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JP2004039795A - 基板処理装置 - Google Patents

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JP2004039795A
JP2004039795A JP2002193405A JP2002193405A JP2004039795A JP 2004039795 A JP2004039795 A JP 2004039795A JP 2002193405 A JP2002193405 A JP 2002193405A JP 2002193405 A JP2002193405 A JP 2002193405A JP 2004039795 A JP2004039795 A JP 2004039795A
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gas
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Kazuyuki Toyoda
豊田 一行
Toru Kagaya
加賀谷 徹
Nobuhito Shima
嶋 信人
Tadashi Konya
紺谷 忠司
Nobuo Ishimaru
石丸 信雄
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Hitachi Kokusai Electric Inc
Original Assignee
Hitachi Kokusai Electric Inc
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Abstract

【課題】安定かつ十分な活性種を被処理基板に輸送でき、プロセス温度の低温化が図れ、かつ構造を簡単にする。
【解決手段】石英製の反応管1を有し、反応管1内に、活性化を要しないガスと活性化を要するガスとを交互に供給して反応管1内に収容したウェーハ7に所望の処理を行なう。反応管1の一部分に、反応管1と連通する石英製のチャンバ60を一体的に設ける。チャンバ60は、反応管1の外部に設けた放電部2と、反応管1の内部に設けたバッファ室6とから構成される。放電部2は、ガス導入口8から導入される活性化を要する処理ガスからプラズマを生成し、このプラズマによって前記ガスを活性化して活性種を生成する。バッファ室6は、放電部2で生成された活性種を輸送して、反応管1内の積層した各ウェーハ7に供給する。活性化を要しない処理ガスはノズル43から各ウェーハ7に供給する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性化したガスを含む処理ガスで基板を処理する基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱CVDを用いた一般的な縦型CVD装置はヒータを有し、そのヒータの内側に石英製の反応管が設けられる。反応管は金属製の炉口フランジ上に立設され、反応管と炉口フランジ間はOリングによりシールされる。炉口フランジにはガス給・排気管が取付けられる。これによりLSI等の半導体デバイスを製造する。
【0003】
ところで、デバイスの微細化のためにプロセス温度は低温化、例えば600℃以下にすることが要請される。しかし、上述した縦型CVD装置を用いて、例えばSiN膜を形成しようとすると、プロセス温度は700℃以上にもなるので、上記低温化の要請に答えることができない。また、ガス給・排気管を取り付けるために、反応管の下部に炉口フランジを必要とする構成であるため、構造が複雑である。さらに、その炉口フランジは取付けや加工性の点から金属で構成しているため、反応管が金属汚染される。
【0004】
そこで、図5に示すようなリモートプラズマ型CVD装置が提案されている。図5(b)は縦断面図、図5(a)はA−A線矢視断面図である。これは、石英製の反応管1に排気ポート3が一体的に設けられて、反応管の下部に給排気のための金属製の炉口フランジを必要としない構造になっている。これにより構造の簡素化をはかり、金属汚染を防止している。反応管1の外周に筒状のヒータ4が設けられる。反応管1の開放下端はシールキャップ19により気密に閉塞される。シールキャップ19にボート5が立設されて反応管1内に挿入される。ボート5には処理されるウェハ7が水平姿勢で多段に装填される。また、シールキャップ19には、ガス導入ノズル3が一体的に取り付けられ、ボート5が反応管1内に挿入されるとき、ガス導入ノズル3も反応管1内に挿入されるようになっている。ガス導入ノズル3に接続されるガス導入配管に、プラズマ生成部などのガス励起手段30を設け、このガス励起手段30により反応管1外で反応性ガスを必要に応じてプラズマ励起して活性種を生成し、この活性種を反応管1内に供給する。これによりプロセス温度を600℃以下に下げている。
【0005】
図示しないボートエレベータにシールキャップ19を介してボート5を下降させ、ボート5にウェハ7を装填し、ボートエレベータによりボート5を反応管1内に挿入する。シールキャップ19が反応管1の下端開口を完全に密閉した後、反応管1内を排気して減圧する。ガス励起手段30で反応性ガスを必要に応じて活性化する。ガス導入ノズル3から活性化した反応性ガスを反応管1内に供給しつつ、排気ポート3より排出する。ヒータ4により反応管1内を所定温度に加熱し、ウェハ7の表面に成膜する。成膜完了後、ガス導入ノズル3から不活性ガスを導入し、反応管1内を不活性ガスに置換して常圧に復帰させ、ボート5を下降させ、ボート5から成膜完了後のウェハ7を払い出す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の基板処理装置では、次のような問題があった。
【0007】
(1)反応管とは離れたガス供給配管にプラズマ生成部などのガス励起手段を設けているので、ガス励起手段で生成された活性種の内、寿命の長いのもしか利用できず、かつ輸送途中で失活したりして、より多くの活性種を反応管内に輸送できない。
【0008】
(2)このため、活性化した反応ガスを反応管内に十分供給することができないので、基板処理の処理速度が落ち、生産性が悪化する。
【0009】
(3)ガス供給配管の途中にガス励起手段を設けなければならないので、構造が複雑になり、コストアップや使い勝手の悪化を伴う。
【0010】
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、安定かつ十分な活性種を被処理基板に輸送でき、プロセス温度の低温化が図れ、かつ構造が簡単な基板処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、非金属からなる反応管を有し、前記反応管内に処理ガスを供給して前記反応管内に収容した被処理基板に所望の処理を行なう基板処理装置において、前記非金属からなる反応管の一部分に、前記反応管と連通する非金属からなるチャンバを一体的に設け、前記チャンバ内で前記反応ガスを活性化して前記反応管内に供給するものであることを特徴とする基板処理装置である。
【0012】
非金属からなる反応管に非金属からなるチャンバを設けたので、反応管に金属汚染の心配がない。さらに、反応管の一部分にチャンバを設けたので、反応ガスを活性化した状態でより多くの安定した活性種を反応管内輸送できる。また、チャンバで活性化した反応ガスを直接反応管内に供給するので、基板処理の低温化が可能になる。また、反応管の一部分にチャンバを一体的に設けたので、構造の簡素化が図れる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、前記反応管内に基板を積層配置して収容し、複数枚一括して処理を行なう基板処理装置である。複数枚の基板に対して活性化した反応ガスを供給するので、スループットを向上できる。
【0014】
第3の発明は、第2の発明において、前記チャンバを基板の積層配置方向に沿って設けた基板処理装置である。チャンバを基板の積層配置方向に沿って設けたので、各基板に均一に活性化した反応ガスを供給することができ、複数枚の基板を均一に処理することができる。
【0015】
第4の発明は、第3の発明において、前記チャンバに前記反応管と連通させるための連通孔を前記基板の積載配置方向に沿って設けた基板処理装置である。チャンバと反応管とは連通孔で連通するので、連通孔周囲が帯電し、電荷を反発して電荷をチャンバ内に閉じ込めるので、電気的に中性な活性種のみを連通孔から供給でき、基板チャージアップに起因する基板ダメージを回避できる。また、連通孔を基板の積載配置方向に沿って設けたので、各基板に活性化した反応ガスをより均一に供給できる。この場合において、基板間に連通孔を対応させると、基板の奥深く供給されるので、特に好ましい。
【0016】
第5の発明は、第1〜第4の発明において、前記反応管内に複数種の反応ガスを交互に供給して、複数種の反応ガスのうちの一部をチャンバを介して供給する基板に極薄膜を1層ずつ形成する基板処理装置である。複数種の反応ガスを交互に供給して基板に極薄膜を1層ずつ形成する基板処理としては、処理温度、圧力が低く、膜を1原子層ずつ形成するALD((Atomic Layer Deposition)技術がある。ALD技術は、低温でありながら高温プロセスと同等以上の良質な薄膜を形成することができる。
【0017】
第6の発明は、第3の発明において、前記基板を回転させながら前記基板に所望の処理を行なう基板処理装置である。チャンバを基板の積層配置方向に沿って設けて、基板の側面から反応ガスを供給しても、各基板に、より均一に活性化した反応ガスを供給することができ、複数枚の基板をより均一に処理することができる。
【0018】
第7の発明は、第1〜第6の発明において、チャンバを、プラズマにより活性種を生成する放電部と、放電部で生成された活性種を輸送するバッファ室とから構成し、放電部を反応管の外部に設け、バッファ室を反応管の内部に設けたことを特徴とする基板処理装置である。バッファ室が基板に隣接して設けられるので、反応ガスを活性化した状態でより多くの活性種を基板に供給できる。
【0019】
第8の発明は、第1〜第6の発明において、反応管の下部に排気口が設けられている装置であって、チャンバを、プラズマにより活性種を生成する放電部で構成して、放電部を反応管の外部の上部に設けたことを特徴とする基板処理装置である。活性種を反応管の上部から下部に向かって輸送できるので、バッファ室を設けなくても、より多くの活性種を基板に輸送できる。
【0020】
第9の発明は、第1〜第6の発明において、チャンバを、プラズマにより活性種を生成する放電部で構成して、放電部を反応管の外側部に設けたことを特徴とする基板処理装置である。反応管の下部に排気口が設けられていなくても、また、バッファ室を設けなくても、反応ガスを活性化した状態でより多くの活性種を基板に輸送できる。
【0021】
第10の発明は、第1の発明ないし第9の発明の基板処理装置を含む半導体製造装置である。良質な半導体デバイスを同時に多数枚製造できる。
【0022】
第11の発明は、非金属からなる反応管内に反応ガスを供給し、前記反応管内に収容した基板に所望の処理を行なう基板処理方法において、前記反応ガスを活性にする非金属からなるチャンバを、前記非金属からなる反応管の一部分に形成し、前記反応ガスを前記チャンバを通して活性化して前記反応室に供給することを特徴とする基板処理方法である。
【0023】
非金属からなる反応管に非金属からなるチャンバが存在するので、反応管に金属汚染の心配がない。さらに、反応管の一部分にチャンバが存在するので、反応ガスを活性化した状態でより多くの活性種を反応管内に輸送できる。また、チャンバで活性化した反応ガスを反応管内に供給するので、基板処理の低温化が可能になる。
【0024】
第12の発明は、第11の発明の基板処理方法を用いた半導体装置の製造方法である。良質な半導体デバイスを同時に多数枚製造できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。図2は縦型基板処理装置を備える半導体製造装置の概略構成図である。半導体製造装置は、本体100および本体へ電力等を供給するユーティリティ部200を有している。
【0026】
本体100の内部には縦型の基板処理装置50が設けられている。この基板処理装置50は、複数枚の被処理基板、例えばシリコンウェーハをALD技術を用いて成膜処理を行なう。基板処理装置50には、石英製の反応管1、その反応管1を加熱するヒータ4が設けられている。反応管1の下方には、反応管1中へウェーハ7を出し入れする石英製のボート5、およびボート5を上下させるボートエレベータ24が設置されている。図では空のボート5が反応管1からボートエレベータ24で抜き出された状態が示されている。反応管1の下部開口は、ボート下部に設けたシールフランジ19で塞ぐようになっている。また、反応管1にプラズマ生成用の放電部2が設けられ、この放電部2に整合器10を介して高周波電源11の高周波電力を加え、プラズマを生成できるようになっている。
【0027】
さらに本体100の内部には、前記ボート5へ移載されるウェーハ7が収納されたカセット20を一時保管するカセット棚22が設けられる。図では12個のカセット20を保管した状態が示されている。このカセット棚22のカセット20よりボート5へ被処理前ウェーハ7を搬入し、被処理後ウェーハ7をカセット棚22のカセット20へ搬出する搬送アーム31を有するウェーハ移載機23が設けられている。ウェーハ移載機23は同時に複数枚、例えば5枚のウェーハ7を移載できる。そして本体前面にI/Oステージ21が設置されており、本体外部との間でカセット20の授受を行なうようになっている。カセット棚22と、I/Oステージ21との間では、図示しないカセットローダがカセット20を運搬するようになっている。
【0028】
上述した基板処理装置の動作について簡単に説明する。I/Oステージ21にウェーハが収納されたカセット20を受け取る。カセット20には複数枚、例えば25枚のウェーハが収納されている。I/Oステージ21に受けたカセット20はカセットローダによって順次カセット棚22に運ばれる。ウェーハ移載機23はカセット棚22からウェーハ7を搬出してボート5に移載する。ボート5には複数枚、例えば100枚のウェーハが装填できるため、ウェーハ移載機23による移載動作が何度か繰り返される。同時に5枚ずつ移載できると、100枚のウェーハ移載を行なう場合は、20回の移載動作を繰り返す。ボート5へのウェーハの移載が終了したら、ボート5は、ボートエレベータ24により上昇して反応管1内に挿入され、反応管1内はシールフランジ19により気密に保持される。
【0029】
反応管1内のガスは、排気配管32から図示しないポンプで排気し、所定の圧力に到達したら、ボート5を図示しない回転機構により回転させる。また反応管1内のウェーハは、ヒータ4によって所定の温度に保持される。所定の温度に保持後、反応管1内に活性化を要する処理ガスと、活性化を要しない処理ガスとを交互に供給して、ウェーハ上にALD技術により成膜処理を行なう。ここで、活性化を要しない処理ガスを供給するときは、処理ガスは放電部2を介さないで流すようにする。活性化を要する処理ガスを供給するときは、処理ガスは放電部2を介して流すようにする。放電部2を介して供給される処理ガスは、放電部2で生成されたプラズマにより活性化される。供給される各処理ガスは、図示しない圧力調整機構よって一定の圧力に保たれる。
【0030】
成膜処理のプロセスが完了すると、ボート5は、ボートエレベータ24により反応管1から抜き出されて、ウェーハ移載機23、カセット棚22、カセットローダを経由してI/Oステージ21に運ばれ、本体外部に授けられる。
【0031】
図1は、上述した基板処理装置を説明した第1の実施形態による縦型ALD(Atomic Layer Deposition)装置の構成図である。図1(b)は反応管周辺部を示した縦断面図、図1(a)は(b)のA−A線矢視断面図である。縦型ALD装置は、ウェーハを石英製反応管1内に多段に積層配置して一括して処理する。
【0032】
縦型ALD装置は、円筒状の反応管1を有する。反応管1は、非金属の石英で構成され、上部が閉じ、下部が開いて、内部に反応室35を構成する。また、反応管1内の雰囲気を排気する排気ポート3が設けられる。供給ポート41には図示しないガス供給源が連通され、排気ポート3には図示しない真空ポンプが連通されている。
【0033】
反応管1の外側には筒状のヒータ4が設置され、反応管1の内部を加熱し一定温度に保持することができる。
【0034】
反応管1の下方に、ウェーハ7を積層配置する石英製のボート5が昇降自在に設けられる。ボート5は、回転軸14に支持されたボート台13上に図示しないボートキャップ(断熱板)を介して設けられ、ボート台13及びボート5は回転駆動部16によってシールフランジ19上に回転自在に支持される。シールフランジ19を貫通する回転軸14はシール15により回転可能にシールされ気密が保持されている。ボート5が上昇して反応管1内に挿入されると、ボート5の下部に設けたシールフランジ19が反応管1の下部をシールする。シールした状態で、回転駆動部16によりボート5は回転する。
【0035】
反応管1内に処理ガスを供給しつつ排気することにより、ボート5に積層配置されたウェーハ7に所望の処理が行われる。処理後、ボートは下降して反応管1から抜き出されることになる。
【0036】
活性化を要しないガスを供給する第1のガス供給ポート41は、反応管1の下部から挿入したノズル43によって構成される。ノズル43は、反応管1下部の側面から導入して、反応管1の下方からウェーハ7の積層配置方向に沿って反応管1の上方まで延在されている。ノズル43には、ノズル43を反応管1に連通させるための連通孔44が、反応室35の中心軸45側に多数個設けられる。連通孔44はウェーハピッチに合わせて開けることが好ましい。
【0037】
活性化を要するガスを供給する第2のガス供給ポート8は、処理ガスを活性化して反応管1内に供給するチャンバ60によって構成される。チャンバ60は、非金属からなる石英で構成され、反応管1の一部の内壁1aに一体的に設けられて反応管1と連通するようになっている。チャンバ60は、プラズマを生成してさらに活性種を生成する放電部2と、放電部2で生成された活性種を輸送するバッファ室6とから構成される。バッファ室6は、放電部2が反応管1の下部に設けられているために、反応管1の下部から上部にわたって積載されているウェーハに活性種を輸送するために必要となる。また、活性種が壁にぶつかったりして失活しないように、ノズルに比べて比較的広い空間をもっている。
【0038】
プラズマを生成して活性種を生成する放電部2は、排気ポート3と対向する反応管1の下方位置に開口部61を設けて、その開口部61に反応管1の外部に突設するごとく、排気ポート3と同様に、短筒状に取り付けられる。放電部2が反応管1の外部に設けられているのは、後述する放電電極12をむき出しで反応管1内に設けることができないためである。放電部2の端部には、活性化を要するガスを導入するための石英製のガス導入口8が設けられる。筒状の放電部2の外周には、一対の放電電極12が設けられる。放電電極12の構造は筒状の放電部形状に沿った弧状の対向電極が好ましいが、板状でも、リング状でもよい(図1の場合では、リング状電極の例を示す)。放電電極12に高周波電源11から高周波電力を整合器10を介して印加する。この高周波電力の印加により、放電部2の内部にプラズマ9が生成され、このプラズマ9によって活性化を要するガスが活性化されるようになっている。
【0039】
放電部2で生成された活性種を輸送するバッファ室6は、反応管1下方の開口部61から、ウェーハ7の積層配置方向に沿って反応管1の上方まで延設されている。バッファ室6には、バッファ室6を反応管1に連通させるための連通孔17が、反応室35の中心軸45側であって、ボート5に支持された複数のウェーハ7に対応するように複数設けられている。連通孔17はウェーハ7間の間に位置するように、すなわちウェーハピッチに合わせて開けることが好ましい。
【0040】
放電部2に設けたガス導入口8から導入されたガスは、放電部2内部に生成されたプラズマ9によって活性化され、バッファ室6の反応室中心軸45側に設けられた多数の連通孔17から、反応室35内のボート5に多段に等間隔で載置された複数のウェーハ7に、ウェーハ7の側面から供給される構造となっている。
【0041】
上記のようなバッファ室6を形成するには、反応管1の内部を仕切板62で仕切るのがよい。例えば、反応管1の内径よりも小さな幅をもち、反応管1の高さよりも若干短い長尺の仕切板62を反応管内1に挿入する。仕切板62には連通孔17を開けておく。挿入した仕切板62で放電部2を取り付けた開口部61側の反応管1の内壁1aを覆い、仕切板62の上下を塞いで、仕切板62と内壁1aとで仕切られたバッファ室6を内部に形成する。各部品は石英で製作後、例えばバーナであぶりながら互いに溶着させる。連通孔17は例えばレーザ加工により形成する。
【0042】
なお、上述した活性化を要しないガスを供給する第1の供給ポート41は、反応管1とは一体のノズル43によって構成したが、バッファ室6の隣に、バッファ室6と同様に反応管1を仕切って形成した第2のバッファ室で構成し、これをノズルにしてもよい。またはバッファ室6を2部屋に仕切って、そのうちの一方をバッファ室とし、他方を第1のガス供給ポート用のノズル、ないしガス均一供給用バッファ室としてもよい。
【0043】
さて、上述したような構成をした縦型ALD装置の作用について説明する。ここでは、基板処理として、SiHCl(ジクロルシラン)とNH(アンモニア)とを交互に供給して、直径200mmのシリコンウェーハ上にSiN膜をALD技術を用いて形成する例を説明する。処理中はボート5は処理の均一性を向上するため回転させる。回転速度Rは0<R≦10rpm程度である。また、処理温度は300〜600℃、例えば495℃である。
【0044】
図示しない真空ポンプにより排気ポート3より反応管1内を排気した後、第2のガス供給ポート42を構成するガス導入口8からチャンバ60を介してNH(アンモニア)を100〜10,000sccm、好ましくは2,000sccm供給しつつ排気制御して、反応管内圧力を13.3〜1330Pa(0.1〜10Torr)、例えば39.9Pa(0.3Torr)にする。
【0045】
この状態で放電電極12に高周波電源11から100〜3000W、例えば300Wの高周波電力を整合器10を介して供給すると、放電部2内にアンモニアのプラズマ9が生成される。放電部2に供給されたアンモニアは、このプラズマ9で活性化し、活性種がバッファ室6に輸送され、複数の連通孔17から反応管1内の各ウェーハ7に供給される。
【0046】
連通孔17の孔径は1〜5mm程度が好ましい。孔周辺の石英壁は電子が付着するため負に帯電する。これにより石英壁表面にシースが形成されてイオン(プラズマ)が通過できにくくなる。しかし孔径がある程度大きくなるとプラズマが漏洩してしまうことがあるので好ましくない。孔径が小さいと、孔の上にもシースが形成されるため、イオンは孔の外に出なくなる。しかし孔径が相当小さくなると、孔部分で圧力上昇による粒子同士の衝突が増加して活性種の失活する量が増加するため好ましくない。なお、供給するガス量を同一とした場合、孔径の大小に応じた主要な特性は図6の通りである。
【0047】
したがって、連通孔17を通ってウェーハ7に供給されるのは、電気的に中性なアンモニアの活性種のみとなり、チャージアップによるダメージを回避できる。また、連通孔17はボート5上に多段に載置されたウェーハ7間の中間に位置するように設けてあるため、アンモニアの活性種は重ねて載置されたウェーハ7の奥深く供給される。
【0048】
1〜60秒間、例えば60秒間ほどプラズマを生成しながらアンモニアを供給して、各ウェーハの全面にNHの活性種を供給する。
【0049】
その後、NやArなどの不活性ガスで反応管1内をパージして且つ排気し、アンモニアの活性種の濃度が充分下がった時点で、不活性ガスの供給を停止し、第2のガス供給ポート41からSiHCl(ジクロルシラン)を、50〜5000sccm、例えば300sccm供給し、13.3〜1330Pa(0.1〜10torr)、例えば399Pa(3Torr)で、1〜60秒間、例えば60秒間保持する。各ウェーハ表面にSiを含んだ粒子を一層分吸着させ、その後上記NHの活性種を60秒間供給し、Nパージを行なう。そうするとSiN膜の極薄膜が1層形成される。その後、NやArなどの不活性ガスで反応管1内をパージして且つ排気し、ジクロルシランの濃度か充分に下がった時点で、不活性ガスの供給を停止する。反応管1内の圧力や温度を適切にして、反応ガスを交互に供給して極薄膜を1層ずつ形成するALD技術では、このSiN膜の極薄膜が1層分形成されるとリミットがかかり、それ以上膜厚は増加しない。
【0050】
このように2種類のガスを交互にSiHCl→NH活性種の順で1回ずつ供給するとウェーハに極薄膜(ALD膜)が1層分形成される。このSiHCl→NH活性種供給の1サイクルのプロセスで、約1オングストローム(以下、Åと略称)のSiN膜が形成できる。このため例えば500ÅのSiN膜を形成する場合は上記プロセスを約500回繰り返す。
【0051】
上述した実施の形態では、非金属からなる石英製反応管1に金属配管等を介さないで直接非金属からなる石英製チャンバ60を設けたので、金属配管等を介して放電部が接続されているものと比べて、反応管1が金属汚染される心配がない。さらに、反応管1の一部分に、アンモニアを活性化して反応管1内に供給するチャンバ60を設けたので、反応管とは離れたガス供給配管にプラズマ生成部などのガス励起手段を設けたものと比べて、生成された活性種が輸送途中で失活する量が低減し、活性化した状態のまま、より多くのアンモニアを反応管1内に輸送できる。また、活性化したアンモニアを反応管1内に供給するので、ジクロルシランの処理温度である495℃での低温処理が可能となり、ウェーハ処理の低温化が可能になる。また、反応管1の一部分にチャンバ60を一体的に設けたので、ガス供給配管の途中にガス励起手段を設けるものと比べて、構造の簡素化が図れる。特に、石英製反応管1の内壁の一部を石英製仕切板62で覆うだけで、チャンバ60の活性種輸送部を構成するバッファ室6を形成できる。また、反応管1に設けた開口部61の外側に放電部2を取り付けるだけで、バッファ室6と連通するプラズマ生成部を構成することができる。また、チャンバはシンプルな構造となるため、反応管1のウェット洗浄の際も取り扱いが簡単である。
【0052】
また、バッファ室6の連通孔17が、ボート5に支持されたウェーハ7に対応するように複数設けられていると、ウェーハ7表面と平行な活性種の流れを作ることができ、ウェーハ7上に積極的に原料を供給し、表面吸着を促進できる。したがって、ALD技術を用いて低温で高品質のSiN膜を形成することができる。
【0053】
また、反応管1内に複数枚のウェーハ7を積層配置して収容し、複数枚のウェーハ7に対して活性化した反応ガスを供給して、複数枚一括して処理を行なうバッチ式なので、スループットを向上できる。また、チャンバ60をウェーハ7の積層配置方向に沿って設けたので、各ウェーハ7に均一に活性化した反応ガスを供給することができ、複数枚のウェーハ7を均一に処理することができる。また、チャンバ60を構成するバッファ室6に適切な孔径の連通孔17を設けて、プラズマが連通孔17から出ていかないようにしたので、ウェーハチャージアップに起因するウェーハダメージを回避できる。
【0054】
また、ボート5を一定速度で回転させながらウェーハ7上に成膜を行なうので、チャンバ60をウェーハ7の積層配置方向に沿って設けて、ウェーハ7の側面から反応ガスを供給しても、各ウェーハ7に、より均一に活性化した反応ガスを供給することができ、ウェーハ面間均一性を高めることができる。SiN膜形成の実験では、ボート5を回転させない場合、膜厚の均一性は±3%程度であったが、ボート5を回転した場合は±1%以下となる結果が得られた。
【0055】
なお、実施の形態では、放電部2を反応管1の外部に設けているので、放電電極12を保護する保護管が不要となり、構造を簡素化できる。しかし、放電部2も反応管1の内部に設けることは可能である。その場合、構造は複雑化するが、放電電極12を石英製の電極保護管で覆えばよい。
【0056】
また、実施の形態では、基板処理装置は、膜を1原子層ずつ形成するALD装置として説明したが、ALD装置ではなく、薄い膜を形成するCVD装置や表面処理装置としても使用可能である。また、上記実施の形態では、バッチ式について述べたが、これに限定されず、本発明は枚葉式にも適用できる。また、反応管が単管の場合について述べたが二重管でもよい。
【0057】
また、上述した実施の形態では、ガスを活性化する手段として、プラズマを使った例を挙げているが、他の活性化手段を用いて、ガスを活性化させてもよい。この活性化手段としては、触媒や、ランプなどで熱エネルギーを与える予備加熱,UV光などがある。
【0058】
ところで、上述した第1の実施の形態では、処理ガスを活性化して輸送するチャンバの一部を反応管の内部に設けた場合について説明した。すなわち、輸送部としてのバッファ室が内部、プラズマ生成部としての放電部2が外部に設けられている。しかし、本発明はこれに限定されない。例えばチャンバを反応管の外部に設けることも可能である。次に、そのようなチャンバを外部に設けた他の実施の形態について説明する。
【0059】
図3は、チャンバを反応管1の上部に設けた第2の実施の形態の縦型ALDの縦断面図である。チャンバを上部に設けた点を除いて、その他の構成は図1で説明した第1の実施の形態と同じであるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
非金属からなる石英製の反応管1の上部に、反応管1と連通する非金属からなる石英製のチャンバ1を一体的に設ける。このチャンバ1は、第1の実施の形態と異なり、輸送部であるバッファ室を持たず、プラズマを生成して活性種を形成する放電部2のみから構成される。具体的には、反応管1の頂部に連通孔17を設け、連通孔17の外部にヒータ4上部を貫通する短筒状の放電部2を設ける。放電部2の端部には、活性化を要するガスを導入するための石英製のガス導入口8が設けられる。筒状の放電部2の外周には、一対の放電電極12が設けられる。放電電極12に高周波電源11から高周波電力を整合器10を介して印加する。この高周波電力の印加により、放電部2の内部にプラズマ9が生成され、このプラズマ9によって活性化を要するガスが活性化されるようになっている。
【0061】
第2の実施の形態のように、チャンバとしての放電部2を反応管1の上部に設けると、排気ポート3が反応管1の下方に設けられているため、第1の実施の形態のようにバッファ室を設けなくても、放電部2で生成した活性種を反応室35の上部から排気ポート3のある下方に輸送することができるので、複数枚重ねて載置したウェーハ7全体に活性種を供給することができる。また、バッファ室が不要となるので、反応管構造をより簡素化でき、コストダウンが図れる。
【0062】
図4は、チャンバを反応管の側部に設けた第3の実施の形態の縦型ALD装置の構成図である。図4(b)は反応管周辺部を示した縦断面図、図4(a)は(b)のA−A線矢視断面図である。チャンバ60を反応管側部に設けた点を除いて、その他の構成は図1で説明した第1の実施の形態と同じであるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0063】
非金属からなる石英製の反応管1の外周部に、ウェーハ7の積層配置方向に沿って、反応管1と連通する非金属からなる石英製のチャンバ60を一体的に設ける。チャンバ60は、バッファ室を持たない細長い放電部2のみで構成される。反応管1の壁面1bに連通孔17を設けて、反応管1と放電部2とを連通する。放電部2は全体が反応管1の外部に存在するので、放電部2の全長に沿って長尺の一対の放電電極12を取り付けることができ、放電部2全体をプラズマ生成室とすることができる。
【0064】
この第3の実施の形態では、生成された活性種を、多段に載置されたウェーハに均等に送ることができる。前述した第1及び第2の実施の形態では、放電部2が反応管1の下部や上部に設けてあるため、多段に載置されたウェーハ7の上段部と下段部とでは、処理速度やウェーハ7上に形成される膜の性質が若干異なるおそれがある。しかし、第3の実施の形態では、ウェーハ7が多段に載置された範囲と同じ領域にプラズマ9を生成でき、そのプラズマ9によって活性種を生成するため、より均一なウェーハ処理ができる。すなわち、多段に重ねた被処理ウェーハ7のすぐ横に設けた放電部2の中に、均一で広範囲にプラズマ生成することができるため、均一な密度の活性種を被処理ウェーハ7に供給することができる。このため複数枚の被処理ウェーハ7を均一に処理することができる。また、多段に重ねた被処理ウェーハ7のすぐ横に設けた放電部2でプラズマを生成するため、寿命の短い活性種も大量に被処理ウェーハ7に供給することができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、非金属からなる反応管に非金属からなるチャンバを一体的に設けたので、反応管が金属汚染される心配がない。さらに、反応管の一部分にチャンバを設けたので、反応ガスを活性化した状態で安定した十分な量の活性種を反応管内に輸送できる。また、チャンバで活性化した反応ガスを反応管内に供給するので、基板処理の低温化が可能になる。また、反応管の一部分にチャンバを一体的に設けたので、構造の簡素化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板処理装置の第1の実施の形態による縦型ALD装置の構成図であり、(a)は(b)のA−A線矢視断面図、(b)は縦断面図である。
【図2】本発明に係る半導体製造装置の概略構成図である。
【図3】第2の実施の形態による縦型ALD装置の構成図である。
【図4】第3の実施の形態による縦型ALD装置の構成図であり、(a)は(b)のA−A線矢視断面図、(b)は縦断面図である。
【図5】従来例による縦型ALD装置の構成図であり、図5(b)は縦断面図、図5(a)はA−A線矢視断面図である。
【図6】第1の実施の形態にかかる連通孔の孔径特性を示す説明図である。
【符号の説明】
1  反応管
7  被処理ウェーハ(被処理基板)
2  放電部
6  バッファ室
60  チャンバ

Claims (1)

  1. 非金属からなる反応管を有し、前記反応管内に処理ガスを供給して前記反応管内に収容した被処理基板に所望の処理を行なう基板処理装置において、
    前記非金属からなる反応管の一部分に、前記反応管と連通する非金属からなるチャンバを一体的に設け、
    前記チャンバ内で前記処理ガスを活性化して前記反応管内に供給するものであることを特徴とする基板処理装置。
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