JP2004142571A - タイヤの摩耗に関する物理量の予測方法及び予測装置、並びにコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】まず、タイヤの摩耗に関する物理量の予測対象であるタイヤのモデルを作成する(ステップS101)。次に、タイヤの境界条件を入力する(ステップS102)。タイヤの境界条件には、タイヤの空気圧、荷重、スリップ角、速度、あるいはホイールのリム幅といった、タイヤの使用条件を入力する。これにより、タイヤの性能予測に必要な条件がすべて入力されるので、作成したタイヤモデル及び入力したデータに基づいて、FEMやBEM等の解析手法により、タイヤモデルの走行状態における挙動を解析する(ステップS103)。次に、タイヤモデルの走行状態における挙動解析結果から、摩擦エネルギーの予測に必要な情報を取得する(ステップS104)。これらの情報に基づいて、単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する(ステップS105)。
【選択図】 図9
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、タイヤの摩耗に関する物理量の予測方法に関し、さらに詳しくは、タイヤのせん断接触力や摩耗量の分布をより正確に予測できるタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法及び予測装置、並びにコンピュータプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤの摩耗を予測する方法としては、例えば、特許文献1、2に開示されている方法が知られている。これらに開示されている予測方法は、次の手順から構成される。すなわち、(1)タイヤ表面のゴムの摩耗指数を測定する手順、(2)種々の運転条件下におけるタイヤの摩擦エネルギーを測定する手順、(3)各運転条件の頻度に応じて各運転条件の重み付けをする手順を経て、タイヤの摩耗を予測する。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−326143号公報(第2頁〜23頁、図1〜12)
【特許文献2】
特開2002−1723号公報(第2頁〜9頁、図1〜10)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のタイヤの摩耗予測方法では、摩擦エネルギーを測定することによってタイヤの摩耗を予測するので、摩擦エネルギーの測定に手間を要していた。また、摩擦エネルギーは点で測定されるので、タイヤ表面の単一ブロック内における偏摩耗を含め、トレッド面すべてを評価するためには、膨大な測定が必要である。さらに、ブロックやリブの端部、あるいは細溝が密集した部分のように測定ポイントが極めて小さい部分においては、摩擦エネルギーを測定することが極めて困難である。その結果、タイヤの摩耗に対する予測精度を十分に高くできず、予測結果を設計に十分反映することができなかった。
【0005】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、摩擦エネルギーの測定を省略することによって、効率よくタイヤの摩耗を予測すること、より精度よくタイヤの摩耗を予測することのうち少なくとも一つを達成できるタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法及び予測装置、並びにコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは摩擦エネルギーの測定を省略するために、摩擦エネルギーを有限要素法、境界要素法その他の解析手法によって予測する方法を用いた。このような解析手法を用いたシミュレーションによって摩擦エネルギーを求めたところ、シミュレーションと実測値とではタイヤの偏摩耗や摩耗速度の評価結果が異なることが判明した。本発明者らは鋭意研究の結果、この原因を見出した。
【0007】
有限要素法等の解析手法においては、タイヤのブロック等の予測領域を複数の要素に分割して当該要素内は均一とみなして取り扱う。そして、要素を構成するそれぞれの節点についてせん断接触力とすべり量とを求め、両者から摩擦エネルギーを算出する。しかしながら、一定の大きさを持つ予測領域を複数の要素で分割し、複数の節点が接地する条件では、各節点の分担する垂直接触力、せん断接触力及び摩擦エネルギーは要素の分割数や節点の位置によって異なる。このように、各節点における摩擦エネルギーの大きさが、要素の分割数や節点位置によって影響を受けるので、シミュレーションと実測値とにおける摩耗の評価結果が異なるのである。そこで、要素の分割数や節点位置の影響を排除するため、単位面積当たりの垂直接触力や摩擦エネルギーによって摩耗を評価することとして、上記問題を解決した。
【0008】
請求項1に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法は、タイヤの摩耗を有限要素法、境界要素法その他の解析手法によって予測するにあたり、タイヤを複数の分割要素に分割してタイヤモデルを作成する工程と、前記分割要素の表面に存在する節点が接地しているか否かを判定する工程と、前記節点が分担する前記分割要素の表面の面積を算出する工程と、算出した前記節点が分担する面積によってタイヤの摩耗に関する物理量を単位面積当たりの物理量に換算する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項9に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラムは、タイヤの摩耗に関する物理量を有限要素法、境界要素法その他の解析手法によって予測するにあたり、タイヤを複数の分割要素に分割してタイヤモデルを作成する手順と、前記分割要素の表面を構成する節点が接地しているか否かを判定する手順と、前記節点が分担する前記分割要素の表面の面積を算出する手順と、算出した前記節点が分担する面積によってタイヤ表面におけるタイヤの摩耗に関する物理量を単位面積当たりの物理量に換算する手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
このタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法又は予測プログラムは、タイヤモデルを構成する複数の分割要素の表面に含まれる節点が分担する分割要素の表面の面積によって、タイヤの摩耗に関する物理量を単位面積当たりの物理量に換算してタイヤの摩耗を評価する。このため、せん断接触力や摩擦エネルギー等の物理量は要素分割や節点位置の影響を受けないので、接触面全体における摩耗を精度よく予測することができる。
【0011】
また、本発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法の各手順をコンピュータに実行させるタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラム(請求項9)によれば、コンピュータ上でタイヤの摩耗を予測できる。これにより、摩擦エネルギーを測定する必要がないので、効率よくタイヤの摩耗を予測して、開発の効率を向上させることができる。また、ブロックの端部や細溝が密集した部分のように測定ポイントが極めて小さく、摩擦エネルギーを測定することが極めて困難な部分でも容易且つ精度よく摩擦エネルギーを予測することができる。これにより、タイヤの摩耗に対する予測精度を十分に高くできるので、当該予測結果を設計に十分に活用させることができる。
【0012】
ここで、タイヤの摩耗に関する物理量とは、タイヤ接地面に作用する垂直接触力、垂直接触力に摩擦係数を乗じて算出される最大摩擦力、せん断接触力、摩擦エネルギー、摩耗量、すべり量、摩耗量その他の摩耗に関連する物理量をいう(以下同様)。このうち、本発明においては、タイヤ接地面に作用する垂直接触力、垂直接触力に摩擦係数を乗じて算出される最大摩擦力、せん断接触力、摩擦エネルギーその他の単位面積当たりの物理量に換算できるものについては、単位面積当たりの物理量に換算して取り扱う(以下同様)。
【0013】
また、タイヤの摩耗を評価する際には、ある瞬間における単位面積当たりの摩擦エネルギーを、タイヤ表面が接地を開始してから止まるまでの全時間について加算したものを用いる必要がある。この場合には、上記発明の有する工程に、求めた単位面積当たりの摩擦エネルギーを、タイヤ表面が接地を開始してからの単位面積当たりの総摩擦エネルギーに順次追加する工程を加えて、タイヤ表面が接地していた全時間における単位面積当たりの摩擦エネルギーを算出する。
【0014】
また、請求項2に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法は、上記節点が分担する上記分割要素の表面の面積を算出する工程においては、上記節点を含む上記分割要素の表面の面積を算出する工程と、上記節点を含む上記分割要素の表面の分割形状に基づいて、上記節点が上記分割要素の表面の面積を分担する割合を決定する工程と、上記節点が上記分割要素の表面の面積を分担する面積を、上記節点を含むすべての分割要素の表面について加算する工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項10に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラムは、上記タイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラムにおいて、上記節点が分担する上記分割要素の表面の面積を算出する手順においては、上記節点を含む上記分割要素の表面の面積を算出する手順と、上記節点を含む上記分割要素の表面の分割形状に基づいて、上記節点が上記分割要素の表面の面積を分担する割合を決定する手順と、上記節点が上記分割要素の表面の面積を分担する面積を、上記節点を含むすべての分割要素の表面について加算する手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0016】
この発明では、分割要素の表面の分割形状に基づいて節点が分担する面積を求める。そして、タイヤ接地面に作用する垂直接触力、垂直接触力に摩擦係数を乗じて算出される最大摩擦力、せん断接触力、摩擦エネルギーその他の単位面積当たりの物理量に換算できる物理量を、節点が分担する面積を用いて単位面積当たりの物理量に換算する。これによって、分割要素の表面の形状に関わらず節点が分担する面積を正確に算出できるので、タイヤの摩耗に関する物理量を単位面積当たりの物理量に正しく換算できる。また、本発明の手順をコンピュータに実行させるためのタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラム(請求項10)においても、同様の作用・効果を奏する。
【0017】
また、請求項3に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法は、上記タイヤの摩耗に関する物理量の予測方法において、上記節点が分担する上記分割要素の表面の面積を算出する工程においては、さらに上記節点を含む上記分割要素の表面が接地しているか否かを判定する工程を含むことを特徴とする。
【0018】
また、請求項11に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラムは、上記タイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラムにおいて、上記節点が分担する上記分割要素の表面の面積を算出する手順においては、上記節点を含む上記分割要素の表面が接地しているか否かを判定する手順をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
本発明は、上記発明において分割要素の表面が接地しているか否かを判定する工程を含むものであるので、上記発明と同様の作用・効果を奏する。さらに、分割要素の表面が接地しているか否かを判定する工程を含むので、例えば溝壁等における分割要素の表面のように、当該分割要素の表面に含まれる節点は接地しているが分割要素の表面自体は接地していない分割要素の表面を、物理量の予測に際して排除することができる。これによって、溝に接するブロック端部における摩擦エネルギーを適切に評価できるので、このような部分における摩耗も精度よく予想できる。
【0020】
また、ブロックの端部は測定ポイントが極めて小さいので、従来摩擦エネルギーを測定することは極めて困難であったが、このような部分でも分割要素の表面の接地状態を判定することによって、精度よく摩擦エネルギーを予測することができる。これにより、タイヤの摩耗に対する予測精度を十分に高くできるので、当該予測結果を設計に十分に活用させることができる。また、本発明の手順をコンピュータに実行させるためのタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラム(請求項11)においても、同様の作用・効果を奏する。
【0021】
また、請求項4に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法は、上記タイヤの摩耗に関する物理量の予測方法において、さらに、上記節点が分担する上記分割要素の表面の面積を算出する前に、上記タイヤの初期形状を基準として、上記分割要素の表面が接地しているか否かを判定することを特徴とする。
【0022】
この発明では、タイヤの初期形状を基準として、節点が分担する面積を算出する前に予め分割要素の表面が接地しているか否かを判定する。このように、接地するか否かは、タイヤの初期形状を基にして1回だけ判定するので、計算数を抑えることができる。特に、コンピュータを用いて本発明に係る予測方法を実行する場合には、ハードウェア資源を節約できるという長所がある。なお、具体的な判定方法としては、例えば、上記分割要素の表面の法線ベクトルと、上記タイヤの中心から上記分割要素の表面の中心へ向かうベクトルとのなす角度が所定の角度よりも小さい場合には、当該分割要素の表面は接地すると判定するものがある。
【0023】
また、請求項5に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法は、上記タイヤの摩耗に関する物理量の予測方法において、さらに、上記タイヤが変形した形状に応じて、上記分割要素の表面が接地しているか否かを判定することを特徴とする。この発明では、タイヤの変形形状に応じて、分割要素の表面が接地しているか否かを各瞬間毎に判定するので、よりタイヤの摩耗に関する物理量の予測精度を向上させることができる。なお、この発明をコンピュータで実行させる場合には、分割要素の表面が接地しているか否かは各時間ステップ毎に判定される。
【0024】
接地の判定手法には、例えば、判定対象である分割要素の表面の法線ベクトルと地面の法線ベクトルとのなす角度が所定の角度以上になったときには、当該分割要素の表面は接地すると判定するものがある。また、他の判定手法としては、判定対象である分割要素の表面の鉛直方向における座標と地面の鉛直方向における座標とを比較して、両者が一致すれば当該分割要素の表面が接地していると判定するものがある。さらに、上述したように、判定対象である分割要素の表面の法線ベクトルと、上記タイヤの中心から上記分割要素の表面の中心へ向かうベクトルとのなす角度が所定の角度よりも小さい場合には、当該分割要素の表面は接地すると判定してもよい。
【0025】
また、請求項6に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法は、自由転動、制動、駆動、旋回その他の運転条件下において、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法によって、それぞれの前記各運転条件下における単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する工程と、前記各運転条件の発生頻度を考慮して、前記各運転条件に対して重み付けをする工程と、前記各運転条件下における単位面積当たりの摩擦エネルギーと前記各運転条件の重み付けとから、実車走行中における単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する工程と、を含むことを特徴とする。
【0026】
また、請求項12に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラムは、自由転動、制動、駆動、旋回その他の運転条件下において、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法によって、それぞれの前記各運転条件下における単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する手順と、前記各運転条件の発生頻度を考慮して、前記各運転条件それぞれの重み付けをする手順と、前記各運転条件下における単位面積当たりの摩擦エネルギーと前記各運転条件の重み付けから、実車走行中における単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0027】
この発明では、単位面積当たりの摩擦エネルギーを用いてタイヤの摩耗を予測するので、精度の高い摩耗予測ができる。これによって、タイヤの設計に対する有効な情報を得ることができる。また、摩擦エネルギーを測定する必要がないので、タイヤの摩耗を予測する手間も大幅に軽減でき、タイヤの開発期間を短縮できる。なお、本発明の手順をコンピュータに実行させるためのタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラム(請求項12)においても、同様の作用・効果を奏する。
【0028】
また、請求項7に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法のように、上記タイヤの摩耗に関する物理量の予測方法において、さらに、タイヤの表面を構成するゴムのゴム摩耗指数を測定する手順を含み、当該ゴム摩耗指数を実車走行中における単位面積当たりの摩擦エネルギーに乗じてタイヤの摩耗を予測してもよい。このように、ゴム摩擦指数を使用すれば、単なる摩耗の分布のみならず、実際の摩耗速度も予測できるので、より幅広くタイヤの摩耗に関する評価ができる。
【0029】
また、請求項8に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測装置は、上記タイヤの摩耗に関する物理量の予測方法における各手順を処理する処理手段と、この処理手段に前記タイヤを構成する材料の物性値、運転条件、境界条件その他のデータを与える入力手段と、前記処理手段による予測結果を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0030】
このように、本発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測装置では、上記タイヤの摩耗に関する物理量の予測方法を実行させるための処理手段を備えているので、せん断接触力や摩擦エネルギー等の物理量が要素分割や節点位置の影響を受けずに、接触面全体における摩耗を精度よく予測することができる。また、摩擦エネルギーを測定する必要がないので、効率よくタイヤの摩耗を予測して、開発の効率を向上させることができる。さらに、ブロックの端部や細溝が密集した部分のように測定ポイントが極めて小さく、摩擦エネルギーを測定することが極めて困難な部分でも容易且つ精度よく摩擦エネルギーを予測することができる。これにより、タイヤの摩耗に対する予測精度を十分に高くできるので、当該予測結果を設計に十分に反映させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0032】
(実施の形態1)
図1は、予測対象であるタイヤを、その回転軸を含む子午面で切った断面を示す一部断面図である。同図を用いて、本実施の形態における予測対象であるタイヤ10の構造について簡単に説明する。キャップトレッド11は、タイヤ10の路面接地部に配置されており、カーカス15、ベルト14又はブレーカの外側を覆うゴム層である。キャップトレッド11は、カット衝撃に対してカーカス15やベルト14を保護する役目を持っている。また、雨天走行時の排水性を高めるために、キャップトレッド11には溝18が形成されている。この溝18で仕切られる部分がタイヤ10のブロックとなる。
【0033】
アンダトレッド12は、キャップトレッド11とベルト14との間に配置されるゴム層で、発熱性、接着性等を向上させる目的で用いられる。サイドトレッド13は、サイドウォール部の最も外側に配置されて外からの傷がカーカス15に達するのを防止するとともに、ラジアルタイヤの場合には、車軸からの駆動力を路面に伝える補助的役割も担っている。
【0034】
ベルト14は、キャップトレッド11とカーカス15との間に配置されたゴム引きコード層である。なお、バイアスタイヤの場合にはブレーカと呼ぶ。ラジアルタイヤにおいて、ベルト14はタイヤ10の形状保持及び強度メンバーとして重要な役割を担っている。カーカス15はタイヤ10の骨格をなすゴム引きコード層である。カーカス15は、タイヤ10に空気や窒素を充填した際に圧力容器としての役目を果たす強度メンバーであり、その内圧によって荷重を支え、走行中の動的荷重に耐える構造としてある。
【0035】
ビード16は、内圧によって発生するカーカス15のコード張力を支えているスチールワイヤの束を、硬質ゴムで固めたリングである。ビード16は、タイヤ10をホイールのリムに固定させる役割を果たす他、カーカス15、ベルト14及びトレッドとともに、タイヤ10の強度部材となる。ビードフィラ17は、カーカス15をビードワイヤの周囲に巻き込む際に生ずる空間へ充填するゴムである。ビードフィラ17は、カーカス15をビード16に固定するとともに、その部分の形状を整え、ビード部全体の剛性を高める。
【0036】
ホイール(図示せず)からの回転力、すなわち、車体を動かす駆動力や制動力、あるいは旋回力は、ビード16を介してタイヤ10へ伝えられる。このような車体を動かす駆動力や制動力、あるいは旋回力を路面に伝達する際には、キャップトレッド11と路面との間にせん断接触力が発生する。同時に、このせん断接触力がタイヤ10の接地面11pと路面とのすべりを発生させ、タイヤ10の接地面11pを摩耗させる。次に、本発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法について説明する。ここでは、タイヤの摩耗に関する物理量として摩擦エネルギーを予測するが、次に説明する予測手順はせん断接触力や垂直接触力等の他の物理量を予測する場合も同様に適用できる。
【0037】
本発明においては、タイヤの摩耗に関する物理量を予測する解析手法としてFEM(Finite Element Method:有限要素法)を使用する。なお、本発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法に適用できる解析手法はFEMに限られず、BEM(Boundary Element Method:境界要素法)、FDM(Finite Differences Method:有限差分法)等も使用できる。タイヤの種類や境界条件等によって最も適当な解析手法を選択し、又は複数の解析手法を組み合わせて使用することが好ましい。
【0038】
図2は、予測対象であるタイヤを微小要素に分割した例を示す斜視図である。同図に示すように、予測対象であるタイヤ10は、有限要素法に基づき、有限個の微小要素10a、10b等に分割される。有限要素法に基づく微小要素とは、例えば2次元平面においては三角形要素、四角形要素、3次元体としては四面体ソリッド要素、五面体ソリッド要素、六面体ソリッド要素等のソリッド要素や、三角形シェル要素、四角形シェル要素等のシェル要素等、コンピュータで用いうる要素とすることが望ましい。このようにして分割された微小要素は、解析の過程において3次元座標を用いて逐一特定される。
【0039】
本発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法では、タイヤ10の接地面11pにおける摩擦エネルギーの分布を正しく評価するために、単位面積当たりの摩擦エネルギーを用いる。次にこの理由について説明する。図3は、キャップトレッドが地面と接する接地面を微小要素に分割した例を示す説明図である。図3(a)に示すように、接地面11pを1分割した場合には、それぞれの節点N1〜N4には垂直接触力Fが均等に作用するので、各節点N1〜N4にはそれぞれF/4の垂直接触力が作用する。
【0040】
一般に、FEMやBEM等の解析手法においては、一定とみなす要素の分割数を大きくする程、計算時間は多くなるが計算精度は高くなる。したがって、計算時間とのバランスを考慮した上で要素分割の数をできるだけ多くする。また、ブロック11Bの端部においては摩擦エネルギーが高くなるので、要素分割数が少ないとブロック11B内部の評価精度が低下する。このため、接地面11pの摩擦エネルギーを予測する場合においては、図3(b)に示すように、接地面11pの分割数を多くする。図3(b)に示した例では接地面11pを4分割しているので、当該接地面11pにはN1〜N9までの計9節点が含まれる。
【0041】
ここで、接地面11pの角部における節点N1、N3、N7、N9には、節点数と節点の場所との関係から、それぞれF/16の垂直接触力が作用する。同様に、接地面11pの辺上における節点N2、N4、N6、N8にはそれぞれF/8の垂直接触力が作用し、接地面11pの中心部における節点N1にはF/4の垂直接触力が作用する。ここで、摩擦係数をμ、すべり量をLとすると、せん断接触力はμ×垂直接触力で、摩擦エネルギーはμ×垂直接触力×Lで求めることができる。したがって、節点N1、N3、N7、N9における摩擦エネルギーはL×μ×F/16であり、節点N2、N4、N6、N8における摩擦エネルギーはL×μ×F/8であり、また、節点N1における摩擦エネルギーはL×μ×F/4である。
【0042】
本来、この例の接地面11pでは摩擦エネルギーが均一に分布する。しかし、各節点N1〜N9のせん断接触力及びすべり量から摩擦エネルギーを算出すると、要素分割数や節点数あるいは節点位置によって摩擦エネルギーの値が異なることとなり、接地面11pの摩耗を正しく評価することはできない。そこで、本発明においては、単位面積当たりの摩擦エネルギーによって接地面11pの摩耗を評価することとした。同時に、垂直接触力及びせん断接触力についても、単位面積当たりの垂直接触力(すなわち垂直接地圧Pn)と、単位面積当たりのせん断接触力(Ps=μ×Pn)として評価することとした。このようにすれば、接地面11p表面における摩擦エネルギーの分布を正しく求めることができるので、接地面11pの摩耗を正しく評価することができる。
【0043】
単位面積当たりにおける摩擦エネルギー等の物理量によって評価する場合には、各節点が分担する分割要素の表面(以下分割要素表面)の面積を求める必要がある。次にこの手順の一例について説明する。図4は、四角形要素によって9分割した接地面を示す平面図である。接地面11pは9分割されているので、節点はN1〜N16の16節点となる。ここでは、節点N6の面積を算出する場合を説明する。まず、節点N6を含む分割要素表面の情報を取得する。この例において、N6を含む分割要素表面とはS1、S2、S4、S5である。また、分割要素表面の情報とは、当該分割要素表面を構成する節点、及び当該節点の座標といった情報である。
【0044】
次に、各分割要素表面S1、S2、S4、S5それぞれの面積を算出する。これは、取得した各分割要素表面を構成する節点の座標、及び各分割要素表面の形状から算出することができる。各分割要素表面の面積を算出したら、節点N6が分担する面積を各分割要素表面の形状に応じて算出する。図4(a)に示した例では、接地面11pが四角形要素で分割されているので、各分割要素表面S1、S2、S4、S5の形状は四角形となる。この場合、すなわち分割要素によって分割された分割要素表面の形状が四角形である場合には、分割要素表面S1の面積の1/4を節点N6が分担する。
【0045】
このように、接地面11pにおける分割要素表面の形状が四角形である場合には、当該形状が占める面積の1/4の大きさを対象となる節点が分担することになる。また、図4(b)に示すように、接地面における分割要素表面の形状が三角形である場合には、当該形状が占める面積の1/3の大きさを対象となる節点が分担することになる。次に、節点N6が分担する各分割要素表面S1、S2、S4、S5の面積をすべて加算する。この面積が、節点N6が分担する面積となる。同様の手順を残りの節点N1、N2等に対して適用して、接地面11p上における各節点が分担する面積を算出する。
【0046】
図5は、タイヤモデルの接地面を含む分割要素の一つを示す斜視図である。上記手順によって各節点が分担する面積を算出すると、図5(c)に示す溝壁11sのような実際には接地していない分割要素表面の面積(図5(a)のハッチング部分)も節点N1が分担する面積に含めてしまうことになる。これは、実際の接地面積よりも過大な面積によって単位面積当たりの摩擦エネルギーを求めることになるので、実際よりも小さい値の単位面積当たりの摩擦エネルギーによって接地面11pの摩耗を評価することになる。この不都合を回避するために、接地しない分割要素表面を含む節点(例えばN1)の面積を算出する場合には、接地する分割要素表面20と接地しない分割要素表面21とを判定して、接地していない分割要素表面21の面積は除外して各節点が分担する面積を求める必要がある(図5(b))。次に、この判定方法について説明する。
【0047】
図6は、分割要素表面の接地を判定する方法の一例を示す説明図である。また、図7は、分割要素表面の接地を判定する方法の他の例を示す説明図である。分割要素表面の接地を判定する方法には、タイヤの初期形状に基づいて、接地する(あるいは接地する可能性のある)分割要素表面と、接地しない(あるいは接地する可能性の低い)分割要素表面とを節点が分担する面積を算出する前に判定する方法がある。
【0048】
この判定法には、例えばタイヤ10の中心10cから判定対象である分割要素表面の中心に向かうベクトルを基準ベクトルとし、分割要素表面の法線ベクトルと前記基準ベクトルとがなす角度から接地の有無を判定するものがある。この場合、両ベクトルのなす角度が接地基準角度よりも小さい場合には当該分割要素表面は接地すると判定し、両ベクトルのなす角度が所定値よりも大きい場合には当該分割要素表面は接地しないと判定する。両ベクトルのなす角度は35度〜45度を接地基準角度とすれば、実用上十分な精度で接地の有無を判断できるので、接地面11pの摩耗を精度よく評価できる。ここで、接地基準角度とは、当該角度よりも小さい場合には、その分割要素表面は接地しない角度をいうものとする。
【0049】
例えば、図6に示した例においては、タイヤ10の中心10cから判定対象である分割要素表面20の中心に向かうベクトルを基準ベクトルV11とし、分割要素表面20の法線ベクトルV12と前記基準ベクトルV11とがなす角度θ1とする。接地基準角度を例えば35度とした場合、分割要素表面20における角度θ1は接地基準角度よりも小さいので、分割要素表面20は接地面(11p)であると判定される。一方、分割要素表面21は、基準ベクトルがV22であり、法線ベクトルはV21である。両ベクトルのなす角度はθ2であるが、θ2は接地基準角度よりも大きいので、分割要素表面21は接地しないと判定される。なお、分割要素表面21は、溝壁11sの一部である。
【0050】
この判定方法によれば、各節点が分担する面積を求める際に、接地しない分割要素表面を除外できるので、精度良く接地面11pの摩耗を予測することができる。また、タイヤの初期形状に基づいて各分割要素表面の接地状態を判定するので、各時間ステップ毎に各分割要素表面の接地状態を判定する必要はない。これにより、計算量を少なくできるのでコンピュータシミュレーションにおいては計算に要する時間を短くでき、また、ハードウェア資源が限られている場合でも有効な評価ができる。
【0051】
他の判定方法としては、タイヤ10の転動時における変形形状を基に、接地する分割要素表面と接地しない分割要素表面とを各時間ステップ毎に判定する方法もある。この判定方法では、タイヤ10の転動時における変形形状に応じて接地面を判断するので、より高い精度で接地面11pの摩耗を予測することができる。この判定方法においては、基準ベクトルとして上記V11やV22を用いてもよいし、図7(a)に示すように分割要素表面20、21の法線ベクトルVn1、Vn2と路面30の法線ベクトルVbrとを用いてもよい。なお、路面30の法線ベクトルVbrを使用する場合には、接地基準角は160度〜179度が好ましく、当該接地基準角よりも分割要素表面の法線ベクトルと路面の法線ベクトルとのなす角度が大きいときには接地すると判定される。
【0052】
例えば、接地基準角を160度とした場合には、分割要素表面20における角度θ1は接地基準角よりも大きいので、当該分割要素表面20は接地すると判定される。一方、分割要素表面21における角度θ2は接地基準角よりも小さいので、当該分割要素表面21は接地しないと判定される。なお、本判定例において、分割要素表面の法線ベクトルと路面の法線ベクトルとのなす角度(図7(a)のθ1、θ2)は、最大180度である。
【0053】
また、路面30の座標R(Xr、Yr、Zr)と判定対象である分割要素表面20等の座標T1(Xt1、Yt1、Zt1)等との差から、分割要素表面20の接地状態を判定してもよい。この場合には、鉛直方向の座標(図7中矢印Zで示す方向)を用いて分割要素表面20等の接触状態を判定する。例えば、Zt1とZrとの差δ=(Zt1−Zr)が基準値以下である場合には分割要素表面20は接地すると判定される。このような判定をするのは、次の理由による。すなわち、コンピュータを用いた数値シミュレーションの場合は数値誤差が避けられないので、δが完全に一致することはありえない。したがって、この数値誤差を考慮して接地するか否かを判定する必要があるからである。ここで、前記基準値は0.01mm〜2mm程度が好ましい。
【0054】
また、分割要素表面20の座標には、当該分割要素表面20の中心における座標Ncを用いることができる。例えば、分割要素表面20に含まれる節点N1〜N4の鉛直方向における座標の平均値(Z1+Z2+Z3+Z4)/4を、当該分割要素表面20の中心における鉛直方向の座標値Zcとすることができる(図7(c)参照)。そして、路面30の鉛直方向における座標値Zrと分割要素表面20の鉛直方向における座標値Zcとを比較して、両者が等しい場合には分割要素表面は接地すると判定される。さらに、分割要素表面20に含まれる節点N1〜N4のうち、1節点の鉛直方向における座標が路面30の鉛直方向における座標と等しくない場合には、分割要素表面20は接地しないと判断してもよい。
【0055】
図8は、この発明の実施の形態1に係るタイヤの摩耗に関する物理量予測装置の一例を示す説明図である。物理量予測装置50は、処理部52と記憶部54とで構成される。また、この物理量予測装置50には、入出力装置51が接続されており、ここに備えられた入力手段53でタイヤ10の補強コード1やゴムの物性値、あるいは境界条件等を処理部52や記憶部54へ入力する。ここで、入力手段53には、キーボード、マウス等の入力デバイスを使用することができる。
【0056】
記憶部54には、本発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量予測方法を実現する本発明の予測方法が組み込まれたFEMのプログラムが格納されている。ここで、記憶部54は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ(CD−ROM等のような読み出しのみが可能な記憶媒体)や、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
【0057】
また、上記プログラムは、コンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせによって、本発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法を実現できるものであってもよい。また、図8における処理部52の機能を実現するための上記プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本発明に係る予測方法を実行してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
【0058】
処理部52は、メモリ及びCPUにより構成されている。物理量予測時においては設定されたタイヤモデル及び入力データに基づいて、処理部52が前記プログラムを当該処理部52に組み込まれたメモリに読み込んで演算する。その際に処理部52は、適宜記憶部54へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を進める。なお、この処理部52は、前記プログラムの代わりに専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。予測結果は、入出力装置の表示手段55に表示される。ここで、表示手段55には、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等を使用することができる。また、予測結果は、必要に応じて設けられたプリンタ(図示せず)に出力することもできる。また、記憶部54は、処理部52に内蔵されるものであっても、他の装置(データベースサーバ)内にあってもよい。このように、上記構造体の物理量予測装置50は、入出力装置51を備えた端末装置(図示せず)から通信により処理部52や記憶部54にアクセスするものであってもよい。
【0059】
次に、本発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量予測方法の具体的な手順について説明する。図9は、この発明の実施の形態1に係るタイヤの摩耗に関する物理量予測方法の手順例を示すフローチャートである。本発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量予測方法においては、まず、摩擦エネルギーの予測対象であるタイヤのモデルを作成する(ステップS101)。具体的には、補強コード1とゴム2とで構成される複合材層、補強コードの弾性率変化あるいは補強コード1の粘弾性特性等を考慮して、FEMやBEM等の解析手法で取り扱い易い形に実際のタイヤを単純化する。タイヤモデルを作成する際には、補強コード1やゴム2等の物性値を同時に入力しておく。
【0060】
次に、タイヤ10の境界条件を入力する(ステップS102)。タイヤ10の境界条件には、タイヤの空気圧、荷重、スリップ角、速度、あるいはホイールのリム幅といった、タイヤ10の使用条件を入力する。ステップS101とステップS102とによってタイヤ10の性能予測に必要な条件がすべて入力されるので、作成したタイヤモデル及び入力したデータに基づいて、FEMやBEM等の解析手法により、タイヤモデルの走行状態における挙動を解析する(ステップS103)。
【0061】
ここで、タイヤ10全体は、FEMを用いた場合には、例えば図2で示したようなメッシュによって有限個数の微小要素10a、10b等に分割されており、計算前には記憶部54に3次元の座標データとして読み込まれている。この微小要素の座標データと上記入力データとから、各時間における各微小要素のひずみや応力等を算出し、タイヤ10全体の挙動を求める。FEMにおいては、各微小要素内における応力やひずみは一定であると仮定し、この仮定に基づいて各微小要素の応力状態を演算する。
【0062】
次に、タイヤモデルの走行状態における挙動解析結果から、摩擦エネルギーの予測に必要な情報を取得する(ステップS104)。この情報は、例えばタイヤ10を構成する節点の座標、変位、接触力、路面の変位、あるいは接地表面に関する節点のデータ等の情報である。これらの情報に基づいて、単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する(ステップS105)。次に、単位面積当たりの摩擦エネルギーの予測手順について説明する。
【0063】
図10は、単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する手順を示すフローチャートである。この予測手順においては、タイヤの初期形状に基づいて、接地する分割要素表面と接地しない分割要素表面とを、各節点が分担する面積を算出する前に判定する。まず、接地する分割要素表面か否かを判定する(ステップS201)。ここで、この判定手順を説明する。図11は、接地する分割要素表面か否かを判定する手順を示すフローチャートである。
【0064】
この接地判定においては、まず、節点座標、及び分割要素表面情報(例えば当該分割要素表面を構成する節点や分割形状等)を取得する(ステップS301)。次に、当該分割要素表面がタイヤ表面の分割要素表面であるか否かを判定する(ステップS302)。当該分割要素表面がタイヤ表面である場合には、当該分割要素表面が接地するか否かを判定し、その結果を、例えば物理量予測装置50の記憶部54(図8参照)に記憶させる(ステップS303)。なお、本手順をコンピュータで実行させる場合には、RAM上やハードディスクの所定記憶領域に前記判定結果を記憶させる。分割要素表面が接地するか否かの判定には、例えば上述した基準ベクトルと分割要素表面の法線ベクトルとのなす角に基づく手法を用いることができる。タイヤ表面に存在する全分割要素表面について処理が終了したか否かを判断し(ステップS304)、全分割要素表面について処理が終了したら接地の判定手順が終了する。
【0065】
次に、図10に戻って説明する。分割要素表面の接地判定手順が終了したら、分割要素の節点が接地しているかどうかを判断する(ステップS202)。この判断手法は、例えば当該節点と路面との垂直接触力が0を超える場合には、当該節点は接地すると判断する。判定対象である節点が接地していると判定された場合には、当該節点が分担する面積(以下節点面積)を算出する(ステップS203)。節点面積の算出手順については後述する。
【0066】
次に、路面と平行な接触力の成分からせん断接触力Fsを算出し(ステップS204)、また、当該時間ステップと直前の時間ステップとの間における当該節点の変位Dnと路面変位Drとの差Dn−Drから、接地面11pと路面とのすべり量Lとを算出する(ステップS205)。なお、ステップS203〜S205の順序は問わない。せん断接触力Fs、すべり量L及び節点面積Aから、式(1)に基づいて単位面積当たりの摩擦エネルギーEを算出する(ステップS206)。この値を、当該節点が接地を開始してからにおける単位面積当たりの総摩擦エネルギーに追加する(ステップS207)。
E=Fs×L/A・・・(1)
ここでAは節点面積である。
【0067】
全節点の処理が終了したか否かを判断し(ステップS208)、全節点の処理が終了していない場合にはステップS202〜S207を繰り返す。当該ステップにおいて全節点を処理したら全ステップの処理が終了したか否かを判断し(ステップS209)、全ステップの処理が終了していない場合にはステップS202〜S208を繰り返して全ステップを処理して、摩擦エネルギーEの予測手順が終了する。
【0068】
次に、節点面積の算出手順について説明する。図12は、節点面積の算出手順を示すフローチャートである。まず、節点面積を算出するため、面積算出対象の節点を含む分割要素表面情報(当該分割要素表面を構成する節点の座標や分割要素表面の分割形状等)を取得する(ステップS401)。なお、摩擦エネルギーEを求める際にはトレッド内部の節点情報は不要なので、表面に存在する節点のみが節点面積算出の対象となる。次に、上述した分割要素表面の接地判定手順で記憶手段に記憶させた、接地する分割要素表面か否かの判定結果を取得する(ステップS402)。なお、ステップS401とS402との順序は問わない。
【0069】
節点面積を算出する手順においては接地する分割要素表面が対象となるので、当該節点を含む分割要素表面が接地しているか否かを判断する(ステップS403)。これは、ステップS402で取得した、接地する分割要素表面か否かの判定結果に基づいて判断することができる。
【0070】
接地する分割要素表面である場合には、当該分割要素表面の面積と分割形状とから面積算出対象である節点の節点面積を算出して、既に求めた節点面積に加算する(ステップS404)。そして、接地している面積算出対象の節点を含む各分割要素表面すべてについて面積算出対象の節点面積を算出し、既に求めた節点面積に加算したら、当該節点の面積算出が終了する。そして、全分割要素表面の処理が終了していない場合にはステップS403及びS404を繰り返して全分割要素表面を処理して(ステップS405)、全節点面積の算出が終了する。
【0071】
実施の形態1に係るタイヤの摩耗に関する物理量予測方法では、タイヤの初期形状に基づいて、節点面積の算出前に分割要素表面の接地を判定し、単位面積当たりの摩擦エネルギーを算出する。これにより、各時間ステップ毎に各分割要素表面の接地状態を判定する必要はないので計算量を少なくできる。その結果、コンピュータシミュレーションにおいては計算に要する時間を短くでき、また、ハードウェア資源が限られている場合でも有効な評価ができる。
【0072】
(変形例)
次に、実施の形態1の変形例に係るタイヤの摩耗に関する物理量予測方法の手順について説明する。この予測手順は、上記予測手順と略同様であるが、単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する手順において、タイヤ10の転動時における変形形状を基に接地する分割要素表面と接地しない分割要素表面とを各時間ステップ毎に判定する点が異なる。他の構成は、上記予測手順と同様なのでその説明を省略する。
【0073】
この変形例に係るタイヤの摩耗に関する物理量予測方法において、タイヤモデルの作成から単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測するまでにおける一連の流れは、実施の形態1で説明した通りなのでその説明を省略する(図9参照)。図13は、実施の形態1の変形例に係る単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する手順を示すフローチャートである。なお、本予測手順のステップS501〜ステップS508は、実施の形態1に係る単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する手順のステップS202〜S209(図10参照)と同様なので、説明を省略する。
【0074】
本変形例に係る節点面積の算出手順(ステップS502)は次の通りである。図14は、節点面積の算出手順を示すフローチャートである。まず、節点面積を算出するため、面積算出対象の節点を含む分割要素表面情報(当該分割要素表面を構成する節点の座標や分割要素表面の分割形状等)を取得する(ステップS601)。次に、各時間ステップ毎に当該節点を含む分割要素表面が接地しているか否かを判断する(ステップS602)。節点面積を算出する手順においては接地する分割要素表面が対象となるからである。この判断手法には上述した手法を用いることができ、例えば、分割要素表面の法線ベクトル及び路面の法線ベクトルのなす角と所定の接地基準角とに基づく手法を用いることができる。
【0075】
接地する分割要素表面である場合には、当該分割要素表面の面積と分割形状とから面積算出対象である節点の節点面積を算出して、既に求めた節点面積に加算する(ステップS603)。そして、接地している面積算出対象の節点を含む各分割要素表面すべてについて面積算出対象の節点面積を算出し、既に求めた節点面積に加算したら、当該節点の面積算出が終了する。そして、全分割要素表面の処理が終了していない場合にはステップS602及びS603を繰り返して全分割要素表面を処理して(ステップS604)、全節点面積の算出が終了する。このようにして求めた各時間ステップにおける節点面積に基づいて、単位面積当たりの摩擦エネルギーを算出する。
【0076】
本変形例に係るタイヤの摩耗に関する物理量予測方法では、各時間ステップ毎に接地する分割要素表面を判定し、単位面積当たりの摩擦エネルギーを算出する。これにより、タイヤの転動時における変形形状に応じて接地面を判断できるので、より高い精度でタイヤ接地面の摩耗を予測することができる。
【0077】
実施の形態1に係る本発明のタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法は、上記構造体の物理量予測装置50を使用しなくとも、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。以下の実施の形態においても同様である。
【0078】
(実施例)
ここでは、実施の形態1で説明した摩耗エネルギーの予測方法を用いて、タイヤの摩耗に関する物理量のうち垂直接触力と摩擦エネルギーとを評価した。タイヤのサイズが215/45R17の乗用車用ラジアルタイヤをモデル化し、FEMによって垂直接触力と摩擦エネルギーとを予測した。図15は、比較例1の垂直接触力分布を示す説明図、図16は、実施例1の垂直接触力分布を示す説明図、図17は、実施例2の垂直接触力分布を示す説明図である。また、図18は、比較例2の摩擦エネルギー分布を示す説明図、図19は、実施例3の摩擦エネルギー分布を示す説明図、図20は、実施例4の摩擦エネルギー分布を示す説明図である。
【0079】
実施例1、2及び比較例1では、内圧230kPa、荷重3.8kNで負荷した際の垂直接触力を評価した。また、実施例3、4及び比較例2では、内圧230kPa、荷重3.8kN、速度36km/h、キャンバー角1度、旋回力0.2Gにおける摩擦エネルギーを評価した。実施例1、3は単位面積当たりの垂直接触力又は摩擦エネルギーによるものであるが、溝壁11sも含めて計算したものである。実施例2、4は単位面積当たりの垂直接触力又は摩擦エネルギーによるものであり、さらに節点面積の算出においては溝壁11sを除外したものである。比較例1、2は単位面積当たりの垂直接触力又は摩擦エネルギーに換算していないものである。
【0080】
比較例1及び2においては、単位面積当たりの垂直接触力又は摩擦エネルギーを用いていないので、垂直接触力又は摩擦エネルギーの分布に所々ムラが発生していることがわかる(図15、18中Bで示す領域)。また、図15〜17からわかるように、実施例1及び3においては、単位面積当たりの垂直接触力又は摩擦エネルギーとして算出しているので、比較例1、及び2と同じ場所においては、これらよりも垂直接触力又は摩擦エネルギーが一様に分布していることがわかる。ただし、溝壁11sを含めてこれらを算出しているので、溝18に接するブロック端部の値が小さくなっている。
【0081】
これに対して、実施例2及び4においては、単位面積当たりの垂直接触力又は摩擦エネルギーに換算し、節点面積の算出においては溝壁11sを除外しているので、上記例と同じ場所において垂直接触力又は摩擦エネルギーの分布にムラは発生せず、また溝18に接するブロック端部においても適切な値を示す。このように、本発明に係る摩擦エネルギーの予測方法によれば、地面と接触するタイヤ10の表面のみならず、溝18に接するブロック端部においても適切に摩擦エネルギーを評価できるようになった。これにより、タイヤ10の摩耗や偏摩耗を高い精度で予測できるので、タイヤ10の実設計に対して有効に使用できる。
【0082】
(実施の形態2)
実施の形態2においては、実施の形態1で説明した摩擦エネルギーの予測方法を利用して、タイヤの偏摩耗及びタイヤの摩耗を予測する方法について説明する。図21は、この発明の実施の形態2に係るタイヤの偏摩耗を予測する手順を示すフローチャートである。まず、自由転動、制動、駆動、旋回等の実運転条件下において、それぞれ摩擦エネルギーE1、E2・・・Enを予測する(ステップS701)。摩擦エネルギーの予測手順は実施の形態1で説明した通りである。
【0083】
次に、これらの運転条件がどの程度の頻度、あるいはどの程度の大きさで発生するかに基づいて、それぞれの条件の重み付けをする(ステップS702)。この重み付けは、各運転条件の発生頻度割合に応じて所定の大きさに各重み付け係数C1、C2・・・Cnを決定する。そして、各重み付け係数を前記各運転条件下における摩擦エネルギーに乗じ、これらの和C1×E1+C2×E2+・・・+Cn×Enを求める。これが実走行中における摩擦エネルギーEaとなる(ステップS703)。この摩擦エネルギーEaに基づいて、実車走行中におけるタイヤの偏摩耗を予測する(ステップS704)。
【0084】
図22は、この発明の実施の形態2に係るタイヤの偏摩耗及び摩耗を予測する手順を示すフローチャートである。まず、ゴム摩擦指数Gを、例えばJIS K6246に規定する通常のランボーン摩耗試験により求める(ステップS701’)。次に、自由転動、制動、駆動等の実運転条件下において、それぞれ摩擦エネルギーE1、E2・・・Enを予測し(ステップS702’)、各条件の発生頻度に応じて各条件の重み付けをして(ステップS703’)、実車走行中における摩擦エネルギーEaを予測する(ステップS704’)。これらの手順は上述した通りなので説明を省略する。このようにして求めた摩擦エネルギーEaに基づいて、実車走行中におけるタイヤの偏摩耗及び摩耗を予測する(ステップS705’)。例えば、ゴム摩擦指数GとEaとの積G×Eaを求め、基準となるタイヤのG×Eabと比較することにより摩耗速度が予測できる。
【0085】
このように、ゴム摩擦指数Gを使用すれば、摩擦エネルギーの分布のみならず摩擦速度も予測できるので、幅広いタイヤの摩耗評価に対して適用できる。なお、実施の形態2で説明したタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法は、実施の形態1と同様にコンピュータによって実行できる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法(請求項1)、又はこの発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラム(請求項9)では、タイヤモデルを構成する複数の分割要素表面に含まれる節点が分担する分割要素表面の面積によって、タイヤの摩耗に関する物理量を単位面積当たりの物理量に換算してタイヤの摩耗を評価するようにした。このため、せん断接触力や摩擦エネルギー等の物理量は要素分割や節点位置の影響を受けないので、接触面全体における摩耗を精度よく予測することができる。また、摩擦エネルギーを測定する必要がないので、効率よくタイヤの摩耗を予測して、開発の効率を向上させることができる。
【0087】
また、この発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法(請求項2)、又はこの発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラム(請求項10)では、分割要素表面の分割形状に基づいて各節点が分担する面積を求めるようにした。これによって、分割要素表面の形状に関わらず節点が分担する面積を正確に算出して、タイヤの摩耗に関する物理量を精度よく予測できる。
【0088】
また、この発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法(請求項3)、又はこの発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラム(請求項11)では、分割要素表面が接地しているか否かを判定する工程を含むようにした。これによって、例えば溝壁等における分割要素表面のように、接地しない分割要素表面を物理量の予測に際して排除することができる。その結果、溝に接するブロック端部における摩擦エネルギーを適切に評価できるので、このような部分における摩耗も精度よく予想できる。従来摩擦エネルギーを測定することが極めて困難であったブロックの端部等も、分割要素表面の接地状態を判定することによって、精度よく摩擦エネルギーを予測することができる。
【0089】
また、この発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法(請求項4)では、タイヤの初期形状を基準として、各節点が分担する面積を算出する前に予め分割要素表面が接地しているか否かを判定するようにした。このため、分割要素表面が接地するか否かは、タイヤの初期形状を基にして1回だけ判定するので、計算数を抑えることができる。特に、コンピュータを用いて本発明に係る予測方法を実行する場合には、ハードウェア資源を節約できるという長所がある。
【0090】
また、この発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法(請求項5)では、タイヤの変形形状に応じて、分割要素表面が接地しているか否かを各瞬間毎に判定するようにしたので、タイヤの摩耗に関する物理量の予測精度をさらに向上させることができる。
【0091】
また、この発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法(請求項6)、又はこの発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラム(請求項12)では、単位面積当たりの摩擦エネルギーを用いてタイヤの摩耗を予測するようにしたので、精度の高い摩耗予測ができる。これによって、タイヤの設計に対する有効な情報を得ることができる。また、摩擦エネルギーを測定する必要がないので、タイヤの摩耗を予測する手間も大幅に軽減でき、タイヤの開発期間を短縮できる。
【0092】
また、この発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法(請求項7)では、ゴム摩擦指数を使用するようにしたので、単なる摩耗の分布だけでなく実際の摩耗速度も予測でき、より幅広くタイヤの摩耗に関する評価ができる。
【0093】
また、この発明に係るタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法(請求項8)では、上記タイヤの摩耗に関する物理量の予測方法を実行させるための処理手段を備えるようにした。これによって、せん断接触力や摩擦エネルギー等の物理量は要素分割や節点位置の影響を受けないで求めることができるので、接触面全体における摩耗を精度よく予測することができる。また、摩擦エネルギーを測定する必要がないので、効率よくタイヤの摩耗を予測して、開発の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】予測対象であるタイヤを、その回転軸を含む子午面で切った断面を示す一部断面図である。
【図2】予測対象であるタイヤを微小要素に分割した例を示す斜視図である。
【図3】キャップトレッドが地面と接する接地面を微小要素に分割した例を示す説明図である。
【図4】四角形要素によって9分割した接地面を示す平面図である。
【図5】タイヤモデルの接地面を含む分割要素の一つを示す斜視図である。
【図6】分割要素表面の接地を判定する方法の一例を示す説明図である。
【図7】分割要素表面の接地を判定する方法の他の例を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係るタイヤの摩耗に関する物理量予測装置の一例を示す説明図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係るタイヤの摩耗に関する物理量予測方法の手順例を示すフローチャートである。
【図10】単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する手順を示すフローチャートである。
【図11】接地する分割要素表面か否かを判定する手順を示すフローチャートである。
【図12】節点面積の算出手順を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態1の変形例に係る単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する手順を示すフローチャートである。
【図14】節点面積の算出手順を示すフローチャートである。
【図15】比較例1の垂直接触力分布を示す説明図である。
【図16】実施例1の垂直接触力分布を示す説明図である。
【図17】実施例2の垂直接触力分布を示す説明図である。
【図18】比較例2の摩擦エネルギー分布を示す説明図である。
【図19】実施例3の摩擦エネルギー分布を示す説明図である。
【図20】実施例4の摩擦エネルギー分布を示す説明図である。
【図21】この発明の実施の形態2に係るタイヤの偏摩耗を予測する手順を示すフローチャートである。
【図22】この発明の実施の形態2に係るタイヤの偏摩耗及び摩耗を予測する手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 タイヤ
11 キャップトレッド
11B ブロック
11p 接地面
11s 溝壁
18 溝
20、21 分割要素表面
30 路面
50 物理量予測装置
52 処理部
53 入力手段
54 記憶部
Claims (12)
- タイヤの摩耗を有限要素法、境界要素法その他の解析手法によって予測するにあたり、
タイヤを複数の分割要素に分割してタイヤモデルを作成する工程と、
前記分割要素の表面に存在する節点が接地しているか否かを判定する工程と、
前記節点が分担する前記分割要素の表面の面積を算出する工程と、
算出した前記節点が分担する面積によってタイヤの摩耗に関する物理量を単位面積当たりの物理量に換算する工程と、
を含むことを特徴とするタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法。 - 上記節点が分担する上記分割要素の表面の面積を算出する工程においては、
上記節点を含む上記分割要素の表面の面積を算出する工程と、
上記節点を含む上記分割要素の表面の分割形状に基づいて、上記節点が上記分割要素の表面の面積を分担する割合を決定する工程と、
上記節点が上記分割要素の表面の面積を分担する面積を、上記節点を含むすべての分割要素の表面について加算する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法。 - 上記節点が分担する上記分割要素の表面の面積を算出する工程においては、さらに上記節点を含む上記分割要素の表面が接地しているか否かを判定する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法。
- さらに、上記節点が分担する上記分割要素の表面の面積を算出する前に、上記タイヤの初期形状を基準として、上記分割要素の表面が接地しているか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法。
- さらに、上記タイヤが変形した形状に応じて、上記分割要素の表面が接地しているか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載のタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法。
- 自由転動、制動、駆動、旋回その他の運転条件下において、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法によって、それぞれの前記各運転条件下における単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する工程と、
前記各運転条件の発生頻度を考慮して、前記各運転条件に対して重み付けをする工程と、
前記各運転条件下における単位面積当たりの摩擦エネルギーと前記各運転条件の重み付けとから、実車走行中における単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する工程と、
を含むことを特徴とするタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法。 - さらに、タイヤの表面を構成するゴムのゴム摩耗指数を測定する手順を含み、当該ゴム摩耗指数に基づいて実車走行中タイヤの摩耗を予測することを特徴とする請求項6に記載のタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載したタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法における各手順を処理する処理手段と、
この処理手段に前記タイヤを構成する材料の物性値、運転条件、境界条件その他のデータを与える入力手段と、
前記処理手段による予測結果を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とするタイヤの摩耗に関する物理量の予測装置。 - タイヤの摩耗に関する物理量を有限要素法、境界要素法その他の解析手法によって予測するにあたり、
タイヤを複数の要素に分割してタイヤモデルを作成する手順と、
前記分割要素の表面を構成する節点が接地しているか否かを判定する手順と、
前記節点が分担する前記分割要素の表面の面積を算出する手順と、
算出した前記節点が分担する面積によってタイヤ表面におけるタイヤの摩耗に関する物理量を単位面積当たりの物理量に換算する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラム。 - 上記節点が分担する上記分割要素の表面の面積を算出する手順においては、
上記節点を含む上記分割要素の表面の面積を算出する手順と、
上記節点を含む上記分割要素の表面の分割形状に基づいて、上記節点が上記分割要素の表面の面積を分担する割合を決定する手順と、
上記節点が上記分割要素の表面の面積を分担する面積を、上記節点を含むすべての分割要素の表面について加算する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項9に記載のタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラム。 - 上記節点が分担する上記分割要素の表面の面積を算出する手順においては、上記節点を含む上記分割要素の表面が接地しているか否かを判定する手順をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項9又は10に記載のタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラム。
- 自由転動、制動、駆動、旋回その他の運転条件下において、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤの摩耗に関する物理量の予測方法によって、それぞれの前記各運転条件下における単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する手順と、
前記各運転条件の発生頻度を考慮して、前記各運転条件それぞれの重み付けをする手順と、
前記各運転条件下における単位面積当たりの摩擦エネルギーと前記各運転条件の重み付けから、実車走行中における単位面積当たりの摩擦エネルギーを予測する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするタイヤの摩耗に関する物理量の予測プログラム。
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