JP4202778B2 - 受信回路および送信回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロックと同期してデータ信号処理を行う通信用の送信回路および受信回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、データ通信容量を増大させるために、通信システムの伝送速度の向上が求められており、システムの要素回路には高速性能が必須である。特に光通信用回路は、光ファイバの超高速な伝達特性を最大限に利用するため、動作速度の向上が強く求められている。
【0003】
ここで、伝送速度の限界となる要因について説明する。通信用回路では正確なタイミングで伝送を行うため、外部の基準クロックに同期して動作する。送信時はクロック信号を用いてデータ波形を整形して送信を行い、受信時は受信したデータ波形から抽出したクロック信号を用いて識別する。クロック信号がデータの送信や受信のタイミングを決定しているため、クロック信号の最高周波数がそのまま通信回路において必要な最高動作速度を決定している。
【0004】
すなわち、通信用回路の中ではクロック信号が最も高い周波数成分を持つため、そのクロック信号処理回路の動作速度の上限は少なくともクロック信号周波数を上回らなければならない。また、高周波においては、回路を構成するデバイス特性や配線寄生素子の影響により、クロック信号処理回路の動作周波数の上限が決定される。クロック信号処理回路に動作周波数以上のクロック信号が入力された場合には、クロック信号の振幅が減少し、そのために例えばフリップフロップなどのクロック同期型の回路の動作に誤りが生じる。したがって、クロック信号処理回路の最高動作周波数は、通信用回路の動作速度を決定する重要な要素である。
【0005】
このような光通信用回路において、図2に示すように、クロック同期型の回路を用いて構成した送信回路と受信器とが光ファイバにより接続されるシステムが知られている(例えば、非特許文献1のFig.1参照。以下、「従来例1」と呼ぶ)。
【0006】
図2において、送信回路TRMには並列データ信号と、クロック信号が入力される。マルチプレクサ(MUX)30は、並列データ信号を直列データ信号に時分割多重化する回路である。伝送速度f1/m[b/s]でm並列のデータ信号を伝送速度f1[b/s]の直列データ信号に多重化することができる。ここで、mは2のべき乗であり、図2ではm=4の場合を示している。多重化されたデータ信号は、レーザダイオード40、変調器41、およびドライバ42からなる電気・光変換器を経て光信号に変換される。
【0007】
光ファイバ33を経て受信回路RCVに入力された光信号は、フォトダイオード31、プリアンプ32、およびメインアンプ35により電気信号へと変換、増幅される。この信号が分岐されて、一方は識別器36へ、もう一方はクロック抽出回路2aへと入力される。クロック抽出回路2aはデータ信号からクロック信号を再生する回路である。識別器36は再生されたクロック信号を用いて正確なタイミングでデータの符号を判別して出力し、デマルチプレクサ(DEMUX)回路34に入力する。デマルチプレクサ回路34は、再生されたクロック信号を分周回路20で周波数f1/2[Hz]にしたクロック信号を用いて、伝送速度f1[b/s]の直列データ信号をf1/m[b/s]の伝送速度でm並列のデータ信号に分離して出力する。この構成により、電気回路で容易に扱えるf1/m[b/s]の伝送速度のデータ信号をm並列同時に一本の光ファイバで伝送することができる。図2では伝送速度10[Gb/s]の送信器に、周波数5[GHz]の外部クロックを入力している。
【0008】
光伝送システムに実際に通信用回路を適用する場合は、出力波形のジッタの低減を図り、通信誤りを極力少なくするためリタイミングを行うことが強く求められる。そのため、マルチプレクサMUXの出力の後段に、図3(例えば、非特許文献2のFig.1参照、以下、「従来例2」と呼ぶ)に示すようにリタイミングを行うマスタースレーブDフリップフロップMSを配置し、伝送速度f1[b/s]の速度に対して、周波数f1[Hz]のクロック信号を入力して波形整形を行う。
【0009】
受信器側も同様に周波数f1[Hz]のクロック信号を入力して、識別器36を駆動し、正確に波形再生する。なお、図3において、参照符号MはマスタースレーブDフリップフロップのマスター、SはマスタースレーブDフリップフロップのスレーブを示している。また、20aは分周回路、23はデータ出力バッファ回路、24はクロック信号が適切なタイムスロットで入るようにクロック信号の位相調整を可能にする位相シフト回路、25はクロックバッファ回路、T1,T2は位相制御用の制御信号入力端子である。
【0010】
ここで、f1[b/s]の伝送速度でf1[Hz]の周波数のクロックを用いて動作させる方式をフルレート方式と呼ぶ。また、前述の図2に示した送信回路だけでなく、図4の回路(例えば、非特許文献1、Fig.16参照、以下、「従来例3」と呼ぶ)構成では、受信回路RCVについても伝送速度40[Gb/s]に対して、周波数20[GHz]のクロック信号を入力している。このように、f1[b/s]の伝送速度でf1/2[Hz]の周波数のクロック信号を用いて、送信回路、受信回路を動作させる方式をハーフレート方式と呼ぶ。
【0011】
【非特許文献1】
H.M.−レイン(H.-M.REIN)著、「10−40Gb/s 光ファイバTDMリンク用SiおよびSiGeバイポーラ ICs(Si and SiGe BIPOLAR ICs FOR 10 TO 40Gb/s OPTICAL-FIBER TDM LINKS)」、インターナショナル・ジャーナル・オブ・ハイスピード・エレクトロニクス・アンド・システムズ(International Journal of High Speed Electronics and Systems)1998年、第2巻、p.347−383(Vol.9, No.2, pp.347-383,1998),ワールド・サイエンティフィック出版会社(World Scientific Publishing Company)
【非特許文献2】
Z.H.ラオ他(Z.H.Lao,et al.)、「SDHシステム用12GbSiバイポーラ4:1マルチプレクサIC(A 12Gb/s Si Bipolar 4:1-Multiplexer IC for SDH Systems)」、アイ・イー・イー・イー・ジャーナル・オブ・ソリッド−ステートサーキッツ(IEEE Journal of Solid-State Circuits)、1995年、第30巻、p.129−132(Vol.30, No.2, pp.129-132)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
通信用回路の最高動作速度は、トランジスタや伝送線路の特性、回路構成によって決まり、特にクロック信号を処理する回路が重要である。フルレート方式の場合にはクロック信号が最も高い周波数成分を持っており、その信号が通る回路が回路全体の動作速度を決める。
【0013】
最も高い周波数のクロック信号を処理する回路としては、回路ブロック間の配線に信号を伝達するためのクロックバッファ回路、クロック同期回路を構成する位相周波数比較器、周波数制御発振器、フリップフロップなど複数のブロックがある。フリップフロップが動作する最大動作速度は、入力クロック信号の振幅が低速動作と同じ場合にトランジスタの最大スイッチング速度として得られる。
【0014】
しかしながら、実際の通信回路においては、フリップフロップ以外の、前述のクロックバッファ回路などでの帯域の制限により、最大動作速度に達する前に、クロック信号の振幅が減衰し、フリップフロップの誤動作が生じ、このときの動作速度が通信用回路の最大動作速度となる。
【0015】
したがって、最も高い周波数のクロック信号を処理するブロックを減らし、帯域の制限をなくすことにより、フリップフロップの最大動作速度まで通信用回路の動作速度を向上させることができる。このため、クロック信号の周波数を1/2にしてクロック信号処理の制限を緩和し、データ信号処理の限界まで動作させることができる前述した従来例2や従来例3のハーフレート方式が提案されている。
【0016】
ハーフレート方式は、クロック信号の立ち上がりのタイミングと、立ち下がりのタイミングのどちらも識別のタイミングに使用している。一方、フルレート方式は、識別・決定のタイミングは立ち上がりのとき、あるいは立ち下がりのときのどちらか片方だけを使用する。ハーフレート方式では、立ち上がりと立ち下がりの間隔が、データ信号の符号長と同じであればいいので、フルレート方式の1/2の周波数のクロック信号で、同じ伝送速度が実現できる。
【0017】
しかしながら、ハーフレート方式にはジッタが増加してエラーレートが低下する問題が生じる。この原因は、クロック信号が立ち上がるときと立ち下がるときでは、回路内の電流の経路が異なるため、充放電する寄生容量の値が違い、立ち上がり時間と立ち下り時間が異なるためである。特に前段のバッファにエミッタフォロワを利用している場合には、切替えのために供給する電流値が異なり、立ち上がり時間と立ち下がり時間に大きな差が生じる。この問題を解決するために立ち上がり時間と立ち下がり時間が同じになるような対称性を考慮した回路が求められるが、対称性と動作速度を両立させる回路を構成することは困難である。
【0018】
ハーフレート方式では、クロック信号の立ち上がり時と立ち下がり時の両方ともにデータ信号の切替えを行うことから、それぞれの時間の差によって切替えのタイミングがずれて、データ信号のデューティ比が変動する。デューティ比の変動のあるデータ信号には、大きなジッタが生じる。
【0019】
以上のように、従来の技術では、フルレート方式の場合はクロック信号の高い周波数の伝達が困難であるため動作速度の低下が起こり、ハーフレート方式の場合はジッタが増加するという問題があった。
【0020】
本発明の目的は、クロック信号処理回路の動作速度をフリップフロップの最大速度まで向上させ、かつ、ジッタの発生を抑えた受信回路および送信回路を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
(1). 本発明に係る受信回路の代表的なものは、f1を正の実数とする伝送速度f1[b/s]の1本のデータ信号を入力信号として前記データ信号に同期した周波数f1/n[Hz](nは、2以上の自然数)のクロック信号を再生して出力するクロック同期回路と、
j本(jは、1以上の自然数)の配線を介して前記クロック同期回路出力のクロック信号を入力として所定の逓倍率で逓倍クロック信号を出力するj個の逓倍器と、
前記クロック同期回路の入力と共通な1本を含めたj並列の入力端子、j×k並列の出力端子、およびj並列のクロック入力端子を有し、第j+1から第2×jの配線を介して前記逓倍クロック信号の立ち上がり時あるいは立ち下がり時のどちらか一方のみをタイミングの基準とし、前記j並列の入力端子に入力されたj本の、伝送速度f1[b/s]のデータ信号を識別再生、かつ、1:kの比率でデータ分離を行い、j×k本の伝送速度f1/k[b/s]のデータ信号へと変換するクロック同期デジタル回路とを備え、
前記クロック同期デジタル回路のj並列のデータ信号を入力とする端子を受信回路の入力端子とし、j×k並列のデータ信号を出力とする端子を受信回路の出力端子とし、前記クロック同期回路の出力端子と前記j個の逓倍器の入力端子とを結ぶ前記第1から第jの配線と、前記j個の逓倍器と前記デジタル回路のj並列のクロック入力端子とを結ぶ前記第j+1から第2×jの配線の内の、第1から第jの配線で生じる遅延の最大値t1max[s]と、第j+1から第2×jの配線で生じる遅延の最大値t2max[s]とは、遅延t2maxの方が小さく、かつ、遅延t2maxは前記逓倍器出力のクロック周期1/f1[s]の1/10以下となるように配置されていることを特徴とするものである。
(2). また、本発明に係る送信回路の代表的なものは、f1を正の実数、mを1以上の自然数、nを2以上の自然数とする周波数f1/m/n[Hz]のクロック信号を入力信号とし、前記入力クロック信号に同期した周波数f1/n[Hz]のクロック信号を出力信号とするクロック同期回路と、
前記クロック同期回路出力のクロック信号を第1から第j(jは、1以上の自然数)の配線を介して入力信号とし、所定の逓倍率で逓倍クロック信号を出力信号とするj個の逓倍器と、
j×k並列(kは2以上の自然数)のデータ信号の入力端子、j並列のデータ信号の出力端子、j並列のクロック入力端子を有し、第j+1から第2×jの配線を介して前記j本の逓倍クロック信号を前記j並列のクロック入力端子に印加して前記逓倍クロック信号の立ち上がり時あるいは立ち下がり時のどちらか一方のみをタイミングの基準とし、入力端子に入力されたj×k本の伝送速度f1/k[b/s]のデータ信号を識別再生、かつ、k:1の比率で時分割多重を行い、j本の伝送速度f1[b/s]のデータ信号へと変換するクロック同期デジタル回路とを備え、
前記クロック同期デジタル回路のj×k並列のデータ信号を入力とする端子を送信回路の入力端子とし、j並列のデータ出力信号を出力する端子を送信回路の出力端子とし、
前記クロック同期回路の出力端子と前記j個の逓倍器の入力端子とを結ぶ前記第1から第jの配線と、前記j個の逓倍器と前記デジタル回路のj並列のクロック入力端子とを結ぶ前記第j+1から第2×jの配線において、第1から第jの配線で生じる遅延の最大値t1max[s]と第j+1から第2×jの配線で生じる遅延の最大値t2max[s]とでは、遅延t2maxの方が小さく、かつ、遅延t2maxは前記逓倍器出力のクロック周期1/f1[s]の1/10以下となるよう配置されていることを特徴とするものである。
【0022】
また、前述の送信回路において、前記逓倍器は、排他的論理和回路と90°移相器からなり、前記逓倍器に入力される信号を分岐して、一方を前記排他的論理和回路の入力とし、分岐した他方の信号を前記90°移相器を介して前記排他的論理和回路の他方の入力とし、前記排他的論理和回路の出力を逓倍器の出力とすることを特徴とする送信回路。
(3). また、上記(1)の受信回路または上記(2)の送信回路おいて、
前記逓倍器に入力される信号は差動信号であり、
前記排他的論理和回路は前記差動信号を第1の入力信号とし、90°移相器の出力の差動信号を第2の入力信号とし、
前記逓倍器は、第1から第7のトランジスタと、第1から第3の抵抗と、第1から第3の定電圧の端子を具備し、
前記第1の入力信号の正相が前記第1及び第4のトランジスタのベースに入力され、
前記第1の入力信号の逆相が前記第2及び第4のトランジスタのベースに入力され、
前記第2の入力信号の正相が前記第5及び第6のトランジスタのベースに入力され、
前記第1及び第3のトランジスタの共通コレクタは、前記第1の抵抗を介して前記第1の定電圧の端子に接続され、
前記第2及び第4のトランジスタの共通コレクタは、前記第2の抵抗を介して前記第1の定電圧の端子へ接続され、
前記第5のトランジスタのコレクタは、前記第1及び第2のトランジスタの共通エミッタに接続され、
前記第6のトランジスタのコレクタは、前記第3及び第4のトランジスタの共通エミッタに接続され、
前記第7のトランジスタのコレクタは前記第5及び第6のトランジスタの共通エミッタに接続され、ベースは前記第3の定電圧の端子に接続し、エミッタは前記第3の抵抗を介して前記第2の定電圧の端子に接続され、
前記第1及び第3のトランジスタの共通コレクタを前記逓倍器の正相の出力端子とし、前記第2と第4のトランジスタの共通コレクタを前記逓倍器の逆相の出力端子として構成すれば好適である。
(4). また、上記(1)の受信回路または上記(2)の送信回路おいて、
前記逓倍器は、第1から第3のトランジスタと、第1の抵抗と、第1から第3の定電圧の端子とを具備し、
入力される差動信号の正相が前記第1のトランジスタのベースに入力され、逆相が前記第2のトランジスタのベースに入力され、
前記第1及び第2のトランジスタの共通コレクタが前記第1の定電圧の端子に接続され、共通エミッタが前記第3のトランジスタのコレクタに接続され、
前記第3のトランジスタのベースが前記第3の定電圧の端子に接続され、エミッタが前記第1の抵抗を介して前記第2の定電圧の端子に接続され、
前記第1及び第2のトランジスタの共通エミッタを出力端子として入力信号の全波整流波形を出力する構成としてもよい。
(5). また、上記(1)の受信回路または上記(2)の送信回路おいて、
前記逓倍器は、第1から第4のダイオードを具備し、
入力される差動信号の正相が前記第1のダイオードのアノードと、前記第3のダイオードのカソードに入力され、逆相が前記第2のダイオードのアノードと、
前記第4のダイオードのカソードに入力され、
前記第1及び第2のダイオードの共通カソードを第1の出力端子とし、前記第3及び第4の共通アノードを第2の出力端子として入力信号の全波整流波形を出力する構成としてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
<実施形態1>
図1は、本発明に係る受信回路および送信回路の第1の実施形態を示す回路図である。図1に示す受信回路1は、伝送速度f1[b/s]の直列データ信号をj本入力し、その1つのデータ信号から周波数f1/n[Hz](nは2以上の自然数)のクロック信号成分を抽出して再生するクロック同期回路(CDR:クロックデータリカバリ)2と、そのクロック信号の周波数をn倍にする逓倍器(MUL)3と、その逓倍したクロック信号CLK1をタイミングの基準として入力データ信号を識別再生するクロック同期デジタル回路(CSD)4とから構成される。
【0025】
クロック同期デジタル回路4の出力、すなわち受信回路の出力は、入力された直列データ信号を伝送速度f1/k[b/s]でj×k[チャネル(ch)]の並列信号に分離して出力する。
【0026】
クロック同期回路2の出力と逓倍器3の入力を結ぶ配線5は、遅延t1[s]を生じ、逓倍器3の出力とクロック同期デジタル回路4のクロック入力を結ぶ配線6は、遅延t2[s]を生じるとすると、遅延t1の最大値t1maxと遅延t2の最大値t2maxの関係は、t1max>t2maxとし、また配線6の遅延2の影響を小さくするために、遅延t2maxがクロック信号の周期1/f1[s]より1桁以上充分小さく、すなわち1/10以下となるように、配線6の遅延を考慮して、それぞれの回路を配置する。なお、配線13を介したクロック同期回路2の周波数f1/n[Hz]の出力が逓倍器を介さずにクロック信号CLK2としてクロック同期デジタル回路4へ入力されているが、このクロックCLK2は分離された並列信号の処理回路のように、f1/n[Hz]以下の周波数で同期して動作する回路のためのクロック信号である。
【0027】
この構成を用いることにより、クロック同期デジタル回路4がデータを識別・切換するタイミングは、フルレート方式と同様に1つの符号に1波長のクロック信号が対応するため、クロック信号の立ち上がり、あるいは立ち下がりのどちらか一方のみとなる。前述したハーフレート方式で生じるような、立ち上がりと立ち下がりの時間のずれによるジッタは発生しない。したがって、受信信号の識別位相余裕はハーフレート方式より大きくなる。
【0028】
一方、従来のフルレート方式では、その他にクロック同期回路を構成する回路ブロックとその間の配線でf1[Hz]のクロック信号を扱うため、クロック同期回路を構成する位相制御回路、クロック発生回路、配線寄生容量、配線の分岐などにより、いくつもの周波数帯域の制限要因が生じる。それに対して、本実施形態の構成では、回路内で最も高い周波数であるf1[Hz]のクロック信号を扱うのは、逓倍器3と、クロック同期デジタル回路4のクロック入力となるフリップフロップと、その間を結ぶ配線6のみであるため、配置を考慮することにより、周波数帯域の制限となる要素は、逓倍器とフリップフロップを構成するデバイスの特性だけで決まる。したがって、フリップフロップの最大動作速度とほぼ同じ速度まで、受信回路全体の伝送速度を向上することができる。よって、本実施形態の構成の受信回路は従来に比べて、ジッタを劣化させずに動作速度の向上が図れる。
【0029】
例えば、クロック同期回路2を構成する回路ブロックとクロック同期デジタル回路4とを結ぶ配線が長くなると、配線寄生容量による帯域の減少に伴い、クロック信号振幅の減衰が生じる。クロック同期回路2の出力端子の周波数帯域が抵抗と容量だけで決まり、クロック同期回路の帯域40GHz、出力抵抗20Ω、クロック同期デジタル回路4の入力容量200fFの回路に逓倍器3を用いないで接続したとすると、その間を接続する配線に200fFの配線容量がある場合、周波数帯域は20GHzに低下してしまう。
【0030】
回路の周波数帯域付近の高周波動作では、飽和動作せずに線形増幅の動作をすることから、40GHzのクロック信号の振幅は、7.0dB低下することになる。
【0031】
一方、本実施形態の構成のように、クロック同期回路2を20GHzのクロック信号で動作させ、寄生容量200fFのクロック信号配線を伝達し、クロック信号2倍の逓倍器3を用いて、クロック同期デジタル回路4に40GHzのクロック信号を入力した場合には、クロック同期回路2の振幅は、逓倍器3での減衰はないとすると、3.0dBの低下にとどまる。周波数1GHzのクロック信号の振幅が200mVとすると、逓倍器を使用しない場合、クロック信号振幅は89.3mVとなる。一方で逓倍器を使用する場合、クロック信号振幅は142mVとなる。
【0032】
クロック同期回路2の低周波利得が30dBとし、低速な雑音信号が3mV振幅で入力されたとすると、フリップフロップの入力端では94.9mVになり、逓倍器を用いない場合では誤動作がおきる。一方、逓倍器3を用いた場合には動作のマージンがあり、前者とおなじ振幅になるのは40GHz×2=80GHzであり、動作周波数の限界が高いことは明らかである。
【0033】
上記の例では、回路構成を仮定した場合であるが、通常、フリップフロップのデジタル回路の動作周波数の方が、線形利得の周波数帯域よりも高いため、上記例の回路構成や値によらずに、同様の現象が発生する。
【0034】
また、配線の遅延t2がクロック信号の周期1/f1の1/10以下となるように配置することにより、以下の理由により配線寄生容量が無視でき、デジタル回路の動作周波数まで動作させることができるようになる。
逓倍器の出力抵抗Rとフリップフロップの入力容量Cで決まる周波数帯域がクロック信号と同じ角周波数ω0=1/(RC)=2πf1とすると、配線の寄生容量C’は、C’≒C/10と近似できるので、クロック信号の振幅の減衰比は次式(1)のように表され、最大5%以下であり、配線は周波数帯域を決める主要因ではなくなる。逓倍器の出力抵抗Rは、クロックバッファと同様の回路を出力バッファに適用することによって、最適化が可能である。
【0035】
【数1】
また、前述した従来のフルレート方式では、クロック同期回路を構成する回路ブロックとその間の配線で、周波数f1[Hz]のクロック信号を扱う必要があるのに比較して、本実施形態の構成ではクロック同期回路の動作速度を1/nに低減することができ、周波数帯域とトレードオフの関係にある他の回路特性を向上させることができる。例えば、負荷駆動力の向上や、消費電力の低減、同期制御周波数範囲の向上、位相雑音の低減などが挙げられる。
【0036】
図1の送信回路7は、伝送速度f1/k[b/s]の直列データ信号をj×k[ch]並列で入力し、またデータ信号と同期した周波数f1/m/n[Hz]の基準クロック信号CLKを入力として、伝送速度f1[b/s]でj[ch]のデータ信号を出力する。
【0037】
送信回路7は、基準クロックRefCLKに同期してm倍の周波数f1/n[Hz]のクロック信号を出力するクロック制御回路(CMU:クロックマルチプライヤユニット)8と、その出力をn倍の周波数f1[Hz]のクロック信号に逓倍する逓倍器9と、その逓倍したクロック信号CLK1をタイミングの基準として時分割多重化と波形整形をして、伝送速度f1[b/s]でj[ch]のデータ信号を出力するクロック同期デジタル回路10とから構成され、クロック同期デジタル回路10の出力は、送信回路7の出力として、光ファイバなどの通信路CPを経て、受信回路1の入力へ伝達される。なお、配線14を介したクロック同期回路8の周波数f1/n[Hz]の出力が逓倍器を介さずにクロック同期デジタル回路10へクロック信号CLK2として入力されているが、このクロックCLK2は多重化される前の並列信号の処理回路のようにf1/n[Hz]以下の周波数で同期して動作する回路のためのクロック信号である。
【0038】
送信回路7も受信回路1と同様に、クロック制御回路8の出力と逓倍器9の入力を結ぶ配線11において遅延t1[s]を生じ、逓倍器9の出力とフリップフロップの入力を結ぶ配線12において遅延t2[s]を生じるとすると、遅延t1の最大値t1maxと遅延t2maxの関係は、t1max>t2maxとなるように、かつ遅延t2maxがクロック信号の周期1/f1[s]の1/10以下となるように、それぞれの回路を配置する。
【0039】
受信回路1と同様に、この構成を用いることにより、クロック同期デジタル回路10がデータ信号を出力・整形するタイミングは、1つの符号に1波長のクロック信号が対応するため、クロック信号の立ち上がり、あるいは立ち下がりのどちらか一方のみとなる。前述したハーフレート方式で生じるような、立ち上がりと立ち下がりの時間のずれによるジッタは発生しない。したがって、送信信号波形に生じるジッタはハーフレート方式より小さくなる。
【0040】
従来のフルレート方式では、その他にクロック同期回路を構成する回路ブロックとその間の配線で周波数f1[Hz]のクロック信号を扱うため、クロック同期回路を構成する位相制御回路、クロック発生回路、配線の分岐により、周波数帯域の制限が生じる。それに対して、本実施形態の構成では、回路内で最も高い周波数であるf1[Hz]のクロック信号を扱うのは、逓倍器9と、クロック同期デジタル回路10のクロック入力となるフリップフロップと、その間を結ぶ配線のみであるため、周波数帯域の制限となる要素は少なくなる。配線の遅延t2がクロック信号の周期1/f1の1/10以下となるように配置することにより、配線による帯域の減少は小さくなり、逓倍器とフリップフロップを構成するデバイスの特性で決まる。逓倍器の出力回路を最適化することは可能であるから、フリップフロップのほぼ最大動作速度まで、送信回路の伝送速度を向上させることが可能となる。よって、本発明の送信回路は従来の方式に比べて、ジッタの劣化が少なく、動作速度を向上できる。
【0041】
また、従来のフルレート方式では、クロック同期回路を構成する回路ブロックとその間の配線で、周波数f1[Hz]のクロック信号を扱う必要があるのに比較して、クロック同期回路の動作速度を1/nに低減することができ、周波数帯域とトレードオフの関係にある、負荷駆動力の向上や、消費電力の低減、同期制御周波数範囲の向上、位相雑音の低減などを図ることができる。
【0042】
なお、図1では示していないが、通信路CPに光ファイバを用いて、光信号により受信回路と送信回路間の通信を行う場合には、従来例1の図2と同様に、受信回路1の入力部に、光信号を電気信号に変換するための、光ファイバ数に対応した数のフォトダイオードと、各フォトダイオードの信号を増幅するフォトダイオードと同数の前置増幅器とを設け、各前置増幅器の出力をデータ信号として入力すればよい。また従来例1の図2と同様に、送信回路7の出力部に、データ信号出力を増幅するドライバと、光信号を発生させるレーザ発信器と、光信号をドライバ出力の変調信号に応じて変調した変調信号を出力する変調器とを設ければよい。以下の実施形態においても、光信号を用いる場合には同様である。
【0043】
<実施形態2>
図5は、本発明に係る受信回路および送信回路の第2の実施形態を示す回路図である。
【0044】
本実施形態の回路は、k並列の信号に対してk:1の時分割多重を行い、伝送速度f1[b/s]のデータを1本の伝送路で伝送し、再び1:kに時分割多重信号を分離して復元することができる送受信回路である。図5と以下の説明では、k=16として説明するが、kは2以上の自然数として実施できることはいうまでもない。
【0045】
図5において、受信回路(RCV)1aは、伝送速度f1[b/s]の直列データ信号を入力し、このデータ信号からクロックを再生し出力するクロック同期回路2cと、逓倍器3aと、データ信号の識別再生を行う識別用フリップフロップ4aと、1:2の分離を行うデマルチプレクサ(DEMUX)22bと、デマルチプレクサ22bに必要な1/2,1/4,1/8,1/16のクロック信号を出力する分周器(DIV)20cから構成される。
【0046】
入力されたデータ信号は、クロック同期回路2cと識別用フリップフロップ4aに分岐して入力される。
【0047】
クロック同期回路2cは、入力データ信号とクロック信号の、位相差および周波数差を出力する位相周波数比較器(PFD)27と、この位相周波数比較器の出力から伝達関数を介したクロック周波数の制御信号を出力するクロック制御回路(CLK_CTRL)28と、クロック信号CLKを出力する可変周波数発振器29から構成されるPLL(Phase Locked Loop)回路である。ここでは、クロック同期回路2cの一例としてのPLL回路を示しているが、PLL回路として知られている他の形態や、PLL回路以外のクロック抽出回路として知られている回路を用いることができる。
【0048】
クロック同期回路2cに入力されたデータ信号は、クロック信号との位相差、周波数差が検出され、その値に対応して可変周波数発振器29の周波数や位相を変化させる。データ信号とクロック信号の位相が一致して同期がとれると、クロック周波数はf1/2[Hz]でロックされる。ロックがはずれる位相や周波数の条件は、クロック制御回路28の伝達関数で決まる。
【0049】
PLL回路は、高精度にデータ信号との同期を得ることができるが、回路構成が複雑であることや、可変周波数回路のように高精度のアナログ回路設計が必要になることから、回路内で最も高いデジタル回路と同等の周波数f1で高周波動作させることは困難である。したがって、f1/2[Hz]と低い周波数で動作させることは、速度の条件が緩和され、可変周波数拡大や位相雑音の低減、消費電力の低減を図ることができる。
【0050】
クロック信号CLKは、配線5aを介して逓倍器3aに、配線5a,5aaを介して分周器20cに、配線5a,5aa,5abを介して1:2デマルチプレクサ22bにそれぞれ伝送される。逓倍器3aでは周波数f1[Hz]のクロック信号へと変換され、フリップフロップ4aにおいてデータ信号が適切なタイミングで識別・再生される。周波数f1[Hz]のクロック信号で識別することにより、ジッタの少ない識別を行うことができ、位相余裕の拡大を図ることができる。
【0051】
識別・再生されたデータ信号は、デマルチプレクサ22bに入力され、周波数f1/2[Hz]のクロック信号のタイミングでf1/2[b/s]の二つの信号に時分割分離される。さらに分離された二つの信号は、それぞれ後段の1:2デマルチプレクサ22bbに入力され、前述の周波数f1/2[Hz]のクロック信号を後段の分周器20cを介して得られた周波数f1/4[Hz]のクロック信号のタイミングに従って、伝送速度f1/4[b/s]の4本のデータ信号に分離される。
【0052】
同様にして、f1/8[b/s]×8本、f1/16[b/s]×16本とツリー構造に接続された1:2デマルチプレクサにより分離されて、受信回路1aから16チャネルの出力を得ることができる。
【0053】
送信回路7aは、伝送速度f1/16[b/s]×16の並列データ信号と、周波数f1/16[Hz]の基準クロック信号RefCLKを入力として周波数f1/2[Hz]のクロック信号を出力するクロック同期回路8aと、この周波数f1/2[Hz]のクロック信号をn倍にする逓倍器9aと、データ信号の出力波形整形を行うフリップフロップ10aと、2:1の時分割多重化を行うマルチプレクサ21bと、マルチプレクサ21bに必要な1/2,1/4,1/8,1/16のクロック信号を出力する分周器20cから構成される。
【0054】
基準クロック信号RefCLKは、外部回路で使用される低速のクロック信号が入力される。送信回路内部で使用する周波数f1[Hz]、f1/2[Hz]などの高精度なクロック信号を得るためには、PLLを用いたクロック同期回路が用いられる。ここでのPLL回路の構成は受信回路と同様の回路構成であるが、一例である。
【0055】
クロック同期回路8aは、基準クロック信号RefCLKと、出力した周波数f1/2[Hz]のクロック信号を1/8分周した周波数f1/16[Hz]のクロック信号との間の位相比較を行う。そして、位相差に対応して可変周波数発振器29aの周波数を制御して基準周波数f1/2[Hz]と同期したクロック信号を出力する。受信回路と同様に、動作周波数をf1/2[Hz]としたことにより、可変周波数の拡大や位相雑音の低減、消費電力の低減を図ることができる。
【0056】
クロック同期回路8aの出力クロック信号は、配線11aを介して逓倍器9aに、また配線11a,11bを介して分周器(DIV)20cに、さらに配線11a,11b,12bを介して2:1マルチプレクサ21bに、それぞれ入力される。
【0057】
送信回路7aに入力されたデータ信号は、2:1マルチプレクサ(MUX)を8個並べた回路70に入力され、周波数f1/2[Hz]のクロック信号を分周器20cを3段通して出力された周波数f1/16[Hz]のクロック信号のタイミングで伝送速度f1/8[b/s]×8並列のデータ信号に時分割多重される。
【0058】
同様に、周波数f1/8[Hz]、f1/4[Hz]、f1/2[Hz]のそれぞれのクロック信号のタイミングで、伝送速度f1/4[b/s]、f1/2[b/s]、f1[b/s]へと、ツリー構造に接続された2:1マルチプレクサ(MUX)によって、直列データ信号へと時分割多重される。逓倍器9aに入力された周波数f1/2[Hz]のクロック信号は、周波数f1[Hz]のクロック信号として配線12aを介して、伝送速度f1[b/s]の出力データ信号の波形整形を行うフリップフロップ10aに入力される。周波数f1[Hz]のクロック信号で切換を行うことにより、ジッタの小さい波形を出力することができ、通信エラーの低減や通信距離の拡大を図ることができる。
【0059】
<実施形態3>
図6は、本発明に係る受信回路および送信回路の第3の実施形態を示す回路図である。
【0060】
本実施形態は、図1に示した第1の実施形態と、クロック信号を分配する構成が相違する。受信回路1bおよび送信回路7b内のそれぞれのクロック同期回路2d,8bによって出力された周波数f1/n[Hz]のクロック信号は、それぞれ配線5b,11bを介して分岐されて、n倍の周波数のクロック信号を出力する逓倍器3b,9bと、同様にn/2倍、n/4倍、…、f1/n×2倍の周波数を出力する逓倍器3c、…、9c…、に入力する。
【0061】
また、1/2の周波数を出力する分周器20dに入力して、出力を縦続に接続し、f1/n/2[Hz]、f1/n/4[Hz]、…、f1/k[Hz]の周波数を出力する。これらの逓倍器と分周器とクロック同期回路の出力するクロック信号を、それぞれのクロック同期デジタル回路4b,10bに入力する。
【0062】
このように周波数f1[Hz]を2のN乗(Nは自然数)で分周したクロック信号を分配する構成とすることによって、並列信号の多重と分離を行う送受信回路に必要となる、すべてのクロック周波数を得ることができる。この逓倍器を用いたクロック分配の構成は、分周器のみで構成した場合と比べて、f1/n[Hz]以上の高い周波数で動作する素子数を減らすことができ、動作周波数の向上だけでなく、消費電力の低減を図ることができる。
【0063】
ここで、本実施形態だけでなく、前述した第1および第2の実施形態で述べた本発明に係る受信回路および送信回路で用いる2:1マルチプレクサ、1:2デマルチプレクサ、1/2分周器、および逓倍器の具体的な回路構成例について説明する。
【0064】
(I).2:1マルチプレクサ
図7は、2:1マルチプレクサの内部構成を示すブロック図である。2:1マルチプレクサ(2:1MUX)は、クロック信号φCLの正相と逆相で動作する二つのD−フリップフロップ37の直列接続回路26aと、同じクロック信号φCLの正相と逆相で動作する3個のD−フリップフロップ37を、正相・逆相・正相の順で接続した直列接続回路26Dと、セレクタ38とから構成される。
二つの並列データ入力信号PDa0、PDa1のうちデータ信号PDa0は、直列接続回路26aを介してセレクタ38の一方の端子へ入力され、もう一つのデータ信号PDa1は直列接続回路26Dを介してセレクタ38の他方の端子へ入力される。この構成により、データPDa0に対してデータPDa1は半周期遅れて出力されているため、セレクタ38の切換のタイミングと一致して入力される。セレクタ38の出力信号SDaは、クロック信号φCLの正相で入力データPDa0、逆相で入力データPDa1が選択されて、半周期ごと、すなわち2倍の伝送速度で直列に出力され、時分割多重が行われる。この回路で出力される波形は、クロック信号φCLの立ち上がり、立ち下がりの両方のタイミングで切り換えられるため、ジッタが生じる一方、必要とされるクロック周波数は、直列データSDaの出力信号の周期の半分でよい。1段目のフリップフロップの出力信号に生じるジッタは、次に接続されるフリップフロップのタイミングマージン内に入ることで整形されるため、ジッタが小さくかつ高速に動作する。
【0065】
(II).1:2デマルチプレクサ
図8は、1:2デマルチプレクサ(1:2DEMUX)の内部構成を示すブロック図である。1:2デマルチプレクサは、同じクロック信号φCLの正相と逆相で動作する3個のD−フリップフロップ37を、逆相・正相・逆相の順で接続した上の列の直列接続回路26Eと、クロック信号φCLの正相と逆相で動作する二つのD−フリップフロップ37を接続した下の列の直列接続回路26bとから構成される。
直列データ信号SDaは、直列接続回路26E内の逆相で動作する初段のD−フリップフロップ37aと、直列接続回路26bのクロック信号の正相で動作する初段のD−フリップフロップ37aに入力される。クロック信号φCLの半周期ごとに、交互に上の列のD−フリップフロップ、下の列のD−フリップフロップに取り込まれる。それぞれの列のデータ信号は、次段の半周期遅れで動作するD−フリップフロップ37aに入力され、上の列のみ、さらに半周期遅れで動作する最終段のD−フリップフロップ37aに入力される。したがって、最終段のD−フリップフロップの出力は、上の列、下の列ともに同じタイミングで出力される。この回路も入力クロック信号φCLの周波数は、1:2に分離する直列データ信号SDaの周期の半分で動作する。
【0066】
(III).1/2分周器
図9は、1/2分周器として広く知られている回路である。図9の回路において、トランジスタQc1からQc15までと、抵抗Rc1からRc9までで構成される左側の回路がD−フリップフロップを構成している。同様に、トランジスタQd1からQd15までと抵抗Rd1からRd9までで構成される右側の回路はデータ入出力とクロック入力を左側の回路と反転して、たすきがけに接続したD−フリップフロップを構成している。
トランジスタQe5からQe8までと抵抗Re5,Re6は出力信号を得るためのエミッタフォロワである。なお、D−フリップフロップ内部のトランジスタQc5からQc8と、Qd5からQd8のエミッタフォロワは2段である必要はなく、動作速度や消費電力などの要求に応じて1段の構成やエミッタフォロワを用いないカレントモードロジック(CML)の構成を取ることもできる。トランジスタQe7,Qe8の出力用エミッタフォロワも、同様である。
【0067】
(IV).逓倍器
(IV−1). 図10は、逓倍器の第1の構成例を示す図であり、排他的論理和回路(EX−OR)50と90°移相器51を用いて構成した場合のブロック図である。
逓倍器に入力された信号は二つに分岐され、一方は直接排他的論理和回路50の入力Aに、もう一方は90°移相器51へと入力されて、90°位相が変化した信号が排他的論理和回路50の入力Bに入力される。
入力信号が、デジタル信号で符号1と符号0の繰り返し波形とすると、位相が0°から90°の間は、入力Aは1、入力Bは0であり、出力は1となる。位相が90°から180°までは入力Aは1、入力Bは1であり、出力は0となる。同様に、位相180°から270°までは出力1、位相270°から360°までは出力0となる。したがって、出力信号は入力信号が1周期の間に2回繰り返すため、1/2の周期となる。
同様に、入力信号がアナログの正弦波でも2倍の周波数の信号を出力する。したがって、図10の回路は2倍の逓倍器として機能する。この回路ブロック構成の場合、原理通りに動作すると周波数に依存せずに逓倍信号が得られる。
【0068】
(IV−2). 図11は、前述した逓倍器の第1の構成例において、排他的論理和回路50にギルバートセル型の回路を用いた場合の回路構成である。
入力端子C0とC1間の差動信号(C0−C1)が正のとき正相、負のときを逆相とし、差動対トランジスタQf1,Qf2、および差動対トランジスタQf3,Qf4のベースに入力される信号を入力Aとする。また、90°位相器51aの差動出力も同様に正を正相、負を逆相とし、差動対トランジスタQf5,Qf6のベースに入力される信号を入力Bとする。
入力Aが正相で、入力Bが逆相のとき、抵抗Rf2、トランジスタQf4,Qf6に電流が流れて、出力端子C2,C3間の差動出力(C2−C3)は正相になる。
入力Aが正相で、入力Bが正相のとき、抵抗Rf1、トランジスタQf1,Qf5に電流が流れて、出力端子C2,C3間の差動出力(C2−C3)は逆相になる。
同様に、入力Aが逆相で、入力Bが正相のとき、差動出力(C2−C3)は正相になり、入力Aが逆相で、入力Bが逆相のとき、差動出力(C2−C3)は逆相になる。
したがって、この回路構成により排他的論理和の出力を得ることができる。また、逓倍器としても、前述したとおり、差動出力(C2−C3)として2倍の周波数の信号を得ることができる。なお、図11において、V1は高電位側電源電圧、V2は低電位側電源電圧、VCSは定電流源用トランジスタQf7,Qf12〜Qf15のベースに印加する制御電圧、Rf1,Rf2は負荷抵抗、Rf3〜Rf7は電流値を決める抵抗である。
【0069】
(IV−3). 図12は、逓倍器の第2の構成例を示す図であり、全波整流器を用いた場合の回路構成である。全波整流の出力波形は、正弦波の場合、中心値を基準に折り返した入力信号の1/2の周期の信号であり、高調波成分を除去することにより2倍の周波数の信号が得られる。
図12では、全波整流回路をエミッタとコレクタを共通にした差動対トランジスタQg1,Qg2で構成し、出力信号の直流成分を取り除くために容量Cgを出力に直列に接続し、さらに単相差動変換のためにアンプ52を接続した構成である。このアンプ52により全波整流回路で減衰した振幅を、復元することができる。
この逓倍器の構成は、図11に比べると回路規模が小さく、消費電力を低減できる利点がある。
【0070】
(IV−4). 図13は、逓倍器の第3の構成例を示す図であり、ダイオードブリッジを用いた場合の回路構成である。
ダイオードD1〜D4で構成したダイオードブリッジも全波整流回路として知られており、図12に示した第2の構成例と同様に、出力に容量を介してアンプを接続することにより、周波数2倍の逓倍器として機能する。
この逓倍器の構成は、出力のアンプの消費電力が図12と同じであれば、最も消費電力が少ない構成である。
【0071】
以上、(I)〜(IV−4)で述べた各回路を、本実施形態、第1および第2の実施形態のそれぞれ対応する回路に用いることにより、本発明に係る受信回路および送信回路を実現することができる。
【0072】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更をなし得ることは勿論である。例えば、具体的回路構成例として実施形態では、その要素回路をバイポーラトランジスタを用いた場合だけで説明したが、電界効果トランジスタ、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ、高電子移動度トランジスタ、金属半導体接合電界効果トランジスタに置き換えて用いてもよいことは勿論であり、データ信号およびクロック信号の伝送形式が、差動方式、単相方式のいずれの場合であっても適用できることはいうまでもない。
【0073】
【発明の効果】
前述した実施形態から明らかなように、本発明によれば、クロック同期回路が入力信号と同期をとって出力するクロック信号の周波数を大きく下げることができるので、クロック信号の周波数がクロック同期回路の周波数帯域を超過し、クロック信号の振幅が減衰してクロック同期デジタル回路が動作できなくなるという問題が解決される。すなわち、クロック同期回路の動作周波数帯域は、送受信回路の動作速度の制限ではなくなる。したがって、クロック同期デジタル回路が動作可能な速度まで、さらに高い動作周波数の送受信回路を設計することが可能になる。
【0074】
また、従来は高い動作周波数を得るために送受信回路の中で消費電力が大きい回路であったクロック同期回路は、本発明によれば動作周波数が低下するため、動作電流を従来より大きく低減することができ、消費電力を低減できる。
【0075】
また、クロック同期回路に使用する可変周波数発振回路は、従来よりも発振周波数を低くできるため寄生素子による影響が低減され、設計精度の向上、可変周波数範囲の拡大、発振器の位相雑音の低減を図ることができる。
【0076】
また、クロック同期回路の動作周波数が低くなるので、クロック信号配線に生じる配線容量の影響が低減する結果、配線長を周波数の低下に逆比例して延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の受信回路と送信回路を示すブロック図。
【図2】従来の受信回路と送信回路を示すブロック図。
【図3】従来のフルレート方式の送信回路を示すブロック図。
【図4】従来のハーフレート方式の受信回路と送信回路を示すブロック図。
【図5】本発明に係る第2の実施形態の受信回路と送信回路を示すブロック図。
【図6】本発明に係る第3の実施形態の受信回路と送信回路を示すブロック図。
【図7】本発明に係る受信回路と送信回路で用いるマルチプレクサの一例を示すブロック図。
【図8】本発明に係る受信回路と送信回路で用いるデマルチプレクサの一例を示すブロック図。
【図9】本発明に係る受信回路と送信回路で用いる分周回路の構成の一例を示すブロック図。
【図10】本発明に係る受信回路と送信回路で用いる逓倍回路の構成の一例を示すブロック図。
【図11】本発明に係る受信回路と送信回路で用いる逓倍回路の別の構成例を示すブロック図。
【図12】本発明に係る受信回路と送信回路で用いる逓倍回路のまた別の構成例を示すブロック図。
【図13】本発明に係る受信回路と送信回路で用いる逓倍回路のさらに別の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
1,1a,1b…受信回路、3,3a,3b…逓倍器、4,4a,4b…クロック同期デジタル回路(CSD)、5,5a,5b…クロック同期回路と逓倍器間の配線、6,6a,6b…逓倍器とクロック同期デジタル回路間の配線、7,7a,7b…送信回路、8,8a,8b…クロック同期回路(CMU)、9,9a〜9c…逓倍器、10,10b…クロック同期デジタル回路、10a…フリップフロップ、11,11a,11b:クロック同期回路と逓倍器間の配線、12,12a,12b:逓倍器とクロック同期デジタル回路間の配線、13,14…クロック同期回路とクロック同期デジタル回路間の配線、20,20a〜20d…分周回路、21,21a〜21c…マルチプレクサ(MUX)、22,22a,22b,22bb,22c…デマルチプレクサ(DEMUX)、23…データ出力バッファ回路、24位相シフト回路、25…クロックバッファ回路、27…位相周波数比較器(PFD)、28…クロック制御回路(CLK_CTRL)、29…可変周波数発振器、30…4:1マルチプレクサ、31,31a…フォトダイオード、32,32a…プリアンプ(トランスインピーダンスアンプ)、33,33a…光ファイバ、34…1:4デマルチプレクサ(DEMUX)、35…メインアンプ、36…識別器、37,37a…Dフリップフロップ回路、38…セレクタ回路、40…レーザダイオード、41,41a…変調器、42…変調器ドライバ、43…光アンプ、50…排他的論理和回路(EX−OR)、51,51a…90°位相シフト回路、52…アンプ、CP…通信路、MS…マスタースレーブDフリップフロップ回路、M…マスタースレーブDフリップフロップ回路のマスター、S…マスタースレーブDフリップフロップ回路のスレーブ、RCV…受信回路、TRM…送信回路、PDa0,PDa1…並列データ信号、SDa…直列データ信号、φCL,CLK,CLK1,CLK2…クロック信号、RefCLK…基準クロック、CLK_CTRL…クロック制御回路、t1,t2遅延。
Claims (10)
- f1を正の実数とする伝送速度f1[b/s]の1本のデータ信号を入力信号として前記データ信号に同期した周波数f1/n[Hz](nは、2以上の自然数)のクロック信号を再生して出力するクロック同期回路と、
j本(jは、1以上の自然数)の配線を介して前記クロック同期回路出力のクロック信号を入力として所定の逓倍率で逓倍クロック信号を出力するj個の逓倍器と、
前記クロック同期回路の入力と共通な1本を含めたj並列の入力端子、j×k並列の出力端子、およびj並列のクロック入力端子を有し、第j+1から第2×jの配線を介して前記j本の逓倍クロック信号を前記j並列のクロック入力端子に印加して、前記逓倍クロック信号の立ち上がり時あるいは立ち下がり時のどちらか一方のみをタイミングの基準とし、前記j並列の入力端子に入力されたj本の、伝送速度f1[b/s]のデータ信号を識別再生、かつ、1:kの比率でデータ分離を行い、j×k本の伝送速度f1/k[b/s]のデータ信号へと変換するクロック同期デジタル回路とを備え、
前記クロック同期デジタル回路のj並列のデータ信号を入力とする端子を受信回路の入力端子とし、j×k並列のデータ信号を出力とする端子を受信回路の出力端子とし、前記クロック同期回路の出力端子と前記j個の逓倍器の入力端子とを結ぶ前記第1から第jの配線と、前記j個の逓倍器と前記デジタル回路のj並列のクロック入力端子とを結ぶ前記第j+1から第2×jの配線の内の、第1から第jの配線で生じる遅延の最大値t1max[s]と、第j+1から第2×jの配線で生じる遅延の最大値t2max[s]とは、遅延t2maxの方が小さく、かつ、遅延t2maxは前記逓倍器出力のクロック周期1/f1[s]の1/10以下となるように配置されていることを特徴とする受信回路。 - f1を正の実数、mを1以上の自然数、nを2以上の自然数とする周波数f1/m/n[Hz]のクロック信号を入力信号とし、前記入力クロック信号に同期した周波数f1/n[Hz]のクロック信号を出力信号とするクロック同期回路と、
前記クロック同期回路出力のクロック信号を第1から第j(jは、1以上の自然数)の配線を介して入力信号とし、所定の逓倍率で逓倍クロック信号を出力信号とするj個の逓倍器と、
j×k並列(kは2以上の自然数)のデータ信号の入力端子、j並列のデータ信号の出力端子、j並列のクロック入力端子を有し、第j+1から第2×jの配線を介して前記j本の逓倍クロック信号を前記j並列のクロック入力端子に印加して、前記逓倍クロック信号の立ち上がり時あるいは立ち下がり時のどちらか一方のみをタイミングの基準とし、入力端子に入力されたj×k本の伝送速度f1/k[b/s]のデータ信号を識別再生、かつ、k:1の比率で時分割多重を行い、j本の伝送速度f1[b/s]のデータ信号へと変換するクロック同期デジタル回路とを備え、
前記クロック同期デジタル回路のj×k並列のデータ信号を入力とする端子を送信回路の入力端子とし、j並列のデータ出力信号を出力する端子を送信回路の出力端子とし、
前記クロック同期回路の出力端子と前記j個の逓倍器の入力端子とを結ぶ前記第1から第jの配線と、前記j個の逓倍器と前記デジタル回路のj並列のクロック入力端子とを結ぶ前記第j+1から第2×jの配線において、第1から第jの配線で生じる遅延の最大値t1max[s]と第j+1から第2×jの配線で生じる遅延の最大値t2max[s]とでは、遅延t2maxの方が小さく、かつ、遅延t2maxは前記逓倍器出力のクロック周期1/f1[s]の1/10以下となるよう配置されていることを特徴とする送信回路。 - 請求項1に記載の受信回路において、
前記クロック同期デジタル回路は、
1本の伝送速度f1[b/s]のデータ信号と1本の周波数f1[Hz]のクロック信号を入力信号とし、前記クロック信号をタイミングの基準として前記データ信号を識別再生した信号を出力信号とするj個のフリップフロップと、
前記クロック信号を入力信号とし、所定の分周比の周波数クロック信号を出力信号とする1以上の分周器と、
前記フリップフロップの出力データ信号と、前記分周器の出力クロック信号とを入力信号とし、前記分周器出力クロック信号をタイミングの基準として、前記データ信号を1チャネルにつき伝送速度f1/k[b/s]である(kは2以上の自然数)kチャネルの並列データ信号へと時分割多重信号を分離して出力信号とするj個のデマルチプレクサとを備えることを特徴とする受信回路。 - 請求項2に記載の送信回路において、
前記クロック同期デジタル回路は、
周波数f1[Hz]のクロック信号を入力信号とし、所定の分周比の周波数クロック信号を出力信号とする1以上の分周器と、
1チャネルにつき伝送速度f1/k[b/s]のkチャネル(kは、2以上の自然数)の並列データ信号を時分割多重化して伝送速度f1[b/s]の直列信号を出力するj個のマルチプレクサと、
前記マルチプレクサの1の出力データ信号と1本の周波数f1[Hz]のクロック信号を入力信号とし、前記クロック信号をタイミングの基準として前記データ信号を識別再生した信号を出力信号とするj個のフリップフロップとを備えることを特徴とする送信回路。 - 請求項1または請求項3に記載の受信回路において、
前記クロック同期回路は、
入力信号により周波数を制御することができる入力端子を備え、所定の周波数のクロック信号を出力信号とする周波数制御発振器と
位相差または周波数差信号を入力信号とし、前記周波数制御発振器の制御信号を出力信号とする制御回路と、
伝送速度f1[b/s]のデータ信号と、前記周波数制御発振器の出力クロック信号を入力信号とし、前記データ信号と前記クロック信号の位相差または周波数差を表す信号を出力信号とする位相周波数比較器とを備え、
前記位相周波数比較器のデータ信号を入力信号とする端子を入力端子とし、前記周波数制御発振器の出力端子を出力端子とし、
入力データ信号と、出力クロック信号の位相が一致し、伝送速度f1[b/s]と周波数f1/n[Hz]の比が所要の比率で固定されるように制御されることを特徴とする受信回路。 - 請求項2または請求項4に記載の送信回路において、
前記クロック同期デジタル回路は、周波数f1/n[Hz]のクロック信号を入力信号とする入力端子と、前記クロック信号を1/mに分周したf1/m/n[Hz]のクロック信号を出力信号とする出力端子を備え、
前記クロック同期回路は、入力信号により周波数を制御することができる入力端子を備え、所定の周波数のクロック信号を出力信号とする周波数制御発振器と、位相差または周波数差信号を入力し、前記周波数制御発振器の制御信号を出力する制御回路と、周波数f1/m/n[Hz]の入力クロック信号と、前記クロック同期デジタル回路が出力する分周出力クロック信号を入力信号とし、前記入力クロック信号と前記分周クロック信号の位相差または周波数差を表す信号を出力信号とする位相周波数比較器とを備え、
前記クロック同期回路が、前記位相周波数比較器の入力クロック信号を入力信号とする端子を入力端子とし、前記周波数制御発振器の出力信号端子を出力端子とし、前記入力クロック信号と、前記クロック同期デジタル回路の分周出力クロック信号との位相差と周波数差が一致し、出力クロック信号が周波数f1/n[Hz]で固定されるように制御されることを特徴とする送信回路。 - 請求項1、3、5のいずれかに記載の受信回路において、
受信回路に入力される前記データ信号が光信号であり、
前記光信号を電気信号に変換するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードの信号を増幅する前置増幅器とをさらに備え、
前記前置増幅器の出力がデータ入力信号として前記クロック同期デジタル回路に入力されることを特徴とする受信回路。 - 請求項2、4、6のいずれかに記載の送信回路において、
前記クロック同期デジタル回路の出力端子と送信回路の出力端子との間に、
前記クロック同期デジタル回路のデータ信号出力を増幅するドライバと、光信号を発生させるレーザ発信器と、前記光信号を前記ドライバ出力の変調信号に応じて変調した変調信号を出力する変調器とをさらに備え、
送信回路の出力端子から出力するデータ信号が光信号であることを特徴とする送信回路。 - 請求項1、3、5、7に記載のいずれかの受信回路において、
前記逓倍器は、排他的論理和回路と90°移相器からなり、
前記逓倍器に入力される信号を分岐して、一方を前記排他的論理和回路の入力とし、分岐した他方の信号を前記90°移相器を介して前記排他的論理和回路の他方の入力とし、前記排他的論理和回路の出力を逓倍器の出力とすることを特徴とする受信回路。 - 請求項1、3、5、7、9、に記載のいずれかの受信回路と、請求項2、4、6、8、に記載のいずれかの送信回路とを備えることを特徴とする送受信回路。
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