すのは、4つのデータ信号D1乃至D4を多重化する回路の例であるが、同様にして任意の数のデータ信号を多重化することができる。例えば、図4に示す信号多重化回路を2つ並列に並べ、それぞれの信号多重化回路で4つのデータ信号を多重化し、得られた2つの多重化信号を2対1のセレクタ回路により選択することで、8対1の多重化を行うことができる。その際、最終段の2対1のセレクタ回路においても、互いに90°位相の異なるクロック信号を必要に応じて使用することができる。
【0027】
このように本発明による信号多重化回路においては、互いに90°位相がずれたクロック信号を使用するので、図2の構成のように90°位相をずらすためにDラッチ25乃至29を設ける必要が無く、その分の電力消費及び回路面積を削減しながらも選択対象の信号を互いに90°位相をずらすことが可能となり、タイミングに余裕を持たせ、高速な動作において信頼性のあるデータ多重化を行うことができる。
【0028】
図6は、図4の信号多重化回路において使用されるトグルフリップフロップ44の構成の一例を示す回路図である。
【0029】
図6のトグルフリップフロップ44は、Dラッチ51及び52を含む。Dラッチ51には立ち上がりエッジトリガのクロック入力としてクロック信号CLKが供給され、Dラッチ52には立ち下がりエッジトリガのクロック入力としてクロック信号CLKが供給される。Dラッチ52の出力が反転入力としてDラッチ51に供給される。これによりトグルフリップフロップ44は、クロックの1サイクルごとに出力を反転するトグル動作を実行し、クロック信号CLKの1/2分周を実現する。またDラッチ51の出力信号とDラッチ52の出力信号とは、90°位相がずれた信号となる。Dラッチ51の出力がクロック信号Eに対応し、Dラッチ52の出力がクロック信号Fに対応する。図7に、クロック信号CLK及びトグルフリップフロップ44の2つのクロック出力の関係を示す。
【0030】
図8は、本発明による信号多重化回路の構成の変形例を示す回路図である。図8において、図4と同一の構成要素は同一の参照番号で示し、その説明は省略する。
【0031】
図8の信号多重化回路は、図4の信号多重化回路の構成に加えて、Dラッチ61乃至70を含む。
【0032】
Dラッチ61乃至65は、互いに同位相であるデータ信号D1及びD3を、互いに位相がずれたデータ信号にするために位相を調整するデータタイミング調整回路である。具体的には、クロック信号Eをクロック入力としてDラッチ61に供給し、クロック信号Eを反転クロック入力としてDラッチ62に供給する。Dラッチ61と62とを直列に接続することで、データ信号D1をクロック信号Eの立ち上がりで取り込み、立ち下がりで出力することができる。またDラッチ63及び64により同様に、データ信号D3をクロック信号Eの立ち上がりにより取り込み立ち下がりで出力し、その出力を更にDラッチ65によりクロック信号Eの立ち上がりに揃える。これによりデータ信号D1はクロック信号Eの立ち下がりに同期して、データ信号D3はクロック信号Eの立ち上がりに同期することになる。
【0033】
またDラッチ66乃至70は、互いに同位相であるデータ信号D2及びD4を、互いに位相がずれたデータ信号にするために位相を調整するデータタイミング調整回路である。これらの回路は、図2の従来技術の構成において多重化信号の位相を90°ずらすために設けられるDラッチ25乃至29と同様の位相調整を、入力データ信号に対して行うものである。
【0034】
図4の構成では、データ信号D1及びD3を多重化するセレクタ回路41においては、データ信号D1及びD3とクロック信号Eとではエッジタイミングが揃っており、厳密なタイミング合わせが必要とされる。またデータ信号D2及びD4を多重化するセレクタ回路42においても同様であり、データ信号D2及びD4とクロック信号Fとではエッジタイミングが揃っており、厳密なタイミング合わせが必要となる。
【0035】
それに対して図8の構成では、セレクタ回路41において多重化するデータ信号D1及びD3を互いに位相がずれた信号とし、またセレクタ回路42において多重化するデータ信号D2及びD4を互いに位相がずれた信号とすることで、タイミングに余裕を持たせ、高速動作においても信頼性の高い多重化処理を実行できる。なお図4の構成と比較すると回路規模が増大し消費電力も増加することになるが、図2においてデータ信号D1乃至D4に対して同様の位相調整回路を付加する構成よりは、Dラッチ25乃至29が存在しない分、回路規模及び消費電力が少ないことになる。
【0036】
図9は、本発明による信号多重化回路の別の実施例を示す回路図である。図9において、図4と同一の構成要素は同一の参照番号で示し、その説明は省略する。
【0037】
図9の回路は、図4の構成におけるトグルフリップフロップ44の代わりに、1/2分周回路71及び遅延回路72を含む。1/2分周回路71は、クロック信号CLKを1/2分周して、周波数が1/2のクロック信号を生成する。遅延回路72は、周波数が1/2のクロック信号を所定の時間だけ遅延することにより、90°位相のずれたクロック信号を生成する。即ち、遅延回路72の遅延時間は、周波数が1/2のクロック信号の1クロックサイクルの1/4に等しい期間に設定されている。
【0038】
図9の構成では、単純な遅延素子からなる遅延回路72によって90°の位相差を生成することができるが、遅延回路72の遅延時間が固定であるために、クロックサイクルを可変とするようなシステムに使用することは出来ない。
【0039】
図10は、図2の従来技術の信号多重化回路に対してリタイマーを付加した構成を示す図である。図11は、図4の本発明による信号多重化回路に対してリタイマーを付加した構成を示す図である。このようなリタイマーを付加する構成においては、従来技術の信号多重化回路と本発明による信号多重化回路とで、消費電力及び回路規模に更なる差が生じる。
【0040】
リタイマー回路は、タイミングを規定するクロック信号CLKに対して、出力信号のタイミングが合っていない場合或いはタイミングが合っていない可能性がある場合に、出力段においてクロック信号CLKに出力信号のタイミングを揃えるための回路である。図10の従来技術の構成においては、1/2分周器81の入力であるクロック信号CLKをリタイマー回路82に供給し、セレクタ回路23からの出力信号のタイミングをクロック信号CLKに合わせている。ここでリタイマー回路82は、Dラッチ101及び102を含み、クロック信号CLKのエッジタイミングで出力信号をラッチする構成となっている。図10に示されるように、従来技術の構成では、セレクタ回路23への入力信号の遅延を考慮してセレクタ回路23へのクロック入力経路にバッファ83を設け、更にセレクタ回路23での遅延を考慮してリタイマー回路82へのクロック入力経路にバッファ84を設けている。
【0041】
図11は、図4の本発明による信号多重化回路に対してリタイマーを付加した構成を示す。図11の本発明による構成においては、1/2分周器91の入力であるクロック信号CLKをリタイマー回路92に供給し、セレクタ回路43からの出力信号のタイミングをクロック信号CLKに合わせている。ここでリタイマー回路92は、Dラッチ111及び112を含み、クロック信号CLKのエッジタイミングで出力信号をラッチする構成となっている。
【0042】
図11に示される本発明による構成では、セレクタ回路43への入力信号の遅延がないので、セレクタ回路43へのクロック入力経路に図10のバッファ83のようなタイミング調整用のバッファを設ける必要が無い。この結果、セレクタ回路43での遅延を考慮してリタイマー回路92へのクロック入力経路に設けるバッファ94の数は、図10のバッファ84の数に比較して1つ減らすことができる。即ち図10の構成では、セレクタ回路23への入力信号の遅延を考慮した分のバッファを、セレクタ回路23及びリタイマー回路82へのクロック入力経路に1つずつ挿入する必要があるが、図11の構成では、セレクタ回路43への入力信号の遅延が無いので、この分のバッファを挿入する必要が無い。従って、図11の構成では、図10の構成と比較して、セレクタ回路43及びリタイマー回路92へのクロック入力経路においてそれぞれバッファの数を1つ少なくすることができる。
【0043】
このように本発明の構成においては、リタイマー回路を付加する場合に、従来技術の信号多重化回路と比較して、消費電力及び回路規模を更に削減することができる。
【0044】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
【発明の効果】
本発明による信号多重化回路においては、互いに90°位相がずれたクロック信号を使用するので、従来の構成のようにデータ信号の位相を90°ずらすためのDラッチ群を設ける必要が無く、その分の電力消費及び回路面積を削減しながらも選択対象の信号を互いに90°位相をずらすことが可能となり、タイミングに余裕を持たせ、高速な動作において信頼性のあるデータ多重化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光通信システム送信部の一般的な構成を示す図である。
【図2】従来の信号多重化回路の構成の一例を示す回路図である。
【図3】図2の信号多重化回路の動作を示す信号タイミング図である。
【図4】本発明による信号多重化回路の構成の一例を示す回路図である。
【図5】図4の信号多重化回路の動作を示す信号タイミング図である。
【図6】図4の信号多重化回路において使用されるトグルフリップフロップの構成の一例を示す回路図である。
【図7】クロック信号及びトグルフリップフロップの2つのクロック出力の関係を示す図である。
【図8】本発明による信号多重化回路の構成の変形例を示す回路図である。
【図9】本発明による信号多重化回路の別の実施例を示す回路図である。
【図10】図2の従来技術の信号多重化回路に対してリタイマーを付加した構成を示す図である。
【図11】図4の本発明による信号多重化回路に対してリタイマーを付加した構成を示す図である。
【符号の説明】
10 光通信システム送信部
11 信号多重化回路
12 PLL回路
13 増幅器
14 レーザーダイオード
15 変調器
41、42、43 セレクタ回路
44 トグルフリップフロップ
45、46、47、48、49 バッファ
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に信号多重化回路に関し、詳しくは光通信システム送信部等で使用される高速に動作可能な信号多重化回路に関する。
【従来の技術】
光通信システム送信部では、信号多重化回路によりデータ信号を多重化し、多重化後のデータ信号に基づいて光信号を変調することにより、光ファイバを介して受信端にデータ送信を行う。このような光通信システムは高い周波数での高速な動作を行う必要があり、高い周波数で充分な信頼性をもって動作可能な信号多重化回路が要求される。
【0002】
図1は、光通信システム送信部の一般的な構成を示す図である。
【0003】
図1の光通信システム送信部10は、信号多重化回路11、PLL回路12、増幅器13、レーザーダイオード14、及び変調器15を含む。PLL回路12は、データ信号に同期する参照クロック信号CLKに基づいてフィードバックループによる位相固定動作を実行し、クロック信号CLKを生成する。クロック信号CLKは、信号多重化回路11に供給される。
【0004】
信号多重化回路11は、Nチャネルの入力データを受け取り、クロック信号CLKに基づいて入力データを多重化する。多重化された信号は、増幅器13により増幅され変調器15に供給される。変調器15は、増幅器13から供給される多重化信号に基づいて、レーザーダイオード14が発生するレーザー光を多重化する。多重化された信号は、光ファイバ16を介して受信端に伝送される。
【0005】
図2は、従来の信号多重化回路11の構成の一例を示す回路図である。
【0006】
図2の信号多重化回路11は、セレクタ回路21乃至23、トグルフリップフロップ24、Dラッチ25乃至29、及びバッファ30乃至34を含む。
【0007】
図3は、図2の信号多重化回路11の動作を示す信号タイミング図である。以下に、図3を参照して図2の回路の動作を説明する。
【0008】
図3(k)或いは(n)に示されるクロック信号CLKが、トグルフリップフロップ24により1/2分周されて、図3(c)又は(g)に示されるクロック信号Eが生成される。このクロック信号Eは、セレクタ回路21及び22に供給される。セレクタ回路21にバッファ30及び31を介して入力されるデータ信号D1及びD3(図3(a)及び(b))は、クロック信号E(図3(c))と同期がとれている。セレクタ回路21は、クロック信号Eに基づいてデータ選択し、データ信号D1及びD3が多重化された多重化信号A(図3(d))を生成する。またセレクタ回路22にバッファ32及び33を介して入力されるデータ信号D2及びD4(図3(e)及び(f))は、クロック信号E(図3(g))と同期がとれている。セレクタ回路22は、クロック信号Eに基づいてデータ選択し、データ信号D2及びD4が多重化された多重化信号B(図3(h))を生成する。
【0009】
多重化信号A(図3(i))は、クロック信号CLKをタイミング信号とするDラッチ25及び26によりラッチされ、クロック信号CLK(図3(k))の立ち下がりに同期した多重化信号C(図3(l))となる。また多重化信号B(図3(j))は、クロック信号CLKをタイミング信号とするDラッチ27乃至29によりラッチされ、クロック信号CLK(図3(k))の立ち上がりに同期した多重化信号D(図3(m))となる。このようにして生成された多重化信号C及びDは、セレクタ回路23に供給される。
【0010】
セレクタ回路23は、クロック信号CLK(図3(n))に基づいてデータ選択することで、多重化信号C及びDを更に多重化した多重化信号Q(図3(o))を生成する。このようにして、信号D1乃至D4が多重化された信号である多重化信号Qが得られる。
【0011】
上記構成において、Dラッチ25乃至29は、互いに同位相である多重化信号A及びBから、互いに90°位相がずれた多重化信号C及びDを生成するために設けられる。このように互いに90°位相をずらすことで、セレクタ回路23において、クロック信号CLKに対して選択対象の信号C及びDにタイミング余裕が生じる。この結果、例えばクロック信号CLKの位相が多少早くなっても、正しく信号を多重化することができる。即ち、互いに同位相である多重化信号A及びBを、これらの信号にエッジタイミングが揃ったクロック信号CLKにより選択する場合には、少しでもクロック信号CLKのタイミングがずれると正しい信号多重化結果が得られない。それに対して、図2の構成のように選択対象の信号を互いに90°位相をずらすことで、タイミング余裕が生じ、高速な動作においても信頼性のあるデータ多重化を行うことができる。
【0012】
なお図2及び図3に示すのは、4つのデータ信号D1乃至D4を多重化する回路の例であるが、同様にして任意の数のデータ信号を多重化することができる。例えば、図2に示す信号多重化回路を2つ並列に並べ、それぞれの信号多重化回路で4つのデータ信号を多重化し、得られた2つの多重化信号を2対1のセレクタ回路により選択することで、8対1の多重化を行うことができる。その際、最終段の2対1のセレクタ回路の前段にも、90°位相調整を行うDラッチを必要に応じて設けることができる。
【0013】
またデジタルデータの並列直列変換に関連して、高速に動作可能な並列直列変換回路が従来技術にある(特許文献1)。
【0014】
【特許文献1】
特開平9−6591号公報。
【発明が解決しようとする課題】
上記の信号多重化回路11においては、Dラッチが5つ必要となり、その分の消費電力及び回路面積が増大する。またこれらのDラッチには高速で確実に動作することが要求されると共に、Dラッチにより生じる信号遅延に対して、次段におけるクロック信号CLKとのタイミング合わせが必要になる。
【0015】
以上を鑑みて、本発明は、消費電力及び回路面積を必要最小限に抑えながら、高速で確実な動作の可能な信号多重化回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明による信号多重化回路は、第1のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第1のセレクタ回路と、第2のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第2のセレクタ回路と、該第1のクロック信号と該第2のクロック信号とを互いに90°位相のずれた信号として生成するクロック制御回路を含むことを特徴とする。
【0016】
上記信号多重化回路においては、互いに90°位相がずれたクロック信号を使用するので、従来の構成のようにデータ信号の位相を90°ずらすためのDラッチ群を設ける必要が無く、その分の電力消費及び回路面積を削減しながらも選択対象の信号を互いに90°位相をずらすことが可能となり、タイミングに余裕を持たせ、高速な動作において信頼性のあるデータ多重化を行うことができる。
【0017】
また本発明による光通信システム送信器は、信号多重化回路と、該信号多重化回路の出力を増幅する増幅回路と、該増幅回路の出力により光信号を変調する変調回路を含み、該信号多重化回路は、第1のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第1のセレクタ回路と、第2のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第2のセレクタ回路と、該第1のクロック信号と該第2のクロック信号とを互いに90°位相のずれた信号として生成するクロック制御回路を含むことを特徴とする。
【0018】
上記光通信システム送信器においては、電力消費及び回路面積を削減しながらもタイミングに余裕を持たせ、高速な動作において信頼性のあるデータ多重化を行うことができる。
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
図4は、本発明による信号多重化回路の構成の一例を示す回路図である。この信号多重化回路は、例えば、図1の光通信システム送信部10における信号多重化回路として用いられる。
【0020】
図4の信号多重化回路は、セレクタ回路41乃至43、トグルフリップフロップ44、及びバッファ45乃至49を含む。
【0021】
図5は、図4の信号多重化回路の動作を示す信号タイミング図である。以下に、図5を参照して図4の回路の動作を説明する。
【0022】
図4(a)に示されるクロック信号CLKが、トグルフリップフロップ44により1/2分周されて、クロック信号CLKと同位相関係にあるクロック信号E(図4(b))と、クロック信号Eとは位相が90°ずれたクロック信号F(図4(c))とが生成される。クロック信号Eはセレクタ回路41に供給され、クロック信号Fはセレクタ回路42に供給される。セレクタ回路41にバッファ45及び46を介して入力されるデータ信号D1及びD3(図4(d)及び(e))は、クロック信号E(図4(f))と同期がとれている。セレクタ回路41は、クロック信号Eに基づいてデータ選択し、データ信号D1及びD3が多重化された多重化信号A(図4(g))を生成する。またセレクタ回路42にバッファ47及び48を介して入力されるデータ信号D2及びD4(図4(h)及び(i))は、クロック信号F(図4(j))と同期がとれている。セレクタ回路42は、クロック信号Fに基づいてデータ選択し、データ信号D2及びD4が多重化された多重化信号B(図4(k))を生成する。
【0023】
このようにして生成された多重化信号A及びBは、互いに位相が90°ずれた信号であり、セレクタ回路43に供給される。
【0024】
セレクタ回路43は、クロック信号CLK(図4(n))に基づいてデータ選択することで、多重化信号A及びBを更に多重化した多重化信号Q(図4(o))を生成する。このようにして、信号D1乃至D4が多重化された信号である多重化信号Qが得られる。
【0025】
上記構成において、トグルフリップフロップ44が互いに90°位相がずれたクロック信号E及びFを生成し、これらのクロック信号に基づいてセレクタ回路41及び42がデータ選択することで、互いに90°位相がずれた多重化信号A及びBを生成する。このように互いに90°位相をずらすことで、セレクタ回路43において、クロック信号CLKに対して選択対象の信号A及びBにタイミング余裕が生じる。この結果、例えばクロック信号CLKの位相が多少早くなっても、正しく信号を多重化することができる。即ち、高速な動作においても信頼性のあるデータ多重化を行うことができる。
【0026】
なお図4及び図5に示すのは、4つのデータ信号D1乃至D4を多重化する回路の例であるが、同様にして任意の数のデータ信号を多重化することができる。例えば、図4に示す信号多重化回路を2つ並列に並べ、それぞれの信号多重化回路で4つのデータ信号を多重化し、得られた2つの多重化信号を2対1のセレクタ回路により選択することで、8対1の多重化を行うことができる。その際、最終段の2対1のセレクタ回路においても、互いに90°位相の異なるクロック信号を必要に応じて使用することができる。
【0027】
このように本発明による信号多重化回路においては、互いに90°位相がずれたクロック信号を使用するので、図2の構成のように90°位相をずらすためにDラッチ25乃至29を設ける必要が無く、その分の電力消費及び回路面積を削減しながらも選択対象の信号を互いに90°位相をずらすことが可能となり、タイミングに余裕を持たせ、高速な動作において信頼性のあるデータ多重化を行うことができる。
【0028】
図6は、図4の信号多重化回路において使用されるトグルフリップフロップ44の構成の一例を示す回路図である。
【0029】
図6のトグルフリップフロップ44は、Dラッチ51及び52を含む。Dラッチ51には立ち上がりエッジトリガのクロック入力としてクロック信号CLKが供給され、Dラッチ52には立ち下がりエッジトリガのクロック入力としてクロック信号CLKが供給される。Dラッチ52の出力が反転入力としてDラッチ51に供給される。これによりトグルフリップフロップ44は、クロックの1サイクルごとに出力を反転するトグル動作を実行し、クロック信号CLKの1/2分周を実現する。またDラッチ51の出力信号とDラッチ52の出力信号とは、90°位相がずれた信号となる。Dラッチ51の出力がクロック信号Eに対応し、Dラッチ52の出力がクロック信号Fに対応する。図7に、クロック信号CLK及びトグルフリップフロップ44の2つのクロック出力の関係を示す。
【0030】
図8は、本発明による信号多重化回路の構成の変形例を示す回路図である。図8において、図4と同一の構成要素は同一の参照番号で示し、その説明は省略する。
【0031】
図8の信号多重化回路は、図4の信号多重化回路の構成に加えて、Dラッチ61乃至70を含む。
【0032】
Dラッチ61乃至65は、互いに同位相であるデータ信号D1及びD3を、互いに位相がずれたデータ信号にするために位相を調整するデータタイミング調整回路である。具体的には、クロック信号Eをクロック入力としてDラッチ61に供給し、クロック信号Eを反転クロック入力としてDラッチ62に供給する。Dラッチ61と62とを直列に接続することで、データ信号D1をクロック信号Eの立ち上がりで取り込み、立ち下がりで出力することができる。またDラッチ63及び64により同様に、データ信号D3をクロック信号Eの立ち上がりにより取り込み立ち下がりで出力し、その出力を更にDラッチ65によりクロック信号Eの立ち上がりに揃える。これによりデータ信号D1はクロック信号Eの立ち下がりに同期して、データ信号D3はクロック信号Eの立ち上がりに同期することになる。
【0033】
またDラッチ66乃至70は、互いに同位相であるデータ信号D2及びD4を、互いに位相がずれたデータ信号にするために位相を調整するデータタイミング調整回路である。これらの回路は、図2の従来技術の構成において多重化信号の位相を90°ずらすために設けられるDラッチ25乃至29と同様の位相調整を、入力データ信号に対して行うものである。
【0034】
図4の構成では、データ信号D1及びD3を多重化するセレクタ回路41においては、データ信号D1及びD3とクロック信号Eとではエッジタイミングが揃っており、厳密なタイミング合わせが必要とされる。またデータ信号D2及びD4を多重化するセレクタ回路42においても同様であり、データ信号D2及びD4とクロック信号Fとではエッジタイミングが揃っており、厳密なタイミング合わせが必要となる。
【0035】
それに対して図8の構成では、セレクタ回路41において多重化するデータ信号D1及びD3を互いに位相がずれた信号とし、またセレクタ回路42において多重化するデータ信号D2及びD4を互いに位相がずれた信号とすることで、タイミングに余裕を持たせ、高速動作においても信頼性の高い多重化処理を実行できる。なお図4の構成と比較すると回路規模が増大し消費電力も増加することになるが、図2においてデータ信号D1乃至D4に対して同様の位相調整回路を付加する構成よりは、Dラッチ25乃至29が存在しない分、回路規模及び消費電力が少ないことになる。
【0036】
図9は、本発明による信号多重化回路の別の実施例を示す回路図である。図9において、図4と同一の構成要素は同一の参照番号で示し、その説明は省略する。
【0037】
図9の回路は、図4の構成におけるトグルフリップフロップ44の代わりに、1/2分周回路71及び遅延回路72を含む。1/2分周回路71は、クロック信号CLKを1/2分周して、周波数が1/2のクロック信号を生成する。遅延回路72は、周波数が1/2のクロック信号を所定の時間だけ遅延することにより、90°位相のずれたクロック信号を生成する。即ち、遅延回路72の遅延時間は、周波数が1/2のクロック信号の1クロックサイクルの1/4に等しい期間に設定されている。
【0038】
図9の構成では、単純な遅延素子からなる遅延回路72によって90°の位相差を生成することができるが、遅延回路72の遅延時間が固定であるために、クロックサイクルを可変とするようなシステムに使用することは出来ない。
【0039】
図10は、図2の従来技術の信号多重化回路に対してリタイマーを付加した構成を示す図である。図11は、図4の本発明による信号多重化回路に対してリタイマーを付加した構成を示す図である。このようなリタイマーを付加する構成においては、従来技術の信号多重化回路と本発明による信号多重化回路とで、消費電力及び回路規模に更なる差が生じる。
【0040】
リタイマー回路は、タイミングを規定するクロック信号CLKに対して、出力信号のタイミングが合っていない場合或いはタイミングが合っていない可能性がある場合に、出力段においてクロック信号CLKに出力信号のタイミングを揃えるための回路である。図10の従来技術の構成においては、1/2分周器81の入力であるクロック信号CLKをリタイマー回路82に供給し、セレクタ回路23からの出力信号のタイミングをクロック信号CLKに合わせている。ここでリタイマー回路82は、Dラッチ101及び102を含み、クロック信号CLKのエッジタイミングで出力信号をラッチする構成となっている。図10に示されるように、従来技術の構成では、セレクタ回路23への入力信号の遅延を考慮してセレクタ回路23へのクロック入力経路にバッファ83を設け、更にセレクタ回路23での遅延を考慮してリタイマー回路82へのクロック入力経路にバッファ84を設けている。
【0041】
図11は、図4の本発明による信号多重化回路に対してリタイマーを付加した構成を示す。図11の本発明による構成においては、1/2分周器91の入力であるクロック信号CLKをリタイマー回路92に供給し、セレクタ回路43からの出力信号のタイミングをクロック信号CLKに合わせている。ここでリタイマー回路92は、Dラッチ111及び112を含み、クロック信号CLKのエッジタイミングで出力信号をラッチする構成となっている。
【0042】
図11に示される本発明による構成では、セレクタ回路43への入力信号の遅延がないので、セレクタ回路43へのクロック入力経路に図10のバッファ83のようなタイミング調整用のバッファを設ける必要が無い。この結果、セレクタ回路43での遅延を考慮してリタイマー回路92へのクロック入力経路に設けるバッファ94の数は、図10のバッファ84の数に比較して1つ減らすことができる。即ち図10の構成では、セレクタ回路23への入力信号の遅延を考慮した分のバッファを、セレクタ回路23及びリタイマー回路82へのクロック入力経路に1つずつ挿入する必要があるが、図11の構成では、セレクタ回路43への入力信号の遅延が無いので、この分のバッファを挿入する必要が無い。従って、図11の構成では、図10の構成と比較して、セレクタ回路43及びリタイマー回路92へのクロック入力経路においてそれぞれバッファの数を1つ少なくすることができる。
【0043】
このように本発明の構成においては、リタイマー回路を付加する場合に、従来技術の信号多重化回路と比較して、消費電力及び回路規模を更に削減することができる。
【0044】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
【発明の効果】
本発明による信号多重化回路においては、互いに90°位相がずれたクロック信号を使用するので、従来の構成のようにデータ信号の位相を90°ずらすためのDラッチ群を設ける必要が無く、その分の電力消費及び回路面積を削減しながらも選択対象の信号を互いに90°位相をずらすことが可能となり、タイミングに余裕を持たせ、高速な動作において信頼性のあるデータ多重化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光通信システム送信部の一般的な構成を示す図である。
【図2】従来の信号多重化回路の構成の一例を示す回路図である。
【図3】図2の信号多重化回路の動作を示す信号タイミング図である。
【図4】本発明による信号多重化回路の構成の一例を示す回路図である。
【図5】図4の信号多重化回路の動作を示す信号タイミング図である。
【図6】図4の信号多重化回路において使用されるトグルフリップフロップの構成の一例を示す回路図である。
【図7】クロック信号及びトグルフリップフロップの2つのクロック出力の関係を示す図である。
【図8】本発明による信号多重化回路の構成の変形例を示す回路図である。
【図9】本発明による信号多重化回路の別の実施例を示す回路図である。
【図10】図2の従来技術の信号多重化回路に対してリタイマーを付加した構成を示す図である。
【図11】図4の本発明による信号多重化回路に対してリタイマーを付加した構成を示す図である。
【符号の説明】
10 光通信システム送信部
11 信号多重化回路
12 PLL回路
13 増幅器
14 レーザーダイオード
15 変調器
41、42、43 セレクタ回路
44 トグルフリップフロップ
45、46、47、48、49 バッファ
Claims (10)
- 第1のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第1のセレクタ回路と、
第2のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第2のセレクタ回路と、
該第1のクロック信号と該第2のクロック信号とを互いに90°位相のずれた信号として生成するクロック制御回路
を含むことを特徴とする信号多重化回路。 - 該第1のセレクタ回路の出力と該第2のセレクタ回路の出力とを第3のクロック信号に同期して多重化する第3のセレクタ回路を更に含むことを特徴とする請求項1記載の信号多重化回路。
- 該クロック制御回路は、該第3のクロック信号に基づいて該第3のクロック信号の1/2の周波数を有する該第1のクロック信号及び該第2のクロック信号を生成することを特徴とする請求項2記載の信号多重化回路。
- 該クロック制御回路は、
該第3のクロック信号をクロック入力とする第1のラッチ回路と、
該第3のクロック信号を反転クロック入力とし該第1のラッチ回路の出力をデータ入力とする第2のラッチ回路
を含み、該第2のラッチ回路の出力の反転信号を該第1のラッチ回路のデータ入力とし、該第1のクロック信号は該第1のラッチ回路の出力であり、該第2のクロック信号は該第2のラッチ回路の出力であることを特徴とする請求項3記載の信号多重化回路。 - 該クロック制御回路は、
該第3のクロック信号を1/2分周して該第1のクロック信号を生成する回路と、
該第1のクロック信号を所定の時間だけ遅延させる遅延回路
を含むことを特徴とする請求項3記載の信号多重化回路。 - 該第1のセレクタ回路に入力される該2つのデータ信号の位相を互いにずらす第1のデータタイミング調整回路と、
該第2のセレクタ回路に入力される該2つのデータ信号の位相を互いにずらす第2のデータタイミング調整回路
を更に含むことを特徴とする請求項1記載の信号多重化回路。 - 該第1のデータタイミング調整回路は該第1のクロック信号に基づいてタイミング調整を行い、該第2のデータタイミング調整回路は該第2のクロック信号に基づいてタイミング調整を行うことを特徴とする請求項6記載の信号多重化回路。
- 信号多重化回路と、
該信号多重化回路の出力を増幅する増幅回路と、
該増幅回路の出力により光信号を変調する変調回路
を含み、該信号多重化回路は、
第1のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第1のセレクタ回路と、
第2のクロック信号に同期して2つのデータ信号を多重化する第2のセレクタ回路と、
該第1のクロック信号と該第2のクロック信号とを互いに90°位相のずれた信号として生成するクロック制御回路
を含むことを特徴とする光通信システム送信器。 - 該信号多重化回路は、該第1のセレクタ回路の出力と該第2のセレクタ回路の出力とを第3のクロック信号に同期して多重化する第3のセレクタ回路を更に含むことを特徴とする請求項8記載の光通信システム送信器。
- 該クロック制御回路は、該第3のクロック信号に基づいて該第3のクロック信号の1/2の周波数を有する該第1のクロック信号及び該第2のクロック信号を生成することを特徴とする請求項8記載の光通信システム送信器。
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